JP3361967B2 - 不織布およびそれからなる人工皮革 - Google Patents

不織布およびそれからなる人工皮革

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、挫掘性および軽量
性に優れた不織布、その製造方法および該不織布からな
る人工皮革に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、天然皮革の代替材料として挫掘性
に優れた人工皮革の開発が進められている。例えば、特
公昭62−46662号公報には、ソフトで挫掘性のな
い不織布および人工皮革として、高収縮繊維と自己伸長
性繊維とからなるウヱブをニードルパンチングした後、
収縮させ、次いで自己伸長繊維の伸長性を発現せしめた
高収縮不織布を作成し、ポリウレタン樹脂等を含浸、凝
固させた人工皮革用基材が提案されている。しかしなが
ら、該不織布を用いて作成した人工皮革は、挫掘性には
優れているものの、不織布を構成する繊維を収縮させる
ため、繊維重量が増加し、軽量性に劣るという問題があ
った。一方、特公平1−38915号公報には、人工皮
革用不織布として、中空繊維を用いることが記載されて
いる。しかしながら、該公報に記載されている不織布
は、中空繊維を用いて不織布作成後、中空繊維をフィブ
リル化し、極細繊維とするものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の目的
は、天然皮革の代替材料として、挫掘性および軽量性に
優れた人工皮革、および該人工皮革を作成するための不
織布を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、中
空繊維からなる不織布において、該不織布の厚さ方向の
一方から他方に向かって該中空繊維の中空率が勾配を有
していることを特徴とする不織布、中空繊維からなる不
織布を、温度差を有する加熱体の間でプレスせしめるこ
とを特徴とする上記不織布の製造方法および上記不織布
を用いた人工皮革に関するものである。
【0005】以下、本発明に関して詳細に説明する。本
発明において使用する中空繊維とは、繊維軸に対して直
角の横断面において空間のある繊維をいい、該空間部分
の割合は、繊維の断面積全体に対して20%以上である
ことが好ましく、40〜60%であることが特に好まし
い。中空繊維の初期中空率が大きいほど、不織布化した
後の密度勾配が大きくなるので好ましい。該中空繊維を
構成する成分としては、例えばポリエステル、ポリアミ
ド、ポリオレフィン等の繊維形成性を有する高分子重合
体であれば特に限定はないが、ポリエステル、ポリアミ
ドであることが好ましく、ポリエステルであることが特
に好ましい。
【0006】中空繊維の製造方法としては、従来公知の
方法を用いることができるが、例えば、ポリマー極限粘
度が0.45以上、好ましくは0.55〜0.70のポ
リエステルポリマーを中空型口金ノズルより紡速100
0〜2000m/minで溶融紡糸し,紡糸口金直下で
20〜35℃の冷風を風速0.2〜4.0m/minで
吹き付けて冷却する方法を用いることができる。使用す
る紡糸口金としては、例えば、中空型にスリットを有す
る中空キャップを用いることができる。ここで、紡糸す
る繊度を大きくせず、可能な限り中空率を大きくするた
めには、スリット幅を可能な限り薄くし、スリットの中
空型を形成する内径を可能な限り大きくすることが好ま
しい。具体的には、スリット幅は0.03〜0.05m
m、スリットの中空型を形成する内径は0.2〜0.4
mmとすることが好ましい。かくして得られた中空未延
伸糸は、用途に合わせて延伸される。
【0007】また、該中空繊維は、本発明の特徴である
軽量性を損なわない範囲で収縮性あるいは自己伸長性を
もたせることができ、収縮性あるいは自己伸長性を有す
る中空繊維を用いることが好ましい。例えば、特に70
℃の温水中で20%以上の収縮率を有する収縮性の中空
繊維を用いることができる。例えば、繊維に収縮性をも
たせる方法としては、紡糸することにより得られた原糸
を50〜75℃の温水浴中で1.5〜4.5倍に延伸
し、更に、ローラー、加熱プレート等で熱セットするこ
とにより延伸する方法が挙げられる。
【0008】また、本発明の不織布は、該不織布を形成
する主たる繊維が中空繊維であればよく、本発明の特性
を損なわない範囲で他の非中空繊維を混合して使用する
ことができる。不織布を形成する中空繊維の割合は、収
縮性を有しているか否かによっても異なるが、例えば不
織布重量に対して70%以上であることが好ましい。
【0009】本発明は、上記中空繊維を用いて不織布を
作成するが、不織布の作成方法は、従来公知の方法を用
いることができ、例えば、カード、ランダムウヱバー、
クロスラッパー、ニードルロッカー等一般的に不織布製
造に使用される設備を用いることができる。収縮性を有
する中空繊維を用いた場合は、不織布としたのち、該不
織布を適当な時間、温水浴中に浸漬または熱風中に放置
し、収縮処理を行う。
【0010】本発明においては、このようにして得られ
た中空繊維からなる不織布に、更に該不織布の厚さ方向
の一方から他方に向かって該中空率が勾配を有している
ことが必要である(以下、該密度勾配を有する不織布を
「本不織布」という)。
【0011】勾配を付ける方法としては、特に限定され
ないが、例えば、中空繊維からなる不織布を、温度差を
有する加熱体の間でプレスせしめることによって達成す
ることができる。具体的には、150〜170℃の金属
鏡面ローラーとこれより低温の金属またはゴムローラー
との間で狭圧することにより、高温ローラーに接触した
方の不織布表面の中空繊維の中空率が低下し、低温ロー
ラーに接触した方の不織布表面の中空繊維の中空率が変
化しないことから、該不織布の厚さ方向の一方から他方
に向かって該中空率の中空率が勾配を有することとな
る。中空率の勾配は、目的とする人工皮革の用途に応じ
て決めることができるが、プレスした後の加熱体に接し
た側の不織布表面の中空率は、0%以上30%以下、好
ましくは0%以上15%以下である。ここで、中空率0
%とは、中空繊維が完全につぶされている状態をいう。
更に、該不織布はプレスされることにより、得られた不
織布の表面は平滑性に優れたものとなる。
【0012】ここで、不織布を構成する中空繊維として
収縮性を有する繊維を用いる場合には、温水中または加
熱雰囲気下で収縮処理を行った後、上記中空繊維の中空
率に勾配を付ける処理を行うことが好ましい。このよう
に、不織布の一面側の中空率を低下させることにより、
その面の不織布の繊維密度が高まり、面平滑性が向上
し、密度勾配ができることにより、曲げ剛性が小さくな
りソフト性がアップし、得られた人工皮革の挫掘性が向
上するとともに外観品位の優れたものとなる。更に、中
空繊維を用いることにより、不織布全体の重量を減少さ
せることができ、得られた人工皮革も軽量性に富むもの
となる。
【0013】本発明によれば、本不織布を用いて人工皮
革を製造することができる。人工皮革の製造方法として
は、基材となる不織布として本不織布を用いること以外
は、従来公知の方法を用いることができる。具体的に
は、本不織布に高分子重合体を含浸および/または塗布
し、凝固、乾燥させ基材を作成する。該基材表面には、
高分子重合体からなる表面被覆層を形成する。ここで、
本不織布に含浸させる高分子重合体としては、ポリウレ
タンエラストマー、ポリウレタン/ウレアエラストマー
等のポリウレタン系エラストマーの他、ゴム状弾性を示
すアクリル酸樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン共重
合体、スチレン・ブタジエン共重合体等を用いることが
できる。これらは、有機溶剤溶液または水分散液として
本不織布に含浸される。また、表面被覆層を形成する高
分子重合体としては、ポリウレタンエラストマー、ポリ
ウレタン/ウレアエラストマー等のポリウレタン系エラ
ストマーを、有機溶剤溶液あるいは水などの非溶剤を分
散させたw/o型分散液として用いることができる。こ
れらは、基材表面に塗布した後、湿式凝固法または乾式
凝固法等を用いて脱溶媒することにより表面被覆層が形
成され、人工皮革が得られる。
【0014】本不織布を使用した場合、得られた人工皮
革の挫掘性は、非中空繊維からなる人工皮革の挫掘性に
比べて良好であり、柔軟性に富んだものとなる。例え
ば、円形非中空繊維の曲げ硬さを1とすると、中空率2
5%のものは0.938、中空率50%のものは0.7
50、中空率70%のものは0.490となる。更に、
中空繊維を用いることから、本発明の不織布およびそれ
からなる人工皮革は、軽量性に富むものである。本発明
の不織布を用いた人工皮革は、その特性から特に軽量性
を要求されるランニングシューズ用アッパーとして好ま
しく用いることができる。
【0015】
【実施例】以下に実施例を示し、本発明を説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。実
施例において、挫靴性は、評価すべきシート状物の表を
内側として折り曲げ、発生したシワの形状を観察し、シ
ワが小さく、分散しているものを「良」とし、シワが大
きく、集中するものを「不良」とした。実施例におい
て、充実感は、評価すべきシート状物の表を外側として
折り曲げた時に、ダンボールを折り曲げたように角ので
るものを「不良」とし、丸みをもって曲がるものを
「良」とした。
【0016】[実施例1]オルソクロロフェノール(以
下、「OCP」という。)中30℃で測定した固有粘度
0.60のポリエチレンテレフタレートを290℃で中
空繊維紡糸用口金(スリット幅0.03mm、スリット
の中空径を形成する内径0.3mm)を用いて紡糸し
た。得られた未延伸糸を58℃の温水中で2.7倍に延
伸し、冷空気にさらして乾燥し、70℃の温水中で40
%の収縮性を有し、同心円状の中空を有する中空率48
%、1デニールの繊維を得た。得られた繊維を51mm
にカットしカード、クロスラッパーによりウヱブを作成
し、更に800本/cm2のニードルパンチングを行
い、102g/m2の絡合不織布を得た。
【0017】得られた不織布を70℃の温水中に2分間
浸漬し、元の面積の60%に収縮させ、サクション脱水
機により含水率50%とした後、ハイドロジェンポリシ
ロキサンを主成分とする不織布処理剤0.3%液を含
浸、スクイーズし、含液率150%に調整した。これを
表面温度110℃のドラムと非加熱のベルトとからなる
ベルト加圧機に通し、面圧0.20kg/cm2で40
秒間乾燥プレスを行った後、更に先のベルト加圧機で熱
ドラム面に接した不織布面が再びドラム面に接するよう
にして、表面温度150℃のドラムと非加熱のベルトと
からなるベルト加圧機に通し、面圧0.22kg/cm
2で40秒間熱処理プレスした。得られた不織布の特性
を表1に示す。
【0018】本不織布をワックスで固定し、繊維断面を
走査型電子顕微鏡で観察した結果、熱ドラムに接した不
織布面から約0.4mmの間の繊維は中空繊維がつぶれ
ており、0.5mm以上0.9mmの部分では繊維断面
の中空がつぶれず維持されており、0.9mmを超える
部分では完全な同心円状の中空形状を有していた。
【0019】[実施例2]ポリテトラメチレングリコー
ル(分子量2040)とポリヘキサメチレンアジペート
(分子量2000)との1:1混合ポリマージオ−ル、
4、4´−ジフェニルメタンジイソシアネート、エチレン
グリコールを反応させたジイソシアネートに基づく窒素
含有量が4.0%のポリウレタンエラストマーのジメチ
ルホルムアミド溶液(濃度10%)に多孔調整剤、着色
剤を加えて含浸液を作成し、実施例1で作成した本不織
布を含浸し、含浸溶液量が900g/m2となるように
スクイーズし、含浸溶液量が900g/m2となるよう
に調整し、次いで同組成のポリウレタンエラストマー
(濃度20%)溶液を本不織布のドラム接触面側に溶液
量で900g/m2コーテイングした。
【0020】これを凝固水浴中に浸漬し、凝固させ、洗
浄を繰り返し脱溶媒を行った後、乾燥させた。得られた
基材のポリウレタン被覆面を240メッシュのサンドペ
パーを装着した研磨機で研磨し、ポリウレタン微細開放
孔を表面に有するヌバック調人工皮革を得た。得られた
人工皮革の特性を表1に示す。
【0021】[比較例1]OCP中30℃で測定した固
有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを、29
0℃でスリットのない口金を用いて紡糸した。得られた
未延伸糸を58℃の温水中で2.7倍に延伸し、乾燥冷
空気にさらして乾燥し、70℃の温水中で40%の収縮
性を有する2デニールの繊維を得た。
【0022】この繊維を51mmにカットし、カード、
クロスラッパーによりウヱブを作成し、更に800本/
cm22のニードルパンチングを行い、205g/m2
絡合不織布を得た。
【0023】これを70℃の温水中に2分間浸漬し、元
の面積の60%に収縮させ、サクション脱水機により含
水率を50%とした後、ハイドロジェンポリシロキサン
を主成分とする不織布処理剤0.3%液を含浸、スクイ
ーズし、含液率150%に調整した。これを表面温度1
10℃のドラムと非加熱のベルトとからなるベルト加圧
機に通し、面圧0.20kg/cm2で40秒間乾燥プ
レスを行った後、更に先のベルト加圧機で熱ドラム面に
接した不織布面が再びドラム面に接するようにして、表
面温度150℃のドラムと非加熱のベルトとからなるベ
ルト加圧機に通し、面圧0.22kg/cm2で40秒
間熱処理プレスして、不織布を得た。得られた不織布の
特性を表1に示す。得られた不織布を用いて実施例2に
記載した方法に準拠して人工皮革を作成した。得られた
人工皮革の特性を表1に示す。
【0024】[実施例3]OCP中30℃で測定した固
有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを290
℃で中空繊維紡糸用口金(スリット幅0.05mm、ス
リットの中空径を形成する内径0.3mm)を用いて紡
糸した。得られた未延伸糸を58℃の温水中で2.5倍
に延伸し、乾燥冷空気にさらし乾燥し、70℃の温水中
で52%の収縮性を有する中空率50%、1デニールの
繊維を得た。更に、この収縮中空糸を68℃の温水中で
定長収縮させ、150℃で6%の自己伸長性を有する繊
維を得た。
【0025】次いで、該繊維を51mmにカットし、高
収縮糸と自己伸長糸とを70:30の割合で混綿しカー
ド、クロスラッパーによりウヱブを作成し、更に800
本/cm2のニードルパンチングを行い、100g/m2
の絡合不織布を得た。
【0026】これを70℃の温水中に2分間浸漬し、元
の面積の60%に収縮させ、サクション脱水機により含
水率を50%とした後、ハイドロジェンポリシロキサン
を主成分とする不織布処理剤0.3%液を含浸、スクイ
ーズし、含液率150%に調整した。これを表面温度1
10℃のドラムと非加熱のベルトとからなるベルト加圧
機に通し、面圧0.20kg/cm2で40秒間乾燥プ
レスを行った後、更に先のベルト加圧機で熱ドラム面に
接した不織布面が再びドラム面に接するようにして、表
面温度150℃のドラムと非加熱のベルトとからなるベ
ルト加圧機に通し、面圧0.22kg/cm2で40秒
間熱処理プレスして、不織布を得た。得られた不織布の
特性を表1に示す。
【0027】本不織布をワックスで固定し、繊維断面を
走査型電子顕微鏡で観察した結果、熱ドラムに接した不
織布面から約0.4mmの間の繊維は中空繊維がつぶさ
れており、0.5mm以上0.9mmの部分では繊維断
面の中空がつぶれず維持されており、0.9mmを超え
る部分では完全な中空形状を有していた。本不織布を実
施例2に記載した方法に準拠して人工皮革を作成した。
得られた人工皮革の特性を表1に示す。
【0028】[実施例4]OCP中30℃で測定した固
有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを290
℃の中空繊維紡糸用口金スリット幅0.04mm、スリ
ットの中空径を形成する内径0.3mm)を用い紡糸し
た。得られた未延伸糸を60℃の温水中で2.5倍に延
伸し、乾燥冷空気にさらし乾燥し、70℃の温水中で5
5%の収縮性を有する中空率52%、1デニールの繊維
を得た。該未延伸糸を140℃のローラー延伸機で4倍
に延伸し、繊維強度が5.0g/deの非収縮繊維を得
た。
【0029】この繊維を51mmにカットし高収縮糸と
非収縮糸とを70:30の割合で混綿し、カード、クロ
スラッパーによりウヱブを作成し、更に800本/cm
2のニードルパンチングを行い、100g/m2の絡合不
織布を得た。
【0030】これを70℃の温水中に2分間浸漬し、元
の面積の60%に収縮させ、サクション脱水機により含
水率を50%とした後、ハイドロジェンポリシロキサン
を主成分とする不織布処理剤0.3%液を含浸、スクイ
ーズし、含液率を150%に調整した。これを表面温度
110℃のドラムと非加熱のベルトとからなるベルト加
圧機に通し、面圧0.20kg/cm2で40秒間乾燥
プレスを行った後、更に先のベルト加圧機で熱ドラム面
に接した不織布面が再びドラム面に接するようにして、
表面温度150℃のドラムと非加熱のベルトとからなる
ベルト加圧機に通し、面圧0.22kg/cm2で40
秒間熱処理プレスして、不織布を得た。得られた不織布
の特性を表1に示す。
【0031】本不織布をワックスで固定し、繊維断面を
走査型電子顕微鏡で観察した結果、熱ドラムに接した不
織布面から約0.4mmの間の繊維は中空繊維がつぶさ
れており、0.5mm以上0.9mmの部分では繊維断
面の中空がつぶれず維持されており、0.9mmを超え
る部分では完全な中空形状を有していた。本不織布を実
施例2に記載した方法に準拠して人工皮革を作成した。
得られた人工皮革の特性を表1に示す。
【0032】[実施例5]OCP中30℃で測定した固
有粘度0.60のポリエチレンテレフタレートを290
℃で中空繊維紡糸用口金(スリット幅0.04mm、ス
リットの中空径を形成する内径0.3mm)を用いて紡
糸した。得られた未延伸糸を140℃のローラー延伸機
で4倍に延伸し、繊維強度が5.0g/deの繊維を得
た。この繊維を70℃の温水中に2分間浸漬したが、収
縮性は示さなかった。
【0033】次いで、該繊維を51mmにカットし、高
強度糸をカード、クロスラッパーによりウヱブを作成
し、更に800本/cm2のニードルパンチングを行
い、170g/m2の絡合不織布を得た。
【0034】これを70℃の温水中に2分間浸漬し、サ
クション脱水機により含水率を50%とした後、ハイド
ロジェンポリシロキサンを主成分とする不織布処理剤
0.3%液を含浸、スクイーズし、含液率150%に調
整した。これを表面温度110℃のドラムと非加熱のベ
ルトとからなるベルト加圧機に通し、面圧0.20kg
/cm2で40秒間乾燥プレスを行った後、更に先のベ
ルト加圧機で熱ドラム面に接した不織布面が再びドラム
面に接するようにして、表面温度150℃のドラムと非
加熱のベルトとからなるベルト加圧機に通し、面圧0.
26kg/cm2で40秒間熱処理プレスして、不織布
を得た。得られた不織布の特性を表1に示す。
【0035】次いで、この不織布を実施例2で使用した
ものと同じポリウレタンエラストマー溶液(濃度10
%)を含浸し、スクイーズし、含液溶液量が900g/
2となるように調整した。更に、本不織布のドラム接
触面側に、同組成のポリウレタンエラストマー溶液(濃
度20%)を溶液量で900g/m2コーティングし、
凝固浴に浸漬し、凝固、洗浄、乾燥した。
【0036】得られた基材のポリウレタン被覆面を24
0メッシュのサンドペーパーを装着した研磨機で研磨
し、ヌバック調人工皮革を得た。得られた人工皮革の特
性を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】表1からわかるように、本発明の不織布を
用いて得られた人工皮革は、比較例1に示された人工皮
革に比べて、挫掘性に優れ、重量が少なく軽量性に優れ
たものであり、更に曲げ硬さが小さいことから柔軟性に
も優れたものであることがわかった。
【0039】
【発明の効果】本発明によって得られた不織布は、中空
繊維からなり、該不織布の厚さ方向の一方から他方に向
かって該中空繊維の中空率が勾配を有していることを特
徴とするものであり、該不織布を用いて作られた人工皮
革は、挫掘性および軽量性に優れた効果を奏するもので
ある。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D06N 3/00 - 3/18 D04H 1/00 - 13/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中空繊維からなる不織布において、該不
    織布の厚さ方向の一方から他方に向かって該中空繊維の
    中空率が勾配を有していることを特徴とする不織布。
  2. 【請求項2】 中空繊維からなる不織布を、温度差を有
    する加熱体の間でプレスせしめることを特徴とする請求
    項1記載の不織布の製造方法。
  3. 【請求項3】 人工皮革において、基材として請求項1
    記載の不織布を用いることを特徴とする人工皮革。
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