JPH0474241B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】

本発明は物品搬送保管設備に係り、特に、コイ
ル状に巻き取られた薄板鋼帯等の重量物を搬送保
管する際に用いて好適な、上流ラインの終端から
下流側ラインの始端へ、塗油コイルや無塗油コイ
ル等の直径が変化するコイル状の物品を受渡す際
に、この物品を一時保管するための物品搬送保管
設備に関する。

【従来の技術】

従来、コイル状に巻き取られた薄板鋼帯（以下
コイルと称する）等の重量物を搬送保管する設備
は、搬送設備としてコンベア、天井クレーン等が
用いられ、保管設備として多数の固定スキツドを
配したコイルヤード等が用いられていた。 第９図に、従来のコイル搬送保管設備の一例を
示す。このコイル搬送保管設備は、上流側ライン
１から出たコイル２を搬送するコイルカー３と、
このコイルカー３から搬送されたコイル２を間欠
移動しながら保管に必要な作業を施すコンベア４
と、このコンベア４上で作業が完了したコイル２
を保管する多数の固定スキツド５Ａ群から構成さ
れるコイルヤード５と、このコイルヤード５にコ
イル２を搬送するための天井クレーン６と、この
天井クレーン６により搬送されたコイル２を間欠
移動しながらこのコイル２に対して下流側ライン
９に挿入するための準備作業を施すコンベア７
と、このコンベア７上の作業完了後のコイル２を
下流側ライン９に搬送するコイルカー８とから構
成されている。 次に、この従来のコイル搬送保管設備における
コイル２の流れについて説明する。 まず、上流側ライン１から出たコイル２は、該
上流側ライン１のリールからコイルカー３によつ
て前記コンベア４に移載される。 この移載されたコイル２はコンベア４により間
欠的に前送りされ、この間に、コイル２の結束、
ナンバーリング、秤量等の保管のための付帯作業
が施される。 次に、このような付帯作業が完了したコイル２
は、前記天井クレーン６によりコイルヤード５の
所定の固定スキツド５Ａに搬送され、保管され
る。 又、下流側ライン９にコイル２を供給する場合
には、所定の固定スキツド５Ａ上のコイル２を前
記天井クレーン６により吊り下げてコンベア７上
に移載する。 この移載されたコイル２は、コンベア７により
間欠的に前送りされながら、下流側ライン９に挿
入するためのバンドの除去、コイル番号の確認等
の挿入準備作業が施される。このコンベア７上で
挿入準備作業が完了したコイル２はコイルカー８
によつて下流側ライン９に搬送される。 以上のように従来のコイル搬送保管設備は、一
般に上流側と下流側のラインが存在する同一建物
内のこれらライン間にコイル２の保管場所として
のコイルヤードを設定し、このコイルヤード上を
ライン方向に移動可能な天井クレーンを設けるこ
とにより構成されていた。

【発明が解決しようとする問題点】

しかしながら、上記従来のコイル搬送保管設備
にあつては、コイル２の搬送を主に天井クレーン
６によつて行つているため、以下のような問題点
がある。 第１０図に示す如く、天井クレーン６に取付け
たトング（吊り具）６Ａによつてコイル２の内径
部を直接つかみ上げるようにしているため、コイ
ル２をつかむときにコイル２のエツジにトング６
Ａに先端を当ててしまうことがあり、これによ
り、コイル２に傷をつけてしまうという問題点が
ある。又、コイル２の内径部内にストリツプエン
ドの垂れ下がりがある場合にはそれを潰してしま
うという問題点がある。 又、ラインの処理能力に対して天井クレーン６
の搬送能力は限られており、これによりラインの
処理能力を制約してしまうという問題点がある。 又、最終製品に近い状態のコイルを取扱うライ
ンにあつては、防錆油を塗布した状態のコイル
（塗油コイル）の製品の性格上油分をつけてはな
らないコイル（無塗油コイル）があり、これら両
方のコイルを搬送する場合には、既に塗油コイル
を置いたスキツドに油分が転写されており、次
に、このスキツド上に無塗油コイルを置く場合に
は、この無塗油コイルにスキツド上の油分が転写
されることを防止するため、スキツドやトング等
を洗浄したり、あるいはスキツドとコイルとの間
に敷紙を挟むという必要があり、しかもこれらの
作業は各固定スキツド位置にて行なわなければな
らず、作業が繁雑になるという問題点がある。 又、前記天井クレーンはその走行範囲が限定さ
れているため、コイルヤードの増設が困難となる
という問題点がある。 又、前記コイルヤードの増設を別建物として行
なう場合、別途天井クレーンを配置する必要があ
り、更に接続用のコンベアや台車等の搬送設備を
設置する必要があり、設備費が増大するという問
題点がある。

【発明の目的】

本発明は上記従来の問題点を解消するべくなさ
れたもので、パレツトで上流側ラインからコイル
等の物品を受け取つた後は、方向変換・移動・保
管等のいずれにおいても、物品そのものを移載や
昇降することなく、多数保管できるようにして、
搬送保管する物品を傷付けることなく、且つ、塗
油コイルや無塗油コイル等が混在した物品の取扱
いを容易とし、しかも、昇降動作が不要なための
小型簡略な台車で物品を効率良く搬送保管するこ
とができ、更には、搬送保管能力を増大するため
の増設が容易に可能な物品搬送保管設備を提供す
ることを目的とする。

【問題点を解決するための手段】

本発明は、上流側ラインの終端から下流側ライ
ンの始端へ、塗油コイルや無塗油コイル等の直径
が変化するコイル状の物品を受渡す際に、この物
品を一時保管するための物品搬送保管設備であつ
て、中央に物品受渡手段進入のための切欠を有
し、その両側にＶ字形に沿う載置面を有して、前
記物品を当該載置面に積載する無駆動台車からな
るパレツトと、このパレツトの移動方向に直交す
る方向に移動し且つ前記パレツトを略水平に引込
んでレール上に積載する駆動台車からなるフイー
ダ台車と、このフイーダ台車の移動方向と直交す
る方向に移動し且つ前記フイーダ台車をこのフイ
ーダ台車の移動レールと略同一レベルのレール上
に積載する駆動台車からなるトラバース台車と、
前記フイーダ台車の軌道側方に該軌道と直交する
ように配置され、前記パレツトを各々１台毎保管
する多数のストレージ軌道と、上流側ラインの物
品受渡位置から前記フイーダ台車まで物品を積載
したパレツトを搬送する上流側実パレツトコンベ
アと、前記フイーダ台車から下流側ラインの物品
受渡位置まで物品を積載したパレツトを搬送する
下流側実パレツトコンベアと、この下流側実パレ
ツトコンベアの前記下流側ラインとの物品受渡位
置から前記上流側実パレツトコンベアの前記上流
側ラインとの物品受渡位置まで物品を積載してい
ないパレツトを搬送する空パレツトコンベアと、
前記上流側ラインの物品受渡位置並びに前記下流
側ラインの物品受渡位置の実パレツトコンベアと
空パレツトコンベアの交差部でパレツトを方向転
換させるターンテーブルとを備えることにより、
上記目的を達成するものである。

【作用】

本発明においては、中央に物品受渡手段進入の
ための切欠を有し、その両側にＶ字形に沿う載置
面を有する無駆動台車からなるパレツトの前記載
置面に、塗油コイルや無塗油コイル等の直径が変
化するコイル状の物品を積載して、パレツトと共
に、自走式のフイーダ台車及びトラバース台車に
より搬送して、前記フイーダ台車の軌道側方に配
置される多数のストレージ軌道に該物品をパレツ
トと共に保管するようにしている。従つて、従来
の如く天井クレーンにより物品を吊り上げて搬送
することがないので、搬送経路の選択自由度及び
搬送効率を向上することができ、且つ、パレツト
で上流側ラインからコイル等の物品を受け取つた
後は、方向変換、移動、保管等のいずれにおいて
も、物品そのものを移載や昇降することなく多数
保管でき、しかも、搬送する物品を傷つけたり、
塗油コイルや無塗油コイル等が混在した物品であ
つても容易に取扱うことができる。 即ち、従来の場合物品を搬送する際物品を吊り
上げるようにしているため、物品をつかむときに
トング等により物品を傷つけてしまうことがあつ
たがこれを解消することができる。 又、保管する物品が塗油コイルや無塗油コイル
等が混在する物品である場合であつて、例えば、
塗油コイルが積載されていたスキツドに対し、新
たに無塗油コイルを積載する場合には、従来は、
該スキツドを洗浄したり、あるいは該スキツドと
無塗油コイルとの間に敷紙を挟む等の作業が各固
定スキツド位置それぞれにおいて必要であつた
が、これらの作業を一箇所で行うことができ、こ
れら作業を容易なものとすることができる。 又、前記フイーダ台車を増設することにより、
容易に搬送能力を増大することができる。従つ
て、従来の如くクレーンの搬送能力が処理ライン
の処理能力を制限してしまうということがなくな
り、ライン全体の生産性を向上することができ
る。 又、下流側実パレツトコンベアの下流側ライン
との物品受渡位置から上流側実パレツトコンベア
の上流側ラインとの物品受渡位置まで物品を積載
していない空パレツトを搬送する空パレツトコン
ベアが設けられることにより、空パレツトの効率
的な運用が可能となる。

【実施例】

以下、本発明の実施例を図面を参照して説明す
る。 本実施例は、上流側ライン１０と下流側ライン
１１との間に設置されるコイル搬送保管設備に本
発明を実施したものである。 本実施例は、第１図乃至第６図に示す如く、コ
イル１２を積載する無駆動台車からなるパレツト
１３と、このパレツト１３の移動方向に直交する
方向に配置されたレール２１上を移動し且つ前記
パレツト１３を積載する駆動台車からなるフイー
ダ台車２０と、このフイーダ台車２０の移動方向
と直交する方向に配置されたレール３１上を移動
し且つ前記フイーダ台車２０を積載する駆動台車
からなるトラバース台車３０と、前記フイーダ台
車２０のレール２１側方に該レール２１と直交す
るように配置され、前記パレツト１３を１台ずつ
保管する多数のストレージレール４０と、上流側
ライン１０のコイル受渡位置１０Ａから前記フイ
ーダ台車２０までコイル１２を積載したパレツト
１３を搬送する上流側実パレツトコンベア５０
と、前記フイーダ台車２０から下流側ライン１１
のコイル受渡位置１１Ａまでコイル１２を積載し
たパレツト１３を搬送する下流側実パレツトコン
ベア５１と、この下流側実パレツトコンベア５１
の前記下流側ライン１１とのコイル受渡位置１１
Ａでコイル１２を載置していない空のパレツト１
３を90°転回させる下流側ターンテーブル７０及
び前記上流側実パレツトコンベア５０の前記上流
側ライン１０とのコイル受渡し位置１０Ａで前記
空パレツト１３を90°転回させる上流側ターンテ
ーブル７０と、前記下流側ターンテーブル７０と
前記上流側ターンテーブル７０との間で空のパレ
ツト１３を搬送する空パレツトコンベア６０とを
備えてなる。なお、前記ターンテーブル７０は前
記実パレツトコンベア５０，５１と空パレツトコ
ンベア６０との接続箇所、及び空パレツトコンベ
ア６０の方向変換箇所に配置され、前記パレツト
１３を水平面内で90°回転してパレツト１３の向
きを変更するものである。 前記フイーダ台車２０と、このフイーダ台車２
０を移動案内するレール２１と、前記トラバース
台車３０と、このトラバース台車３０を移動案内
するレール３１と、前記フイーダ台車２０のレー
ル２１に直交する方向に多数配置されるストレー
ジレール４０とから、コイルヤード９０が構成さ
れている。なお、図中の符号４２は、前記ストレ
ージレール４０から構成され、パレツト１３を１
台ずつ保管するためのストレージエリアを示す。 前記上流側ライン１０のコイル受渡位置１０Ａ
の上流側には、前記上流側ライン１０から上流側
実パレツトコンベア５０にコイル１２を搬送する
コイルカー８１が配置されている。 前記下流側ライン１１のコイル受渡位置１１Ａ
の下流側には、前記下流側実パレツト搬送コンベ
ア５１により搬送される実パレツト１３のコイル
１２のみを下流側ライン１１に搬送するウオーキ
ングビーム８６及びコイルカー８７が配置されて
いる。 前記パレツト１３は、第２図及び第３図に示す
如く、Ｖ字形に沿う載置面を有し、コイル１２が
載置されるサドル１４と、このサドル１４の下部
前後左右位置に取付けられる車輪１５とから構成
されている。前記サドル１４の中央には、前記ウ
オーキングビーム８６やコイルカー８１，８７等
との間でコイル１２の受渡しを可能とするための
切欠１４Ａが形成されている。 又、前記サドル１４の下部中央には、このパレ
ツト１３を移動させるための後述するフイーダ装
置２６の係合アーム２９Ａ等が係合する係合凹部
１６が形成されている。 前記フイーダ台車２０は、第２図及び第３図に
示す如く、前記レール２１上を自走するための駆
動モータ２２と、このモータ２２を制御する制御
盤２３と、この制御盤２３に駆動電流及び制御信
号を給電するための給電装置２４と、前記パレツ
ト１３を積載するためのレール２５と、このレー
ル２５上にパレツト１３を出入させるためのフイ
ーダ装置２６と、前記レール２５と他のストレー
ジレール４０等との接続位置でこのフイーダ台車
２０を精度良く停止させるための、レール２１側
に取付けられる係合突起２１Ａを挟み込むクラン
プ装置２７と、フイーダ台車２０の走行速度を検
出する速度センサ２８とを備えている。 前記フイード装置２６は、図示省略のモータに
より回転駆動されるピニオン２６Ａと、このピニ
オン２６Ａに噛合して往復動するラツク２６Ｂと
から構成されており、ラツク２６Ｂの往復動によ
り前記パレツト１３をレール２５から出入させる
ようにされている。 前記フイーダ装置２６には前記パレツト１３の
係合凹部１６に係合する係合機構２９が設けられ
ている。この係合機構２９は、フイーダ台車２０
のレール２１の両側にストレージレール４０が形
成されることに対応して、フイーダ装置２６の移
動方向両側にそれぞれ設けられている。この係合
機構２９は、係合アーム２９Ａをアクチユエータ
２９Ｂにより回動して、前記パレツト１３内の係
合凹部１６に係合アーム２９Ａの先端を挿入して
係合させるように構成されている。 前記トラバース台車３０は、前記フイーダ台車
２０とほぼ同様に構成されている。 即ち、具体的には、このトラバース台車３０
は、第２図及び第３図に示す如く、前記レール３
１上を自走するための駆動モータ３２と、この駆
動モータ３２を制御する制御盤３３と、この制御
盤３３に駆動電流及び制御信号を給電するための
給電装置（図示省略）と、前記フイーダ台車２０
を載せるためのレール３５と、このレール３５と
前記フイーダ台車２０のレール２１との接続箇所
でこのトラバース台車３０を精度よく停止させる
ための、前記レール３１側に取付けられた係合突
起３１Ａを挟込むクランプ装置３７と、このトラ
バース台車３０の速度を検出する速度センサ（図
示省略）とを備えている。 前記実パレツトコンベア５０，５１は、コイル
１２が積層されたパレツト１３を間欠的に前送り
するいわゆるシヤトルコンベアから構成されてい
る。具体的には、第４図に示す如く、前記パレツ
ト１３を走行自在に載せるレール５２と、このレ
ール５２上のパレツト１３の係合凹部１６に係合
して、このパレツト１３を一定ピツチで前送りす
る駆動装置５４とを備えている。 前記駆動装置５４は、第４図に示す如く、前記
レール５２の下方にこれと平行して設けられる一
対のレール５５と、このレール５５により走行ロ
ール５６Ａを介し案内されて往復動自在とされる
駆動フレーム５６と、この駆動フレーム５６に設
けられ、レール５２上のパレツト１３の係合凹部
１６内に挿入して該係合凹部１６と係合する係合
ピン５７と、前記駆動フレーム５６をレール５２
上の隣接するパレツト１３の係合凹部１６間のピ
ツチだけ往復動させるラツクアンドピニオン式の
駆動機構５８と、から構成されている。従つて、
駆動フレーム５６の往復時には前記係合ピン５７
が突出してパレツト１３と係合し、駆動フレーム
５６の往動によりパレツト１３を前送りする。
又、駆動フレーム５６の復動時には係合ピン５７
が没入してパレツト１３との係合を解放し、駆動
フレーム５６のみが復動することになる。これに
より、レール５２上のパレツト１３を間欠的に前
送りすることができる。 前記空パレツトコンベア６０は、いわゆるロー
ラトツプコンベアから構成されている。この空パ
レツトコンベア６０は、第５図に示す如く、具体
的には搬送経路内で掛け巡らされる無端チエーン
６１と、この無端チエーン６１を回転駆動する駆
動装置６２とを備えている。又、前記無端チエー
ン６１は、該チエーン６１の搬送方向と同方向に
回転自在とされる多数のローラ（図示省略）を備
えている。 この空パレツトコンベア６０の出側端部には、
搬送されてきた空パレツト１３をこのコンベア６
０上に滞留させ、且つ空パレツト１３を１台ずつ
次のターンテーブル７０に切出すためのストツパ
６３が設けられている。 このストツパ６３は、空パレツトコンベア６０
の出側端部に、空パレツト１３の１台分のピツチ
で搬送方向に離間して設けられる一対の係止爪６
４と、この係止爪６４によりパレツト１３を係止
するように該係止爪６４を揺動するシリンダ６５
とから構成されている。従つて、この係止爪６４
を交互に作動させることで、空パレツトコンベア
６０上の空パレツト１３を１台ずつ次のターンテ
ーブル７０に切出すことができる。 前記ターンテーブル７０は、第６図に示す如
く、回転自在に支持されるターンテーブル本体７
１と、このターンテーブル本体７１上に設置さ
れ、パレツト１３を載せるレール７２と、このレ
ール７２上の空パレツト１３を次のコンベア等に
排出するシリンダ等からなる押出装置７３と、回
転されるターンテーブル本体７１の回転を規制す
るためのクランプ装置７４とを備えている。尚、
前記押出装置７３に替えて、このターンテーブル
７０に接続する空パレツトコンベア６０側に、タ
ーンテーブル７０のレール７２上のパレツト１３
を引込む装置を設けてもよい。 次に、第１図を参照して本実施例におけるコイ
ル１２の搬送流れについて説明する。 上流側ライン１０からのコイル１２はコイルカ
ー８１によつて、上流側実パレツトコンベア５０
の入側に設置されたターンテーブル７０上の空パ
レツト１３に移載される。このターンテーブル７
０上の空パレツト１３は、空パレツトコンベア６
０によつて下流側実パレツトコンベア５１側のタ
ーンテーブル７０から搬送されるものである。 次に、ターンテーブル７０が90°図中時計回り
方向に回転することにより、該ターンテーブル７
０上の実パレツト１３の向きを実パレツトコンベ
ア５０のレール５２の向きに合致させる。 次に、ターンテーブル７０に設けられている押
出装置７３により、該ターンテーブル７０上の実
パレツト１３は、実パレツト搬送コンベア５０上
に移載される。この実パレツト１３は、駆動装置
５４により間欠的に前送りされる。このとき、コ
イルの結束、ナンバーリング、秤量等の付帯作業
が施される。このようにして付帯作業が完了して
前詰めされた実パレツト１３は、該実パレツトコ
ンベア５０の出側位置に待機するフイーダ台車２
０のフイーダ装置２６によりフイーダ台車２０の
レール２５内に引込まれる。 このようにしてフイーダ台車２０に移載された
実パレツト１３は、フイーダ台車２０に自走によ
つて所定のストレージレール４０まで搬送され
る。 ストレージレール４０まで搬送されたパレツト
１３は、フイーダ装置２６によつてストレージレ
ール４０側に移載される。これにより、コイル１
２はパレツト１３と共にストレージレール４０に
保管される。 又、実パレツト１３を積載しているフイーダ台
車２０が位置するレール２１側に空いている（空
地番）ストレージレール４０が存在しない場合
に、トラバース台車３０を用いて、空地番のスト
レージレール４０が存在する他方のレール２１ま
で該実パレツト１３を移動させる。この移動は、
実パレツト１３が積載されているフイーダ台車２
０のレール２１の出側位置にトラバース台車３０
を待機させ、トラバース台車３０のレール３１内
にこのフイーダ台車２０を自走させ、その後トラ
バース台車３０を所定のストレージレール４０が
属するフイーダ台車２０のレール２１位置まで搬
送させることで行なう。 次に、コイルヤード９０からコイル１２を下流
側ライン１１に搬出する場合について説明する。 まず、搬出対象のコイル１２が保管されている
ストレージレール４０までフイーダ台車２０を移
動させる。次に、フイーダ装置２６によりストレ
ージレール４０上の実パレツト１３を引出し、フ
イーダ台車２０のレール２５に移載させる。 次に、この実パレツト１３が積載されたフイー
ダ台車２０をトラバース台車３０に移載させる。
このフイーダ台車２０の移載は、トラバース台車
３０をフイーダ台車２０のレール２１に臨む位置
に待機させておくことにより行う。 次に、トラバース台車３０を自走させて、下流
側実パレツトコンベア５１が接続されているフイ
ーダ台車２０のレール２１まで搬送させる。次
に、トラバース台車３０上のフイーダ台車２０を
自走させて、実パレツトコンベア５１の接続箇所
まで搬送させる。 次に、フイーダ装置２６によつて実パレツト１
３を実パレツトコンベア５１上に移載させる。 この実パレツトコンベア５１上に移載された実
パレツト１３は、駆動装置５４により、間欠的に
前送りされ、この間に、下流側ライン１１にコイ
ルを挿入するための、バンドの除去、コイル番号
の確認等の挿入準備作業が行われる。これら作業
が完了した実パレツト１３は、図示省略のフイー
ダ装置によつてターンテーブル７０上に移載され
る。 ターンテーブル７０上に移載された実パレツト
は図中時計回り方向に90°方向転換され、実パレ
ツト１３上のコイル１２は、ウオーキングビーム
８６によつてコイルカー８７の待機位置まで搬送
される。この後、コイルカー８７によつてコイル
１２は出側ライン１１に挿入される。 又、前記ターンテーブル７０上でコイル１２が
取出された空パレツト１３は空パレツトコンベア
６０によつて、入側実パレツトコンベア５０の入
側端に接続されるターンテーブル７０まで搬送さ
れる。なお、この空パレツトコンベア６０による
空パレツトの搬送中に、必要に応じてターンテー
ブル７０によつてその進行方向が転換される。 又、この空パレツトコンベア６０上の空パレツ
トが規定数以上搬送された場合には、規定数を越
える空パレツトが、分岐用ターンテーブル７５を
介してコイルヤード９０側に返却される。 本実施例によれば、コイル１２をパレツト１３
に積載して、このコイル１２が積載積載されたパ
レツト１３をフイーダ台車２０及びトラバース台
車３０により所定のストレージレール４０に搬送
保管するようにしている。従つて、従来の如くコ
イル１２を搬送保管する際に天井クレーンを用い
て吊り上げることがなく、搬送効率を向上させる
と共に搬送時のコイルへの傷発生を防止すること
ができる。 又、入側実パレツトコンベア５０側のターンテ
ーブル７０上という一定箇所で空パレツト１３に
対して、敷紙を敷くことで、あるいは洗浄を施す
ことで、塗油コイル及び無塗油コイルが混在する
場合でもこれに容易に対応することができる。従
つて、従来の如く各固定スキツド夫々の場所で該
スキツドを洗浄したり、敷紙を敷いたりする必要
がなくなり、作業能率を向上することができる。 しかも、フイーダ台車２０を増設することで容
易にコイル１２と搬送能力を向上することができ
る。又、保管能力を向上するべく増設する場合で
あつても、フイーダ台車２０のレール２１の延
長、及びストレージレール４０の増設だけでよ
く、増設に容易に対応することができる。 次に、コイルヤードを新設する場合に実施する
本発明の第２実施例を説明する。 この第２実施例は、第７図に示す如く、前記第
１実施例における各装置と略同一装置を用いて、
その配置を変更したものである。従つて、前記第
１実施例と略同一装置には、同一符号を付してそ
の説明を省略する。 この第２実施例は、上流側ライン１０及び下流
側ライン１１と平行に２基設けられるレール２１
と、このレール２１上を走行する複数台のフイー
ダ台車２０と、前記レール２１の両端に設けら
れ、且つ前記レール２１と直交するように配置さ
れるレール３１と、このレール３１上を走行する
トラバース台車３０と、を備えている。 又、前記フイーダ台車２０のレール２１の入側
には、このレール２１に直交する方向に前記実パ
レツトコンベア５０が配置されている。 又、レール２１の出側には、該レール２１と直
交する方向に下流側実パレツトコンベア５１が配
置されている。 前記上流側実パレツトコンベア５０の上流側端
部にはターンテーブル７０が配置され、このター
ンテーブル７０と前記上流側ライン１０との間に
はコイルカー８１が配置されている。 又、前記下流側実パレツトコンベア５１の下流
側端部にはターンテーブル７０が配置され、この
ターンテーブル７０と下流側ライン１１との間に
は同じくコイルカー８７が配置されている。 又、下流側及び上流側のターンテーブル７０の
間には、前記第１実施例と同様の空パレツトコン
ベア６０が配置されている。この空パレツトコン
ベア６０の中間部には、規定数以上の空パレツト
１３が搬送された場合に、コイルヤード９０に空
パレツト１３を返送させるための分岐用のターン
テーブル７５が配置されている。 次に、この第２実施例におけるコイル１２の搬
送流れについて説明する。この第２実施例におけ
るコイル１２の搬送流れも、基本的には、前記第
１実施例における搬送流れと同じである。 側ち、上流側ライン１０からのコイル１２はコ
イルカー８１によつて上流側ターンテーブル７０
上の空パレツト１３に積層される。コイル１２が
積載されたパレツト１３は、図示省略のフイーダ
装置によつて実パレツトコンベア５０内に引込ま
れ、この後、駆動装置５４によつて間欠的に前送
りされる。この間欠前送りに際して、コイルの結
束等の付帯作業が実施される。 次に、実パレツトコンベア５０の下流側に待機
しているフイーダ台車２０上にフイーダ装置２６
によつて実パレツト１３が引込まれ、この後、フ
イーダ台車２０が自走して、実パレツト１３は所
定のストレージレール４０位置まで搬送される。
次に、フイーダ装置２６によつてストレージレー
ル４０内に実パレツト１３が移載される。 又、所定のストレージレール４０が空いていな
い場合には、トラバース台車３０を用いて、他方
のレール２１に接続しているストレージレール４
０まで実パレツト１３が搬送される。 下流側ライン１２へのコイル１２の搬出は、以
下のようにして行われる。まず、所定のストレー
ジレール４０から実パレツト１３を取出し、フイ
ーダ台車２０によつて下流側実パレツトコンベア
５１の接続箇所まで搬送され、ここで実パレツト
コンベア５１に移載される。次に、この実パレツ
トコンベア５１において、実パレツト１３は、間
欠的に前送りされながら、ライン挿入のためのバ
ンド除去等の所定の作業が施される。 作業完了後のコイル１２は、下流側ターンテー
ブル７０に移載され、ここでコイルカー８７によ
つて下流側ライン１１へ搬出される。 又、下流側ターンテーブル７０上でコイル１２
が取出された後の空パレツト１３は、該ターンテ
ーブル７０による90°図中時計回り方向に回転さ
れ、その後押出し装置７３の作動により空パレツ
ト１３を空パレツトコンベア６０側に排出する。 空パレツトコンベア６０によつて上流側ターン
テーブル７０近くまで搬送された空パレツト１３
は、ストツパ６３によつて１台ずつ切出され、上
流側ターンテーブル７０上のレール７２に移載さ
れる。この後、この空パレツト１３にコイルカー
８１によつてコイル１２が積載される。以下、こ
れらの繰返しによつてコイル１２がコイルヤード
９０内に保管され、必要に応じて下流側ライン１
１に搬出される。 本実施例によれば、上流側及び下流側のターン
テーブル７０が空パレツトコンベア６０によつて
直線的に接続されるため、空パレツトコンベア６
０の構成を簡単のものとすることができる。 又、トラバース台車３０のレール３１はフイー
ダ台車２０のレール２１の両端側にそれぞれ設け
られ、該レール３１上にはそれぞれトラバース台
車３０が設けられることにより、各レール２１間
におけるパレツト１３の移動を効率良く行うこと
ができる。 又、従来の如く、天井クレーンを設ける必要が
ないため、建物自体も極めて簡単な構造とするこ
とができ、設備費を削減することができる。 又、ストレージ能力を増大するべくコイルヤー
ド９０を増設する場合には、フイーダ台車２０の
走行レール２１と、このレール２１の増設に伴う
トラバース台車３０のレール３１を増設するのみ
でよく、容易に増設に対応することができる。 次に、本発明の第３実施例を説明する。 第３実施例は、第８図に示す如く、第２実施例
における実パレツトコンベア５０，５１をトラバ
ース台車３０のレール３１に挟まれたフイーダ台
車２０のレール２１に接続するのではなく、該レ
ール２１をトラバース台車３０のレール３１の外
側方向に延長して、この延長したフイーダ台車２
０のレール２１に前記実パレツトコンベア５０，
５１を接続して構成されている。その他の各装置
の配置は、フイーダ台車２０のレール２１が第２
実施例の２基から４基へ増設された外は前記第２
実施例と同様であるのでその説明を省略する。 従つて、本第３実施例によれば、実パレツトコ
ンベア５０，５１を前記第２実施例における実パ
レツトコンベア５０，５１のものよりも長く形成
することができる。従つて、これら装置５０，５
１上に実パレツト１３が多数載せられることによ
り、コイルヤード９０におけるフイーダ台車２０
及びトラバース台車３０の操作に余裕を持たせる
ことができる。 なお、前記実施例において、実パレツトコンベ
ア５０，５１はシヤトルコンベアにより構成され
たが、本発明はこれに限定されることなく、実パ
レツトを間欠的に搬送してコイルに対し諸作業を
行うことができるものであれば他のコンベアによ
り構成するものとしてもよい。 又、前記実施例において、空パレツトコンベア
６０はローラトツプコンベアにより構成された
が、本発明はこれに限定されることなく、コンベ
ア駆動時であつてもストツパー６３により空パレ
ツト１３をコンベア上に滞留することができるも
のであれば他のコンベアにより構成するものとし
てもよい。

【発明の効果】 以上説明した通り、本発明によれば、パレツト
で上流側ラインからコイル等の物品を受け取つた
後は、方向変換、移動、保管等のいずれにおいて
も、物品そのものを移載や昇降することなく多数
保管できる。従つて、搬送保管する物品を傷付け
ることなく、且つ、塗油コイルや無塗油コイル等
が混在した物品の取扱いが容易となり、しかも、
昇降動作が不要なため、小型簡略な台車で、物品
を効率良く搬送保管することができる。更には、
搬送保管能力を増大するための増設も容易に可能
である。又、塗油コイルが積層されていたスキツ
ドに新たに無塗油コイルを積載する場合に、スキ
ツドの洗浄や無塗油コイルとの間に敷紙を挟む作
業を各固定スキツドで行う必要がなく、一箇所で
行うことができ、これらの作業を容易なものにす
ることがてきる等の優れた効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明に係る物品搬送保管設備の第
１実施例を示す平面図、第２図は、同実施例にお
けるパレツト、フイーダ台車、トラバース台車、
及びストレージレールを示す正面図、第３図は、
同じくパレツト、フイーダ台車、トラバース台
車、及びストレージレールを示す側面図、第４図
は、同実施例における実パレツトコンベアの要部
を示す側面図、第５図は、同実施例における空パ
レツトコンベアの全体構成を示す側面図、第６図
は、同実施例におけるターンテーブルを示す平面
図、第７図は、本発明の第２実施例を示す平面
図、第８図は、本発明の第３実施例を示す平面
図、第９図は、従来のコイル搬送保管設備を示す
平面図、第１０図は、同設備におけるトングによ
る傷発生状態を示す正面図である。 １０……上流側ライン、１１……下流側ライ
ン、１２……コイル、１３……パレツト、２０…
…フイーダ台車、３０……トラバース台車、４０
……ストレージレール、５０，５１……実パレツ
トコンベア、６０……空パレツトコンベア、７０
……ターンテーブル。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 上流側ラインの終端から下流側ラインの始端
   へ、塗油コイルや無塗油コイル等の直径が変化す
   るコイル状の物品を受渡す際に、この物品を一時
   保管するための物品搬送保管設備であつて、 中央に物品受渡手段進入のための切欠を有し、
   その両側にＶ字形に沿う載置面を有して、前記物
   品を当該載置面に積載する無駆動台車からなるパ
   レツトと、 このパレツトの移動方向に直交する方向に移動
   し且つ前記パレツトを略水平に引込んでレール上
   に積載する駆動台車からならフイーダ台車と、 このフイーダ台車の移動方向と直交する方向に
   移動し且つ前記フイーダ台車をこのフイーダ台車
   の移動レールと略同一レベルのレール上に積載す
   る駆動台車からなるトラバース台車と、 前記フイーダ台車の軌道側方に該軌道と直交す
   るように配置され、前記パレツトを各々１台毎保
   管する多数のストレージ軌道と、 上流側ラインの物品受渡位置から前記フイーダ
   台車まで物品を積載したパレツトを搬送する上流
   側実パレツトコンベアと、 前記フイーダ台車から下流側ラインの物品受渡
   位置まで物品を積載したパレツトを搬送する下流
   側実パレツトコンベアと、 この下流側実パレツトコンベアの前記下流側ラ
   インとの物品受渡位置から前記上流側実パレツト
   コンベアの前記上流側ラインとの物品受渡位置ま
   で物品を積載していないパレツトを搬送する空パ
   レツトコンベアと、 前記上流側ラインの物品受渡位置並びに前記下
   流側ラインの物品受渡位置の実パレツトコンベア
   と空パレツトコンベアの交差部でパレツトを方向
   転換させるターンテーブルと、 を備えることを特徴とする物品搬送保管設備。