JPH0447508Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案はフランジ形管継手に関し、特に、外周
部に合成樹脂製のフランジ部を形設した管継手に
関する。

［従来の技術］ 一般にフランジ形管継手は、周知のように外周
部に相手方のフランジ部と連結するためのフラン
ジ部を形設するともに、内周部に配管と連結する
ためのねじ孔を形成してある。このようなフラン
ジ形管継手を鋳鉄により形成した場合は、耐食性
に劣る不具合があり、耐食性を向上するためステ
ンレス鋼等の耐食性金属で形成した場合はコスト
が高くなる問題がある。

このため、最近、合成樹脂製のフランジ形管継
手が多用される傾向にある。しかしながらこのよ
うなフランジ形管継手により接続される配管は、
強度上の問題等から一般にSGP管やライニング
鋼管などのような鋼管が用いられることが多く、
しかも管継手との連結にはテーパねじを用いるの
で、従来の合成樹脂製フランジ形管継手と連結す
る場合にはつぎのような不具合がある。すなわ
ち、 (a) 過度のねじ込みにより管継手の変形・破損を
生じ易い。

(b) 過度のねじ込みにより配管の端面が管継手か
ら突出し過ぎた場合、これを修正しようとする
とねじ部の弛緩が生じ、ここから漏洩を生じ易
い。

(c) 管継手の雌ねじ部が比較的変形し易いから配
管の中心線が相対的に傾斜していても無理なね
じ込みが可能であり、不正な取付や漏洩等の原
因になる。

(d) 防振継手の歪や配管荷重等により破損し易
い。

このようなことから、従来、実開昭59−83283
号公報に開示されているように、合成樹脂製フラ
ンジ部の中央部に、金属製のブツシユを取着して
補強していた。この場合、フランジ部とブツシユ
は、接着剤による接合と、雌雄のねじ係合による
係合の両手段を併用して固定されている。

［考案が解決しようとする課題］ しかしながら、上記公報に示された従来の場
合、合成樹脂製フランジ部は連結相手側のフラン
ジ部に強固に固定されているため、配管のねじ込
みおよび弛緩の際に、ブツシユに回転トルクが加
わりフランジ部とブツシユの接着が外れ、ブツシ
ユと配管が同動してしまう不具合がある。

これを解消するため、上記従来の場合、フラン
ジ部とブツシユとの境界部に両者を連係する適宜
のピンなどを設けるようにしていたが、ピン穴加
工が後加工となり手間を要する問題があつた。

本考案は上述のような問題点を解決するために
なされたもので、合成樹脂製フランジ部と金属製
ブツシユが外れることはなく、格別な後加工など
も不要で、ねじ部の強度に優れたフランジ形管継
手を提供することを目的とする。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、合成樹脂からなるフランジ部と、外
周部に上記合成樹脂製フランジ部との相対的変位
を防止する凸部または凹部を形設して上記フラン
ジ部に埋設され、内周部に配管端部が螺合される
ねじ孔を有した耐食金属製ブツシユとを具備した
ことを特徴とする。

［作用］ 本考案は、上述のように合成樹脂製フランジ部
に、ねじ孔を有する耐食金属製ブツシユを、この
ブツシユに形成した凸部または凹部が回り止めを
なした状態で埋設したので、従来例に比し強度的
に優れており、配管を充分にねじ込んでもねじ込
み過ぎやそれに基づく変形、破損、あるいは傾斜
連結等の不具合を生ずるようなことがない。

［考案の実施例］ 以下、本考案を図示の実施例について説明す
る。

第１図に示す実施例において、１はフランジ形
管継手を示す。この管継手１はたとえばポリフエ
ニレンオキサイド等の合成樹脂からなるフランジ
部２と、このフランジ部２の中央部に一体的に取
着されたステンレス鋼または適宜の銅合金等から
形成されたブツシユ４とで構成されている。

上記合成樹脂製フランジ部２には周方向に沿つ
て複数のボルト孔３が開設されている。

上記ブツシユ４は、中央部にねじ孔５が形設さ
れている。このねじ孔５は雌ねじ部６を有し、こ
の雌ねじ部６に配管７の端部に形設された雄ねじ
部８が螺合されるようになつている。また、この
ブツシユ４の外周部には、上記合成樹脂製フラン
ジ部２との相対的変位を防止し得るように、凸部
９が形成されており、この凸部９は合成樹脂製フ
ランジ部２の成形時に合成樹脂製フランジ部２の
内面に一体に埋設されている。

なお、凸部９を設ける代りに適宜の凹部、また
は凹凸を設けるようにしてもよい。

上述のように構成されたフランジ形管継手１
は、上記ボルト孔３に挿通されるボルト（図示
略）を介してフランジ部２を相手方のフランジ部
（図示略）に連結することにより、配管７を相手
方機材（図示略）に接続することができる。

そして、上記の構成によれば、軽量で耐食性に
優れた低コストの合成樹脂製フランジ部２に、耐
食性および強度に優れた金属製ブツシユ４を一体
に埋設したので、そのねじ孔５に配管７の雄ねじ
部８をねじ込む場合、ブツシユ４の雌ねじ部６が
異常な変形ないし破損等を生ずることがない。

したがつて配管７が傾斜して連結されたり、端
面９がブツシユ４の端面１０よりも異常に突出す
るようなこともない。また、防振継手の歪や配管
荷重等に基づく破損事故等を生ずるようなことも
ない。しかも、塗装やコーテイング等の防錆処理
も不要である。

さらに、合成樹脂製フランジ部と耐食金属製ブ
ツシユは、このブツシユに形成した凸部または凹
部が合成樹脂製フランジ部に埋設されることによ
り相対的な回り止めをなすので、接合のための格
別な加工や、他の部品が不要であり、かつ強度的
にも優れ、配管７を充分にねじ込んでもねじ込み
過ぎやそれに基づく変形、破損、あるいは傾斜連
結等の不具合を生ずるようなことがない。

なお、本考案は上記実施例のみに限定されるも
のではなく、その要旨とするところの範囲内で
種々の変更ないし応用が可能である。

［考案の効果］ 以上説明した通り本考案によれば、合成樹脂製
フランジ部を有しながら、配管を連結するための
ねじ部が強化され、しかも合成樹脂製フランジ部
と金属製ブツシユの接合構造が簡単であり相対的
な回動が確実に防止されるフランジ形管継手を提
供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す断面図であ
る。 １……フランジ形管継手、２……フランジ部、
３……ボルト孔、４……ブツシユ、５……ねじ
孔、７……配管、９……凸部。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 合成樹脂からなるフランジ部と、 外周部に上記合成樹脂製フランジ部との相対的
   変位を防止する凸部または凹部を形設して上記フ
   ランジ部に埋設され、内周部に配管端部が螺合さ
   れるねじ孔を有した耐食金属製ブツシユと を具備したことを特徴とするフランジ形管継手。