JPH0453344Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は車両開閉体のトーシヨンスプリング取
付構造に係り、特に車両開閉体を付勢するトーシ
ヨンバーを車体にトーシヨンバー取付用の係止凹
部を形成したブラケツトを介して取り付けるよう
にした車両開閉体のトーシヨンスプリング取付構
造に関する。

〔従来の技術〕

従来、上述のような車両開閉体のトーシヨンス
プリング取付構造としては次のようなものがあ
る。これは、第６図乃至第８図に示すように、車
両の開閉体であるトランクリツド１を例として説
明すれば、トランクリツド１に取り付けた２つの
ヒンジアーム２に夫々トーシヨンスプリングを取
り付けるようにしたもので、トーシヨンバー４の
一端を車体３に回動しないように取り付ける一
方、このトーシヨンバー４の他端を車体３に回動
可能に取り付け、この他端の取り付け個所の近傍
にトーシヨンバー捩り用の腕部５を設け、この腕
部５をトランクリツド１のヒンジアーム２に連結
部材６を介して取り付けるようにしたものであ
る。この際、両トーシヨンバー４の異なる端部を
車体３に取り付けるのに１つの取付ブラケツト７
を使用し、全体として２つの取り付けブラケツト
７を使用するようにしている。

この取付ブラケツト７は車幅方向に立設部８，
９を有する部材で、内側に位置する立設部８には
２個所のトーシヨンバーの固定支持用係合凹部１
０，１１を車体前後方向に形成している他、この
固定支持用係合凹部１０，１１の前方には１個所
のトーシヨンバーの回動支持用係合凹部１２を形
成している。また、外側に位置する立設部９には
上記の内側の立設部８に形成した回動支持用係合
凹部１２に対応して、回動支持用係合凹部１３を
形成している。そして、一のトーシヨンバー４の
一端を鈎状に折曲して形成した車体取付部１４を
車体３に固定した取付ブラケツト７の固定支持用
係合凹部１０，１１に係合し、他のトーシヨンバ
ー４の他端部を略コ字状に折曲して形成した腕部
５の両端を取付ブラケツト７の回動支持用係合凹
部１２，１３に係合するようにしている（類似の
構造に関しては自動車技術会発行）「新編自動車
工学便覧〈第６編〉」参照）。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところで、このような従来の車体開閉体のトー
シヨンスプリング取付構造にあつては、トーシヨ
ンバー４の取付ブラケツト７を車体のリアウエス
ト１５の前方、即ち、トランクルームの奥に取り
付けると取付ブラケツト７の係合凹部１０，１
１，１２，１３を目視確認できず、トーシヨンバ
ー４の取付が困難になるため、この取付ブラケツ
ト７は第８図に示すように目視確認が容易なリア
ウエスト１５に、即ちトランクルームの開口に縁
部に近い位置に設けるようにしている。そのた
め、トーシヨンバー４や取付ブラケツト７がトラ
ンクルーム内に突出して荷物の収納性が悪化する
と共にトランクリツド開時にこれらの部材が外部
から見えるため外観品質が低下するという問題が
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案において上述の問題点を解決するための
手段は、上記のような車両開閉体のトーシヨンス
プリング取付構造において、トーシヨンバーを取
り付けるブラケツトの係止凹部のうち、上記開閉
体が閉塞する開口の開口縁部より上方に位置する
係止凹部に、上記開口縁部の下方から該係止凹部
までトーシヨンバーを当接案内するガイド部を形
成すると共に、該ガイド部の対向する対向ガイド
部を形成して、ガイド部と対向ガイド部とで係止
凹部に続くガイド溝部を形成したことである。

〔実施例〕

以下本考案に係る車両開閉体のトーシヨンスプ
リング取付構造の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図及び第２図は本考案に係る車両開閉体の
トーシヨンスプリング取付構造第１の実施例を示
すものである。この実施例は本発明を従来と同様
にトランクリツドに適用したものであるが、取付
ブラケツトの取付位置および形状が従来の車両開
閉体のトーシヨンスプリング取付構造と異るもの
であるので従来と同一の部材には同一の符号を付
してその詳細な説明は省略する。本実施例におい
て、取り付けブラケツト２０は、第２図に示すよ
うに車幅方向に立設部２１，２２を形成した略断
面コ字状の部材で上壁２３にはヒンジアーム２を
軸支する取付凸部２４を膨出形成している。そし
て、車体の内側に位置する立設部２１には、立設
部２１の車体後方縁に開口を有し、トーシヨンバ
ー４の車体取付部１４を係合する第１の固定用係
止凹部２５を設け、この固定用係止凹部２５の前
方には下方に開口を有する第２の固定用係止凹部
２６を設けるようにしている、本実施例において
は、これらの係止凹部２５，２６は、従来の固定
用係止凹部と同様にトランクルームの開口から目
視確認できる位置に配置されるため特に従来と変
ることはない。そして、これらの固定用係止凹部
２５，２６の前方には他方のトーシヨンバー４の
腕部５の片側を回動可能に支持する回動用係止凹
部２７を車体後方に開口を設けるように設け、こ
の回動用係止凹部２７の下方にはこの回動用係合
凹部２７の下方であつて上記リヤウエストの下端
より下方から係合凹部の開口に向けてガイド部２
８を形成するようにしている。そして、このガイ
ド部に対向した位置に対向ガイド部５１を形成し
て、上記のガイド部２８とこの対向ガイド部５１
とで係止凹部２７に続くガイド溝部５２を形成す
るものとしている。

一方、外側の立設部２２には、車体の内側の立
設部２１と同様の回動用係止凹部２９とガイド部
３０とを形成しているだけで、内側の立設部２１
に設けているような固定用係合凹部を設けること
なく、高さの低いリブ状のものとしている。そし
て、第１図に示すように、取付ブラケツト２０の
上壁２３をリアウエスト１５の下側に取付凹部２
４をこのリアウエスト１５内に挿入するように、
車両の幅方向の両側に取り付け、２本のトーシヨ
ンバー４を車体に取り付けるようにしている。

従つて、本実施例によれば、取付ブラケツト２
０の回動用係止凹部２７，２９にガイド部２８，
３０を設け、この回動用係止凹部２７，２９を直
接目視確認できなくともトーシヨンバー４をガイ
ド部２８と対向ガイド部５１によつて形成された
ガイド溝部５２に挿入して、ガイド部２８，２９
に沿つて当接案内して挿入すれば、確実にトーシ
ヨンバー４を取付ブラケツト２０の回動用係合凹
部２７，２９に取り付けることができるから、そ
の分だけ取付ブラケツト２０をリアウエスト１５
の前部に、即ちトランクルームの奥に設置するこ
とができるため、取付性を悪化させることなく、
トランクルームの荷物の収納性を向上させること
ができる他、トランクリツド開時において取付ブ
ラケツトが表面の露出する割合が少なくなりその
分外観品質を向上させることができる。

第３図は本考案に係る車両開閉体のトーシヨン
スプリング取付構造の第２の実施例を示すもので
ある。この実施例においては、取付ブラケツト３
１の固定用係合凹部３２，３３のうち後方に位置
する固定用係合凹部３２にもガイド部３４とこの
ガイド部３４に対向した位置に対向ガイド部５３
形成して、ガイド部３４とこの対向ガイド部５３
とで係止凹部３２に続くガイド溝部５４を形成す
るものとしている。第３図において取付ブラケツ
ト３１の一方の立設部３５に設ける固定用係止凹
部２，３３のみを図示するようにしているが、こ
の実施例においても、トーシヨンバーの腕部の両
側部を回動可能に支持する回動用凹部を両立設部
の前側に立設するようにしている。

従つて、本実施例によれば、取付ブラケツト３
１全体をリアウエストの前方に配置したとしても
トーシヨンバーの取り付けは単に、第３図中に仮
想線で示すように、トーシヨンバー４を取付治具
３６で支持してガイド部３４と対向ガイド部５３
によつて形成されたガイド溝部５４に挿入して、
ガイド部３４に沿つて当接案内して移動させ一番
奥まで持つて行くだけでよい。よつて取付ブラケ
ツト全体３１をリアウエストの前方に配置するこ
とができ、トランクルームの荷物の収納性を向上
させることができる他、トランクリツド開時にお
いて取付ブラケツトが表面に露出する割合が少な
くなりその分外観品質を向上させることできる。

第４図は本考案に係る車両開閉体のトーシヨン
スプリング取付構造の第３の実施例を示すもので
ある。本実施例において、上述した第２の実施例
との相違は取付ブラケツト４０の固定用係止凹部
４１，４２と、この固定用係止凹部４１にトーシ
ヨンバー４を案内するガイド部３４、対向ガイド
部５５及びガイド溝部５６との形状である。この
実施例によつてもトーシヨンバーの取付性を低下
させることなく取付ブラケツトをリアウエストの
前方に配置することができるから、上記の第２の
実施例と同様に荷物の収納性と外観品質を向上さ
せることができる。

尚、上記の各実施例においては、車両開閉体と
してトランクリツドを例として本発明を適用した
場合を説明したが、これは他の車両開閉体例えば
車両のバツクドア等に適用できるのは勿論であ
る。また、取付ブラケツトの形状も上記の実施例
に限定されるものではなく、他の形状例えば第５
図に示すようにトーシヨンバーの腕部の形状が形
状鈎型で車体への取付ブラケツト４５が板状の場
合であつても本考案を適用することができること
はいうまでもない。

〔考案の効果〕

以上説明したように本考案によれば車両開閉体
のトーシヨンスプリング取付構造において取付ブ
ラケツトの係止凹部のうち、開閉体が閉塞する開
口の開口縁部より上方に位置する係止凹部には、
上記開口縁部の下方から該係止凹部までトーシヨ
ンバーを当接案内するガイド部を形成すると共
に、該ガイド部に対向する対向ガイド部を形成し
て、ガイド部と対向ガイド部とで係止凹部に続く
ガイド溝部を形成したので、トーシヨンバーをガ
イド溝に挿入しガイド部に当接させればトーシヨ
ンバーは外れることなく確実に仮止作業を行うこ
とができるから、トーシヨンバーの取り付け性を
低下させることなく取付ブラケツトを奥に配置す
ることができ、開口の内室を有効に利用すること
ができるほか、開閉体の開状態における外観品質
を向上することができるといる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る車両開閉体のトーシヨン
スプリング取付構造の第１の実施例を示す側面
図、第２図は第１図に示した車両開閉体のトーシ
ヨンスプリング取付構造に使用する取付ブラケツ
トを示す斜視図、第３図は本考案に係る車両開閉
体のトーシヨンスプリング取付構造の第２の実施
例を示す側面図、第４図は本考案に係る車両開閉
体のトーシヨンスプリング取付構造の第３の実施
例を示す側面図、第５図は本考案に係る車両開閉
体のトーシヨンスプリング取付構造の他の実施例
を示す側面図、第６図は車両開閉体であるトラン
クリツドを示す車両の斜視図、第７図は従来の車
両開閉体のトーシヨンスプリングを示す斜視図、
第８図は第７図に示した車両開閉体のトーシヨン
スプリングの取付構造を示す側面図である。 ４……トーシヨンバー、２０，３１，４０，４
５……取付ブラケツト、２７……回動用係止凹部
（係止凹部）、２８，３４，４３，４６……ガイド
部、５１，５３，５５……対向ガイド部、５２，
５４，５６……ガイド溝部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 車両開閉体を付勢するトーシヨンバーを車体に
   トーシヨンバー取付用の係止凹部を形成したブラ
   ケツトを介して取り付けるようにした車両開閉体
   のトーシヨンスプリング取付構造において、 上記ブラケツトの係止凹部のうち、上記開閉体
   が閉塞する開口の開口縁部より上方に位置する係
   止凹部に、上記開口縁部の下方から該係止凹部ま
   でトーシヨンバーを当接案内するガイド部を形成
   すると共に、該ガイド部に対向する対向ガイド部
   を形成して、ガイド部と対向ガイド部とで係止凹
   部に続くガイド溝部を形成したことを特徴とする
   車両開閉体のトーシヨンスプリング取付構造。