JP4197801B2 - バン型車両における観音開扉の開放位置保持装置 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明はバン型車両における観音開扉の開放位置保持装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
図４において、１は観音開式扉を備えたバン型車両である。２はバン型車両１の後部側柱３に蝶着された観音開式扉で、閉鎖時は施錠杆４をハンドル５をもって回動し、上下のカム６を上枠と下枠に設けたカムキーパ７に係合して施錠する。又開放時は観音開式扉２の下部にとりつけたチェーンの先端に取付けたＴ字型掛け金８をバン型車両の下部側枠９に固着した留め具１０に設けたＴ字型溝１４（図６）に掛止して扉の開放状態を保持する。本考案はこの保持装置の新規な構成に関するものである。
【０００３】
図５を参照してＴ字型掛け金８について説明する。１１はチェーンで扉２にボルト１３で固着された取付具１２に保持されている。Ｔ字型掛け金８はチェーン１１の自由端に取付けられている。
【０００４】
次に留め具１０は図６に示す如く断面ハット型をした本体１０ａの中央部に水平溝１４ａと垂直溝１４ｂとからなるＴ字型溝１４が穿設されている。
【０００５】
図７は２枚の扉２ａと２ｂとで構成された観音開扉２を蝶番１５のまわりに開放し、Ｔ字型掛け金８を留め具１０のＴ字型溝１４に掛けて、開放位置を保持している状態の平面図である。
【０００６】
このように、ボディ側の留め具１０に掛止すると、扉２は車両の前方（図７の右側）から受ける風圧等で図８のように蝶番１６で折れ曲り、かつ蝶番１５のまわりに閉鎖方向に回転しようとする。即ちＴ字型掛け金８はボディの後方に向って移動しようとする。このときＴ字型掛け金８には、これを折曲げようとする力Ｆが作用する（図８）。Ｔ字型掛け金８が曲がると、次に留め金１０側のＴ字型溝１４へ挿入しようとするとき、この作業がし難くなる。
【０００７】
図９は一枚構成の観音開式扉の例で、前記２枚構成の観音開式扉の場合のごとく、中央部の蝶番１６がないので、折れ曲ることができない。従ってこの一枚構成の場合にはＴ字型掛け金８には折れ曲げ力は作用しない。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
Ｔ字型掛け金８に、扉の回転、あるいは後向きの動きが生じたとき、これに対応できる構成を付与する事により掛け金８の局部変形を軽減させて、その耐久性を向上させること、併せて係止作業の容易性を長く維持できるようにすることを目的とする。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明は、
「複数の扉を蝶番連結した観音開式扉を車両の後部に備えたバン型車両において、前記観音開式扉を開いたときこれを前記バン型車両のボデー側部に掛止するための開放位置保持装置であって、
前記観音開式扉にはＴ字型掛け金（８Ａ）が取付けられるとともに、前記バン型車両のボデー側部には、前記Ｔ字型掛け金（８Ａ）を掛止する留め具（１０）が設けられており、さらに、
前記Ｔ字型掛け金（８Ａ）は、前記留め具（１０）に掛止される水平引掛片ａとこれと一体の垂直片ｂとを有し、かつ、前記垂直片ｂは、長さ方向の途中の位置で折り曲げられ、前記水平引掛片ａを前記留め具（１０）に掛止したときに、折り曲げられた部分が前記バン型車両の後方に向って角度α屈曲し、該角度αはα＜９０゜であることを特徴とする観音開扉の開放位置保持装置」
となっている。
【００１０】
【発明の実施の形態】
図１〜図３を参照して説明する。図１は、図４の右側に示すような２枚構成（２つ折れ）の観音開式扉の平面図である。この扉は２枚の扉板２ａと２ｂが蝶番１６で２つ折れ可能に結合されており、先端部に本発明のＴ字型掛け金８Ａがとりつけられている。基本的には図４以下で説明した従来の掛け金８と類似している。しかし、図２に示す如く、Ｔ字型掛け金８Ａを構成する掛け金のチェーン１１と連結する垂直片ｂが長さ方向の途中で車両の後方に向って折れ曲っている。即ち垂直片ｂの一部である折り曲げられた部分が、これを留め金１０のＴ字型溝１４に引掛けたとき、バン型車両の後方に向って角度α折れ曲がり、該角度αはα＜９０゜となっている。図３では３０゜折れ曲っている（一般には３０゜近辺が適当である）。このように角度α＜９０゜をつけることにより、扉２が風圧等で後向即ち閉鎖方向の力をうけても掛止部の局部変形を軽減させることができる。
【００１１】
【発明の効果】
以上の如く、Ｔ字型掛け金８Ａのチェーン１１と連結する垂直片ｂを、留め具１０の取付面１７（図１）即ち水平引掛片ａに対し、車両の後方に向けて角度αをつけて折り曲げ、該角度αをα＜９０゜としたので、掛止部に無理な力がかからない。そのため、従来に比し、その耐久性が約２倍に増した。又このように角度α＜９０゜をつけて垂直片ｂを長さ方向の途中で折り曲げたので、Ｔ字型掛け金８Ａの水平引掛片ａを留め具１０のＴ字型溝１４に常に同一形状の状態で挿入でき、また、掛け金８ａを扉２ｂの先端より外側に取付けることが可能となったため、挿入し易くなり、作業員の労力を軽減することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のＴ字型掛け金を使用した２枚構成の観音開扉の平面図。
【図２】留め具の斜視図。
【図３】Ｔ字型掛け金の単品平面図。
【図４】公知掛け金を用いたバン型車両の斜視図。
【図５】公知掛け金の正面図。
【図６】公知留め具の斜視図。
【図７】公知掛け金をつけた二枚式観音開式扉の平面図。
【図８】図７の掛け金をつけた二枚式観音開式扉の扉が移動し、掛け金８に引張力が働くときの平面図。
【図９】公知掛け金をつけた一枚式観音開式扉の平面図。
【符号の説明】
１ バン型車両
２ 観音扉
３ 後部側柱
４ 施錠杆
５ ハンドル
６ カム
７ カムキーパ
8,8A Ｔ字型掛け金
９ 下部側
10 留め金
11 チェーン
12 取付具
13 ボルト
14 Ｔ字型溝
15 蝶番
16 蝶番
17 取付面
ａ 水平引掛片
ｂ 垂直片

Claims (1)

1. 複数の扉を蝶番連結した観音開式扉を車両の後部に備えたバン型車両において、前記観音開式扉を開いたときこれを前記バン型車両のボデー側部に掛止するための開放位置保持装置であって、
   前記観音開式扉にはＴ字型掛け金（８Ａ）が取付けられるとともに、前記バン型車両のボデー側部には、前記Ｔ字型掛け金（８Ａ）を掛止する留め具（１０）が設けられており、さらに、
   前記Ｔ字型掛け金（８Ａ）は、前記留め具（１０）に掛止される水平引掛片ａとこれと一体の垂直片ｂとを有し、かつ、前記垂直片ｂは、長さ方向の途中の位置で折り曲げられ、前記水平引掛片ａを前記留め具（１０）に掛止したときに、折り曲げられた部分が前記バン型車両の後方に向って角度α屈曲し、該角度αはα＜９０゜であることを特徴とする観音開扉の開放位置保持装置。

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