JPS6336998Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は携帯用魔法瓶に取りつけて便利な伸
縮自在の把手に関するものである。

従来、比較的小型の魔法瓶には、この魔法瓶を
操作するために固定式の把手が設けられるか、ス
トラツプが設けられるかしていた。固定式の把手
が取りつけられている魔法瓶は、注ぎやすい利点
をもつ反面、カバンなどに収納して持ち運ぶ場
合、魔法瓶本体から突き出ている把手が邪魔にな
り、大きな収納容積を必要とする欠点がある。一
方、ストラツプが取りつけられている魔法瓶は、
携帯には便利であるが、把手がないため、注ぐ時
に両手でささえなければならず、不便をきたす欠
点がある。

この考案は上記事情に鑑みてなされたもので、
その目的は魔法瓶をカバン等に収納して容易に持
ち運ぶことができ、注ぐ時に不便をきたすことの
ない携帯用魔法瓶の把手を提供することにあり、
互いに回動自在に連結した２本の把手部材の一端
を魔法瓶本体の側壁の上部に固定するとともに、
他端を前記側壁の下部に上下方向に摺動自在に取
りつけることにより、使用時以外に前記側壁に折
りたたんだ状態で固定できるようにしたものであ
る。

以下、この考案を図面を参照して説明する。第
１図および第２図はこの考案の一実施例を示すも
のである。図中符号１はその一端部が魔法瓶本体
２の側壁２ａの上部に固定軸３を介して回動自在
に取りつけられている上部把手部材を示すもので
あり、符号４はこの上部把手部材１の他端部にそ
の一端部が回動自在に取りつけられている下部把
手部材を示すものであり、符号５はこの下部把手
部材４の他端部を上記魔法瓶本体２の側壁２ａの
下部に上下方向摺動自在に取りつけている摺動係
止部材を示すものである。

上記上部把手部材１は長板状部材の両端部中央
を切欠いたような形状となつており、その上端部
（他端部）には一対の連結手１ａ，１ａが形成さ
れ、その下端部（一端部）にも一対の連結手１
ｂ，１ｂが形成されている。

また、上記下部把手部材４は、上記上部把手部
材１と略同形状に形成され、その幅寸法は上記上
部把手部材１の幅寸法より幾分大きく設定され、
その長さ寸法は同上部把手部材１の長さ寸法の数
倍程度に設定されており、その上端部（他端部）
に連結手４ａ，４ａが形成され、その下端部（一
端部）には連結手４ｂ，４ｂが形成されている。

上記上部把手部材１と下部把手部材４との連結
は、上記連結手１ｂ，１ｂと連結手４ａ，４ａと
を枢軸６によつて回動自在に連結することにより
行なわれている。

上記摺動係止部材５は、第３図ないし第５図に
示すように、中空直方体（箱状）部材であり、上
記魔法瓶本体２の側壁２ａの下部にその長手方向
を前記側壁２ａの上下方向に一致させて固着され
ている。この摺動係止部材５の両側壁部には、第
５図に示すように上記側壁２ａに平行なスリツト
状の摺動溝７および８が穿設され、同前面壁部に
は、第３図に示すように上記側壁２ａに平行な略
スリツト状のガイド溝９が穿設されている。ガイ
ド溝９は、スリツト状の中間狭隘溝部９ａの上下
両端にそれぞれ丸穴状の上部拡幅係止穴部９ｂお
よび下部拡幅係止穴部９ｃが形成されてなるもの
である。

上記摺動溝７，８にはピン状のガイド部材１０
が上下方向摺動自在に嵌着されている。上記摺動
係止部材５の外方に突出しているガイド部材１０
の両端部には、上記下部把手部材の連結手４ｂ，
４ｂが回動自在に連結されており、このガイド部
材１０の中央部には操作部材１１が固定されてい
る。この操作部材１１は、上記上部拡幅係止穴部
９ｂおよび下部拡幅係止穴部９ｃには嵌合する
が、上記中間狭隘溝部９ａには嵌合し得ない径寸
法で円柱状をなす操作部材本体１１ａと、この操
作部材本体１１ａに一体に形成され上記中間狭隘
溝部９ａに遊嵌する径寸法の首部１１ｂと、この
首部１１ｂに一体に形成され上記操作部材本体１
１ａより大径なつまみ部１１ｃとから構成されて
いる。

上記摺動係止部材５の魔法瓶本体の側壁２ａ側
内周面と上記操作部材１１の操作部材本体１１ａ
との間には、上記内周面の下端から上端に亘る寸
法の板ばね（付勢部材）１２が介装されており、
上記操作部材１１を常に摺動係止部材５の前面部
に向けて付勢している。

次に上記のように構成された収納式把手の使用
方法を説明する。

第１図および第２図に示すように、使用時には
操作部材１１の操作部材本体１１ａがガイド溝９
の上部拡幅係止穴部９ｂに嵌着しており、これに
伴ない下部把手部材４の連結手４ｂ，４ｂに連結
されているガイド部材１０は摺動溝７，８中を上
昇した上動位置にある。この状態では、上記操作
部材本体１１ａはガイド溝９の上部拡幅係止穴部
９ｂに嵌着し、しかも板ばね１２により脱離しな
いように付勢されているので、操作部材１１に外
力を加えない限り上記連結手４ｂ，４ｂの先端は
上動位置で固定状態にある。一方、上部把手部材
１の連結手１ａ，１ａの先端は、前記したよう
に、常に定位置にある。従つて、上部把手部材１
と下部把手部材４とは、第２図に示すように上部
把手部材１の連結手１ｂと下部把手部材４の連結
手４ｂとが枢軸６で回動して突出して互いに交差
するような変位位置で固定状態となり、下部把手
部材４を容易に握ることができ、安定した状態で
魔法瓶を操作することができる。

逆に上記収納式把手を折りたたむ時は、まず操
作部材１１のつまみ部１１ｃを魔法瓶本体２の側
壁２ａ側に押圧して上部拡幅係止穴部９ｂから操
作部材本体１１ａを脱離させ、操作部材１１の首
部１１ｂを中間狭隘溝部９ａに嵌合させながら操
作部材１１をガイド溝９に沿つて下降させる。操
作部材１１が下部拡幅係止穴部９ｃに達したら、
操作部材１１への押圧を解除すると、操作部材本
体１１ａが板ばね１１に押されて上記下部拡幅係
止穴部９ｃに嵌着し、操作部材１１は、第３図な
いし第５図に示すように、固定状態となる。上記
操作部材１１の下降動作に伴なつて下部把手部材
４の連結手４ｂ，４ｂの先端も下降し、第２図中
点線で示すように、上記上部把手部材１および下
部把手部材４は、魔法瓶本体の側壁２ａに接する
ように一直線となり、上記操作部材１１の固定に
より固定状態に置かれる。従つて、この状態の魔
法瓶を収納するには、魔法瓶本体２を収納できる
カバンで充分に対応可能となる。

以上説明したように、この考案に係る携帯用魔
法瓶の把手は、互いに回動自在に連結した２本の
把手部材の一端を魔法瓶本体の側壁の上部に固定
するとともに、他端を前記側壁の下部に上下方向
に摺動自在に取りつけ、それぞれ上動位置および
下動位置で固定できるようにしたものなので、使
用時には使用状態で固定できるので安定した状態
で魔法瓶を操作でき、また把手収納時には折りた
たんだ状態に固定されるので魔法瓶をカバン等に
収納して持ち運ぶのを容易にし、注ぐ時にも不便
をきたすことがない。また把手の操作は、板バネ
によつて付勢された操作部材を押しながら上げ
る、または押しながら下げるという２方向の力を
加えなければ操作できないようになつているの
で、把手が誤つて摺動することがない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第５図はこの考案の一実施例を示
すもので、第１図は正面構成図、第２図は側面構
成図、第３図は要部の正面図、第４図は同要部の
側面図、第５図は第３図−線視断面図であ
る。 １…上部把手部材、１ａ…連結手（上部把手部
材の他端部）、１ｂ…連結手（上部把手部材の一
端部）、２…魔法瓶本体、２ａ…魔法瓶本体の側
壁、４…下部把手部材、４ａ…連結手（下部把手
部材の他端部）、４ｂ…連結手（下部把手部材の
一端部）、５…摺動係止部材、７，８…摺動溝、
９…ガイド溝、９ａ…中間狭隘溝部、９ｂ…上部
拡幅係止穴部、９ｃ…下部拡幅係止穴部、１０…
ガイド部材、１１…操作部材、１１ａ…操作部材
本体、１１ｂ…首部、１２…板ばね（付勢部材）。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 魔法瓶本体の側壁の下部に取り付けられ、その
   両側壁部に前記側壁に沿つて上下方向に延びるス
   リツト状の摺動溝が穿設されるとともに、その前
   面壁部には上部拡幅係止穴部と下部拡幅係止穴部
   とこれら上・下部の拡幅係止穴部を連結する中間
   狭隘溝部とからなるスリツト状のガイド溝が穿設
   されてなる箱状の摺動係止部材と、 前記摺動係止部材のガイド溝の上部または下部
   拡幅係止穴部に着脱自在に嵌合する操作部材本体
   の上面に前記ガイド溝の中間狭隘溝部に摺動自在
   に遊嵌する首部が一体的に取り付けられてなる操
   作部材と、 前記操作部材の下方に直交するように固定さ
   れ、前記両摺動溝に摺動自在にその両端が遊嵌し
   て支持されてなるガイド部材と、 前記摺動係止部材内の前記側壁側に介装固定さ
   れ、前記操作部材本体を前記摺動係止部材の前面
   壁部側に付勢する付勢部材と、 一端部が前記ガイド部材に回動自在に連結され
   前記側壁上方に延出する下部把手部材と、 一端部が前記下部把手部材の他端部に回動自在
   に連結されるとともに他端部が前記側壁の上部に
   回動自在に連結されてなる上部把手部材とを具備
   してなる携帯用魔法瓶の把手。