JPH0448681B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動倉庫に於いて棚に対する入出庫
作業用に使用される走行クレーンの昇降キヤレツ
ジ駆動装置に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種の走行クレーンに於ける昇降キヤレツジ
駆動装置として、例えば特公昭49−14589号公報
に開示されるように、昇降キヤレツジの前後両端
を吊り下げる２本のキヤレツジ吊り下げチエン
を、キヤレツジ昇降経路に沿つて当該昇降経路の
下端部に導いた後、上方にＵターンさせて前記昇
降キヤレツジに連結して上下ループ状に張設する
と共に、この２本のチエンの中間部を、モーター
に連動連結され且つ定位置に軸支された駆動歯輪
に各々係合させ、前記２本のチエンの正逆回動に
より前記キヤレツジを昇降させるようにしたキヤ
レツジ駆動装置が知られている。

而してこの種のキヤレツジ駆動装置では、前記
駆動歯輪から昇降キヤレツジに戻るチエンのリタ
ーン経路部分を常に適度に緊張させておかなけれ
ば、駆動歯輪を回転させて昇降キヤレツジを昇降
させるとき、チエンが当該駆動歯輪や他の案内歯
輪から不測に離脱する恐れがある。従つて、前記
２本のチエンには、前記リターン経路部分を常に
緊張させる方向に付勢するテークアツプ機構を併
設して、前記リターン経路部分に弛みが生じない
ようにしなければならない。勿論、前記２本のチ
エンに同一の比率で伸びが生じるとは考えられな
いので、前記テークアツプ機構は各チエン毎に必
要である。

前記特公昭49−14589号公報に開示されるキヤ
レツジ駆動装置では、２本のチエンを駆動する駆
動歯輪を同一の軸受ユニツトに軸支し、この軸受
ユニツトをチエン緊張方向に移動固定し得るよう
に構成しているが、このような構成では、チエン
の前記リターン経路部分を常時適度に緊張させて
おくことが出来ないので、リターン経路部分の伸
びにより駆動歯輪などからチエンが不測に離脱す
る恐れは解消しない。

しかしながら従来のこの種のキヤレツジ駆動装
置において試みられたように、前記駆動歯輪から
昇降キヤレツジに戻る前記チエンのリターン経路
部分に対するテークアツプ機構を、前記昇降キヤ
レツジのチエン結合箇所にチエン毎に設置する構
成では、テークアツプ機構の構成にスペース的な
制約を受けるばかりでなく、昇降キヤレツジから
垂下するチエンリターン経路部分のチエン重量が
テークアツプ機構のチエン付勢力を減少させるこ
とになるので、大きなチエン張力を得ることが困
難であつた。従つて、前記チエンのリターン経路
部分が長くなる高揚程のクレーンには不適当なも
のであつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決し得
るキヤレツジ駆動装置を提案するものであつて、
その特徴を後述する実施例の参照符号を付して述
べると、本発明のキヤレツジ駆動装置は、前記の
ようなキヤレツジ駆動装置において、キヤレツジ
昇降経路真下のクレーン下部フレーム１内に水平
前後方向に各別に移動可能な２つの可動歯輪１
９，２０を並設すると共に、駆動歯輪１７，１８
から昇降キヤレツジ９に戻る２本のチエン１１，
１２のリターン経路部分を、前記クレーン下部フ
レーム１内へ案内歯輪２３〜２６を介して迂回さ
せて前記２つの可動歯輪１９，２０に各別に係合
させ、これら２つの可動歯輪１９，２０を各別に
チエン緊張方向に付勢する２つのスプリング３１
を併設した点に特徴を有する。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図及び第２図に於いて、１
はクレーン下部フレームであつて、床面上に敷設
された下部ガイドレール２上を転動する駆動車輪
３と従動車輪４とを備えている。５は天井側に架
設された上部ガイドレール６と係合する振れ止め
用垂直軸ローラー７を備えたクレーン上部フレー
ムであつて、前記下部フレーム１に前後一対の垂
直な支柱８ａ，８ｂを介して連結されている。９
は支柱８ａ，８ｂ間で昇降可能に支持された昇降
キヤレツジであつて、ランニングフオーク等の荷
移載手段１０が搭載されている。

第２図及び第５図に示すように、前記昇降キヤ
レツジ９の前後両端にはキヤレツジ吊り下げチエ
ン１１，１２の一端１１ａ，１２ａが係止されて
いる。一方のチエン１１は、上部フレーム５の一
端内部に軸支された案内歯輪１３によつて下向き
に転向された後、支柱８ａ内に導入されており、
他方のチエン１２は、上部フレーム５の他端内部
に軸支された案内歯輪１４及び前記案内歯輪１３
と同軸上で支承された案内歯輪１５を経由して前
記支柱８ａ内に導入されている。

支柱８ａ内に導入されたチエン１１，１２は、
第２図、第４図及び第５図に示すように当該支柱
８ａの下端と下部フレーム１の上面とにわたつて
形成された開口部１６を経由して下部フレーム１
内に導かれ、そして当該下部フレーム１内で前記
支柱８ａの下端位置よりも外方（キヤレツジ昇降
経路のある側とは反対方向）の定位置に軸支され
た同軸一体の駆動歯輪１７，１８と、前記下部フ
レーム１内で前記支柱８ａの下端位置よりも内方
（キヤレツジ昇降経路のある側）に寄つた位置に
軸支されたテークアツプ用可動歯輪１９，２０と
に、夫々案内歯輪２１〜２６を介して係合せしめ
られた後、支柱８ａの下端位置よりも内方位置で
下部フレーム１の上面に設けられた開口部２７よ
り再び下部フレーム１の上方に導かれた前記チエ
ン１１，１２は、支柱８ａに沿う状態で遊端部１
１ｂ，１２ｂが前記昇降キヤレツジ９の支柱８ａ
に隣接する箇所に係止されている。

前記テークアツプ用可動歯輪１９，２０は、チ
エン切断検出機構を兼用するチエンテークアツプ
機構２８を構成するものであつて、当該機構２８
は、前記テークアツプ用可動歯輪１９，２０、こ
れら可動歯輪１９，２０の各々を各別に軸支する
２つの軸受２９、水平前後方向（クレーン走行方
向）に移動可能に支持され且つ先端に前記軸受２
９が各別に連設された２本のガイドロツド３０、
各ガイドロツド３０を各別にチエン緊張方向に付
勢するスプリング３１、各ガイドロツド３０に取
り付けられたスイツチ操作片３２、及び前記チエ
ン１１又は１２の切断に伴つて前記可動歯輪１
９，２０がスプリング３１の付勢力により一定以
上移動したことを前記スイツチ操作片３２を介し
て各別に検出する２つのリミツトスイツチ３３か
ら構成されている。

尚、３４は前記駆動車輪３を正逆回転駆動する
減速機付きモーター、３５は前記駆動歯輪１７，
１８を正逆回転駆動する減速機付きモーターであ
る。

以上のように構成された走行クレーンは、モー
ター３４によつて駆動車輪３を回転させることに
より下部ガイドレール２にそつて走行させること
が出来る。そして昇降キヤレツジ９を目的の入出
庫作業レベルまで昇降させるときは、モーター３
５により駆動歯輪１７，１８を回転させる。この
結果、両端１１ａ，１１ｂ及び１２ａ，１２ｂが
昇降キヤレツジ９に係止された上下ループ状のキ
ヤレツジ吊り下げチエン１１，１２が回動し、昇
降キヤレツジ９が支柱８ａ，８ｂにそつて昇降移
動することになる。このときチエン１１，１２
は、上下両フレーム１，５間で連続する部分が前
記支柱８ａ内を上端から下端まで完全に貫通する
状態で回動する。

昇降キヤレツジ９が前記のようにチエン１１，
１２によつて昇降駆動されるとき、当該チエン１
１，１２の駆動歯輪１７，１８から端部１１ｂ，
１２ｂまでのリターン経路部分には、前記テーク
アツプ機構２８のスプリング３１の付勢力が可動
歯輪１９，２０を介して各別に作用しており、常
に略一定の張力が働いている。又、可動歯輪１
９，２０は動滑車として作用するので、この可動
歯輪１９，２０がチエン１１，１２を引つ張る長
さ（テークアツプ代）は可動歯輪１９，２０の移
動距離の倍の長さとなる。

昇降キヤレツジ９を吊り下げているチエン１１
又は１２が何らかの原因で切断した場合、切れた
方のチエン１１又は１２を掛張している可動歯輪
１９又は２０がスプリング３１の付勢力でガイド
ロツド３０と共に一定距離以上移動し、この移動
をスイツチ操作片３２を介してリミツトスイツチ
３３が検出することになるので、このリミツトス
イツチ３３の検出動作からチエン１１又は１２の
切断事故を検出することが出来る。

（発明の作用及び効果） 以上のように実施し得る本発明による昇降キヤ
レツジ駆動装置によれば、駆動歯輪から前記昇降
キヤレツジに戻る２本の昇降キヤレツジ吊り下げ
チエンのリターン経路部分を、これら各チエンに
係合する可動歯輪を介して各別に常時スプリング
で適度に緊張させておくことが出来るので、この
２本のチエンが駆動歯輪や案内歯輪などから不測
に離脱するような恐れが解消する。

しかも前記２本のチエンを緊張させるためのテ
ークアツプ機構、即ち可動歯輪と当該可動歯輪を
付勢するスプリングから成るテークアツプ機構
を、クレーン下部フレーム内に配設したので、昇
降キヤレツジに当該テークアツプ機構を付設する
場合のようにテークアツプ機構が昇降キヤレツジ
から垂下するチエンの重量を受けることはないの
で、テークアツプ機構に於けるスプリングの小型
化を図ることが出来る。又、同一のスプリングを
使用するならば、チエンに与える張力を大幅に増
大することが出来、高揚程のクレーンに於いても
比較的小型のテークアツプ機構により所期の目的
を達することが出来る。

更に、テークアツプ機構をクレーン下部フレー
ム内の空きスペースを利用して設置することが出
来るので、従来のようにテークアツプ機構の設置
にスペース的な制約を受けることがなくなり、容
易に実施することが出来ると共に、昇降キヤレツ
ジの重量軽減にも役立つ。又、チエンの中間部を
緊張させる可動歯輪は動滑車として作用し、この
点でもテークアツプ機構の小型化を図ることが出
来る。

【図面の簡単な説明】

第１図はクレーン全体の側面図、第２図は同一
部切り欠き拡大側面図、第３図はクレーン下部フ
レームの平面図、第４図は要部の拡大縦断側面
図、第５図はキヤレツジ吊り下げチエンの張設状
態を示す斜視図である。 １……クレーン下部フレーム、３……駆動歯
輪、８ａ，８ｂ……支柱、９……昇降キヤレツ
ジ、１１，１２……キヤレツジ吊り下げチエン、
１３〜１５，２１〜２６……案内歯輪、１６，２
７……開口部、１７，１８……駆動歯輪、１９，
２０……可動歯輪、２８……チエン切断検出機構
兼用のチエンテークアツプ機構、２９……軸受、
３０……ガイドロツド、３１……スプリング、３
３……リミツトスイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 昇降キヤレツジの前後両端を吊り下げる２本
   のキヤレツジ吊り下げチエンを、キヤレツジ昇降
   経路に沿つて当該昇降経路の下端部に導いた後、
   上方にＵターンさせて前記昇降キヤレツジに連結
   して上下ループ状に張設すると共に、この２本の
   チエンの中間部を、モーターに連動連結され且つ
   定位置に軸支された駆動歯輪に各々係合させたキ
   ヤレツジ駆動装置において、キヤレツジ昇降経路
   真下のクレーン下部フレーム内に水平前後方向に
   各別に移動可能な２つの可動歯輪を並設すると共
   に、前記駆動歯輪から前記昇降キヤレツジに戻る
   前記２本のチエンのリターン経路部分を、前記ク
   レーン下部フレーム内へ案内歯輪を介して迂回さ
   せて前記２つの可動歯輪に各別に係合させ、これ
   ら２つの可動歯輪を各別にチエン緊張方向に付勢
   する２つのスプリングを併設して成る走行クレー
   ンの昇降キヤレツジ駆動装置。