JPH044575Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 (イ) 利用分野 この考案は、例えば、屋外で持運びされる携帯
用の把手付き保温水筒に関する。

(ロ) 従来技術 比較的大径の外容器をもち、または比較的重量
のある大容量の携帯用保温水筒を幼児等が使用す
る場合、手が小さくまた握力がないため携帯用保
温水筒を片手で持つことができず、この種の携帯
用保温水筒には把手の具備を必要としたが、従来
から携帯用保温水筒に具備されている把手は、把
手本体を外容器に固定するかあるいは実開昭58−
95730号公報に記載されているように、折曲げ自
在に構成されていた。

しかし、いずれも不体裁であるとともに固定式
把手では、その突出部が持運び時に不用意に他人
や建造物に接触してそれらに損傷をおわせたりま
た把手自体が損傷したりした。

(ハ) 考案が解決しようとする問題点 しかし、上述の折りたたみ式の把手の場合は、
把手の出没操作に両手を必要として、操作が迅速
にいかず、さらに、引出した状態および折りたた
み状態が不安定となり、使用時に把手が折りたた
まれたり、また、不使用時に把手が引出されたり
する不都合が生じる。

そこでこの考案は、把手の出没操作をワンタツ
チの簡単操作とし、さらに、出没の回動が円滑で
安定し、さらにまた、出没の各状態が確実に固定
されて使用し易い把手付き保温水筒の提供を目的
とする。

(ニ) 考案の構成 この考案は、外容器の側面に把手基板を固着
し、この把手基板の上部を上端壁と側壁とからな
る上部操作台に、下部を上端壁と側壁とからなる
下部操作台にそれぞれ形成し、上部操作台の上端
壁下縁のやや下方には仕切壁を突設し、前記把手
基板に取付けられる把手は、少なくとも上下両端
部を断面コ字状に形成して、前記上下操作台の両
側壁に常時摺接状態に外嵌させ、その上下両端
を、それぞれ上下操作台の側壁に設けた回転軸に
枢着した作動具と受動具とによる４連リンク機構
により縦長方向に出没自在に構成し、把手の引出
し状態と折りたたみ状態とに対応させて前記作動
具の回動を、前記上部操作台の上端壁の下端縁と
仕切壁とによつて規制し、前記作動具又は受動具
の一方には、把手をスナツプ動作で引出し状態と
折りたたみ状態とに押圧付勢するバネを介装した
把手付き保温水筒であることを特徴とする。

(ホ) 作用 この考案の把手付き保温水筒は、把手を引出す
と４連リンク機構の動きで平行に把手は引出され
ると同時に、スナツプ動作用バネがスナツプ動作
して把手を引き出し状態に付勢して固定する。

また、把手を折りたたむと、上述と同様に、４
連リンク機構の動きで平行に把手は折りたたまれ
ると同時に、スナツプ動作用のバネがスナツプ動
作して折りたたみ状態に付勢して固定する。

そして把手の引出し収納状態共に、把手の上下
両端部は把手基板の上下操作台の側壁に摺接状態
で外嵌されているので、引出した状態でも左右に
振れることなく安定した状態で位置保持される。

(ヘ) 考案の効果 この考案によれば、把手は片手でしかもワンタ
ツチの簡単操作で出没操作することができ、使用
に際しては幼児等でも片手で把手付き保温水筒を
簡単に持上げられ、もう一方の手でコツプ等を持
つて確実に飲料を注出することができ、安全性、
機能性において実用的である。

さらに、把手は作動具と従動具の４連リンク機
構で支持しているので、長期の使用でもガタ付き
なく安定状態で円滑に可動する。

しかも、把手の引出し状態および折たたみ状態
における上下動は、それぞれバネによる付勢状態
に保持されるうえ、把手の左右の動きは、その上
下両端部を断面コ字状にして、常時上下操作台の
両側壁に摺接状態に外嵌して完全に規制されてい
るので、最も不安定な引出し状態でも把手は不測
に上下左右に触れることがなく、安心して注出動
作を行なえる。

(ヘ) 考案の実施例 この考案の一実施例を以下図面に基いて詳述す
る。

図面は把手付き保温水筒を示し第１図〜第４図
において把手付き保温水筒は、外容器１と、把手
部２とにより構成されている。

前述した外容器１は、その内部に内容器３を収
納し、またその外周側面に前述した把手部２を突
設固定している。

前述した把手部２は、把手基板４と、作動具５
と、把手６より構成されている。

前述した把手基板４は、その両端部に底部を開
放した箱状体よりなる上部操作台７および下部操
作台８を突設して、前述した外容器１に一体的に
固着されている。

前述した上部操作台７は、その上端壁９から仕
切壁１０にかけて切欠孔１１を穿孔し、またその
側壁１２には作動孔１３を左右一対で穿孔し、さ
らに前述した作動孔１３に対応して前述した作動
具５がスナツプ動作を行うようにしたバネ孔１４
を左右一対で穿孔している。

前述した切欠孔１１は、その切欠空間に、前述
した作動孔１３に回動自在に枢着された作動具５
の先端を突出させるとともに、上端壁９の下縁端
および仕切壁１０とでそれぞれ作動具５の回動を
規制する。

前述した作動具５は、その上端部に前述した把
手６の取付軸１５を嵌着してなるバネ係止筒１６
により左右を一体的に成形し、その下端部を開放
したクランク状に形成されている。

また開放された下端部外側には、前述した作動
孔１３に枢着する回転軸１７が左右一対に突設さ
れ、前述した作動孔１３に回転自在に枢着されて
いる。

前述したバネ係止筒１６と前述したバネ孔１４
に嵌着された取付軸１８間には、スナツプ動作用
のバネ１９が引張り状態で介装され、第２図に示
すごとく、前述したバネ係止筒１６と、回転軸１
７と、取付軸１８の三点のそれぞれ中心点が一直
線上に並び、バネ１９が最長に伸びた状態の時を
死点とし、この死点を基準にしてバネ係止筒１６
が外力により左または右に僅小回動されれば、前
述したバネ１９の引張り力により作動具５は急激
に左または右に回動されてスナツプ動作を行い、
仮想線で示すごとく前述した上端壁９または仕切
壁１０に当接してその回動が係止されるととも
に、バネ１９によりその係止状態を保持される。

前述した下部操作台８は、その上端壁２０に切
欠孔２１を穿孔し、またその側壁２２には従動具
孔２３を左右一対で穿孔している。

前述した切欠孔２１は、その切欠空間に前述し
た従動具孔２３に回動自在に枢着された従動具２
４の先端部を突出させる。

前述した従動具２４は、その上端部に前述した
把手６の取付軸２５を嵌着してなる筒体２６によ
り左右を一体的に成形され、その下端部を開放し
たクランク状に形成されている。

また開放された下端外側には前述した従動具孔
２３に枢着する回転軸２７が左右一対に突設さ
れ、前述した従動具孔２３に回転自在に枢着さ
れ、前述した把手６の移動にしたがい、把手６を
出没方向に回動さす。

前述した把手６は、その縦長方向の下部に前述
した把手基板４の上部操作台７および下部操作台
８を収納すべくコ字状に形成され、側壁２８の中
央部は把手６を握り易くするための凹部が形成さ
れている。

前述した側壁２８の上部両側には前述した作動
具５の取付軸１５が嵌着され、また下部両端には
前述した従動具２４の取付軸２５が嵌着されてい
る。

したがつて、把手６は把手基板４と作動具５と
従動具２４とによる４連リンク機構で支持された
ことになる。

前述したように構成された把手付き保温水筒の
把手６の折たたみ状態は第３図に示すごとく、上
部操作台７で作動具５がバネ１９により仕切壁１
０に係止保持されている。このため下部操作台８
の従動具２４は下部操作台８の下端部に回動係止
され、把手６と外容器１は平行係止状態を保持さ
れている。

前述した折たたみ状態より把手６を引出すに
は、把手６の中央部近傍を上方向に引出すと、取
付軸１５により枢着されている作動具５も同時に
連動して上方向に回動される。僅小回動された時
点で作動具５は死点を通過する。このため作動具
５はバネ１９により急激に上方向に回動され把手
６を斜め上方向に引出し、やがて上端壁９と当接
して係止保持される。一方下部操作台８の従動具
２４も従動孔２３を中心にして上方向に従回動し
上端部に至つて係止され第４図に示すごとく把手
６と外容器１は平行係止状態を保持され把手６の
引出し状態となる。

また前述した引出し状態より把手６を折たたむ
には、把手６の中央部近傍を押込むと作動具５が
折たたみ方向に回動される。

僅小回動された時点で作動具５は死点を通過す
る。このため作動具５はバネ１９により急激に下
方向に回動され把手６を斜め下方向に折たたみ、
やがて仕切壁１０と当接して係止保持される。一
方下部操作台８の従動具２４も把手６の移動にし
たがい従動具孔２３を中心にして下方向に従回動
し、作動具５の係止保持と同時に下端部に至つて
前述した第３図に示すような折たたみ状態にな
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の一実施例を示し、第１図は把手
付き保温水筒の全体斜視図、第２図は作動具部分
の要部断面図、第３図は把手の折たたみ状態の縦
断面図、第４図は把手の引出し状態の縦断面図で
ある。 １……外容器、５……作動具、６……把手、１
９……バネ、２４……従動具。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 外容器１の側面に把手基板４を固着し、この把
   手基板４の上部を上端壁９と側壁１２とからなる
   上部操作台７に、下部を上端壁２０と側壁２２と
   からなる下部操作台８にそれぞれ形成し、 上部操作台の上端壁９下縁のやや下方には仕切
   壁１０を突設し、 前記把手基板４に取付けられる把手６は、少な
   くとも上下両端部を断面コ字状に形成して、前記
   上下操作台７，８の両側壁１２，２２に常時摺接
   状態に外嵌させ、その上下両端を、それぞれ上下
   操作台の側壁１２，２２に設けた回転軸１７，２
   ７に枢着した作動具５と受動具２４とによる４連
   リンク機構により縦長方向に出没自在に構成し、 把手６の引出し状態と折りたたみ状態とに対応
   させて前記作動具５の回動を、前記上部操作台の
   上端壁９の下端縁と仕切板１０とによつて規制
   し、 前記作動具５又は受動具２４の一方には、把手
   ６をスナツプ動作で引出し状態と折りたたみ状態
   とに押圧付勢するバネ１９を介装したことを特徴
   とする把手付き保温水筒。