JP4732602B2 - 床下収納庫の蓋板取付方法及びそのための蓋板取付金具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、床下に物品を収納するための床下収納庫に係り、詳しくは前記床下収納庫の上面を封鎖する蓋板の取付方法およびそのための金具に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より床下収納庫の蓋板として、床下収納庫の開口部に嵌合させ、その都度蓋板を取り外して庫内に物品等を収納するタイプのものと、蓋板が屈曲式支持アームに支持されながら一辺側を回動中心として開閉操作されるタイプのものとが知られている。
【0003】
後者の開閉型床下収納庫は、例えば図8および図9に示されるように、床下収納庫の開口部に蝶番等(図示せず)により開閉自在に支持された蓋板21を設けるとともに、前記蓋板21と収納庫とを屈曲式支持アームにより連結した構造となっている。前記屈曲式支持アーム22は、蓋板がわ端部に蓋板連結金具23を備えるとともに、収納庫がわ端部にアーム連結金具24を備え、前記蓋板連結金具23が前記蓋板21にビス止めされるとともに、前記アーム連結金具24が収納庫の側板26に固定されている収納庫がわ固定金具25に連結される。前記蓋板21を開操作すると、前記屈曲式支持アーム22が直線状態まで伸び、蓋板21が開状態のまま保持されるようになっている。前記蓋板21を収納庫に取付けるには、図9に示されるように、蓋板21の開き具合を調整しながら前記アーム連結金具24を前記収納庫がわ固定金具25の当接面に合わせ、ビス孔24a、24aにビスを螺入し連結を行っていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、蓋板21は屈曲式支持アームが収納庫がわ固定金具に連結されない限り自立状態を保持できず、一人の職人が蓋板21を開状態に保持しながら、ビスの螺入作業を行うことは実際上かなりの困難を伴っていた。もちろん、蓋板21を手で押さえる人と、アーム連結金具24を収納庫側固定金具25にビス止めする人の2人の職人がいれば連結作業は容易に行えるが、近年は職人不足等により実際には一人の職人によって作業が行われることが多く、一人で蓋板の取付け作業が行える構造のものが強く望まれていた。
【0005】
そこで本発明の主たる課題は、蓋板が屈曲式支持アームに支持されながら一辺側を回動中心として開閉操作される床下収納庫において、一人の職人によって簡単に蓋板を床下収納庫に取り付けできるようにした蓋板取付方法及びそのための金具を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための本発明は、蓋板が屈曲式支持アームに支持されながら一辺側を回動中心として開閉操作される床下収納庫における前記蓋板の取付方法であって、
前記屈曲式支持アームの収納庫がわ端部に、係止部を有するアーム連結金具を備えるとともに、前記床下収納庫の側板に予め、受け係止部を有する収納庫がわ固定金具を取り付けておき、
前記アーム連結金具の係止部を前記収納庫がわ固定金具の受け係止部に係止させながらアーム連結金具を取付けることにより前記蓋板を開状態のまま仮保持し、この仮保持状態で前記アーム連結金具と収納庫がわ固定金具とをビスにより連結することを特徴とするものである。
【0007】
また、前記床下収納庫の蓋板取付方法に使用されるアーム連結金具及び収納庫がわ固定金具であって、前記収納庫がわ固定金具は金具当接面の一方がわ端部に受け係止部を備え、一方前記アーム連結金具は、蓋板を直立位置よりも反対側まで傾倒した状態で前記受け係止部に対して係止させた際、屈曲式支持アームを介して伝わる引張力方向への移動を阻止するとともに、浮き上がり方向への移動を阻止し、蓋板を開状態のまま保持する係止部を備えていることを特徴とするものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明に係る床下収納庫の蓋板1の取付構造を示す側面図であり、図2はそのII−II線矢視図である。
床下収納庫は、床下に設けられる収納庫本体2と、この収納庫本体2の開口部を封鎖する蓋板1とからなるもので、前記蓋板1は収納庫本体2の側部に設けられた隠し蝶番12によって一辺側を回動中心として開閉自在に支持されているとともに、蓋板1と収納庫本体2とを連結している屈曲式支持アーム3により支持され、この屈曲式支持アーム3により蓋板1を開状態に保持し得るようになっている。
【0009】
以下、具体的に詳述すると、
前記屈曲式支持アーム3は、図3に示されるように第1アーム片6と、第2アーム片7とが連結軸8により相互に連結され屈曲可能とされる部材で、蓋板がわとなる前記第1アーム片6の端部には、取付用ベース4aと起立部4bとからなる蓋板連結金具4が連結軸13によって回動可能に設けられているとともに、前記収納庫がわとなる第2アーム片7の端部にはアーム連結金具5が連結軸14によって回動可能に設けられている。前記蓋板連結金具4、アーム連結金具5が連設された屈曲式支持アーム3は、蓋板1に対して前記蓋板連結金具4がビス止めされた状態で現場に搬入される。
【0010】
前記第1アーム片6と、第2アーム片7とは、図1に鎖線で示されるように、蓋板1を開けた状態ではほぼ直線状となり、前記蓋板1を閉めた状態では収納庫本体2内部に折り畳まれるようにして収納される。なお、蓋板1の開状態では、第1アーム片6側に設けた屈曲部6bに対して第2アーム片7の周縁が当接し、それ以上の回動を阻止することにより、前記第1アーム片6と第2アーム片7とが直線状態に保持されるようになっている。また、前記第1アーム片6と第2アーム片7とを連結軸8により連結している連結軸部において、第2アーム片7側の孔7aは長孔となっており、蓋板1の開状態時に連結軸8位置を長孔7a内で移動させて第2アーム片7を第1アーム片6側に若干移動させると、第2アーム片7が第1アーム片6の屈曲部6aに係合するようになり、第1アーム片6と第2アーム片7とが屈曲不能に保持されるようになっている。
【0011】
前記アーム連結金具5は、詳細には図4に示されるように、側面部5aの下端からL字状に屈曲する底面部5bを有する断面L字状の部材で、前記側面部5aには、2つの連結用ビス孔5c、5cが形成されているとともに、一方がわ端部位置(アームがわ端部位置)に第2アーム片7の連結用軸孔5dが形成されている。また、他方がわ端部には上半部側に前記側面部5aから連続する屈曲片5eが形成されているとともに、この屈曲片5eの下縁外側位置に下方側に垂下する垂れ片5fが形成され、前記屈曲片5eと垂れ片5fとによって囲まれる係合孔5gが形成されている。また、底面部5bの一部は側面部5aを超えて反対面側に突出しアーム片の受け支持部5hとなっている。前記屈曲片5e、垂れ片5fおよび係合孔5gが本発明に言う「係止部」を構成している。
【0012】
一方、蓋板1の取付けに当たり、前記収納庫本体2内の側板10には前記アーム連結金具5が連結される収納庫がわ固定金具9が設けられる。この収納庫がわ固定金具9は、詳細には図5に示されるように、側板固定がわ側面部9aと、上面部9bと、連結がわ側面部9cとからなる断面略コ字状を成す部材で、前記側板固定がわ側面部9aには、3つの固定ビス用通孔9d、9d…が形成されている。また、前記連結がわ側面部9cの下半部は相対的に幅狭とされ、両側に夫々連結用ビス孔9e、9eが形成されているとともに、ほぼ中央に前記固定ビス用通孔9dにビスを通すと共に、ドライバーを挿入するためのドライバー嵌入孔9fが形成されている。さらに、一方がわ側縁部(アーム6、7とは反対側の側縁部)の下端部には、前記アーム連結金具5の係合孔5gに嵌合される突部9g(本発明に言う「受け係止部」)が形成されている。なお、上隅部に形成されたリブ9h、9hは側面部9a、9cと上面部9bとの結合剛度を高め変形を防止するためのものである。
【0013】
前記アーム連結金具5の連結用ビス孔5c、5cと、前記収納庫がわ固定金具9の連結用ビス孔9e、9eとは、後述の係止状態ではビス孔位置が整合するようになっている。
前記蓋板1を収納庫本体2に取付けるには、先ず蓋板1の一辺側に連設されている隠し蝶番12を前記収納庫本体2の開口部にビス固定し、蓋板1を前記隠し蝶番12を回動中心として開閉可能に取付ける。また、前記収納庫がわ固定金具9は収納庫本体2内の側板10に対してビス留めしておく。
【0014】
次いで、図6に示されるように、前記蓋板1を開けながら屈曲式支持アーム3の端部に連設されているアーム連結金具5を前記収納庫がわ固定金具9に引き寄せ、図7に示されるように、アーム連結金具5の係合孔5gに収納庫がわ固定金具9の突部9gを嵌入させるようにしながら前記アーム連結金具5を収納庫がわ固定金具9に係止させる。この状態で前記蓋板1は開閉方向への移動が拘束されるとともに、金具同士が係合状態に保持される。すなわち、蓋板1は90°直立位置よりも反対側まで傾倒され、屈曲式支持アーム3を介して引張力が前記アーム連結金具5に作用することになるが、アーム連結金具5の屈曲片5eにより前記引張力方向への移動が阻止されるとともに、底面部5b、屈曲片5eにより浮き上がり方向への移動が阻止される。また、前記屈曲片5eから垂下する垂れ片5fによりアーム連結金具5が簡単に脱係することがなく、前記蓋板1は開状態のまま保持されるようになるため、職人は蓋板1から手を離し、アーム連結金具5の連結用ビス孔5c、5cからビスを螺入させ連結作業を簡単に行うことが出来るようになる。
【0015】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、蓋板の取付に際し、前記蓋板が開状態のまま保持されるようになるため、職人は空いた両手を使ってアーム連結金具と収納庫がわ固定金具とのビス止め作業を行うことが出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る収納庫の蓋板1の取付構造を示す側面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図である。
【図3】屈曲式支持アーム3の全体図である。
【図4】アーム連結金具5を示す、(A)は正面図、(B)は平面図、(C)は右側面図である。
【図5】収納庫がわ固定金具9を示す、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)は右側面図である。
【図6】収納庫がわ固定金具9に対するアーム連結金具5の係止要領図である。
【図7】アーム連結金具5の係止状態図である。
【図8】従来例に係る床下収納庫を示す断面図である。
【図9】従来例におけるアーム連結金具24と固定金具25との連結状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…蓋板、2…収納庫本体、3…屈曲式支持アーム、4…蓋板連結金具、5…アーム連結金具、6…第1アーム片、7…第2アーム片、9…収納庫がわ固定金具、10…側板
Claims (2)
- 蓋板が屈曲式支持アームに支持されながら一辺側を回動中心として開閉操作される床下収納庫における前記蓋板の取付方法であって、
前記屈曲式支持アームの収納庫がわ端部に、係止部を有するアーム連結金具を備えるとともに、前記床下収納庫の側板に予め、受け係止部を有する収納庫がわ固定金具を取り付けておき、
前記アーム連結金具の係止部を前記収納庫がわ固定金具の受け係止部に係止させながらアーム連結金具を取付けることにより前記蓋板を開状態のまま仮保持し、この仮保持状態で前記アーム連結金具と収納庫がわ固定金具とをビスにより連結することを特徴とする床下収納庫の蓋板取付方法。 - 前記請求項1記載の床下収納庫の蓋板取付方法に使用される収納庫がわ固定金具及びアーム連結金具であって、
前記収納庫がわ固定金具は金具当接面の一方がわ端部に受け係止部を備え、一方前記アーム連結金具は、蓋板を直立位置よりも反対側まで傾倒した状態で前記受け係止部に対して係止させた際、屈曲式支持アームを介して伝わる引張力方向への移動を阻止するとともに、浮き上がり方向への移動を阻止し、蓋板を開状態のまま保持する係止部を備えていることを特徴とする蓋板取付金具。
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