JPH0353386Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は分電盤、工作機械、鉄道関係などのス
イツチボツクス、あるいはトランク、コンテナー
などの箱体の蓋や扉の閉止に用いられる箱体の蓋
や扉の係止金具に関する。

「従来の技術」 従来、この種の係止金具は、一般に「パチン」
と通称され、第８図および第９図で示すように使
用態様に応じて２種類のタイプのものがあつた。

すなわち、第８図および第９図の係止金具Ｘ、
Ｙは、基本的には箱体の本体１，１Ａの一側面に
固着される固定片２，２Ａと、この固定片２，２
Ａに回動自在に設けられる操作片３，３Ａと、こ
の操作片３，３Ａに回動自在に設けられかつ箱体
の蓋体４，４Ａに固定的に設けられた掛受片５，
５Ａと掛合する輪状の掛止片６，６Ａとから成
り、係止金具Ｘは固定片２の取付け位置に対し蓋
体４に取付れられる掛受片５が同一水平面に位置
する場合に利用され、一方、係止金具Ｙは固定片
２Ａの取付け位置に対し蓋体４Ａに取付けられる
掛受片５Ａが垂直面に位置する場合に利用されて
いた。

したがつて、従来の係止金具Ｘ，Ｙは、１個の
係止金具で色々な箇所に用いることができないか
ら、箱体の開閉部所の取付け箇所により、それぞ
れいずれかのタイプを選択して使用せざるを得な
かつた。

「本考案が解決しようとする問題点」 本考案は以上のような従来の欠点に鑑み、掛受
片と掛合する掛止片を選択し、あるいは複数個の
取付孔を選択して掛止片を操作片に取付けること
により、固定片と同一水平面に位置する蓋体およ
び固定片に対して垂直面に位置する蓋体のいずれ
でも閉止することができる箱体の蓋や扉の係止金
具を得るにある。

「問題点を解決するための手段」 本考案の箱体の蓋や扉の係止金具は、固定片に
回動自在に設けられた操作片の両側壁に固定片と
同一水平面に位置する蓋体側の掛受片と掛合する
水平面用掛止片の第１取付孔と、同じく固定片に
対して垂直面に位置する蓋体側の掛受片と掛合す
る垂直面用掛止片の第２取付孔とをそれぞれ形成
したことを特徴とする。

「本考案の実施例」 以下、図面に示す実施例により本考案を詳細に
説明する。なお、該実施例の説明に当つて前記実
施例と同一の部分には同一の符号を付す。

第１図ないし第７図に示す一実施例において、
２Ｂは箱体の本体１の開閉部所付近の一側面に固
着される板状の固定片で、この固定片２Ｂの後端
部（第２図では左側）の両側壁には半円形状の軸
支部１０，１０が対向して設けられ、一方、その
先端部（第２図では右側）には施錠孔１１を有す
る垂直壁１２が突設されている。

３Ｂは固定片２Ｂの軸支部１０，１０に横軸１
３を介して回動自在に設けられた操作片で、この
操作片３Ｂは前記軸支部１０，１０の外側に位置
する両側壁３ａ，３ａと、この両側壁３ａ，３ａ
の後端部を上方にて連結する後方連結壁３ｂと、
一方、両側壁３ａ，３ａの先端部を上方にて連結
する先方連絡壁３ｃとから構成され、後方連絡壁
３ｂと先方連絡壁３ｃとの間には前述した垂直壁
１２が第２図で示すように突出する窓３ｄが設け
られている。

１４は第３図で示すように操作片３Ｂの両側壁
３ａ，３ａの後端部に形成された軸孔で、この軸
孔１４附近でかつ該軸孔１４よりも多少下方の両
側壁３ａ，３ａの後端部寄りの部位には、第５図
で示すように箱体の本体１側の固定片２Ｂの取付
け位置と同一水平面に位置する蓋体４側の掛受片
５と掛合する水平面用掛止片１５の第１取付孔１
６が形成されている。前記水平面用掛受片１５は
第４図で示すように棒部材を全体として平面的に
枠状に折曲形成し、内外に多少変位することがで
きるように弧状部１５ａ，１５ａが形成されてい
る。したがつて、水平面用掛受片１５は多少バネ
力を有する。また、軸孔１４よりも多少斜め上方
の両側壁３ａ，３ａの後端部には、第７図で示す
ように箱体の本体１Ａ側の固定片２Ｂの取付け位
置に対し、垂直面に位置する蓋体４Ａ側の掛受片
５Ａと掛合する垂直面用掛止片１７の第２取付孔
１８が形成されている。前記垂直面用掛止片１７
の取付両端部１７ａ，１７ａは第６図で示すよう
に角度方向（鈍角）に折曲されている。

上記構成にあつては、係止金具Ｚの固定片２Ｂ
が箱体の本体１の一側面に適宜固着される場合に
おいて、箱体の蓋体４がその一側面と同一水平面
に開閉自在に設けられている時は、操作片３Ｂの
第１取付孔１６に水平面用掛止片１５をあらかじ
め回動自在に取付けておき、第５図で示すように
蓋体４の適宜箇所に固設された掛止片５に水平用
掛止片１５を掛合し、操作片３Ｂを矢印で示すよ
うに固定片２Ｂ側に回転して蓋体４を本体１に閉
止する。なお、この場合操作片３Ｂの第１取付孔
１６に垂直用掛止片１７をあらかじめ回動自在に
取付けておいても良い。したがつて、垂直用掛止
片１７は水平用掛止片としても兼用することがで
きる。

そして、垂直壁１２の施錠孔１１に図示しない
南京錠を施錠する。

一方、係止金具Ｚの固定片２Ｂが箱体の本体１
Ａの一側面に適宜固着される場合において、蓋体
４Ａがその一側面に対して垂直面に開閉自在に設
けられている時は、操作片３Ｂの第２取付孔１８
にあらかじめ垂直面用掛止片１７を回動自在に取
付けておき、第７図で示すように蓋体５Ａの適宜
箇所に固設された掛受片５Ａに垂直面用掛止片１
７を掛合し、操作片３Ｂを矢印で示すように回転
して蓋体４Ａを本体１Ａに閉止する。そして、前
述したと同様に南京状で施錠する。

「本考案の効果」 以上の説明から明らかなように本考案にあつて
は、操作片に形成された第１取付孔１６に水平面
用掛止片を、一方、第２取付孔１８に垂直面用掛
止片をそれぞれ選択して取付けることにより、あ
るいは第１または第２取付孔のいずれかを選択し
て掛止片を操作片に取付けることにより、係止金
具Ｚを箱体の開閉部所の色々な箇所に用いて蓋体
あるいは扉を閉止することができる。

したがつて、係止金具Ｚの汎用性が高まり、何
種類もの係止金具を製作する必要がない。

【図面の簡単な説明】

第１図なし第７図は本考案の一実施例を示す各
説明図で、特に第５図と第７図は本考案で箱体の
蓋体を閉止する各態様を示す。第８図および第９
図は従来の実施例を示す各説明図である。 ２Ｂ……固定片、１０……軸支部、１１……施
錠孔、１２……垂直壁、３Ｂ……操作片、１３…
…横軸、３ａ……両側壁、１４……軸孔、１５…
…水平面用掛止片、１６……第１取付孔、１７…
…垂直面用掛止片、１８……第２取付孔、１，１
Ａ……本体、４，４Ａ……蓋体。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 (1) 箱体の本体側に固着される固定片と、この固
   定片に回動自在に設けられる操作片と、この操
   作片に回動自在に設けられかつ箱体の蓋体側に
   固定的に設けられた掛受片と掛合する掛止片と
   から成り、前記操作片に、固定片の取付け位置
   と同一水平面に位置する掛受片と掛合する水平
   面用掛止片の第１取付孔と、固定片の取付け位
   置に対し垂直面に位置する掛受片と掛合する垂
   直面用掛止片の第２取付孔とを、それぞれ形成
   したことを特徴とする箱体の蓋や扉の係止金
   具。 (2) 水平面用掛止片と垂直面用掛止片は、同一形
   態であることを特徴とする実用新案登録請求の
   範囲第１項記載の箱体の蓋や扉の係止金具。 (3) 水平面用掛止片と垂直面用掛止片は、異なる
   形態であることを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の箱体の蓋や扉の係止金具。