JPH0456566B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明の、一輪形の田植機におけるフロート構
造に関するものある。

〔従来と技術〕

一輪形の田植機では、ハンドル操作で左右バラ
ンスを取るのはむずかしいため、左右のサイドフ
ロートが、田面に対して接地し、左右平衡を保つ
ことができるようになつている。また、これら左
右のサイドフロートとは別に、前部にセンサフロ
ートを配置して、一輪の走行車輪の上下動を、そ
のセンサフロートにかかる負荷により感知し、前
後のバランスを取り、植付深さの均一化を計るこ
とも、既に、実開昭54−183424号などで知られて
いる。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、この種一輪田植機では、左右への施回
時、それぞれ、左あるいは右に田植機を傾けなが
らハンドルを横振りして施回するが、田植機前部
にあるセンサフロートは、上下動するだけなの
で、上記ハンドル操作で傾いたまま施回されるこ
とになり、泥押しをする欠点があつた。

本発明は、上記の課題を解消することを目的に
なされたものである。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するため本発明は、田植機本体
の中央部に一輪の走行車輪を上下動可能に設け、
上記走行車輪の左右にサイドフロートを上下揺動
可能に設けると共に、走行車輪の前方に位置し
て、センサフロートを上下動および左右動可能に
田植機本体に支持したことを特徴とするものであ
る。

〔作用〕

上記の構成によつて、前部のセンサフロート
が、ピツチングだけでなくローリングも行えるこ
とになり、左右への施回に際して、田面へのセン
サフロートの姿勢制御を行ない、楽な施回を行え
る。

〔実施例〕

以下、本発明の一実施例を図面を参照して具体
的に説明する。

図において、符号１はエンジンであり、これに
はミツシヨンケース２が連設してあり、上記ミツ
シヨンケース２の左右には、一方が内部にギヤ伝
動系を内装した後方に延びる機体フレーム３，３
が設けられている。また、上記ミツシヨンケース
２には、その下部に位置してチエンケース４が枢
着してあり、上記チエンケース４の後端には、田
値機本体中央に位置して一輪の走行車輪５が軸支
されている。上記チエンケース４内には公知のよ
うにチエン伝動系があり、ミツシヨンケース２内
のミツシヨンから動力をうけ、走行車輪５に伝達
するようになつている。

また、上記機体フレーム３の一方に内装された
上記ギヤ伝動系は、クラツチ（図示せず）を介し
て、上記機体フレーム３間を左右に連結する架橋
部材６内に設けた伝動軸（図示せず）に動力の伝
達するようになつている。上記架橋部材６の両端
には下方に延びかつやや前方に傾斜するチエンケ
ース７が付けてあり、上記チエンケース７内のチ
エン伝動系（図示せず）を介して植付体８へと動
力を伝達するようになつている。

また、チエンケース７内にある伝動系に対し
て、チエン伝動系９が配置してあつて、苗載せ台
１０を左右動するナピア軸１１に動力を伝達する
ようになつている。これによつて、ハンドル１２
に設けたガイドレール１３および１４で支えられ
た苗載せ台１０は植付け作業の進行に従つて左右
動される。

また、上記走行車輪５の左右に位置して、上記
ハンドル１２にピン１５で枢支された左右のフロ
ート１６，１６は、それぞれ先端にリンク杆１７
を枢着しており、上記リンク杆１７に設けたスリ
ツト１８には、機体フレーム３の一側に設けたガ
イドピン１９が摺動自在に嵌挿してある。

また、この実施例では、エンジン１およびミツ
シヨンケース２の下側で、走行車輪５の前方に位
置して田植機本体にセンサフロート２０が配置さ
れている。上記センサフロート２０にはリンク２
１がブラケツト２２のスリツト２３に挿入したピ
ン２４で枢支されており、上記リンク２１の上端
は、機体フレーム３に設けたブラケツト２５に軸
２６で枢支されるベルクランク２７の一方に枢着
されており、上記ベルクランク２７の他方には、
油圧制御装置の揺動制御アーム２８に対して上記
ベルクランク２７を連繋する連動ロツド２９が枢
着されている。

上記リンク２１は、上下一対のロツド２１ａ，
２１ｂで構成され、一対のスプリング２１ｃ，２
１ｄ、上記スプリングを支持するスプリング座２
１ｅ，２１ｆ、およびスプリングをロツド２１ａ
に対して保持する支持ロツド２１ｇで構成される
感度調整用伸縮機構をもつている。上記スプリン
グ座２１ｅは上記支持ロツド２１ｇに、他のスプ
リング座２１ｆはロツド２１ｂに設けられ、スプ
リング２１ｃは、上記スプリング座２１ｆとロツ
ド２１ａ下端の、上記支持ロツド２１ｇの吊持ち
部に支えられ、スプリング２１ｄは、上記スプリ
ング座２１ｅ，２１ｆ間に支えられている。

また、フロート２０の先端には、ピツチングピ
ン３０があり、このピツチングピン３０を駒３１
を介して機体に枢支している。駒３１に、上記ピ
ツチングピン３０と直交するローリングピン３２
が設けてあり、上記ピン３２はエンジン１下の軸
承部材３３に枢支されている。

このような構成では、左右のサイドフロート１
６およびセンサフロート２０が田面を滑走しなが
ら田植え作業を行なうが、耕深によつてセンサフ
ロート２０が沈み込むと、田面の圧力を上記セン
サフロート２０が感知して、リンク２１を介して
ベルクランク２７を回動し、連動ロツド２９を介
して揺動アーム２８を回動し、油圧制御装置を働
かせ、チエンケース４を、油圧手段（図示せず）
で後方に下げるように動作して走行車輪５を下
げ、フロート２０の沈みを一定に保ち、ピツチン
グの補正をして植付け深さを調節する。

逆に、耕深が少なくなれば、フロート２０が浮
き上り、田面の圧力が下るので、リンク２１を介
してベルクランク２７を回動し、連動ロツド２９
を介して揺動アーム２８を回動し、油圧制御装置
を働かせ、チエンケース４を、油圧手段で後方を
上げるように動作して走行車輪５を上げ、フロー
ト２０の沈みを一定に保ち、植付け深さを調節す
るのである。この場合、センサフロート２０はピ
ツチング動作を行なうのであり、ピツチングピン
３０を中心にしてフロート後部を上下させる。ま
た、植付体８を停止して、田植機本体を左右に傾
けてハンドルを横振りし、田植機を左あるいは右
に施回させる時、上記センサフロート２０は、ロ
ーリングピン３２を中心に左右に傾動できらか
ら、リンク２１は、その伸縮機構で左右別々に伸
縮動作し、田面にセンサフロートを水平に保持し
たまま、左右施回できる。このため、センサフロ
ートによつて泥押しなどが起らなくなり、スムー
ズな施回が行なわれる。

〔発明が効果〕

本発明は、以上詳述したように、走行車輪の前
方で田植機本体に設けられるセンサフロートが、
上下動だけなく左右にローリングできるため、左
右施回の時、左右のいずれかに全体に傾けて、重
心移動により軽快な施回をさせようする時、セン
サフロートによる泥押しがなくなり、センサフロ
ートは水平を保ち、円滑な施回が達成できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す平面図、第２
図は同側面図、第３図は要部の拡大側面図、第４
図は同拡大端面断面図である。 １……エンジン、２……ミツシヨンケース、３
……機体フレーム、４……チエンケース、５……
走行車輪、６……架橋部材、７……チエンケー
ス、８……植付体、９……チエン伝動系、１０…
…苗載せ台、１１……ナピア軸、１２……ハンド
ル、１３……ガイドレール、１４……ガイドレー
ル、１５……ピン、１６……フロート、１７……
リンク杆、１８……スリツト、１９……ガイドピ
ン、２０……センサフロート、２１……リンク、
２２……ブラケツト、２３……スリツト、２４…
…ピン、２５……ブラケツト、２６……軸、２７
……ベルクランク、２８……揺動アーム、２９…
…連動ロツド、３０……ピツチングピン、３１…
…駒、３２……ローリングピン、３３……軸承部
材、２１ａ，２１ｂ……ロツド、２１ｃ，２１ｄ
……スプリング、２１ｅ，２１ｆ……スプリング
座、２１ｇ……支持ロツド。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 田植機本体の中央部に一輪の走行車輪を上下
   動可能に設け、上記走行車輪の左右にサイドフロ
   ートを上下揺動可能に設けると共に、走行車輪の
   前方に位置して、センサフロートの上下動および
   左右動可能に田植機本体に支持したことを特徴と
   する一輪形田植機におけるフロート構造。