JPH0445819B2

JPH0445819B2 -

Info

Publication number: JPH0445819B2
Application number: JP61053299A
Authority: JP
Inventors: Toshiro Kondo; Eiji Kaneda
Original assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Current assignee: Mitsubishi Paper Mills Ltd
Priority date: 1986-03-10
Filing date: 1986-03-10
Publication date: 1992-07-28
Also published as: JPS62209465A

Description

【発明の詳細な説明】

(A) 産業上の利用分野本発明は、銀錯塩拡散転写法による平版印刷版
に用いる現像液の調合方法に関する。 (B) 従来技術及びその問題点写真的な複製方法の一つである銀錯塩拡散転写
法（DTR法）よつて得られる銀画像を、オフセ
ツト印刷原版として用いることができるようにし
た印刷版は、既に特許公報昭46−43132号あるい
は特許公報昭48−30562号に記載されており、さ
らにポジタイプの印刷原版については公開特許公
報昭49−55402号に、ネガタイプの印刷原版につ
いては公開特許公報昭52−106902号、公開特許公
報昭52−112402号に詳細に記載されている。係る平版印刷板の製版法に適した銀錯塩拡散転
写法の代表的な実施法によれば、支持体およびそ
の上にハレーシヨン防止をかねた下引層、ハロゲ
ン化銀乳剤層、物理現像核層からなる感光材料を
画像露光し、現像処理を行うと潜像が形成されて
いるハロゲン化銀は乳剤層中で黒化銀となる。同
時に潜像が形成されていないハロゲン化銀は現像
処理液中に含まれるハロゲン化銀錯化剤の作用で
溶解し、感光材料の表面に拡散してくる。溶解し
拡散してきた銀錯塩が表面層の分離現像核の上に
現像主薬の還元作用によつて銀画像として析出す
る。得られた銀画像のインキ受容性を強化させる
ために現像処理に続いて必要ならば感脂化処理が
施された後、オフセツト印刷機にセツトされ、印
刷物へとインキ画像が転写される。係る印刷版に必要とされる諸性能は、印刷材料
に依存すると同時にそれを製版する工程、とりわ
け現像処理工程に強く依存している。すなわち、
転写現像された銀画像の状態が印刷特性に与える
影響の大きな要因の一つとなり、それは転写銀粒
子の生成条件、たとえば銀錯塩の拡散速度、安定
度あるいは還元速度が重要な因子となつている。米国特許第4297429号、同第4297403号、同第
4355090号明細書には、転写銀粒子の生成条件に
ハロゲン化銀溶剤の種類が重要な影響を及ぼすこ
とが開示されている。しかし、ハロゲン化銀溶剤の選択だけでは、充
分に高い耐刷力の転写銀粒子が得られるとはいえ
ず、特にランニング処理、すなわち、長期間に亘
つて多数枚の製版をした場合は、著しく耐刷力が
低下するという欠点を有しているものであつた。 (C) 発明の目的本発明の目的は、ランニング処理した場合でも
充分に高い耐刷力の印刷版を製版することができ
る銀錯塩拡散転写法を利用する平版印刷版に適し
た処理液を安全に調合する方法を提供することで
ある。 (D) 発明の構成本発明の上記目的は、銀錯塩拡散転写法を応用
した平版印刷版の現像液を調合する方法に於て、
５重量％までの水酸化アルカリ金属を含む濃厚現
像液と、５重量％までの水酸化アルカリ金属を含
むアルカリ水溶液の少なくとも２つを混合し、該
濃厚現像液を希釈して使用現像液とし、該使用現
像液が少なくとも水酸化カリウムと0.5モル／
以上の水酸化ナトリウムを含み、それらの合計量
が2.6重量％以上であることを特徴とする調合方
法によつて達成された。水酸化カリウム（KOH）及び水酸化ナトリウ
ム（NaOH）は、現像処理液のアルカリ成分と
して周知である。しかしながら、本発明者等は、
既述したDTR印刷版の現像液について鋭意研究
した結果、KOH及びNaOHアルカリ成分がラン
ニング処理性と耐刷力に大きな影響をもたらして
いるとの知見により本発明を完成したものであ
る。 KOHは、転写銀像を軟調にし、ランニング処
理性も悪いが、耐刷力の高い転写銀を形成するこ
とが判明した。従つて、余りに多量に使用するこ
とは出来ず、好ましくは使用液１当たり、0.05
乃至0.4モル、特に好ましくは0.075乃至0.3モルの
範囲である。一方NaOHは、使用液１当たり、0.5モル以
上使用することによつてKOHの前記欠点を解決
しうることが判明した。NaOHは、使用液１
当たり、0.5モル以上、好ましくは約0.8モルまで
の量である。本発明の現像使用液は、KOH及びNaOHのア
ルカリ剤を比較的多量、すなわち、2.6重量％以
上の濃度で含んでいる。従つて、今日普通に行な
われている濃厚現像液を水で希釈して使用液を調
合する形態においては、濃厚現像液中のアルカリ
剤濃度は非常に高くなる。例えば濃厚現像液を水
で２倍に希釈する場合、５重量％以上のアルカリ
剤濃度になり、製造、運搬、調合時に非常に危険
を伴うことになる。本発明は、この濃厚現像液のアルカリ剤濃度を
最大５重量％に制限して、既述したような強アル
カリ性使用液を安全に調合することが出来る方法
である。代表的な一例を上げれば、KOHとNaOHを合
計量で５重量％及びその他の写真薬剤を含むアル
カリ溶液のパーツＡ（濃厚現像液）、５重量％の
NaOH及び必要に応じてその他の写真薬剤を含
むアルカリ溶液のパーツＢとし、パーツＡ：（パ
ーツＢ＋水）の容量比が１：１になるように混合
希釈して上記の使用液に調合するものである。こ
のように調合することによつて安全上の問題がな
く、前述の優れた特性を示す強アルカリ現像液を
得ることができる。但し、パーツＡ（濃厚現像液）とパーツＢのア
ルカリ剤の種類および量、使用液が規定した条件
になる限り、上記の態様に限定されないことは勿
論である。本発明の方法により調合される使用液には、任
意の写真薬剤が含まれる。これらの写真薬剤は、
通常は濃厚現像液（パーツＡ）に含まれている
が、パーツＢにさらに含んでいてもよい。そのような写真薬剤は、公知であり、たとえば
保恒剤としての亜硫酸塩、ハロゲン化銀溶剤、た
とえばチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、環状イミ
ド、チオサリチル酸、アミン等、粘稠剤、例えば
ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチル
セルロース、かぶり防止剤、例えば臭化カリウ
ム、１−フエニル−５−メルカプトテトラゾー
ル、特開昭47−26201に記載の化合物、現像剤、
例えばハイドロキノン、１−フエニル−３−ピラ
ゾリドン、現像変性剤、例えばポリオキシアルキ
レン化合物、オニウム化合物等を含むことができ
る。必要によつては、KOH、NaOH以外のアル
カリ剤も含んでよい。銀錯塩拡散転写法を実施するに当つては、例え
ば英国特許第1000115号、第1012476号、第
1017273号、第1042477号等の明細書に記載されて
いる如く、ハロゲン化銀乳剤層および／または受
像層またはそれに隣接する他の水透過性層中にい
現像剤を混入することが行われている。従つて、
このような材料に於いては、現像段階で使用され
る処理液は、現像剤を含まぬ所謂「アルカリ性活
性化液」を使用しうる。本発明の実施に用いられる平版印刷版のハロゲ
ン化銀乳剤は塩化銀、臭化銀、塩臭化銀、塩ヨウ
化銀、塩臭ヨウ化銀等が使用でき、好ましくは塩
化銀が50モル％以上のハロゲン化銀である。これ
らのハロゲン化銀乳剤は分光増感剤（光源、用途
に応じた分光増感色素。例えばカメラタイプ、レーザー光タイプ、色分
解用パンクロタイプなど）、ゼラチン硬化剤、塗
布助剤、カブリ防止剤、可塑剤、現像剤などの慣
用の乳剤添加剤を含むことができる。ハロゲン化銀乳剤の結合剤は、一般にこの目的
に使用される天然及び、又は合成結合剤、例えば
ゼラチン、コロイド状アルブミン、セルロース誘
導体等が使用出来る。ハロゲン化銀乳剤層の下側（支持体面）には接
着改良用下引層及び又はハレーシヨン防止等の目
的で下塗層を含むことも出来、この層には現像剤
を含むこともできる。ハロゲン化銀乳剤を塗布する支持体は、紙、各
種のフイルム、プラスチツクス、樹脂様物質を塗
布した紙、金属等が使用できる。物理現像各層に使用される物理現像核は、この
種の薬品の例は周知であつて、アンチモン、ビス
マス、カドニウム、コバルト、パラジウム、ニツ
ケル、銀、鉛、亜鉛などの金属およびその硫化物
が使用できる。この物理現像核層にも現像剤を含
むことができるし、親水性バインダーを含んでも
よい。本発明により製造された平版印刷版は、例えば
特公昭48−29723、米国特許第3721539号等明細書
に記載されている如き化合物でインキ受理性に変
換ないし増強しうる。印刷方法あるいは使用する不感脂化液、給湿液
などは普通によく知られた方法によることができ
る。 (E) 実施例以下に本発明を参考例及び実施例により説明す
るが、勿論、これだけに限定されるものではな
い。参考例下引処理したポリエステルフイルム支持体の片
面に平均粒子サイズ5μのシリカ粒子を含有する
マツト化層を設け、反応側の面に633nｍの光反
射率が３％になる量のカーボンブラツクを含み、
写真用ゼラチンに対して20重量％の平均粒径7μ
ｍのシリカ粉末を含むハレーシヨン防止用下塗層
（PH4.0に調整）と、化学増感された後に平均粒径
7μｍのシリカ粉末を写真用ゼラチンに対して５
重量％の割合で含むスペクトル増感された高感度
塩化銀乳剤層（PH4.0に調整）とを設けた。下塗層のゼラチンは3.5ｇ／m²、乳剤層のゼラ
チンは0.8ｇ／m²、硝酸銀に換算したハロゲン化
銀1.0ｇ／m²の割合で塗布された。この下塗層と
乳剤層は硬化剤としてホルマリンをゼラチンに対
して5.0mg／ｇゼラチンの量で含んでいる。乾燥
後40℃で14日間加温した後、この乳剤層の上に、
特開昭54−103104実施例２のプレートNo.31記載の
核塗液を塗布、乾燥し、平版印刷版を製造する。
ハロゲン化銀乳剤は、物理熟成時にハロゲン化銀
１モル当り４×10^-6モルの塩化ロジウムを添加し
たものであり、平均粒径0.40ミクロンであつた。このようにして得られた平版印刷版の原版に像
反転機構を有する製版カメラで像露光し、下記の
基本組成液に第１表のようにアルカリ剤を加えた
現像液（使用液）によりそれぞれ30℃で30秒間現
像処理した。〔基本組成液１〕無水亜硫酸ナトリウム 50ｇ３−メルカプト−４−アセトアミド −５−ｎ−ヘプチル−１，２，４− トリアゾール 0.15ｇ２−メルカプト安息香酸 0.1ｇ２−メチル−２−アミノ−１− プロパノール 30ｇウラシル 0.2ｇ

【表】各現像液で前記印刷版（A4判）を10版処理し、
10日後、20日後に再び各10版の処理をした。各現
像液の調製直後および20日後の印刷結果を第２表
に示している。尚、現像処理後は、下記の中和液で処理し、印
刷した。中和液エチレングリコール５ｇコロイダルシリカ（20％水溶液）１ｇクエン酸 10ｇクエン酸 35ｇ水を加えて全量１とする。以上の操作により作製した印刷版をオフセツト
印刷機にセツトし、下記組成のエツチ液を版面に
くまなく与え、下記組成の給湿液を用いて印刷を
行つた。エツチ液水 600ml イソプロパノール 400ml エチレングリコール 50ｇ３−メルカプト−４−アセトアミド −５−ｎ−ブチル−１，２，４− トリアゾール１ｇ給湿液（使用液は水で10倍に希釈する。）水 800ml コハク酸６ｇ硫酸ナトリウム 25ｇエチレングリコール 100ｇコロイダルシリカ（20％水溶液） 28ｇ印刷機はエー・ビー・デイツク350CD（Ａ・
Ｂ・Dick社製オフセツト印刷機の商標）を使用
し、次の方法で評価した。耐刷力の評価 1000枚以上の印刷を続け、画像部のインキとび
の出る時の印刷枚数で評価した。１…2000枚以下２…3000枚以下３…4000枚以下４…5000枚以下５…5000枚以上

【表】現像液Ｆ及びＨは、耐刷力の高い転写銀を生成
することができ、ランニング処理してもその特性
を十分に維持できることが判る。実施例参考例の基本組成液の成分を各々２倍量にした
液にKOH22.4ｇ（0.4モル）とNaOH27.6ｇ
（0.69モル）を加えて全量１とした濃厚現像液
(M)を調製した。この濃厚現像液(M)を同量の水で希
釈して使用液（Ｍ−１）を調合した。一方、NaOH50ｇ／水溶液(N)を調製し、こ
の水溶液(N)200mlと水800mlおよび水溶液(N)300ml
と水700mlをそれぞれ濃厚現像液(M)１と調合し
てそれぞれ使用液（Ｍ−２）および使用液（Ｍ−
３）を調合した。これらの使用液を用いて参考例
と同じ方法で試験した結果を第３表に示してい
る。

【表】本発明方法による使用現像液（Ｍ−２）及び
（Ｍ−３）は、従来法による使用現像液（Ｍ−１）
に比べて、ランニング処理時の耐刷力低下がない
ことが判る。尚、水溶液(N)は、予め希薄なアルカリ水溶液と
して調製してもよいことは勿論であり、また、他
の写真薬剤を必要に応じて含んでいてもよい。 (F) 発明の効果本発明による現像液は、新液時はもちろんラン
ニング処理した場合でも高い耐刷力の転写銀を形
成することができる。また、本発明の現像調合方法によれば、安全
上、の問題を回避して、濃厚現像液から強アルカ
リ性の使用現像液を作ることができる。

Claims

【特許請求の範囲】

１銀錯塩拡散転写法を応用した平版印刷版の現
像液を調合する方法に於て、５重量％までの水酸
化アルカリ金属を含む濃厚現像液と、５重量％ま
での水酸化アルカリ金属を含むアルカリ水溶液の
少なくとも２つを混合し、該濃厚現像液を希釈し
て使用現像液とし、該使用現像液が少なくとも水
酸化カリウムと0.5モル／以上の水酸化ナトリ
ウムを含み、それらの合計量を2.6重量％以上と
することを特徴とする調合方法。