JPH0692444B2 - 硬化性組成物 - Google Patents

硬化性組成物

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JPH0692444B2
JPH0692444B2 JP1212973A JP21297389A JPH0692444B2 JP H0692444 B2 JPH0692444 B2 JP H0692444B2 JP 1212973 A JP1212973 A JP 1212973A JP 21297389 A JP21297389 A JP 21297389A JP H0692444 B2 JPH0692444 B2 JP H0692444B2
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茂樹 湯浅
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Tokuyama Corp
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、新規な硬化性組成物に関する。詳しくは、無
機粉体とビニルモノマーとを成分とする、高い流動性を
有し、且つ得られる硬化体が高い強度を発揮し得る硬化
性組成物である。
(従来技術) 歯質のう蝕防止のために、咬合面の小窩裂溝にペースト
状のシーラントを充填し封鎖することが行われている。
この小窩裂溝を封鎖するために、上記シーラントは低粘
度で、流動性の高いものが要求されている。従来、かか
るシーラントとしては、ビニルモノマーに重合触媒を配
合したものあるいはこれにさらに無機粉体を少量添加し
たものが使用されている(特開昭53−93691)。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、従来のシーラントの硬化体は、無機粉体
を全く含まないか、ほとんど少量しか含まないので、力
学的強度が低く、口腔内の苛酷な環境下で壊れ易いとい
う欠点があった。そこで、無機粉体の配合割合を高くす
ることにより力学的強度を向上させることが考えられ
る。
ところが、無機粉体の配合割合を上げると硬化性組成物
の粘度が上昇し、この硬化性組成物は歯質の小窩裂溝の
ような非常に小さな隙間に浸入させることが出来ず、シ
ーラントとして使用することが困難となる。また、無機
粉体の添加による粘度の上昇を抑えるため粒径の大きい
無機粉体を使用した場合には、無機粉体が沈降して保存
中にビニルモノマーと分離しやすくなるという問題点が
生じる。
従って、高い流動性を必要とするシーラントとして用い
るためには、超微粒子の無機粉体の配合割合を少なくし
て使用せざるを得ず、その結果、得られる硬化体の力学
的強度の低下を免れることが出来なかった。
(問題を解決するための手段) 本発明者等は、ビニルモノマーに対する無機粒子の配合
割合を高くしても、流動性の良好な硬化性組成物を開発
すべく鋭意研究した結果、上記無機粉体として、特定の
粒子径及び粒度分布を有する無機粉体を用いることによ
り、流動性を高く維持したまま、無機粉体を高充填し得
ることを見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、
本発明は、a)温度23℃における粘度が100センチポイ
ズ以下の重合可能なビニルモノマー100重量部 b)粒径が0.06〜1μmの範囲で、且つ0.06〜0.1μm
の粒子を5〜35重量%の割合で含有する無機粉体70〜23
0重量部 及び c)重合開始剤 よりなる硬化性組成物である。
本発明においては、ビニルモノマーとして、温度23℃に
おける粘度が100センチポイズ以下、好ましくは60セン
チポイズ以下のビニルモノマーを用いることが、後記す
る特定の無機粉体との組合せにおいて、高い流動性を維
持した組成物を得るために重要である。かかるビニルモ
ノマーは、上記特性を有するものであれば、特に限定さ
れず、公知のものを制限なく使用することができる。
代表的なビニルモノマーを例示すれば、メチル(メタ)
アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロ
ピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキ
シル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)
アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、2−
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキ
シルプロピル(メタ)アクリレート、グリシジル(メ
タ)アクリレート、メトキシジエチレングリコール(メ
タ)アクリレート、等の単官能ビニルモノマー、エチレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンシオールジ
(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、1,10−デカンジオールジ(メタ)ア
クリレート、ビスフェノールAジ(メタ)アクリレー
ト、2,2−ビス〔(メタ)アクリロイルオキシポリエト
キシフェニル〕プロパン、ビスフェノールAジグリシジ
ル(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ
(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ
(メタ)アクリレート等の多官能ビニルモノマーが挙げ
られる。
これらのビニルモノマーは、23℃における粘度が100セ
ンチポイズ以下になるように単独あるいは組合わせで用
いられる。好ましいビニルモノマーの組合せとしては、
ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(以下Bi
s−GMAと略す)とトリエチレングリコールジメタクリレ
ート(以下TEGDMAと略す)の組合せが挙げられ、この場
合、Bis−GMA40〜20重量%、TEGDMA60〜80重量%割合の
ビニルモノマー組成が好適に用いられる。
23℃における粘度が100センチポイズより高いビニルモ
ノマーの使用では、無機粉体を配合して得られる硬化性
組成物の粘度が高くなり、本発明の目的を達成すること
ができない。
本発明において、粒径が0.06〜1μmの範囲で、且つ0.
06〜0.1μmの粒子を5〜35重量%の割合で含有する無
機粉体を上記ビニルモノマー100重量部に対して70〜230
重量部の割合で使用することが重要である。即ち、上記
無機粉体の割合が70重量部より少なくなると、硬化性組
成物を重合して得られる硬化体の力学的強度が低下す
る。また、無機粉体の割合が230重量部より多くなると
硬化性組成物の粘度が上昇して、良好な流動性が得られ
ない。
また、本発明において、無機粉体が0.06μmより小さい
粒子を含有する場合、特に該粒子を0.5重量%以上含有
する場合には、無機粉体を上記割合でビニルモノマーと
配合しようとすると、硬化性組成物の粘度が上昇し、流
動性が低下する。また、無機粉体が1μmより大きい場
合、特に、該粒子を5重量%以上含有する場合には、無
機粒子の沈降が生じ易くなり、得られる硬化性組成物の
保存安定性が著しく低下する。更に、本発明において、
無機粉体は、0.06μmから0.1μmの範囲の粒子を5〜3
5重量%好ましくは15〜35重量%含有することが必要で
ある。即ち、0.06μmから0.1μmの範囲の粒子が5重
量%より少ない場合には、無機粉体の沈降が生じ易くな
り、また、35重量%より多い場合には、硬化性組成物の
粘度が上昇し、本発明の効果を発揮することが困難にな
る。
上記無機粉体の材質は特に制限されないが、歯科用シー
ラントの用途に対しては一般にシリカ、アルミナ、チタ
ニア、ジルコニアなどの金属酸化物、シリカと結合可能
な周期律表第1族、第II族、第III族及び第IV族からな
る群より選ばれた少なくとも1種の金属酸化物及びシリ
カを主な構成成分とする複合酸化物が挙げられる。ここ
で、第I族、第II族、第III族、第IV族の金属酸化物と
しては酸化リチウム、酸化ナトリウム、酸化カリウム、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウ
ム、酸化バリウム、酸化アルミニウム、酸化チタニウ
ム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化錫、酸化
鉛等が例示される。
また、無機粉体の粒子形状は球形が、得られる硬化性組
成物の流動性をより向上させることができ好適である。
本発明で用いる無機粉体は表面安定性を保持するため表
面のシラノール基を減ずるのが好ましい。かかる処理と
して、無機粉体を乾燥後更に500〜1000℃の温度で焼成
する手段が好適に採用される。また一般に前記焼成した
無機粉体は、安定性を保持するため有機珪素化合物を用
いて表面処理を行った後、使用することが最も好適であ
る。上記表面処理の方法は特に限定されず公知の方法、
例えば、無機粉体とγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等の公知の有
機珪素化合物とを、アルコール/水の混合溶媒中で一定
時間接触せさた後、該溶媒を除去する方法が採用され
る。
本発明の硬化性組成物は重合開始剤を含有する。上記の
重合開始剤は特に限定されず、公知のものが制限なく使
用される。例えば、光重合開始触媒、有機過酸化物と第
3級アミンからなるレドックス系触媒、加熱重合開始触
媒等が用いられる。特に光重合触媒は、空気の混入が少
ない状態で硬化性組成物を重合させることができる点で
前記シーラントとして該組成物を使用する場合に最も好
適に使用される。
上記の光重合触媒は公知のものは特に制限なく使用でき
るが、特に、本発明の硬化性組成物を口腔内で使用する
場合には390〜700nm、好ましくは400〜600nmの可視光線
照射によって励起され重合を開始し得るものが好適に使
用される。一般に光重合開始触媒としては光増感剤を光
重合促進剤と組み合わせて使用するのが好ましい。光増
感剤として好適に用いられるものを例示すれば、ベンジ
ル、カンファーキノン、α−ナフチル、アセトナフテ
ン、P,P′−ジメトキシベンジル、P,P′−ジクロロベン
ジルアセチル、ペンタンジオン、1,2−フェナントレン
キノン、1,4−フェナントレンキノン、3,4−フェナント
レンキノ、9,10−フェナントレンキノン、ナフトキノン
等のα−ジケトン類である。本発明における上記α−ジ
ケトンは公知のα−ジケトンのうち少なくとも一種を選
んで用いることができ、さらに二種類以上混合して用い
ることもできる。また、カンファーキノンは最も好まし
く用いることができる。
また光重合促進剤としては、N,N−ジメチルアニリン、
N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジ−n−ブチルアニリ
ン、N,N−ジベンジルアニリン、N,N−ジメチル−p−ト
ルイジン、N,N−ジエチル−p−トルイジン、N,N−ジメ
チル−m−トルイジン、p−ブロモ−N,N−ジメチルア
ニリン、m−クロロ−N,N−ジメチルアニリン、p−ジ
メチルアミノベンズアルデヒド、p−ジメチルアミノア
セトフェノン、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッ
ド、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドエチルエ
ステル、p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドアミ
ノエステル、N,N−ジメチルアンスラニリックアシッド
メチルエステル、N,N−ジヒドロキシエチルアニリン、
N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン、p−ジメ
チルアミノフェネチルアルコール、p−ジメチルアミノ
スチルベン、N,N−ジメチル−3,5−キシリジン、4−ジ
メチルアミノピリジン、N,N−ジメチル−α−ナフチル
アミン、N,N−ジメチル−β−ナフチルアミン、トリブ
チルアミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、
N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノー
ルアミン、N,N−ジメチルヘキシルアミン、N,N−ジメチ
ルドデシルアミン、N,N−ジメチルステアリルアミン、
N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、N,N−ジエ
チルアミノエチルメタクリレート、2,2′−(n−ブチ
ルイミノ)ジエタノール等の第3級アミン類;5−ブチル
バルビツール酸、1−ベンジル−5−フェニルバルビツ
ール酸等のバルビツール酸類;ベンイルパーオキシド、
ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾ
エート等の有機過酸化物等が好適に使用出来る。これら
の光重合促進剤のうち少なくとも一種を選んで用いるこ
とができ、さらに二種類以上を混合して用いることもで
きる。
また第3級アミン類を促進剤として用いる場合には、特
に芳香族基に直接窒素原子が置換した第3級アミン類が
より好適に用いられる。更に光重合促進能の向上のため
に、第3級アミンに加えてクエン酸、リング酸、酒石
酸、グリコール酸、グルコン酸、α−オキシイソ酪酸、
2−ヒドロキシプロパン酸、3−ヒドロキシプロパン
酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン
酸、ジメチロールプロピオン酸等のオキシカルボン酸類
の添加が効果的である。
また、前記したレドックス系触媒としては、上記した有
機過酸化物と第3級アミンの系が好適に使用される。こ
のうち、最も好ましい組み合せは、ベンゾイルパーオキ
サイドとN,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジンあ
るいはベンゾイルパーオキサイドとN,N−ジメチル−p
−トルイジンである。
本発明において、2−ヒドロキシ−4−メチルベンゾフ
ェノンのような紫外線吸収剤、ハイドロキノン、ハイド
ロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジターシャリブチ
ル−4−メチルフェノール等の重合禁止剤、顔料等の成
分を本発明の硬化性組成物に任意に添加できる。
本発明の硬化性組成物の硬化方法は特に制限されない。
例えば、400〜600nmの光によって励起される光重合触媒
を用いる場合、前記の波長範囲の光として、例えばハロ
ゲンランプ、キセノンランプ、レーザー、螢光灯、太陽
等の光を使用して硬化させればよい。また、前記の光を
照射し、ビニルモノマーを重合する場合の温度、照射時
間は照射光の強さにより異なるが、一般に所望の重合時
間にあわせ適宜決定すればよい。好適には、0℃〜60℃
程度の比較的低温で、10秒〜数分程度の比較的短時間の
照射を行なえば十分である。
〔効果〕
以上の説明より理解されるように、本発明の硬化性組成
物は、無機粉体を高充填しながら、高い流動性を有する
ものである。因に、本発明の硬化性組成物は、高い機械
的強度及び表面硬度を達成し得る無機粉体の充填量にお
いて、100〜1000センチポイズという低粘度で、高い流
動特性を維持することができる。しかも、無機粉体の沈
降もなく、保存安定性にも優れたものである。
従って、前記した歯科用の小こう裂溝封鎖用のシーラン
トに、好適に応用できるほか、その他の用途のシーラン
ト、注型材料等の分野にも使用することができる。
(実施例) 以下、実施例によりさらに詳しく本発明の内容を説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。なお、以下の製造例、実施例および比較例に示した
無機粉体の諸特性(粒径、粒径分布の標準偏差値、の測
定および力学的強度(表面硬度、圧縮強度、引張強度)
の測定は以下に示す方法に準じて行なった。
(1)無機粉体の粒径及び粒径分布の標準偏差値:粉体
の走査型電子顕微鏡写真を撮り、その写真の単位視野内
に観察される粒子の数(n)、および粒径(直径Xi;但
し、形状が球径でない場合には水平方向フェレ径をXiと
する)を求め、次式により算出される。
(2)表面硬度: ペーストを直径6mm、深さ3mmの孔を有するステンレス製
割型に填入しポリプロピレン製フィルムで圧接した。次
に圧接面に可視光線照射器ホワイトライトの石英ロッド
先端を固定し60秒間光照射を行なった。照射後、重合硬
化体を割型から取り外し37℃の蒸留水中に24時間浸漬保
存した。保存後、ビッカース硬さ試験機を用いて照射面
の表面硬度を測定した。
(3)圧縮硬度: ペーストを直径4mm、深さ3mmの孔を有するステンレス製
割型に填し、ポリプロピレン製フィルムで圧接した。次
に圧接面にオプティラックスの石英ロッド先端を固定し
30秒間光照射を行なった。照射後、重合硬化体を割型か
ら取り外し、更に硬化体の底面に30秒間光照射した。次
いで、硬化体を37℃の蒸留水中に24時下浸漬保存した
後、東洋ボールドウィン製テンシロン、UTM−5Tを用い
て降伏点の圧縮強度を測定した。なおクロスヘッドスピ
ードは10mm/minとした。
(4)引張強度: ペーストを直径6mm、深さ3mmの孔を有するステンレス製
割型に填入しポリプロピレン製フィルムで圧接した他
は、(2)の圧縮強度と同様の測定を行なった。
表面粗さは十点平均粗さで表わした。
(5)ペーストの粘度 ペーストを適量取り、石田式ハイシェア−レオメーター
モデルIGK−120を用いて、ペーストの粘度を測定し、ポ
イズで表わした。
(6)ペーストの流動性 2個の牛歯エナメルの面を1500番のエメリーペーパーで
研磨し、平面を作った。この平面を平衡に並べ、その隙
間を0.1mmとし、1gのペーストを隙間の上に置き、30秒
後に光照射器(タカラベルモント社製ホワイトライト)
で10秒間照射した。隙間に浸入して、硬化した部分の深
さをノギスで測定した。流動性はこの深さ(侵入深さ)
の程度で評価した。
(7)沈降性 4gのペーストを直径10mmの試験管に入れ、23℃に静置
し、ペースト中の無機粉体がビニルモノマーと分離し、
沈降するかどうか観察した。3ケ月経過後の無機粉体と
分離したビニルモノマー層の厚みを測定した。沈降性は
この厚みの程度で評価した。
以下の実施例、比較例に於いて次の化合物を次のとおり
略記する。
化合物名 略称 2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニ
ル)プロパン D−2,6E ネオペンチルグリコールジメタクリレート NPGDMA テトラメチロールメタントリアクリレート A-TMM-3L テトラメチロールメタンテトラアクリレート A-TMMT カンファ−キノン CQ N,N−ジメシツ−p−トルイジン DMPT p−ジメチルアミノベンゾイックアシッドエチルエステ
ル DMBE ベンゾイルパーオキサイド BPO 5−ブチルバルビツール酸 5−BBA ブチレイティッドヒドロキシトルエン BHT N,N−ジヒドロキシエチル−p−トルイジン DEPT 製造例−1 0.04%塩酸5.0gとテトラエチルシリケート(Si(OC2H5)
4、日本コルコート化学社製、商品名「エチルシリケー
ト28」)を176.6gをメタノーエウ0.44lに溶かし、この
溶液を30℃で約1時間攪拌しながら加水分解した。その
後、これにテトラブチルチタネート(Ti(o−nC
4H9)4、日本曹達製)21.4gとナトリウムメチラートメタ
ノール溶液(濃度28重量%)をイソプロピルアルコール
0.24lに溶かした溶液を攪拌しながら添加し、テトラエ
チルシリケートの加水分解物とテトラブチルチタネート
との混合溶液を調製した。次に攪拌機付きの内容積3lの
ガラス製反応容器にメタノール1.17lを導入し、これに
0.25lのアンモニア水溶液(濃度25重量%)を加えてア
ンモニア性アルコール溶液を調製し、これにシリカの種
子を作るための有機珪素化合物溶液としてテトラエチル
シリケート0.8gをメタノール18mlに溶かした溶液を添加
し、添加終了後反応液がわずかに乳白色を帯びたとこと
で、さらに続けて、上記混合溶液を約5時間かけて添加
し反応生成物を析出させた。
その後、さらに続けて、テトラエチルシリケート25.2g
を含むメタノール0.09lからなる溶液を該反応生成物が
析出した系に約30分かけて添加した。なお反応中は反応
容器の温度を40℃に保った。反応終了後更に30分間攪拌
を続けた後、乳白色の反応液からエバポレーターで溶媒
を除去し、更に80℃で減圧乾燥することにより乳白色の
粉体を得た。
次に、この乳白色の粉体を850℃、1時間焼成した後、
メノウ乳鉢で分散させ、シリカとチタニアを構成成分と
する無機粉体を得た。この無機粉体は透過型電子顕微鏡
の観察から、粒子径は0.075〜0.090μmの範囲にあり、
平均粒径は0.082μmで且つ形状は真球でさらに、粒径
分布の標準偏差値は1.04であった。得られた無機粉体は
更にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランで
表面処理した。
製造例−2 製造例−1に於て、反応温度および混合溶液中のテトラ
エチルシリケートとテトラブチルチタネートの量を変え
た以外は製造例−1と全く同様な方法で無機粉体を製造
した。得られた無機粉体はさらにγ−メタクリロキシプ
ロピルトリメトキシシランで表面処理した。反応温度、
混合溶液中のテトラエチルシリケートとテトラブチルチ
タネートの量及び得られた無機粉体の諸性質を表1に示
した。
製造例−3 0.04%塩酸2.7gとテトラエチルシリケート(Si(OC2H5)
4、日本コルコート化学社製、商品名:エチルシリケー
ト28)を80.0gをイソブタノール0.4lに溶かし、この溶
液を35℃で約5時間攪拌しながら加水分解した。その
後、これにテトタブチルジルコネート(Zr(o−nC4H9)
4、日本曹達製)35.0gとナトリウムメチラートメタノー
ル溶液(濃度28重量%)を8mlをイソブタノール0.2lに
溶かした溶液を攪拌しながら添加し、テトラエチルシリ
ケートの加水分解物とテトラブチルチタネートとの混合
溶液を調製した。次に攪拌機付きの内容積3lのガラス製
反応容器にメタノール1.0lを導入し、これに0.20lのア
ンモニア水溶液(濃度25重量%)水0.05lを加えてアン
モニア性アルコール溶液を調製し、添加終了10分後反応
液がわずかに乳白色を帯びたところで、さらに続けて、
上記混合溶液を約5時間かけて添加し反応生成物を析出
させた。なお反応中は、反応容器の温度を35℃に保っ
た。その後、さらに続けて、テトラエチルシリケート2
0.0gを含むメタノール0.3lからなる溶液を該反応生成物
が析出した系に約30分かけて添加した。反応終了後更に
30分間攪拌を続けた後、乳白色の反応液からエバポレー
ターで溶媒を除去し、更に80℃で減圧乾燥することによ
り乳白色の粉体を得た。
次に、この乳白色の粉体を850℃、1時間焼成した後、
メノウ乳鉢で分散させ、シリカとジルコニアを構成成分
とする無機粉体を得た。この無機粉体は透過型電子顕微
鏡の観察から、粒子径は0.071〜0.091μmの範囲にあ
り、平均粒径は0.077μmで且つ形状は真球でさらに粒
子径分布の標準偏差値は1.08であった。得られた無機粉
体はさらにγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシ
ランで表面処理した。
製造例−4 水0.56gと蒸留したテトラエチルシリケート(Si(OC
2H5)4、日本コルコート化学社製製品名:エチルシリケ
ート28)を2gをメタノール0.2lに溶かし、この溶液を室
温で約2時間攪拌しながら加水分解した後、これにテト
ラブチルチタネート(Ti(o−nC4H9)4、日本曹達製)
3.4gをイソプロパノール1.0lに溶かした溶液に攪拌しな
がら添加し、テトラエチルシリケートの加水分解物とテ
トラブチルチタネートとの混合溶液(A)を調製した。
次に、バリウムビスイソペントキサイド1.5gとテトラエ
チルシリケート21gをメタノール1.0lに溶かし、その溶
液を90℃、窒素雰囲気下で30分間還流し、その後室温ま
で戻し、混合溶液(B)を調製した。さらに混合溶液
(A)と混合溶液(B)とを室温で混合し、これを混合
溶液(C)とした。
次に攪拌機つきの内容積10lのガラス製反応容器にメタ
ノール2.5lを満し、これに500gのアンモニア水溶液(濃
度25wt%)を加えてアンモニア性メタノール溶液を調製
し、この溶液に先に調製した混合溶液(C)を反応容器
の温度を40℃に保ちながら約4時間かけて添加した。添
加開始後数分間で反応液は乳白色になった。添加終了後
更に1時間攪拌を続けた後乳白色の反応液からエバポレ
ーターで溶媒を除き、さらに80℃で減圧乾燥することに
より乳白色の粉体を得た。
次にこの乳白色の粉体を800℃、2時間焼成した後、メ
ノウ乳鉢で分散し、シリカ、チタニアおよび酸化バリウ
ムを構成成分とする無機粉体を得た。この無機粉体は透
過型電子顕微鏡の観察から、粒径は0.065〜0.080μmの
範囲にあり、平均粒径は0.072μmで且つ形状は真球状
で、更に粒径分布の標準偏差値は1.06であった。得られ
た無機粉体は更にγ−メタクリロキシプロピルトリメト
キシシランで表面処理した。
製造例−5 テトラエチルシリケート(Si(OC2H5)4、日本コルコー
ト化学社製製品名:エチルシリケート28)10.4gおよび
ジルコニウムテトラブチルブトキサイド(Zr(OC
4H9)4)3.1gをイソプロピルアルコール0.2lに溶かし、
この溶液を100℃、窒素雰囲気下で30分間還流した。そ
の後室温まで戻し、これを混合溶液(A)とした。次
に、テトラエチルシリケート10.4gおよびストロンチウ
ムビスメトキサイド1.25gをメタノール0.2lに仕込み、
この溶液を80℃、窒素雰囲気下で30分間還流した。その
後室温まで戻し、これを混合溶液(B)とした。混合溶
液(A)と混合溶液(B)とを室温で混合し、これを混
合溶液(C)とした。
次に、攪拌機つきの内容積10lのガラス製反応容器にメ
タノール2.4lを満し、これに500gのアンモニア水(濃度
25重量%)を加えてアンモニア製アルコール溶液を調製
し、この溶液に先に調製した混合溶液(C)を、反応容
器を40℃に保ちながら、約4時間かけて添加し、反応生
成物を析出させた。その後さらに続けて、テトラエチル
シリケート4gを含むメタノール0.5lからなる溶液を該反
応生成物が析出した系に約2時間かけて添加した。添加
終了後更に1時間攪拌を続けた後、乳白色の反応液から
エバポレータで溶媒を除きさらに、減圧乾燥することに
より乳白色の粉体を得た。
さらに、この乳白色の粉体を900℃、3時間焼成した
後、擂潰機でほぐし、シリカとジルコニアと酸化ストロ
ンチウムとを主な構成成分とする無機粉体を得た。
この無機粉体は透過型電子顕微鏡の観察から、粒径は0.
070〜0.082μmの範囲にあり、平均粒径は0.077μmで
あり、形状は球形で、さらに粒径分布の標準偏差値は1.
20で、あった。得られた無機粉体はγ−メタクリロキシ
プロピルトリメトキシシランで表面処理した。
製造例−6 水0.36gと蒸留したテトラエチルシリケート(Si(OC
2H5)4、日本コルコート化学社製製品名:エチルシリケ
ート28)を21gをメタノール0.2lに溶かし、この溶液を
室温で約2時間攪拌しながら加水分解した後、これにテ
トラブチルチタネート(Ti(o−nC4H9)4、日本曹達
製)3.4gをイソプロパノール1.0lに溶かした溶液に攪拌
しながら添加し、テトラエチルシリケートの加水分解物
とテトラブチルチタネートとの混合溶液(A)を調製し
た。次にアルミニウムトリ−sec−ブトキシサイド3.0g
とテトラエチルシリケート21gをメタノール1.0lに溶か
し、その溶液を90℃、窒素雰囲気下で30分間還流し、そ
の後室温まで戻し、混合溶液(B)を調製した。さらに
混合溶液(A)と混合溶液(B)とを室温で混合し、こ
れを混合溶液(C)とした。
次に攪拌機つきの内容積10lのガラス製反応容器にメタ
ノール2.5lを満し、これに500gのアンモニア水溶液(濃
度25wt%)を加えてアンモニア性メタノール溶液を調製
し、この溶液に先に調製した混合溶液(C)を反応容器
の温度を40℃に保ちながら約4時間かけて添加した。添
加開始後数分間で反応液は乳白色になった。添加終了後
更に1時間攪拌を続けた後、乳白色の反応液からエバポ
レーターで溶媒を除き、さらに80℃で減圧乾燥すること
により乳白色の粉体を得た。
次にこの乳白色の粉体を1000℃で2時間焼成した後、メ
ノウ乳鉢で分散し、シリカ、チタニアおよびアルミナを
構成成分とする無機粉体を得た。この無機粉体は透過型
電子顕微鏡の観察から粒径は0.075〜0.090μmの範囲に
あり、平均粒径は0.081μmで且つ形状は球形で更に粒
径分布の標準偏差値は1.08であった。得られた無機粉体
は更にγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
で表面処理した。
製造例−7 製造例−5において、混合溶液中テトラエチルシリケー
トとバリウムビスイソペントキサイドの量、反応温度、
焼成温度を変化させた以外は製造例−5と全く同様な方
法で無機粉体を製造した。合成条件はテトラエチルシリ
ケート208g、バリウムビスイソペントキサイド31.1g、
反応温度20℃、焼成温度1000℃とした。
その結果、得られた無機粉体は粒径が0.25〜0.40μmの
範囲にあり、平均粒径が0.28μmで且つ形状が真球状
で、更に粒径分布の標準偏差値1.20であった。
この無機粉体は更にγ−メタクリロキシプロピルトリメ
トキシシランで表面処理した。
製造例−8 製造例−4において、水および混合溶液(A)と混合溶
液(B)を用いたテトラエチルシリケート、テトラブチ
ルチタネート、バリウムビスイソペントキサイド、の量
ならびに反応温度、を変化させた以外は製造例−4と全
く同様な方法で無機粉体を製造した。
合成条件は、混合溶液(A)のテトラエチルシリケート
21g、テトラブチルチタネート3.4g、混合溶液(B)の
バリウムビスイソペントキサイド1.5g、テトラエチルシ
リケート21g、反応温度20℃とした。
その結果、得られた無機粉体は粒径が0.12〜0.26μmの
範囲にあり、平均粒径が0.19μmで且つ形状が真球状
で、更に粒径分布の標準偏差値が1.06で屈折率が1.526
であった。
製造例−9 製造例−5において、混合溶液(A)と混合溶液(B)
のテトラエチルシリケート、ジルコニウムテトラブトキ
サイド、ストロンチウムビスメトキシサイドの量、およ
び反応温度を変化させた以外は製造例−5と全く同様な
方法で、無機粉体を製造した。
合成条件は、混合溶液(A)のテトラエチルシリケート
52g、ジルコニウムテトラブトキサイド15.6g、混合溶液
(B)のテトラエチルシリケート52g、ストロンチウム
ビスメトキシサイド6.1g、および反応温度40℃とした。
その結果、得られた無機粉体は粒径が0.10〜0.25μmの
範囲にあり、平均粒径が0.17μmであり、形状が球形
で、更に粒径分布の標準偏差値が1.25であった。
製造例−10 製造例−6において、水および混合溶液(A)と混合溶
液(B)のテトラエチルシリケート、テトラブチルチタ
ネート、アルミニウム−set−ブトキサイドの量を変化
させた以外は製造例−6と全く同様な方法で無機粉体を
製造した。
合成条件は、水0.36g、混合溶液(A)のテトラエチル
シリケート104g、テトラブチルチタネート17.0g、混合
溶液(B)のアルミニウムトリ−sec−ブトキサイド15.
0g、テトラエチルシリケート21gおよび反応温度40℃と
した。
その結果、得られた無機粉体は、粒径が0.14〜0.25μm
の範囲内にあり、平均粒径が0.20μmで且つ形状は球形
で更に粒径分布の標準偏差値が1.15であった。
製造例−11 製造例−1において、イソブタノール1.2lとアンモニア
水溶液(濃度25重量%)からなるアンモニア製アルコー
ルおよび反応容器の温度を30℃とした以外は全て、製造
例−1と同様な方法で無機粉体を得た。
この無機粉体は、粒径が0.12〜0.33μmの範囲にあり、
平均粒径が0.25μmで、粒径分布の標準偏差値が1.12で
あった。
製造例−12 テトラエチルシリケート1280gおよび0.1%塩酸15gを溶
解したイソブタノール1lを室温で混合し、一時間攪拌し
た。
次いで、上記の溶液に、テトラブチルチタネート273gと
イソブタノール0.3lを添加した後、更に水1000mlを添加
し、攪拌混合した。その後、この溶液は、30℃で、1時
間放置したところ、透明なゲル状の固体となった。この
ゲル状固体を150℃で乾燥させ、ボールミルで粉砕し、9
00℃、1時間焼成した後、更に振動ボールミルで粉砕し
た。粉砕した粉体を分級することにより、粒径分布の異
なる二種類のシリカとチタニアを構成成分とする無機粉
体を得た。
この無機粉体は走査型電子顕微鏡の観察から粒径が0.15
〜0.80μmの範囲にあり平均粒径0.51μmにあるもの
(製造例12−1)と粒径が1.2μm〜10.5μmの範囲に
あり平均粒径2.8μmにあるもの(製造例12−2)が得
られた。
実施例1〜6 Bis−GMA30重量部、TEGDMA70重量部を攪拌混合し、均一
なビニルモノマー混合液とした。このビニルモノマー混
合液の粘度は、23℃において45センチポイズであった
(以下、粘度は23℃の値を示す。)。容器の周囲とアル
ミ箔で覆って遮光し、続いてCQ0.5重量部およびDMBE0.6
重量部をビニルモノマー混合液に添加し攪拌溶解させ
た。次にこのビニルモノマー混合液と表2に示した混合
割合の無機粉体をメノウ乳鉢で十分練和し、ペースト状
の硬化性組成物(以下、ペーストと称する)を調製し
た。ペースト調製後減圧下で脱泡し、気泡をペースト中
から除去した。こうして得たペーストを重合させた硬化
体を用いて、表面硬度、圧縮強度、引張強度を測定し、
その結果を表2に併記した。なお、ペーストの調製及び
脱泡は赤色光の下で行なった。実施例1〜6の硬化性組
成物は全て、侵入深さ5mm以上の流動性があり、沈降性
に関しては、モノマーと粉体との分離は見られなかっ
た。硬化体のビッカース表面硬度、圧縮強度、引張強度
はいずれも高い値を示した。
比較例1〜2 実施例1で用いたビニルモノマー混合液と重合触媒に表
2に示した混合割合の無機粉体をメノウ乳鉢で、十分練
和し、ペーストを調製した。
ペーストを減圧下で脱泡した後、重合させて硬化体を作
製し、力学的強度を測定した。その結果を表2に併記し
た。
ビニルモノマー100重量部に対する混合割合が300重量部
と多い場合である比較例1では流動性低かった。
逆に混合割合が43重量部と少ない比較例2では、流動性
は高いが、無機粉体とビニルモノマーとの分離が見られ
た。また、力学的強度が低い値となった。
実施例7〜12 NPGDMA25重量部、A−TMM−3L32.5重量部およびTEGDMA3
2.5重量部からなるビニルモノマー混合液にCQ0.5重量
部、DMPT0.4重量部およびリング酸0.4重量部を添加し、
攪拌溶解させた。ビニルモノマー混合液の粘度は40セン
チポイズであった。
次に表3に示した混合割合の無機粉体を実施例1と同様
な方法でペーストを調製し、さらに硬化体を作製し、力
学的強度を測定した。その結果を表3に併記した。
実施例7〜12の硬化性組成物は全て、流動性が高く粉体
が沈降して、モノマーと分離することはなかった。
硬化体のビッカース表面硬度、圧縮強度、引張強度はい
ずれも高い値を示した。
比較例3〜4 実施例6で用いたビニルモノマー混合液と重合触媒に表
3に示した混合割合の無機粉体をメノウ乳鉢で十分練和
し、ペーストを調製した。
ペーストを減圧下で脱泡した後、重合させて硬化体を作
製し、力学的強度を測定した。その結果を表3に併記し
た。
0.06〜0.1μmの範囲にある無機粉体の割合が少ない比
較例3では、流動性は良好であったが、粉体が沈降しや
すく、モノマーから分離した。
逆に、0.06〜0.1μmの範囲にある無機粉体の割が多い
比較例4では、粉体の沈降は見られないが、流動性がな
かった。
比較例5〜8 無機粉体として超微粒子シリカ(粒径0.014μm、徳山
曹達(株)製、商品名レオロシールQ102)を用いた。実
施例7で用いたビニルモノマー混合液に表4に示した混
合割合の無機粉体を添加し、攪拌溶解させた。
実施例7と同様な方法でペーストを調製し、さらに硬化
体を作製し、力学的強度を測定した。
その結果を表4に併記した。
0.06μm以下の粉体を多量に含有する比較例5と比較例
6では無機粉体の沈降は見られないが流動性が低下し
た。
また、0.06μm以下の粉体のみを配合した比較例6で
は、流動性がほとんどなく、硬化体の力学的強度も低か
った。
更に1.0μmより大きい無機粉体を多量に含む比較例8
では、無機粉体が沈降し、モノマーと分離した。
比較例−9 Bis−GMA45重量部、TEGDMA55重量部を攪拌混合し、均一
なビニルモノマー混合液とした。このモノマー混合液の
粘度は、150センチポイズであった。容器の周囲をアル
ミ箔でおおい遮光し、続いてCQ0.5重量部およびDMBE0.6
重量部をビニルモノマー混合液に添加し攪拌溶解させ
た。
次にこのビニルモノマー混合液40重量部と実施例2で用
いた無機粉体60重量部をメノウ乳鉢で十分練和し、ペー
ストを調製した。ペーストを脱泡し、その粘度、流動
性、沈降性を調べた。その結果、粘度1100センチポイズ
で流動性は低下し、浸入深さは2.0mmであった。また、
沈降性に関しては、粉体の沈降はほとんど見られなかっ
た。ペーストを重合した硬化体の力学的強度はビッカー
ス表面硬度45、圧縮強度3810kg/cm2、引張強度500kg/cm
2であった。
実施例13 D−2.6E40重量部、TEGDMA50重量部およびTMMT10重量部
を攪拌混合し、均一なビニルモノマー混合液とした。
このモノマー混合液の粘度は60センチポイズであった。
次にこのビニルモノマー混合液40重量部、BPO0.8重量
部、BHT0.04重量部および製造例1の無機粉体30重量
部、製造例11の無機粉体120重量部をメノウ乳鉢で十分
に練和してペーストを調製した(このペーストをペース
トBと称する)。無機粉体の合計量はモノマー混合液10
0重量部に対して150重量部であり、0.06〜0.1μmの範
囲にある無機粉体の割合は無機粉体の合計量に対して20
重量%となる。
一方、上記のビニルモノマー混合液100重量部、DEPT1.2
重量部、BHT0.08重量部および製造例1の無機粉体30重
量部、製造例11の無機粉体120重量部をペーストBと同
様に乳鉢を用いてペーストを調製した(このペーストを
ペーストAと称する)。
ペーストAとペーストBを練和紙に等量採り、減圧下
で、両者を練和することにより、諸物性測定用の試験片
を作製した。
物性測定の結果は、ビッカース表面硬度が56、圧縮強度
が4080kg/cm2、引張結果が520kg/cm2であった。また、
ペーストA、ペーストBの粘度は各55、45センチポイズ
であった。沈降性については各ペーストともモノマーと
粉体との分離は見られなかった。流動性については、混
合直後の侵入深さが6.0mmであり、良好であった。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】a)温度23℃における粘度が100センチポ
    イズ以下の重合可能なビニルモノマー100重量部 b)粒径が0.06〜1μmの範囲で且つ0.06〜0.1μmの
    粒子を5〜35重量%の割合で含有する無機粉体70〜230
    重量部 及び c)重合開始剤 よりなる硬化性組成物。
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