JP4694199B2 - 歯科用充填剤、ペースト、およびそれから調製される組成物 - Google Patents

歯科用充填剤、ペースト、およびそれから調製される組成物 Download PDF

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Description

酸反応性充填剤は、歯科用組成物に広く用いられている。酸反応性充填剤には、例えば、金属酸化物、金属塩、及びガラスが含まれる。酸反応性ガラスの一例は、公知のフッ化物放出材料であるフルオロアルムニオシリケート(FAS)ガラスである。酸反応性充填剤を種々の物質でコーティングまたは表面処理し、所望の特性を向上させることは当技術分野では公知である。
例えば、金属酸化物粉末(例えば、酸化カルシウムおよび酸化アルミニウム)は、水溶性高分子量(MW)物質でコーティングすると、圧潰強さ、親水性、および作用時間が増大するとともに溶解性が減少すると報告されており;カルシウムアルミニウムフルオロシリケートガラスは、酸で処理すると、水感受性が減少するとともに硬化時間が延長すると報告されており;セメントに用いられるアルミノボレートガラスは、リン酸アンモニウムで洗うと、セメントの硬化時間が延長すると報告されており;そして、フルオロアルミノシリケートガラスは、シランおよび/またはシラノールで処理すると、直径方向引張強さおよび破壊靭性に優れたセメントが生成されると報告されている。
米国特許第3,655,605号明細書 米国特許第3,814,717号明細書 米国特許第4,043,327号明細書 米国特許第4,143,018号明細書 米国特許第4,209,434号明細書 米国特許第5,063,257号明細書 米国特許第5,154,762号明細書 米国特許第3,655,605号明細書 米国特許第3,814,717号明細書 米国特許第4,043,327号明細書 米国特許第4,143,018号明細書 米国特許第4,209,434号明細書 米国特許第5,063,257号明細書 米国特許第5,332,429号明細書 米国特許第4,652,274号明細書 米国特許第4,642,126号明細書 米国特許第4,071,424号明細書 米国特許第5,545,676号明細書 欧州特許出願公開第173,567号明細書 米国特許第4,737,593号明細書 米国特許第6,020,528号明細書 米国特許第4,772,530号明細書 米国特許第4,954,414号明細書 米国特許第4,874,450号明細書 米国特許第5,055,372号明細書 米国特許第5,057,393号明細書 米国特許第3,066,112号明細書 米国特許第3,539,533号明細書 米国特許第3,629,187号明細書 米国特許第3,709,866号明細書 米国特許第3,751,399号明細書 米国特許第3,766,132号明細書 米国特許第3,860,556号明細書 米国特許第4,002,669号明細書 米国特許第4,115,346号明細書 米国特許第4,259,117号明細書 米国特許第4,292,029号明細書 米国特許第4,308,190号明細書 米国特許第4,327,014号明細書 米国特許第4,379,695号明細書 米国特許第4,387,240号明細書 米国特許第4,404,150号明細書 米国特許第6,025,406号明細書 米国特許第5,856,373号明細書 米国特許第4,250,311号明細書 米国特許第3,708,296号明細書 米国特許第4,069,055号明細書 米国特許第4,216,288号明細書 米国特許第5,084,586号明細書 米国特許第5,124,417号明細書 米国特許第4,985,340号明細書 米国特許第5,089,536号明細書 米国特許第4,872,936号明細書 欧州特許第323120B1号明細書 米国特許第5,130,347号明細書
用途によっては、硬化可能樹脂中に酸反応性充填剤を分散させてペーストを形成することが好ましい。ペースト内に酸反応性充填剤が高充填レベル(例えば、70重量%またはそれ以上)であると、硬化後のペーストに高強度および耐久性を生じさせ、放射線不透過性を高度にするほか、フッ化物放出レベルを高度にするのに望ましいことが多い。しかし、ペースト中の酸反応性充填剤の充填レベルを高くすると、所望の特性(例えば、流体力学的特性)が少ないペーストになる可能性がある。例えば、酸反応性充填剤の充填度を高くすると、取り扱いにくいおよび/または特性(例えば、硬質、乾燥、繊維質、高粘性、混合しにくい、および/または広げにくい)が混ざったペーストになる可能性があり、このいずれの場合でも、歯科医師がこのようなペーストを用いるのが望ましくなくなる可能性がある。
従って、当技術分野では、酸反応性充填剤の特性を改善することが依然として必要とされている。例えば、低充填レベルの公知の酸反応性充填剤を含むペーストに典型的な流体力学的特性(例えば、低粘性、分取および混合が容易)を維持しつつ、樹脂内に高充填レベルで組み込んでペーストにすることができる酸反応性充填剤が求められている。
一態様では、本発明は、硬化可能樹脂および樹脂内に配置された酸反応性充填剤を含む歯科用ペーストであって、充填剤がシラン処理表面を含み、このシランがポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含む歯科用ペーストを提供する。好ましくは、酸反応性充填剤はフルオロアルミノシリケートガラスである。任意に、ペーストは脂肪酸を含む。
別の態様では、本発明は、歯科用ペーストを調製する方法を提供する。本方法は、シラン処理表面を含む酸反応性充填剤を硬化可能樹脂と混合する工程を含み、このシランはポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含む。
別の態様では、本発明は、硬化可能樹脂および酸反応性充填剤を含む歯科用ペーストの粘性を低下させる方法を提供する。本方法は、酸反応性充填剤に、媒体およびポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含む成分を混合することにより調製可能な組成物を接触させる工程を含む。媒体は水を含むことが好ましい。任意に、媒体は酸性または塩基性である。
別の態様では、本発明は、パートAおよびパートBを含むキットを提供する。パートAには、(i)シランがポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含むシラン処理表面を含む酸反応性充填剤;および(ii)脂肪酸が含まれる。パートBには、少なくとも1種のポリ酸が含まれる。キットは、樹脂および開始剤を更に含み、各々独立してパートAおよび/またはパートBに存在する。キットは、パートAが第1バレルに存在してパートBが第2のバレルに存在する第1のバレルおよび第2のバレルを有する二重バレルシリンジを更に含むことが好ましい。キットを用いる方法も提供する。
別の態様では、本発明は、硬化樹脂および硬化樹脂内に配置された酸反応性充填剤を含む歯科用物品を提供する。充填剤は、ポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含むシラン処理表面を含む。歯科用物品を調製する方法も提供する。
別の態様では、本発明は、ポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含むシラン処理表面を含む酸反応性充填剤を提供する。任意に、シランは、ポリ(アルキレンオキシド)基を含まないシランを更に含む。好ましくは、酸反応性充填剤は、フルオロアルミノシリケートガラスである。表面処理した酸反応性充填剤を調製する方法も提供する。
定義
本明細書で用いる場合、「ペースト」という用語は、液体内に配置または組み込まれた固体の柔らかく粘性のある塊をいう。
本明細書で用いる場合、「充填剤」とは、樹脂内に組み込むことができる粒子材料(例えば、無機酸化物)を意味する。例えば、歯科用複合物は、樹脂内に配置された粉末を含むことが好ましい。
本明細書で用いる場合、「酸反応性充填剤」とは、酸に接触すると化学反応が起こる充填剤をいう。酸反応性充填剤の例には、例えば、金属酸化物、金属塩、およびガラスが含まれる。本明細書で用いる場合、「ガラス」とは、非晶質で硬質であり、一般に脆い材料をいう。好ましいガラスには、酸と接触するとフッ化物を放出するガラスが含まれる。特に好ましいフッ化物放出ガラスは、フルオロアルミノシリケート(FAS)ガラスである。
本明細書で用いる場合、「フルオロアルミノシリケートガラス」とは、例えば、(特許文献1)(スミス(Smith)ら)、(特許文献2)(ウィルソン(Wilson)ら)、(特許文献3)(ポッター(Potter)ら)、(特許文献4)(クリスプ(Crisp)ら)、(特許文献5)(ウィルソン(Wilson)ら)、および(特許文献6)(アカハネ(Akahane)ら)に記載されるようなフッ化物放出ガラスをいう。
本明細書で用いる場合、「シラン処理した」という用語は、粒子の表面が、シランおよび/またはシラノールを含む成分を混合することで調製した組成物に接触することにより修飾されたことを意味する。シランおよび/またはシラノールは任意に媒体に含まれ、シランおよび/またはシラノールは、粒子の表面を処理する前またはその間に組成物と反応またはその中に移行することができる。
本明細書で用いる場合、「ポリ(アルキレンオキシド)基」とは、少なくとも2つ、好ましくは2〜30のアルキレンオキシド単位を含む基を意味する。好ましいアルキレンオキシドには、例えば酸化エチレン、酸化プロピレン、酸化ブチレン、およびその組み合わせが含まれる。
本明細書で用いる場合、「硬化可能」とは、例えば、加熱して溶媒を除去すること、加熱して重合、化学架橋、放射線重合または架橋を引き起こすこと等により硬化または凝固することができる材料の説明である。
本明細書で用いる場合、「脂肪酸」とは、好ましくは4〜22の炭素原子を含む脂肪族基を含み、末端カルボン酸基を有することを特徴とする飽和または不飽和有機化合物をいう。
本明細書で用いる場合、「脂肪族基」という用語は、飽和または不飽和線状(即ち直鎖)、環状、または分枝炭化水素基を意味する。この用語は、例えば、アルキル(例えば、−CH3)(または鎖内であれば−CH2−のようなアルキレン)、アルケニル(または鎖内であればアルケニレン)、およびアルキニル(または鎖中にあればアルキニレン)基を含むように用いられる。「アルキル基」という用語は、例えば、メチル、エチル、イソプロピル、t−ブチル、ヘプチル、ドデシル、オクタデシル、アミル、2−エチルヘキシル等を含む飽和線状または分枝炭化水素基を意味する。「アルケニル基」という用語は、ビニル基のような1つまたはそれ以上の炭素−炭素二重結合を有する不飽和線状または分枝炭化水素基を意味する。「アルキニル基」という用語は、1つまたはそれ以上の炭素−炭素三重結合を有する不飽和線状または分枝炭化水素基を意味する。「芳香族基」または「アリール基」という用語は、単核または多核芳香族炭化水素基を意味する。これらの炭化水素基は、ヘテロ原子(このように述べる場合には官能基の形とすることができる)で置換することができる。「ヘテロ原子」という用語は、炭素以外の要素(例えば、窒素、酸素、イオウ、塩素等)を意味する。
本明細書で用いる場合、「粘稠度値(consistency value)」とは、数字が大きくなると高流出性または低粘性を示す材料の流れ特性の尺度をいう。手短にいうと、粘稠度値は、本明細書に特定した条件下で2つのガラス板の間で平らにされた材料の試料の直径の尺度である。
一実施形態では、本発明は、硬化可能樹脂および樹脂内に配置された酸反応性充填剤を含む歯科用ペーストを提供する。酸反応性充填剤は、ポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含むシラン処理表面を含む。硬化可能樹脂内に開始剤を含ませるか、それに加え、樹脂を硬化する。ある実施形態では、ペーストは脂肪酸も含むことができる。
酸反応性充填剤
適切な酸反応性充填剤には、例えば、金属酸化物、金属塩、およびガラスが含まれる。当然、ガラスが好ましい。適切な金属酸化物および金属塩は、例えば、(特許文献7)(ミトラ(Mitra)ら)の第3段、55〜62行に開示されている。適切なガラスには、例えば、ホウ酸塩ガラス、リン酸塩ガラス、およびフルオロアルミノシリケート(FAS)ガラスが含まれるが、フルオロアルミノシリケート(FAS)ガラスが特に好ましい。FASガラスは、例えば、(特許文献8)(スミス(Smith)ら)、(特許文献9)(ウィルソン(Wilson)ら)、(特許文献10)(ポッター(Potter)ら)、(特許文献11)(クリスプ(Crisp)ら)、(特許文献12)(ウィルソン(Wilson)ら)、および(特許文献13)(アカハネ(Akahane)ら)に記載されている。ガラスは、浸出可能なフッ化物を含み、虫歯に対する有用な保護となることが好ましい。好ましくは、ガラスは十分に細かく割ることにより、混合を容易にし、硬化を速め、取り扱いを良好にする。好都合な微粉砕または粉砕方法の何れを用いてガラス細かく割ることもできる。ボールミリングは代表的な方法の1つである。
シランおよび/またはシラノール処理
好ましくは、酸反応性充填剤は、例えば、(特許文献14)(ミトラ(Mitra)ら)に記載の方法と同様の方法によりシランおよび/またはシラノール処理する。手短に言えば、上述の酸反応性充填剤は、任意に媒体に含ませたポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含む組成物に接触させることにより処理することができる。媒体が含まれる場合には、媒体が水を含むことが好ましく、水性媒体を用いる場合には、この媒体は酸性または塩基性とすることができる。処理が終わると、従来の技術の何れかを用いて酸反応性充填剤を乾燥することができる。強制通気オーブンでのオーブン乾燥が推奨され、乾燥温度は約30℃〜約100℃が好ましい。乾燥は終夜行うことが好ましい。次に、処理して乾燥した酸反応性充填剤を篩いにかけるか、軽く粉砕して塊をほぐすことができる。得られる酸反応性充填剤は、例えば、歯科用ペースト内に組み込むことができる。
好ましくは、シランのポリ(アルキレンオキシド)基のアルキレンには、エチレン、プロピレン、ブチレン、およびその組み合わせを含む。好ましくは、ポリ(アルキレンオキシド)基含有シランは次式:
nSi−(−Y−(OCm2mw−Z)4-n
を有する。式中、Xは加水分解可能基(例えば、アルコキシ、アシロキシ、ハロ、またはその組み合わせ)であり;Yは、任意にヘテロ原子(例えば、O、N、S、P、および例えば、エーテル類、硫化物類、エステル類、カルバメート類、およびアミド類を含む官能基として存在することができるその組み合わせ)を含むことができる飽和または不飽和、置換または非置換の脂肪族および/または芳香族基であり;Zは、任意にヘテロ原子(例えば、O、N、S、P、および例えば、エーテル類、硫化物類、エステル類、カルバメート類、およびアミド類を含む官能基として存在することができるその組み合わせ)を含むことができる飽和または不飽和の脂肪族および/または芳香族基であり;m=2〜4;n=1〜3(好ましくは3);w=2〜30である。好ましいZ基には、例えば、メトキシ、エトキシ、アクリロキシ、メタクリロキシ、およびビニルエーテル類が含まれる。
適切なポリ(アルキレンオキシド)基含有シランは当技術分野では公知であり、例えば、コネチカット州ダンベリーのOSIスペシャリティーズ(Specialties)から商品名A1230で入手可能なγ−(ポリアルキレンオキシド)プロピルトリメトキシシランが含まれる。他の適切なポリ(アルキレンオキシド)基含有シランには、例えば、ウレタン基を含むものが含まれ、これは、例えば、イソシアネート官能シラン(例えば、コネチカット州ダンベリーのOSIスペシャリティーズ(Specialties)からA1310という商品名で入手可能な2−イソシアノトリエチルトリエトキシシラン;およびウィスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・コーポレーション(Aldrich Chemical Co.)から入手可能な3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート)をエンドキャップされたポリアルキレングリコールと反応させることにより得ることができる。このようなポリ(アルキレンオキシド)基含有シランの例は、本明細書の実施例に開示されている。
いくつかの実施形態では、本発明は、硬化可能樹脂および樹脂内に配置された酸反応性充填剤を含む歯科用ペーストであって、充填剤がシラン処理表面を含み、このシランがポリ(アルキレンオキシド)基含有シランおよびポリ(アルキレンオキシド)基を含まないシランを含む歯科用ペーストを提供する。ポリ(アルキレンオキシド)基を含まないシランは、重合可能または非重合可能の何れかとすることができる。重合可能および非重合可能シランの組み合わせを用いることもできる。
ポリ(アルキレンオキシド)基を含まず重合可能でもないシランの例には、イソオクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジルシドキシ(gylcidoxy)プロピルトリメトキシシランおよびその組み合わせが含まれる。
ポリ(アルキレンオキシド)基を含まない重合可能シランの例には、3−(メタクリロキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロキシ)プロピルトリエトキシシラン、3−(メタクリロキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(アクリロキシプロピル)メチルジメトキシシラン、3−(メタクリロキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−(メタクリロキシ)メチルトリエトキシシラン、3−(メタクリロキシ)メチルトリメトキシシラン、3−(メタクリロキシ)プロピルジメチルエトキシシラン、3−メタクリロキシプロペニルトリメトキシシラン、ビニルジメチルエトキシシラン、ビニルメチルジアセトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリフェノキシシラン、ビニルトリ−t−ブトキシシラン、ビニル−トリス−イソブトキシシラン、ビニルトリイソプロペノキシシラン、ビニル−トリス(2−メトキシエトキシ)シランおよびその組み合わせが含まれる。当然、3−(メタクリロキシ)プロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタクリロキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、および3−(メタクリロキシ)プロピルジメチルエトキシシランが好ましい。
(特許文献14)(ミトラ(Mitra)に記載のFASガラス充填剤の表面処理方法によれば、シラノール処理溶液は、酸または塩基で調整して非中性溶液にすることができる。任意に、酸性または塩基性である少なくとも1種のシランを用いることができる。表面処理は水の存在下で行う。従って、シラン(類)は、シラノール(類)に変換することができる。酸または塩基およびシラノールがFASガラスと反応する。第2段5〜13行を参照されたい。得られる表面処理FASガラスは、イオン含有シロキシ含有コーティングを有する酸反応性フルオロアルミノシリケート粒子状ガラスである。
脂肪酸
本発明のペーストには、添加剤として脂肪酸を含むことができる。すなわち、脂肪酸で酸反応性充填剤を予めコーティングしない。「脂肪酸」という語句は、本明細書で用いる場合、脂肪族基、好ましくは4〜22の炭素原子を含むものを含み、末端カルボン酸基を有することを特徴とする有機化合物を意味する。本発明には、カルボキシル基1個当たり、好ましくは4〜22の炭素原子を含む脂肪酸の二量体および三量体を用いることもできる。脂肪酸は飽和とすることも不飽和とすることもできる。脂肪酸が存在する場合、本発明のペーストは、ペーストの全重量に対し、好ましくは少なくとも約0.01重量%、更に好ましくは少なくとも約0.1重量%の脂肪酸を含む。脂肪酸が存在する場合、本発明のペーストは、ペーストの全重量に対し、好ましくは多くとも約5重量%、更に好ましくは多くとも約1重量%の脂肪酸を含む。
有用な脂肪酸には、例えば、カプリル酸(CH3(CH26CO2H)、カプリン酸(CH3(CH28CO2H)、オクタデカン酸(CH3(CH216COOH)(一般にステアリン酸と呼ばれる)、および9−オクタデセン酸(CH3(CH27CH:CH(CH27COOH)(一般にオレイン酸と呼ばれる)の脂肪酸が含まれる。特に有用な脂肪酸はオレイン酸およびその二量体および三量体である。
硬化可能樹脂
本発明の歯科用ペーストには硬化可能樹脂が含まれる。これらの樹脂は、一般に、例えば、アクリレート官能材料、メタクリレート官能材料、エポキシ官能材料、ビニル官能材料、およびその混合物を含む硬化してポリマー網状組織を形成することができる熱硬化性材料であることが好ましい。好ましくは、硬化可能樹脂は、1種またはそれ以上のマトリクス形成オリゴマー、モノマー、ポリマー、またはそのブレンドで作られる。
本出願に開示される歯科用ペーストが歯科用複合体である好ましい実施形態では、用いるのに適する重合可能材料には、口内環境で用いるのに適するようにするために十分な強度、加水分解安定度、および無毒性を有する硬化可能な有機材料が含まれる。このような材料の例には、アクリレート類、メタクリレート類、ウレタン類、カルバモイルイソシアヌレート類、エポキシ類、およびその混合物および誘導体が含まれる。
好ましい硬化可能材料の一には、遊離基的活性官能基を有する材料が含まれる。このような材料の例には、1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和基を有する単量体、1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和基を有するオリゴマー、1つまたはそれ以上のエチレン性不飽和基を有するポリマー、およびその組み合わせが含まれる。或いは、硬化可能樹脂は、陽イオン的活性官能基を含む材料から選択することができる。或いは、本発明の歯科用材料には、陽イオン的に硬化性および遊離基的に硬化性材料の両方を含む硬化可能樹脂の混合物を用いることもできる。或いは、硬化可能樹脂は、同一分子内に陽イオン的活性官能基および遊離基的活性官能基の両方を含む材料の一クラス由来の材料とすることもできる。
遊離基的活性材料
遊離基的活性官能基を有する硬化可能樹脂のクラスでは、本発明に用いるのに適切な材料には、少なくとも1つのエチレン性不飽和結合を含み、付加的な重合を受けることができる。このような遊離基的に重合可能な材料には、アクリル酸メチル、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ヘキシルアクリレート、ステアリルアクリレート、アリルアクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールトリアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,3−プロパンジオールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリメタクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ソルビトールヘキサクリレート、ビスフェノールAのジグリシジルメタクリレート(「ビス−GMA」)、ビス[1−(2−アクリロキシ)]−p−エトキシフェニルジメチルメタン、ビス[1−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシ)]−p−プロポキシフェニルジメチルメタン、およびトリスヒドロキシエチル−イソシアヌレートトリメタクリレートのようなモノ−、ジ−またはポリ−アクリレート類およびメタクリレート類;(特許文献15)(ボエッチャー(Boettcher)ら)に記載されているようなアクリレート化単量体、および(特許文献16)(ザドル(Zador))に記載されているようなアクリレート化オリゴマーの共重合可能混合物である分子量200−500のポリエチレングリコール類のビス−アクリレート類およびビス−メタクリレート類;およびスチレン、ジアリルフタレート、ジビニルスクシネート、ジビニルアジペートおよびジビニルフタレートのようなビニル化合物が含まれる。必要に応じて、これらの遊離基的に重合可能な材料の2つまたはそれ以上の混合物を用いることができる。
遊離基開始系
遊離基重合(例えば、硬化)に対しては、開始系は、放射、熱、または酸化還元/自動硬化化学反応を介して重合を開始する系から選択することができる。遊離基的に活性の官能基の重合を開始することができる開始剤のクラスには、任意に光増感剤または促進剤と組み合わせた遊離基発生光開始剤が含まれる。このような開始剤は、典型的には、200と800nmとの間の波長を有する光エネルギーに暴露されると付加重合するための遊離基を発生することができる。
遊離基的重合可能材料を光重合させるために種々の可視または近赤外線光開始剤系を用いることができる。例えば、光開始系は、(特許文献17)(ダート(Dart)ら)に記載されるようなアミンおよびα−ジケトンの2つの成分系を介して重合を開始する系から選択することができる。或いは、材料は、(特許文献18)(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載されるような3成分光開始剤系と混合することができる。3成分系には、ヨードニウム塩(例えば、ジアリールヨードニウム塩)、増感剤、および供与体が含まれる。各光開始剤成分は、(特許文献18)(パラゾット(Palazzotto)ら)第2段27行〜第4段45行までに記載されている。
他の有用な遊離基開始剤には、(特許文献19)(イング(Ying))および(特許文献20)(エルリッヒ(Ellrich)ら)および(特許文献21)(レパード(Leppard)ら)に記載されるようなアシルホスフィンオキシドのクラスが含まれる。アシルホスフィンオキシドと組み合わせて三級アミン還元剤を用いることができる。
本発明の歯科用材料に代替的に用いることができる別の遊離基開始剤系には、ホウ酸陰イオンおよび相補的な陽イオン性染料を含むイオン性染料−対イオン錯体開始剤のクラスが含まれる。ホウ酸塩光開始剤は、例えば、(特許文献22)(ゴットシャルク(Gottschalk)ら)、(特許文献23)(アデア(Adair)ら)、(特許文献24)(ゴットシャルク(Gottschalk))、(特許文献25)(シャンクリン(Shanklin)ら)、(特許文献26)(シャンクリン(Shanklin)ら)に記載されている。
硬化可能樹脂中の遊離基的活性官能基の重合を開始することができる開始剤の更に別のクラスには、過酸化物およびアミンの組み合わせのような従来の化学開始剤系が含まれる。これらの開始剤は、熱酸化還元反応に依存し、「自動硬化触媒」と呼ばれることが多い。これらは、典型的には、反応物を互いに分離して保存し、その後使用直前に混合する2液系(two−part systems)として供給される。
或いは、熱を用いて遊離基的活性基の硬化、または重合を開始することができる。本発明の歯科用材料に適する熱源の例には、誘導、対流、および放射が含まれる。熱源は、通常の条件または高圧条件下で少なくとも約40℃および高くても150℃の温度を発生することができる必要がある。この手順は、口内環境の外部で起こる材料の重合を開始するのに好ましい。
硬化可能樹脂中の遊離基的活性官能基の重合を開始することができる開始剤の更に別のクラスは、遊離基発生熱開始剤を含むものである。例として、過酸化物類(例えば、ベンゾイル過酸化物およびラウリル過酸化物)およびアゾ化合物類(例えば、2,2−アゾビス−イソブチロニトリル(AIBN))が挙げられる。
陽イオン的活性材料
本出願に開示された歯科用ペーストに有用な硬化可能樹脂の別のクラスには、陽イオン的活性官能基を有する材料が含まれる。陽イオン的活性官能基を有する材料には、陽イオン的重合可能エポキシ類(例えば、(特許文献27)(ボーエン(Bowen))、(特許文献28)(リー(Lee)IIら)、(特許文献29)(ウォーラー(Waller))、(特許文献30)(ウォーラー(Waller))、(特許文献31)(リー(Lee)ら)、(特許文献32)(リー(Lee)ら)、(特許文献33)(テイラー(Taylor))、(特許文献34)(グロス(Gross)ら)、(特許文献35)(グロス(Gross)ら)、(特許文献36)(ヤマウチ(Yamauchi)ら)、(特許文献37)(クレイグ(Craig)ら)、(特許文献38)(ウォルコウィアク(Walkowiak)ら)、(特許文献39)(カワハラ(Kawahara)ら)、(特許文献40)(オルロフスキー(Orlowski)ら)、(特許文献41)(ベルグ(Berg))、(特許文献42)(ツネカワ(Tsunekawa)ら)に示されるもの)、ビニルエーテル類、オキセタン類、スピロ−オルトカーボネート類、スピロ−オルトエステル類等が含まれる。陽イオン的活性官能基を有する好ましい材料は、例えば、(特許文献43)(オクスマン(Oxman)ら)(例えば、第2段36行〜第4段52行)およびその中に引用された文書に開示されたものを含むエポキシ官能材料である。
任意に、好ましくはエポキシ官能材料である陽イオン的活性官能基を有する硬化可能樹脂のための連鎖延長剤としてモノヒドロキシ−およびポリヒドロキシ−アルコール類を硬化可能樹脂に加えることができる。本発明に用いるヒドロキシル含有材料は、ヒドロキシル官能価が少なくとも約1、好ましくは少なくとも約2である有機材料の何れとすることもできる。有用なヒドロキシル含有材料は、例えば、(特許文献44)(カイサキ(Kaisaki)ら)に記載されている。
陽イオン的活性官能基を含む硬化樹脂に対しては、開始系は、放射、熱、または酸化還元/自動硬化化学反応を介して重合を開始する系から選択することができる。例えば、エポキシ重合は、例えば、無水物およびアミン類を含む熱硬化剤を用いることにより達成することができる。無水物硬化剤の特に有用な例はシス−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物である。
或いは、陽イオン的活性官能基を含む樹脂のための開始系は、光活性化されるものである。本発明を実施するのに、触媒および光開始剤業界で認められる陽イオン性光活性基の広い意味でのクラスを用いることができる。光活性陽イオン性核、光活性陽イオン性成分、および光活性陽イオン性有機化合物は、例えば、(特許文献45)(クリベロ(Crivello))、(特許文献46)(シュレシンガー(Schlesinger))、(特許文献47)(クリベロ(Crivello))、(特許文献48)(クリベロ(Crivello))、(特許文献49)(ファルーク(Farooq))、(特許文献50)(ファルーク(Farooq))、(特許文献51)(パラゾット(Palazzotto)ら)、(特許文献52)(パラゾット(Palazzotto))、および(特許文献44)(カイサキ(Kaisaki)ら)により代表的に示されるような材料技術分野で認められたクラスである。
陽イオン的硬化性材料は、例えば、ヨードニウム塩、増感剤、および電子供与体を用いる上に記載するような3成分または三元光開始剤系と混合することができる。陽イオン的硬化性材料を硬化するための有用な芳香族ヨードニウム錯体塩の例は、(特許文献43)(オクスマン(Oxman)ら)(例えば、第5段46行〜第6段9行)に開示されている。有用な増感剤および電子供与体の例は、(特許文献43)(オクスマン(Oxman)ら)(例えば、第6段43行〜第9段43行)にも見出すことができる。
陽イオン性重合のための別の光開始剤系には、(特許文献51)(パラゾット(Palazzotto)ら)に記載のものから選択される本質的に金属水素化物または金属アルキル官能性のない有機金属錯体陽イオンを用いることが含まれる。
陽イオン的活性/遊離基的活性材料
或いは、硬化可能樹脂は、単一分子内に陽イオン的活性および遊離基的活性官能基の両方を含むことができる。このような分子は、例えば、ジ−またはポリ−エポキシドをエチレン性不飽和カルボン酸の1種またはそれ以上の同等物と反応させることにより得ることができる。このような材料の例は、ユニオン・カーバイド(Union Carbide)から商品名UVR−6105で入手可能な材料とメタクリル酸の同等物の一種との反応生成物である。エポキシおよび遊離基的活性官能性を有する市販の材料には、日本のダイセル化学(Daicel Chemical,Japan)から商品名CYCLOMER(例えば、CYCLOMER M−100、M−101、またはA−200)で入手可能な材料およびラドキュア・スペシャリティーズ(Radcure Specialties)から商品名EBECRYL−3605で入手可能な材料が含まれる。
光開始剤化合物は、樹脂系の硬化処理または硬化を開始またはその速度を増大させるのに効果的な量で、本出願に開示された歯科用ペーストに加えることが好ましい。有用な光重合可能組成物は、安全な光条件で、上に記載した成分を単に混合することにより調製される。この混合物を調製するときには、必要に応じて適切な不活性溶媒を用いることができる。本発明の組成物の成分と感知できるほどには反応しない溶媒を用いることができる。適切な溶媒の例には、例えば、アセトン、ジクロロメタン、およびアセトニトリルが含まれる。重合化される液体材料は、重合化される別の液体または固体材料に対する溶媒として用いることができる。例えば、溶解を促進するために穏やかに加熱するか加熱せずに、芳香族ヨードニウム錯体塩および増感剤をエポキシ官能材料/ポリオール混合物に単に溶解することにより溶媒を含まない組成物を調製することができる。
他の添加剤
本発明の歯科用ペーストは、任意に、例えば着色剤、着香料、抗菌剤、香料、安定剤、粘性調節剤、およびフッ化物放出材料を含む口内環境に用いるのに適する補助剤を含むことができる。例えば、適切な補助剤には、蛍光および/または乳白光を付与する薬剤が含まれる。
本発明のペーストは、数平均分子量が約10,000より大きい水素結合可能ポリマーのような粘性調節剤を更に含むことができる。好ましくは、ポリマーの数平均分子量は約20,000より大きく、更に好ましくは約50,000より大きい。一般に、このポリマーは、全組成物中に少量で存在する。好ましくは、ポリマーは、ペースト中に、ペースト中の樹脂成分に対し約0.05重量%〜約8重量%、更に好ましくは約0.1重量%〜5重量%存在する。好ましくは、水素結合可能ポリマーには水素結合受容体部位が含まれる。
特に好ましい水素結合可能ポリマーには、例えば、ポリ(N−ビニルピロリドン)ポリマー類(p−NVP)が含まれる。コモノマーまたはグラフト基が水素結合のために有害な量の活性水素を含まなければ、ビニルピロリドンと、他の単量体または他の基とのグラフトポリ(N−ビニルピロリドン)とのコポリマーも好ましい。例えば、ポリ(1−ビニルピロリドン−コ−スチレン)、ポリエチルオキサゾリン、ポリ(1−ビニルピロリドン−コ−ビニルアセテート)およびその組み合わせが好ましい。
任意に、本発明の組成物はヒュームドシリカを含むこともできる。適切なヒュームドシリカには、例えば、デグサ(DeGussa)AG(ドイツ国ハーナウ)から商品名AEROSIL OX−50、AEROSIL−130、AEROSIL−150、およびAEROSIL−200で入手可能な製品およびキャボット・コーポレーション(Cabot Corp)(イリノイ州タスコラ)から入手可能なCAB−O−SIL M5が含まれる。
充填剤の樹脂中への組み込み
本出願に開示された充填剤は、適切な手段の何れかにより硬化可能樹脂中に組み込み、歯科用ペーストを形成することができる。表面処理酸反応性充填剤は、粉末として樹脂に加えることができる。或いは、表面処理酸反応性充填剤は、別の充填剤および/または任意の添加剤と混合し、粉末として硬化可能樹脂に加える材料を調製することができる。或いは、表面処理酸反応性充填剤は、液体添加剤と混合し、分散剤として硬化可能樹脂に加えることができる。
本出願に開示した充填剤は、当技術分野で公知の簡便な方法の何れかにより硬化可能樹脂に組み込むこともできる。
歯科用ペースト
本出願に開示した表面処理酸反応性充填剤は、硬化可能樹脂に組み込まれ、上に記載の有用な歯科用ペーストを調製することができる。本発明の歯科用ペーストは、化学的に硬化性、熱硬化性、または光硬化性組成物とすることができる。光硬化性材料は、適切な開始剤系を有する必要がある。化学的硬化性材料は、自動硬化(例えば酸化還元開始剤による)することができる。或いは、本発明の材料は、自動および光硬化の組み合わせで硬化することができる。
本出願に開示された歯科用ペーストは、充填剤がシラン処理表面を含み、シランがポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含む樹脂内に配置された酸反応性充填剤を含む。好ましくは、歯科用ペーストは、ペーストの全重量に対し、少なくとも約5重量%の表面処理酸反応性充填剤、更に好ましくは少なくとも約10重量%の表面処理酸反応性充填剤を含む。好ましくは、歯科用ペーストは、ペーストの全重量に対し、多くとも約85重量%の表面処理酸反応性充填剤、更に好ましくは多くとも約80重量%の表面処理酸反応性充填剤を含む。
本出願に開示した歯科用ペーストは、例えば、歯科用接着剤、人口歯冠、前部または後部充填剤、鋳造材料、裏層(cavity liners)、セメント、コーティング組成物、ミルブランク、矯正装置、修復材、義歯、およびシーラントとして用いることができる。好ましい態様では、歯科用ペーストは歯科用修復材である。本発明の修復材は、口内に直接配置して原位置で硬化処理(硬化)することもでき、口外で義歯に作成し、その後口内の適所に接着することもできる。
本発明の歯科用ペーストは、比較的高度の充填剤レベルで充填しても依然として有用な流体力学的特性(例えば、柔らかい、べとつかない)を有することが見出されている。これらの特性は強度と同様に、表面改質剤を用いて粒子の表面を処理することにより向上すると考えられている。表面処理(表面改質)により、粒子の分散性および粒子がマトリクス内に結合する能力が向上する。
好ましくは、本発明は、優れた取り扱いおよび流体力学的特性(例えば、約25℃で5日保存後に実質的に沈殿しない、粘稠度値が少なくとも約30mmである)を維持しつつ、硬化して以下に詳細に記載する所望の特性(例えば、高い直径方向引張強さ、高い圧縮強度、および高い接着値)をバランスよく付与することができる歯科用ペーストを提供する。この歯科用ペーストは、当業者により公知の手順で取り扱うときにべとつかないことが好ましい。
パートAおよびパートBを含むキット
一実施形態では、本発明は、2つのパート(例えば、パートAおよびパートB)のガラスアイオノマーセメントを含むキットを提供する。パートAの粘性は、ブルックフィールド(Brookfield)粘度計で32,000に等しい変換係数のT−Dスピンドルを用いて室温(約25℃)または室温付近で測定すると、典型的には約50,000センチポアズ(cps)より大きく、好ましくは150,000〜300,000cpsの間である。典型的には、歯科医師は、使用直前に2つのパートを混合する。2つのパートが混合されると、酸塩基硬化反応が開始する。好ましくは、混合物の作用時間は、本明細書の試験手順に規定するとおり、少なくとも約30秒、更に好ましくは少なくとも約60秒である。次のエチレン性不飽和基または硬化性樹脂の硬化は、硬化剤および/または光により行う。パートAおよびパートBを処方するのに用いる各成分は本明細書で詳細に論じる。硬化可能樹脂および開始剤のような特定の成分は、以下に更に説明するように、パートA、パートBの何れか、またはパートAおよびパートBの両方内に存在することができる。
一実施形態では、本発明に開示する歯科用ペーストは、ガラスアイオノマーセメント中のパートAとして用いることができる。このようなペーストには、樹脂内に配置された酸反応性充填剤であって、充填剤がシラン処理表面を含み、このシランがポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含む充填剤が含まれる。ガラスアイオノマーセメント中のパートAとして用いる場合には、ペーストは、ペーストの全重量に対し、好ましくは少なくとも約50重量%の表面処理酸反応性充填剤、更に好ましくは少なくとも約60重量%の表面処理酸反応性充填剤、最も好ましくは少なくとも約70重量%の酸反応性充填剤を含む。ガラスアイオノマーセメント中のパートAとして用いる場合、ペーストは、ペーストの全重量に対し、好ましくは多くとも約85重量%の表面処理酸反応性充填剤、更に好ましくは多くとも約80重量%の表面処理酸反応性充填剤を含む。
パートBは、硬化可能(例えば硬化性)樹脂または非硬化可能(例えば非硬化性)樹脂を含むことができる少なくとも1種のポリ酸を含む。ポリ酸は、完全に水溶性である必要はないが、パートBの他の成分と混合しても実質的に沈降しないように少なくとも十分に水混和性である必要がある。適切なポリ酸は、(特許文献12)(ウィルソン(Wilson)ら)第2段62行〜第3段6行に列記されている。ポリ酸の分子量は、保存、取り扱い、および混合特性を良好にするのに十分な大きさである必要がある。好ましい重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフィーを用いてポリスチレン標準に対して評価すると約5,000〜100,000である。
一実施形態では、ポリ酸は硬化可能樹脂である。即ち、少なくとも1種のエチレン性不飽和基を含む。適切なエチレン性不飽和ポリ酸は、(特許文献53)(エンゲルブレヒト(Engelbrecht))の例えば第3および4段、および(特許文献54)(ミトラ(Mitra))の例えば約3ページ55行〜5ページ8行に記載されている。好ましくは、酸性基およびエチレン性不飽和基の数は、歯科用組成物中の特性のバランスが適切になるように調節する。酸性基の約10%〜30%がエチレン性不飽和基で置換されているポリ酸が好ましい。
他の実施形態では、ポリ酸は非硬化可能樹脂である。即ち、不飽和酸のオリゴマーまたはポリマーである。好ましくは、不飽和酸は、炭素、イオウ、リン、またはホウ素の酸素酸(即ち、酸を含む酸素)である。更に好ましくは、炭素の酸素酸である。有用な非硬化可能ポリ酸には、例えば、不飽和モノ−、ジ−、またはトリカルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーのようなポリアルケノン酸が含まれる。好ましいポリアルケノン酸は、不飽和脂肪族カルボン酸、例えば、アクリル酸、2−コロルアクリル酸(2-choloracrylic acid)、3−コロルアクリル酸(3-choloracrylic acid)、2−ブロモアクリル酸、3−ブロモアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、グルタコン酸、アコニット酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸、およびチグリン酸をホモ重合および共重合することにより調製することができる。不飽和脂肪族カルボン酸と共重合することができる適切な単量体には、例えば、アクリルアミド、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化アリル、ビニルアセテート、および2−ヒドロキシエチルメタクリレートのような不飽和脂肪族化合物が含まれる。必要に応じて、ターポリマーおよびそれ以上のポリマーを用いることができる。アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマーが特に好ましい。ポリアルケノン酸には、実質的に非重合化単量体が含まれない。
歯科用組成物内のポリ酸の量は、硬化可能樹脂であるか非硬化可能樹脂であるかに関係なく、所望の特性のバランスにするのに十分である必要がある。パートBは、パートBの全重量に対し、好ましくは少なくとも約10重量%のポリ酸、更に好ましくは少なくとも約30重量%のポリ酸を含む。パートBは、パートBの全重量に対し、好ましくは多くとも約70重量%のポリ酸、更に好ましくは多くとも約60重量%のポリ酸を含む。
また、パートBは水も含み、これは、販売時に製品中に存在することもでき、使用直前に歯科医師が加えることもできる。水は、蒸留水、脱イオン水(DI)、または水道水とすることができるが、脱イオン水が好ましい。使用直前には、全歯科用組成物は、好ましくは少なくとも約1重量%の水、更に好ましくは少なくとも約3重量%の水、最も好ましくは少なくとも約5重量%の水を含む。使用直前には、全歯科用組成物は、好ましくは多くとも約35重量%の水、更に好ましくは多くとも約25重量%の水を含む。一般に、用いる水の量は、歯科用組成物に対する適切な取り扱いおよび混合特性をもたらすとともに、酸反応性充填剤−ポリ酸反応時、特に処理FASガラス−ポリ酸反応時にイオンを運搬するのに十分とする必要がある。
硬化歯科用組成物
樹脂中に配置された酸反応性充填剤を含む本出願に開示された歯科用ペーストであって、充填剤がシラン処理表面を含み、このシランがポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含むペーストは、非硬化状態では特に望ましい取り扱い(例えば流体力学的)特性を有し、硬化状態では高強度を有する。
強度は、圧縮強度(CS)および直径方向引張強さ(DTS)のような機械的測定により特徴を示すことができる。歯修復物、置換物および再建物に咀嚼により力が及ぼされるため、歯科用材料に高圧縮強度があると有利である。直径方向引張強さは、材料に引張応力を生じさせる圧縮力に耐える歯科用材料の能力を示す。各強度測定のための試験は、以下の実施例に述べる。
本出願に開示される歯科用ペーストの圧縮強度は、硬化すると、好ましくは少なくとも約60MPa、更に好ましくは少なくとも約80MPa、最も好ましくは少なくとも約90MPaである。本発明の硬化歯科用ペーストの直径方向引張強さは、好ましくは少なくとも約10MPa、更に好ましくは少なくとも約15MPa、最も好ましくは少なくとも約20MPaである。
歯科用物品
本発明のペーストは、硬化して、例えば歯科用物品を形成することができる。本出願に開示したように硬化可能樹脂および充填剤を含む歯科用ペーストを用いる好ましい方法では、ペーストを歯表面の近傍または歯表面に配置し、その後歯科医師または検査技師が操作してペーストの形態を変えることができ、次に、樹脂を硬化することができる。これらの工程は、順次行うこともでき、異なる順番で行うこともできる。例えば、歯科用材料がミルブランクまたは義歯である好ましい実施形態では、硬化させる工程は、一般に、ペーストの形態を変化させる前に完了する。ペーストの形態を変化させる工程は、例えば、手持の器具を用いる彫刻または手動操作、または義歯およびミルブランクの場合には機械またはコンピュータ補助装置(例えば、CAD/CAMミリング機)を含む種々の方法で達成することができる。任意に、歯科用材料を研磨、仕上げ加工、またはコーティングを塗布する仕上げ工程を行うことができる。
以下の実施例は、本発明の異なる実施形態および詳細を説明するためのものである。実施例はこの目的のためのものであるが、用いる特定の成分および量のほか他の条件および詳細は、本発明の範囲を不当に限定するように解釈するものではない。他に特に規定がなければ、全てのパーセントは重量パーセントである。下の表1は、便宜上用いるものであり、以下の実施例に用いられる成分を列挙する。
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直径方向引張強さおよび圧縮強度試験
ISO−試験手順4049(1988)のADA(アメリカ歯学会)規格第9号およびADA規格第27号に準じて、全ての直径方向引張強さ(DTS)および圧縮強度(CS)試験を行った。特にCSおよびDTSのために、組成物を内径4mmのガラス管に入れた。この管にシリコ−ンゴム栓で栓をし、約0.28MPaで軸線方向に圧縮し、その後、ミネソタ州セントポールの3Mから商品名ビジラックス(Visilux)2で入手可能な歯科用硬化光ユニットを2つ対向させて配置したものに暴露することにより60秒光硬化した。次に、各試料には、ドイツのクルツァー・インコーポレーテッド(Kulzer、Inc.)から商品名デンタカラー(Dentacolor)XSで入手可能なユニットを用いて90秒照射した。硬化試料は、ダイヤモンドソーで切断し、直径4mmで、CS試験には長さ8mm、DTS試験には長さ2mmの円筒形プラグを形成した。試料は、37℃で24時間±2時間蒸留水中に保存した。各組成物に対するCSおよびDTS値は、マサチューセッツ州カントンのインストロン・コーポレーション(Instron Corp.)から商品名インストロン(Instron)4505で入手可能なユニットを用いて測定した。CS試験では10kNロードセルを用い、合計3〜5のシリンダーを試験した。また、10kNロードセルを用いてDTS試験も行い、合計6〜8のシリンダーを試験した。
接着剤試験
以下の実施例で象牙質に対する接着剤強度を以下の手順により評価した。各実施例に対して、類似した年齢および外観の7つのウシの歯を円形アクリル円板に部分的に埋め込んだ。各歯の暴露部分は、宝石研磨ホイール上に装着したグレード120シリコンカーバイド紙裏打ち研磨材を用いて、アクリル円板の平坦な表面に平行に平坦に研削した。この研磨工程では象牙質を露出した。研削および研磨工程の間中、歯は継続的に水ですすいだ。宝石研磨ホイール上にグレード600シリコンカーバイド紙裏打ち研磨材を装着し、歯を更に研削および研磨した。
磨いた歯は脱イオン水中に保存し、磨いた後2時間以内に試験に用いた。磨いた歯を水から取り出し、吸取り乾燥した。試験用に均等な厚さの実施例を実現するために、「テープ穴」を作る直径4.76mmの穴を有する小さな正方形片の3M接着剤テープ(ミネソタ州セントポールの3M製コア・シリーズ(Core Series)2−1300)をわずかに湿った象牙質の上部に置いた。テープ穴の最終的な寸法は、厚さ0.03mm×直径4.76mmであった。テープ穴の接着剤側をわずかに湿った象牙質を覆うように置いた。各実施例および比較例に対するペーストおよび液体成分(即ち各々パートAおよびパートB)は、ミネソタ州セントポールの3Mから商品名3Mクリッカー(CLICKER)で入手可能なディスペンサから混合パッド上に分取し、10〜15秒混合した。ブラシまたはボールアプリケータを用いて製剤をテープ穴内に移した。商品名ビジラックス(Visilux)2で入手可能な硬化光を用いて組成物を30秒間硬化し、テープ穴を取り除いて硬化製剤を露出した。デラウェア州ウィルミントンのE.I.デュポン・ド・ヌムール(DuPont de Nemours)から商品名テフロン(TEFLON)で入手可能な2mm厚さのシートで接着試験鋳型を作った。鋳型の最終的な寸法は、直径4.76mm、厚さ2mmであった。鋳型は、ゼラチンで裏打ちし、硬化製剤をテープ穴に整列させて硬化製剤の上部に確実に固定した。AZ−100、A3日除け複合体(ミネソタ州セントポールの3M)を鋳型内に押し入れ、商品名ビジラックス(Visilux)2で入手可能な硬化光で40秒間光硬化した。試験試料を直ぐに脱イオン水に入れ、37℃で24時間おいた。次に、鋳型を歯から注意深く取り除くと、各歯に取り付けられた硬化した本発明の製剤の成形ボタンが残った。
硬化した本発明の製剤の強度は、商品名インストロン(Instron)4505で入手可能なユニットの顎に固定したホルダに、磨いた歯の表面を引っ張る方向に平行な方向にしてアクリル円板を装着することにより評価した。磨いた歯の表面に隣接する硬化試料の周りに歯列矯正ワイヤ(直径0.44mm)のループを配置した。歯列矯正ワイヤの端部は、インストロン(Instron)装置の引張り顎に固定し、それによって、結合部を剪断応力内に配置した。結合部には、クロスヘッド速度2mm/分を用いて、結合部(または象牙質または製剤)が破断するまで応力をかけた。
沈降試験
各実施例および比較例の以下の表3のパートAに対する試料20gは、直径が3.8cmの75mlプラスチックびんに入れて室温(約25℃)で保存した。試料の上部に透明な液体層が形成されることで示される相分離は、目視検査で毎日調べた。5日後、全ての例について目視検査を行い、透明層の形成を評価した。歯科用混合棒を用いて、透明な液体を收集し、その後、ガラス顕微鏡スライドの上部に広げた。ガラススライド上の液体は、透明度およびFAS粒子の存在を目視検査した。
作用時間試験
商品名3Mクリッカー(CLICKER)で入手可能なディスペンサを各例のペーストパート(表3のパートA)および液体パート(表4のパートB)で満たした。例の材料の2押しを混合パッド上に分取した。ステンレス鋼のスパチュラまたは歯科用混合棒を用いて、2液製剤を共に混合した。混合を開始した時から時間測定を始め、混合製剤が、スパチュラと混合パッドとの間に糸を引いてべとつくようになった時点で時間測定を終了した。時間間隔を秒単位で記録した。
粘稠度値測定
既知の量のペーストを2つのガラス板の間に配置し、上部に更に重りを置いた。重りで120秒間試料を平らにした。次に、重りを取り除き、ガラス板間のペーストの直径で流延性を測定した。得られる直径が大きい(即ち、流延性が大きい)ことは、ペーストの粘性が低いことを示した。ペーストは10.16cm×10.16cm(4インチ×4インチ)のガラス板の中央で(0.15g+/−0.005g)を秤量した。板をジグに入れることにより、板の中心に重りが印加された。上部10.16cm×10.16cm(4×4インチ)板および重りが印加された(合計重さ1027g)。重りは120秒間印加した。直径を測定し、ミリメートル(mm)で記録した。
FASガラスのシラノール処理
反応容器として300mlの平底ビーカーを用い、フルオロアルミノシリケート(FAS)ガラスのシラノール処理剤を調製した。ビーカーには、磁気撹拌機のような従来の混合装置を装備した。ビーカーに脱イオン水100gを量り入れ、約0.9gの氷酢酸を水に加えた。小さな渦が生じるのに十分な速度で5〜10分間溶液を撹拌した。溶液のpHをpH紙で測定すると、2.5〜3.0であった。
シランであるA−174および/またはA−1230を実施例1〜6および比較例AおよびBに対して表2に示すような量で溶液に加えた。表示した量のシランを溶液に加える間は、溶液は油性で僅かに混濁して見えた。シラン−水−酸溶液を小さな渦で1時間撹拌し、加水分解した。1時間後、透明な溶液が得られた。
この溶液にFASガラスの100gを加えてスラリーを調製した。ガラスは、撹拌しつつ5分間かけてゆっくり加えた。ガラスを全て加え終わった後、スラリーを更に30分間撹拌した。シラノール処理FASガラススラリーを清潔なプラスチックトレーに移して乾燥した。シラノール処理ガラスは、80℃の乾燥オーブンに入れて14時間乾燥した。74mmスクリーンを通して乾燥ケーキを篩いにかけ、試験用のシラノール処理FASガラス(S/T FAS)を得た。
Figure 0004694199
実施例1〜6および比較例A〜D
これらの例は、2液製剤として調製した。パートAは、表3に列記した成分を混合することにより調製した。従来の混合方法の何れをも用いることもできるが、通常の方法で、HEMA、ビスGMAおよびp−NVPの樹脂成分を完全に混合し、その後FASガラスおよびオレイン酸成分を樹脂混合物に加えた。比較例CおよびDに用いたFASガラスは、前もってシラノール処理したものではない。その後、パートAの成分の全てを完全に混合した。パートBは、表4に列記した成分を混合することにより調製した。2液製剤をミネソタ州セントポールの3Mから商品名3Mクリッカー(CLICKER)で入手可能なディスペンサに入れた。各パートを等量混合パッド上に分取し、10〜15秒間完全に混合して歯科用組成物を調製した。表5に列記した種々の特性に関して各組成物を試験した。
Figure 0004694199
Figure 0004694199
Figure 0004694199
5日間保存した後、比較例Cは、分離して透明な液体層の相を形成した。
表5のデータが示すように、実施例1〜6は全て本発明を具体化したものであり、これらは沈降が起こらず、適切な作用時間を有した。また、これらは、許容可能なDTS、CS、および象牙質への接着性を示した。
しかし、比較例Cでは、充填剤が沈降し、作用時間が短すぎた。また、比較例Cでは、象牙質への接着性も、実施例1〜6より低かった。比較例Dでは、沈降は見られなかったが、実施例1〜6に比較して作用時間が短く、象牙質への接着性も低かった。フジボンド(Fujibond)LC試料は、粉末−液体系であり、この不利な点については上に開示されている。これは、適切なDTSおよびCSを有するが、実施例1〜6に比較して象牙質への接着性が僅かに低い。
実施例7
フルオロアルミノシリケート(FAS)ガラスは、オクチルシランを含む試料に対してDI水およびエタノールの組み合わせを用いることを除いては、本明細書に記載の手順に従って表面処理した。表面処理の前に、DI水/エタノールは、氷酢酸でpHが約2.5〜3.0になるまで酸性にした。表面処理手順に用いる材料および量は表6に列記する。
Figure 0004694199
成分HEMA(19.86)、ビスGMA(6.62)、およびp−NVP(0.27)を実施例1〜6のパートAの調製に記載したような表示重量比で混合して73%固体(重量で)の充填剤を含むペーストを生成することにより調製した樹脂混合物に充填剤を混合することにより、S/T FASガラス充填剤の各試料からペーストを調製した。
ペーストの流体力学的および/または取り扱い特性は、ペーストを手動で操作し、ペーストをスコア1(最低)〜スコア5(最高)に分類することにより評価した。スコア1は、それ自体では流れない高粘性の濃いペーストに対応し(例えば、生地と同じ粘性)、スコア5は、それ自体で流れる柔らかい低粘性ペーストまたは注入可能な液体(例えば、シロップまたはグレービーと同じ粘性)に対応する。結果は表7に列記する。
Figure 0004694199
上の結果は、FAS充填剤に表面処理すると、それを用いて調製したペーストの流体力学に有意な影響を及ぼすことを示す。
オレイン酸(0.25重量%)も加えて73%固体(重量で)の充填剤を有するペーストを調製したことを除けば、上に記載したように充填剤を樹脂混合物に混合することにより、S/T FASガラス充填剤の試料20〜試料24から付加的なペーストを調製した。これらのペーストの流体力学的および/または取り扱い特性は、ペーストを手動で操作し、その後、ペーストをスコア1(最低)〜スコア5(最高)に分類することにより評価した。スコア1は、高粘性の濃いペーストに対応し(例えば、生地と同じ粘性)、スコア5は、柔らかく滑らかな低〜中粘性ペースト(例えば、シェービングクリームまたはフロスティングと同じ粘性)に対応する。結果は表8に列記する。
Figure 0004694199
上の結果は、FAS充填剤に表面処理すると、それを用いて調製したペーストの流体力学に有意な影響を及ぼすことを示す。
以下の樹脂、即ちHEMA(79.21)、ビスGMA(17.82)、TEGDMA(1.98)、およびp−NVP(0.99)(重量部)の混合物に充填剤を混合することにより、S/T FASガラス充填剤の試料20および試料23から付加的なペーストを調製した。各表面処理充填剤のペーストは、充填剤をペーストの70重量%、74重量%、76重量%、および80重量%にして調製した。これらのペーストの流れ特性は、ペーストの粘稠度値を測定することにより求め、その結果を表9に列記する。
Figure 0004694199
上の結果は、FAS充填剤を表面処理すると、それを用いて調製したペーストの流れ特性に有意な影響を及ぼすことを示す。
実施例8:ジ(エチレングリコール)メチルエーテルを3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートと反応させることによるポリ(アルキレンオキシド)基含有シランの調製
磁気撹拌棒を装備した250ml丸底フラスコに、ジ(エチレングリコール)メチルエーテル(35g)およびメチルエチルケトン(77g)を入れた。水を除去するために、溶媒の大部分をロータリーエバポレータで蒸発させて除去した。3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(68.60g)をフラスコに入れた。ジブチル錫ジラウレート(〜3mg)を加え、この混合物を混合した。穏やかに発熱しつつ反応が進行した。約16時間反応を行った時点では、赤外線(IR)スペクトル法でイソシアネートは検出されなかった。ロータリーエバポレータ(90℃)で蒸発させて溶媒およびアルコールの残留物を除去し、幾分粘性のある液体(104.46g)を得た。
実施例9:トリ(エチレングリコール)メチルエーテルを3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートと反応させることによるポリ(アルキレンオキシド)基含有シランの調製
この化合物は、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルの代わりにトリ(エチレングリコール)メチルエーテルを用いたことを除き、PEG2TESと同様の手順により調製した。
実施例10:ジ(エチレングリコール)ビニルエーテルを3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートと反応させることによるポリ(アルキレンオキシド)基含有シランの調製
磁気撹拌棒を装備した50ml丸底フラスコにジ(エチレングリコール)ビニルエーテル(12.06g)およびメチルエチルケトン(15g)を入れた。水を除去するために、ロータリーエバポレータで蒸発させることにより溶媒の大部分を除去した。3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(20.17g)をフラスコに入れた。ジブチル錫ジラウレート(〜3mg)を加え、この混合物を撹拌した。反応は、穏やかに発熱しつつ進行した。約16時間反応を行った時点では、IRスペクトル法でイソシアネートは検出されなかった。ロータリーエバポレータ(90℃)で蒸発させることにより溶媒およびアルコールの残留物を除去し、幾分粘性のある液体を得た。
実施例11:ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルを3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートと反応させることによるポリ(アルキレンオキシド)基含有シランの調製
磁気撹拌棒を装備した250ml丸底フラスコにポリ(エチレングリコール)メチルエーテル(分子量=350)(18.34g)およびメチルエチルケトン(48.8g)を入れた。蒸留により溶媒(25g)を除去した。3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(12.5g)をフラスコに入れた。ジブチル錫ジラウレート(〜3mg)を加え、この混合物を撹拌した。反応は、穏やかに発熱しつつ進行した。穏やかに加熱しつつ約4時間反応を行った時点では、IRスペクトル法でイソシアネートは検出されなかった。ロータリーエバポレータで蒸発することにより溶媒の残留物を除去した。
実施例12:ポリ(プロピレングリコール)メタクリレートを3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネートと反応させることによるポリ(アルキレンオキシド)基含有シランの調製
磁気撹拌棒を装備した200ml丸底フラスコにポリ(プロピレングリコール)メタクリレート(分子量=350〜389)(25.11g)、MEHQ(0.11g)およびメチルエチルケトン(62g)を入れた。ロータリーエバポレータで蒸発させることにより溶媒(40g)を除去した。3−(トリエトキシシリル)プロピルイソシアネート(15.95g)をフラスコに入れた。ジブチル錫ジラウレート(〜3mg)を加え、この混合物を撹拌した。反応混合物を45℃(6時間)まで加熱し、更に室温で約12時間反応させた時点で、IRスペクトル法でイソシアネートは検出されなかった。ロータリーエバポレータで蒸発させることにより溶媒の残留物を除去した。
本明細書で引用した全ての特許、特許出願、および公報の完全な開示物、および電子的に入手可能な素材は、本明細書において、参照により組み入れる。上記の詳細な説明および実施例は、理解を明確にするためにのみ挙げたものであり、これにより不当に制限されるものでないことは当然に理解される。本発明は、本明細書に示して記載した詳細そのものに限定されるものではなく、当業者に明らかな変更形態は請求の範囲により定義される本発明に含まれるものとする。

Claims (1)

  1. 硬化可能樹脂と、
    前記樹脂中に配置された酸反応性充填剤であって、前記充填剤がシラン処理表面を含み、前記シランがポリ(アルキレンオキシド)基含有シランを含む充填剤と、
    を含む歯科用ペーストであって、
    前記酸反応性充填剤が、金属酸化物、ガラス、およびその組み合わせからなる群から選択され、
    前記シランが、イソオクチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、ドデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ジルシドキシプロピルトリメトキシシラン、およびその組み合わせからなる群から選択されるポリ(アルキレンオキシド)基を含まないシランを更に含む、歯科用ペースト。
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