JPH0567530B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は、自動倉庫に於いて棚に対する入出庫
作業用に使用される走行クレーンの昇降キヤレツ
ジ駆動装置に関するものである。

（従来の技術及びその問題点） この種の走行クレーンに於ける軽荷重用キヤレ
ツジ駆動装置として、両端を昇降キヤレツジに係
止されたチエンをキヤレツジ昇降経路にそつてル
ープ状に張設し、当該チエンの中間部を駆動ユニ
ツトに於ける駆動歯輪に係合させ、前記チエンの
正逆回動により前記キヤレツジを昇降させるよう
にしたキヤレツジ駆動装置が知られている。

本出願人が先に提案したこの種のキヤレツジ駆
動装置では、昇降キヤレツジの前後両端部を吊り
下げる２本のチエンを当該キヤレツジ片側に立設
されている支柱内を経由させて下部フレーム上の
駆動ユニツトに導き、当該２本のチエンのリター
ン側は前記片側の支柱の外側を経由させて前記昇
降キヤレツジの片側に係止させていたために、昇
降キヤレツジの昇降が円滑に行われ難く、しかも
前記２本のチエンの緊張手段を前記片側の狭い支
柱内に配設するように構成していたので、組み立
てや保守点検も困難であつた。

（問題点を解決するための手段） 本発明は上記のような従来の問題点を解決し得
るキヤレツジ駆動装置を提案するものであつて、
その特徴は、昇降キヤレツジの前後両端部を夫々
各部に吊り下げる２本のチエンを上部フレーム内
を経由させて片側の昇降キヤレツジ案内支柱内に
導き、この支柱内を通つて下部フレーム側に至つ
た前記両チエンは、前記下部フレーム上側に設置
した駆動ユニツト駆動歯輪に掛け渡した後に前記
下部フレーム内に導き、この下部フレーム内に設
けたチエン緊張手段を経由させた後、両チエンを
前後に分けて各々前後の昇降キヤレツジ案内用支
柱に沿つて上方に導き、当該各チエンの遊端を前
記昇降キヤレツジの前後両端部に分けて係止した
点にある。

（実施例） 以下に本発明の一実施例を添付の例示図に基づ
いて説明すると、第１図に於いて、１は下部フレ
ームであつて、床面上に敷設された下部ガイドレ
ール２上を転動する駆動車輪３と従動車輪４とを
備えている。５は天井側に架設された上部ガイド
レール６を挟む振れ止め用垂直軸ローラ７を備え
た上部フレームであつて、前記下部フレーム１に
前後一対の垂直な支柱８ａ，８ｂを介して連結さ
れている。９は支柱８ａ，８ｂ間で昇降可能に支
持された昇降キヤレツジであつて、ランニングフ
オークなどの荷移載手段１０が搭載されている。

第１図及び第２図に示すように、前記昇降キヤ
レツジ９の前後両端にはキヤレツジ吊り下げチエ
ン（２連チエン）１１，１２の一端１１ａ，１２
ａが係止されている。一方のチエン１１は、上部
フレーム５の一端内部に軸支された案内歯輪１３
によつて下向きに転向された後、支柱８ａ内に導
入されており、他方のチエン１２は、上部フレー
ム５の他端内部に軸支された案内歯輪１４及び前
記案内歯輪１３と同軸上で支承された案内歯輪１
５を経由して前記支柱８ａ内に導入されている。

支柱８ａ内に導入されたチエン１１，１２は、
当該支柱８ａの下端と下部フレーム１の上面とに
わたつて形成された開口部１６（第７図参照）を
経由して下部フレーム１内に導かれ、そして当該
下部フレーム１内の同軸上の案内歯輪１７，１８
を経由して、支柱８ａの外側で下部フレーム１の
上面に設けられた開口部１９（第７図参照）より
再び下部フレーム１の上方に導かれた前記チエン
１１，１２は、当該下部フレーム１上に設置され
た駆動ユニツト２０に於ける同軸上の駆動歯輪２
１，２２に掛け渡された後、再び前記開口部１９
を経由して下部フレーム１内に導かれている。

駆動ユニツト２０を経由して下部フレーム１内
に戻された両チエン１１，１２は、同軸上の案内
歯輪２３，２４を経由して、並設された２つのチ
エン緊張手段２５，２６に導かれ、このチエン緊
張手段２５，２６を経由した両チエン１１，１２
は前後に分けられ、前側のチエン１１は、支柱８
ａの内側で下部フレーム１に設けられた開口部
（図示省略）を経由して下部フレーム１上に導出
され、当該支柱８ａに沿つて上方に導かれた後、
昇降キヤレツジ９の前部下側に遊端部１１ｂが係
止さている。また、他方の後側チエン１２は、他
方の支柱８ｂ下端近傍で下部フレーム１内に軸支
された２の案内歯輪２７，２８を経由した後、当
該支柱８ｂの内側で下部フレーム１に設けられた
開口部（図示省略）を経由して下部フレーム１上
に導出されると共に当該支柱８ｂに沿つて上方に
導かれ、昇降キヤレツジ９の後部下側に遊端部１
２ｂが係止されている。

前記駆動ユニツト２０は、第５図〜第７図に示
すようにブレーキ付きモータ２９とこれに直結し
た減速機３０とを備え、当該減速機３０の出力軸
３１に前記一対の駆動歯輪２１，２２が固定され
ている。前記モータ２９及び減速機３０は、当該
減速機３０の出力軸３１が駆動歯輪２１，２２の
両側で軸受３２，３３により下部フレーム１上の
基台３４上に支承されることにより、下部フレー
ム１の真上に前記モーター２９が左右横向きに位
置する状態で当該下部フレーム１上に支持されて
いる。

なお、出力軸３１を中心にモータ２９及び減速
機３０が回転するのを阻止するために、前記基台
３４に固着したブラケツト３５と減速機３０のケ
ース張り出し部３０ａとを結合ピン３６で連結し
ている。

前記両チエン緊張手段２５，２６は、第３図及
び第４図に示すように共通の機枠３７、当該機枠
３７に各別に前後方向摺動可能に支持された２つ
の可動体４２，４３、これら可動体４２，４３に
夫々軸支された可動歯輪３８，３９、前記機枠３
７の一定位置に軸支された案内歯輪４０，４１、
及び前記可動体４２，４３を各別に後方へ付勢す
るスプリング４４，４５から構成されており、チ
エン１１，１２は、前記可動歯輪３８，３９と案
内歯輪４０，４１とにＳの字形に掛け渡され、前
記可動歯輪３８，３９がスプリング４４，４５に
より各別に後方へ付勢されていることにより各々
緊張せしめられている。

４６，４７はスプリング受け板であつて、各可
動体４２，４３に一端が固定された螺軸４８，４
９に螺合するナツト５０，５１によつて位置決め
されており、当該ナツト５０，５１の位置調整に
よりスプリング４４，４５のチエン緊張作用力を
調整することが出来る。なお、これら両スプリン
グ受け板４６，４７から夫々リミツトスイツチ作
動用カム５２，５３が連接されており、チエン１
１，１２が一定長さを越えて伸びたとき、或いは
チエン１１，１２が切れたとき、機枠３７にブラ
ケツト５４を介して取り付けられた２つのリミツ
トスイツチ５５（第４図では図示省略、ブラケツ
ト５４の左右両側に取り付けられており、第３図
では手前のリミツトスイツチ５５のみが図示され
ている）を各別に作動させるように構成してい
る。

第１図、第５図及び第７図に５６で示すもの
は、駆動車輪３を駆動する走行用駆動ユニツトで
ある。

前記支柱８ａ，８ｂは角パイプ材によつて構成
している。従つて、丸パイプ材によつて構成する
場合と比較して支柱内の空間の幅が中心から前後
にずれても小さくなることがない。従つて、２本
のチエン１１，１２を並列状態で当該支柱８ａ内
を貫通させる場合でも、当該支柱８ａ内の空間全
域を利用してチエンと支柱内側面とが摺接するこ
とのない状態にチエンを容易に張設することが出
来る。しかも実施例のように、前記角パイプ製の
支柱８ａ内に、その全長にわたつてチエン１１，
１２を通すように構成すれば、角パイプ製の支柱
８ａの側壁にチエンが通り抜ける開口部を設ける
場合のような支柱強度の低下を招くこともない
し、チエン１１，１２の通る支柱８ａ内に塵埃や
異物が侵入する恐れもない。

以上のように構成された倉庫用クレーンは、走
行用駆動ユニツト５６によつて駆動車輪３を回転
させることにより下部ガイドレール２に沿つて走
行させることが出来る。そして昇降キヤレツジ９
を目的の入出庫作業レベルまで昇降させるとき
は、駆動ユニツト２０に於けるモータ２９を稼動
させ、減速機３０及び出力軸３１を介して駆動歯
輪２１，２２を回転させる。この結果、両端１１
ａ，１１ｂ及び１２ａ，１２ｂが昇降キヤレツジ
９に係止されたループ状のキヤレツジ吊り下げチ
エン１１，１２が回動し、昇降キヤレツジ９が支
柱８ａ，８ｂにそつて昇降移動することになる。
このときチエン１１，１２は、上下両フレーム
１，５間で連続する部分が前記支柱８ａ内を上端
から下端まで完全に貫通する状態で回動する。

チエン１１，１２は、前記チエン緊張手段２
５，２６により各別に適当な緊張状態に保持され
ているが、若しチエン１１または１２が不当に伸
びた場合や切れた場合には、チエン緊張手段２５
または２６の可動歯輪３８または３９がスプリン
グ４４または４５の付勢力で可動体４２または４
３、螺軸４８または４９、スプリング受け板４６
または４７、及びリミツトスイツチ作動用カム５
２または５３と一体に後方へ移動することにな
り、前記カム５２または５３が２つのリミツトス
イツチ５５の何れか対応する側を作動させること
になる。従つて、このリミツトスイツチ５５の作
動により、前記チエン１１または１２の異常な伸
びまたは切断を検出することが出来る。

なお、駆動ユニツト２０の構成は上記実施例の
ものに限定されない。また、場合によつては、前
記駆動ユニツト２０は支柱８ａの下端近傍外側に
取り付けたり、チエン１１，１２を当該支柱８ａ
の下端近傍側壁に設けた開口部より前記駆動ユニ
ツト２０の方へ導出させることも出来る。

（発明の作用及び効果） 以上のような実施し得る本発明の倉庫用クレー
ンの昇降キヤレツジ駆動装置によれば、両端が昇
降キヤレツジに係止された状態でループ状に張設
されるキヤレツジ吊り下げチエンは、その略半分
が支柱内に通されて保護されているので、当該チ
エンに異物が付着することに起因する故障が極減
する。また、他の機器を当該支柱に接近または当
接するように設置することも出来、クレーン全体
をコンパクトに構成することが容易となる。

更に本発明の構成によれば、昇降キヤレツジの
前後両端部を各別に吊り下げる２本のチエンのリ
ターン側も前後に分けて前後両支柱に隣接する位
置で昇降キヤレツジに係止しているので、これら
両チエンを回動させて昇降キヤレツジを昇降させ
るときの当該昇降キヤレツジの昇降運動が円滑に
行われる。また、両チエンの緊張手段を支柱内と
比較して広い空間が確保出来る下部フレーム内に
設置したので、当該緊張手段の組み立てや保守点
検も容易に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図はクレーン全体の側面図、第２図はキヤ
レツジ吊り下げチエンの張設状態を示す斜視図、
第３図はチエン緊張手段の側面図、第４図は同平
面図、第５図は昇降キヤレツジの昇降駆動ユニツ
ト部分を示す側面図、第６図は走行駆動ユニツト
部分を取り外した状態での同背面図、第７図は第
５図の平面図である。 １……下部フレーム、２……下部ガイドレー
ル、３……駆動車輪、８ａ，８ｂ……支柱、９…
…昇降キヤレツジ、１１，１２……キヤレツジ吊
り下げチエン、２０……キヤレツジ昇降駆動ユニ
ツト、２１，２２……駆動歯輪、２５，２６……
チエン緊張手段、２９……ブレーキ付きモータ
ー、３０……減速機、３１……出力軸、３２，３
３……軸受、３６……結合ピン、３８，３９……
可動歯輪、４０，４１……案内歯輪、４２，４３
……可動体、４４，４５……スプリング、５２，
５３……リミツトスイツチ作動用カム、５５……
リミツトスイツチ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 昇降キヤレツジの前後両端部を夫々各別に吊
   り下げる２本のチエンを上部フレーム内を経由さ
   せて片側の昇降キヤレツジ案内用支柱内に導き、
   この支柱内を通つて下部フレーム側に至つた前記
   両チエンは、前記下部フレーム上側に設置した駆
   動ユニツトの駆動歯輪に掛け渡した後に前記下部
   フレーム内に導き、この下部フレーム内に設けた
   チエン緊張手段を経由させた後、両チエンを前後
   に分けて各々前後の昇降キヤレツジ案内用支柱に
   沿つて上方に導き、当該各チエンの遊端を前記昇
   降キヤレツジの前後両端部に分けて係止して成る
   倉庫用クレーンの昇降キヤレツジ駆動装置。