JPH0447681B2 - - Google Patents

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JPH0447681B2
JPH0447681B2 JP60224821A JP22482185A JPH0447681B2 JP H0447681 B2 JPH0447681 B2 JP H0447681B2 JP 60224821 A JP60224821 A JP 60224821A JP 22482185 A JP22482185 A JP 22482185A JP H0447681 B2 JPH0447681 B2 JP H0447681B2
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JP
Japan
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inorganic oxide
refractive index
vinyl monomer
particle size
weight
Prior art date
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JP60224821A
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Takeshi Nakahara
Toshiji Shimamoto
Shigeki Yushima
Koji Kusumoto
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Tokuyama Corp
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Tokuyama Corp
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Publication of JPH0447681B2 publication Critical patent/JPH0447681B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕 本発明は、可視光によつて重合を開始する光重
合用の複合組成物に関する。 〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題
点〕 従来、理工学的性質の向上や重合時の体積収縮
の低減を図る為に、重合可能なビニルモノマーと
無機あるいは有機充填材を混合した複合組成物が
種々の分野で広く使用されている。例えば、歯科
分野に於いても、歯科修復用複合レジンとして重
合収縮が比較的小さいとされている2,2−ビス
〔4−(3−メタクリロキシ)−2−ヒドロキシプ
ロポキシフニエル〕プロパン(ビスフエノールA
とグリシジルメタクリレートの付加生成物)を主
成分とするアクリル系モノマーに、粒径数10μm
のガラスビーズあるいは石英やストロンチウムガ
ラスの粉砕物等のフイラーを大量に配合し、使用
時に口腔内で重合硬化させるという複合組成物が
一般に用いられている。 このような複合組成物に用いられるフイラーと
しては、例えば、 特開昭58−110414号公報 特開昭58−151321号公報 特開昭58−152804号公報 特開昭58−156524号公報 特開昭58−156526号公報 特開昭59−54616号公報 特開昭59−101409号公報 に、粒子径が0.1〜1.0μmで且つ特定の値の屈折率
を有する無機酸化物が示されている。上記の特定
の無機酸化物は、複合組成物のフイラー成分とし
て極めて優れている。例えば上記の無機酸化物を
重合可能なビニルモノマーの混合物に重合触媒を
添加して口腔内で重合させることにより、耐摩耗
性、表面滑沢性或いは表面硬度等の点で優れた硬
化体を得ることができる。 しかしながら、このような無機酸化物も、上記
の公開公報に開示されているような紫外線により
重合を開始する触媒を用いて複合組成物としたの
では、優れた複合組成物とはなり得ない。即ち、
上記の無機酸化物と重合可能なビニルモノマーの
混合物を、紫外線開始触媒を用いて口腔内で紫外
線で硬化させる場合、紫外線が上記の無機酸化物
によつて吸収されるために重合に必要な光量が窩
底部まで十分に到達せず、未重合のモノマーが多
く残存するといつた問題があることがわかつた。
そして、この問題は、無機酸化物の屈折率をどの
ような値に変えてみても全く解決のできないもの
であつた。 〔問題点を解決するための手段〕 本研究者等は、上記問題点に鑑み、窩底部まで
十分に重合硬化する複合組成物の開発を課題とし
て鋭意研究を重ねて来た。その結果、特定の屈折
率を有する無機酸化物と重合可能なビニルモノマ
ーの混合物を、意外にも可視光によつて重合を開
始し得る光重合開始触媒を用いて、重合硬化させ
ることによつて、硬化深度が著しく向上し、上記
課題が解決できることを見い出した。さらに驚く
べきことに硬化体の機械的性質が紫外線硬化触媒
を用いて重合させたものより優れていることを見
い出し、本発明を完成させるに至つた。 即ち本発明は、 (a) 重合可能なビニルモノマー (b) 粒子径が0.1〜1.0μmの球形状の粒子を80容量
%以上含み、且つ、屈折率が上記(a)の重合可能
なビニルモノマーの屈折率より0.005高い値と
該ビニルモノマーを重合して得られるビニルポ
リマーの屈折率より0.005低い値との間に存在
する無機酸化物 及び (c) 390〜700nmの可視光によつて重合を開始し
得る光重合開始触媒 からなる光重合用の複合組成物である。 本発明に於ける光重合用の複合組成物の1成分
は重合可能なビニルモノマーである。該ビニルモ
ノマーは特に限定されず一般に公知のものが使用
出来る。一般に好適に使用される代表的なものを
例示すれば、アクリル基及び/又はメタクリル基
を有する重合可能なモノマーである。具体的に例
示すれば次の通りである。 イ 単官能性ビニルモノマー メチルメタクリレート;エチルメタクリレー
ト;イソプロピルメタクリレート;ヒドロキシ
エチルメタクリレート;テトラヒドロフルフリ
ルメタクリレート;グリシジルメタクリレー
ト;およびこれらのアクリレートあるいはアク
リル酸、メタクリル酸、p−メタクリロキシ安
息香酸、N−2−ヒドロキシ−3−メタクリロ
キシプロピル−N−フニニルグリシン、4−メ
タクリロキシエチルトリメリツト酸及びその無
水物、6−メタクリロキシヘキサメチレンマロ
ン酸、10−メタクリロキシデカメチレンマロン
酸、2−メタクリロキシエチルジハイドロゲン
フオスフエート、10−メタクリロキシデカメチ
レンジハイドロゲンフオスフエート、2−ヒド
ロキシエチルハイドロゲンフエニルフオルフオ
ネート。 ロ 二官能性ビニルモノマー 芳香族化合物系のもの () 2,2−ビス(メタクリロキシフエニ
ル)プロパン;2,2−ビス〔4−(3−メ
タクリロキシ)−2−ヒドロキシプロポキシ
フエニル〕プロパン;2,2−ビス(4−メ
タクリロキシエトキシフエニル)プロパン;
2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキ
シフエニル)プロパン;2−2−ビス(4−
メタクリロキシテトラエトキシフエニル)プ
ロパン;2,2−ビス(4−メタクリロキシ
プンタエトキシフエニル)プロパン;2,2
−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフ
エニル)プロパン;2,2−ビス(4−メタ
クリロキシジプロポキシフエニル)プロパ
ン;2(4−メタクリロキシエトキシフエニ
ル)−2(4−メタクリロキシジエトキシフエ
ニル)プロパン;2(4−メタクリロキシジ
エトキシフエニル)−2(4−メタクリロキシ
トリエトキシフエニル)プロパン;2(4−
メタクリロキシジプロポキシフエニル)−2
(4−メタクリロキシトリエトキシフエニル)
プロパン;2,2−ビス(4−メタクリロキ
シプロポキシフエニル)プロパン;2,2−
ビス(4−メタクリロキシイソプロポキシフ
エニル)プロパンおよびこれらのアクリレー
ト;2−ハイドロキシエチルメタクリレー
ト、2−ハイドロキシプロピルメタクリレー
ト、3−クロロ−2−ハイドロキシプロピル
メタクリレートあるいはこれらのアクリレー
トのような−OH基を有するビニルモノマー
と、ジイソシアネートメチルベンゼン、4,
4′−ジフエニルメタンジイソシアネートのよ
うな芳香族基を有するジイソシアネート化合
物との付加から得られるジアダクト () 脂肪族化合物系のもの エチレングリコールジメタクリレート;ジ
エチレングリコールジメタクリレート;トリ
エチレングリコールジメタクリレート;ブチ
レングリコールジメタクリレート;ネオペン
チルグリコールジメタクリレート;プロピレ
ングリコールジメタクリレート;1,3−ブ
タンジオールジメタクリレート;1,4−ブ
タンジオールジメタクリレート;1,6−ヘ
キサンジオールジメタクリレートおよびこれ
らのアクリレート;2−ハイドロキシエチル
メタクリレート、2−ハイドロキシプロピル
メタクリレート、3−クロロ−2−ハイドロ
キシプロピルメタクリレートあるいはこれら
のアクリレートのように−OH基を有するビ
ニルモノマーとヘキサメチレンジイソシアネ
ート、トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート、ジイソシアネートメチルシクロヘキ
サン、イソフオロンジイソシアネート、メチ
レンビス(4−シクロヘキシルイソシアネー
ト)のようにジイソシアネート化合物との付
加から得られるジアダクト;無水アクリル
酸、無水メタクリル酸;1,2−ビス(3−
メタクリロキシ−2−ヒドロキシブロポキ
シ)エチル、ジ(2−メタクリロキシエチ
ル)フオスフエート、ジ(3−メタクリロキ
シプロピル)フオスフエート ハ 三官能性ビニルモノマー トリメチロールプロパントリメタクリレー
ト、トリメチロールエタントリメタクリレー
ト、ベンタエリスリトールトリメタクリレー
ト、トリメチロールメタントリメタクリレート
およびこれらのアクリレート ニ 四官能性ビニルモノマー ペンタエリスリトールテトラメタクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラアクリレート
およびジイソシアネートメチルベンゼン、ジイ
ソシアネートメチルシクロヘキサン、イソフオ
ロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソ
シアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソ
シアネート、メチレンビス(4−シクロヘキシ
ルイソシアネート)、4,4′−ジフエニルメタ
ンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイ
ソシアネートのようなジイソシアネート化合物
とグリシドールジメタクリレートとの付加から
得られるジアダクト 以上のビニルモノマー以外に、一般に工業用と
して公知のものが使用できる。一般に好適に使用
される代表的なものを例示すれば、 酢酸ビニル、ブロピオン酸ビニル等のビニルエ
ステル類;メチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、イソブチルビニルエーテル等のビニル
エーテル類;スチレン、ビニルトルエン、α−メ
チルスチレン、クロルメチルスチレン、スチルベ
ン等のアルケニルベンゼン類 等が好適に用いられる。 重合可能なビニルモノマーを複数種類を用いる
場合、このビニルモノマーが室温で粘度が極めて
高いもの、あるいは固体である場合には、低粘度
の重合可能なビニルモノマーと組み合せて使用す
る方が好ましい。この組み合せは2種類に限ら
ず、3種類以上であつてもよい。又、単官能性ビ
ニルモノマーだけの重合体は架橋構造を有しない
ので、一般に重合体の機械的強度が劣る傾向にあ
る。そのために、単官能性ビニルモノマーを使用
する場合は多官能性モノマーと共に使用するのが
好ましい。重合可能なビニルモノマーの最も好ま
しい組合せは、二官能性ビニルモノマーの芳香族
化合物を主成分として二官能性ビニルモノマーの
脂肪族化合物を組み合せる方法である。これ以外
に、たとえば、三官能性ビニルモノマーと四官能
性ビニルモノマーの組み合せ、二官能性ビニルモ
ノマーの芳香族化合物と同脂肪族化合物に三官能
性ビニルモノマー及び/又は四官能性ビニルモノ
マーの組み合せ、およびこれらの組み合せにさら
に単官能性ビニルモノマーを加えた組み合せが好
適に採用出来る。 次に、上記ビニルモノマーの組み合せにおける
組成比は必要に応じて決定すればよいが一般に好
適に採用される組成比を示す。 (1) 二官能性ビニルモノマーの芳香族化合物は30
〜80重量%で同脂肪族化合物70〜20重量% (2) 三官能性ビニルモノマーは30〜100重量%で
四官能性ビニルモノマーは0〜70重量% (3) 二官能性ビニルモノマーの芳香族化合物は30
〜60重量%、同脂肪族化合物は50〜30重量%、
三官能性ビニルモノマーは10〜80重量%、四官
能性ビニルモノマーは0〜50重量%等の組成比
が好ましい。 本発明の光重合用の複合組成物の1成分は特定
の無機酸化物である。具体的には粒子径が0.1〜
1.0μmの球形状の粒子を80容量%以上含み、且
つ、屈折率が本発明に於ける重合可能なビニルモ
ノマーの屈折率より0.005高い値と該ビニルモノ
マーを重合して得られるビニルポリマーの屈折率
より0.005低い値との間に存在する無機酸化物で
ある。 本発明に於ける無機酸化物の粒子径及び屈折率
は極めて重要な要因であり、いずれの条件が欠け
ても本発明の目的を達成することが出来ない。例
えば無機酸化物の粒子径が0.1〜1.0μmの粒子を80
容量%以上含まないときは、重合可能なビニルモ
ノマーと練和してペースト状の混合物とする際に
粘度の上昇が著しく、配合割合を増加させて粘度
上昇を防ごうとすれば、操作性が悪化するので実
質的に実用に供する材料となり得ない。また、ビ
ニルモノマーを重合硬化後の硬化物の耐摩耗性あ
るいは表面の滑沢性が低下し、更に表面硬度も低
下する等の欠陥があるため好ましくない。粒子径
が0.1〜1.0μmの粒子は、90容量%以上であること
が好ましく、さらに100容量%であることが最も
好ましい。更にまた無機酸化物が前記粒子径0.1
〜1.0μmの粒子を80容量%以上含む場合であつて
も、無機酸化物の屈折率が本発明の重合可能なビ
ニルモノマーの屈折率より0.005高い値と、該ビ
ニルモノマーを重合して得られるビニルポリマー
の屈折率より0.005低い値との間に存在しなけれ
ば前記したような本発明の効果時に硬化深度が大
きく窩底部まで十分重合硬化するといつた特性が
得られない。該無機酸化物の屈折率は、上記ビニ
ルモノマーの屈折率より0.005だけ高い値と該ビ
ニルモノマーを重合して得られるビニルポリマー
の屈折率より0.005だけ低い値との間にあれば任
意に選ぶことができるが、特に、ビニルモノマー
の屈折率より0.01だけ高い値からビニルポリマー
の屈折率より0,01だけ低い値の範囲内が好適で
ある。 紫外線重合用の組成物に於いて、特定の屈折率
を有する充填材を使用することは、既述の特開昭
59−101409号公報で開示されている。しかし、本
発明に於ける特定の無機酸化物を紫外線重合用触
媒と組合せて用いる場合、屈折率を調節しても硬
化深度の向上に大きな効果は示さない。これに対
し、該無機酸化物を390〜700nmの可視光によつ
て重合を開始し得る光重用合触媒と組合せて用い
る場合、硬化深度が大きいだけでなく、無機酸化
物の屈折率を本発明のように特定の値に調節する
ことにより硬化深度が飛躍的に向上するのは全く
驚くべきことである。この理由については現在必
ずしも明確ではないが、本発明者らは該無機酸化
物の粒径が可視光の波長或域あるいはその近傍に
あるため、可視光より短波長である紫外光が乱反
射されやすいこと、及び該無機酸化物が主に非晶
質構造を取るため、紫外線を吸収すること等が原
因であると考えられる。更に、例えば紫外線を吸
収するチタニアのような金属酸化物を含む無機酸
化物の場合には、紫外線の透過が妨げられること
によるものと推察される。 本発明の複合組成物を歯科修復用複合レジンと
して用いる場合には、重合可能なビニルモノマー
として屈折率が1.40近辺のものが使用され、該重
合可能なビニルモノマーを重合して得られるビニ
ルポリマーの屈折率は1.60近辺となる。従つて、
歯科修復用複合レジンの用途の場合には、無機酸
化物としては、1.405〜1.595の範囲の屈折率のも
のを使用することが好ましい。 以上に述べた特定の球形状の粒径と特定の屈折
率を有する無機酸化物であれば、本発明に於いて
は公知の無機酸化物が特に制限されることなく使
用される。本発明に於いて特に好適に使用し得る
無機酸化物は、前述の各公開公報に開示されてい
るもの、即ち、シリカと結合可能な周期律表第
族,第族,第族及び第族からなる群より選
ばれた少くとも1種の金属酸化物及びシリカを主
な構成成分とする無機酸化物である。上記の各金
属酸化物とシリカを主な構成成分とすることによ
り、前記した特定の粒子径及び特定の屈折率を有
する無機酸化物を容易に得ることができる。 このような無機酸化物はシリカのシリコン原子
と第族,第族,第族又は第族の金属酸化
物、例えば酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化
カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、
酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化アルミ
ニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸
化ハフニウム、酸化錫、酸化鉛等が酸素を仲介に
結合してたものである。そして上記第族,第
族,第族および第族の金属酸化物(以下単に
一般式M1/2O,M2O,M3/2O3,M4O2(但しM1 は第族の金属、M2は第族の金属、M3は第
族の金属、M4は第族の金属)で表示する場合
もある)の構成比率は得られる無機酸化物の屈折
率及び形状に大きな影響を与える。勿論M1/2O, M2O,M3/2O3,およびM4O2の種類、製造方 法、製造条件等によつてその構成比率が屈折率及
び形状に与える影響は変つて来るが、一般に上記
した屈折率の範囲で且つ球形状の無機酸化物を得
ようとする場合はM1/2O,M2O,M3/2O3,及 びM4O2の合計の構成比率を1〜20モル%の範囲
とすることが好ましく、特に5〜15モル%の範囲
のM1/2O,M2O,M3/2O3,およびM4O2の合 計の構成比率を選択するときは適当な屈折率を有
し、且つ、粒子径が揃つた真球に近いものとな
る。 本発明で用いる無機酸化物の屈折率を重合可能
なビニルモノマーの屈折率より0.005高い値から、
該重合可能なビニルモノマーを重合したビニルポ
リマーの屈折率より0.005低い値の範囲に調整す
るためには、周期律表第族,第族,第族、
第族の金属酸化物の中でも、特に酸化ストロン
チウム、酸化バリウム、酸化亜鉛、酸化アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化チタン、酸化ジルコ
ニウム、酸化スズ等のシリカよりも屈折率の高い
酸化物を用いることが好ましい。 本発明で用いる無機酸化物の形状は、得られる
複合組成物の硬化体の耐摩耗性、表面の滑沢性、
表面硬度等の点から球形状であるものが特に好ま
しい。また該無機酸化物の粒子径の分布は、特に
限定されないが、本発明の目的をもつとも良好に
発揮するのは該分布の標準偏差値が1.30以下であ
るようなシヤープなものである。 本発明で用いる無機酸化物は表面安定性を保持
するため表面のシラノール基を減ずるのが好まし
い。そのために無機酸化物を乾燥後更に500〜
1000℃の温度で焼成する手段がしばしば好適に採
用される。また一般に前記焼成した無機酸化物は
安定性を保持するため有機珪素化合物を用いて表
面処理を行つた後、使用するのが最も好適であ
る。上記表面処理の方法は特に限定されず公知の
方法例えば無機酸化物とγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシ
ラン等の公知の有機珪素化合物とを、アルコー
ル/水の混合溶媒中で一定時間接触させた後、該
溶媒を除去する方法が採用される。 次に本発明で用いる(c)の光重合開始触媒は390
〜700nmの可視光線照射によつて励起され重合を
開始し得るものであれば何ら制限なく公知のもの
が使用出来る。好ましくは400〜600nmの可視光
で重合を開始させる触媒が用いられる。また、一
般に光重合開始触媒としては光増感剤を光重合促
進剤と組み合わせて使用するのが好ましい。光増
感剤として好適に用いられるものを例示すれば、
ベンジル、カンフアーキノン、α−ナフチル、ア
セトナフセン、P,P′−ジメトキシベンジル、
P,P′−ジクロロベンジルジアセチル、ベンタン
ジオン、1,2−フエナントレンキノン、1,4
−フエナントレンキノン、3,4−フエナントレ
ンキノン、9,10−フエナントレンキノン、ナフ
トキノン等のα−ジケトン類である。本発明にお
ける上記α−ジケトンは公知のα−ジケトンのう
ち少なくとも一種を選んで用いることができ、さ
らに二種類以上混合して用いることもできる。ま
た、カンフアーキノンは最も好ましく用いること
ができる。 また光重合促進剤としては、N,N−ジメチル
アニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−
ジ−n−ブチルアニリン、N,N−ジベンジルア
ニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、
N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジ
メチル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−
ジメチルアニリン、m−クロロ−N,N−ジメチ
ルアニリン、p−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ド、p−ジメチルアミノアセトフエノン、p−ジ
メチルアミノベンゾイツクアシツド、p−ジメチ
ルアミノベンゾイツクアシツドエチルエステル、
p−ジメチルアミノベンゾイツクアシツドアミノ
エステル、N,N−ジメチルアンスラニリツクア
シツドメチルエステル、N,N−ジヒドロキシエ
チルアニリン、N,N−ジヒドロキシエチル−p
−トルイジン、p−ジメチルアミノフエネチルア
ルコール、p−ジメチルアミノスチルベン、N,
N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジメチ
ルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフ
チルアミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルア
ミン、トリブチルアミン、トリプロピルアミン、
トリエチルアミン、N−メチルジエタノールアミ
ン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジ
メチルヘキシルアミン、N,N−ジメチルドデシ
ルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、
2,2′−(n−ブチルイミノ)ジエタノール等の
第3級アミン類;5−ブチルバルビツール酸、1
−ベンジル−5−フエニルバルビツール酸等のバ
ルビツール酸類;ベンゾイルバーオキサイド、ジ
−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベ
ンゾエート等の有機過酸化物等が好適に使用出来
る。これらの光重合促進剤のうち少なくとも一種
を選んで用いることができ、さらに二種類以上を
混合して用いることもできる。 また第3級アミノ類を促進剤として用いる場合
には、特に芳香族基に直接窒素原子が置換した第
3級アミン類がより好適に用いられる。更に光重
合促進能の向上のために、第3級アミンに加えて
クエン酸、リンゴ酸、酒石酸、グリコール酸、グ
ルコン酸、α−オキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ
プロパン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒ
ドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、ジ
メチロ−ルプロピオン酸等のオキシカルボン酸類
の添加が効果的である。 本発明の光重合用の複合組成物の好適な混合割
合を示すと、a)の重合可能なビニルモノマーと
b)の無機酸化物との混合割合は、a)が10〜70
重量%でb)が30〜90重量%の範囲が適当であ
り、より好ましくはa)が20〜40重量%でb)が
60〜80重量%である。またc)の光重合開始触媒
は0.001〜5重量%、より好ましくは0.01〜3重
量%の範囲でよい。 本発明の成分は以上に説明した通りのものであ
るが、更に必要に応じて他の充填材を添加するこ
とが可能である。最も好適には、得られる複合組
成物の硬化体の耐摩耗性、表面の滑沢性、表面硬
度等の点から前記した無機酸化物を含むビニルポ
リマーからなる複合充填材が使用できる。上記の
複合充填材としては、例えば特開昭59−101409号
公報に示されたものが本発明に於いて好適に用い
られる。即ち、本発明の複合組成物の一成分とし
て用いられる無機酸化物と重合可能なビニルモノ
マーとを混合してペーストを調製し、重合するこ
とによつて得た複合充填材が好ましい。無機酸化
物と重合可能なビニルモノマーとの混合割合は、
該無機酸化物が50〜90重量%であることが好まし
く、また、該複合充填材の粒径は、0.1〜150μm
の範囲内で、平均粒径が1μm〜40μmの範囲にあ
ることが好ましい。 このような複合充填材を用いることによつて、
得られる複合組成物の粘性が低く、練和が容易に
なるという利点がある。上記の利点を発揮させる
ためには、該複合充填材と前記した本発明の複合
組成物の一成分である無機酸化物との合計量中、
該無機酸化物を20〜80重量%、該複合充填材を20
〜80重量%の割合で用いることが好ましい。 更にまた、2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾ
フエノンのような紫外線吸収剤、ハイドロキノ
ン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、2,5
−ジターシヤリブチル−4−メチルフエノール等
の重合禁止剤、顔料等の成分を本発明の光重合用
の複合組成物に任意に添加できる。 本発明の光重合用の複合組成物を重合させる光
の波長は390〜700nm、好ましくは400〜600nmの
範囲の光が用いられる。人体に関連する歯科修復
用複合レジンに本発明の光重合用の複合組成物を
用いる場合、照射する光の波長が人体に無害であ
ることは重要である。前記の波長範囲の光として
は、ハロゲンランプ、キセノンランプ、レーザ
ー、蛍光灯、太陽等の光を使用することができ
る。また、前記の光を照射し、ビニルモノマーを
重合する場合の温度、照射時間は照射光の強さに
より異なるが、一般に所望の重合時間にあわせ適
宜決定すればよい。好適には、0℃〜60℃程度の
比較的低温で、10秒〜数分程度の比較的短時間の
照射を行なえば十分である。 本発明の光重合用の複合組成物を重合させる場
合、予めa)の重合可能なビニルモノマーとb)
の無機酸化物およびc)の光重合用開始触媒を混
合しペースト状としたものを貯蔵しておき、使用
時に光を照射してもよいし、a),b)およびc)
を別々に保存しておき使用直前に混合し光を照射
してもよい。但し、a),b)およびc)を混合
したペーストおよび光重合開始触媒の貯蔵に際し
ては、前記ペーストの貯蔵中の重合あるいは触媒
の劣化を防ぐために遮光しておくことが必要であ
る。また、光を照射する前に、減圧脱泡操作を行
ないペースト中から気泡を除去しておくと、本発
明の効果が最も良好に発揮される。 〔発明の効果〕 以上の説明で明らかなように、本発明の光重合
用の複合組成物は、単一ペーストであることから
使用時に改めて練和する必要がなく、特に歯科修
復用レジンに適用した場合硬化深度が大きく窩底
部まで十分に重合する利点を有する。また、本複
合組成物の重合には390〜700nmの光を使用する
ため、人体に対して無害である。しかも重合で得
られる硬化体は従来のものに比べて圧縮強度等の
機械的強度は劣ることなく、しかも耐摩耗性ある
いは表面の滑沢性に優れ、さらには表面硬度が高
く、表面研磨仕上げが非常に容易であるという多
くの優れた特徴を有している。 このように本発明の光重合用の複合組成物は、
上記したように数々の長所を有しており、歯科分
野では修復用複合レジンに加えて歯冠用レジン、
シーラント、床用レジン等に適用できる。更に注
型材料、封止材料、成型材料等の工業分野におけ
る材料としても有効である。 〔実施例〕 以下、実施例によりさらに詳しく本発明の内容
を説明が、本発明はこれらの実施例に限定される
ものではない。なお、以下の製造例、実施例およ
び比較例に示した無機酸化物の諸特性(粒子径、
粒子径分布の標準偏差値、屈折率)の測定、重合
可能なビニルモノマー及び該重合可能なビニルモ
ノマーを重合して得られるポリマーの屈折率の測
定、並びに光重合用の複合組成物を用いた物性値
(硬化深度、表面硬度、圧縮強度、引張強度、歯
ブラシ摩耗深さ及び色素による変色)の測定は以
下に示す方法に準じて行なつた。 (1) 無機酸化物の粒子径及び粒子径分布の標準偏
差値: 粉体の走査型電子顕微鏡写真を撮り、その写真
の単位視野内に観察される粒子の数n、および粒
子径(直径Xi:但し、形状が球形でない場合に
は水平方向フエレ径をXiとする)を求め、次式
により算出される。 標準偏差値=X+бn−1/X 但し
【式】(数平均径) (2) 無機酸化物の屈折率: 試料の無機酸化物の屈折率と同じ屈折率の溶媒
を調製し、その溶媒の屈折率を試料の屈折率とし
た。溶媒の調製方法としては、試料を溶媒に懸濁
させ、肉眼観察により透明に見えるような溶媒の
組成を一定温度下で調製した。使用した溶媒はペ
ンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、
スチレン、アニリン及びヨウ化メチレン等であり
溶媒の屈折率はアツベの屈折計で測定した。 (3) 重合可能なビニルモノマー及び該ビニルモノ
マーを重合して得られるポリマーの屈折率: ビニルモノマーおよびポリマーの屈折率は直接
アツベの屈折計を用いて測定した。なお、測定は
一定温度下で行なつた。 (4) 硬化深度: ペーストを直径4mmの孔を有するステンレス製
割型に填入しポリプロピレン製フイルムで圧接し
た。次に圧接面に可視光線照射器オプテイラツク
ス(商品名、米国デメトロン社製)の石英ロツド
先端を固定し30秒間光照射を行なつた。照射後、
試料を割型から取り外しメタノールに浸漬し未重
合部分を除去した。次いで、円柱状の重合硬化体
の長さをマイクロメーターで読み取り硬化深度と
した。 但し、紫外線重合開始触媒を用いた比較例に於
ては、オプテイラツクスの代りに紫外線照射器ヌ
ーバライト(商品名、米国L.D.コーク社製)を使
用した。以下の測定方法の説明に於いても同様で
ある。 (5) 表面硬度: ペーストを直径6mm、深さ3mmの孔を有するス
テンレス製割型に填入しポリプロピレン製フイル
ムで圧接した。次に圧接面に可視光線照射器オプ
テイラツクス(商品名、米国デメトロン社製)の
石英ロツド先端を固定し60秒間光照射を行なつ
た。照射後、重合硬化体を割型から取り外し37℃
の蒸留水中に24時間浸漬保存した。保存後、森試
験機製ミクロブリネル硬さ試験機を用いて照射面
の表面硬度を測定した。 (6) 圧縮強度: ペーストを直径4mm、深さ3mmの孔を有するス
テンレス製割型に填入し、ポリプロピレン製フイ
ルムで圧接した。次に圧接面にオプテイラツクス
の石英ロツド先端を固定し30秒間光照射を行なつ
た。照射後、重合硬化体を割型から取り外し、更
に硬化体の底面に30秒間光照射した、次いで、硬
化体を37℃の蒸留水中に24時間浸漬保存した後、
東洋ボールドウイン製テンシロン、UTM−5Tを
用いて圧縮強度を測定した。なおクロスヘツドス
ピードは10mm/minとした。 (7) 引張強度: ペーストを直径6mm、深さ3mmの孔を有するス
テンレス製割型に填入しポリプロピレン製フイル
ムで圧接した他は、(6)の圧縮強度と同様に測定を
行なつた。 (8) 歯ブラシ摩耗深さ: ペーストを縦10mm、横10mm、深さ1.5mmの孔を
有するテフロン製モールドに填入し、ポリプロピ
レン製フイルムで圧接した。次に圧接面に可視光
線照射器オプテイラツクスの石英ロツド先端を固
定し60秒間光照射を行なつた。照射後、重合硬化
体をモールドから取り外し、37℃の蒸留水中に7
日間浸漬保存した。重合硬化体を荷重400gで歯
ブラシで1500m摩耗した。摩耗深さは摩耗重量を
重合硬化体の密度で除して求めた。 (9) 色素による変色: ペーストを直径6mm、深さ3mmの孔を有するス
テンレス製割型に填入し、ポリプロピレン製フイ
ルムで圧接した。次に圧接面にオプテイラツクス
の石英ロツド先端を固定し、30秒間光照射を行な
つた。 次いで、硬化体を37℃の蒸留水中に24時間浸漬
保存した後、インスタントコーヒー粉末(ネスカ
フエ、ネツスル日本製)を8%含むコーヒー水溶
液に硬化体を浸漬し、24時間後の色調変化量を測
定する。色調変化量は、コーヒー水溶液に浸漬す
る前の色調とコーヒー水溶液に24時間浸漬した後
の色調との差ΔEで表わされる。ここでΔEはハン
ター(Hunter)により提案されたΔE(L,a,
b)である。 硬化体の色調の測定には、東京電色社製の測色
色差計TC−1500MC型を用いた。 また、以上の実施例、比較例に於て次の化合物
を次のとおり略記する。 化合物名 略称 2,2−ビス〔4−(3−メタクリロキシ)−2
−ヒドロキシプロポキシフエニル〕プロパン
Bis−GMA 2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキ
シフエニル)プロパン D−2,6E トリエチレングリコールジメタクリレート
TEGDMA ネオペンチルグリコールジメタクリレート
NPGDMA テトラメチロールメタントリアクリレート
A−TMN−3L テトラメチロールメタンテトラアクリレート
A−TMMT カンフアーキノン CQ N,N−ジメチル−p−トルイジン DMPT p−ジメチルアミノベンゾイツクアシツドエチ
ルエステル DMBE ベンゾイルパーオキサイド BPO 5−ブチルバルビツール酸 5−BBA プチレイテイツドヒドロキシトルエン BHT 製造例 1 0.04%塩酸5.0gとテトラエチルシリケート(Si
(OC2H54、日本コルコート化学社製、製品名:
エチルシリケート28)176.6gをメタノール0.44
に溶かし、この溶液を30℃で約1時間攪拌しな
がら加水分解した。その後、これにテトラブチル
チタネート(Ti(o−nC4H94、日本曹達製)
37.7gをイソブチルアルコール0.24に溶かした
溶液を攪拌しながら添加し、テトラエチルシリケ
ートの加水分解物とテトラブチルチタネートとの
混合溶液を調製した。次に攪拌機付きの内容積3
のガラス製反応容器にメタノール0.39及びイ
ソブチルアルコール0.78を導入し、これに0.25
のアンモニア水溶液(濃度25wt%)を加えて
アンモニア性アルコール溶液を調製し、これにシ
リカの種子を作るための有機珪素化合物溶液とし
てテトラエチルシリケート0.8gをメタノール
18mに溶かした溶液を添加し、添加終了10分後
反応液がわずかに乳白色を帯びたところで、さら
に続けて、上記混合溶液を約5時間かけて添加し
反応生成物を析出させた。なお反応中は反応容器
の温度を30℃に保つた。反応終了後更に30分間攪
拌を続けた後、乳白色の反応液からエバポレータ
ーで溶媒を除去し、さらに80℃で減圧乾燥するこ
とにより乳白色の粉体を得た。 次に、この乳白色の粉体を900℃、1時間焼成
した後、メノウ乳鉢で分散し、シリカとチタニア
を構成成分とする無機酸化物を得た。この無機酸
化物は走査型電子顕微鏡の観察から、粒子径は
0.20〜0.38μmの範囲にあり、平均粒子径は
0.29μmで且つ形状は真球でさらに、粒子径分布
の標準偏差値は1.07で屈折率は1.529であつた。
得られた無機酸化物は更にγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで表面処理した。 製造例 2〜6 製造例−1に於て、テトラブチルチタネートの
量を変えた以外は製造例−1と全く同様な方法で
無機酸化物を製造した。得られた無機酸化物はさ
らにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランで表面処理した。テトラブチルチタネートの
量及び得られた無機酸化物の諸性質を表1に示し
た。
【表】 製造例 7 製造例−1に於て、アンモニア性アルコール溶
液をメタノール1.17及びアンモニア水溶液(濃
度25wt%)0.25からなる組成に変えた以外は、
製造例−1と全く同様な方法で無機酸化物を製造
した。この無機酸化物は走査型電子顕微鏡の観察
から、粒子径は0.1〜0.17μmの範囲にあり、平均
粒子径は、0.13μmで且つ形状は真球でさらに粒
子径分布の標準偏差値は1.09で屈折率は1.529で
あつた。得られた無機酸化物は更にγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し
た。 製造例 8 製造例−1に於て、アンモニア性アルコール溶
液をイソブタノール1.17及びアンモニア水溶液
0.25からなる組成に変え、且つ反応容器の温度
を5℃に保つた以外は製造例−1と全く同様な方
法で無機酸化物を製造した。この無機酸化物は走
査型電子顕微鏡の観察から粒子径は0.46〜0.71μm
の範囲にあり、平均粒子径は、0.57μmであり且
つ形状は真球で、さらに粒子径分布の標準偏差値
は1.16で屈折率は1.529であつた。得られた無機
酸化物は更にγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランで表面処理した。 製造例 9 0.04%塩酸2.7gとテトラエチルシリケート(Si
(OC2H54、日本コルコート化学社製、製品名:
エチルシリケート28)120.0gをイソブタノール
0.4に溶かし、この溶液を30℃で約2時間攪拌
しながら加水分解した。その後、これにテトラブ
チルジルコネート(Zr(0−nC4H94、日本槽達
製)36.0gを攪拌しながら添加し、テトラエチル
シリケートの加水分解物とテトラブチルジルコネ
ートとの混合溶液を調製した。次に攪拌機付きの
内容積3のガラス製反応容器にメタノール0.60
及びイソブチルアルコール0.6を導入し、こ
れに0.25のアンモニア水溶液(濃度25wt%)を
加えてアンモニア性アルコール溶液を調製し、こ
れにシリカの種子を作るための有機珪素化合物溶
液としてテトラエチルシリケート0.5gをメタノ
ール10mに溶かした溶液を添加し、添加終了10
分後反応液がわずかに乳白色を帯びたところで、
さらに続けて上記の混合溶液を約5時間かけ添加
し反応生成物を析出させた。なお反応中は、反応
容器の温度を30℃に保つた。反応終了後更に30分
間攪拌を続けた後、乳白色の反応液からエバポレ
ーターで溶媒を除去し、更に80℃で減圧乾燥する
ことにより乳白色の粉体を得た。 次に、この乳白色の粉体を1000℃、1時間焼成
した後、メノウ乳鉢で分散し、シリカとジルコニ
アを構成成分とする無機酸化物を得た。この無機
酸化物は走査型電子顕微鏡の観察から、粒子径は
0.12〜0.30μmの範囲にあり、平均粒子径は、
0.20μmで且つ形状は真球でさらに粒子径分布の
標準偏差値は1.11で屈折率は1.521であつた。得
られた無機酸化物はさらにγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで表面処理した。 製造例 10〜14 製造例−9に於て、テトラブチルジルコネート
の量を変えた以外は、製造例−9と全く同様な方
法で無機酸化物を製造した。得られた無機酸化物
はさらにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランで表面処理した。テトラブチジルコネー
トの量及び得られた無機酸化物の諸性質を表2に
示した。
【表】 製造例 15 テトラエチルシリケート(Si(OC2H54、日本
コルコート化学社製商品名:エチルシリケート
28)208gをメタノール0.2に溶かした溶液をバ
リウムビスイソペントキサイド31.1gをイソアミ
ルアルコール0.7に溶かした溶液に混合した。
この混合後の溶液を約90℃乾燥した窒素下で30分
間還流した後、室温まで冷却し、テトラエチルシ
リケートとバリウムビスイソペントキサイドとの
混合溶液を調製した。次に攪拌機つきの内容積10
のガラス製反応容器にメタノール2.5を満し、
これに500gのアンモニア水溶液(濃度25wt%)
を加えてアンモニア性メタノール溶液を調製し、
この溶液に先に調製したテトラエチルシリケート
とバリウムビスイソペントキサイドとの混合溶液
を反応容器の温度を20℃に保ちながら約2時間か
けて添加した。添加開始後数分間で反応液は乳白
色になつた。添加終了後更に一時間攪拌を続けた
後、乳白色の反応液からエバポレーターで溶媒を
除き、さらに80℃で、減圧乾燥することにより乳
白色の粉体を得た。 次に、この乳白色の粉体を1000℃,4時間焼成
した後、メノウ乳鉢で分散しシリカと酸化バリウ
ムを構成成分とする無機酸化物を得た。この無機
酸化物は走査型電子顕微鏡の観察から、粒子径は
0.25〜0.40μmの範囲にあり、平均粒子径は、
0.28μmで且つ形状は真球状で、更に粒子径分布
の標準偏差値は1.20で屈折率は1.524であつた。
得られた無機酸化物は更にγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで表面処理した。 製造例 16 水1.8gと蒸留したテトラエチルシリケート
(Si(OC2H54、日本コルコート化学社製製品名:
エチルシリケート28)104gをメタノール0.2に
溶かし、この溶液を室温で約2時間攪拌しながら
加水分解した後、これにテトラブチルチタネート
(Ti(o−nC4H94、日本曹達製)17.0gをイソプ
ロパノール1.0に溶かした溶液に攪拌しながら
添加し、テトラエチルシリケートの加水分解物と
テトラブチルチタネートとの混合溶液Aを調製し
た。次に、バリウムビスイソペントキサイド7.8
gとテトラエチルシリケート104gをメタノール
1.0に溶かし、その溶液を90℃、窒素雰囲気下
で30分間還流し、その後室温まで戻し、混合溶液
Bを調製した。さらに混合溶液Aと混合溶液Bと
を室温で混合し、これを混合溶液Cとした。 次に攪拌機つきの内容積10のガラス製反応容
器にメタノール2.5を満し、これに500gのアン
モニア水溶液(濃度25wt%)を加えてアンモニ
ア性メタノール溶液を調製し、この溶液に先に調
製した混合溶液Cを反応容器の温度を20℃に保ち
ながら約4時間かけて添加した。添加開始後数分
間で反応液は乳白色になつた。添加終了後更に1
時間攪拌を続けた後乳白色の反応液からエバポレ
ーターで溶媒を除き、さらに80℃で減圧乾燥する
ことにより乳白色の粉体を得た。 次にこの乳白色の粉体を800℃,2時間焼成し
た後、メノウ乳鉢で分散し、シリカ、チタニアお
よび酸化バリウムを構成成分とする無機酸化物を
得た。この無機酸化物は走査型電子顕微鏡の観察
から、粒子径は0.12〜0.26μmの範囲にあり、平均
粒子径は0.19μmで且つ形状は真球状で、更に粒
子径分布の標準偏差値は1.06で屈折率は1.526で
あつた。得られた無機酸化物は更にγ−メタクリ
ロキシプロピルトリメトキシシランで表面処理し
た。 製造例 17 テトラエチルシリケート(Si(OC2H54、日本
コルコート化学社製製品名:エチルシリケート
28)52gおよびジルコニウムテトラブトキサイド
(Zr(OC4H9415.6gをイソプロピルアルコール
0.2に溶かし、この溶液を100℃、窒素雰囲気下
で30分間還流した。その後室温まで戻し、これを
混合溶液Aとした。次に、テトラエチルシリケー
ト52gおよびストロンチウムビスメトキサイド
6.1gをメタノール0.2に仕込み、この溶液を80
℃、窒素雰囲気下で30分間還流した。その後室温
まで戻し、これを混合溶液Bとした。混合溶液A
と混合溶液Bとを室温で混合し、これを混合溶液
Cとした。 次に、攪拌機つきの内容積10のガラス製反応
容器にメタノール2.4を満し、これに500gのア
ンモニア水(濃度25重量%)を加えてアンモニア
性アルコール溶液を調製し、この溶液に先に調製
した混合溶液Cを、反応容器を20℃に保ちなが
ら、約4時間かけて添加し、反応生成物を析出さ
せた。その後さらに続けて、テトラエチルシリケ
ート20gを含むメタノール0.5からなる溶液を
該反応生成物が析出した系に約2時間かけて添加
した。添加終了後更に1時間攪拌を続けた後、乳
白色の反応液からエバポレーターで溶媒を除きさ
らに、減圧乾燥することにより乳白色の粉体を得
た。 さらに、この乳白色の粉体を900℃,3時間焼
成した後、擂潰機でほぐし、シリカとジルコニア
と酸化ストロンチウムとを主な構成成分とする無
機酸化物を得た。 この無機酸化物は走査型電子顕微鏡の観察か
ら、粒子径は0.10〜0.25μmの範囲にあり、平均粒
子径は0.17μmであり、形状は球形で、さらに粒
子径分布の標準偏差値は1.25で、屈折率は1.532
であつた。得られた無機酸化物はγ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシランで表面処理し
た。 製造例 18 0.1%塩酸4.0gとテトラエチルシリケート(Si
(OC2H54、日本コルコート化学社製製品名:エ
チルシリケート28)158gとをメタノール1.2に
溶かし、この溶液を室温で約1時間攪拌しながら
加水分解した。その後、これをテトラブチルチタ
ネート40.9gをイソプロパノール0.5に溶かし
た溶液に攪拌しながら添加し、テトラエチルシリ
ケートの加水分解物とテトラブチルチタネートと
の混合溶液Aを調製した。一方、ナトリウムメチ
ラート1.5gをメタノール0.5に溶かした溶液を
混合溶液Aと混合しこれを混合溶液Bとした。 次に、攪拌機付きの内容積10のガラス製反応
容器にイソプロパノール2.5を導入し、これに
500gのアンモニア水溶液(濃度25重量t%)を
加えてアンモニア性アルコール溶液を調製した。
これにテトラエチルシリケート5.0gをメタノー
ル100mに溶かした溶液を約10分間かけて添加
し、添加終了後ただちに先に調製した混合溶液B
を反応容器の温度を20℃に保ちながら約6時間か
けて添加し反応生成物を析出させた。その後さら
に続けてテトラエチルシリケート58gおよびナト
リウムメチラート0.8gをメタノール0.5に溶か
した溶液を該反応生成物が析出した系に約3時間
かけて添加した。添加終了後更に1時間攪拌を続
けた後乳白色の反応液からエバポレーターで溶媒
を除き、さらに100℃、減圧乾燥することにより
乳白色の粉体を得た。 さらに、この乳白色の粉体を1000℃,1時間焼
成した後、擂潰機でほぐしシリカ、チタニアおよ
び酸化ナトリウムを主な構成成分とする無機酸化
物を得た。この無機酸化物は走査型電子顕微鏡の
観察から、粒子径は0.20〜0.40μmの範囲にあり、
平均粒径は0.28μmであり、形状は、球形で、さ
らに粒子径分布の標準偏差値は1.25で屈折率は
1.514であつた。得られた無機酸化物はγ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシランで表面処
理した。 製造例 19 水1.8gと蒸留したテトラエチルシリケート
(Si(OC2H54、日本コルコート化学社製製品名:
エチルシリケート28)104gをメタノール0.2に
溶かし、この溶液を室温で約2時間攪拌しながら
加水分解した後、これにテトラブチルチタネート
(Ti(o−nC4H94日本曹達製)17.0gをイソプロ
パノール1.0に溶かした溶液に攪拌しながら添
加し、テトラエチルシリケートの加水分解物とテ
トラブチルチタネートとの混合溶液Aを調製し
た。次にアルミニウムトリーsec−ブトキサイド
15.0gとテトラエチルシリケート104gをメタノ
ール1.0に溶かし、その溶液を90℃、窒素雰囲
気下で30分間還流し、その後室温まで戻し、混合
溶液Bを調製した。さらに混合溶液Aと混合溶液
Bとを室温で混合し、これを混合溶液Cとした。 次に攪拌機つきの内容積10のガラス製反応容
器にメタノール2.5を満し、これに500gのアン
モニア水溶液(濃度25wt%)を加えてアンモニ
ア性メタノール溶液を調製し、この溶液に先に調
製した混合溶液Cを反応容器の温度を20℃に保ち
ながら約4時間かけて添加した。添加開始後数分
間で反応液は乳白色になつた。添加終了後更に1
時間攪拌を続けた後、乳白色の反応液からエバポ
レーターで溶媒を除き、さらに80℃で減圧乾燥す
ることにより乳白色の粉体を得た。 次にこの乳白色の粉体を1000℃で2時間焼成し
た後、メノウ乳鉢で分散したシリカ、チタニアお
よびアルミナを構成成分とする無機酸化物を得
た。この無機酸化物は走査型電子顕微鏡の観察か
ら粒子径は0.14〜0.25μmの範囲にあり、平均粒径
は0.20μmで且つ形状は球形で更に粒子径分布の
標準偏差値は1.15で屈折率は1.512であつた。得
られた無機酸化物は更にγ−メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシランで表面処理した。 製造例 20 テトラエチルシリケート(Si(OC2H54、日本
コルコート化学社製製品名:エチルシリケート
28)1280gおよび0.1%塩酸15gを溶解したイソ
ブタノール1を室温で1時間攪拌した。その後
に、テトラブチルチタネート(Ti(o−nC4H94
日本曹達製)273gとイソブタノール0.3の混合
溶液を添加し、十分に攪拌混合した。次にこの混
合溶液を30℃で1週間放置し、透明なゲル状固体
を得た。このようにして得られた固体をボールミ
ルで粉砕し、900℃,1時間焼成した後更に振動
ボールミルで粉砕した。粉砕した粉体を分級する
ことによりシリカとチタニアを構成成分とする無
機酸化物を得た。 この無機酸化物は走査型電子顕微鏡の観察から
粒子径は0.16〜0.73μmの範囲にあり、平均粒径は
0.47μmで、更に粒子径分布の標準偏差値は1.29で
屈折率は1.528であつた。得られた無機酸化物は、
更にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランで表面処理した。 製造例 21 製造例−20に於て、テトラブチルチタネートの
かわりにテトラブチルジルコネート(Ti(o−
nC4H94日本槽達製)325gを用いた以外は製造
例20と全く同様な方法でシリカとジルコニアを構
成成分とする無機酸化物を得た。この無機酸化物
は走査型電子顕微鏡の観察から粒子径は0.27〜
0.65μmの範囲にあり、平均粒子径は0.46μmで、
更に粒子径分布の標準偏差値は1.44で屈折率は
1.540であつた。得られた無機酸化物は更にγ−
メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで表
面処理した。 製造例 22及び23 製造例1に於て、テトラブチルチタネートの量
を変えた以外は製造例−1と全く同様な方法で無
機酸化物を製造した。得られた無機酸化物はさら
にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ンで表面処理した。テトラブチルチタネートの量
及び得られた無機酸化物の諸性質を表Aに示す。
【表】 実施例1〜8、比較例1〜6 Bis−GMA60重量部およびTEGDMA40重量部
を攪拌混合し、均一なビニルモノマー液とした。
このモノマー液の屈折率は1.516であり、またこ
れを重合して得られるポリマーの屈折率は1.546
であつた。容器の周囲をアルミ箔でおおい遮光
し、続いてCQ0.4重量部およびDMBE0.47重量部
をビニルモノマー液に添加し攪拌溶解させた。次
にこのビニルモノマー混合液30重量部と表3に示
したフイラー70重量部をメノウ乳鉢で十分に練和
し、ペーストを調製した。ペースト調製後減圧下
で脱泡し、気泡をペースト中から除去した。こう
して得たペーストを用いて硬化深度、表面硬度、
圧縮強度、引張強度、歯ブラシ摩耗深さ、及び色
素による変色を測定し、その結果を表3に併記し
た。なお、ペーストの調製及び脱泡は赤色光のも
とで行なつた。 また、比較として比較例−1,2では、フイラ
ーの屈折率がモノマーより0.005大きい屈折率と
これを重合して得られるポリマーより0.005小さ
い屈折率の範囲外にある場合の測定結果を、また
比較例−3〜8ではCQ及びDMBEからなる光重
合開始触媒の代りに紫外線重合開始触媒であるベ
ンゾインプロピルエーテル1.0重量部を用いた場
合の測定結果を表3に併記した。
【表】
【表】 実施例7〜9、比較例9〜10 Bis−GMA42重量部、TEGDMA28重量部及び
A−TMM−3L30重量部を攪拌混合し、均一なビ
ニルモノマー液とした。このモノマー液の屈折率
は1.506であり、またこれを重合して得られるポ
リマーの屈折率は1.539であつた。容器の周囲を
アルミ箔でおおい遮光し、続いてCQ0.4重量部お
よびDMBE0.47重量部をビニルモノマー液に添加
し、攪拌溶解させた。次にこのビニルモノマー混
合液30重量部と表4に示したフイラー70重量部を
メノウ乳鉢で十分に練和しペーストを調製した。
ペースト調製後、減圧下で脱泡し気泡をペースト
中から除去した。こうして得たペーストを用いて
硬化深度、表面硬度、圧縮強度、引張強度、歯ブ
ラシ摩耗深さ、及び色素による変色を測定しその
結果を表4に併記した。なおペーストの調製及び
脱泡は赤色光のもとで行なつた。 また比較として、フイラーの屈折率がモノマー
より0.005大きい屈折率と、これを重合して得ら
れるポリマーより0.005小さい屈折率の範囲外に
ある場合の測定結果を表4に併記した。
【表】 実施例13〜17、比較例11〜13 Bis−GMA60重量部およびTEGDMA40重量部
を攪拌混合し、均一なビニルモノマー液とした。
このモノマー液の屈折率は1.516であり、またこ
れを重合して得られるポリマーの屈折率は1.546
であつた。続いてCQ0.4重量部、DMPT0.4重量
部及びリンゴ酸0.4重量部をビニルモノマー液に
添加し攪拌溶解させた。次にこのビニルモノマー
混合液30重量部と表5に示したフイラー70重量部
をメノウ乳鉢で十分に練和し、ペーストを調製し
た。ペースト調製後、減圧下で脱泡し気泡をペー
スト中から除去した。こうして得たペーストを用
いて硬化深度、表面硬度、圧縮強度、引張強度、
歯ブラシ摩耗深さ及び色素による変色を測定し、
その結果を表5に併記した。 また比較として、比較例−11,12および13では
夫々、α−石英(不定形、平均粒子径28.2μm、
屈折率1.544,1.553)、球状シリカ(単分散真球
状、平均粒子径0.30μm、屈折率1.456)および熱
分解微小シリカ(凝集体、平均粒子径0.002μm、
屈折率1.452)をフイラーとして用いた場合の測
定結果を表5に併記した。但し、熱分解微小シリ
カをフイラーとして用いた場合、フイラーの充填
率を高くできない為に、上記ビニルモノマー混合
液とフイラーの混合割合を夫々65重量部、35重量
部とした。
【表】 実施例18〜24、比較例16及び17 製造例22と23の無機酸化物を用いて、実施例1
と同様な方法でペーストを作製した。次いで硬化
深度を測定した。その結果を表Bに示した。
【表】 表6に示したフイラー及びビニルモノマーを用
い、実施例1〜6同様な方法によつて硬化深度、
ブリネル表面硬度、圧縮強度、引張強度、歯ブラ
シ摩耗深さおよび色素による変色を測定し、その
結果を表6に併記した。なお、光重合開始触媒に
は、CQ0.4重量部およびDMBE0.47重量部を用
い、光重合開始触媒を溶解したビニルモノマー混
合液とフイラーの混合割合は、夫々30重量部及び
70重量部とした。
【表】
【表】 実施例 25〜29 Bis−GMA42重量部、TEGDMA28重量部及び
A−TMM−3L30重量部を攪拌混合し、均一なビ
ニルモノマー液とした。このモノマー液の屈折率
は1.506であり、またこれを重合して得られるポ
リマーの屈折率は1.539であつた。容器の周囲を
アルミ箔でおおい遮光し、続いて表7に示した光
重合開始触媒をビニルモノマー液に添加し、攪拌
溶解させた。次にこのビニルモノマー混合液30重
量部と製造例−9で合成した無機酸化物70重量部
をメノウ乳鉢で十分に練和し、ペーストを調製し
た。ペースト調製後、減圧下で脱泡し気泡をペー
スト中から除去した。こうして得たペーストを用
いて硬化深度、表面硬度、圧縮強度、引張強度、
歯ブラシ摩耗深さ及び色素による変色を測定し、
その結果を表7に併記した。
【表】
【表】 実施例 30 製造例−1で合成した無機酸化物に、Bis−
GMAとTEGDMAのビニルモノマーの混合物
(混合割合はBis−GMA60重量%、TEGDMA40
重量%)、アゾビスイソブチロニトリル(ビニル
モノマー混合物100重量部に対して0.5部)および
エタノール(ビニルモノマー混合物100重量部に
対して15重量部)を配合し充分練和することによ
りペーストを得た。このペーストを真空下に置き
気泡とエタノールを除去した。気泡とエタノール
を除去したペースト中の無機酸化物の充填量は
78.0重量%であつた。その後このペーストを5
Kg/cm2の窒素加圧下、重合温度120℃、重合時間
1時間で重合し、重合体を得た。この重合体を乳
鉢で、径5mm以下の大きさに粉砕後、さらに擂潰
機で1時間粉砕した。粉砕後250メシユふるい通
過の複合充填材を得た。 この複合充填材を用い、以下の処方によりペー
ストを調製した。 Bis−GMA 60重量部 TEGDMA 40〃 製造例1で合成した無機酸化物 160〃 複合充填材 240〃 CQ 0.5〃 DMPT 0.5〃 リンゴ酸 0.5〃 BHT 0.02〃 ペースト調製後、減圧下で脱泡し、気泡をペー
スト中から除去した。なお、ペーストの調製およ
び脱泡は赤色光のもとで行なつた。こうして得ら
れたペーストを用いて測定した物性値は、夫々、
硬化深度8.5mm、ブリネル表面硬度62.8、圧縮強
度4070Kg/cm2、引張強度551Kg/cm2、歯ブラシ摩
耗深さ1.7μm、色調変化量2.2であつた。 実施例 31 まず以下の処方により流動性のあるペーストを
調製した。 Bis−GMA 37.8重量部 TEGDMA 25.2〃 A−TMM−3L 27〃 10−メタクリロキシデカメチレンマロン酸10〃 製造例9で合成した無機酸化物 100〃 CQ 0.6〃 DMPT 0.6〃 リンゴ酸 0.6〃 BHT 0.02〃 なお、上記ビニルモノマーの屈折率は1.500で
あり、またこれを重合して得られるポリマーの屈
折率は1.533であつた。 ペースト調製後、減圧下で脱泡し、気泡をペー
スト中から除去した。なお、ペーストの調製およ
び脱泡は赤色光のもとで行なつた。こうして調製
したペーストを用いて色素侵入試験を以下の方法
により行なつた。 まず人抜去白歯を十分洗浄し、咬合面にエアー
を吹きつけて乾燥させた。次いで、咬合面の小窩
裂溝部を37%オルトリン酸水溶液で1分間処理
し、30秒間水洗した後エアーを吹きつけて表面を
乾燥させた。次に、前記ペーストを小窩裂溝部に
充填し、ペースト表面上10mmの位置に可視光線照
射器オプテイラツクス(商品名:米国デメトロン
社製)の石英ロツド先端を固定し、30秒間光照射
を行なつた。照射後37℃の水中に一昼夜浸漬し、
4℃と60℃の0.1wt%フクシン水溶液中に1分交
互に60回づつ浸漬する、パーコレーシヨンテスト
を行なつた。次いで充填歯を咬合面に直角に研磨
しながら、歯面と充填物の間に色素(フクシン)
の侵入があるかどうかを調べた結果、侵入は全く
認められなかつた。また、ペーストは、小窩裂溝
の先端部までくまなく到達しているのが観察され
た。 実施例 32 まず、以下の処方によりペーストA,Bおよび
Cを調製した。
【表】 〓

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) 重合可能なビニルモノマー (b) 粒子径が0.1〜1.0μmの球形状の粒子を80容量
    %以上含み、且つ、屈折率が上記(a)の重合可能
    なビニルモノマーの屈折率より0.005高い値と
    該重合可能なビニルモノマーを重合して得られ
    るビニルポリマーの屈折率より0.005低い値と
    の間に存在する無機酸化物 及び (c) 390〜700nmの可視光によつて重合を開始し
    得る光重合開始触媒 からなる光重合用の複合組成物。
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