JP4002996B2 - ガラスイオノマーセメントを使用して暫間義歯装置を合着する方法およびそのためのキット - Google Patents

ガラスイオノマーセメントを使用して暫間義歯装置を合着する方法およびそのためのキット Download PDF

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Description

技術分野
本発明は、ガラスイオノマーセメント系に関する。さらに特に、本発明は、塊状せん断接着性が低下したガラスイオノマーセメント系を使用して暫間義歯装置を合着する方法に関する。
背景技術
ガラスイオノマーセメントは、一般に、イオン性ポリマー成分と反応性ガラス成分とを含み、これら2成分を水溶液中で混合することによって、セメントの硬化反応が開始される材料である。これらの材料は、セメントが使用される歯科業界および医療業界における多数の用途、例えば歯体または骨体において使用される。ガラスイオノマーは、一般に、歯体との接着性が良好であると従来より考えられている。用途の広い材料を提供するために、従来のガラスイオノマー系の強度および接着性の増大に対して多大な努力が払われている。
ガラスイオノマーセメントは、多種の永久的な歯科材料および所与の特定の歯科用途のための一時的な材料としての用途に関して開示されている。
カービイ(Kerby)に付与された米国特許第5,084,491号明細書は、ステンレス鋼フィラーと、高分子接着剤と、ガラスフィラーとを含む歯科用充填材料について開示している。これらのセメントは、1)クラウン形成前の心材肉盛り充填材料;2)根管治療歯を修復されるための事前加工された合釘と組み合わせた心材充填材料;3)乳歯もしくは永久歯または歯科用インプラントの一時的または永久的充填材料;および4)永久的な歯科修復を接着するための合着材としての利用性を有すると開示されている(カラム3、34〜43ページ参照)。
A.D.ウィルソン(Wilson)およびJ.W.マクリーン(MaLean)著、ガラスイオノマーセメント(Glass−Ionomaer Cement)クインテセンス パブリッシング社(Quintessence Publishing Co.,Inc.)、1988年版、イリノイ州シカゴ、第6章、表題“接着剤”、83〜85ページは、ガラスイオノマーと象牙質およびエナメル質との引張り強度およびせん断接着強度について考察している。報告されている市販の材料には接着強度が低いものもあるが、暫間合着剤としてこれらの材料を使用することは示唆されていない。
L.C.ブリーディング(Breeding)、D.L.ディクソン(Dixon)、M.T.ボガッキィ(Bogacki)およびJ.D.ティートゲ(Tietge)著、“インプラント系に対する合着剤の使用(Use of Luting Agents with an implant System):第I部”、ザ ジャーナル オブ プロステティック デンティストリ(The Journal of Prosthetic Dentistry)、1992年、68巻、5号、737〜741ページは、インプラント支台をインプラント固定具に接着するための永久的な合着剤としてのガラスイオノマーセメントの用途について報告している。ガラスイオノマーではない3種の一時的セメントは、独立に使用されて、インプラント支台および天然歯肉に鋳造冠を暫間的に接着する。
ペンシルバニア州フィラデルフィア、PC、国際歯科シンポジウム(International Symposium in Dentistry)によって発行された第2回ガラスイオノマー国際シンポジウム(International Symposium on Glass Ionomaer)(1994年6月にペンシルバニア州フィラデルフィアで開催された)の予稿集の228ページの次世代のガラスイオノマー(Glass Ionomaer:The Next Generation)(ピーターR.フント(Peter R.Hunt)編)中の、リーブファンゼグロエック(Lieve Van Zeghbroeck)著、“セメント:ガラスイオノマー合着セメントの臨床使用(Cements:Clinical Use of Glass Ionomer Luting Cements)”は、一定期間修復を維持するが、“指令による”修復の除去を可能にするセメントの必要性について考察している。しかしながら、この参考文献は、このような材料がどのように調合されるか、またこのような材料が理論的に示す物理特性に関しては全く示していない。
発明の開示
本発明は、暫間義歯装置を歯体に合着する方法であって、
(a)ガラスイオノマーセメントが
(i)水混和酸性ポリマーと、
(ii)細分割された酸反応性フィラーと、
(iii)該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するように十分な接着剤低下成分とを含み、該暫間装置または該歯体の少なくとも一部に該ガラスイオノマーを塗布するステップと、
(b)該暫間装置を該歯体に配置して、接着するステップと、
(c)該暫間装置を除去するステップと、
(d)永久的な義歯装置を該歯体に接着するステップと
を含む方法を提供する。
本発明はまた、義歯装置を歯体に合着するためのキットであって、
(a)水混和酸性ポリマーと、
(b)細分割された酸反応性フィラーからなる第1の調合物と、
(c)細分割された酸反応性フィラーからなる第2の調合物と
を含み、(a)と(b)とを混合することによって形成される暫間合着セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有し、(a)と(c)とを混合することによって形成される永久的合着セメントが2.0MPaより大きいキットを提供する。
別のキット構成物は、
(a)水混和酸性ポリマーからなる第1の調合物と、
(b)水混和酸性ポリマーからなる第2の調合物と、
(c)細分割された酸反応性フィラーと
を含み、(a)と(c)とを混合することによって形成される暫間合着セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有し、(a)と(c)とを混合することによって形成される永久的な合着セメントが2.0MPaより大きい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有する。
詳細な説明
出願人は、本願明細書に記載され、セメントが低接着性合着セメントとして有利に使用され得る塊状せん断接着特性を示すガラスイオノマーセメントを使用して、暫間義歯装置を歯体に合着する方法を発見した。特に、ガラスイオノマー合着セメント系は、2.0MPaより小さい、好ましくは1.0MPaより小さい、さらに好ましくは0.5MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を示す。これらの合着セメントは、暫間義歯装置を接着するための合着剤としての用途に特に結うようである。“暫間”によって、永久的な間歯体の全てまたは一部と交換する目的の装置の短時間の代用物である装置が意味される。これらの暫間(すなわち、一時的な)装置は数日程度の短い期間から、1年以上の長い期間の間口腔内の正常位置に配置される。
本願明細書にて使用される“合着セメント”という用語は、口腔内の正常位置に義歯装置を固定または支持するために使用される組成物をいう。合着セメントは、義歯、すなわちクラウン、ブリッジ、インレー、アンレーまたは被覆冠を歯に接着するために使用される組成物である。これは、修復の主要歯交換部分を含む歯充填材料と同様の組成物の用途とは異なる。
暫間義歯装置は一般に、形成歯に厳密に一致する自家製品または、形成歯に一致するように患者の側で調整される事前加工シェルのどちらかである。これらの暫間装置の組成物には、スズ−銀合金または陽極酸化されたアルミニウムなどの金属、ポリカーボネート、アクリル、従来の暫間クラウンおよびブリッジ材料または従来の歯科用樹脂が挙げられるがこれらに制限されない。装置はアクリル材料または樹脂材料で内張りされてもよいし、されなくてもよい。一般に、自家製品の場合には、暫間セメントだけが使用されて、装置を歯に接着する。一方、事前加工シェルは、一般に、シェルと歯との間の実質的な空間を充填するように内張りされることが多い。内張りを施すことによって、摩耗耐性強度が得られ、辺縁部の適応性が良好となる。事前加工シェルは、本発明の暫間合着セメントで正常位置に接着される前にアクリル材料または樹脂材料で内張りされてもよいし、暫間合着セメントを充填してから、歯体に配置されてもよい。後者の場合には、暫間セメントは、内張り剤およびセメントの両者として働く。
上記の低接着性ガラスイオノマー合着セメントは、装置が水噴霧で配置されるとき、義歯装置から滲出される過剰のセメントを容易に除去することを考慮している。また、歯科医師が暫間義歯装置を永久的な装置と交換することが適当であると思うときに、暫間義歯装置を容易に除去することも考慮している。ガラスイオノマーセメントの有用なフッ化物剥離特性は、暫間義歯が正常位置に配置されている期間中抗う蝕保護作用を提供する。フッ化物剥離暫間合着セメントの他の利点には、無刺激および象牙質の知覚鈍麻が挙げられる。
合着セメントは、上に位置する義歯装置の支台として働くので、ガラスイオノマー暫間合着セメントの塊状せん断接着性の低さに加えて、強度が重要である。強度は圧縮強度(compressive strength(“CS”))および直径方向引張り強度(diametral tensile strength(“DTS”))として測定され得る。市販の一時的なセメントと比較して、本発明の合着セメント系は、高CSおよび高DTS、並びに全ての暫間義歯装置および全ての従来の永久的な合着セメントとの適合性を示す。内張りが施されていない義歯を利用する場合には、高強度が特に重要である。
本発明の暫間合着セメントは、単一調合物で提供されてもよく、または複数部調合物で提供されてもよい。例えば、本発明の暫間合着セメントは、粉末:液体、ペースト:ペーストおよびペースト:液体などの2部調合物として提供されてもよい。しかしながら、所望の場合には、調合物は3種以上の部で提供されてもよい。従来、これらの種類の材料は、イオン性ポリマーが水溶液品で提供され、反応性ガラスが粉末として提供される2部系として販売されている。
本発明の暫間合着セメントは、多数の構成物のキットとして有利に提供され得る。ガラスイオノマー合着セメント組成物からなる3種以上の容器を備えるキットが提供されてもよい。例えば、キットは、単一の液体と混合するための2種の粉末調合物を備えてもよく、また単一の粉末と混合するための2種の液体調合物を備えてもよい。前者に関しては、歯科医師は液体と粉末の一方を混合して、暫間義歯装置に使用するための低接着性合着セメントを得ることができるだろうし、暫間義歯装置の除去後には、同じ液体を他方の粉末と混合することによって、永久的な義歯装置に使用するための高接着性合着セメントが提供されるだろう。また、第1および第2の調合物は水と混合するための粉末として提供されるだろう。
別の有用なキット構成物には、粉末の第1容器、液体の第2の容器および接着性低下成分(類)の第3の容器が備えられてもよい。この場合には、歯科医師は粉末と、液体と、接着性低下成分とを混合して、暫間合着セメントを形成すればよい。暫間義歯装置の除去後には、粉末と液体とを混合して、永久的な合着セメントが提供されるだろう。このように、単一のキットの場合には、歯科医師は、どの成分が混合されるかに応じて暫間合着セメントまたは永久的な合着セメントのどちらかを形成することができるだろう。所与のキット成分を混合することによって、暫間合着セメントおよび永久的な合着セメントの両方を提供するいかなるキット構成物も、系の単純化だけでなく、暫間セメントおよび永久的なセメントが共に可能になる系を提供する。上記以外の専用なキット構成物は当業者にあきらかになるだろう。
混乱を避け、歯科医師が上記のように構成されたキットの成分を容易に識別できるように、着色剤(すなわち、顔料または染料)がキット成分の1種以上に添加されるだろう。例えば、より審美的な合着セメントを提供するために、このような着色剤は、硬化の結果、またはpHの変化によって色の変化を示してもよい。
本願明細書にて使用される“イオノマー”という用語は、十分な懸垂イオン基を有し、反応性フィラーと水との存在化で硬化反応を受けるポリマーをいう。イオノマーはまた、結果として得られる混合物が非イオン性硬化反応を介して重合され得る、例えば酸化還元反応を介して、または放射エネルギーに露光する結果硬化され得る十分な懸垂重合可能基を有するモノマー、ポリマー、もしくはオリゴマーまたはその混合物を含有する組成物を含む。
本願明細書にて使用される“水混和”という用語は、水または(別の)他の成分(類)と組み合わせられた水に少なくとも部分的に溶解するポリマーをいう。他の成分(類)は、例えば、助溶剤および/または界面活性剤を含んでもよい。本願明細書にて使用される“水溶性”という用語は、水単独に溶解するポリマーをいう。
本願明細書にて使用される“反応性フィラー”という用語は、水の存在化でイオノマーと反応して、ハイドロゲルを形成することが可能な金属酸化物もしくは鉱物ケイ酸塩またはイオン浸出性ガラスをいう。
本願明細書にて使用される“無反応性フィラー”という用語は、水の存在化でイオノマーと反応しないで、ハイドロゲルを形成するフィラー材料をいう。
本願明細書で使用される“イオノマーセメント系”という用語は、イオノマー、反応性フィラーおよび水などの他の任意の成分の混じらない組み合わせ、混じるが硬化されない組み合わせおよび硬化されない組み合わせをいう。
本願明細書にて使用される“作業時間”という用語は、硬化反応の開始時、すなわち、イオノマーと反応性フィラーとが水の存在下で組み合わされるときから、意図された歯科または医療目的のために系にさらに物理的な作業、例えばへらによる操作または変形が実施されない時点まで硬化反応が進行したときまでの時間をいう。
本願明細書にて使用される“硬化時間”という用語は、セメント中で硬化反応が開始する時点から、十分に硬化して引き続く臨床主義を実施しうるときまでの時間をいう。このような硬化反応は、イオン硬化反応および/または非イオン硬化反応によって生じうる。
好適な水混和酸性ポリマーには、不飽和モノ−、ジ−およびトリ−カルボン酸のホモ−またはコポリマー、特にアクリル酸、イタコン酸およびマレイン酸のホモ−およびコポリマーが挙げられるがこれらに制限されない。
本発明の好ましいイオノマーは、反応性フィラーと水との存在下で硬化反応をうける十分な懸垂イオン基と、結果として得られる混合物が酸化還元硬化機序および/または放射エネルギーへの露光によって硬化され得る十分な懸垂非イオン重合性基とを含む。
好ましいイオノマーは一般式I:
B(X)m(Y)n
(式中、
Bは有機骨格であり、
各Xは、独立に、水と反応性フィラーとの存在下で硬化反応を受けることが可能なイオン基であり、
各Yは、独立に、非イオン重合性基であり、
mは、平均値が2以上の数であり、
nは平均値が1以上の数である)
を有する。
好ましい骨格Bは、酸素、窒素または硫黄ヘテロ原子などの無妨害性置換基を任意に含有する、炭素−炭素結合からなるオリゴマーまたはポリマー骨格である。本願明細書にて使用される“無妨害性”という用語は、イオン重合反応および非イオン重合反応を不用意に妨害しない置換基または結合基をいう。
好ましいX基は酸性基で、カルボキシル基が特に好ましい。
好適なY基には、重合可能なエチレン系不飽和基および重合可能なエポキシ基が挙げられるが、これらに制限されない。エチレン系不飽和基が好ましく、フリーラジカル機序または酸化還元機序によって重合され得る基、例えば、置換および未置換アクリレート、メタクリレート、アルケンおよびアクリルアミドが特に好ましい。水性系においては、フリーラジカル機序が典型的にカチオン機序より容易に採用されるので、カチオン機序によって重合される重合可能基、例えばビニルエーテル基および重合可能なエポキシ基などの重合可能なエチレン系不飽和基は好ましくない。
X基とY基とは直接、または置換または未置換アルキル基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシアルキル基、アルコキシアリール基、アラルキル基またはアルカリール基などのいかなる無妨害性有機結合基によっても骨格Bに結合され得る。
式Iのイオノマーは、(1)n懸垂Y基を形成するために、式B(X)m+nのX基と好適な化合物を反応させる、(2)n懸垂Y基を形成するために、X基以外の位置において式B(X)mのポリマーと好適な化合物を反応させる、(3)m懸垂X基を形成するために、Y基を介してまたは他の位置において、式B(Y)m+nまたはB(Y)nのポリマーを好適な化合物と反応させる、(4)適当なモノマー、例えば1種以上の懸垂X基を含有するモノマーおよび1種以上の懸垂Y基を含有するモノマーを共重合させる、を含むがこれらに制限されない種々の合成経路によって調製され得る。
上記の第1の合成経路、すなわち式B(X)m+nのポリマーのnX基を反応させて、n懸垂Y基を形成する、が好ましい。このような基は“カップリング化合物”、すなわちY基と、カップリング化合物とX基との間に共有結合を形成するためにX基を介してポリマーと反応し、それによってY基を骨格Bに結合することが可能な反応性基とを含有する化合物を使用することによって反応させることが可能である。好適なカップリング化合物は有機化合物で、任意にY基と反応性基との間に無妨害性置換基および/または無妨害性結合基を含有する。
式Iの特に好ましいイオノマーは、各Xがカルボキシル基で、各Yがフリーラジカル機序または酸化還元機序によって重合され得るエチレン系不飽和基であるイオノマーである。このようなイオノマーは従来ポリアルケン酸(例えば、式B(X)m+n(式中、各Xはカルボキシル基である)のポリマー)とエチレン系不飽和基とカルボン酸基と反応することが可能な基とを共に含有するカップリング化合物とを反応させることによって調製される。結果として得られるイオノマーの分子量は好ましくは、約250乃至500,000で、さらに好ましくは約1,000乃至約100,000である。本願明細書にて使用される“分子量”は、重量平均分子量を意味する。これらのイオノマーは、一般に、水溶性であるが、イオノマーが誘導されるポリアルケン酸ほどに水溶性ではない。従って、以下にさらに詳細に記載されるように、イオノマーの溶解性を増し、さらに濃度の濃いイオノマー溶液を得るために、助溶剤を使用することが好ましい。
本発明のイオノマーを調製する際に使用するための好適なポリアルケン酸には、ガラスイオノマーセメントを調製するために普通に使用される不飽和モノ−、ジ−またはトリカルボン酸のホモポリマーおよびコポリマーが挙げられる。例えば、代表的なポリアルケン酸は、米国特許第3,655,605号、同第4,016,124号、同第4,089,830号、同第4,143,018号、同4,342,677号、同第4,360,605号および同第4,376,835号明細書に記載されている。
好ましいポリアルケン酸は、不飽和脂肪族カルボン酸、例えばアクリル酸、2−クロロアクリル酸、3−クロロアクリル酸、2−ブロモアクリル酸、3−ブロモアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クルタコン酸、アコニチン酸、シトラコン酸、メサコン酸、フマル酸およびチグリン酸のホモ重合反応および共重合反応によって調製されるものである。不飽和脂肪族カルボン酸と共重合され得る好適なモノマーには、アクリルアミド、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化アリル、ビニルアセテートおよび2−ヒドロキシエチルメタクリレート(“HEMA”)などの不飽和脂肪族化合物が挙げられる。所望される場合には、三元ポリマーおよび高元ポリマーが使用されてもよい。アクリル酸のホモポリマーおよびコポリマーが特に好ましい。ポリアルケン酸は外科的に許容されるべきであり、すなわちポリアルケン酸は重合しないモノマーおよび他の好ましくない成分を実質的に含有するべきではない。
特に好ましいポリアルケン酸はまた、ポリアクリル酸のホモポリマーおよびアクリル酸とイタコン酸のコポリマー、アクリル酸とマレイン酸のコポリマー、メチルビニルエーテルとマレイン酸無水物またはマレイン酸のコポリマー、エチレンとマレイン酸無水物またはマレイン酸のコポリマーおよびスチレンとマレイン酸無水物またはマレイン酸とのコポリマーが挙げられる。
式B(X)m+nのポリマーは、モノマーおよび/またはコモノマー適当な混合物を共重合することによって調製され得る。好ましくは、このようなポリマーはフリーラジカル重合によって、例えば、溶液中で、乳濁液中で、または界面的に調製される。このようなポリマーは適当な触媒の存在下でカップリング化合物と反応され得る。
本発明の好ましいイオノマーを調製するための用途に好適なカップリング化合物には、共有結合を形成するためにXと反応することが可能な少なくとも1個の基と、少なくとも1個の重合可能なエチレン系不飽和基とを含む化合物が挙げられる。Xがカルボキシル基であるとき、求電子基および求核基を共に含む多数の基がXと反応可能である。このような基の例には、以下の部分およびこれらの部分を含有する基が挙げられる:−OH、−NH2、−NCO、−COClおよび
Figure 0004002996
好適なカップリング化合物の例には、塩化アクリロイル、塩化メタクリロイル、ビニルアザラクトン、アリルイソシアネート、HEMA、2−アミノエチルメタクリレートおよび2−イソシアネートエチルメタクリレートが挙げられるがこれらに制限されない。好適なカップリング化合物の他の例には、米国特許第4,035,321号明細書に記載され、その開示内容が参考文献として本願明細書に組み入れられているものが挙げられる。好ましいカップリング化合物の例には、以下のメタクリレート化合物およびその対応するアクリレートが挙げられるが、これらに制限されない。
Figure 0004002996
Figure 0004002996
(式中、pは1乃至20で、R、R1およびR2はHまたは低級アルキル基(例えば、炭素数1乃至6)である)、並びに以下のアリルおよびビニル化合物。
Figure 0004002996
特に好ましいカップリング化合物は、以下のメタクリレート化合物およびその対応するアクリレートであり、式中、Rは上記のように規定される。
Figure 0004002996
(式中、qは1乃至18で、R1およびR2は上記のように規定される)
Figure 0004002996
(式中qは上記のように規定される)
Figure 0004002996
式Iの好ましいイオノマーは、式B(X)m+n(式中、XはCOOH)のポリマーと式NCOからなる反応性基を含有するカップリング化合物とを反応させることによって調製される。結果として得られるイオノマーは、例えば、X基とカップリング化合物の反応性基との間の共有結合がアミド結合である上記式Iのイオノマーである。これらのイオノマーによって、象牙質への接着性、機械的な強度、作業時間、フッ化物剥離等などの特性を任意に組み合わせることができる。
本発明のセメント系に対する用途に好適な反応性フィラーには、イオノマーセメントを形成するために普通にイオノマーセメントと使用されるフィラーが挙げられる。好適な反応性フィラーの例には、例えば、米国特許第3,655,605号、同第3,814,717号、同第4,143,018号、同第4,209,434号、同第4,360,605号および同第4,376,835号明細書に記載されているような酸化亜鉛および酸化マグネシウムなどの金属酸化物およびイオン浸出性ガラスが挙げられる。
反応性フィラーは好ましくは際分割された反応性フィラーである。フィラーは、合着セメントとしての用途のために、他の成分と便利よく混合されることが可能で、ISO基準3107に準拠して約25マイクロメーターより薄いフィルム状の厚さとなることが可能となるように、十分に細かく分割されるべきである。フィラーの好ましい平均粒子系は、例えば沈降分析器で測定されたとき、約0.2乃至約15マイクロメーターで、さらに好ましくは約1乃至10マイクロメーターである。一般に、平均粒子の大きさが大きい反応性フィラーを使用すると、接着性の低い合着セメントが得られる。
好ましい反応性フィラーは酸反応性である。好適な酸反応性フィラーには、金属酸化物、金属塩およびガラスが挙げられる。好ましい金属酸化物には、酸化バリウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムおよび酸化亜鉛が挙げられる。好ましい金属塩には、多価カチオン塩、例えばアルミニウムアセテート、塩化アルミニウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硝酸アルミニウム、硝酸バリウム、硝酸カルシウム、硝酸マグネシウム、硝酸ストロンチウムおよびフルオロホウ酸カルシウムが挙げられる。好ましいガラスには、ホウ酸ガラス、リン酸ガラスおよびフルオロアルミノシリケートガラスが挙げられる。フルオロアルミノシリケートガラスが特に好ましい。好適な反応性フィラーは、当業者に周知の種々の市販品からも購入できる。例えば、好適なフィラーは、“GCフジ(Fuji)LC”セメントおよび“カール(Kerr)XR”イオノマーセメントなどの多数の市販のガラスイオノマーセメントから入手され得る。所望の場合には、フィラーの混合物が使用され得る。
所望の場合には、反応性フィラーに表面処理を施すことが可能である。好適な表面処理には、酸洗浄、リン酸塩による処理、酒石酸などのキレート剤による処理、シランまたはシラノールカップリング剤による処理が挙げられる。特に好ましい反応性フィラーは、米国特許第5,332,429号明細書に記載され、その開示内容が参考として本願明細書中に組み入れられているシラノール処理フルオロアルミノシリケートガラスフィラーである。
反応性フィラーの量は、硬化前には所望の混合性および取り扱い性を有し、硬化後には良好な接着特性を有するセメントを提供するのに十分な量とするべきである。好ましくは、反応性フィラーは、未硬化セメント成分の総重量(水を含む)の約90重量%未満で、さらに好ましくは約25重量%乃至約85重量%で、極めて好ましくは約50重量%乃至約80重量%を占める。
無反応性フィラーは、歯科修復用組成物等に現在使用されているフィラーなどの、医療用用途に使用される組成物に添加するために好適な1種以上のいかなる材料からも選択され得る。フィラーは際分割され、ISO基準3107に準拠して、約25マイクロメーターより薄いフィルム状の厚さを有する合着セメントを提供するために、最大粒子系は15マイクロメーター未満である。好ましくは、フィラーは最大粒子系が約50マイクロメーター未満で、平均粒子系が約10マイクロメーターである。フィラーは、粒子の大きさ分布が単峰性であっても、多峰性(例えば、二峰性)であってもよい。フィラーは無機材料であてもよい。フィラーはまた、重合可能な樹脂に不溶性で、任意に無機フィラーが充填される架橋有機材料であってもよい。フィラーは、いかなる事象においても、無毒性で、口腔内への用途に好適であるべきである。フィラーは、放射線不透過であっても、放射線透過性であっても、または放射線不透過でなくてもよい。
好適な無反応性無期フィラーの例には、石英、窒化物(例えば、窒化シリコン)、例えばCe、Sb、Sn、Zr、Sr、BaおよびAlから誘導されるガラス、コロイド状シリカ、長石、ホウケイ酸ガラス、カオリン、タルク、二酸化チタンおよび亜鉛ガラス;米国特許第4,695,251号明細書に記載されているような低モース(Mohs)硬度フィラー;および極微粒子シリカ粒子(例えば、デグッサ(Degussa)製の“エアロジル(Aerosil)”シリーズ“OX−50”、“130“、”150”および“200”およびキャボット社(Cabot Corp.)社製“Cab−O−SilM5”などのシリカ化成シリカ);米国特許第5,084,491号明細書に開示されているもの、特にカラム2,52〜65行に開示されているものなどの金属粉末である。好適な無反応性有機フィラー粒子の例には、充填または未充填粉状化ポリカーボネート、ポリエポキシド等が挙げられる。好ましい無反応性フィラー粒子は、石英、極微粒子シリカおよび米国特許第4,503,169号明細書に記載されている種類の非ガラス状微粒子である。これらの無反応性フィラーの混合物、並びに有機材料および無機材料から製造される組み合わせのフィラーも考慮される。
好ましくは、フィラーと重合可能樹脂との接着性を増すために、無反応性フィラー粒子の表面はカップリング剤処理される。好適なカップリング剤の用途には、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の低塊状せん断接着性イオノマーセメントはまた、1種以上の接着性低下成分を含有する。接着性低下成分は、2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有する暫間合着セメントを提供するための十分な量が含有されるいかなる数の成分であってもよい。接着性低下成分には、ポリアルケン酸を部分的に中和する塩または塩基、セメント系において酸反応性種の割合を低下するための酸無反応性種およびポリアルケン酸の一部または全てと低分子量のポリアルケン酸との置換が挙げられるが、これらに制限されない。接着性低下成分は、セメントの複数部調合物の1種以上に添加されてもよく、硬化後の合着セメントが意図された目的のために所望される範囲の塊状せん断接着性を有するような量が添加されてもよい。上記接着性低下成分の混合物が利用されてもよい。
セメント系のポリアルケン酸を部分的に中和するために使用され得る好適な塩または塩基には、一般に、塩の共役酸のpKaがポリアルケン酸のpKaより大きい塩または塩基が挙げられる。好ましい塩はクエン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸一アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、酸化マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム水和物または無水和物およびリン酸カリウム水和物または無水和物である。典型的には、塩または塩基は、セメント組成物の総重量に対して、約0.001乃至約10重量%、好ましくは約0.5乃至約5重量%が含有される。
好適な酸無反応性種には、上記の無反応フィラーのいかなるものまたは全ての単独または組み合わせたものが挙げられる。好適な酸無反応性種には、酒石酸などのキレート剤も挙げられる。ペーストまたは液体調合物に対して添加するために、好適な酸無反応性種は、水、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセテートおよび酸無反応性モノマー、ポリマーおよびオリゴマー、例えばポリエチレングリコールジメタクリレート、グリセロールジメタクリレート、ビスフェノールAジグリシジルメタクリレート(“Bis−GMA“)、トリエチレングリコールジメタクリレート(”TEGDMA“)、HEMA、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ウレタンジメタクリレートおよび従来の歯科材料に添加するための好適な樹脂のいかなるものをさらに含む。好ましい酸無反応性種は、ジルコニア:シリカ微粒子、極微粒子シリカ、水、グリセロール、ポリエチレングリコールジメタクリレート、TEGDMAおよびHEMAである。典型的には、酸無反応性種は、セメント組成物の総重量に対して約1乃至約95重量%、好ましくは約10乃至80重量%が含有される。
ポリアルケン酸の一部または全てと低分子量のポリアルケン酸との置換を利用して、塊状せん断接着性が小さい暫間合着セメントを提供してもよい。例えば、多重酸、例えば分子量2,000のポリアクリル酸が分子量25,000乃至40,000の多重酸の代わりに使用されてもよい。好ましい市販の多重酸には、アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.,Inc.)製の分子量が2,000、5,000、90,000および250,000の多重酸および“グッドライト(GOODRITE)”の商品名(オハイオ州クリーブランド、BFグッドリッチ社(BF Goodrich Co.)ポリマー&化学薬品部門(Specialty Polymers&Chemicals Division))で、2,000乃至240,000の範囲の分子量が購入できるポリアクリル酸がある。低分子量多重酸は一般に固形物含量が低い。このような低分子量多重酸を添加してペーストを調合することを所望するときには、好ましくないゲル化を生じることなく多重酸を濃縮して、市販の高分子量多重酸と同等またはそれより高い固形物含量を得てもよい。典型的には、低分子量のポリアルケン酸は、セメント組成物の総重量に対して約2乃至40重量%、好ましくは約3乃至20重量%が含有される。
本発明の低塊状せん断接着性合着セメントは、下塗り剤と共に使用されてもよいし、下塗り剤なしで使用されてもよい。下塗り剤は、暫間義歯を接着する前に歯体に塗布されて、合着セメントと歯体との接着性を低下または増大することができる。例えば、暫間合着セメントが1乃至2MPaの範囲の塊状せん断接着性を有する場合、または歯科医師が義歯装置をほんの数日正常位置に維持することを意図している場合には、本発明の暫間合着セメントを用いて暫間義歯装置を配置する前に、接着性低下下塗り剤が歯体に塗布されてもよい。一方、合着セメントが約0.5MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有する場合、または歯科医師が典型的な1乃至3週間より長い期間の間義歯装置を正常位置に配置したままにしておくことを意図している場合には、本発明の暫間合着セメントを用いて暫間義歯装置を配置する前に、接着性増大下塗り剤を歯体に塗布してもよい。
好適な接着性低下下塗り剤には、ペトロラタム、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリビニルアセテート、シリコン、油、界面活性剤を単独で使用する、または好適な溶剤、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、上記の無反応性フィラーのいかなるものの細粒子からなるスラリーおよび上記の塩または塩基のいかなるものの溶液に溶解または懸濁させたものが挙げられるがこれらに制限されない。好ましい接着性低下下塗り剤は、ペトロラタム、グリセロール、ジルコニア:シリカ微粒子の細粒子からなるスラリー、アルミナまたは二酸化チタンおよび上記の塩または塩基の溶液、例えばリン酸ナトリウム水溶液である。
好適な接着性増大下塗り剤には酸性溶液が挙げられる。さらに好ましくは、接着性増大下塗り剤は、親水性樹脂も含有する酸性溶液である。さらに好ましくは、接着性増大下塗り剤は、親水性樹脂とエチレン系不飽和を有する成分とを含む酸性溶液である。極めて好ましくは、接着性増大下塗り剤は、酸性官能基とエチレン系不飽和とを共に有する成分を含む。市販の下塗り剤の例には、3MTMScotchbondTM多目的歯科用接着剤系(3M社製)および3MTMVitremerTM支台築造/修復用ガラスイオノマー系(3M社製)が挙げられる。
イオン性硬化反応に加えて、イオノマーセメント系は架橋反応を開始する他の方法を組み込んでもよい。架橋反応を開始するための好ましい追加の方法は、歯科用組成物が酸化還元反応を介して硬化することを可能にするための酸化剤と還元剤との添加である。種々の酸化還元系およびイオノマーセメントに対する酸化還元系の使用は、米国特許第5,154,762号明細書に記載されており、その開示内容は本願明細書に参考として記載されている。金属複合アスコルビン酸は好ましい還元剤で、色安定性が優れた硬化を提供する。この系は米国特許出願番号第08/202,931号明細書に詳細に記載されており、その開示内容は本願明細書に参考として記載されている。
酸化剤は還元剤と反応して、または共同して、エチレン系不飽和部分の重合を開始させることが可能なフリーラジカルを発生する。
還元剤および酸化剤の各々の好ましい量は、未硬化成分の総重量(水を含む)に対して、約0.01乃至約10%で、さらに好ましくは約0.02%乃至約5%である。
酸化剤および火難現在は好ましくは、典型的な歯科条件下での貯蔵および使用が可能であるように、貯蔵安定性が十分で、好ましくない着色が生じない。酸化剤および還元剤は好ましくは、また、十分に可溶性で、十分なフリーラジカル反応速度が得られるような十分な量が含有されるべきである。安全光下でセメントのフィラーを除いた成分の全てを組み合わせて、固まったものができるかどうかを観察することによって、これは観察され得る。
好適な酸化剤には、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムおよび過硫酸アルキルアンモニウムなどの過硫酸塩、過酸化ベンゾイル、クメンヒドロペルオキシド、第三級ブチルヒドロペルオキシド、第三級アミルヒドロペルオキシドおよび2,5−ジヒドロペルオキシ−2,5−ジメチルヘキサンなどのヒドロペルオキシド、コバルト(III)塩および鉄(III)塩、ヒドロキシルアミン、過ホウ酸およびその塩、過マンガン酸アニオンおよびその組み合わせたものが挙げられる。過酸化水素も使用され得るが、過酸化水素が含有される場合、過酸化水素が光硬化開始を妨害する場合がある。酸化剤は、任意には、米国特許第5,154,762号明細書に記載されるように、被包化形状で提供されてもよい。
好ましい還元剤には、アスコルビン酸、金属複合酸、塩化コバルト(II)、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン、シュウ酸、チオ尿素およびジチオニト塩、チオ硫酸塩、亜硫酸ベンゼンまたは亜硫酸アニオンが挙げられる。
金属複合アスコルビン酸は特に好ましい還元剤である。金属複合アスコルビン酸は、色安定性があり、アスコルビン酸の触媒能が維持された歯科用組成物を提供する。アスコルビン酸と安定な複合体を形成することが可能ないかなる金属イオンを使用してもよい。好ましい金属には、遷移金属およびIA族、IIA族およびIIIB族の金属が挙げられる。特に好ましい複合体形成金属はジルコニウムおよびアルミニウムで、アルミニウムが極めて好ましい。所望の金属複合アスコルビン酸は好ましくは、好適な金属アルコキシドまたは金属塩を使用して調製される。
本発明のイオノマーセメント系は任意には、熱または光によって活性化するとき、フリーラジカル発生源として作用する1種以上の好適な開始剤を含有してもよい。このような開始剤は、単独で、または1種以上の促進剤および/または増光剤と組み合わせて使用されてもよい。
開始剤は、好適な波長および強度の光に露光してエチレン系不飽和部分のフリーラジカル架橋反応を促進することが可能であるはずである。開始剤はまた、典型的な歯科条件下での貯蔵および使用が可能であるように、好ましくは貯蔵安定性が十分で、好ましくない着色を生じない。可視光線光開始剤が好ましい。光開始剤は好ましくは水溶性または水混和性である。極性基を形成する光開始剤は通常水溶性度または水混和度が十分である。光開始剤は単独で使用されることが多いが、典型的には、光開始剤は好適な供与体化合物または好適な加速剤(例えば、アミン、ペルオキシド、リン酸化合物、ケトンおよびα−ジケトン化合物)と組み合わせて使用される。
好ましい可視光線に誘発される開始剤には、カンファーキノン(典型的には、アミンなどの好適な水素供与体と組み合わせられる)、ジアリールヨードニウム、トリアリールスルホニウムおよびアリールジアゾニウム単純塩または金属複合塩、発色団置換ハロメチル−s−トリアジンおよびハロメチルオキサジアゾールが挙げられる。特に好ましい可視光線に誘発される光開始剤には、α−ジケトン、例えばカンファーキノンおよびジアリールヨードニウム塩、例えばジフェニルヨードニウム塩化物、臭化物、ヨウ化物またはヘキサフルオロリン酸塩が挙げられ、追加の水素供与体(亜硫酸ベンゼンナトリウム、アミンおよびアミンアルコールなどの)と共に使用してもよいし、共に使用しなくてもよい。
紫外線に誘発される好ましい重合開始剤には、ベンジルおよびベンゾイン等のケトンおよびアシロインおよびアシロインエーテルが挙げられる。紫外線に誘発される市販の好ましい重合開始剤には、チバガイギー社(Ciba−Geigy Corp.)製の2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン(“IRGACURE651”)およびベンゾインメチルエーテル(2−メトキシ−2−フェニルアセトフェノン)が挙げられる。
利用時には、光開始剤は所望の重合速度が得られるように十分な量が含有されるべきである。この量は、一部には、光源、放射エネルギーに露光される層の厚さおよび光開始剤の吸光係数に依存する。典型的には、光開始剤成分は、組成物の総重量に対して、約0.01乃至約5%、さらに好ましくは約0.1%乃至約5%の総重量が含有される。
改質剤、助溶剤および安定剤などの任意の他の成分は、イオン性硬化反応または非イオン性硬化反応を時期尚早的に開始しないいかなる時点においておよびいかなる方法によって添加されてもよい。
作業時間を延長するために、改質剤が本発明のイオノマーセメント系に対して使用されてもよい。本発明のセメント系に有用な改質剤は、例えば、アルカノールアミン、例えばエタノールアミンおよびトリエタノールアミンおよびリン酸水素一、二および三である。改質剤は、好ましくは、反応性フィラーの重量に対して、約0.1乃至約10重量%で、好ましくは約0.5乃至5重量%の間で使用される。
本発明に有用な助溶剤には、低分子量有機溶剤が挙げられるがこれらに制限されない。本願明細書にて使用される“助溶剤”という用語は、助溶剤とイオノマーとの均質な水溶液を形成するために、水に対するイオノマーの溶解を助ける材料をいう。好適な助溶剤には、共重合しない有機溶剤および共重合可能な低分子量親水性アルケン溶剤が挙げられる。本願明細書にて使用される“共重合可能な”という用語は、助溶剤が本発明に使用されるイオノマーと共に硬化する能力をいう。種々の理由のために、例えば本質的に水に対する溶解度が低い光硬化可能なイオノマーの均質な溶液を提供するため、系を硬化するために必要な放射エネルギーの露光を短縮するため、または結果として生じる硬化後のイオノマーセメントの物理特性、例えば化撓性を帰るために、本発明のイオノマーセメント系に重合可能な助溶剤を添加してもよい。好適な助溶剤の例には、エタノール、プロパノールおよびグリセロールなどの共重合しない助溶剤、HEMAまたは2−ヒドロキシプロピルメタクリレートなどの共重合可能な助溶剤が挙げられる。
本発明の組成物には安定剤が添加されてもよく、ペースト調合物には特に所望される。シュウ酸および異性重亜硫酸ナトリウムが好ましい安定剤である。
所望される場合には、本発明のセメントは顔料、開始剤、加速剤、粘性改質剤、薬剤、フッ化物源および当業者にあきらかな他の成分などの補助剤を含有してもよい。
本発明の低接着性合着セメントを形成するために、ガラスイオノマーセメント系の成分は、種々の方法および分量で組み合わされる、例えば配合または混合されてもよい。好適な組み合わせ方法には、イオノマーセメント系を混合するために普通に使用される方法が挙げられる。粉末:液体またはペースト:液体系にはへらによる混合が好ましいが、ペースト:ペースト系は、2種のペーストを確実に十分に混合させるために静的な混合要素を使用した複数円筒状注射筒分注法を使用した分注に向いている。このような方法は米国特許係属出願番号第08/202,390号および08/394,724号に記載され、この開示内容は本願明細書に参考として記載されている。
所望の作業時間を得るためには、本発明のセメント系の各成分は十分量が使用されるべきである。好ましくは、このような系は少なくとも約1分、さらに好ましくは2分より長い作業時間を提供し、この間に系は適当な光源の放射エネルギーに露光して硬化され得る。簡潔にするために、本考察は歯科用途、特に正常位置、例えば患者の口腔内におけるこのような系の硬化に焦点を絞る。
イオノマーセメント系の硬化は、任意には、光硬化可能なイオノマーを所望な程度に重合させられるいかなる光源の放射エネルギーに露光することによって達成されてもよい。好適な放射エネルギー源は、安全性、制御性、好適な強度および好適な入射エネルギー分布などの特性の所望の組み合わせを可能にする。一般には、“放射線硬化(Radiation Curing)カーク−オトマー エンサイクロペディア オブ ケミカル テクノロジー(Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology)第3版、19巻、607〜624ページ(1982)参照。好ましい放射エネルギー源は、照射スペクトルがイオノマーセメント系に含有される重合開始剤の吸収範囲と厳密に一致する紫外線または可視光線である。例えば、約335乃至385nmの間の波長の紫外線を放射する光源および約420nm乃至480nmの間の波長の青色領域の可視光線を放射する光源が、それぞれ好ましい紫外線誘発重合開始剤および可視光線誘発重合開始剤とともに使用されるために好ましい。口腔内でセメント系を重合させるためには、標準的な歯科用硬化光線によって提供されるものなどの可視光線放射が特に好ましい。
本発明のイオノマーセメント系を適当な光源の放射エネルギーに露光する結果、例えば約45秒以内に、好ましくは約30秒以内に系は硬化し始める。セメントは一般に、放射エネルギーが極めて強力な表面付近の硬化の程度が最も大きい。従って、セメントの表面は十分に硬化されて、引き続く主義の実施が可能であるが、セメントの内部は進行中のイオン性および/または非イオン性硬化反応によって十分に硬化され得る。従って、硬化ステップが省略された場合、光に露光しなくても硬化反応が生じ、最終的には材料が硬化される。
本発明のイオノマーセメントは、暫間的に歯体と交換するために使用される種々の歯科用義歯装置を接着するために使用されることができる。例えば、これらのセメントは、暫間的なクラウン、インレー、アンレーまたは被覆冠を歯体に接着するために使用されることが可能である。
塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験
セメント試料と象牙質との塊状せん断接着性については以下のように評価した。年齢および外観がよく似た牛の歯を円形アクリル板に埋込み、次いで宝石研磨用の回転盤に固定した120番炭化ケイ素紙やすりを使用して象牙質が完全に露出するまで、アクリル板に平行に平らになるまで研削した。宝石研磨用回転盤に600盤炭化ケイ素紙やすりを固定して、さらに歯の研削と研磨を実施した。研削および研磨ステップの間、歯を水で絶え間なくすすいだ。研磨した歯は37℃の脱イオン水中に保存した。
研磨した歯を水から除去後に、歯を振って余分な水を除去し、37℃/相対湿度95%(“RH”)に15〜30分、または水分が表面からなくなるまで放置した。
シートの全面に直径5mmの穴を開けた2mm厚さのTeflonTMポリテトラフルオロエチレンシートから製造された型わくを、型わくの穴の中心軸が研磨した歯の表面と直角になるように、研磨した各歯に固定した。各型わくの穴は、はずしやすいように、ゼラチンシリンダー(#1ゼラチンカプセル;リリー社(Lilly Co.)社製)で内張りされた。穴が露出された象牙質(エナメル質でななく)の上にきちんと位置決めされるように注意を払った。亜多は混合したセメントが充填され、型わくで水平に除去され、次いで37℃/95%RHで15分間硬化された。次いで、試料を37℃の脱イオン水中に24時間保存した。
型わくは試験の直前に除去され、各歯に接着されたセメントの成形されたボタン状になった。ゼラチンの内張りは軟化されるか、または溶解されて、容易に除去され、残りのボタン部分の破損はごくわずかであった。
InstronTM試験装置の顎部に固定された支持台のアクリル板に、引張り方向と平行な方向に向けて研磨後の歯の表面を固定することによって接着強度を評価した。直径0.44mmの針金の輪を、研磨した歯の表面に隣接するセメントのボタン状物の基部周囲に配置した。針金の端部は試験装置の引張り顎部に固定され、接着部をせん断応力下に配置した。クロスヘッド速度2mm/分を使用して、接着が破壊するまで、応力を加えられた。各セメントについて5試料の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion(“BSA”))値を測定し、平均値と標準偏差(“SD”)を記録した。
本発明は、例を示すだけで、本発明の範囲を制限するものではない以下の実施例によってさらに理解されるだろう。特に指示しない限り、全ての部およびパーセントは重量に対してである。
準備実施例 1
フルオロアルミノシリケートガラスの処理
以下の表Iに記載する成分を混合し、約1350〜1450℃のアーク炉中で融解し、炉から薄い板状の流れで注ぎ、冷却ローラーを使用して冷まし、無定形単層フルオロアルミノシリケートガラスを提供した。
Figure 0004002996
ガラスを玉入り粉砕機で処理して、ブルナウアー(Brunauer)、エメット(Emmet)およびテラー(Teller)(BET)の方法を使用して測定したγ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン(“A−174”ユニオンカーバイド社(Union Carbide Corp.)製)2.4部、メタノール12.6部、水36.5部および酢酸0.33部を共に混合することによってシラノール溶液を調製した。混合物を周囲温度において60分間磁気的に撹拌し、ガラス粉末60.8部に添加し、周囲温度において30分間懸濁させた。懸濁物をプラスチックで内張りした容器に注ぎ、80℃で10時間乾燥した。シラノール処理した乾燥粉末を60マイクロメーターメッシュふるいを通してふるい分けた。
準備実施例2
セメント形成液状物
以下の表に記載した成分を混合して、合着セメント形成液状物をを提供した。
Figure 0004002996
成分を瓶に入れ、瓶を終夜回転させることによって混合した。混合したセメント形成液状物を、直径0.94〜1.09mmの滴下穴を備えるバイアルに移した。
準備実施例3
ジルコニア:シリカフィラーの処理
濃硝酸0.255部を急速に添加することによって、シリカ溶液(“LUDOX”LS,E.I.デュポンデネモアーズ&社(duPont de Nemours&Co.)製)25.5部を酸性化した。別の容器に、イオン交換処理した酢酸ジルコニル(マグネシウムエレクトロン社(Magnesium Elecktron Inc.)を、脱イオン水20部で希釈し、得られた溶液を濃硝酸0.255部で酸性化した。シリカ溶液を撹拌中の酢酸ジルコニル溶液に注ぎ、1時間混合し、“CUNO”5マイクロメーターおよび1マイクロメーターフィルター(コマーシャルインターテック社(Commercial Intertech Corp.)製)を通して撹拌した混合物をろ過した。撹拌して、ろ過した混合物を1マイクロメーター“HYTREX”フィルター(オスモニクス社(Osmonics,Inc.)製)を通してさらにろ過し、次いで0.22マイクロメーター“BALSTRON”フィルター(バルストロン社(Balstron Inc.)製でろ過した。ろ過物を深さ約25mmのトレーに注ぎ、65℃の空気強制循環オーブンで約24時間乾燥した。得られた乾燥後の材料をオーブンから取り出し、予め600℃まで加熱された回転式管状炉(ハーパー フーナンス コーポレーション(Harper Furnance Corporation)を通して回転させて、21部のか焼微粒子を提供した。微粒子の全ての粒子径が10マイクロメーターより小さくなるまで、か焼微小粒子を回転式ボールミルで粉末にした。粉末にした微粒子の0.3部をセラミック耐火性容器に入れ、電気焼成がま(ハーパー フーナンス コーポレーション(Harper Furnance Corporation)中で、空気中、825℃で、1時間燃焼した。燃焼後の微粒子を空気中で冷却した。冷却した微粒子を水解されたA−174シラン中に、微粒子100部に対してシラン11.1部の割合で混ぜ、空気強制循環オーブン中で乾燥し、74マイクロメーターのメッシュふるいを通してふるい分けた。
準備実施例4
OX−50の処理
トリフルオロ酢酸を滴下してpH3〜3.3に酸性化した脱イオン水50gを撹拌しながら、A−174(3.7g)を添加した。得られた混合物を約25℃で1時間撹拌し、その間にOX−5095gを混合物に添加し、さらに4時間撹拌した。混合物をプラスチックで内張りされたトレーに注ぎ、35℃で36時間乾燥した。シラノールで処理して、乾燥した粉末を74マイクロメーターのメッシュふるいを通してふるい分けた。
実施例1
種々の種類および種々の量の接着性低下成分を、準備実施例1と、0.7%過硫酸カリウムと、0.2%アスコルビン酸と、0.5%Ti2(TiPure,E.I.デュポンデネモアー&社(duPont de Nemours&Co.)との混合物に添加した。過硫酸カリウムおよびアスコルビン酸を、米国特許第5,154,762号明細書の実施例9によって調製されたセルロースアセテートブチレート中に被包化した。各操作について、以下の表IIIに記載された量の成分と上記の成分とを組み合わせ、スペックスミル(Spex Mill)(スペックスインダストリーズ(Spex Industries)社製,ニュージャージー州エジソン)で5分間混合した。
Figure 0004002996
Figure 0004002996
各操作について、粉末は3MTMTitremeterTM合着セメント系に添付のさじを使用して計量し、液体は直径0.94〜1.09mmの滴下穴を備えるバイアルから多数の液滴を計測した。各操作の粉末:液体(“P:L”)比を表IVに示す。合着セメントは、独立に、各操作の粉末と準備実施例2のセメント形成液状物とを紙製の混合パッド上にとり、約30秒間ステンレス鋼製へらでこねることによって調製された。
各合着セメント試料については、上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を使用してBSAを測定した。
CSおよびDTSの測定については、各合着セメント試料を内径4mmのガラス管に充填し、シリコンゴム栓で蓋をして、軸方向に約0.28MPaで15分間圧縮した。試料の各々は、大気圧、90%+RHおよび37℃で1時間放置された。試料をダイアモンド鋸で切断し、CSの測定用に8mm長さ、DTSの測定用に2mm長さの円筒状充填物を形成した。充填物は約37℃の脱イオン水中に24時間保存された。各セメントに対して5試料のCS値およびDTS値は、ISO規格7489に準拠して測定され、平均値が記録された。
本発明の暫間セメントと永久的なセメント(“PCC”)、3MTMVitremerTM合着セメントとの相溶性は、上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験において詳細に記載したように調製されたウシ象牙質表面を使用して評価された。600番シリコン炭化ケイ素紙やすりで研削および研磨後に、歯を37℃の脱イオン水中で終夜保存した。接着前に、湿らせたタオルで過剰の水分を歯から除去した。次いで、37℃/95%RHで15〜30分間歯を平衡にした。
調製された象牙質の表面を覆うように、各操作の暫間合着セメントの厚さ0.5〜1.0mmの層を塗布した。ポリエチレンテレフタレートフィルム(“PET”フィルム、厚さ0.5mm、3M社製)をセメントの上に配置し、平らなもの(例えば、瓶のそこまたは顕微鏡のスライドガラス)で手でやさしく押しつけ、ほぼ均質なセメントの層を提供した。次いで、セメントを37℃/95%RHで15〜30分間硬化させた。試料を湿度の高い容器から取り出して、フィルムを除去し、試料を37℃の脱イオン水中に7日間保存した。
試料を脱イオン水から取り出し、暫間合着セメントをスケーラーで除去した。次いで歯を湿らせたふき取り布で拭いて、残っている全ての残骸を除去し、脱イオン水ですすいだ。
湿らせたタオルを使用して試料から過剰な水を除去し、次いで試料を湿度が高い部屋に15〜30分間入れた。
RexilliumTMIII(JenericTM/PentronTM、コネチカット州ウォーリングフォード)を棒状に成形し、直径5mmのボタン状物を切断した。ボタン状物を約20秒間砂で磨いて、きれいにするとともに、金属接着面を粗面にした。金属表面から砂とごみを払い去った。ボタン状物を超音波浴の200プルーフエタノール中で10分間清浄し、次いで紙タオルを使用して完全に乾燥した。
製造業者の指示に従って、永久的なセメントを混合し、調製されたRexilliumIIIのボタン状物に塗布した。永久的な合着セメントをコーティングされたボタン状物を、湿度の高い部屋の小窓で象牙質試料に押しつけた。穿刺針で過剰なセメントを除去できるほどまで永久的な合着セメントが硬化するまで(約2〜3分)、試料を部屋に放置した。
次いで、37℃/95%RHで15〜30分間セメントを硬化させた。試料を湿度の高い部屋から取り出し、37℃の脱イオン水中に終夜保存した。塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験で記載したように各セメントに対して5試料の接着強度値を測定し、平均値を記録した。
直径20mm、厚さ1mmのディスク内に各合着セメント組成物を形成することにより、フッ化物剥離を測定した。各ディスクの両面をPETフィルムで覆い、37℃/95%RHで15分硬化した。次いでフィルムを除去して、露出された試料を37℃/95%RHで1時間硬化させた。
フッ化物選択電極、オリオン(Orion)型番96−09−00(オリオンリサーチ社(Orion Research Inc.)マサチューセッツ州ケンブリッジ)を使用して、リン酸緩衝液中の試料から放出されるフッ化物イオンの量を定量した。フッ化物活性標準品(Fluoride Activity Standard)#940907および#040908、フッ化物標準液(オリオンリサーチ社(Orion Research Inc.)製)、それぞれ100百万分率(“ppm”)および10ppmを使用して電極を較正した。
25℃でpH6.8〜7.0のリン酸緩衝液の瓶の中に各ディスクを入れた。ディスクを入れない緩衝溶液の瓶を調製して測定し、ブランクの対照とした。KH2PO40.7gと、Na2HPO40.71gと、脱イオン水1リッターとを混合してリン酸緩衝液を調製し、0.01M溶液を提供した。14日めにディスクを含有する緩衝溶液中にフッ化物プローブを挿入し、ppmFを記録した。次いで硬化後のディスクのグラムあたりのFマイクログラムを計算して、これらの値を水中での保存時間の関数として記録した。各セメントあたり3試料のフッ化物剥離値を測定し、平均値を記録した。測定されたフッ化物量がブランクの対照より低いまたは同じ試料は0フッ化物剥離であると考えた。
14日めのセメントのP:L比、BSA、CS、DTS、PCCおよびフッ化物剥離を以下の表IVに記載する。操作番号“℃on”は市販のガラスイオノマー永久セメント、3MTMVitremerTM合着セメント系を1.6:1重量比で混合したものである。BSA値は75試料の平均で、フッ化物剥離は21日めであった。
Figure 0004002996
表IVのデータは、操作2〜4、6、8、10、12〜13および19は、本発明による暫間合着セメントとしての用途のための好適なBSAを示す。
実施例2
以下の表Vの操作番号1〜53、55〜60および65〜69に記載される量の成分と1−酒石酸0.5部とBHT0.5部とを瓶の中で組み合わせて、瓶を終夜回転させた。操作番号54および61〜64は、1−酒石酸0.5部およびFD&C 黄色染料#5(ワーナー−ジェンキンソン(Warner−Jenkinson)社製、ミズーリ州セントルイス)20ppmを含有するが、BHTを含有しなかった。
Figure 0004002996
Figure 0004002996
Figure 0004002996
Figure 0004002996
各操作の液状物と実施例1に記載したガラスとを混合することによって合着セメントを調製した。操作番号1〜53、55〜60および65〜69については、実施例1に記載するように、粉末と液状物とを計量し、混合した。操作番号54および61〜64については、P:L比は重量比である。実施例1に詳細に記載するように、各操作の合着セメントのCS、DTS、PCCおよびフッ化物剥離を評価した。実施例1に記載するように、操作番号1〜53、55〜60および65〜69のBSAを評価した。操作番号54および61〜64については、湿度の高い部屋で条件化する代わりに、研削および研磨された歯を水ですすぎ、強制換気しない空気で乾燥し、ついで正常位置にテフロン成形物を固定する前に脱イオン水1μlのフィルムで覆った以外は、実施例1に記載の一般的な方法を実施した。
象牙質の代わりにVitremer支台積層/修復系を基材として使用した以外は、塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)の一般的な手法を使用して、暫間合着セメントと3MTMVitremerTM支台積層/修復系(“AV”)との接着性を評価した。製造業者の指示によってVitremer支台積層/修復系を混合し、直径1cmのDelrinTM成形物に流し、PETフィルムで顕微鏡のスライドガラスに平らになるように押しつけ、製造業者の指示によって光硬化した。次いで、600番炭化ケイ素紙やすりを使用して支台積層/修復機材を磨き、同日の使用時まで脱イオン水中に保存した。基材を水から取り出し、フィルターを通した圧縮空気でやさしく乾燥し、脱イオン水1μlのフィルムで覆った。テフロン成形物をビトレマー(Vitremer)基材に固定し、塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)で詳細に記載した手法を実施した。
抜歯した6本のヒト臼歯を蒸気滅菌し、クラウン全体と歯根のわずかの部分が露出されるように、垂直に歯根をエポキシ樹脂に固定したものを使用して、本発明の暫間合着セメントを用いて象牙質に接着されるクラウンの易除去性(ease of removability(“EV”))を評価した。全部歯冠を装着するための標準的な装置と方法を使用して、歯を形成した。各歯に適合するために、3MTMionTMIso−FormTMクラウンが選択された。歯を速やかに37℃のお湯に入れ、7日間保存した。
7日めに、クラウンを水から取り出し、エポキシ固定部を万力に固定した。ケリーヘモスタット(Kelly Hemostat)(パターソンデンタル社(Patterson Dental Co.)ミネソタ州ミネアポリス)を用いてクラウンを固定し、歯を引っ張った。本発明の合着セメントの除去の容易さを市販の一時的セメント、テンプボンド(Temp Bond)(カールマニュファクチャリング(Kerr Manufacturing)、ミズーリ州ロムラス)の値と比較した。段階“A”は、少なくともテンプボンド(Temp Bond)と同等の除去性を示し、“B”はテンプボンド(Temp Bond)より除去し難いが、臨床的には許容される除去性を示し、“F”は除去し難く、臨床的に許容されない除去性を示す。上記のように形成されたヒトの臼歯を評価する対象の合着セメントの各々に対して使用した。第2の合着セメントを評価する前に、残っている全てのセメントを除去し、歯の表面をダイアモンドやすりで磨いた。
セメントのP:L混合比、BSA、CS、DTS、PCC、14日めのフッ化物剥離を以下の表VIに示す。操作番号“Con”は市販のガラスイオノマー永久セメント、3MTMVitremerTM合着セメント系を1.6:1の重量比で混合したものである。BSA値は75試料の平均で、フッ化物剥離は21日めであった。
Figure 0004002996
Figure 0004002996
Figure 0004002996
表VIのデータは、操作番号1〜3、6,12〜14、16〜28、31、37、39〜59、63および65〜68が、本発明による暫間合着セメントとしての使用に好適であったことを示す。操作番号17、22、24、26、27、39、42、46、47、52、55、58および59が好ましい。操作番号26,27,42および46が特に好ましい。
実施例3
以下の表VIIの操作番号1〜17および30〜37に記載される量の成分と、1−酒石酸0.5部と、BHT0.05部とを瓶の中で合わせて、終夜瓶を回転した。操作番号18はBHTを含有し、1−酒石酸を含有しなかった。操作番号20〜29は1−酒石酸と、FD&C黄色染料#520ppmとを含有するが、BHTを含有しなかった。操作番号19および26は1−酒石酸もBHTも含有しなかった。操作番号27および29は合計2部の1−酒石酸を含有し、操作番号28は合計1部の酒石酸を含有した。
Figure 0004002996
Figure 0004002996
各操作の液状物と実施例1のガラスとを混合することによって、合着セメントを調製した。操作番号1〜19および30〜37については、粉末と液状物とを計量し、実施例1に記載するように混合した。操作番号20〜29については、P:L比は重量比であった。実施例1に詳細に記載するように、各操作の合着セメントのCS、DTS、PCCおよびフッ化物剥離を評価した。操作番号1〜19および30〜37については、実施例1に詳細に記載するように、BSAを評価した。操作番号20〜29については、実施例2で操作番号54および61乃至64について詳細に記載したBSA試験の改良法を実施した。実施例2に記載するようにAVおよびEVを評価した。
セメントのP:L混合比、BSA、CS、DTS、PCC、14日めのフッ化物剥離を以下の表VIIIに記載する。操作番号“Con”は市販のガラスイオノマー永久セメント、3MTMVitremerTM合着セメント系を1.6:1の重量比で混合したものである。BSA値は75試料の平均で、フッ化物剥離は21日めであった。
Figure 0004002996
表VIIIの操作番号20〜29の暫間合着セメントの硬化時間を表VIIIaに示す。400g圧子を使用して、ISO基準DIS9917に準じて硬化時間を試験した。セメントを混合し、ISO基準に規定される成形品を形成し、37℃のオーブンに成形品を入れる(これもISO基準に規定されている)ために、約1分30秒が要求された。表VIIIaの硬化時間は、セメントの混合開始時からセメントが硬化してしまうまでの時間を秒で表したものである。この方法によって2:00分以内に硬化する試料については、周囲温度で硬化させた。
象牙質の代わりにエナメル質を上記のように形成し、歯は湿度の高い部屋で条件化されずに、代わりに水ですすがれ、フィルターを通した圧縮空気で乾燥され、脱イオン水1μlからなるフィルムで覆われ、速やかに使用された以外は、上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験に記載した手法を使用して、操作番号23、24および27のセメントのエナメル質に対する塊状せん断接着性(“AE”)を評価した。結果を以下の表VIIIaに示す。
Figure 0004002996
操作番号23のセメントについては、種々の基材との接着性に関してさらに評価した。
3MTM修復用Z100(“Z100”、3M社製)との接着性については、象牙質の代わりに、Z100を基材として使用した以外は、上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験の一般的手法を使用して評価した。Z100を直径9mmのテフロン成形物に押しつけ、30秒間光硬化させた。ディスクをエポキシ樹脂に固定して、120番および240番炭化ケイ素紙やすりを使用して研削し、使用時まで脱イオン水中に保存した。基材を水から取り出し、フィルターを通した圧縮空気でやさしく乾燥し、脱イオン水1μlからなるフィルムで覆った。テフロン成形物をZ100基材に固定し、塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験に詳細に記載した手法を実施した。
上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験の一般的な手法を使用して、3MTMTempCareTM光硬化一時的系(“テンプケア(TempCare)”シェイド(Shade)A2、3M社製)との接着性を評価した。材料を直径1.25cmのアルミニウム成形物の中に流し込むことによってテンプケア(TempCare)基材を調製した。成形物の上面と下面とをPETフィルムで覆って、平らに押しつぶした。成形物充填開始から4:00分経過時に上面のフィルムをはがした。ビジラックス(Visilux)2硬化光を使用して材料を30秒間硬化した。ディスクを調製した日にセメント接着物を合着するためにディスクを使用した。セメントは、ディスクの空気による硬化側に接着された。テフロン成形物をテンプケア(TempCare)基材に固定し、塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験で詳細に記載した手法を実施した。
一時的クラウンおよびブリッジ(Temporary Crowns and Bridges)のためのエスペプロテンプ(Espe Protemp)TMIIビス−アクリルコンポジット(Bis−acryl Composite)(“プロテンプ(Protemp)”、エスペ−プレミアーセールス社(Espe−Premier Sales Co.)、ペンシルバニア州ノリスタウン)、トリム(Trim)TMII一時的樹脂アクリル(Temporary Resin Acrylic)(“トリム(Trim)”、ハリーJボスウォッシュ社(Harry J.Boswath Co.)、イリノイ州スコッキー)およびジェットアクリル自己硬化樹脂(JetAcrylic Self Curing Resin)(“ジェット(Jet)”、ラングデンタルマニュファクチャリング社(Lang Dental Manufacturing Co.)、イリノイ州ホイーリング)の基材については、上面のPETフィルムを混合開始から4:00分経過時に除去し、材料を10分硬化させた以外は、テンプケア(TempCare)について記載した基材の方法を使用して独立に調製した。テフロン成形物を独立に各基材に固定し、塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験で詳細に記載した手法を実施した。基材のBSA値を以下の表VIIIbに示す。
Figure 0004002996
表VIII、VIIIaおよびVIIIbのデータは、操作2、3、5、6、9〜12、15、17〜25、31、32は本発明による暫間合着セメントとしての用途に好適であったことを示す。
操作6、10、17、19、23〜25および20〜22が好ましい。操作6、10、17、20、23、25が特に好ましい。操作6、10、23が極めて特に好ましい。
実施例4
以下の表IXに記載する成分を併せてペーストIを形成した。
Figure 0004002996
以下の表Xに記載する成分を併せてペーストIIを形成した。
Figure 0004002996
操作番号1については、ペーストIとペーストIIを重量比7.7:1で混合した。操作番号2については、ペーストIとペーストIIを重量比4.5:1で混合した。上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験を使用して各合着セメントのBSAを測定した。得られた両合着セメントのBSAは0であった。これらのセメントは、本発明による暫間合着セメントとしての用途に好適である。
実施例5
以下の表XIに記載する成分を併せてペーストIを形成した。
Figure 0004002996
以下の表XIIに記載した成分を併せてペーストIIを形成した。
Figure 0004002996
ペーストIとペーストIIを重量比1.15:1で混合した。以下を除いて、上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験で詳細に記載したように形成されたウシ象牙質表面を使用して、合着セメントのBSAを評価した。研削して、研磨した歯を水ですすぎ、速やかに使用した。3MTMビジラックス(Visilux)TM2可視光線硬化装置(Visible Light Curing Unit)を使用して成形物中の合着セメントを40秒間光硬化した。次いで、光硬化した試料を37℃の水道水中で24時間保存した。合着セメントのBSAは1.6±3.1であった。
実施例6
表XIIIに記載する成分を併せて、準備実施例1のガラスの方法と同様に融解した。
Figure 0004002996
表XIIIのガラス(300g)と、12.5mm×12.5mm Al23棒状物5200gと、200プルーフエタノール0.5%とを20lミルジャーに入れ、60rpmで4時間粉砕した。
表XIVに記載した成分を併せてペーストI形成ビヒクルを形成した。
Figure 0004002996
表XIVの成分をワーリング(Waring)ブレンダーで30秒間混合した。表XIIIのガラスと種々の量の酸化亜鉛(N.J.ZnO U.S.P.未か焼)とを併せ、次いでガラス/ZnOと表XIVのビヒクルとを併せることによって。ペーストI組成物を調製した。ペーストI調合物を以下の表XVに記載する。
Figure 0004002996
グッドライト(Goodrite)分子量2,000ポリアクリル酸を固形物90%になるまで濃縮することによって、ペーストIIを調製した。
ペーストI:ペーストIIの混合重量比および得られた各セメントの硬化時間を以下の表XVIに記載する。実施例3に記載する手法を使用して硬化時間評価を実施した。
Figure 0004002996
実施例1に詳細に記載した手法を使用して、ペーストIc:ペーストII合着セメントのCSを測定した。ペーストIc:ペーストIIの混合重量比および得られた各合着セメントのCSを以下の表XVIIに記載する。
Figure 0004002996
実施例1に詳細に記載した手法を使用して、ペーストI:ペーストIIの混合比が3:1のペーストIa、b、d、eおよびf:ペーストII合着セメントのCSを測定した。ペーストI:ペーストII調合物および得られた各合着セメントのCSを表XVIIIに記載する。
Figure 0004002996
実施例7
本発明の方法を使用して、市販のガラスイオノマー永久的セメント、エスペ(Espe)TM、ケタックーセム(Ketac−Cem)TM、放射線不透過ポリマレイネートガラスイオノマーセメント(Radiopaque Polymaleinate Glass Ionomer Cement)(エスペープレミアーセールス社(Espe−Premier Sales Corp.)、ペンシルバニア州ノリスタウン)を改良し、暫間ガラスイオノマー合着セメントを提供した。操作番号1および2については、接着性低下成分を粉末に添加し、操作番号3および4については、接着性低下成分を液状物に添加した。操作番号5は未改良の永久的セメントであった。各操作について、製造業者の指示によって粉末と液状物を混合した。
各操作に添加された接着性低下成分および塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験に対して上記した手法を使用して測定された各セメントのBSA値を以下の表XIXに記載する。
Figure 0004002996
表XIXのデータは、操作1〜3は本発明による暫間合着セメントとしての用途に好適であることを示す。これらの操作は、暫間セメントを製造するための、従来の永久的なガラスイオノマーセメントの改良法をあきらかにしている。
実施例8
種々の種類および種々の量の接着性低下成分を、準備実施例2の合着セメント形成液状物に添加した。各操作について、表XXに記載した量の成分を瓶の中で準備実施例2の液状物と併せ、瓶を終夜回転した。
Figure 0004002996
各操作の液状物と実施例1に記載したガラスとを混合することによって、合着セメントを調製した。各操作について、粉末と液状物とを計量し、実施例1に記載したように混合した。各操作の合着セメントのBSA、CS、DTS、PCCおよびフッ化物剥離を実施例1に詳細に記載したように評価した。
セメントのP:L混合比、BSA、CS、DTS、PCCおよび14日めのフッ化物剥離を以下の表XXIに記載する。操作番号“Con”は市販のガラスイオノマー永久的セメント、3MTMビトレマー(Vitremer)TM合着セメント系(Luting Cement System)を重量比1.6:1で混合したものであった。BSA値は75試料の平均で、フッ化物剥離は21日めであった。
Figure 0004002996
表XXIIのデータは、操作4および8は本発明による暫間合着セメントとしての用途に好適であったことを示す。
実施例9
以下の表XXIIに記載した成分を瓶に入れて、終夜瓶を回転させることによって混合し、セメント形成液状物を提供した。
Figure 0004002996
シラノール処理した粉末を74μメーターのメッシュふるいを通してふるい分けたことを以外は、準備実施例1に詳細に記載したように調製されたガラスに、種々の量の過硫酸カリウム(“PP”)とアスコルビン酸(“AA”)とを添加した。過硫酸カリウムとアスコルビン酸は、米国特許第5,154,762号の実施例の手法によって調製されたセルロースアセテートブチレートに被包化された。
各操作について、以下の表XXIIに記載した量の成分を併せて、3〜512.7mm円筒状のいが媒体を用いて約18時間転がすことによって混ぜ併せた。
上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験で詳細に記載したように形成されたウシ象牙質表面を使用して、空洞の内張りの厚さをほぼ同じ厚さの各合着セメントのせん断接着製を評価した。研削して、研磨した歯を水ですすいで、速やかに使用した。象牙質の表面は油を含有しない圧縮空気で乾燥させた。19mm四方で、厚さ23mmの3MTM401ダブルコーティング紙テープ(DoubleCoatedPaperTape)(インダストリアルテープアンドスペシャリティズディビジョン(Industrial Tape and Specialities Division)、3M社製)の中心部に直径5mmの穴を開けた。テープから背面処理を除去して、露出させて乾燥した象牙質表面の中心部に置いた。
安全光条件下で、実施例1の手法に準じて、各操作の混ぜ合わせた粉末を、独立に、表XXIIのセメント形成液状物と1.4:1の重量比でへらを使って手作業で混ぜた。セメントが周囲のテープの厚さとほぼ同じになるまで、各セメント調合物をへらで露出された象牙質表面に広げた。試料を37℃/85%RHの部屋に10分置いた。製造業者の指示に従って、樹脂と3MTMスコッチボンドTM二重硬化歯科用接着剤(DualCureDentalAdhesive)製の液状物とを混合し、混合物を硬化した内張りに2度塗布し、3秒間空気乾燥した。
直径5mmの円形貫通孔を備える厚さ2mmのPETシートから製造される成形物を各試料に固定し、ペーストAと3MTMp−10樹脂結合セラミック(Resin Bonded Ceramic)との容量比1:1の混合物を穴に充填し、37℃/85%RHで10分硬化させた以外は、上記のように塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験で詳細に記載した手法を実施した。次いで、試料を37℃の水道水に24時間保存した。上記の塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験の手法に準じて接着強度を測定した。
Figure 0004002996
表XXIIIのデータは、操作1〜3および7は、本発明による暫間合着セメントとしての用途に好適であることを示す。
実施例10
市販のガラスイオノマー永久的合着セメント、3MTMビトレマー(Vitremer)TM合着セメント系(Luting Cement System)またはエスペ(Espe)TMケタック−セム(Ketac−Cem)TM放射線不透過ポリマレイネートガラスイオノマーセメント(Radiopaque Polymaleinate Glass Ionomer Cement)(“Ketac−Cem”)のどちらかを塗布する前に、種々の接着性低下下塗り剤を歯体に塗布した。製造業者の指示および塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験で上記した手法を使用して測定された各操作のセメントのBSAに従って永久的な合着セメントを混合した。
各操作の接着性低下下塗り剤、永久的な合着セメント、BSA値を表XXIVに記載する。
Figure 0004002996
操作番号1については、実施例1の手法を使用してPCCを評価し、5.8±2.6であった。
表XXIVのデータは、操作1、6、8および9は本発明による暫間合着セメントとしての用途に好適であったことを示す。
実施例11
多数の市販の暫間合着セメントの特性値を、ガラスイオノマー永久的合着セメント、3MTMビトレマー(Vitremer)TM合着セメント系(Luting Cement System)および本発明のガラスイオノマー暫間合着セメントの1種の特性と比較した。合着セメント、BSA、CS、DTS、PCC、14日めのフッ化物剥離およびAVを表XXVに記載した。製造業者の指示に従って各市はセメントを混合した。
Figure 0004002996
表XXVのデータは、本発明の暫間合着セメントは、市販の暫間合着セメントと同等のBSAを有するが、実質的なフッ化物剥離を有することを示す。
実施例12
以下の表XXVIに記載する成分を独立に併せて、ペーストIa、ペーストIbおよびペーストIcと命名された3種のペースト組成物を形成した。
Figure 0004002996
以下の表XXVIIに記載の成分を独立に組み合わせてペーストIIa、ペーストIIb、ペーストIIcおよびペーストIIdと命名された4種のペースト組成物を形成した。
Figure 0004002996
以下の表XXVIIに記載したペーストI:ペーストII調合物を容量比1:1で手作業でへらで混ぜて調製した。得られた各セメントのBSA、CSおよびDTSを測定した。研削直後の象牙質基材を37℃/95%RHで条件化する代わりに、セメント組成物を塗布する直前にフィルターを通した空気を吹き付けて乾燥した以外は、塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)試験に詳細に記載したようにBSAを測定した。実施例1に記載した手法を使用してCSおよびDTSを測定した。ゲル化時間は、混合開始時からセメントの一部に重合が観察されるまでの時間として測定された。
Figure 0004002996
表XXVIIIのデータは、暫間合着セメントに要求される低塊状せん断接着性を示すペースト:ペーストガラスイオノマー組成物、並びに良好なCSおよびDTS特性値を示すことを示している。ゲル化時間は、歯科医師がセメントを使用するための十分な作業時間があることを示す。
本発明の幾つかの態様を示すと以下のとおりである。
1.暫間義歯装置を歯体に合着する方法であって、
(a)ガラスイオノマーセメントが、
(i)水混和酸性ポリマーと、
(ii)細分割された酸反応性フィラーと、
(iii)該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するように十分な量の接着性低下成分とを含み、暫間義歯装置または歯体の少なくとも一部に該ガラスイオノマーセメントを塗布するステップと、
(b)該暫間装置を該歯体に配置し、接着するステップと、
(c)該暫間装置を除去するステップと、
(d)永久的な義歯装置を該歯体に接着するステップと
を含む方法。
2.前記ポリマーが一般式I:
B(X)m(Y)n
(式中、
Bは有機骨格であり、
各Xは独立に、水と反応性フィラーとの存在下で硬化反応を受けることが可能なイオン基であり、
各Yは独立に、非イオン重合性基であり、
mは平均値が2以上である数であり、
nは平均値が1以上である数である)
を有する形態1記載の方法。
3.前記イオン基および前記非イオン重合性基の少なくとも一方がアミド結合によって前記骨格に結合される形態2記載の方法。
4.前記Y基がカルボキシル基である形態2記載の方法。
5.前記X基と前記Y基とが、置換または未置換アルキル基、アルコキシアルキル基、アリール基、アリールオキシアルキル基、アルコキシアリール基、アラルキル基およびアルカリール基からなる群から選択される部分によって前記骨格Bに結合される形態2記載の方法。
6.前記酸反応性フィラーが金属酸化物と、金属塩と、ガラスとを含む形態1記載の方法。
7.前記酸反応性フィラーがフルオロアルミノシリケートガラスを含む形態6記載の方法。
8.前記接着性低下成分が、前記ポリアルケン酸を部分的に中和する塩または塩基を含む形態1記載の方法。
9.前記塩または前記塩基が、クエン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸−アンモニウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、リチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩、酸化マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、リン酸ナトリウム水和物または無水和物およびリン酸カリウム水和物または無水和物からなる群から選択される形態8記載の方法。
10.前記接着性低下成分が酸無反応性種を含む形態1記載の方法。
11.前記酸無反応性種が、無反応性フィラー、キレート剤、水、グリセロール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリビニルアセテートおよび酸無反応性モノマー、ポリマーおよびオリゴマーからなる群から選択される形態10記載の方法。
12.前記セメントが、1.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有する形態1記載の方法。
13.前記セメントが、0.5MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有する形態1記載の方法。
14.ステップ(b)の後に、水噴霧を利用して配置の間に前記暫間義歯装置から滲出される過剰なセメントを除去するステップをさらに含む形態1記載の方法。
15.ステップ(a)の前に、接着性低下下塗り剤を歯体に塗布するステップをさらに含み、該下塗り剤と共に使用されるセメントが、該下塗り剤を共に使用しないセメントより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を示すように該下塗り剤が選択される、形態1記載の方法。
16.ステップ(a)の前に、接着性増大下塗り剤を歯体に塗布するステップをさらに含み、該下塗り剤と共に使用されるセメントが、該下塗り剤を共に使用されないセメントより大きい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を示すように該下塗り剤が選択される、形態13記載の方法。
17.前記暫間義歯装置が、クラウン、ブリッジ、インレー、アンレーおよび被覆冠からなる群から選択される形態1記載の方法。
18.暫間義歯装置を歯体に合着する方法であって、
(a)ガラスイオノマーセメントが
(i)水混和酸性ポリマーと、
(ii)細分割された酸反応性フィラーと
を含み、該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するように、該ポリマーの一部が約1000より大きい分子量を有し、該ポリマーの残りが約60,000より小さい分子量を有し、暫間義歯装置または歯体の少なくとも一部に該ガラスイオノマーセメントを塗布するステップと、
(b)該暫間装置を該歯体に配置して、接着するステップと、
(c)該暫間装置を除去するステップと、
(d)永久的な義歯装置を該歯体に接着するステップと
を含む方法。
19.暫間義歯装置を歯体に合着する方法であって、
(a)ガラスイオノマーセメントが
(i)水混和酸性ポリマーと、
(ii)細分割された酸反応性フィラーと、
(iii)酸化剤と、
(iv)還元剤と
を含み、該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するように、該還元剤に対する該酸化剤の比が選択され、暫間義歯装置または歯体の少なくとも一部に該セメントを塗布するステップと、
(b)該暫間装置を歯体に配置して、接着するステップと、
(c)該暫間装置を除去するステップと、
(d)永久的な義歯装置を該歯体に接着するステップと
を含む方法。
20.前記酸化剤が過硫酸カリウムで、前記還元剤がアスコルビン酸であり、以下の一方または両方が満足される形態19記載の方法:
(i)過硫酸カリウム/アスコルビン酸の比が2/1より大きい、
(ii)総組成物中に含有される過硫酸カリウムの量が0.2重量%より少ない。
21.義歯装置を歯体に合着するためのキットであって、
(a)水混和酸性ポリマーと、
(b)細分割された酸反応性フィラーの第1の調合物と、
(c)細分割された酸反応性フィラーの第2の調合物と
を含み、(a)と(b)とを混合することによって形成される暫間合着セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有し、(a)と(c)とを混合することによって形成される永久的な合着セメントが2.0MPaより大きい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するキット。
22.(a)が液体で(b)と(c)とが粉末である形態21記載のキット。
23.(a)と、(b)と、(c)とがペーストである形態21記載のキット。
24.(a)が液体で、(b)と(c)とがペーストである形態21記載のキット。
25.(a)と、(b)と、(c)とが粉末で、(d)水をさらに含む形態21記載のキット。
26.前記暫間合着セメントが、1.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有する形態21記載のキット。
27.前記暫間合着セメントが、0.5MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有する形態21記載のキット。
28.接着性低下下塗り剤をさらに含み、該下塗り剤が前記暫間合着セメントを塗布する前に歯体に塗布される形態21記載のキット。
29.接着性増大下塗り剤をさらに含み、該下塗り剤が前記暫間合着剤を塗布する前に歯体に塗布される形態27記載のキット。
30.義歯装置を歯体に合着するためのキットであって、
(a)水混和酸性ポリマーの第1の調合物と、
(b)水混和酸性ポリマーの第2の調合物と、
(c)細分割された酸反応性フィラーと
を含み、(a)と(c)とを混合することによって形成される暫間合着セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有し、(b)と(c)とを混合することによって形成される永久的な合着セメントが2.0MPaより大きい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するキット。
31.暫間義歯装置を歯体に合着する方法であって、
(a)ガラスイオノマーセメントが
(i)水混和酸性ポリマーと、
(ii)細分割された酸反応性フィラーと
を含み、(i)と(ii)とを混合することによって形成される該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有し、暫間義歯装置または歯体の少なくとも一部に該ガラスイオノマーセメントを塗布するステップと、
(b)該暫間装置を該歯体に配置し、接着するステップと、
(c)該暫間装置を除去するステップと、
(d)永久的な義歯装置を該歯体に接着するステップと
を含む方法。

Claims (6)

  1. 暫間義歯装置を歯体に合着するための組成物を調製するためのガラスイオノマーセメントの使用であって、
    前記ガラスイオノマーセメントが、
    (i)水混和酸性ポリマーと、
    (ii)細分割された酸反応性フィラーと、
    (iii)該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するように十分な量の接着性低下成分とを含む、ガラスイオノマーセメントの使用
  2. 暫間義歯装置を歯体に合着するための組成物を調製するためのガラスイオノマーセメントの使用であって、
    前記ガラスイオノマーセメントが
    (i)水混和酸性ポリマーと、
    (ii)細分割された酸反応性フィラーと
    を含み、該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するように、該ポリマーの一部が約1000より大きい分子量を有し、該ポリマーのうちの他のポリマーが約60,000より小さい分子量を有する、ガラスイオノマーセメントの使用
  3. 暫間義歯装置を歯体に合着するための組成物を調製するためのガラスイオノマーセメントの使用であって、
    前記ガラスイオノマーセメントが
    (i)水混和酸性ポリマーと、
    (ii)細分割された酸反応性フィラーと、
    (iii)酸化剤と、
    (iv)還元剤と
    を含み、該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するように、該還元剤に対する該酸化剤の比が選択される、ガラスイオノマーセメントの使用
  4. 義歯装置を歯体に合着するためのキットであって、
    (a)水混和酸性ポリマーと、
    (b)細分割された酸反応性フィラーの第1の調合物と、
    (c)細分割された酸反応性フィラーの第2の調合物と
    を含み、(a)と(b)とを混合することによって形成される暫間合着セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有し、(a)と(c)とを混合することによって形成される永久的な合着セメントが2.0MPaより大きい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するキット。
  5. 義歯装置を歯体に合着するためのキットであって、
    (a)水混和酸性ポリマーの第1の調合物と、
    (b)水混和酸性ポリマーの第2の調合物と、
    (c)細分割された酸反応性フィラーと
    を含み、(a)と(c)とを混合することによって形成される暫間合着セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有し、(b)と(c)とを混合することによって形成される永久的な合着セメントが2.0MPaより大きい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有するキット。
  6. 暫間義歯装置を歯体に合着するための組成物を調製するためのガラスイオノマーセメントの使用であって、
    前記ガラスイオノマーセメントが
    (i)水混和酸性ポリマーと、
    (ii)細分割された酸反応性フィラーと
    を含み、(i)と(ii)とを混合することによって形成される該セメントが2.0MPaより小さい塊状せん断接着性(Bulk Shear Adhesion)を有する、ガラスイオノマーセメントの使用
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