JPH0464309B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、例えばスクリーン印刷、オフセツ
ト印刷等における素材の両面に付着したごみや埃
りを取り除くためのローラクリーナ装置に関す
る。

［発明の技術的背景］ 紙や布等に印刷をする場合、あるいは写真フイ
ルムを焼付ける場合、これら被処理材料の表面に
静電気で周囲のごみや埃りが付着することがあ
り、このようなごみや埃りを取り除いてから印刷
あるいは焼付をしないと仕上りが悪くなる。

そこで従来は、表面が粘着性を有するローラを
紙面上に何回も繰返し転がすことによりごみ等を
除去していた。そのため、除去に時間がかかり、
また非能率的かつ重労働であつた。この欠点を改
良するため、カーボンブラシで被処理材の表面を
こすつたり、あるはイオン化空気発生器からのイ
オン化空気を吹き付けて静電気を除去し、真空掃
除機でこれらごみを吸引する方法が採用されてい
る。しかしながら装置が大型化するばかりでな
く、完全にごみ等を除去することができない欠点
があつた。

［発明の目的］ この発明の目的は、上述した素材やフイルム等
の両面に付着したごみ等をその間に通すことによ
り取り除くローラクリーナ装置を提供することで
ある。

［発明の構成］ この発明のローラクリーナ装置は、１対の上部
支持部材に各軸方向両端が回転可能にかつ間隔を
おいて複数本支持され、各円周面は被処理材の上
面をクリーニングするため粘着性を有する上部ク
リーニングローラと、そ一部が各上部クリーニン
クローラに掛けられかつ被処理材の送り方向に延
在するように取付けられ、上部クリーニングロー
ラの軸方向に間隔をおいて複数設けられた上部エ
ンドレスベルトとを備えた上部クリーニング装置
と、被処理材の下面をクリーニングするため、１
対の下部支持部材に各軸方向両端が回転可能に支
持され、それぞれが各上部クリーニングローラと
平行に延在しかつそれらの円周面と各円周面が線
接触するように支持され、上部クリーニングロー
ラと同材質で構成された複数個の下部クリーニン
グローラと、その一部が下部クリーニングローラ
に掛けられかつ被処理材の送り方向に延在するよ
うに取付けられ、、各下部クリーニングローラの
軸方向に間隔をおいて複数設けられた下部エンド
レスベルトとを備えた下部クリーニング装置とを
有し、各クリーニングローラには各エンドレスベ
ルトが各クリーニングローラの被処理材との接触
面より突出しないように各エンドレスベルト用の
溝が設けられ、これら溝は少なくとも隣接するク
リーニングローラの溝とは異なる位置に設けら
れ、これにより上部および下部クリーニング装置
間に挾持されて送り出された被処理材が各クリー
ニングローラに巻き込まれるのを防止するととも
に、クリーニングローラの溝により被処理材に未
清掃部分が生じないようにしたものである。

［実施例］ 以下、この発明のクリーニング装置を図面に示
す一実施例について説明する。クリーニング装置
は、１対の上部支持フレーム１間に回転可能に支
持された上部クリーニング装置２と、１対の下部
支持フレーム３間に回転可能に支持された下部ク
リーニング装置４とを有している。

各上部支持フレーム１は、間隔をおいて位置す
る２つの側壁５，６と、これら側壁５．６の上端
を覆う天板７で構成されている。内側に位置する
側壁５間には上下方向に延在し、その上端が解放
されたスリツト８が適当な間隔をおいて３つ設け
られている。これらスリツト８には、２枚の板部
材によつて側壁５を上下動可能に挾持するように
設けられたブロツク９が挿入されている。各ブロ
ツク９は上端が天板７上に設けられた押え部材１
１に当接するコイルスプリング１２により常時下
方に押圧されている。両側壁５間で相対する各ブ
ロツク９には、クリーニング用の上部円筒ローラ
１３，１４，１５のローラ軸１６が回転可能に軸
支されている。

その間に上部円筒ローラ１３，１４，１５が位
置するように４本のベルト軸１７，１８，１９，
２０がこれら上部円筒ローラ１３，１４，１５と
その軸線が平行になるように設けられている。ベ
ルト軸１７と２１はその両端が側壁５に回転可能
に支持されており、ベルト軸１８と１９の両端
は、連結板２２に回転可能に支持されている。ベ
ルト軸１７と２１は、連結板２２が最下端に位置
した時のベルト軸１８と１９の位置より僅かに高
くなるように位置している。連結板２２は、第４
図にその詳細を示すように、その両端はブロツク
９にねじ２３により取付けられている。各連結板
２２の一端側は水平方向に延在する長孔２４が形
成され、この長孔２４にねじ２３が挿入されてい
る。

上部支持フレーム１間は連結棒部材２５により
位置規制されており、第３図に示すように上部支
持フレーム１の壁５，６の一端には１つの下方が
開放された切欠き２７，２８が形成されている。
切欠き２６にはロツク軸２９が、そして切欠き２
７，２８には支持軸３１がそれぞれ嵌合されてい
る。ロツク軸２９支持軸３１は、上部支持フレー
ム１の外側に設けられた上部が開放した矩形の横
柱３２に支持されている。横柱３２の開放部は、
第１図において右方に示すようにカバー材３３で
覆われている。横柱３２の両端は図示していない
ケース本体に取付けられている。側壁５の切欠き
２６側の端部にはピン３４により枢動可能にロツ
クレバー３５が取付けられており、このロツクレ
バー３５の下端はロツク軸２９の下方に係合する
ように形成されている。ロツクレバー３５は図示
していないが、スプリングにより常時ロツク軸２
９と係合するように弾性的に押圧されている。

各下部支持フレーム３は、側板４１と底板４２
とにより略Ｌ字状に構成されており、側板４１間
には、上部円筒ローラ１３，１４，１５と相対し
それらの下面とその上面が接するようにクリーニ
ング用の下部円筒ローラ４３，４４，４５の各ロ
ーラ軸４６が回転可能に軸支されている。その間
に下部円筒ローラ４３，４４，４５が位置するよ
うに４本の下部ベルト軸４７，４８，４９，５１
が側板４１間に回転可能に軸支されている。下部
ベルト軸４７，５１は残りのベルト軸４８，４９
よりわずかに低い位置に軸支されている。

上部および下部円筒ローラ１３，１４，１５，
４３，４４，４５は、ゴムあるいは合成樹脂の弾
性材で構成され、かつその表面は粘着性を有して
いる。このような粘着性を有する弾性材として
は、例えばオルガノポリシロキサンエラストマが
ある。これら各円筒ローラは円筒状のゴムローラ
の表面に粘着テープを貼着したものでもよい。各
上部円筒ローラ１３，１４，１５，４３，４４，
４５の外周には軸方向に適当な間隔をおいて複数
条の溝５２が設けられている。これら溝は隣接す
る円筒ローラの溝５２とは軸方向にずれている。
これら溝５２にはエンドレスベルト５３が掛けら
れている。エンドレスベルト５３はベルト軸１７
と上部円筒ローラ１３間に各溝ごとに１本ずつ、
そして上部円筒ローラ１３と上部ベルト軸１８間
にも同様に各溝５２ごとに１本ずつ、そして上部
ベルト軸１８と上部筒ローラ１３間にも同様に各
溝５２ごとに１本ずつというようにすべての上部
円筒ローラ１３，１４，１５と上部ベルト軸１
７，１８，１９，２１間そして、下部円筒ローラ
４３，４４，４５下部ベルト軸４７，４８，４
９，５１間にかけわたされている。これらエンド
レスベルト５３は、各円筒ローラが粘着ローラで
構成されているので、被処理材がこれらローラに
巻き込まれるのを防止するためのものであり、溝
５２によつてこれらエンドレスベルト５３が各円
筒ローラの上面より突出することはない。

下部円筒ローラ４３，４４，４５のローラ軸１
６の一端はカツプリング６１を介して回転軸６２
が同軸上に取付けられている。各回転軸６２は略
Ｕ字状の横柱６３に回転可能に支持され、この横
柱６３内の回転軸６２にはプーリ６４が取付けら
れている。このプーリ６４には駆動エンドレスベ
ルト６６がかけられており、このエンドレスベル
ト６６は、横柱６３の下方に取付けられたモータ
６７の駆動軸プーリ６８に掛けられており、横柱
６３とモータ６７内に設けられたエンドレスベル
ト６５に張力を付与する張力軸６５によつて３つ
のプーリ６４に均一な回転駆動力を与えるように
なついる。

紙やフイルム等の被処理材の両面をクリーニン
グする場合について次に説明する。モータ６７の
回転は駆動エンドレスベルト６６によつてプーリ
６４を回転させる。プーリ６４の回転によつて３
つの下部円筒ローラ４３，４４，４５は回転す
る。この回転によつてエンドレスベルト５３を介
して下部ベルト４７，４８，４９，５１も回転す
る。この時、下部円筒ローラ４３，４４，４５と
各円周面が線接触する上部円筒ローラ１３も連動
して反対方向に回転し、同様にエンドレスベルト
５３を介して上部ベルト軸１７，１８，１９，２
１も回転する。このようにして回転している上部
円筒ローラ１３と下部円筒ローラ４３との間に被
処理材を差し込む。この場合これら２つのローラ
１３と４３は被処理材を送り込むように回転して
いることは勿論である。これらローラ１３と４３
によつて送られた被処理材は、エンドレスベルト
５３によつてその先端がいずれか一方の上部円筒
ローラ１３，１４に巻き込まれることなく、次に
上部円筒ローラ１４と下部円筒ローラ４４間に送
られ、そして更に上部円筒ローラ１５と下部円筒
ローラ４５間を通つた後このローラクリーナ装置
から排出される。このようにして３つの粘着性を
有する上部および下部円筒ローラによつて被処理
材の両面のごみは完全に除去される。巻き込み防
止用エンドレスベルト５３は、被処理材の送り方
向に対して、少しずつずれでいるので、エンドレ
スベルト５３による拭きむらの発生を防止するこ
とができる。

上部円筒ローラ１３，１４，１５およびベルト
軸１８，１９はブロツク９によつて上下動可能に
取付けられており、ベルト軸１７と２１はその軸
線がブロツク９によつて最下方に位置した時のベ
ルト軸１８，１９より高い位置に位置してるの
で、被処理材が厚いものでも通すことができると
ともに、エンドレスベルト５３に被処理材が接触
することもない。ブロツク９の長孔２４によつて
エンドレスベルト５３の張力を調整することがで
きる。上部円筒ローラや下部円筒ローラをクリー
ニングする場合には、ロツクレバー３５を回動さ
せてロツクラ軸２９との係合を解くことにより、
上部クリーニング装置２と下部クリーニング装置
３とを分離できるので、これらローラ外しが容易
に行なえる。

［発明の効果］ 以上のようにこの発明のローラクリーナ装置
は、容易にかつ完全に被処理材の両面のごみ等を
除去することができる。更に、各エンドレスベル
トは隣接する粘着性を有するローラのエンドレス
ベルトが掛けられる位置からずらされているの
で、除去むらの発生を防止しながら、かつ完全に
粘着性ローラに被処理材を巻き込むのを防止する
ことができる。また、上部円筒ローラは上下動可
能にすることにより、異なる厚さの被処理材の両
面クリーニングを行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示す平面図、第
２図は第１図のＡ−Ａ線に沿つて切断して示す断
面図、第３図は第１図の一部を取除いて示す側面
図、第４図は上部円筒ローラとベルト軸との取付
部を示す斜視図で、一部取除いて示している。第
５図は各ローラとエンドレスベルトとの関係を示
す斜視図、第６図は駆動部を示す側面図である。 図面において、２は上部クリーニング装置、４
は下部クリーニング装置、９はブロツク、１３，
１４，１５，４３，４５は上部および下部円筒ロ
ーラ、５２は溝、５３はエンドレスベルトであ
る。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ １対の上部支持部材に各軸方向両端が回転可
   能にかつ間隔をおいて複数本支持され、各円周面
   は被処理材の上面をクリーニングするため粘着性
   を有する上部クリーニングローラと、その一部が
   前記各上部クリーニングローラに掛けられかつ前
   記被処理材の送り方向に延在するように取付けら
   れ、前記上部クリーニングローラの軸方向に間隔
   をおいて複数設けられた上部エンドレスベルトと
   を備えた上部クリーニング装置と、前記被処理材
   の下面をクリーニングするため、１対の下部支持
   部材に各軸方向両端が回転可能に支持され、それ
   ぞれが前記各上部クリーニングローラと平行に延
   在しかつそれらの円周面と各円周面が線接触する
   ように支持され、前記上部クリーニングローラと
   同材質で構成された複数個の下部クリーニングロ
   ーラと、その一部が前記下部クリーニングローラ
   に掛けられかつ前記被処理材の送り方向に延在す
   るように取付けられ、前記各下部クリーニングロ
   ーラの軸方向に間隔をおいて複数設けられた下部
   エンドレスベルトとを備えた下部クリーニング装
   置とを有し、前記各クリーニングローラには前記
   各エンドレスベルトが前記各クリーニングローラ
   の前記被処理材との接触面より突出しないように
   前記各エンドレスベルト用の溝が複数設けられ、
   これら溝は少なくとも隣接するクリーニングロー
   ラの溝とは異なる位置に設けられ、前記上部およ
   び下部クリーニング装置間に挾持されて送りださ
   れた前記被処理材が前記各クリーニングローラに
   巻き込まれるのを防止するようになつているロー
   ラクリーナ装置。 ２ 特許請求の範囲第１項において、前記上部ク
   リーニングローラは前記上部支持部材に上下動可
   能にかつ常時下方に弾性的に押圧可能に支持され
   ているローラクリーナ装置。 ３ 特許請求の範囲第１項において、前記上部お
   よび下部クリーニング装置は分離可能になつてい
   るローラクリーナ装置。