JPH026588B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、水道水圧が加わつた状態など、加圧
状態で水を供給し、アルカリイオン水、酸性水を
連続的に生成する圧力型の連続式電解水生成装置
に関するものである。

（従来技術） この種の連続式電解水生成装置としては、ポー
ラスな隔壁で陰極室と陽極室とを仕切り、それぞ
れの極室に電極を設けて、直流電圧を印加し、上
記陰極室および陽極室を流れる水に対して電気分
解および電気滲透作用を行なわせるものが知られ
ている。この種の連続式電解装置は、水の供給が
電解槽前の供給側で制御され、水の供給が不要な
時には、供給側のバルブを閉じて置く。また、電
解水、とくにアルカリイオン水は貯槽にためて置
いて、使用に供する形式であり、電解槽から貯槽
には水の落差で供給するようになつている。した
がつて、貯槽の水レベルが一定値以上になつて、
はじめて供給側バルブに信号が与えられ、電解槽
への水供給がなされるのである。この形式では貯
槽を必要とする上、貯槽から供給元へ所望の水圧
で給水するために、貯槽からの供給ラインにポン
プを設置しなければならない。

そこで、電解槽の水供給口側を水道などの圧力
水源に連通させた形式で、その圧力を利用して電
解生成水の供給ラインでの水圧を維持し、貯槽お
よびポンプを用いることなく、しかも、所望の時
に電解生成水の取出しができるようにした連続式
電解水生成装置が先きに提唱された。

この場合、電解槽内は時々、洗滌を行つて電極
などに析出する沈澱物を除去する必要がある。こ
れには逆電などの電気的処理もあるが、洗滌液を
用いて、これを陰極室、陽極室に循環し、化学的
に処理する方式もある。

この化学的処理方法を採用する場合、注意する
点は、洗滌液によつて化学反応すると、炭酸ガス
などが多量に発生し、これを排出させる必要があ
る。また、洗滌後に、炭酸ガスなどがアルカリイ
オン水の供給側や、酸性水の供給側に流れてはい
けないのである。

そこで、本発明者は、先きに特願昭58−221743
号において、この点を配慮した連続式電解水生成
装置を提唱した。

（発明が解決しようとする問題点） 本発明は、上記連続式電解水生成装置におい
て、アルカリイオン水も酸性水もそれぞれ利用す
る形式になつているもので、上記の化学的な洗滌
効果に加えて、逆電による洗滌も適宜実現できる
ところの連続式電解水生成装置を提供しようとす
るものである。

（問題点を解決するための手段） この目的のため、本発明はポーラスな隔壁で陰
極室と陽極室とを仕切り、それぞれの極室に電極
を設けて、直流電圧を印加し、上記陰極室および
陽極室を流れる水に対して電気分解および電気滲
透作用を行なわせる圧力型のものにおいて、陰極
室および陽極室の各出口側ラインに管路切換弁を
設け、上記陰極室および陽極室の出口側ライン
を、上記管路切換弁を介して、各供給ラインおよ
び、循環ポンプおよび気液分離手段を持つ洗滌用
ラインに、選択的に連結して、上記管路切換弁の
切換えで、上記陰極室および陽極室を介して洗滌
循環路を構成できるようにすると共に、各供給ラ
インにフロースイツチを設け、上記フロースイツ
チの上流で電動開閉弁および絞りを介してドレン
を連通してなり、一方のフロースイツチの動作
で、他方の供給ライン側のソレノイドバルブを開
放動作するように構成したことを特徴とするもの
である。

（実施例） 以下、本発明の一実施例を図面を参照して具体
的に説明する。図において、符号１は電解槽であ
り、細長い円筒状をなし、下端に水供給室２を具
備している。また、胴部は円筒状のポーラスな隔
壁（素焼や、その他電気滲透膜として機能するも
の）３で中央と外周側とにわけられ、外周側を陰
極室４とし、中央を陽極室５としていて、それぞ
れに電極６，７を配設している。そして、上記両
極室４，５は上記水供給室２に対して下端で連通
している。また、上記陰極室４および陽極室５
は、その上端で出口側ライン８ａおよび９ａにそ
れぞれ連通されており、これらに連通する各供給
ライン８および９にはフロースイツチ１０および
１０ａが設けられ、また、上記フロースイツチの
上流側でそれぞれバイパスが設けられドレンに連
通されている。そして、上記各バイパスには上記
スイツチ１０および１０ａの信号で開閉制御され
る電動開閉弁、例えばソレノイドバルブ１１およ
び１１ａが設けられている。そして、また、上記
バイパスには絞り弁１２および１２ａが設けられ
ている。また、上記供給ライン８および９の端に
はカラン１３，１４が設けられている。そして、
上記カラン１３が開放されると、フロースイツチ
１０が働き、ソレノイドバルブ１１が開放され、
また、絞り弁１２の働きで上記ライン９側の圧力
あるいは流量が規制できるのである。カラン１３
を閉じれば、フロースイツチ１０が働き、ソレノ
イドバルブ１１は閉じる。

同様のことは、カラン１３を開放した時にも実
現される。こゝではフロースイツチ１０ａが働
き、ソレノイドバルブ１１ａが開閉され、絞り弁
１２ａが絞り機能をはたす。

また、上記ソレノイドバルブ１１および１１ａ
には、別の電気系によつて、逆電洗滌の時、附勢
信号が与えられる。このため、逆電によつて陰極
室４に生成された酸性水（これは、電極から剥離
した沈着物などを含む被洗滌水である）および陽
極室５に生成されたアルカリイオン水は、ドレン
へと放出されることになる。

また、出口側ライン８ａおよび９ａには、モー
タ駆動型の三方切換弁などよりなる管路切換弁１
５，１６が設けてあり、そのバイパス口に洗滌用
ライン１７がその両端を連結している。上記洗滌
用ライン１７には気液分離手段としてのガス抜き
タンク１８および、低圧循環ポンプ１９が設けら
れており、上記ガス抜きタンク１８にはその上部
に排気を兼ねる排水ライン２０（ドレンに落ちて
いる）が連通されている。また、洗滌液供給ポン
プ２１が逆止弁２２を介して、上記ポンプ１９の
サクシヨン側に連通されている。

なお、図中、符号２３は、水道水源を連通する
水供給ライン２４に設けられたモータ駆動型の開
閉弁であり、符号２５はパルスポンプなどの薬液
（ミネラル分など）供給用のポンプであつて、逆
止弁２６を介して水供給室４に連通している。

このような構成では、カラン１３あるいは１４
の開放により、供給ライン９あるいは８がドレン
に開放される時、水道水圧で陰極室４および陽極
室５へ、圧力水が供給され、アルカリイオン水あ
るいは酸性水の供給量に見合つた酸性水あるいは
アルカリイオン水の供給が達成され、この状況下
で、電解槽１では電解が達成されるのである。こ
の場合、電解のための直流印加は例えばフロース
イツチ１０および１０ａからの信号でなされると
よい。この間、ポンプ２５の働きで、ミネラル補
給などがなされる。

適当な切換え制御手段の働きで、開閉弁２３を
閉じる時、同時に管路切換弁１５，１６を切換
え、陰極室４および陽極室５に連通する出口側ラ
イン８ａ，９ａを洗滌用ライン１７に連通させる
と、上記陰極室、陽極室を含む洗滌循環路がアル
カリイオン水および酸性水の供給先への供給ライ
ン８，９から分離された状態で構成される。そし
てポンプ１９および２１を駆動させると、上記洗
滌用ライン１７には洗滌液が流入し、陰極室４、
水供給室２、陽極室５を介して洗滌液が洗滌用水
と共に循環される。この洗滌中に発生したガス
は、ガス抜きタンク１８より排水ライン２０を介
して外部に放出される。そして、洗滌が終了した
ならば（タイマーなどを利用して時間設定をする
とよい）、ポンプ２１を止め、開閉弁２３を開放
すると、新しい水が水供給室２、陽極室５を介し
て洗滌用ライン１７に入り込み、ガス抜きタンク
１８を介して排水ライン２０に一部排出され、残
りがポンプ１９を介して陰極室４に流れ、漸次、
電解槽１内を水洗するのである。このようにし
て、電解槽１内が清浄になつたなら、管路切換弁
１５，１６の切換えで、供給ライン８および９に
陰極室および陽極室の各出口側ライン８ａおよび
９ａを切換えれば、次の電解および電気滲透作用
による通常の水生成状態にセツトされる。

この場合、洗滌循環路は、管路切換弁１５，１
６の働きで完全に、水生成ラインから分離されて
しまうので、洗滌時発生したガスはアルカリイオ
ン水供給先などにもたらされることがない。ま
た、この実施例では洗滌液がポンプ２１のデリベ
リ側に残つていて、これが洗滌用ライン１７に時
間をかけて流出しても、管路切換弁が切換えられ
れば、洗滌用ライン１７は独立してしまい、生成
水中に混入されるおそれはない。

なお、上記実施例では、洗滌液を、洗滌液供給
ポンプ２１を介して洗滌用ライン１７に入れてい
るが、水供給室２あるいは陽極室５などへ直接供
給できるようにしてもよい。

また、洗滌用ライン１７のポンプデリベリ側を
管路切換弁１６を介して陽極室５の出口側ライン
９ａに、またサクシヨン側を管路切換弁１５を介
して陰極室４の出口側ライン８ａに、接続する形
態にしてもよい。この時には洗滌循環路は逆まわ
りになる。

本発明は、以上詳述したように、陰極室および
陽極室の出口側でその出口側ラインに対し、管路
切換弁を介して循環ポンプおよび気液分離手段を
有する洗滌用ラインを連結するようにしたので、
化学的な洗滌の間、アルカリイオン水供給側など
へ発生ガスが流れることなく、また、発生ガスは
洗滌液、洗滌水の循環の過程で外部排出でき、洗
滌水が洗滌後にアルカリイオン水供給先などへも
たらされることがない。また、アルカリイオン水
あるいは酸性水を独立に使用することができ、必
要に応じて逆電による洗滌も実現できる。

追加の関係 原発明特許第1463567号（特公昭63−8833号）
は連続式電解水生成装置の陰極室および陽極室の
各出口側ラインに管路切換弁を設け、上記陰極室
および陽極室の出口側ラインを上記管路切換弁を
介して循環ポンプおよび気液分離手段を持つ洗滌
用ラインに連結して、上記管路切換弁の切換え
で、上記陰極室および陽極室を介して洗滌循環路
を構成することを発明構成の必須事項とし、上記
洗滌用ラインによる電解槽の化学的洗滌を目的と
するものである。

これに対し、本願発明は原発明の上記構成を共
通にし、さらに上記各出口ラインにそれぞれフロ
ースイツチを設けるとともに、各ラインのフロー
スイツチ上流側でソレノイドバルブ及び絞りを介
してドレンを連通し、一方のフロースイツチの動
作で他方のライン側のソレノイドバルブを開放動
作するように構成したもので、上記洗滌用ライン
による電解槽の化学的洗滌に加えて逆電による洗
滌を可能にしたものである。

従つて本願発明は原発明の構成に欠くことので
きない事項の全部をその必須構成の主要部とし、
電解槽の洗滌という同一目的を達成するものであ
るから特許法第31条第１号の関係を満すものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明の一実施例を示す回路構成図であ
る。 １……電解槽、２……水供給室、３……隔壁、
４……陰極室、５……陽極室、６，７……電極、
８ａ，９ａ……出口側ライン、８，９……供給ラ
イン、１０，１０ａ……フロースイツチ、１１，
１１ａ……ソレノイドバルブ、１２，１２ａ……
絞り弁、１３，１４……カラン、１５，１６……
管路切換弁、１７……洗滌用ライン、１８……ガ
ス抜きタンク、１９……低圧循環ポンプ、２０…
…排水ライン、２１……洗滌液供給ポンプ、２２
……逆止弁、２３……開閉弁、２４……水供給ラ
イン、２５……ポンプ、２６……逆止弁。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ポーラスな隔壁で陰極室と陽極室とを仕切
   り、それぞれの極室に電極を設けて、直流電圧を
   印加し、上記陰極室および陽極室を流れる水に対
   して電気分解および電気浸透作用を行なわせる圧
   力型のものにおいて、陰極室および陽極室の各出
   口側ラインに管路切換弁を設け、上記陰極室およ
   び陽極室の出口側ラインを、上記管路切換弁を介
   して、各供給ラインおよび、循環ポンプおよび気
   液分離手段を持つ洗滌用ラインに、選択的に連結
   して、上記管路切換弁の切換えで、上記陰極室お
   よび陽極室を介して洗滌循環路を構成できるよう
   にすると共に、各供給ラインにフロースイツチを
   設け、上記フロースイツチの上流で電動開閉弁お
   よび絞りを介してドレンを連通してなり、一方の
   フロースイツチの動作で、他方の供給ライン側の
   電動開閉弁を開放動作するように構成したことを
   特徴とする連続式電解水生成装置。