JPH0741817Y2 - ロック装置のストライカ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、ロック装置のラッチと噛合することにより、
ドアを閉止状態に拘束するロック装置のストライカに関
する。

〔従来の技術〕 従来のこの種のストライカとしては、例えば実開平１−
150773号公報に開示されているものがある。

このストライカは、ボルト挿通用の取付孔を穿設した取
付台座と、取付台座に取り付けられるコの字型屈曲杆と
からなる金属製ストライカの表面に、合成樹脂被覆層を
形成し、この合成樹脂被覆層を、取付台座の裏面を除く
全外周に設けるとともに、取付台座の裏面の全周に切り
欠き面を形成し、かつ合成樹脂被覆層に、切り欠き面を
覆う折返し部を形成して、折返し部により切り欠き面を
被覆することによって、ストライカの取付時における外
観の向上を図ったものである。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述のような従来のストライカにおいては、ボルトを取
付台座の取付孔に挿通して、パネルのネジ孔に螺合し、
ストライカを車体のパネルに固定するため、折角、合成
樹脂被覆層によってストライカ本体の外観品質を向上さ
せても、取付台座の取付孔およびボルトの頭部が外部に
露出してしまい、外観を低下させてしまう。

本考案は、従来技術が有する上記のような問題点に鑑み
てなされたもので、その目的とするところは、合成樹脂
被覆層をストライカ本体に装着したままの状態で、スト
ライカ本体をボルトによってパネル等に固定することが
でき、しかもその後に、取付孔およびボルトを簡単に隠
蔽することができるようにしたロック装置のストライカ
を提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

前記目的を達成するため、本考案の装置は、ボルト挿入
用の取付孔（５）を穿設した金属製のベースプレート
（２）に係合部材（３）を立設してなるストライカ本体
（１）の表面に、合成樹脂被覆層（４）を形成したロッ
ク装置のストライカにおいて、前記合成樹脂被覆層
（４）における前記取付孔（５）に対応する部分に切欠
部（5a）を設け、該切欠部（5a）に、折り曲げ可能な薄
肉部（4b）を介して前記合成樹脂被覆層（４）に連設さ
れ、かつ前記取付孔（５）を閉塞しうる蓋部（4c）を開
閉自在に設けたことを特徴としている。

〔作用〕

蓋部（4c）を展開した状態で、ボルト（６）をベースプ
レート（２）の取付孔（５）に挿通して、ストライカ本
体（１）をパネル（Ｐ）に固定した後、薄肉部（4b）を
折り曲げて、蓋部（4c）を閉塞することにより、取付孔
（５）およびボルト（６）の頭部（6a）を、外部に露出
させないように覆うことができる。

〔実施例〕

以下、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。

（１）は、車体側のパネル（Ｐ）に取り付けられるスト
ライカ本体で、金属製の板をプレス加工により所定の形
状に形成されたベースプレート（２）に、ロッド等をコ
字状に折曲形成した係合部材（３）の両足部（3a）（3
a）を固着して構成されている。

係合部材（３）は、自動車のドア側に固着される公知の
ロック装置（図示略）のラッチに噛合することにより、
ドアを閉止状態に拘束するものである。

ベースプレート（２）の係合部材（３）が立設された両
側には、円形のボルト挿通用の取付孔（５）が穿設さ
れ、また裏面の外周には、押圧加工により成形され、パ
ネル面に直接接触する裏面の一般面（2a）より一段凹ん
だ外周部（2b）が形成されている。

ベースプレート（２）の裏面の一般面（2a）と、取付孔
（５）の外周と、取付孔（５）の周りの表面が矩形状に
切り欠かれた切欠部（5a）とを除いた外周および係合部
材（３）の全周には、車体の塗装色に合うように、所定
の色が施されて弾性変形可能な合成樹脂材料によって成
形された合成樹脂被覆層（４）が設けられている。

合成樹脂被覆層（４）は、ベースプレート（２）の表面
を被覆する表面部（4a）と、切欠部（5a）と合致する矩
形形状をなし、かつ表面部（4a）に折り曲げ可能な薄肉
部（4b）を介して、第２図および第３図に示すように、
側方に展開した状態で連設された蓋部（4c）と、ベース
プレート（２）の外縁（2c）および裏面の外周部（2b）
を被覆する裏面部（4d）とを一体的に形成したものであ
る。

蓋部（4c）の裏面には、ボルト（６）の頭部（6a）が嵌
入する凹部（4e）が形成されている。

蓋部（4c）を展開した状態で、裏面部（4d）をパネル
（Ｐ）に押し付けて、ボルト（６）をベースプレート
（２）の取付孔（５）に挿通し、パネル（Ｐ）に螺合し
てストライカ本体（１）をパネル（Ｐ）に固定した後、
第５図に示すように薄肉部（4b）を折り曲げて、蓋部
（4c）を切欠部（5a）に嵌合させて閉塞することによ
り、合成樹脂被覆層（４）の表面部（4a）を平坦にし
て、取付孔（５）およびボルト（６）の頭部（6a）を外
部に露出させないように覆うことができる。

したがって、ストライカ本体（１）をパネル（Ｐ）に固
定した状態にあっては、取付孔（５）およびボルト
（６）の頭部（6a）が外部に露出することがなく、かつ
ストライカ本体（１）は、全体が合成樹脂被覆層（４）
に覆われることになり、見栄えが良くなり、外観を向上
させることができる。

また、補修の場合は、蓋部（4c）を開けることにより、
ボルト（６）を緩めて、ストライカ本体（１）をパネル
（Ｐ）から取り外すことができる。

〔考案の効果〕

本考案によると、次のような効果を奏することができ
る。

（ａ）蓋部を開いておくことにより、合成樹脂被覆層を
ストライカ本体に装着したままの状態で、取付孔にボル
トを挿通して、ストライカ本体をパネル等にボルト締め
することができ、従来のように、ボルト締め後に合成樹
脂被覆層をストライカ本体に取付けるという煩雑な作業
を行なう必要がない。

（ｂ）蓋部と合成樹脂被覆層とを常時ストライカ本体に
装着しておくことができ、それらを互いに切り離す必要
がないので、蓋部や合成樹脂被覆層が紛失する恐れがな
い。

（ｃ）ストライカ本体をパネル等にボルト締めした後
に、蓋部を切欠部に嵌合することにより、取付孔に挿通
したボルトの頭部を蓋部により覆うことができるので、
ボルトの頭部が外面に露出することがなく、外観を向上
することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は、本考案の実施例を示し、 第１図は、ストライカ本体の斜視図、 第２図は、蓋部を展開した状態の平面図、 第３図は、第２図におけるIII−III線断面図、 第４図は、蓋部を閉塞した状態の平面図、 第５図は、第４図のＶ−Ｖ線断面図、 第６図は、第５図のＡ部の拡大図である。 （１）ストライカ本体、（２）ベースプレート （2a）一般面、（2b）外周部 （３）係合部材、（４）合成樹脂被覆層 （4a）表面部、（4b）薄肉部 （4c）蓋部、（５）取付孔 （６）ボルト

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ボルト挿入用の取付孔を穿設した金属製の
   ベースプレートに係合部材を立設してなるストライカ本
   体の表面に、合成樹脂被覆層を形成したロック装置のス
   トライカにおいて、前記合成樹脂被覆層における前記取
   付孔に対応する部分に切欠部を設け、該切欠部に、折り
   曲げ可能な薄肉部を介して前記合成樹脂被覆層に連設さ
   れ、かつ前記取付孔を閉塞しうる蓋部を開閉自在に設け
   たことを特徴とするロック装置のストライカ。