JPH04358030A - 半導体素子形成用高純度スパッタターゲットの製造方法 - Google Patents

半導体素子形成用高純度スパッタターゲットの製造方法

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JPH04358030A
JPH04358030A JP3018949A JP1894991A JPH04358030A JP H04358030 A JPH04358030 A JP H04358030A JP 3018949 A JP3018949 A JP 3018949A JP 1894991 A JP1894991 A JP 1894991A JP H04358030 A JPH04358030 A JP H04358030A
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隆 石上
Mitsuo Kawai
光雄 河合
Minoru Obata
稔 小畑
Michio Sato
道雄 佐藤
Takashi Yamanobe
山野辺 尚
Toshihiro Maki
牧 利広
Shigeru Ando
茂 安藤
Noriaki Yagi
典章 八木
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    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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    • C23C14/22Coating by vacuum evaporation, by sputtering or by ion implantation of the coating forming material characterised by the process of coating
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    • C23C14/3407Cathode assembly for sputtering apparatus, e.g. Target
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】 [発明の目的]
【0002】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体素子の電極、コ
ンタクト部、バリヤ層等を形成する際に用いるターゲッ
ト材として好適な高純度金属材とその製造方法、および
それを用いたスパッタターゲット、さらにはそれを用い
て形成した配線網および半導体パッケージに関する。
【0003】
【従来の技術】LSIのような半導体素子の配線層や電
極の形成材料としては、例えばAlの他に、Mo、W、
Ta、Ti、Zr、Hf等の高融点金属のシリサイド化
合物が使用されている。また、半導体素子の高集積化は
さらに進む傾向にあり、これによって配線構造がさらに
微細化し、種々の問題が発生することが懸念されている
【0004】例えば、Al配線では配線が微細化し、電
流密度が増加することによって、Al原子が電子の運動
方向に運ばれる、エレクトロマイグレーションの発生や
、動作発熱の増加を招く。これらによって、Al配線で
は断線が発生しやすくなるという問題が生じる。また、
配線の微細化による配線抵抗の増加は、信号の遅延問題
を引き起こす。そこで、配線材料や電極材料として、高
融点であると同時に低抵抗であること等から、特にTi
シリサイドが注目されている。
【0005】Tiシリサイドを例えば電極として用いる
場合、まずポリシリコン膜上にTiの薄膜をスパッタ法
等によって形成する。次に、Ti薄膜に熱処理を施すこ
とによって、Tiをシリサイド化する。このようないわ
ゆるポリサイド構造が用いられている。また、同時に自
己整合的にコンタクト部をTiシリサイドとし、コンタ
クト抵抗を下げる試みがなされている。さらに、コンタ
クト部にはAl配線中へのSiの析出を防止するために
、拡散バリヤ層として例えばTiN膜が介在される。 このため、Al/TiN/TiSi2 等の積層構造が
用いられている。TiN膜は、反応性スパッタ等により
形成される。
【0006】上述したように、TiN膜やTiSi2 
膜の形成には、スパッタ法が利用されている。このため
、Ti材によるタ―ゲットの作製が必須となる。この場
合のTiターゲットは、高純度であることが重要である
。 例えば、Tiターゲットに不純物として酸素が含有され
ている場合には、形成された薄膜の電気抵抗が大きくな
り、信号の遅延や配線の断線等の事故を招く。また、F
e、Ni、Crのような重金属は、積層膜の界面に集っ
てディープレベルを形成し、接合リークの要因となる。 Na、Kのようなアルカリ金属は、Si中を容易に移動
して素子特性を劣化させる。
【0007】ところで、上記Tiタ―ゲットを構成する
Ti材の製造方法としては、一般にTiCl4 のよう
なTi化合物をNa、Mgのような活性金属で熱還元す
る方法で、クロール(Kroll) 法、ハンター(H
unter)法と呼ばれている方法や、例えばKClや
NaCl等の塩を用いた溶融塩電解法等が採用されてい
る。近年の金属の精製技術の進歩や製造工程の管理によ
り、重金属等の不純物の混入は極力抑えられるようにな
ってきた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
たような重金属量等を極力低減したTiターゲットを使
用して、電極やコンタクト部に用いられるTiSi2 
膜等を形成した場合においても、配線が微細化されるこ
とによって、接合リークを十分に防止することができな
いという問題が起きている。これは、半導体素子の信頼
性の低下要因となる。また、TiN膜等からなるバリヤ
層においても、同様に配線が微細化され、電流密度が高
くなることによって、バリヤ層としての機能が損なわれ
、ジャンクションリーク等を招いてしまうという問題が
起きている。このような問題は、今後半導体素子の集積
度が進むにつれて、さらに大きな問題となることが予想
される。これらの問題は、Tiターゲットを使用して電
極層やバリア層を形成する場合に限らず、ZrやHfを
用いてそれらを形成する場合においても、同様に生じる
ものである。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたものであって、本発明の目的は、高集積化さ
れた半導体素子の電極やコンタクト部を形成する際に、
接合リーク等の発生を十分に防止することが可能で、ま
たバリヤ層の形成にあっては、その機能の低下を防止す
ることが可能な高純度金属材およびその製造方法を提供
することにある。また、本発明の他の目的は、信頼性に
優れた電極、コンタクト部、バリア層等を再現性よく形
成することを可能にしたスパッタタ―ゲットを提供する
ことにある。本発明のさらに他の目的は、接合リーク等
の発生や機能の低下を防止した電極、コンタクト部、バ
リア層等の配線網を提供することにあり、また集積度の
向上に伴って配線が微細化された場合においても、十分
な信頼性が得られる半導体パッケージを提供することに
ある。
【0010】 [発明の構成]
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述した
目的を達成するために、Ti、Zr、Hf等のターゲッ
ト中の不純物について検討を進めた結果、上述したよう
な問題が従来ターゲット中の不純物としてはあまり重視
されていなかった、Alに起因するという知見を得た。 つまり、半導体素子の電極、コンタクト部、バリヤ層等
をスパッタ法によって形成する際に使用されるTi等の
ターゲットでは、重金属やアルカリ金属等の他に、Al
量を極力低減する必要があることが明らかとなった。た
だし、前述したような従来の製造方法では、Al量を充
分に低減することができず、多いものではAlが200
ppm程度存在し、高集積化された半導体素子用の形成
材料としては到底使用し得ることができない。
【0012】本発明の高純度金属材は、上述したような
知見に基づいて成されたものであり、Alの含有量が1
0ppm 以下であることを特徴とするものである。ま
た、本発明のスパッタタ―ゲットは、上記高純度金属材
を任意の形状に加工してなることを特徴とするものであ
る。本発明における高純度金属材とは、Ti、Zrおよ
びHfから選ばれた 1種からなるものである。
【0013】上記高純度金属材は、LSI、VLSI、
ULSI等のための配線材料として有用である。すなわ
ち、本発明の半導体基板上に設けられた配線網は、Al
の含有量が10ppm 以下であることを特徴とするも
のであり、具体的には、上記した金属の珪化物や窒化物
等からなるものである。また、このような配線網は、例
えば以下に示すような製造方法によって得ることができ
る。すなわち、チタン、ジルコニウムおよびハフニウム
から選ばれた 1種の金属からなる高純度金属材から、
半導体基板上に薄膜を形成する工程と、所望の前記配線
網に応じて、前記薄膜の不要部分をエッチング除去する
工程とを有する製造方法である。なお、上記した配線網
は、半導体素子の電極、コンタクト部、バリヤ層等を含
むものである。
【0014】本発明のAl量を極度に低下させた高純度
金属材は、ヨウ化物分解法を用いることによってAlを
効果的に低減することが可能であること、および溶融塩
電解法で得られた粗Ti粒等に含まれるAlは表層部に
特に集中して存在し、これを表面処理技術を用いて除去
することにより、Alを効果的に低減することが可能で
あることを見出だしたことによって、始めて達成された
ものである。
【0015】すなわち、本発明の高純度金属材の第1の
製造方法は、チタン、ジルコニウムおよびハフニウムか
ら選ばれた 1種の金属を主とする粗金属材をヨウ化物
分解法によって精製する工程と、この精製された金属材
を高真空下で電子ビーム溶解する工程とを有することを
特徴としている。また、第2の製造方法は、溶融塩電解
法で得られた、チタン、ジルコニウムおよびハフニウム
から選ばれた 1種の金属を主とする粗金属材に対して
表面処理を施し、前記粗金属材表面に存在する汚染層を
除去する工程と、前記表面処理が施された粗金属材を高
真空下で電子ビーム溶解する工程とを有することを特徴
としている。
【0016】
【作用】本発明においては、粗金属材をヨウ化物分解法
によって精製するか、あるいは溶融塩電解法で得られた
粗金属材等に表面処理を施して、粗金属材表面に存在す
る汚染層を除去した後、高真空下で電子ビーム溶解を行
って金属材を得ているため、Alの含有量を 10pp
m以下というように、極めて減少させたチタン材、ジル
コニウム材、あるいはハフニウム材を得ることができる
。このように、Al含有量を低減した高純度金属材を用
いて、半導体素子の電極やコンタクト部、さらにはバリ
ア層等を形成することによって、接合リークや機能低下
を防止することが可能となる。よって、信頼性に優れた
半導体素子や半導体パッケージが得られる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳細に説明す
る。
【0018】本発明の高純度金属材、すなわち高純度T
i材、高純度Zr材、あるいは高純度Hf材は、Alの
含有量が10ppm 以下であることを基本とするもの
であるが、他の不純物についても同様に低減されたもの
である。例えば、酸素含有量は 250ppm 以下、
Fe、NiおよびCrの各元素の含有量は10ppm 
以下、NaおよびKの各元素の含有量は 0.1ppm
 以下である。また、UおよびThの含有量はいずれも
0.001ppm以下とするのが好ましい。
【0019】ここで、Alの含有量を上記範囲に規定し
たのは、半導体素子の電極、コンタクト部、バリア層を
Ti、Zr、Hfの化合物で形成する際、用いるターゲ
ット中のAl含有量が 10ppmを超えると、リーク
による素子不良の頻度が急激に増加するためである。こ
のことは、本発明者らによって初めて明らかにされたも
のである。Al含有量のより好ましい範囲としては5p
pm以下であり、さらに好ましくは 1ppm 以下で
ある。
【0020】このような本発明の高純度金属材は、前述
した第1および第2の高純度金属材の製造方法のいずれ
かを適用することによって得られるものである。
【0021】まず、第1の製造方法について詳細に述べ
る。第1の製造方法においては、まず粗金属材をヨウ化
物分解法によって精製する。ここで、ヨウ化物分解法に
ついてTiを例とし、図1を参照して説明する。図1は
、ヨウ化物分解法によるTi材の精製装置の一例を示す
図である。原料の粗Ti材とヨウ素とを収容する反応容
器1は、恒温槽2内に設置されており、この反応容器1
内には接続子3a、3bを介して電源4に接続されたフ
ィラメント5が配置されている。
【0022】ヨウ化物分解法は化学輸送法の一種であり
、下記の(1)式および(2)式の反応を利用してTi
の精製が行われる。
【0023】   Ti+ 2I2         →      
  TiI4                   
    ……(1)  (100℃〜 250℃あるい
は 450℃〜 600℃)  TiI4      
 →      Ti+ 2I2          
                 ……(2)   
     (1100℃〜1500℃)すなわち、反応
容器1内に原料の粗Ti材とヨウ素とを投入し、フィラ
メント5を通電加熱によって1100℃〜1500℃の
範囲の温度に加熱した状態で、反応容器1内を 100
℃〜 250℃あるいは 450℃〜 600℃の温度
に保持する。これにより、まず原料の粗Ti材とヨウ素
とが上記(1)式にしたがって反応し、TiI4 が生
成される。 このTiI4 は揮発性物質であるために、フィラメン
ト5に到達したところで、上記(2)式にしたがって再
びTiとヨウ素とに分解し、Tiのみがフィラメント5
に析出する。原料中の不純物のうち、Tiよりも反応性
の低い元素は大部分が原料中に残存する。また、ヨウ化
物を形成しやすい不純物でも、上記した反応容器内温度
において、その蒸気圧が低い元素はフィラメント中に混
入しないし、仮に十分な蒸気圧を有するヨウ化物でも、
反応容器内の圧力や解離温度を調節することにより、フ
ィラメントへの混入を防止することができる。
【0024】以上のように、ヨウ化物分解法は、反応容
器温度、容器内圧力、フィラメント温度等のパラメータ
を調節することにより、特定不純物の濃度を効果的に低
減できるという利点を有している。そして、Alについ
ては、上記(1)式の反応容器内の温度範囲において、
ヨウ素との反応性がTiより十分に低いため、効率的に
Ti中より除去することができる。このように、Tiヨ
ウ化物の生成、解離反応のプロセスによってTiの精製
が行われ、Al量を大幅に低減したTi材が得られる。 なお、この場合、原料にはなるべくAl成分が少ないも
のを選ぶこと、および反応容器にもAl含有量の少ない
材料を選ぶことが重要である。ZrおよびHfについて
も同様である。
【0025】上記ヨウ化物分解法で原料として使用する
粗Ti材としては、クロール法、ハンター法、溶融塩電
解法等の各種製造方法によって得られたTi材を適用す
ることが可能であるが、溶融塩電解法によって得たTi
材を用いることが好ましい。これは、ヨウ化物分解法に
より精製したTiの純度は原料の純度をある程度反映す
るため、より純度の高いTi材が得られる溶融塩電解法
を利用することにより、さらに高純度化が達成されるた
めである。
【0026】本発明の第1の製造方法においては、上記
ヨウ化物分解法によって粗金属材の精製を行った後、例
えば 5×10−5mbar以下というような高真空下
で電子ビーム溶解(以下、EB溶解と記す)することに
より、最終的にAlやNa、Kが除去され、高純度金属
材が得られる。EB溶解は、蒸気圧の差を利用して不純
物を分離する方法であり、特に蒸気圧の高いAl、Na
、K等の精製効果が高い。
【0027】EB溶解炉においては、炉内を 5×10
−5mbar以下、好ましくは 2×10−5mbar
以下の真空度に保持し、かつフレオンバッフルで拡散ポ
ンプオイルの炉内への混入を防止しつつ、各金属材のE
B溶解を行うことが好ましい。また、EB溶解時におけ
る操作条件は格別限定されるものではないが、Na、K
の精製効果や酸素の汚染吸収を考慮して、溶解速度を選
定することが求められる。例えば1.75kg/時間〜
 2.3kg/時間程度が好ましい条件である。なお、
EB溶解時の電極はそれぞれの金属材が析出したフィラ
メントを直接使用する。
【0028】このようにヨウ化物分解法で精製されたT
i、Zr、Hf等の金属材は、EB溶解によりさらに精
製される。また、溶解は高真空下で行われるため、酸素
や窒素による汚染も少なく、高純度の金属材が得られる
【0029】次に、本発明の第2の高純度金属材の製造
方法について述べる。
【0030】この第2の製造方法においては、まず溶融
塩電解法によって粗金属粒を作製する。原料の金属材料
としては、例えばスポンジTi等を用いる。また、電解
浴としてはKCl−NaCl等が好ましい。電解温度は
 730℃〜 755℃、電圧は6.0V〜 8.0V
 程度が好適である。ここで、溶融塩電解法によって得
られる粗Ti粒等の粗金属材は、表面近傍にAlを含む
金属元素や酸素等の不純物が集中して存在するため、こ
の表面汚染層を選択的に除去する。
【0031】この表面汚染層の除去方法としては、(a
)  酸やアルカリ等による表面処理法、(b)  表
面層だけヨウ素、フッ素、塩素、臭素等のハロゲンと反
応させて揮発分離する方法、等が例示される。
【0032】上記 (a)の方法は、表面層の再汚染(
特に酸素)を防止する上で、アルゴンガス雰囲気のよう
な不活性雰囲気中で処理した後、純水で洗浄、乾燥する
ことにより行うことが好ましい。使用する処理液として
は、フッ酸、硝酸、塩酸、あるいはこれらの混酸等の酸
液や、水酸化ナトリウム溶液のようなアルカリ溶液が用
いられる。また、溶融塩電解法によれば、重金属類の除
去を比較的容易に行うことが可能であるため、表面近傍
に存在するAlのみを選択的に除去するようにしてもよ
い。この場合には、塩酸や水酸化ナトリウム溶液が効果
的である。
【0033】また、上記 (b)の方法は、例えば図1
に示したヨウ化物分解法による精製装置内に溶融塩電解
法によって得られた粗金属材を収容し、ハロゲンをガス
状態で導入した後、反応容器内の温度を上げて一定時間
保持することにより、粗金属材の表面とハロゲンとを反
応させ、この生成物を吸引除去することによって実施さ
れる。反応容器温度が充分に高い場合、ほとんどの金属
不純物のハロゲン化物は蒸気圧が高いことから、容易に
反応容器外に運び出される。このような操作を繰り返し
行うことによって、粗金属材表面の汚染層は徐々に取り
除かれる。
【0034】これらの方法によって除去する表面汚染層
は、表面から 5μm 以上とすることが好ましく、さ
らに好ましくは10μm 以上である。また、比較的粒
径の大きいTi粒等を選択して用いることにより、比表
面積が小さくなることから、Alを含む不純物量を相対
的に減少させることができる。これにより、表面汚染層
の除去がより効果的に行える。また、表面汚染層の除去
処理後に篩分けを実施し、比較的粒径の大きいTi粒を
選択的に使用しても、同様な効果が得られる。
【0035】このようにして表面汚染層の除去処理後に
、前記した第1の製造方法と同様に、高真空下でEB溶
解し、最終的に内部のAlやNa、K等の除去を行い、
高純度金属材を得る。ここで、通常EB溶解を行う際に
は、得られたTi粒等をプレス成形によって圧縮して固
形化し、これを電極としてEB溶解することが考えられ
る。しかし、その場合は工具、成形時の変形による再汚
染の発生が考えられるため、本発明においては、この再
汚染を防止するために、Ti粒等をそのまま真空中で、
バイブレーター式グラニュー投入した後、EB溶解を実
施することが好ましい。
【0036】また、上記した溶融塩電解により得た金属
材の表面汚染層の除去処理は、上記第1の製造方法にお
いて溶融塩電解によるTi材を原料Ti材として用いる
際にも有効な処理である。つまり、表面汚染層の除去処
理を施した溶融塩電解によるTi材をヨウ化物分解法に
よって精製する。次に、この精製されたTi材をEB溶
解する。これにより、ヨウ化物分解法による精製効率を
よりいっそう高めることが可能となる。なお、ヨウ化物
分解法の前処理としては、同一装置内で実施することが
可能であることから、上記 (b)の方法を採用するこ
とが好ましい。
【0037】このようにして、第1の方法または第2の
方法のいずれかを採用して得られる金属材は、Al含有
量が10ppm 以下を満足すると共に、他の不純物に
ついても同様に低減され、高純度を満足するものとなる
。他の不純物は、例えば酸素含有量が250ppm以下
(さらに好ましくは200ppm以下)、Fe、Ni、
Crの各元素の含有量がそれぞれ10ppm 以下(さ
らに好ましくは5ppm以下)、Na、Kの各元素の含
有量がそれぞれ0.1ppm以下(さらに好ましくは 
0.05ppm以下)となる。
【0038】また、本発明のスパッタタ―ゲットを得る
ためには、まず上記製造方法によって得た高純度Ti材
、高純度Zr材、あるいは高純度Hf材を、それらの再
汚染を防止しつつ、任意の形状に冷間鍛造する。上記鍛
造工程は、ガス吸収性の高い例えばTi材の性質を考慮
し、吸収ガスによる再汚染を防止する上で、冷間(室温
近傍)で行うことが好ましい。このように、冷間での加
工が可能となるのは、高純度を満足することによって、
加工性が向上するためである。この後、機械加工によっ
て所定のタ―ゲット形状とすることによって、本発明の
スパッタタ―ゲットが得られる。
【0039】次に、本発明の高純度金属材の具体的な製
造例およびその評価結果について説明する。まず、本発
明の第1の高純度金属材の製造方法を適用した各例につ
いて述べる。 実施例1 原料となる粗Ti材として、クロール法により製造した
スポンジTiを用意した。次いで、このスポンジTiを
図1に示したヨウ化物分解法を適用した精製装置の反応
容器1内に投入し、ヨウ素を 0.2g/lの割合で収
容した。そして、フィラメント5の温度を1400℃に
、また反応容器1の温度を 600℃に設定し、上記ス
ポンジTiをヨウ化物分解法によって精製した。精製開
始時のフィラメント5の径は 2mmであり、これが約
30mmとなるまでTiを析出させた。
【0040】次に、上記Tiを析出させたフィラメント
をEB溶解用原料として用い、炉内を 1×10−5m
barの高真空にし、フレオンバッフルで拡散ポンプオ
イルの混入を防ぎ、20kV、フィラメント電流1.5
A〜2.0A、EB出力30kW〜40kW、溶解速度
 4kg/時間の条件でEB溶解を行って、直径 13
5mmのTiインゴットを得た。
【0041】また、上記Tiインゴットを冷間(室温付
近)で鍛造し、機械研削によって所定形状に加工してス
パッタタ―ゲットを作製した。このようにして得たTi
タ―ゲットの各不純物量を測定した。その結果を表1に
示す。
【0042】実施例2 上記実施例1における粗Ti材を、溶融塩電解法によっ
て得た針状Tiに代える以外は、上記実施例1と同一条
件でヨウ化物分解およびEB溶解を行い、Tiインゴッ
トを作製し、さらにTiターゲットを作製した。このよ
うにして得たTiターゲットの分析結果を表1に併せて
示す。
【0043】実施例3 まず、上記実施例2で粗Ti材として用いた溶融塩電解
法による針状Tiを、フッ酸、硝酸、塩酸および水を2
:1:1:196 の比率で混合した混酸に10分間浸
漬し、表面汚染層の除去処理を行った。この後、流水で
充分に洗浄して原料Ti材とした。なお、酸処理による
表面汚染層の除去量は表面から約15μm とした。
【0044】次に、上記酸処理を施したTi材を用いて
、実施例1と同一条件でヨウ化物分解およびEB溶解を
行ってTiインゴットを作製し、さらにTiターゲット
を作製した。このようにして得たTiターゲットの分析
結果を表1に併せて示す。
【0045】実施例4 まず、図1に示したヨウ化物分解法を適用した精製装置
の反応容器1内に、上記実施例2で粗Ti材として用い
た溶融塩電解法による針状Tiを投入し、真空排気した
後にヨウ素をガス状態で導入し、 600℃で10分間
保持して針状Ti表面とヨウ素とを反応させた。この後
、真空排気を行って反応生成物を除去した。以上の操作
を 3回繰り返し行って表面汚染層を除去した。なお、
ヨウ素による表面汚染層の除去量は表面から約15μm
 とした。また、使用した精製装置は、図示を省略した
ヨウ化物トラップ機構を介して反応容器1に接続された
排気系を有するものである。
【0046】次に、上記表面汚染層の除去処理に引き続
いてフィラメント5に通電し、実施例1と同一条件でヨ
ウ化物分解を行い、さらにEB溶解を行ってTiインゴ
ットを作製した。この後、Tiターゲットを作製した。 このようにして得たTiターゲットの分析結果を表1に
併せて示す。なお、表1に示す比較例1、2は、それぞ
れ上記実施例1、2で用いた粗Ti材の分析結果である
【0047】                          
       表1                
                         
                   不  純  
物  量  (ppm)              
                      Al 
 Fe  Ni  Cr  Na  K      U
    Th    O      実施例1    
3    2.5   1.5   1.5  <0.
1  <0.1  <0.001  <0.001  
100     比較例1   25    65  
  23    15    0.6   0.3  
<0.001  <0.001  450     実
施例2    2    1.0   0.5   1
.0  <0.1  <0.1  <0.001  <
0.001   80     比較例2   15 
   5     15    10   150  
 210   <0.001  <0.001  12
0     実施例3   <1    0.2   
0.2   0.5  <0.1  <0.1  <0
.001  <0.001  180     実施例
4   <1    0.1   0.1   0.4
  <0.1  <0.1  <0.001  <0.
001   40 表1の結果から明らかなように、上
記各実施例によるTi材は、半導体素子の電極、コンタ
クト部、バリヤ層等の特性に悪影響を及ぼすAlの含有
量が少なく、また他の不純物も低減された高純度を満足
するものであることが分る。
【0048】次に、上記した実施例および比較例に基づ
くTiターゲット、および同様にして製造したZrター
ゲット、Hfターゲットをそれぞれ用いて、金属シリサ
イド膜からなる配線網を半導体基板上に形成することに
よって、半導体素子を作製し、その特性を評価した。具
体的な製造方法と評価方法、およびその結果について、
以下に述べる。
【0049】まず、各金属ターゲット中のAlの影響を
評価した結果について説明する。図2に示すように、n
−Si基板11に設けられた多結晶Si層12上に、上
記各実施例と同様にして作製した、Al含有量が異なる
各 3種類のTiターゲット、ZrターゲットおよびH
fターゲットをそれぞれ用いて、膜厚60nmのTi膜
、Zr膜、Hf膜をスパッタ法によって各々成膜した。 次いで、所望の回路パターンに応じて不要部分をエッチ
ング処理によって除去した後、残存する部分に 2段ア
ニール処理を施すことによってシリサイド化し、多結晶
Si層12上に金属シリサイド膜(TiSi2 膜、Z
rSi2 膜、HfSi2 膜)13を形成すると同時
に、ソース領域14およびドレイン領域15をシリサイ
ド化し、それぞれダイオードを作製した。なお、図中1
6はSiO2 膜である。用いた金属ターゲット中のA
l濃度は、Tiターゲットについては54ppm 、 
3ppm 、1ppm以下、Zrターゲットについては
68ppm 、 3ppm 、1ppm以下、Hfター
ゲットについては70ppm 、2ppm 、1ppm
以下である。また、他の不純物量は同等とした。このよ
うにして得た各ダイオードに逆バイアス電圧を印加しリ
ーク電流を測定した。その結果を図3、図4および図5
にそれぞれ示す。
【0050】図3、図4および図5から明らかなように
、ターゲット中のAl濃度が増加することによって、リ
ーク電流も増加することが分る。なお、同様の測定を各
ターゲットを用いて作製した10個のダイオードについ
て行ったところ、それぞれ同じ傾向を示した。すなわち
、上記実施例で得られた低Al含有量の金属材を用いて
スパッタタ―ゲットを作製し、その金属ターゲットを用
いて目的とする薄膜を形成することによって、高集積化
された半導体素子の電極やコンタクト部等を高信頼性の
もとで形成することが可能となる。
【0051】次に、Tiターゲットの酸素含有量と、そ
れを用いて形成したTiSi2 膜の比抵抗との関係に
ついて説明する。まず、上記実施例と同様にして作製し
た酸素含有量が異なる 6種類のTiターゲット(各酸
素含有量:80ppm 、120ppm、 200pp
m 、300ppm、550ppm、700ppm)を
それぞれ用い、成膜装置内を 1×10−5Torrに
排気した後にArガスを 5×10−3Torrまで導
入し、DCマグネトロンスパッタリングによって多結晶
Si基板上に、成膜速度 2.0μm /時間で膜厚0
.2μm のTi膜をそれぞれ成膜した。これらTi膜
の比抵抗を測定した後に、それぞれに700℃で30秒
間ランプアニールを施し、TiとSiとを反応させてT
iSi2 膜をそれぞれ形成した。これらTiSi2 
膜についても同様に比抵抗を測定した。なお、比抵抗は
膜抵抗に膜厚を乗じたものであり、膜抵抗を直流 4探
針法(ナプソン (株) 製、RESISTEST−8
A)によって測定し求めた。Tiターゲット中の酸素量
とTi膜の比抵抗との関係を表2に示す。また、Ti膜
の比抵抗とTiSi2 膜の比抵抗との関係を図6に示
す。
【0052】                          
       表2                
                    酸素濃度(
ppm)            700   550
   300   200   120    80 
       Ti膜比抵抗(μΩ・cm)    1
23   115   105    85    7
0    65  表2および図6の結果から明らかな
ように、Tiターゲット中の酸素量を減らすことによっ
て、Ti膜の比抵抗を低くすることができる。また、T
i膜の比抵抗を低くすることによって、TiSi2 膜
の比抵抗を低くすることができることが分る。特に、酸
素含有量が250ppm以下のTiターゲットを使用す
ることによって、比抵抗15μΩ・cm以下という低抵
抗のTiSi2 膜が得られる。そして、TiSi2 
膜を低抵抗化することは、半導体素子における信号の遅
延を防止することを意味し、より信頼性の高い半導体素
子を得ることが可能となる。
【0053】次に、本発明の第2の高純度金属材の製造
方法を適用した各例について説明する。 実施例5 まず、KCl−NaCl電解浴(KCl:16重量%、
NaCl:84重量%)中にスポンジTiからなる電極
を投入し、電解温度 755℃、電流 200A 、電
圧80Vで溶融塩電解し、粒状の針状粗Ti材を作製し
た。次に、上記針状粗Ti材に対して塩酸水溶液(50
%)による表面層の除去処理を施した。この酸処理は、
アルゴン雰囲気中において上記塩酸水溶液中に時間を変
化させて浸漬し、その後純水により洗浄し、乾燥させる
ことによって行った。このようにして、酸処理による表
面層の除去量が異なる数種のTi材を作製した。ここで
、上記酸処理前の針状粗Ti材のAl含有量を、表面か
らの深さとの関係として求めた。その結果を図7に示す
。同図から明らかなように、表面から10μm 程度の
表層部を除去することによって、著しく不純物量が減少
することが分る。
【0054】次に、上記酸処理時間を変化させた粗Ti
粒をそれぞれEB溶解用原料として用い、グラニュ―投
入機に挿入し、真空中で汚染を防止しながらEB溶解炉
に投入した。炉内を 1×10−5mbarの高真空に
し、フレオンバッフルで拡散ポンプオイルの混入を防ぎ
、20kV、フィラメント電流1.3A〜1.5A、E
B出力26kW〜30kW、溶解速度4kg/時間の条
件でEB溶解を行って、直径 135mmのインゴット
をそれぞれ作製した。
【0055】このようにして得た各Ti材の不純物量を
測定した。Al含有量と酸処理による除去量との関係を
表3に示す。なお、他の不純物量はいずれもFe、Ni
、Crの各元素の含有量が1ppm以下、Na、Kの各
元素の含有量が0.01ppm 以下、酸素含有量が2
00 ppm 以下であった。
【0056】                          
       表3                
                  酸処理による 
   酸処理前後のAl量(ppm)   EB溶解後
のAl量        重量変化量(%)     
  前          後           
 (ppm)           (酸処理なし) 
     18          18      
     12.2                
   0.5           〃       
   17.5          9.5     
              2          
   〃           8.2       
   4.3                   
4             〃          
 1.5          0.8        
           5             
〃           1.2          
0.7                   8  
           〃           1.
0          0.5           
       10             〃  
         0.82         0.3
                  30     
        〃           0.8  
        0.3     表3の結果から明ら
かなように、この実施例によれば、溶融塩電解法による
粗Ti材の表面層を除去し、その後EB溶解することで
、半導体素子の電極、コンタクト部、バリヤ層等の特性
に悪影響を及ぼすAlの含有量が少なく、また他の不純
物も低減された高純度を満足するTi材が得られること
が分る。
【0057】なお、Zr材およびHf材についても、上
記実施例5と同様にして高純度化を図ったところ、同様
な結果が得られた。
【0058】次に、本発明の配線網を使用した半導体パ
ッケージの実施例を説明する。図7は、半導体パッケー
ジの一例の概略構成を示す図である。同図においては、
21は絶縁基板22上にはんだ層23によって搭載され
た半導体チップである。この半導体チップ21は、Au
リード線24によってリードフレーム25と電気的に接
続されている。また、半導体チップ21は、Auリード
線24やリードフレーム25と共に、封止樹脂26によ
ってモールディングされている。
【0059】上記半導体チップ21は、配線網の一部の
形成材料として、本発明による高純度金属材を使用して
いる。この半導体チップ21の詳細を、その製造方法と
共に、図9を参照して以下に説明する。まず、p−Si
基板31に対して熱酸化を施し、p−Si基板31の表
面に熱酸化膜を形成する。次いで、ソース、ゲート、ド
レインの各領域を除いて、選択的に酸化処理を行い、フ
ィールド酸化膜32を形成する。次に、ソース、ドレイ
ンの各領域上の熱酸化膜を、レジスト膜の形成とエッチ
ング処理(以下、PEP処理と称する)とによって除去
する。このPEP処理によって、ゲート酸化膜33が形
成される。次に、ソース、ドレインの各領域を除いてレ
ジスト膜を形成した後、p−Si基板31内に不純物元
素を注入し、ソース領域34およびドレイン領域35を
形成する。また、ゲート酸化膜33上に、MoやW等の
シリサイド膜36を形成する。次に、p−Si基板31
の全面に、リンシリケートガラス等からなる絶縁層37
を形成した後、PEP処理によってソース領域34およ
びドレイン領域35上のリンシリケートガラス層37を
除去する。
【0060】次に、リンシリケートガラス層37を除去
した、ソース領域34およびドレイン領域35上に、バ
リア層38をそれぞれ形成する。これらバリア層38は
、本発明による高純度金属材を形成材料として用いて、
成膜したものである。すなわち、前述した実施例で使用
したTiターゲット、Zrターゲット、Hfターゲット
等と同様なものを用いて、窒素雰囲気中にて反応性スパ
ッタを行う。これらにより、Al含有量が極めて少ない
、TiN膜、ZrN膜、HfN膜等が得られる。これら
をバリア層38として使用する。
【0061】この後、Al蒸着膜39を全面に形成し、
PEP処理を施すことによって、所望形状の配線層を形
成する。また、全面にSi3 N4等からなる絶縁保護
膜40を形成した後、その一部にPEP処理によりAu
リード線(24)のボンディング用の開口部を形成して
、半導体チップ(21)が完成する。
【0062】このように、本発明の高純度金属材からT
iN膜、ZrN膜、HfN膜等を形成することにより、
配線密度が微細化された場合においても、健全なバリア
層38を得ることができる。これは、バリア層38内の
不純物濃度、すなわちAl濃度をはじめとして、酸素濃
度、アルカリ濃度、重金属濃度を極めて低くすることが
できるためである。これにより、信頼性の高い半導体パ
ッケージを得ることが可能となる。
【0063】なお、上記実施例においては、本発明の高
純度金属材をバリア層の形成材料として用いた例につい
て説明したが、電極やコンタクト部の形成材料として用
いた場合についても、同様なことがいえる。また、上記
実施例では、DIPを例として説明したが、QFPやP
GA等においても同様な効果が得られる。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
Al量を極めて減少させたTi材、Zr材、Hf材等の
高純度金属材を簡易な方法で、再現性よく得ることが可
能となる。そして、このような金属材をスパッタ法にお
けるタ―ゲット材として使用することにより、高集積化
された半導体素子の電極、コンタクト部、バリア層等と
して、低Al量の金属膜や金属化合物膜を再現性よく形
成することが可能となる。よって、半導体素子や半導体
パッケージの信頼性向上に大きく寄与する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造方法に使用するヨウ化物分解法を
適用した精製装置の一例を示す図である。
【図2】本発明の実施例で作製したダイオードの構成を
説明するための図である。
【図3】本発明の実施例で作製したTiターゲット中の
Al量とそれを用いて形成したTiSi2 膜を有する
ダイオードのリーク電流との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の実施例で作製したZrターゲット中の
Al量とそれを用いて形成したZrSi2 膜を有する
ダイオードのリーク電流との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の実施例で作製したHfターゲット中の
Al量とそれを用いて形成したHfSi2 膜を有する
ダイオードのリーク電流との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の一実施例で成膜したTi膜の比抵抗と
それを用いて形成したTiSi2 膜の比抵抗との関係
を示すグラフである。
【図7】本発明の一実施例における溶融塩電解法による
Ti材の表面からの距離とAl量との関係を示すグラフ
である。
【図8】本発明の一実施例による半導体パッケージの概
略構成を示す断面図である。
【図9】第8図に示した半導体パッケージに用いた半導
体チップの概略構成を示す断面図である。
【符号の説明】
11……n−Si基板 12……多結晶Si層 13……金属シリサイド膜 14……ソース領域 15……ドレイン領域 16……SiO2 膜 21……半導体チップ 22……絶縁基板 24……Auリード線 25……リードフレーム 26……封止樹脂

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  チタン、ジルコニウムおよびハフニウ
    ムから選ばれた 1種の金属からなる高純度金属材であ
    って、Al含有量が10ppm 以下であることを特徴
    とする高純度金属材。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の高純度金属材において
    、酸素含有量が 250ppm 以下、Fe、Niおよ
    びCrの各元素の含有量が10ppm以下、Naおよび
    Kの各元素の含有量が 0.1ppm 以下であること
    を特徴とする高純度金属材。
  3. 【請求項3】  チタン、ジルコニウムおよびハフニウ
    ムから選ばれた 1種の金属を主とする粗金属材をヨウ
    化物分解法によって精製する工程と、この精製された金
    属材を高真空下で電子ビーム溶解する工程とを有するこ
    とを特徴とする高純度金属材の製造方法。
  4. 【請求項4】  請求項3記載の高純度金属材の製造方
    法において、前記粗金属材として、溶融塩電解法で得ら
    れた金属材を用いると共に、この粗金属材に対して表面
    処理を施し、該粗金属材表面に存在する汚染層を除去し
    た後、前記ヨウ化物分解法による精製工程を実施するこ
    とを特徴とする高純度金属材の製造方法。
  5. 【請求項5】  溶融塩電解法で得られた、チタン、ジ
    ルコニウムおよびハフニウムから選ばれた 1種の金属
    を主とする粗金属材に対して表面処理を施し、前記粗金
    属材表面に存在する汚染層を除去する工程と、前記表面
    処理が施された粗金属材を高真空下で電子ビーム溶解す
    る工程とを有することを特徴とする高純度金属材の製造
    方法。
  6. 【請求項6】  請求項1記載の高純度金属材を任意の
    形状に加工してなることを特徴とするスパッタタ―ゲッ
    ト。
  7. 【請求項7】  半導体基板上に設けられ、チタン、ジ
    ルコニウムおよびハフニウムから選ばれた 1種の金属
    またはそれらの化合物からなる配線網であって、Al含
    有量が10ppm 以下であることを特徴とする配線網
  8. 【請求項8】  請求項7記載の配線網において、前記
    チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれた 
    1種の金属の化合物は、珪化物または窒化物であること
    を特徴とする配線網。
  9. 【請求項9】  Al含有量が10ppm 以下の、チ
    タン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれた 1
    種の金属からなる高純度金属材から半導体基板上に薄膜
    を形成する工程と、所望の配線形状に応じて、前記薄膜
    の不要部分をエッチング除去する工程とを有することを
    特徴とする配線網の形成方法。
  10. 【請求項10】  請求項9記載の配線網の形成方法に
    おいて、前記薄膜は、チタン、ジルコニウムおよびハフ
    ニウムから選ばれた 1種の金属の窒化物からなること
    を特徴とする配線網の形成方法。
  11. 【請求項11】  請求項9記載の配線網の形成方法に
    おいて、さらに、前記薄膜をシリサイド化する工程を有
    することを特徴とする配線網の形成方法。
  12. 【請求項12】  Al含有量が10ppm 以下の、
    チタン、ジルコニウムおよびハフニウムから選ばれた 
    1種の金属またはそれらの化合物を、配線網の少なくと
    も一部として含み、所定の回路を有する半導体チップと
    、前記半導体チップの回路と、電気的に接続されたリー
    ドと、少なくとも前記半導体チップを機密封止する封止
    部材とを具備することを特徴とする半導体パッケージ。
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