JPH0476752B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は電気透析によりアルカリ飲料水を製造
する装置に関する。

電気透析によりアルカリ飲料水を製造する装置
としては、電解槽の陰極室及び陽極室に原水を入
れ、両極室内の電極に直流電圧を所定時間印加し
透析を行ない陰極室にアルカリ飲料水を製造する
いわゆるバツチタイプと、両極室への水の供給口
をホースで水道蛇口へ連通し水を供給しつつ透析
し陰極室の排出口よりアルカリ飲料水を連続的に
取水するようにした連続タイプとが提案されてい
る。

しかしながら、これら両タイプ共アルカリ飲料
水と同時に生成される酸性水はほとんど廃棄され
ているのが現状である。この酸性水はアルカリ飲
料水とほぼ当量生成されるため、原水の半分はむ
だにされるという難点があつた。

更に酸水性を廃棄するため、バツチタイプにお
いてはその操作が面倒であり、連続タイプにおい
ては酸性水の廃棄ホースが必要でその分装置が複
雑となる等の難点があつた。

本発明は、これらの難点を解決する装置の提供
を目的とする。

即ち、本発明は陰極室と陽極室を隔膜で仕切
り、両極室に設けた電極に直流電圧を印加しアル
カリ飲料水を製造する装置において、陽極室に排
出口と供給口を設け両者を連通し、陽極室の酸性
水を陽極室の供給口のみに供給し、酸性水を循環
して使用するようにしたことを特徴とするアルカ
リ飲料水の製造装置である。

本発明によれば、陽極室側の水は循環して使用
するため原水の使用量が半分ですむ。また、かか
る装置では通常陽極室に乳酸カルシウムを添加す
るが、かかる乳酸カルシウムは予め陽極室に添加
しておけるため、連続タイプのように特別な添加
装置はかならずしも必要でなく、またバツチタイ
プのようにその都度乳酸カルシウムを添加する必
要がない。

本発明において、通電中陽極室の水は循環し流
動するが陰極室側の水はバツチタイプのように循
環せずに静止しているもの又は連続タイプのよう
に流動し連続的に取水可能にしたものいずれであ
つてもよい。

以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明す
る。

第１図は、本発明の好ましい態様を示す模式図
である。第２図は本発明による装置の側面図、第
３図は原水兼アルカリ水タンク、第４図は酸性水
タンクである。図においては、１は電解槽、５は
原水兼アルカリ水タンク、７は酸性水タンクであ
る。

第１図の如く、縦長の電解槽１内には複数の隔
膜２が所定間隔で縦方向に配され、これら隔膜の
間隙には陽電極３及び陰電極４が交互に配され、
陽極室及び陰極室がそれぞれ形成されている。各
陽極室は下方に設けた一つの陽極室の供給口及び
上方に設けた一つの陽極室の排出口に連通し、各
陰極室は下方に設けた一つの陰極室の供給口及び
上方に設けた一つの陰極室の排出口に連通してい
る。この陽極室の排出口は酸性水タンク７、ポン
プ８を介し陽極室の供給口のみに連通し、陰極室
の排出口は原水兼アルカリ水タンク、ポンプ６を
介し陰極室の供給口に連通している。原水兼アル
カリ水タンク５に収容された原水は、ポンプ６に
より電解槽の陰極室に供給され酸性水タンク７内
の水はポンプ８により電解槽の陽極室に供給され
る。両極室に供給された水は電解極内を流動しつ
つ電解された後、陽極室の酸性水は酸性タンクに
戻り、陰極室側のアルカリ水は切換弁２１を介し
て取出口９へ送られ、コツプ等に取水される。ま
た、切換弁２１を切換えるとアルカリ水は原水兼
アルカリ水タンク５に供給され、この状態を継続
することにより、原水兼アルカリ水タンクの水は
次第にアルカリ水となる。

本発明の装置は第２図の如く、Ｌ型の本体１０
内の右方に電解槽１、モーター６，８及びトラン
ス整流器等が収納されており、本体内の左下方に
酸性水タンク７が上方より着脱可能に収納されて
いる。この酸性水タンクは下方に弁１１が設けて
あり、上方より本体へ落し込むことにより自重で
弁１１が開き、本体に設けた配管に連通し、ポン
プ８と連通するようになつている。

この酸性水タンクの上面に原水兼アルカリ水タ
ンク５が着脱自在に載置され、酸性水タンク同様
自重にて下方の弁１２が開き、本体に設けたパイ
プに連通しモーター６に連通されるようになつて
いる。１３は電解槽１の陰極室出口と、タンク５
の蓋に設けたアルカリ水導管を連通する連通手段
で上方に可動に設けてある。

第３図は原水兼アルカリ水タンクの断面図で開
閉可能な蓋体１４には、本体の連通手段１３から
のアルカリ水を集水する集水部１５と、該集水部
と連通し反対側に若干下方へ傾斜した取水口９を
有するパイプ１６が設けてある。このパイプは、
水平方向を回転軸とし回転可能になつており、取
水口の傾斜方向と反対の側面にタンク内に連通す
る開口１７が設けてある。図の状態ではアルカリ
水が取水口９により取出されるが、パイプを180
度回転するとアルカリ水は全量タンク内へ供給さ
れる。パイプを回転する代りにパイプに切換弁を
設け、アルカリ水の供給先を切換えてもよい。

タンク下方の弁１２は、スプリング１８により
下方へ押圧され密閉状態になつているが、本体に
載置すると本体に設けたパイプにより上方へ押し
上げられタンクとモーターが連通するようになつ
ている。

第４図は酸性タンクの断面図であり、タンク５
の弁１２と同様スプリング１９により下方に押圧
され密閉状態になつているが、本体に載置すると
本体のパイプにより押し上げられ、それと連通す
る。このパイプはポンプ８に連通するパイプと電
解槽の陽極室出口に連通し電解槽からの戻り流を
タンクに戻すパイプとが、少なくとも弁１１の位
置では一体となつている。２０は開閉可能な蓋で
ある。

次に本装置の使用方法を説明するが、先ず、本
体１０により原水兼アルカリ水タンク５及び酸性
水タンク７を取出す。次いで、タンク５には蓋１
４を取外し水道水を入れ再び蓋をする。タンク７
には水道水及び乳酸カルシユームを入れ再び蓋を
する。次いでタンク７を本体に収納しタンク７の
上にタンク５を載置する。

次いで電源スイツチを入れると、ポンプ６，８
により電解槽に水が供給されアルカリ水が取水口
９よりコツプ等に直接取水できる。一方パイプ１
６を回転し開口１７が下方に位置するようにして
おけば、タンク５内の水は次第にアルカリ水とな
り、電解終了後本体１０よりタンク５を取外し、
アルカリ水の容器として使用できる。

酸性水は循環しておりほとんど減少することが
ないので、タンク７には時々水を補給するだけで
よく、通常はタンク５のみ水道水を入れるだけで
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による装置のフローシートであ
る。第２図は本発明による装置の側面図である。
第３図は原水兼アルカリ水タンクの断面図であ
る。第４図は酸性水タンクの断面図である。 １……電解槽、５……原水兼アルカリ水タン
ク、７……酸性水タンク、９……取水口。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 陰極室と陽極室を隔膜で仕切り、両極室に設
   けた電極に直流電圧を印加しアルカリ飲料水を製
   造する装置において、陽極室に排出口と供給口を
   設け、両者を連通し、陽極室の酸性水を陽極室の
   供給口のみに供給し、酸性水を循環させるように
   したことを特徴とするアルカリ飲料水の製造装
   置。 ２ 陰極室の供給口に原水タンクを連通し、陰極
   室の排出口へアルカリ飲料水の取水口を連通した
   特許請求の範囲第１項記載の装置。 ３ 前記陰極室の排出口と取水口との間に該排出
   口を該取水口及び前記原水タンクへ選択的に連通
   する切換弁を設けた特許請求の範囲第２項記載の
   装置。