JPH04346994A - 非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα‐アミラーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα‐アミラーゼ活性の測定方法 - Google Patents

非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα‐アミラーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα‐アミラーゼ活性の測定方法

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JPH04346994A
JPH04346994A JP14660091A JP14660091A JPH04346994A JP H04346994 A JPH04346994 A JP H04346994A JP 14660091 A JP14660091 A JP 14660091A JP 14660091 A JP14660091 A JP 14660091A JP H04346994 A JPH04346994 A JP H04346994A
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carbamoyl
acetyl
nitrophenyl
chloro
amylase
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JP14660091A
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Shoichi Tokutake
昌一 徳武
Tadashi Tomikura
冨倉 正
Kazuo Kotani
一夫 小谷
Kazunori Saito
和典 齋藤
Kouichirou Tobe
光一朗 戸辺
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SEISHIN SEIYAKU KK
Kikkoman Corp
Daiichi Pure Chemicals Co Ltd
Original Assignee
SEISHIN SEIYAKU KK
Kikkoman Corp
Daiichi Pure Chemicals Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な非還元末端カル
バモイルマルトオリゴシド誘導体、該誘導体を有効成分
とするα−アミラーゼ活性測定用試薬、及び該誘導体を
用いてα−アミラーゼ活性を効率よく、かつ正確に測定
する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、血清、尿、膵液、唾液などの体液
を対象とするα−アミラーゼ活性の測定は、臨床診断上
極めて重要であり、特に急性や慢性の肝炎、膵臓ガン、
流行性耳下腺炎などの鑑別診断においては必須の測定項
目となっている。
【0003】このα−アミラーゼ活性の測定方法につい
ては従来より種々の方法が知られているが、近年、各種
置換フェニルマルトオリゴシド類の非還元末端グルコー
スが各種の置換基で修飾された物質[共役酵素系に耐性
(安定性)を有する特徴をもつ]を基質として利用し、
α−アミラーゼにより切断を行い、次いで共役酵素系を
作用させ、生成する置換フェノール類をそのまま、ある
いは必要に応じてpHを変化させたのち、あるいは縮合
させたのちに比色定量する方法が、広く用いられるよう
になってきた。
【0004】ところで、このように利用される基質につ
いては、一般に加水分解部位が1か所であること、アイ
ソザイムにより加水分解部位及び加水分解率が変らない
こと、加水分解生成物がα−アミラーゼの作用を受けな
いものであること、α−アミラーゼに対する親和性が強
くすなわちKm値が小さく、加水分解速度が高いこと、
水溶性がすぐれていることなどの特性が要求されるにも
かかわらず、従来知られている非還元末端を修飾した基
質で、これらの要求特性を完全に満たしたものはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のα−アミラーゼ活性の測定試薬及びそれを用いる
測定方法が有する欠点を克服し、α−アミラーゼ活性を
効率よく、かつ正確に測定しうる試薬として好適な新規
化合物を提供するとともに、これを試薬とした新規なα
−アミラーゼ活性の測定方法を提供することを目的とし
てなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために種々研究を重ねた結果、α−アミラーゼ
活性測定用試薬として、特定の新規非還元末端カルバモ
イルマルトオリゴシド誘導体が極めて好適であり、これ
を用いてα−アミラーゼ活性を測定することにより、そ
の目的を達成しうることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、一般式
【化2】 (式中のnは2〜6の整数、Rは芳香族発色性基、Xは
水素原子又は置換若しくは非置換の炭化水素基であり、
Yは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、アル
キル若しくはアリールスルホニル基又はアルキル若しく
はアリールカルバモイル基である)で表わされる非還元
末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体、一般式(I
)の化合物を有効成分とするα−アミラーゼ活性測定用
試薬、α−アミラーゼ含有試料に、一般式(I)の化合
物のα−アノマーと、α−グルコシダーゼ及び/又はグ
ルコアミラーゼを添加して酵素反応を行わせ、遊離する
芳香族発色性化合物を定量することを特徴とするα−ア
ミラーゼ活性の測定方法、及びα−アミラーゼ含有試料
に、一般式(I)の化合物のβ−アノマー又はα−アノ
マーとβ−アノマーとの混合物と、α−グルコシダーゼ
及び/又はグルコアミラーゼ並びにβ−グルコシダーゼ
を添加して酵素反応を行わせ、遊離する芳香族発色性化
合物を定量することを特徴とするα−アミラーゼ活性の
測定方法を提供するものである。
【0008】本発明の前記一般式(I)の非還元末端カ
ルバモイルマルトオリゴシド誘導体におけるマルトオリ
ゴ糖部としては、α−及びβ−D−マルトテトラオース
からα−及びβ−D−マルトオクタオースに対応するも
のがすべて使用できる。これらの中でもD−マルトペン
タオース、D−マルトヘキサオース、D−マルトヘプタ
オースが最終的な基質の性質の点から好適である。
【0009】また、前記一般式(I)におけるXは水素
原子、又は置換若しくは非置換の炭化水素基であって、
例えばメチル、エチル、イソプロビル、ブチル、シクロ
ヘキシルなどの直鎖状、分枝状若しくは環状のアルキル
基、又は例えばベンジル、フェネチルなどのアラルキル
基、又は例えばフェニル、トルイル、ナフチルなどのア
リール基であり、これらのアルキル基、アラルキル基及
びアリール基は例えばアシル、アルキルオキシカルボニ
ル、カルボキシル、ニトロ、ハロゲノ、アルキルシリル
、スルホニルなどの官能基で置換されていてもよく、ア
ルキル基はビニル、アリルのような不飽和のものでもよ
い。
【0010】一方、Yは水素原子、又は置換若しくは非
置換の炭化水素基、例えばメチル、エチル、イソプロピ
ル、ブチル、シクロヘキシルなどの直鎖状、分枝状若し
くは環状のアルキル基、例えばベンジルなどのアラルキ
ル基、例えばフェニル、トルイル、ナフチルなどのアリ
ール基、又は例えばメシル、トシル、キノリンスルホニ
ルなどのアルキル若しくはアリールスルホニル基、又は
例えばカルバモイル、N−エチルカルバモイル、N−イ
ソプロピルカルバモイル、N−フェニルカルバモイルな
どのアルキル若しくはアリールカルバモイル基であり、
前記のアルキル基、アラルキル基及びアリール基は先の
説明において例示した官能基で置換されていてもよい。
【0011】そして、前記一般式(I)において、4位
のYについては、それが水素原子以外の基である場合、
すなわち4,6位のジ置換体である場合が加水分解部位
、親和性、長期間安定性などの基質特性の点で好ましく
、特にYが−CONHXの場合すなわち4位と6位の置
換基が同じ場合は、さらに製造しやすいという点で有利
である。
【0012】さらに、前記一般式(I)で表わされる非
還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体において
、還元末端グルコースの1位の水酸基に置換されるRの
芳香族発色性基としては、分光学的に検出できればどの
ようなものを用いてもよいが、例えば次のものが挙げら
れる。
【化3】 (式中のR1ないしR5は水素原子、ハロゲン原子、ニ
トロ基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アミ
ノ基、スルホン酸基又はカルボキシル基であり、それぞ
れ同一であってもよいし、異なっていてもよく、またR
1とR2、R2とR3とがそれぞれたがいに結合して、
縮合芳香環を形成してもよい)
【化4】 (式中のR6は水素原子又はアルキル基である)
【化5
】 (式中のR7は水素原子又はハロゲン原子である)
【化
6】 (式中のR8ないしR15は水素原子、ハロゲン原子、
ニトロ基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ミノ基、スルホン酸基又はカルボキシル基であり、それ
ぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、また
R8とR9、R10とR11とがそれぞれたがいに結合
して、縮合芳香環を形成してもよく、さらにR9とR1
0及び/又はR13とR14が共通の酸素原子となって
縮合エーテル環を形成してもよく、Zは窒素原子又はN
→Oである)
【0013】そして、前記一般式(I)で表わされる非
還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体はα−ア
ノマー(α−配糖体)又はβ−アノマー(β−配糖体)
のいずれであってもよい。
【0014】このような前記一般式(I)で表わされる
化合物としては、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=65−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−β
−D−マルトペンタオシド、2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル=65−O−(N−フェニル)カルバモイル−β
−D−マルトペンタオシド、フェノールインド−3′−
クロロフェニル=65−O−カルバモイル−45−O−
メシル−β−D−マルトペンタオシド、2−クロロ−4
−ニトロフェニル=65−O−(N−t−ブチル)カル
バモイル−β−D−マルトペンタオシド、2−クロロ−
4−ニトロフェニル=45,65−ジ−O−(N−エチ
ル)カルバモイル−β−D−マルトペンタオシド、4−
ニトロフェニル=47−O−ベンジル−67−O−(N
−メチル)カルバモイル−α−D−マルトヘプタオシド
、2−クロロ−4−ニトロフェニル=65−O−(N−
エチル)カルバモイル−β−D−マルトペンタオシド、
2−クロロ−4−ニトロフェニル=67−O−(N−イ
ソプロピル)カルバモイル−β−D−マルトヘプタオシ
ド、2−クロロ−4−ニトロフェニル=45,65−ジ
−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−β−D−マ
ルトペンタオシド、4−ニトロフェニル=65−O−(
N−イソプロピル)カルバモイル−45−O−メチル−
α−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル=4
7,67−ジ−O−(N−メチル)カルバモイル−β−
D−マルトヘプタオシド、4−メチルウンベリフェロニ
ル=65−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−β
−D−マルトペンタオシド、レザズリニル=65−O−
(N−t−ブチル)カルバモイル−β−D−マルトペン
タオシド、ルシフェニル=67−O−(N−エチル)カ
ルバモイル−α−D−マルトヘプタオシドなどが挙げら
れる。
【0015】なお、上記において、記号65−、67−
、45−、47−などは、マルトオリゴ糖を構成するグ
リコース単位の還元末端側から、5番目、7番目のグル
コースの6位、4位の水酸基が置換されていることを示
す。
【0016】本発明の前記一般式(I)で表わされる非
還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体は文献未
載の新規な化合物であって、その製造方法については特
に制限はなく、任意の方法を用いることができるが、例
えば次の方法によって製造することができる。
【0017】すなわち、出発原料として、市販品や公知
の製造方法で得ることのできる、一般式
【化7】 (式中のR及びnは前記と同じ意味をもつ)で表わされ
るD−マルトオリゴシド、例えば2−クロロ−4−ニト
ロフェニル=β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロ
フェニル=α−D−マルトヘプタオシド、フェノールイ
ンド−3′−クロロフェニル=β−D−マルトペンタオ
シドなどを用い、これに、一般式
【0018】
【化8】 (式中のR16は水素原子、メトキシ基、エトキシ基、
アルキル基又はアリール基、R17はメトキシ基又はエ
トキシ基である)で表わされるカルボニル化合物又はそ
のアセタール若しくはケタールを作用させて、一般式

0019】
【化9】 (式中のR16、R17、R及びnは前記と同じ意味を
もつ)で表わされる4,6−O−アルコキシメチリデン
化マルトオリゴシド誘導体、例えば2−クロロ−4−ニ
トロフェニル=45,65−O−ジメトキシメチリデン
−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル=
47,67−O−(1−メトキシ)エチリデン−α−D
−マルトヘプタオシド、フェノールインド−3′−クロ
ロフェニル=45,65−O−(1−エトキシ)エチリ
デン−β−D−マルトペンタオシドなどを製造する。
【0020】前記一般式(III)で表わされるカルボ
ニル化合物としては、例えばテトラメトキシメタン、オ
ルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリメチルなどが挙げ
られる。
【0021】前記一般式(IV)で表わされる4,6−
O−アルコキシメチリデン化マルトオリゴシド誘導体を
得るこの反応は、通常例えばN,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DM
A)、ジメチルスルホキサイド(DMSO)、ヘキサメ
チルホスホリックトリアミド(HMPA)などの非プロ
トン性極性溶媒中において、p−トルエンスルホン酸、
塩化水素、硫酸、無水塩化亜鉛、強酸性イオン交換樹脂
などの触媒の存在下で行われる。
【0022】このようにして得られた前記一般式(IV
)で表わされる、4,6−O−アルコキシメチリデン化
マルトオリゴシド誘導体をアシル化して、4,6−O−
アルコキシメチリデン化アシルマルトオリゴシド誘導体
、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル=テトラデカ
−O−アセチル−45,65−O−ジメトキシメチリデ
ン−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル
=エイコサ−O−ベンゾイル−47,67−O−(1−
メトキシ)エチリデン−α−D−マルトヘプタオシド、
フェノールインド−3′−クロロフェニル=テトラデカ
−O−ブチリル−45,65−O−(1−エトキシ)エ
チリデン−β−D−マルトペンタオシドなどとする。こ
の際、アシル化剤としては例えば酢酸、モノクロロ酢酸
、プロピオン酸、n−酪酸、安息香酸などやこれらの酸
無水物、酸クロリド、エステルなどの反応性誘導体が用
いられる。アシル化反応の条件については特に制限はな
く、従来アシル化反応において慣用されている条件を用
いることができる。
【0023】次いで、このようにして得た4,6−O−
アルコキシメチリデン化アシルマルトオリゴシド誘導体
に、脱アルコキシメチリデン化反応を行い、一般式
【化
10】 (式中のR18はアシル基、R及びnは前記と同じ意味
をもつ)で表わされる部分アシル化マルトオリゴシド誘
導体、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル−O−(
2,3−ジ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル
)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O
−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)
]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコ
ピラノシド、4−ニトロフェニル−O−(2,3−ジ−
O−ベンゾイル−α−D−グルコピラノシル)−(1→
4)−ペンタキス[O−(2,3,6−トリ−O−ベン
ゾイル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−
2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−グルコピ
ラノシドなどを製造する。上記脱アルコキシメチリデン
化反応の条件については特に制限はなく、公知の方法、
例えば酢酸又はギ酸を作用させる方法[例えば「ジャー
ナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(
J.Am.Chem.Soc.)」、第84巻、第43
0ページ(1962)参照〕を用いて行うことができる
【0024】次に、このようにして得られた前記一般式
(V)で表わされる部分アシル化マルトオリゴシド誘導
体に、一般式
【化11】 (式中のXは前記と同じ意味をもち、Wはハロゲン原子
である)で表わされるイソシアネート、又はカルバモイ
ルハライドを反応させて、前記一般式(V)における非
還元末端グルコースの6位水酸基をカルバモイル化して
、アシルカルバモイルマルトオリゴシド誘導体、例えば
2−クロロ−4−ニトロフェニル=テトラデカ−O−ア
セチル−65−O−(N−イソプロピル)カルバモイル
−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル=
テトラデカ−O−ブチリル−65−O−(N−フェニル
)カルバモイル−α−D−マルトペンタオシド、2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル=テトラデカ−O−ベンゾイ
ル−65−O−(N−エチル)カルバモイル−β−D−
マルトペンタオシド、フェノールインド−3′−クロロ
フェニル=テトラデカ−O−クロロアセチル−65−O
−カルバモイル−β−D−マルトペンタオシド、2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル=テトラデカ−O−アセチル
−65−O−(N−t−ブチル)カルバモイル−β−D
−マルトペンタオシドなどを製造する。
【0025】前記一般式(VI)で表わされるイソシア
ネート、又はカルバモイルハライドとしては、例えばエ
チルイソシアネート、イソプロピルイソシアネート、t
−ブチルイソシアネート、フェニルイソシアネート、(
N−メチル)カルバモイルクロリドなどが挙げられる。 これらカルバモイル化反応の条件について特に制限はな
いが、通常はピリジンあるいはDMSOなどの非プロト
ン性極性溶媒中において、トリエチルアミン、N,N−
ジメチルピリジンなどの塩基存在下で、加温するか又は
加温しないで、イソシアネート、又はカルバモイルハラ
イドを3〜30倍モル作用させることによって行われる
【0026】さらに4位水酸基に水素原子以外の置換基
Yを導入する場合、すなわち前記一般式(I)で表わさ
れる非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体の
Yが水素原子以外の物質を得るには、常法を用いてエー
テル化[「新実験化学講座」第14巻、有機化合物の合
成と反応[I]、第568〜611ページ、1977年
、丸善、参照]、カルバモイル化[「新実験化学講座」
第14巻、有機化合物の合成と反応[III]、第16
52〜1659ページ、1977年、丸善、参照]、ス
ルホニル化反応[「新実験化学講座」第14巻、有機化
合物の合成と反応[III]、第1793〜1798ペ
ージ、1977年、丸善、参照]などを行えばよい。
【0027】なお、4位と6位の水酸基に同じカルバモ
イル基を導入する場合は、例えば反応時間を長くしたり
、反応温度を高くして、ジ置換を完了させればよい。 最後に、上記アシルカルバモイルマルトオリゴシド誘導
体を脱アシル化して、目的の前記一般式(I)で表わさ
れる非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体が
得られる。この脱アシル化反応の条件について特に制限
はないが、例えばアシルカルバモイルマルトオリゴシド
誘導体に、メタノールなどのアルコール類中でアンモニ
ア水を100〜200倍モル添加し、通常20〜50℃
の温度で5〜50時間程度反応させる方法などが用いら
れる[「カナディアン・ジャーナル・オブ・ケミストリ
ー(Can.J.Chem.)」、第49巻、第493
ページ(1971)参照]。
【0028】また、前記一般式(I)で表わされる非還
元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体を製造する
別の方法としては、例えば前記一般式(II)で表わさ
れるマルトオリゴシド誘導に、前記一般式(VI)で表
わされるイソシアネート又はカルバモイルハライドを前
記で例示したカルバモイル化反応の条件で直接作用させ
て、一段階で目的の一般式(I)で表わされる化合物を
得る方法などが挙げられる。
【0029】以上のようにして得られた一般式(I)で
表わされる非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘
導体は、α−アミラーゼ活性の測定に極めて有用であり
、この非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体
を用いてα−アミラーゼ活性を測定することができる。
【0030】前記したように、一般式(I)で表わされ
る非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体には
α−アノマーとβ−アノマーが存在するが、α−アミラ
ーゼ活性の測定に際して、α−アノマーのみを用いる場
合には共役酵素系として、α−グルコシダーゼ及び/又
はグルコアミラーゼを用いることが必要であり、β−ア
ノマーのみあるいはα−アノマーとβ−アノマーの混合
物を用いる場合にはα−グルコシダーゼ及び/又はグル
コアミラーゼに加えてさらにβ−グルコシダーゼを併用
することが必要である。なお、必要に応じて、β−アミ
ラーゼを用いることもできる。
【0031】α−アミラーゼ活性の測定するための有利
な系としては、例えば一般式(I)で表わされる非還元
末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体0.1〜10
mM及び緩衝液2〜300mMを含有し、かつ共役酵素
としてα−グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼ
をそれぞれ5〜1000単位/ml、さらにβ−グルコ
シダーゼを用いるときは0.5〜30単位/mlを含有
するpH4〜10の系が挙げられる。この系に用いられ
る緩衝剤としては例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、g
ood’sの緩衝剤、ホウ酸塩、クエン酸塩、ジメチル
グルタル酸塩などが挙げられる。
【0032】α−グルコシダーゼは動物、植物、微生物
などいかなる起源のものを用いてもよいが、例えば酵母
由来のものが好ましい。また、グルコアミラーゼもいか
なる起源のものを用いてもよいが、例えばリゾプス属(
Rizopus  sp)などに由来するものが好まし
い。さらに、β−グルコシダーゼもいかなる起源のもの
を用いてもよく、例えばアーモンドの種子から得たもの
が用いられる。
【0033】β−アミラーゼもいかなる起源のものを用
いてもよいが、例えば細菌や植物由来のものを用いるこ
とができる。
【0034】このような系に、前記成分以外に、本発明
の目的をそこなわない範囲で、さらに必要に応じて慣用
の種々の添加成分、例えば溶解補助剤、安定化剤として
、グリセリン、牛血清アルブミン、α−又はβ−シクロ
デキストリン、トリトンX−100などを加えることが
できるし、α−アミラーゼ活性化剤として、NaCl,
MgCl2,MgSO4,CaCl2,CaCl2・H
2Oなどの形で用いられるCl−イオン、Ca2+イオ
ン、Mg2+イオンなどを加えてもよい。これらの添加
成分は1種用いてもよいし、2種以上組合せて用いても
よく、また前記系調製の適当な段階で加えることができ
る。
【0035】本発明の試薬は、乾燥物あるいは溶解した
形で用いてもよいし、薄膜状の担体、例えばシート、含
浸性の紙などに含浸させて用いてもよい。このような本
発明の試薬を用いることにより、各種の試料に含有され
るα−アミラーゼ活性を簡単な操作で正確に、かつ高感
度で測定することができる。
【0036】次に、本発明方法の好適な実施態様を説明
する。まず、α−アミラーゼを含む試料に、共役酵素と
してのα−グルコシダーゼ又はグルコアミラーゼあるい
はその両方をそれぞれ5〜1000単位/ml,好まし
くは10〜500単位/ml加え、前記一般式(I)で
表わされる非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘
導体がβ−アノマーを含むときは、さらにβ−グルコシ
ダーゼを0.5〜30単位/ml、好ましくは1〜15
単位/ml加え、これと同時又はこれらの後に、該非還
元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体0.1〜1
0mM、好ましくは0.3〜5mMを緩衝剤とともに添
加したのち、温度25〜45℃、好ましくは35〜40
℃、pH4〜10、好ましくは6〜8の条件下で少なく
とも1分間、好ましくは2〜10分間酵素反応させ、生
成した芳香族発色性化合物を、常法に従いそのままであ
るいは必要に応じpHを調整したのち、又は縮合反応を
行ったのちに、適当な吸光波長で連続的に又は断続的に
吸光度変化量を測定し、あらかじめ測定したα−アミラ
ーゼ標品の吸光度変化量と対比させて試料中のα−アミ
ラーゼ活性を算出する。また、芳香族発色性化合物の分
子吸光係数から算出することもできる。
【0037】本発明に用いられるα−アミラーゼ含有試
料については、α−アミラーゼ活性を含有するものであ
ればよく、特に制限はないが、具体的には微生物の培養
液、植物の抽出液、あるいは動物の体液や組織及びそれ
らの抽出液などを用いることができる。α−アミラーゼ
含有試料が固体の場合には、いったん精製水又は前記し
たような緩衝液に溶解又は懸濁させるのがよい。また、
必要により、不溶物をろ過などの操作で除去してもよい
【0038】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)で表わされる
非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体は基質
としての要求特性をすべて備えた新規な化合物であって
、α−アミラーゼ活性測定用試薬として極めて有用であ
り、このものを用いることにより、試料中に含まれるグ
ルコース、マルトース、ビリルビン、ヘモグロビンなど
の影響を受けることなく、α−アミラーゼ活性を自動分
析法、用手法などにより、精度よく短時間で容易に測定
することができる。
【0039】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、各例中の吸収極大波長は特に示
されていない限り、メタノール中で測定した値であり、
比旋光度は25℃においてD線で測定した値である。
【0040】実施例1 (1)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=45,6
5−O−ジメトキシメチリデン−β−D−マルトペンタ
オシドの製造 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル=β−D−マル
トペンタオシド15.0g(15.2mmol)を無水
DMF75mlに溶解し、テトラメトキシメタン15.
0ml(113mmol)及びアンバーリスト(15E
)7.5gを加え、35℃で4時間かきまぜながら反応
させた。次いでこの反応液を氷冷下100mMリン酸緩
衝液(pH=7.0)2.0l中へ、かきまぜながらゆ
っくりと滴下した。この混合液をODS(オクタデシル
シリカゲル)カラムクロマトグラフィーにより精製し、
アセトニトリル−水混液(容量比3:7)で溶出した目
的区分を濃縮し、イソプロパノール−メタノールから再
結晶すると、2−クロロ−4−ニトロフェニル=45,
65−O−ジメトキシメチリデン−β−D−マルトペン
タオシドが10.7g(10.1mmol、収率66.
5%)得られた。 融点(℃):93.0〜95.0(dec.)紫外部・
可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λmax](n
m)=295(logε=3.95)、295(sh)
,209(logε=4.17)赤外吸収スペクトル(
cm−1):3420,2940,1648,1588
,1524,1490,1352,1276,1246
,1154,1082,1050,1026,930,
898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):3.25〜3.85(m),3.23(3
H,s),3.30(3H,s),3.89(1H,d
,J=3.9Hz),4.30〜4.70(m),5.
04(2H,d,J=3.2Hz),5.10(1H,
d,J=3.7Hz),5.12(1H,d,J=3.
4Hz),5.27(1H,d,J=7.6Hz),5
.25〜5.70(m),7.47(1H,d,J=9
.3Hz),8.19(1H,dd,J=9.3Hz,
2.7Hz),8.31(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
COSMOSILC18カラム(4.6mmID×25
0mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニトリ
ル/水=1:4v/v、流速:1.0ml/min]:
Rt=10.2min 比旋光度[α]:(c  0.50,50mMリン酸b
uffer);+86.7°  元素分析:C39H5
8ClNO30として                          
   C          H          
N      理論値(%)      44.35 
   5.53    1.33      実測値(
%)      44.55    5.43    
1.34
【0041】(2)  2−クロロ−4−ニト
ロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−α−D
−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2
,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノ
シル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチ
ル−β−D−グルコピラノシドの製造 実施例1の(1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=45,65−O−ジメトキシメチリデン−β−D−
マルトペンタオシド1.50g(1.42mmol)を
ピリジン30mlに溶解し、無水酢酸15ml(192
mmol)を加え、室温で2日間かきまぜながら反応さ
せた。次いで反応液を減圧下濃縮し、ここに含まれるピ
リジン、無水酢酸、酢酸を留去した。得られたオイル状
のアセチル体を精製しないで酢酸50mlに溶解し、水
12.5mlを加え、30℃で3日間かきまぜながら反
応させた。次いでこの反応液を氷水300ml中へ、か
きまぜながらゆっくりと滴下したのち、この混合液をジ
クロロメタン300mlで3回抽出した。次いでジクロ
ロメタン層を水300mlで3回洗浄し、ジクロロメタ
ン層部を無水硫酸ナトリウムで乾燥、ろ別したのち、ろ
液を減圧下濃縮し、ジクロロメタンを留去した。この残
渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し
、酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタン混液(容量
比66:2.5:33)で溶出した目的区分を濃縮して
、2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ
−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→
4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル
−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3
,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
1.04g(0.661mmol,2工程通算収率46
.5%)を得た。 融点(℃):126.0〜130.0 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](アセトニトリル中)(nm)=282(logε
=3.94) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3480,2970
,1752,1588,1530,1486,1432
,1372,1350,1236,1030,944,
898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.81〜2.12(ca.40H,each
  s),3.50〜4.74(m),5.05(m)
,7.22(1H,d,J=9.0Hz),8.09(
1H,dd,J=9.0Hz,2.7Hz),8.22
(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
  COSMOSILC18カラム(4.6mmID×
150mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニ
トリル/水=7:3v/v、流速:1.0ml/min
]:Rt=4.2min 比旋光度[α]:(c  0.25,1,4−ジオキサ
ン);+88.0°
【0042】(3)  2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−
フェニル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−
アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]
−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノシドの製造 実施例1の(2)と同様の操作で得た2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−α
−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス[O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−ア
セチル−β−D−グルコピラノシド2.90g(1.8
4mmol)をピリジン300mlに溶解し、フェニル
イソシアネート3.3ml(30.5mmol、及びモ
レキュラーシーブス6.0gを加え、室温下で5時間か
きまぜながら反応させた。次いでこの反応液をセライト
ベットでろ過し、ろ液中のピリジンを減圧下留去し、こ
の残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精
製し、酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタン混液(
容量比100:1:200)で溶出した目的区分を濃縮
すると、2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−フェニル)カル
バモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−
トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドが2.
61g(1.54mmol,収率83.7%)得られた
。 融点(℃):123.0〜125.0 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=281(logε=4.01),231
(logε=4.42),203(logε=4.55
) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3450,2960
,1748,1598,1532,1442,1370
,1350,1236,1040 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.82〜2.18(ca.40H,each
  s),3.30〜3.55(1H,m),3.82
〜4.15(ca.9H,m),4.24〜4.55(
ca.10H.m),4.61(1H,br  s),
4.68〜4.85(ca.4H,m),5.15〜5
.45(ca.12H,m),7.06(1H,t,J
=7.3Hz),7.28(1H,d,J=9.0Hz
),7.30(2H,t,J=7.3Hz),7.46
(2H,d,J=7.3Hz),7.63(1H,br
  s),8.15(1H,dd,J=9.0Hz,2
.7Hz),8.29(1H,d,J=2.7Hz)高
速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製 
 COSMOSILC18カラム(4.6mmID×2
50mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニト
リル/水=3:1v/v、流速:1.0ml/min]
:Rt=7.4min 比旋光度[α]:(c  0.424,1,4−ジオキ
サン);+81.5° 元素分析:C71H87ClN2O43として    
                        C
            H            
N      理論値(%)      50.40 
     5.18      1.66      
実測値(%)      50.40      5.
23      1.65
【0043】(4)  2−
クロロ−4−ニトロフェニル=65−O−(N−フェニ
ル)カルバモイル−β−D−マルトペンタオシドの製造 実施例1の(3)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−
フェニル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−
アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]
−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノシド2.61g(1.54mmol)にメタノール
250ml及び無水炭酸カリウム251mg(1.82
mmol)を加え、25℃で16時間かきまぜながら反
応させた。次いで反応液を減圧濃縮し、ここに含まれる
メタノールを留去した。次いでその残渣をODSカラム
クロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリル−水
混液(容量比3:7)で溶出した目的区分を濃縮し、凍
結乾燥して、2−クロロ−4−ニトロフェニル=65−
O−(N−フェニル)カルバモイル−β−D−マルトペ
ンタオシド996mg(0.902mmol、収率58
.6%)が得られた。 融点(℃):186.0〜188.0(dec.)紫外
部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λmax]
(nm)=289(sh),283(logε=3.9
8),233(logε=4.34),283(log
ε=4.47) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3410,2930
,1716,1600,1522,1486,1444
,1350,1274,1238,1152,1080
,1042,1024 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):3.15〜5.90(m),4.15〜4
.60(m),4.79(1H,d,J=4.6Hz)
,4.97(1H,d,J=5.4Hz),5.06(
3H,br  s),5.11(1H,d,J=3.9
Hz),5.26(1H,d,J=7.8Hz),5.
50〜5.55(m),6.98(1H,t,J=7.
3Hz),7.26(1H,t,J=7.3Hz),7
.45(2H,d,J=7.3Hz),7.47(1H
,d,J=9.0Hz),8.18(1H,dd,J=
9.0Hz,2.7Hz),8.30(1H,d,J=
2.7Hz),9.31(1H,br  s)高速液体
クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSKgel  
Amide−80カラム(4.6mmID×250mm
),UV280nm検出、溶離液:アセトニトリル/水
=3:1v/v、流速:1.0ml/min]:Rt=
4.8min 比旋光度[α]:(c  0.500,メタノール);
+68.2° 元素分析:C43H62ClN2O29として    
                        C
            H            
N      理論値(%)      46.68 
     5.65      2.53      
実測値(%)      46.70      5.
66      2.53
【0044】実施例2 (1)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2
,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソプロピル
)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1→
4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル
−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3
,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
の製造 実施例1の(2)と同様の操作で得た2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−α
−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス[O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−ア
セチル−β−D−グルコピラノシド2.50g(1.5
9mmol)をピリジン200mlに溶解し、イソプロ
ピルイソシアネート4.7ml(47.8mmol)、
モレキュラーシーブス5.0g及びジメチルアミノピリ
ジン500mg(4.10mmol)を加え、80℃で
6時間かきまぜながら反応させた。次いでこの反応液を
セライトベットでろ過し、ろ液中のピリジンを減圧下留
去し、この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製し、酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタ
ン混液(容量比50:1:50)で溶出した目的区分を
濃縮すると、2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(
2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソプロピ
ル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,
3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシ
ドが2.62g(1.58mmol,収率99.4%)
得られた。 融点(℃):114.0〜116.0(dec.)紫外
部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λmax]
(nm)=283(logε=3.93),227(s
h),205(logε=4.28)赤外吸収スペクト
ル(cm−1):3360,2970,1754,16
20,1586,1530,1486,1462,14
40,1370,1350,1238,1164,11
28,944,896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.14(3H,d,J=6.4Hz),1.
17(3H,d,J=6.8Hz),2.00〜2.1
9(ca.40H,each  s),3.45(1H
,br  t,J=9.6Hz),3.75〜4.85
(m),5.05〜5.50(m),7.29(1H,
d,J=9.0Hz),8.16(1H,dd,J=9
.0Hz,2.7Hz),8.29(1H,d,J=2
.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
  COSMOSILC18カラム(4.6mmID×
250mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニ
トリル/水=3:1v/v、流速:1.0ml/min
]:Rt=6.5min 比旋光度[α]:(c  0.500,1,4−ジオキ
サン);+73.9° 元素分析:C68H89ClN2O43として    
                        C
            H            
N      理論値(%)      49.26 
     5.41      2.14      
実測値(%)      49.68      5.
55      2.11
【0045】(2)  2−
クロロ−4−ニトロフェニル=65−O−(N−イソプ
ロピル)カルバモイル−β−D−マルトペンタオシドの
製造 実施例2の(1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−
イソプロピル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシ
ル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−
O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4
)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グル
コピラノシド2.62g(1.58mmol)にメタノ
ール250ml及び無水炭酸カリウム268mg(1.
94mmol)を加え、25℃で16時間かきまぜなが
ら反応させた。次いで反応液を減圧濃縮し、ここに含ま
れるメタノールを留去した。次いでその残渣をODSカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、アセトニトリル
−水混液(容量比3:7)で溶出した目的区分を濃縮し
、凍結乾燥して、2−クロロ−4−ニトロフェニル=6
5−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−β−D−
マルトペンタオシド1.08g(1.04mmol、収
率65.7%)が得られた。 融点(℃):177.0〜179.0(dec.)紫外
部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λmax]
(nm)=289(logε=3.99),227(s
h),209(4.19) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3400,2930
,1696,1584,1522,1486,1350
,1274,1150,1078,1036,936,
896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):1.06(6H,d,J=6.6Hz),
3.05〜3.85(m),4.00(1H,dd,J
=11.5Hz,5.9Hz),4.19(1H,d,
J=11.5Hz),4.20〜4.55(m),4.
22(1H,br  s),4.87(1H,br  
s),5.01(1H,d,J=5.4Hz),5.0
4(2H,d,J=3.7Hz),5.10(1H,d
,J=3.7Hz),5.26(1H,d,J=7.6
Hz),5.30〜5.60(m),6.61(1H,
brd,J=7.8Hz),7.47(1H,d,J=
9.2Hz),8.18(1H,dd,J=9.2Hz
,2.7Hz),8.29(1H,d,J=2.7Hz
)  高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製T
SKgel  Amide−80カラム(4.6mmI
D×250mm),UV280nm検出、溶離液:アセ
トニトリル/水=3:1v/v、流速:1.0ml/m
in]:Rt=7.3min 比旋光度[α]:(c  0.502,メタノール);
+81.2° 元素分析:C40H61ClN2O29として    
                        C
            H            
N      理論値(%)      44.93 
     5.75      3.32      
実測値(%)      45.01      5.
78      3.29
【0046】実施例3 (1)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2
,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−t−ブチル)
カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4
)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,
6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの
製造 イソプロピルイソシアネートの代わりにt−ブチルイソ
シアネートを用いること以外実施例2の(1)と同一の
操作を行い、目的の2−クロロ−4−ニトロフェニル=
O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−t−
ブチル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−
(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−ア
セチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−
2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラ
ノシドを2.28g(1.36mmol,収率85.5
%)を得た。 融点(℃):124.0〜126.0 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=284(logε=3.97)、228
(sh),207(logε=4.25)赤外吸収スペ
クトル(cm−1):3370,2970,1754,
1640,1586,1530,1486,1370,
1352,1238,1040,946,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.32(9H,s),2.00〜2.19(
ca.40H,each  s),3.43(1H,b
r  t,J=9.7Hz),3.60〜4.82(m
),5.10〜5.50(m),7.29(1H,d,
J=9.0Hz),8.16(1H,dd,J=9.0
Hz,2.7Hz),8.29(1H,d,J=2.7
Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
  COSMOSILC18カラム(4.6mmID×
250mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニ
トリル/水=3:1v/v、流速:1.0ml/min
]:Rt=8.3min 比旋光度[α]:(c  0.500,1,4−ジオキ
サン);+77.4° 元素分析:C69H91ClN2O43として    
                        C
            H            
N      理論値(%)      49.57 
     5.49      1.68      
実測値(%)      49.50      5.
64      1.78
【0047】(2)  2−
クロロ−4−ニトロフェニル=65−O−(N−t−ブ
チル)カルバモイル−β−D−マルトペンタオシドの製
造 実施例2の(2)と同様の操作を行い、実施例3の(1
)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−t−ブチル)カ
ルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)
−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α
−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6
−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド2.
22g(1.32mmol)から、目的の2−クロロ−
4−ニトロフェニル=65−O−(N−t−ブチル)カ
ルバモイル−β−D−マルトペンタオシド889mg(
0.821mmol,収率62.2%)を得た。 融点(℃):181.0〜183.0(dec.)紫外
部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λmax]
(nm)=289(logε=3.99)、228(l
ogε=3.99),209(logε=4.20) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3430,2940
,1704,1586,1522,1486,1438
,1276,1150,1080,1026,936,
898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):1.23(9H,s),3.05〜3.8
5(m),3.95(1H,dd,J=10.5Hz,
6.1Hz),4.18(1H,br  d,J=10
.5Hz),4.25〜4.60(m),4.99(1
H,d,J=3.7Hz),5.05(2H,d,J=
3.7Hz),5.11(1H,d,J=3.7Hz)
,5.25(1H,d,J=7.3Hz),5.30〜
5.60(m),6.42(1H,br  s),7.
47(1H,d,J=9.2Hz),8.17(1H,
dd,J=9.2Hz,2.7Hz),8.29(1H
,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSKg
el  Amide−80カラム(4.6mmID×2
50mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニト
リル/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min]
:Rt=6.1min 比旋光度[α]:(c  0.500,メタノール);
+79.3° 元素分析:C41H63ClN2O29として    
                         
   C            H        
    N      理論値(%)        
  45.45      5.86      2.
59      実測値(%)          4
5.69      5.77      2.56

0048】実施例4 (1)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2
,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−エチル)カル
バモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−
トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの製造
イソプロピルイソシアネートの代わりにエチルイソシア
ネートを用いること以外実施例2の(1)と同一の操作
を行い、目的の2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−t−エチ
ル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,
3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシ
ドを2.26g(1.38mmol,収率86.8%)
を得た。 融点(℃):115.0〜117.0(dec.)紫外
部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λmax]
(nm)=283(logε=3.98),227(s
h),209(4.24) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3450,2970
,1752,1588,1532,1486,1434
,1372,1352,1240,1038,944,
900 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.15(3H,t,J=7.1Hz),1.
88〜2.19(ca.40H,each  s),3
.23(2H,q,J=7.1Hz),3.45(1H
,br  t,J=9.5Hz),3.75〜4.85
(m),5.20〜5.50(m),7.29(1H,
d,J=9.1Hz),8.16(1H,dd,J=9
.1Hz,2.7Hz),8.29(1H,d,J=2
.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
  COSMOSILC18カラム(4.6mmID×
250mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニ
トリル/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min
]:Rt=5.7min 比旋光度[α]:(c  0.690,1,4−ジオキ
サン);+82.5° 元素分析:C67H87ClN2O43として    
                      C  
          H            N 
     理論値(%)    48.95     
 5.33      2.16      実測値(
%)    49.03      5.34    
  2.16
【0049】(2)  2−クロロ−4−
ニトロフェニル=65−O−(N−エチル)カルバモイ
ル−β−D−マルトペンタオシドの製造 実施例2の(2)と同様の操作を行い、実施例4の(1
)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−エチル)カルバ
モイル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−ト
リス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D
−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−ト
リ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド1.58
g(0.962mmol)から、目的の2−クロロ−4
−ニトロフェニル=65−O−(N−エチル)カルバモ
イル−β−D−マルトペンタオシド727mg(0.6
89mmol,収率71.6%)を得た。 融点(℃):180.0〜182.0(dec.)紫外
部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λmax]
(nm)=289(logε=3.99),227(l
ogε=4.00),209(logε=4.20) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3410,2930
,1696,1584,1524,1486,1350
,1274,1150,1078,1024,936,
894 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):1.03(3H,t,J=7.3Hz),
3.02(2H,q,J=7.3Hz),3.05〜3
.90(m),4.01(1H,dd,J=11.7H
z,6.1Hz),4.21(1H,br  d,J=
10.0Hz),4.30〜4.55(m),4.73
(1H,br  s),4.87(1H,br  s)
,5.02(1H,d,J=4.2Hz),5.04(
2H,d,J=4.2Hz),5.11(1H,d,J
=3.9Hz),5.26(1H,d,J=7.6Hz
),7.47(1H,d,J=9.3Hz),8.18
(1H,dd,J=9.3Hz,2.7Hz),8.2
9(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSKg
el  Amide−80カラム(4.6mmID×2
50mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニト
リル/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min]
:Rt=8.6min 比旋光度[α]:(c  0.500,メタノール);
+83.7° 元素分析:C39H59ClN2O29として    
                         
   C            H        
    N      理論値(%)        
  44.39      5.63      3.
36      実測値(%)          4
4.44      5.63      3.38

0050】実施例5 (1)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=47,6
7−O−ジメトキシメチリデン−β−D−マルトヘプタ
オシドの製造 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル=β−D−マル
トヘプタオシド15.0g(11.5mmol)を無水
DMF75mlに溶解し、テトラメトキシメタン15.
0ml(113mmol),アンバーリスト(15E)
7.5gを加え、35℃で4時間かきまぜながら反応さ
せた。次いでこの反応液を氷冷下100mMリン酸緩衝
液(pH=7.0)2.0l中へ、かきまぜながらゆっ
くりと滴下した。この混合液をODS(オクタデシルシ
リカゲル)カラムクロマトグラフィーにより精製し、ア
セトニトリル−水混液(容量比35:65)で溶出した
目的区分を濃縮すると、オイル状の2−クロロ−4−ニ
トロフェニル=47,67−O−ジメトキシメチリデン
−β−D−マルトヘプタオシドが10.0g(7.25
mmol,収率63.0%)が得られた。 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=295(logε=3.96)、295
(sh),209(logε=4.20),赤外吸収ス
ペクトル(cm−1):3420,2940,1646
,1586,1526,1488,1352,1274
,1248,1154,1080,1048,1024
,930,896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):3.30〜3.85(m),3.24(3
H,s),3.30(3H,s),3.90(1H,d
,J=3.9Hz),4.35〜4.70(m),5.
04(2H,d,J=3.2Hz),5.11(4H,
d,J=3.0Hz),5.26(1H,d,J=7.
6Hz),5.25〜5.70(m),7.47(1H
,d,J=9.2Hz),8.19(1H,dd,J=
9.2Hz,2.7Hz),8.30(1H,d,J=
2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
  COSMOSILC18カラム(4.6mmID×
250mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニ
トリル/水=1:4v/v,流速:1.0ml/min
]:Rt=11.9min 元素分析:C51H78ClNO40として     
                         
  C            H         
   N      理論値(%)         
 44.37      5.69      1.0
1      実測値(%)          44
.55      5.53      1.00
【0
051】(2)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=
O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソ
プロピル)−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)
−ペンタキス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル
−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3
,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド
の製造 実施例5の(1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=47,67−O−ジメトキシメチリデン−β−D−
マルトヘプタオシド3.00g(2.17mmol)を
原料に使用すること以外実施例1の(2)と同様の操作
を行い、続いて実施例2の(1)と同様の操作を行い、
目的の2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,3
−ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソプロピル)−
α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−ペンタキス
[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グ
ルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−
O−アセチル−β−D−グルコピラノシドが2.32g
(1.04mmol,3工程通算収率47.9%)得ら
れた。 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=283(logε=3.98),227
(sh),205(logε=4.33)赤外吸収スペ
クトル(cm−1):3360,2970,1756,
1620,1588,1528,1486,1460,
1440,1368,1350,1240,1164,
1128,948,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.14(3H,d,J=6.4Hz),1.
17(3H,d,J=6.6Hz),2.00〜2.1
9(ca.60H,each  s),3.55〜4.
85(m),5.05〜5.50(m),7.29(1
H,d,J=9.1Hz),8.16(1H,dd,J
=9.1Hz,2.7Hz),8.29(1H,d,J
=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
  COSMOSILC18カラム(4.6mmID×
250mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニ
トリル/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min
]:Rt=9.0min 元素分析:C92H121ClN2O59として   
                         
    C            H       
     N      理論値(%)       
   49.45      5.46      1
.25      実測値(%)          
49.58      5.35      1.22
【0052】(3)  2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=67−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−β
−D−マルトヘプタオシドの製造 実施例5の(2)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−
フェニル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)−ペンタキス[O−(2,3,6−トリ−
O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4
)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グル
コピラノシド2.32g(1.04mmol)を原料に
用いること以外実施例1の(5)と同様の操作を行い、
目的の2−クロロ−4−ニトロフェニル=67−O−(
N−イソプロピル)カルバモイル−β−D−マルトヘプ
タオシド997mg(0.716mmol,収率68.
8%)が得られた。 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=288(logε=3.98),227
(sh),209(4.18) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3400,2930
,1694,1582,1520,1486,1350
,1274,1148,1080,1040,936,
898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):1.06(6H,d,J=6.7Hz),
3.10〜3.85(m),4.00〜4.65(m)
,4.85(1H,br  s),5.00(1H,d
,J=5.0Hz),5.04(4H,d,J=3.0
Hz),5.11(1H,d,J=3.8Hz),5.
25(1H,d,J=7.4Hz),5.30〜5.6
0(m),6.60(1H,br  d,J=7.6H
z),7.46(1H,d,J=9.0Hz),8.1
8(1H,dd,J=9.0Hz,2.7Hz),8.
30(1H,d,J=2.7Hz)高速液体クロマトグ
ラフィー[東ソー(株)製TSKgel  Amide
−80カラム(4.6mmID×250mm),UV2
80nm検出、溶離液:アセトニトリル/水=3:1v
/v,流速:1.0ml/min]:Rt=8.6mi
n 元素分析:C52H81ClN2O39として    
                         
   C            H        
    N      理論値(%)        
  44.81      5.86      2.
01      実測値(%)          4
4.99      5.79      2.15

0053】実施例6 (1)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2
,3−ジ−O−アセチル−4,6−ジ−O−(N−イソ
プロピル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−
アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]
−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノシドの製造 実施例2の(1)と同様の操作で得た2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6
−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−D−グ
ルコピラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3
,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル
)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−
β−D−グルコピラノシド6.33g(3.82mmo
l)をピリジン500mlに溶解し、イソプロピルイソ
シアネート11.3ml(115mmol)、モレキュ
ラーシーブス12.0g及びジメチルアミノピリジン1
.20g(9.84mmol)を加え、90℃で16時
間かきまぜながら反応させた。次いでこの反応液をセラ
イトベットでろ過し、ろ液中のピリジンを減圧下留去し
、この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーによ
り精製し、酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタン混
液(容量比50:1:50)で溶出した目的区分を濃縮
すると、2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−4,6−ジ−O−(N−イソプ
ロピル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−
(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−ア
セチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−
2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラ
ノシドが5.16g(2.96mmol,収率77.5
%)得られた。 融点(℃):130.0〜131.0 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=282(logε=4.01)、208
(logε=4.32) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3390,2970
,1742,1586,1528,1432,1372
,1350,1234,1032,944,898  
核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.12(3H,d,J=6.8Hz),1.
13(3H,d,J=5.6Hz),1.15(3H,
d,J=6.6Hz),1.16(3H,d,J=6.
4Hz),2.00〜2.19(ca.40H,eac
h  s),3.65〜4.85(m),5.10〜5
.50(m),7.28(1H,d,J=9.1Hz)
,8.16(1H,dd,J=9.1Hz,2.7Hz
),8.30(1H,d,J=2.7Hz)高速液体ク
ロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製  COS
MOSILC18カラム(4.6mmID×250mm
),UV280nm検出、溶離液:アセトニトリル/水
=3:1v/v,流速:1.0ml/min]:Rt=
9.0min 比旋光度[α]:(c  0.500,メタノール);
+81.6° 元素分析:C72H97ClN3O44として    
                         
   C            H        
    N      理論値(%)        
  49.59      5.61      2.
41      実測値(%)          4
9.78      5.55      2.31

0054】(2)  2−クロロ−4−ニトロフェニル
=45,65−ジ−O−(N−イソプロピル)カルバモ
イル−β−D−マルトペンタオシドの製造前記(1)で
得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,3−
ジ−O−アセチル−4,6−ジ−O−(N−イソプロピ
ル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,
3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシ
ド1.63g(0.937mmol)にメタノール16
0ml及び無水炭酸カリウム142mg(1.03mm
ol)を加え、25℃で6時間かきまぜながら反応させ
た。次いで反応液を減圧濃縮し、ここに含まれるメタノ
ールを留去した。次いでその残渣をODSカラムクロマ
トグラフィーにより精製し、アセトニトリル−水混液(
容量比4:6)で溶出した目的区分を濃縮し、凍結乾燥
して、2−クロロ−4−ニトロフェニル=45,65−
ジ−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−β−D−
マルトペンタオシド897mg(0.776mmol,
収率82.8%)が得られた。 融点(℃):177.0〜178.0 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=289(logε=4.00),227
(sh),209(logε=4.26)赤外吸収スペ
クトル(cm−1):3400,2940,1702,
1584,1522,1486,1456,1348,
1272,1252,1152,1078,1036,
934,894 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):1.05(12H,d,J=6.4Hz)
,3.15〜4.05(m),4.20〜4.60(m
),5.02(2H,d,J=3.2Hz),5.10
(2H,d,J=3.4Hz),5.27(1H,d,
J=7.3Hz),5.30〜5.65(m),7.4
6(1H,d,J=9.0Hz),8.18(1H,d
d,J=9.0Hz,2.6Hz),8.29(1H,
d,J=2.6Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSKg
el  Amide−80カラム(4.6mmID×2
50mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニト
リル/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min]
:Rt=4.2min   比旋光度[α]:(c  0.500,水):+8
7.4°元素分析:C44H68ClN3O30として
                         
   C            H        
    N      理論値(%)      45
.77      5.94      3.64  
    実測値(%)      45.81    
  5.98      3.49
【0055】実施例
7 (1)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2
,3−ジ−O−アセチル−4,6−ジ−O−(N−エチ
ル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,
3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシ
ドの製造 実施例1の(2)と同様の操作で得た2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−α
−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス[O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−ア
セチル−β−D−グルコピラノシド2.50g(1.5
9mmol)をピリジン150mlに溶解し、エチルイ
ソシアネート6.3ml(79.6mmol)、ジメチ
ルアミノピリジン291mg(2.38mmol)及び
モレキュラーシーブス4A5.0gを加え、90℃で8
時間、かきまぜながら反応させた。次いでこの反応液に
トルエン1.5l加え、3%食塩水500mlで3回洗
浄した。トルエン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥したの
ち、綿栓ろ過で硫酸ナトリウムを除き、ろ液中のトルエ
ンを減圧下留去した。この残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、酢酸エチル−メタノール
−ジクロロメタン混液(容量比100:1:100)で
溶出した目的区分を濃縮すると、2−クロロ−4−ニト
ロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−4,6
−ジ−O−(N−エチル)カルバモイル−α−D−グル
コピラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,
6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β
−D−グルコピラノシド2.28g(1.33mmol
,収率83.6%)が得られた。 融点(℃):83.5〜85.5 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=283(logε=3.93),227
(sh),209(logε=4.46)赤外吸収スペ
クトル(cm−1):3480,2970,1752,
1690,1640,1526,1480,1450,
1372,1350,1238,1034,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.15(3H,t,J=7.3Hz),1.
18(3H,t,J=7.6Hz),2.00〜2.1
9(ca.40H,each  s),3.10〜3.
30(m),3.29(2H,q,J=7.3Hz),
3.32(2H,q,J=7.6Hz),3.75〜4
.90(m),5.15〜5.50(m),7.05(
2H,brs),7.28(1H,d,J=9.0Hz
),8.16(1H,dd,J=9.0Hz,2.7H
z),8.30(1H,d,J=2.7Hz)高速液体
クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製  CO
SMOSILC18カラム(4.6mmID×250m
m),UV280nm検出、溶離液:アセトニトリル/
水=3:1v/v,流速:1.0ml/min]:Rt
=6.5min 比旋光度[α]:(c  0.584,1,4−ジオキ
サン);+79.8° 元素分析:C70H93ClN3O44として    
                        C
            H            
N      理論値(%)      49.00 
     5.46      2.45      
実測値(%)      48.77      5.
50      2.69なお、6位を置換後、4位を
置換する方法の場合、すなわち実施例4の(1)で得た
化合物を出発原料とし、次いで実施例6の(1)に準じ
た操作を行って、上記と同一の化合物を製造した場合の
通算収率は65.9%であった。
【0056】(2)  2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=45,65−ジ−O−(N−エチル)カルバモイル
−β−D−マルトペンタオシドの製造 前記の(1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=
O−(2,3−ジ−O−アセチル−4,6−ジ−O−(
N−エチル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル
)−(1→4)−トリス[O−2,3,6−トリ−O−
アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]
−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノシド2.28g(1.33mmol)を原料に用い
ること以外実施例1の(2)と同様の操作を行い、目的
の2−クロロ−4−ニトロフェニル=45,65−ジ−
O−(N−エチル)カルバモイル−β−D−マルトペン
タオシド803mg(0.713mmol,収率53.
6%)が得られた。 融点(℃):176.0〜178.0(dec.)紫外
部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λmax]
(nm)=289(logε=3.97),227(l
ogε=3.97)、209(logε=4.17) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3390,2950
,1710,1586,1514,1486,1350
,1274,1252,1152,1082,1028
,934,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(MDS
O−d6):1.01(6H,t,J=7.2Hz),
3.02(4H,q,J=7.2Hz)3.15〜4.
10(m),4.30〜4.60(m),5.06(2
H,d,J=3.7Hz),5.12(2H,d,J=
3.4Hz),5.26(1H,d,J=7.8Hz)
,5.30〜5.70(m),6.78(1H,br 
 s),6.98(1H,br  s),7.46(1
H,d,J=9.3Hz),8.19(1H,dd,J
=9.3Hz,2.7Hz),8.31(1H,d,J
=2.7Hz)  高速液体クロマトグラフィー[東ソ
ー(株)製TSKgel  Amide−80カラム(
4.6mmID×250mm),UV280nm検出、
溶離液:アセトニトリル/水=3:1v/v,流速:1
.0ml/min]:Rt=6.1min 比旋光度[α]:(c  0.542,メタノール):
+80.0° 元素分析:C42H55ClN3O30として    
                        C
            H            
N      理論値(%)      44.74 
     5.81      3.73      
実測値(%)      44.66      5.
98      3.89
【0057】実施例8 (1)  2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2
,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−エチル)カル
バモイル−4−O−トシル−α−D−グルコピラノシル
)−(1→4)−トリス[O−2,3,6−トリ−O−
アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]
−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコピ
ラノシドの製造 実施例4の(1)と同様の操作で得た2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6
−O−(N−エチル)カルバモイル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−
トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(
1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D
−グルコピラノシド1.58g(0.962mmol)
をピリジン50mlに溶解し、トシルクロライド2.1
1g(11.0mmol)を加え、50℃で8時間かき
まぜながら反応させた。次いで反応液中のピリジンを減
圧下留去し、得られたオイル状の残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル−メタ
ノール−ジクロロメタン混液(容量比50:1:100
)で溶出した目的区分を濃縮すると、オイル状の2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−ア
セチル−6−O−(N−エチル)カルバモイル−4−O
−トシル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−
トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド1.4
3g(0.796mmol,収率82.7%)が得られ
た。 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=283(logε=4.00)、227
(sh),207(logε=4.28)赤外吸収スペ
クトル(cm−1):3480,2970,1750,
1586,1528,1488,1432,1372,
1350,1240,1178,1034,944,8
96 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.16(3H,t,J=7.0Hz),1.
99〜2.19(ca.40H,each  s),2
.45(3H,s),3.20(2H,q,J=7.0
Hz),3.45〜4.85(m),5.20〜5.5
0(m),7.27(1H,d,J=9.0Hz),7
.33(2H,d,J=8.5Hz),7.79(2H
,d,J=8.5Hz),8.15(1H,dd,J=
9.0Hz,2.7Hz),8.29(1H,d,J=
2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
  COSMOSILC18カラム(4.6mmID×
250mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニ
トリル/水=7:3v/v,流速:1.0ml/min
]:Rt=8.9min 元素分析:C74H93ClN2O45Sとして   
                         
C            H           
 N      理論値(%)      49.43
      5.21      1.56     
 実測値(%)      49.28      5
.17      1.50
【0058】(2)  2
−クロロ−4−ニトロフェニル=65−O−(N−エチ
ル)カルバモイル−45−O−トシル−β−D−マルト
ペンタオシドの製造前記(1)で得た2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6
−O−(N−エチル)カルバモイル−4−O−トシル−
α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス[O
−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−
アセチル−β−D−グルコピラノシド1.43g(0.
796mmol)を原料に用いること以外実施例2の(
2)と同様の操作を行い、目的の2−クロロ−4−ニト
ロフェニル=65−O−(N−エチル)カルバモイル−
45−O−トシル−β−D−マルトペンタオシド705
mg(0.583mmol,収率73.2%)が得られ
た。 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=291(logε=3.95),225
(logε=4.31),215(logε=4.29
) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3410,2920
,1696,1584,1520,1484,1350
,1274,1248,1176,1152,1078
,1024,930,892 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):1.03(3H,t,J=7.3Hz),
2.42(3H,s),3.00〜4.25(m),4
.40〜4.65(m),5.03(3H,brs),
5.10(1H,d,J=3.7Hz),5.27(1
H,d,J=7.6Hz),5.25〜5.70(m)
,7.46(3H,d,J=9.0Hz),7.77(
2H,d,J=9.0Hz),8.19(1H,dd,
J=9.0Hz,2.7Hz),8.31(1H,d,
J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSKg
el  Amide−80カラム(4.6mmID×2
50mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニト
リル/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min]
:Rt=4.6min 比旋光度[α]:[c  0.502,H2O−1,4
−ジオキサン(1:1v/v)];+87.1°元素分
析:C45H65ClN2O31Sとして      
                      C  
          H            N 
     理論値(%)      45.68   
   5.42      2.32      実測
値(%)      45.66      5.48
      2.29
【0059】実施例9 (1)  4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O
−アセチル−6−O−(N−イソプロピル)カルバモイ
ル−4−O−メチル−α−D−グルコピラノシル)−(
1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2
,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノ
シドの製造 市販の4−ニトロフェニル=α−D−マルトペンタオシ
ド5.0g(5.27mmol)を原料とする以外実施
例1の(1)、(2)、実施例2の(1)と同様の操作
を行って得た4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−
O−アセチル−6−O−(N−イソプロピル)カルバモ
イル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリ
ス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−
グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ
−O−アセチル−α−D−グルコピラノシド2.50g
(1.54mmol,4工程通算収率29.2%)をD
MSO50mlに溶解し、ヨードメタン1.9ml(3
0.5mmol)及び水酸化カリウム1.73g(30
.8mmol)を加え、50℃で7時間かきまぜながら
反応させた。次いでこの反応液にトルエン1.0l加え
、3%食塩水500mlで3回洗浄した。トルエン層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥したのち、綿栓ろ過で硫酸ナ
トリウムを除き、ろ液中のトルエンを減圧下留去した。 この残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより
精製し、酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタン混液
(容量比50:1:100)で溶出した目的区分を濃縮
すると、オイル状の4−ニトロフェニル=O−(2,3
−ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソプロピル)カ
ルバモイル−4−O−メチル−α−D−グルコピラノシ
ル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−
O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4
)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グル
コピラノシド1.17g(0.715mmol,収率4
6.4%)が得られた。  紫外部・可視部吸収スペク
トル:吸収極大波長[λmax](nm)=290(l
ogε=3.99),227(sh),205(log
ε=4.29) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3480,2950
,1748,1584,1528,1488,1432
,1372,1348,1240,1034,944,
896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
l3):1.14(3H,d,J=6.6Hz),1.
19(3H,d,J=6.6Hz),2.00〜2.1
9(ca.40H,each  s),3.32(3H
,s),3.55〜4.90(m),5.10〜5.5
5(m),7.08(2H,d,J=9.1Hz),8
.22(2H,d,J=9.1Hz) 高速液体クロマトグラフィー[ナカライテスク(株)製
  COSMOSILC18カラム(4.6mmID×
250mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニ
トリル/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min
]:Rt=7.7min 元素分析:C69H92N2O43として      
                      C  
          H            N 
     理論値(%)      50.61   
   5.66      1.71      実測
値(%)      50.85      5.57
      1.80
【0060】(2)  4−ニト
ロフェニル=65−O−(N−イソプロピル)カルバモ
イル−4−O−メチル−α−D−マルトペンタオシドの
製造 前記(1)で得た4−ニトロフェニル=O−(2,3−
ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソプロピル)カル
バモイル−4−O−メチル−α−D−グルコピラノシル
)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O
−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)
]−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシド1.17g(0.715mmol)を原料に
用いること以外実施例2の(2)と同様の操作を行い、
目的の4−ニトロフェニル=65−O−(N−イソプロ
ピル)カルバモイル−4−O−メチル−α−D−マルト
ペンタオシド614mg(0.585mmol,収率8
1.8%)が得られた。 紫外部・可視部吸収スペクトル:吸収極大波長[λma
x](nm)=298(logε=4.01),227
(sh),209(logε=4.25)赤外吸収スペ
クトル(cm−1):3400,2930,1696,
1582,1520,1486,1350,1274,
1248,1150,1078,1022,938,8
94 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O−d6):1.06(6H,d,J=6.4Hz),
3.05〜3.85(m),3.25(3H,s),4
.25〜4.70(m),5.01(1H,d,J=3
.6Hz),5.04(2H,br  d,J=3.6
Hz),5.10(1H,d,J=3.8Hz),5.
27(1H,d,J=3.6Hz)、5.30〜5.6
5(m),7.23(2H,d,J=9.2Hz),8
.23(2H,d,J=9.2Hz)高速液体クロマト
グラフィー[東ソー(株)製TSKgel  Amid
e−80カラム(4.6mmID×250mm),UV
280nm検出、溶離液:アセトニトリル/水=3:1
v/v,流速:1.0ml/min]:Rt=6.2m
in 比旋光度[α]:(c  0.514,メタノール);
+86.1° 元素分析:C41H64N2O29として      
                      C  
        H          N     
 理論値(%)      46.95    6.1
5    2.67      実測値(%)    
  46.88    6.25    2.59
【0
061】実施例10 (1)基質液の調製 実施例1で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=65
−O−(N−フェニル)カルバモイル−β−D−マルト
ペンタオシド(Mw1106)を0.975mMの濃度
になるように、40mM−NaCl及び2mM−MgC
l2を含有する50mMリン酸緩衝液(pH=7.0)
に溶解した。
【0062】(2)共役酵素液の調製 酵母由来の市販α−グルコシダーゼ及びアーモンド由来
のβ−グルコシダーゼをそれぞれ117U/ml,13
U/mlの濃度になるように40mM−NaCl及び2
mM−MgCl2を含有する50mMリン酸緩衝液(p
H=7.0)に混合して溶解した。なお、これら市販の
α−及びβ−グルコシダーゼは東洋紡績(株)製を使用
した。
【0063】(3)標品α−アミラーゼ液の調製市販の
ヒトα−アミラーゼ(P:S=1:1)に精製水を加え
、0,148,284,401,525IU/lの濃度
に溶解して標品α−アミラーゼ液とした。なお、この市
販のヒトα−アミラーゼは国際試薬(株)製キャリブザ
イムAMYを使用した。
【0064】また、α−アミラーゼ活性は、37℃、1
分間に1μmolの2−クロロ−4−ニトロフェニル=
β−D−マルトペンタオシド(市販品)を分解する酵素
量を1国際単位(IU)として定義した。
【0065】(4)試料液の調製 α−アミラーゼ活性測定用試料が液体の場合はそのまま
試料液とした。固体の場合は通常、試料500mgを正
確に秤量し、精製水を加えて全量を5mlとして試料液
とした。
【0066】(5)検量線の作成 標品α−アミラーゼ液250μlに共役酵素液1.0m
lを加えてかきまぜ、37℃で1分間加温したのち、基
質液2.0mlを加えてかきまぜ、さらに37℃で2分
間加温後からの2分間の400nmにおける吸光度の変
化量を測定した。各標品α−アミラーゼ液の活性と、吸
光度の変化量の関係より検量線を作成した。その結果、
検量線の式はU=9.66・ΔA×103+11.9[
U;酵素活性(IU/l)、ΔA;吸光度の変化量]と
なった。そのグラフを図1に示す。
【0067】(6)試料液中のα−アミラーゼ活性の測
定 試料液250μlに共役酵素液1.0mlを加えてかき
まぜ、37℃で1分間加温したのち、基質液2.0ml
を加えてかきまぜ、さらに37℃で2分間加温後からの
2分間の400nmにおける吸光度の変化量を測定した
。この測定値と(5)で作成した検量線から算出して試
料液中のα−アミラーゼ活性の測定を行うことができる
。なお、試料液中の酵素活性の値が検量線の適用範囲(
0〜525IU/l)を越えた場合は精製水を用いて相
当する倍数の希釈を行ったのち、再測定を行う。
【0068】実施例11 (1)基質液の調製 実施例2で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=65
−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−β−D−マ
ルトペンタオシド(Mw1069)を0.8125mM
の濃度になるように、40mM−NaCl及び2mM−
MgCl2を含有する50mMリン酸緩衝液(pH=7
.0)に溶解した。
【0069】(2)共役酵素液の調製 実施例10の(2)と同一の操作で共役酵素液の調製を
行った。
【0070】(3)標品α−アミラーゼ液の調製実施例
10の(3)と同様の操作で標品α−アミラーゼ液の調
製を行った。なお、各標品α−アミラーゼ液の活性は0
,150,302,447,592IU/lとした。
【0071】(4)試料液の調製 実施例10の(4)と同一の操作で試料液の調製を行っ
た。
【0072】(5)検量線の作成 実施例10の(5)と同様の操作で検量線の作成を行っ
た。その結果検量線の式はU=9.05・ΔA×103
−8.3[U;酵素活性(IU/l)、ΔA;吸光度の
変化量]となった。そのグラフを図2に示す。
【0073】(6)試料液中のα−アミラーゼ活性の測
定 実施例10の(6)と同一の操作で試料液中のα−アミ
ラーゼ活性の測定を行った。
【0074】実施例12 (1)基質液の調製 実施例6で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=45
,65−ジ−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−
β−D−マルトペンタオシド(Mw1155)を1.6
25mMの濃度になるように、40mM−NaCl及び
2mM−MgCl2を含有する50mMリン酸緩衝液(
pH=7.0)に溶解した。
【0075】(2)共役酵素液の調製 実施例10の(2)と同一の操作で共役酵素液の調製を
行った。
【0076】(3)標品α−アミラーゼ液の調製実施例
11の(3)と同一の操作で標品α−アミラーゼ液の調
製を行った。
【0077】(4)試料液の調製 実施例10の(4)と同一の操作で試料液の調製を行っ
た。
【0078】(5)検量線の作成 実施例10の(5)と同様の操作で検量線の作成を行っ
た。その結果検量線の式はU=8.96・ΔA×103
−2.3[U;酵素活性(IU/l)、ΔA;吸光度の
変化量]となった。そのグラフを図3に示す。
【0079】(6)試料液中のα−アミラーゼ活性の測
定 実施例10の(6)と同一の操作で試料液中のα−アミ
ラーゼ活性の測定を行った。なお、実施例5で得た2−
クロロ−4−ニトロフェニル=67−O−(N−イソプ
ロピル)カルバモイル−β−D−マルトヘプタオシドに
ついても、上記と同様の操作を行えば、試料液中のα−
アミラーゼ活性の測定を行うことができる。
【0080】実施例13 (1)基質液の調製 実施例9で得た4−ニトロフェニル=65−O−(N−
イソプロピル)カルバモイル−4−O−メチル−α−D
−マルトペンタオシド(Mw1048)を1.625m
Mの濃度になるように、40mM−NaCl及び2mM
−MgCl2を含有する50mMリン酸緩衝液(pH=
7.0)に溶解した。
【0081】(2)共役酵素液の調製 β−グルコシダーゼを加えないこと以外、実施例10の
(2)と同一の操作で共役酵素液の調製を行った。
【0082】(3)標品α−アミラーゼ液の調製実施例
11の(3)と同一の操作で標品α−アミラーゼ液の調
製を行った。
【0083】(4)試料液の調製 実施例10の(4)と同一の操作で試料液の調製を行っ
た。
【0084】(5)検量線の作成 実施例10の(5)と同様の操作で検量線の作成を行っ
た。その結果検量線の式はU=17.7・ΔA×103
−4.4[U;酵素活性(IU/l)、ΔA;吸光度の
変化量]となった。そのグラフを図4に示す。
【0085】(6)試料液中のα−アミラーゼ活性の測
定 実施例10の(6)と同一の操作で試料液中のα−アミ
ラーゼ活性の測定を行った。
【0086】実施例14 本発明基質が測定系内で安定に存在することを実証する
ために、非還元末端非修飾体を対照として下記の方法に
従って、共役酵素液との反応を行った。 試験方法 (1)基質液(ア)の調製 実施例1で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=65
−O−(N−フェニル)カルバモイル−β−D−マルト
ペンタオシド(Mw1103)(以下本発明基質という
)を3.0mMの濃度になるように、40mM−NaC
l及び2mM−MgCl2を含有する50mMリン酸緩
衝液(pH=7.0)に溶解した。
【0087】(2)基質液(イ)の調製市販の2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル=β−D−マルトペンタオシド
(Mw984)(以下対照基質という)を3.0mMの
濃度になるように、40mM−NaCl及び2mM−M
gCl2を含有する50mMリン酸緩衝液(pH=7.
0)に溶解した。
【0088】(3)共役酵素液の調製 酵母由来の市販α−グルコシダーゼ及びアーモンド由来
のβ−グルコシダーゼをそれぞれ1053U/ml,1
5.5U/mlの濃度になるように40mM−NaCl
及び2mM−MgCl2を含有する50mMリン酸緩衝
液(pH=7.0)に混合して溶解した。なお、これら
市販のα−及びβ−グルコシダーゼは東洋紡績(株)製
を使用した。
【0089】(4)共役酵素反応 共役酵素液1.0mlを37℃で5分間加温した後、本
発明基質液又は対照基質液をそれぞれ2.0ml加えて
よく混合し、37℃で3分加温後から5分間の400n
mにおける吸光度の変化量を測定した。その結果を図5
に示す。図5において、Aは基質液(ア)、Bは基質液
(イ)によるものである。本発明基質は共役酵素と反応
することなく、測定系内で安定に存在することが分かる
【0090】実施例15 本発明基質が測定系内で安定に存在することを実証する
ために、非還元末端非修飾体を対照として下記の方法に
従って、共役酵素液との反応を行った。 試験方法 (1)基質液(ア)の調製 実施例2で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=65
−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−β−D−マ
ルトペンタオシド(Mw1069)(以下本発明基質と
いう)を3.0mMの濃度になるように、40mM−N
aCl及び2mM−MgCl2を含有する50mMリン
酸緩衝液(pH=7.0)に溶解した。以下基質液(イ
)の調製、共役酵素の調製、共役酵素反応を実施例14
と同一の操作を用いて行った。その結果を図6に示した
。図6においてAは基質液(ア)、Bは基質液(イ)に
よるものである。これより、本発明基質は共役酵素と反
応することなく、測定系内で安定に存在することが分か
る。なお、実施例5で得られた2−クロロ−4−ニトロ
フェニル=67−O−(N−イソプロピル)カルバモイ
ル−β−D−マルトヘプタオシドについても同様の結果
が得られた。
【0091】実施例16 実施例9で得た4−ニトロフェニル=65−O−(N−
イソプロピル)カルバモイル−4−O−メチル−α−D
−マルトペンタオシドを基質液(ア)として用い、また
4−ニトロフェニル=α−マルトペンタオシドを基質液
(イ)として用い、共役酵素中にβ−グルコシダーゼを
加えないこと以外、実施例14と同一の操作を用いて行
った。その結果を図7に示した。図7においてAは基質
液(ア)、Bは基質液(イ)によるものである。これよ
り、本発明基質は共役酵素と反応することなく、測定系
内で安定に存在することが分かる。
【0092】実施例17 精製水に以下の成分を以下の濃度で溶解することにより
、試薬を調製した。         成        分       
                         
          濃    度2−クロロ−4−ニ
トロフェニル=65−O−(N−フェニル)カルバモイ
ル−β−D−マルトペンタオシド          
          2.00mMα−グルコシダーゼ
                         
                 40U/mlβ−
グルコシダーゼ                  
                      5.0
U/mlβ−グリセロリン酸緩衝液(pH=7.0) 
                     20mM
ウシ血清アルブミン                
                         
 0.05%
【0093】測定用試料が液体の場合はそ
のまま試料液とし、また固体の場合は試料500mgを
正確に秤量し、精製水を加えて全量を5.0mlとし、
これを試料液とした。この試料液250μlにあらかじ
め37℃で2分間加温した前記の試薬3.0mlを加え
てかきまぜ、37℃で2分間加温した後2分間の400
nmにおける吸光度の変化量を測定した。この測定値と
あらかじめ作成した検量線から算出して試料液中のα−
アミラーゼ活性の測定を行った。なお、試料液中の酵素
活性の値が検量線の適用範囲(0〜525IU/l)を
越えた場合は精製水を用いて相当する倍数の希釈を行っ
たのち、再測定した。
【0094】実施例18 2−クロロ−4−ニトロフェニル=65−O−(N−フ
ェニル)カルバモイル−β−D−マルトペンタオシドの
代りに2−クロロ−4−ニトロフェニル=45,65−
ジ−O−(N−エチル)カルバモイル−β−D−マルト
ペンタオキシドを1.00mMとする以外は前記実施例
17と同様にして試薬を調製した。この試薬は実施例1
7と同様にして試料液中のα−アミラーゼ活性の測定に
用いることができた。
【0095】参考例 前記した実施例で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル
=45,65−ジ−O−(N−エチル)カルバモイル−
β−D−マルトペンタオシド(DEG5CNP)及び2
−クロロ−4−ニトロフェニル=45,65−ジ−O−
(N−イソプロピル)カルバモイル−β−D−マルトペ
ンタオシド(DIPCG5CNP)について、以下の方
法でKm値、加水分解速度、水溶性及び加水分解部位の
測定を行った。その結果を表1及び表2に示す。なお、
対照基質としては、市販の2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−β−D−マルトペンタオシド(G5CNP)を用
いた。
【0096】(1)Km値; (i)基質液(ア)の調製 各基質を0.16,0.32,0.48,0.64,0
.80,0.96mMの濃度になるように、40mM−
NaCl及び2mM−MgCl2を含有する50mMリ
ン酸緩衝液(pH=7.0)に溶解した。 (ii)Km値の概算 上記(1)の各基質液について、後記加水分解速度の測
定と同様の操作を行って速度を測定し、ラインウェーバ
ー・バークの逆数プロット[堀尾武一、山下仁平編「蛋
白質・酵素の実験法」第383頁、南江堂、1981年
発行参照]でKm値の概算値を求めた。 (iii)基質液(イ)の調製 各基質を上記(ii)の概算Km値の0.8〜1.6倍
の範囲で3種の濃度、1.6〜3.2倍の範囲で3種の
濃度となるように、40mM−NaCl及び2mM−M
gCl2を含有した50mMリン酸緩衝液(pH=7.
0)に溶解した。(iv)Km値の測定上記(ii)と
同様の操作を行い、Km値を算出した。
【0097】(2)加水分解速度; (i)基質液の調製 各基質の濃度をKm値の7〜9倍になるように、40m
M−NaCl及び2mM−MgCl2を含有する50m
Mリン酸緩衝液(pH=7.0)に溶解した。この濃度
は後記α−アミラーゼ反応時において、ヒトα−アミラ
ーゼに対してKm値の約5倍に相当するため、最大反応
速度に達するには十分な基質量である。 (ii)共役酵素液の調製 前記実施例10の(2)と同様にして調製した。 (iii)α−アミラーゼ液の調製 前記実施例10の(3)と同様にして、約500IU/
lの濃度の市販ヒトP型及びS型α−アミラーゼ液を調
製した。 (iv)加水分解速度の測定(α−アミラーゼ反応)上
記(iii)のα−アミラーゼ液250μlに共役酵素
1.0mlを加えてかきまぜ、37℃で1分間加温した
後、基質液2.0mlを加えてかきまぜ、37℃で2分
間加温した後からの2分間の400nmにおける吸光度
の変化量を測定した。対照基質のG5CNPを用いた場
合、加水分解速度、すなわち単位時間当りの吸光度の変
化量を10とし、各基質の加水分解速度を相対値で示し
た。
【0098】(3)水溶性;水100mlに基質20g
を添加し、その溶解状態を観察した。
【0099】(4)加水分解部位;各基質の濃度を0.
5mMになるように、40mM−NaCl及び2mM−
MgCl2を含有する50mMリン酸緩衝液(pH=7
.0)に溶解し、この基質液1.0mlに、上記加水分
解速度の項の(iii)のα−アミラーゼ液100μl
を加えてよくかきまぜた後、37℃で20分間反応させ
た。この反応液を高速液体クロマトグラフィーで分析す
ることにより加水分解生成物を定量した。なお、DEC
G5CNPについて実施例10と同様にして検量線の式
を求めたところ、次のとおりであった。 U=7.54・ΔA×103+4.8 また、このものは、測定系内で共役酵素に反応すること
なく安定に存在することが確認された。
【表1】
【表2】
【0100】これらの表において、Aiはヒトα−アミ
ラーゼアイソザイム、Pはヒト膵液由来のα−アミラー
ゼ、Sはヒト唾液由来のα−アミラーゼを意味する。
【0101】表1及び表2から、本発明の基質は、加水
分解部位が実質的に1か所であり、またアイソザイムに
よる加水分解部位及び加水分解率が同じであり、かつα
−アミラーゼに対する親和性が極めて強く加水分解速度
及び水溶性も良好であって基質として極めてすぐれたも
のであることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】  実施例10におけるα−アミラーゼ活性の
測定に用いる検量線を示すグラフ。
【図2】  実施例11における検量線を示すグラフ。
【図3】  実施例12における検量線を示すグラフ。
【図4】  実施例13における検量線を示すグラフ。
【図5】  実施例14における本発明基質と対照基質
との測定系内での安定性を示すグラフ。
【図6】  実施例15における本発明基質と対照基質
との測定系内での安定性を示すグラフ。
【図7】  実施例16における本発明基質と対照基質
との測定系内での安定性を示すグラフ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  一般式 【化1】 (式中のnは2〜6の整数、Rは芳香族発色性基、Xは
    水素原子又は置換若しくは非置換の炭化水素基であり、
    Yは水素原子、置換若しくは非置換の炭化水素基、アル
    キル若しくはアリールスルホニル基又はアルキル若しく
    はアリールカルバモイル基である)で表わされる非還元
    末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体。
  2. 【請求項2】  請求項1記載の非還元末端カルバモイ
    ルマルトオリゴシド誘導体を有効成分とするα−アミラ
    ーゼ活性測定用試薬。
  3. 【請求項3】  α−アミラーゼ含有試料に、請求項1
    記載の非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体
    のα−アノマーと、α−グルコシダーゼ及び/又はグル
    コアミラーゼを添加して酵素反応を行わせ、遊離する芳
    香族発色性化合物を定量することを特徴とするα−アミ
    ラーゼ活性の測定方法。
  4. 【請求項4】  α−アミラーゼ含有試料に、請求項1
    記載の非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体
    のβ−アノマー又はα−アノマーとβ−アノマーとの混
    合物と、α−グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラー
    ゼ並びにβ−グルコシダーゼを添加して酵素反応を行わ
    せ、遊離する芳香族発色性化合物を定量することを特徴
    とするα−アミラーゼ活性の測定方法。
JP14660091A 1991-05-23 1991-05-23 非還元末端カルバモイルマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα‐アミラーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα‐アミラーゼ活性の測定方法 Pending JPH04346994A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPH02138291A (ja) * 1987-12-23 1990-05-28 Boehringer Mannheim Gmbh 新規オリゴグルコシド誘導体、α‐アミラーゼの測定方法および測定試薬

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