JPH0446502Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は田植機の施肥装置における作溝体配設
構造に関するものである。

従来より植付条間の中央位置に施肥ノズルを配
設する技術は、例えば実開昭52−109113号公報に
開示されるように、既に公知となつていたが、当
該技術は施肥ノズルをフロートの前方位置に配設
するものであるがゆえに、圃場表面に浮遊する夾
雑物が施肥ノズルに付着し易いものであり、夾雑
物が施肥ノズルに付着した状態で施肥作業を行う
と適性に肥料を土中に埋め込むことができず、肥
料を浮遊させることにより植付苗が肥料焼け障害
を受ける等の不具合を有するものであつた。

また、実開昭56−59810号公報に示されるよう
に、フロートの後部の両横側方に作溝体を設ける
技術が提案されているが、作溝体はフロート横側
方にあるため、作溝体の前方から泥水と一緒に藁
くずなどの夾雑物が流れ込み適正な作溝ができな
いという不具合があつた。

そこで、本考案はこれらの不具合を解消すべ
く、施肥を行うことができる作溝体Ａを設けて構
成する田植機の施肥装置において、前部を幅広と
し後部を幅狭としたフロート１を配設して、該フ
ロート１前部の後方位置で且つ該フロート１後部
の横側方位置に植付位置Ｐを設定する一方、略植
付条間中央位置でかつ前記フロート１の後端部の
略中央位置に作溝体Ａを配設したものである。

次に、図面に示す実施例について説明する。第
１図は一部を破断した田植機の側面図を示し、長
いフロート１の前部上方に搭載したエンジンＥの
後方両側にはそれぞれ車輪３を軸架した両スイン
グ式車軸ケース４を架設し、機体後方に延設した
ハンドル杆５の前方には横方向に往復動自在の苗
載台６を斜設し、両側の植付爪７，７が苗載台６
の下部より苗を掻き取つて圃場の土中に植え付け
できるように装設する。またフロート１は、前部
を幅広とし後部を幅狭とした形状とすると共に、
フロート１前部の後方位置で且つフロート１後部
の横側方位置に植付位置Ｐ，Ｐを設定する。

さらに、苗載台６の前方側上方に搭載したホツ
パー８の下部の繰出し部９から施肥ホース１０，
１０をそれぞれ垂設して従来形構造同様に構成す
る。

前記植付位置Ｐ，Ｐの内側方となるフロート１
後部の両側方には作溝体Ａ，Ａをそれぞれ従来形
構造同様にして連設するが、両作溝体Ａは、前部
には上面１１ａが水平面となつて下面１１ｂが前
高の斜面となる一定幅の作溝部１１を形成すると
ともに、後部には高くなる樋部１２を形成し、該
樋部１２の上方に装設した供給パイプ１３に前記
施肥ホース１０の下部を嵌合して構成する。

また、前記作溝部１１がフロート１の下面１ａ
より下方となるように作溝体Ａを取付けるが、作
溝体１１の前部となる下面１１ｂの前部にそわせ
てばね板２の後部を固設し、該ばね板２を前方側
斜め上方に延設するとともに、先端部２ａが作溝
体Ａの前方のフロート下面１ａに下方から圧接で
きるように装設して構成する。

なお図中、１４は培土板を示す。

第６図及び第７図は他の作溝体を示し、ばね板
２の先端部２ａを屈曲させ、また、その先端部２
ａが接合することになるフロート下面１ａの部分
には先端部２ａが嵌合できる凹部１５が形成して
構成する。

第８図は本考案の作溝体Ａの取付位置を示し、
フロート１の後部の後方位置であつて、両側の植
付条から同一距離Ｌ，Ｌだけ離間した略植付条間
中央位置でかつ前記フロート１の後端部の略中央
位置に、単一の作溝体Ａを配設するものである。

従つて、フロート１の前部により圃場表面に浮
遊する夾雑物は大きく左右に押し分けられた状態
で、フロート１の後端部の略中央の後方位置に配
設された作溝体Ａが作溝することとなり、作溝体
Ａへの夾雑物の付着や泥水の流れ込み等を極力少
なくして、適正に肥料を土中へ埋め込むことがで
きる。

またフロート１後部の後方位置に作溝体Ａを設
けているために、圃場表面に大きな凹部が存在
し、フロート１前部によつてこれを充分に整地で
きない場合でも、フロート１後部により確実に整
地することができ、適正に整地された状態にて作
溝体Ａにより施肥することができ、肥料を浮遊さ
せることなく確実に土内に埋め込むことができ
る。

このように本考案は、施肥を行うことができる
作溝体Ａを設けて構成する田植機の施肥装置にお
いて、前部を幅広として後部を幅狭としたフロー
ト１を配設して、該フロート１前部の後方位置で
且つ該フロート１後部の横側方位置に植付位置Ｐ
を設定する一方、略植付条間中央位置でかつ前記
フロート１の後端部の略中央位置に作溝体Ａを配
設したので、表面に大きな凹部が存在する圃場に
おいても、これをフロート１の前部及び後部にて
確実に整地し、その後に作溝体Ａにより施肥する
ことから、確実に肥料を土中に埋め込むことがで
き、全体として、肥料浮遊による植付苗の肥料焼
け障害の生起を防止し適正な施肥を行い得るもの
である。

そして、特に本願考案においては、略植付条間
中央位置でかつ前記フロート１の後端部の略中央
位置に作溝体Ａを配設したので、作溝体Ａの直前
方にはその横幅方向にわたつてフロート１の後端
部が位置するので、前述の従来技術のものと比較
して、作溝体Ａへの夾雑物の付着や泥水の流れ込
み等を可及的に防止して、適正な施肥作業を行う
ことができるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示し、第１図は田植機
の側面図、第２図は要部の側面図、第３図は要部
の平面図、第４図は作溝体の側面図、第５図はそ
の斜視図、第６図は他の作溝体の側面図、第７図
はその取付状態を示し、第８図は本実施例を示
す。 Ａ……作溝体、１……フロート、１ａ……下
面、２ａ……先端部、２……ばね板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 施肥を行うことができる作溝体Ａを設けて構成
   する田植機の施肥装置において、前部を幅広とし
   後部を幅狭としたフロート１を配設して、該フロ
   ート１の前部の後方位置で且つ該フロート１後部
   の横側方位置に植付位置Ｐを設定する一方、略植
   付条間中央位置でかつ前記フロート１の後端部の
   略中央位置に作溝体Ａを配設したことを特徴とす
   る施肥装置。