JP2770892B2 - アルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体、これを有効成分とするα‐アミラーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα‐アミラーゼ活性の測定方法 - Google Patents

アルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体、これを有効成分とするα‐アミラーゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα‐アミラーゼ活性の測定方法

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JP2770892B2 JP21298791A JP21298791A JP2770892B2 JP 2770892 B2 JP2770892 B2 JP 2770892B2 JP 21298791 A JP21298791 A JP 21298791A JP 21298791 A JP21298791 A JP 21298791A JP 2770892 B2 JP2770892 B2 JP 2770892B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規なアルコキシメチ
リデンマルトオリゴ糖誘導体、該誘導体を有効成分とす
るα‐アミラーゼ活性測定用試薬、及び該誘導体を用い
てα‐アミラーゼ活性を効率よく、かつ正確に測定する
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、血清、尿、膵液、唾液などの体液
を対象とするα‐アミラーゼ活性の測定は、臨床診断上
極めて重要であり、特に急性や慢性の肝炎、膵臓炎、膵
臓ガン、流行性耳下腺炎などの鑑別診断においては必須
の測定項目となっている。
【0003】このα‐アミラーゼ活性の測定方法につい
ては従来より種々の方法が知られているが、近年、各種
置換フェニルマルトオリゴシド類の非置換末端グルコー
スが各種の置換基で修飾された物質[共役酵素系に耐性
(安定性)を有する特徴をもつ]を基質として利用し、
α‐アミラーゼにより切断を行い、次いで共役酵素系を
作用させ、生成する置換フェノール類をそのまま、ある
いは必要に応じてpHを変化させたのち、あるいは縮合
させたのちに比色定量する方法が広く用いられるように
なってきた。
【0004】しかしながら、これらの基質は、共役酵素
に対する耐性が不十分である、水に対する溶解性が低
い、α‐アミラーゼに対する親和性が低い(Km値が高
い)、α‐アミラーゼによる分解速度が低い、化学的や
生化学的に不安定で長期間保存することができないなど
の種々の欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のα‐アミラーゼ活性の測定用試薬及びそれを用い
る測定方法が有する欠点を克服し、α‐アミラーゼ活性
を効率よく、かつ正確に測定しうる試薬として好適な新
規化合物を提供するとともに、これを試薬とした新規な
α‐アミラーゼ活性の測定方法を提供することを目的と
してなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは前記目的を
達成するために種々研究を重ねた結果、α‐アミラーゼ
活性測定用試薬として、特定のアルコキシメチリデンマ
ルトオリゴ糖誘導体が極めて好適であり、これを用いて
α‐アミラーゼ活性を測定することにより、その目的を
達成しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を
完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、一般式
【化2】 (式中のXはメトキシ基又はエトキシ基、Xは水素
原子、メトキシ基、エトキシ基又は置換若しくは非置換
の炭化水素基、Rは水素原子、芳香族発色性基又はグル
コース以外の単糖類の残基、nは2〜6の整数である)
で表わされるアルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導
体、このアルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体を
有効成分とするα‐アミラーゼ活性測定用試薬、及びα
‐アミラーゼ含有試料に、前記アルコキシメチリデンマ
ルトオリゴ糖誘導体とα‐アミラーゼ活性測定用共役酵
素を添加して酵素反応を行わせ、遊離する芳香族発色性
化合物又は単糖類を定量することを特徴とするα‐アミ
ラーゼ活性の測定方法を提供するものである。
【0008】本発明の前記一般式(I)のアルコキシメ
チリデンマルトオリゴ糖誘導体におけるマルトオリゴ糖
部としては、α‐及びβ‐D‐マルトテトラオースから
α‐及びβ‐D‐マルトオクタオースに対応するものが
すべて使用できる。これらの中でもD‐マルトペンタオ
ース、D‐マルトヘキサオース、D‐マルトヘプタオー
スが最終的な基質の性質の点から好適である。
【0009】また、前記一般式(I)で表わされるアル
コキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体におけるX
メトキシ基又はエトキシ基であり、そしてXは水素原
子、メトキシ基、エトキシ基又は置換若しくは非置換の
炭化水素基である。この炭化水素基の例としては、メチ
ル基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基、アリル
基、シクロヘキシル基のような直鎖状、枝分れ状の飽和
又は不飽和脂肪族炭化水素基や、ベンジル基、フェニル
基、トルイル基、ナフチル基、ビフェニル基などの芳香
族炭化水素基などを挙げることができる。これらの炭化
水素基は、アルコキシ基、アシル基、カルボキシル基、
ニトロ基、アルキルシリル基、スルホニル基、ハロゲン
原子などで置換されていてもよい。
【0010】本発明の前記一般式(I)で表わされるア
ルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体は、そのX
及びXの少なくとも一方をメトキシ基又はエトキシ基
とすることにより、水溶性が著しく向上して、α‐アミ
ラーゼ活性測定用基質としての有効性が高められる。こ
の観点から、前記一般式(I)におけるXもメトキシ
基又はエトキシ基であるのが望ましい。
【0011】さらに、前記一般式(I)で表わされるア
ルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体におけるRは
水素原子、芳香族発色性基又はグルコース以外の単糖類
の残基であるが、これらの中で特に芳香族発色性基が好
適である。
【0012】該芳香族発色性基については、分光学的に
検出できるものであればよく、特に制限はないが、例え
ば、一般式
【化3】 (式中のRないしRは水素原子、ハロゲン原子、ニ
トロ基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、アミ
ノ基、スルホン酸基又はカルボキシル基であり、それぞ
れ同一であってもよいし、異なっていてもよく、またR
とR、RとRとがそれぞれたがいに結合して、
縮合芳香環を形成してもよい)
【0013】
【化4】 (式中のRは水素原子又はアルキル基である)
【化5】 (式中のRは水素原子又はハロゲン原子である)
【化6】 (式中のRないしR15は水素原子、ハロゲン原子、
ニトロ基、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ア
ミノ基、スルホン酸基又はカルボキシル基であり、それ
ぞれ同一であってもよいし、異なっていてもよく、また
とR、R10とR11とがそれぞれたがいに結合
して、縮合芳香環を形成してもよく、さらにRとR
10及び/又はR13とR14が共通の酸素原子となっ
て縮合エーテル環を形成してもよく、Zは窒素原子又は
N→Oである)で表わされる基などが好ましく挙げられ
る。
【0014】また、グルコース以外の単糖類の残基とし
ては広義の単糖類あるいはその誘導体の残基、例えばフ
ラクトース、イノシトール、グルシトール、グルコース
‐6‐リン酸などの残基が挙げられる。
【0015】前記一般式(I)で表わされるアルコキシ
メチリデンマルトオリゴ糖誘導体はα‐アノマー(α‐
配糖体)又はβ‐アノマー(β‐配糖体)のいずれであ
ってもよい。このような前記一般式(I)で表わされる
アルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体の代表例と
しては、2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=4,6
‐O‐ジメトキシメチリデン‐β‐D‐マルトペンタオ
シド、2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=4,6
O‐(1‐メトキシ)エチリデン‐β‐D‐マルトペン
タオシド、2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=4,6
‐O‐(1‐エトキシ)メチリデン‐β‐D‐マルト
ペンタオシド、4‐ニトロフェニル=4,6‐O‐
ジメトキシメチリデン‐α‐D‐マルトペンタオシド、
2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=4,6‐O‐
(1‐エトキシ)ベンジリデン‐β‐D‐マルトペンタ
オシド、2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=4,6
‐O‐(1‐メトキシ)エチリデン‐β‐D‐マルトヘ
プタオシド、フェノールインド‐3′‐クロロフェニル
=4,6‐O‐ジメトキシメチリデン‐β‐D‐マ
ルトペンタオシド、4‐メチルウンベリフェロニル=4
,6‐O‐1‐エトキシ‐3‐ケトブチリデン‐α
‐D‐マルトペンタオシド、レザズリニル=4,6
‐O‐1‐メトキシメチリデン‐α‐D‐マルトヘキサ
オシド、ルシフェリニル=4,6‐O‐ジメトキシ
メチリデン‐β‐D‐マルトテトラオシド、4,6
‐O‐ジメトキシメチリデン‐D‐マルトペンタオー
ス、4,6‐O‐(1‐メトキシ)エチリデン‐D
‐マルトペンタオース、フラクトシル=4,6‐O
‐ジメトキシメチリデン‐α‐D‐マルトテトラオシド
などが挙げられる。
【0016】なお、上記において、記号6‐、6
‐、4‐、4‐などは、マルトオリゴ糖を構成す
るグリコース単位の還元末端側から、5番目、7番目の
グリコースの6位、4位の水酸基が置換されていること
を示す。
【0017】本発明の前記一般式(I)で表わされるア
ルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体は文献未載の
新規な化合物であって、その製造方法については特に制
限はなく、任意の方法を用いることができるが、例えば
次の方法によって製造することができる。
【0018】すなわち、出発原料として、市販品や公知
の製造方法で得ることのできる、一般式
【化7】 (式中のR及びnは前記と同じ意味をもつ)で表わされ
るD‐マルトオリゴ糖又はその誘導体、例えば2‐クロ
ロ‐4‐ニトロフェニル=β‐D‐マルトペンタオシ
ド、4‐ニトロフェニル=α‐D‐マルトヘプタオシ
ド、フェノールインド‐3′‐クロロフェニル=β‐D
‐マルトペンタオシド、D‐マルトペンタオース、D‐
マルトヘプタオース、フラクトシル‐β‐D‐マルトテ
トラオースなどを用い、一般式
【化8】 (式中のX及びXは前記と同じ意味をもつ)又は
【化9】 (式中のX及びXは前記と同じ意味をもち、X
びXはそれぞれ炭素数1〜4のアルキル基であって、
それらは同一であってもよいし、異なっていてもよい)
で表わされるカルボニル化合物又はそのアセタール若し
くはケタールと反応させることにより、前記一般式
(I)で表わされるアルコキシメチリデンマルトオリゴ
糖誘導体が得られる。
【0019】前記一般式(III)、(IV)で表わさ
れるカルボニル化合物又はそのアセタール若しくはケタ
ールとしては、例えばテトラメトキシメタン、テトラエ
トキシエタン、オルト酢酸トリエチル、オルト酢酸トリ
メチル、α,α,α‐トリメトキシトルエンなどが挙げ
られる。
【0020】前記一般式(I)で表わされるアルコキシ
メチリデンマルトオリゴ糖誘導体は、例えば前記一般式
(II)で表わされるD‐マルトオリゴ糖又はその誘導
体に、前記一般式(III)、(IV)で表わされるカ
ルボニル化合物又はそのアセタール若しくはケタールを
2〜100倍モル程度、好ましくは2〜10倍モル程度
加え、通常非プロトン性極性溶媒中において、触媒の存
在下、20〜100℃、好ましくは25〜50℃の範囲
の温度で1〜20時間程度、好ましくは2〜5時間程度
かきまぜながら反応させることにより、得られる。
【0021】この際用いられる非プロトン性極性溶媒と
しては、例えばN,N‐ジメチルホルムアミド(DM
F)、N,N‐ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメ
チルスルホキサイド(DMSO)、ヘキサメチルホスホ
リックトリアミド(HMPA)などが、また触媒として
は、例えばp‐トルエンスルホン酸、塩化水素、硫酸、
無水塩化亜鉛、強酸性イオン交換樹脂などが挙げられ
る。
【0022】この反応において、水分を除去するために
例えばモレキュラシーブス、ドライアライト、五酸化リ
ンなどの乾燥剤を共存させてもよいし、減圧下で水、ア
ルコールなどを留去しながら反応を行ってもよい。
【0023】次いで、この反応液を常法例えばカラムク
ロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィーなどによっ
て精製し、目的の化合物を得ることができる。このよう
にして得られた一般式(I)で表わされるアルコキシメ
チリデンマルトオリゴ糖誘導体は、α‐アミラーゼ活性
の測定に極めて有用であり、このアルコキシメチリデン
マルトオリゴ糖誘導体を用いてα‐アミラーゼ活性を効
率よく測定することができる。
【0024】α‐アミラーゼ活性の測定に際しては、常
法によりα‐アミラーゼ活性測定用共役酵素の存在下
で、α‐アミラーゼと基質である前記一般式(I)で表
わされるアルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体を
作用させる。該基質と使用する共役酵素との関係につい
ては特に制限はなく、常法に従えばよい。
【0025】また、前記したように、一般式(I)で表
わされるアルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体に
はα‐アノマーとβ‐アノマーが存在するが、この場合
のα‐アミラーゼ活性測定用共役酵素としては、例えば
(1)一般式(I)におけるRが水素原子である化合物
(α‐アノマー及び/又はβ‐アノマー)の場合はα‐
グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼが、(2)
該Rが芳香族発色性基又はグルコース以外の単糖類残基
である化合物で、(イ)α‐アノマーのみの場合はα‐
グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼが、(ロ)
β‐アノマーのみ又はα‐アノマーとβ‐アノマーとの
混合物の場合はα‐グルコシダーゼ及び/又はグルコア
ミラーゼとβ‐グルコシダーゼとの組合せが用いられ
る。なお、前記のいずれの場合においても、必要に応じ
てβ‐アミラーゼを併用することができる。
【0026】α‐アミラーゼ活性の測定するための有利
な系としては、例えば一般式(I)で表わされるアルコ
キシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体0.1〜10mM
及び緩衝液2〜300mMを含有し、かつ共役酵素とし
てα‐グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼをそ
れぞれ5〜1000単位/ml、さらにβ‐グルコシダ
ーゼを用いるときは0.5〜30単位/mlを含有する
pH4〜10の系が挙げられる。この系に用いられる緩
衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、Go
od’sの緩衝剤、ホウ酸塩、クエン酸塩、ジメチルグ
ルタル酸塩などが挙げられる。
【0027】α‐グルコシダーゼは動物、植物、微生物
などいかなる起源のものを用いてもよいが、例えば酵母
由来のものが好ましい。また、グルコアミラーゼもいか
なる起源のものを用いてもよいが、例えばリゾプス属
(Rizopus sp)などに由来するものが好まし
い。さらに、β‐グルコシダーゼもいかなる起源のもの
を用いてもよく、例えばアーモンドの種子から得たもの
が用いられる。
【0028】β‐アミラーゼもいかなる起源のものを用
いてもよいが、例えば細菌や植物由来のものを用いるこ
とができる。このような系に、前記成分以外に、本発明
の目的をそこなわない範囲で、さらに必要に応じて慣用
の種々の添加成分、例えば溶解補助剤、安定化剤とし
て、グリセリン、牛血清アルブミン、α‐又はβ‐シク
ロデキストリン、トリトンX‐100などを加えること
ができるし、α‐アミラーゼ活性化剤として、NaC
l,MgCl,MgSO,CaCl,CaCl
・HOなどの形で用いられるClイオン、Ca2+
イオン、Mg2+イオンなどを加えてもよい。これらの
添加成分は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよく、また前記系の調製の適当な段階で加え
ることができる。
【0029】また、一般式(I)で表わされるアルコキ
シメチリデンマルトオリゴ糖誘導体において、Rが水素
原子若しくはグルコース以外の単糖類の残基である基質
を用いる場合、酵素反応によって生成する単糖類例えば
グルコース、フラクトース、あるいはその他の単糖類を
吸光度法によって定量するときには、NAD→NADH
又はキノン系物質の生成などの酸化‐還元反応に伴う光
度変化測定系に通常用いられる酵素類、すなわち、グル
コース‐6‐リン酸デヒドロゲナーゼ(例えばLeuc
onostoc mesentercidesなどに由
来するもの)、マルトースホスホリラーゼ(例えばLa
ctobacillus brevisなどに由来する
もの)、ヘキソキナーゼ(例えば酵母などに由来するも
の)、β‐ホスホムターゼ[例えば兎筋肉(rabbi
tmuscle)などに由来するもの]、ソルビトール
デヒドロゲナーゼ[例えば羊肝(sheep live
r)に由来するもの]、グルコースオキシダーゼ(例え
ばAspergillusnigerなどに由来するも
の)、パーオキシダーゼ(例えばワサビなどに由来する
もの)及びNAD、ATPなどを加えればよい。
【0030】なお、Rが芳香族発色性基である基質を用
いる場合には、α‐アミラーゼ反応に係わる共役酵素系
以外に、前記のように、吸光系に係わる酵素などを必要
としないで吸光度法を適用できるため、より好ましい。
【0031】本発明の試薬は、乾燥物あるいは溶解した
形で用いてもよいし、薄膜状の担体、例えばシート、含
浸性の紙などに含浸させて用いてもよい。このような本
発明の試薬を用いることにより、各種の試料に含有され
るα‐アミラーゼ活性を簡単な操作で正確に、かつ高感
度で測定することができる。
【0032】次に、本発明方法の好適な実施態様を説明
する。まず、α‐アミラーゼを含む試料に、α‐アミラ
ーゼ活性測定用共役酵素としてのα‐グルコシダーゼ又
はグルコアミラーゼあるいはその両方をそれぞれ5〜1
000単位/ml、好ましくは10〜500単位/ml
加え、前記一般式(I)で表わされるアルコキシメチリ
デンマルトオリゴ糖誘導体がβ‐アノマーを含むとき
は、さらにβ‐グルコシダーゼを0.5〜30単位/m
l、好ましくは1〜15単位/ml加え、これと同時又
はこれらの後に、該アルコキシメチリデンマルトオリゴ
糖誘導体0.1〜10mM、好ましくは0.3〜5mM
を緩衝剤とともに添加したのち、温度25〜45℃、好
ましくは35〜40℃、pH4〜10、好ましくは6〜
8の条件下で少なくとも1分間、好ましくは2〜10分
間酵素反応させ、生成した芳香族発色性化合物を、常法
に従いそのままであるいは必要に応じpHを調整したの
ち、又は縮合反応を行ったのちに、適当な吸光波長で連
続的に又は断続的に吸光度変化量を測定し、あらかじめ
測定したα‐アミラーゼ標品の吸光度変化量と対比させ
て試料中のα‐アミラーゼ活性を算出する。また、生成
した芳香族発色性化合物の分子吸光係数から算出するこ
ともできる。
【0033】なお、前記一般式(I)で表わされる化合
物のRが水素原子又はグルコース以外の単糖類の残基で
あるときは、吸光系に係る酵素その他必要な成分を適宜
添加し、Rが芳香族発色性基である場合と同様にして行
うことができる。
【0034】本発明に用いられるα‐アミラーゼ含有試
料については、α‐アミラーゼ活性を含有するものであ
ればよく、特に制限はないが、具体的には微生物の培養
液、植物の抽出液、あるいは動物の体液や組織及びそれ
らの抽出液などを用いることができる。α‐アミラーゼ
含有試料が固体の場合には、いったん精製水又は前記し
たような緩衝液に溶解又は懸濁させるのがよい。また、
必要により、不溶物をろ過などの操作で除去してもよ
い。
【0035】
【発明の効果】本発明の前記一般式(I)で表わされる
アルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体は新規な化
合物であって、α‐アミラーゼ活性測定用試薬として極
めて有用であり、このものを用いることにより、試料中
に含まれるグルコース、マルトース、ビリルビン、ヘモ
グロビンなどの影響を受けることなく、α‐アミラーゼ
活性を自動分析法、用手法などにより、精度よく短時間
で容易に測定することができる。
【0036】また、本発明の前記一般式(I)の化合物
は、そのアルコキシメチリデン基が修飾基中にエーテル
構造を有するため、従来の修飾基に比して水溶性が極め
て高く、製剤化、試薬の調製などが容易であり、また該
アルコキシメチリデン基が、化学的にも生化学的にも安
定な官能基であるため、溶解して試薬を調製し共役酵素
を共存させても、長期にわたって初期状態を維持しうる
という利点がある。
【0037】さらに、本発明の前記一般式(I)の化合
物は、α‐アミラーゼ活性測定用基質として有効な非還
元末端グルコースの6位、5位、4位の1又は2か所を
修飾若しくは変換したマルトオリゴ糖誘導体を製造する
ための中間体としても有用である。例えば本発明のアル
コキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体から4,6‐O
‐アルコキシメチリデン化アシルマルトオリゴ糖誘導体
に導き、これを脱アルコキシメチリデン化して相当する
部分アシル化マルトオリゴ糖誘導体としたのち、この誘
導体の非還元末端グルコースの6位、5位、4位の1又
は2か所を種々の基で修飾又は変換したアシル化マルト
オリゴ糖誘導体を得、次いで脱アシル化することによ
り、非還元末端グルコースの6位、5位、4位の1又は
2か所を修飾若しくは変換したマルトオリゴ糖誘導体な
どを製造することができる。
【0038】そして、この中間体として用いる前記一般
式(I)で表わされるアルコキシメチリデンマルトオリ
ゴ糖誘導体は、その4,6‐O‐アルコキシメチリデン
化アシルマルトオリゴ糖誘導体におけるアルコキシメチ
リデン基が極めて優れた極性(水溶性)による高い反応
性を有しているため、従来の4,6‐O‐アルキル若し
くはアリールメチリデン化アシルマルトオリゴ糖誘導体
の場合の脱アルキル若しくはアリール化反応に必要であ
った条件よりも非常に弱い条件、すなわちより低温、よ
り短時間でかつより弱い酸触媒により脱アルコキシメチ
リデン化を行うことができ、その結果、還元末端グルコ
ースの水酸基の水素原子と置換されたRの分解や糖鎖の
切断などの副反応を防ぐことができ、したがって、最終
目的化合物が極めて高い収率で得ることができるという
利点を有している。
【0039】
【実施例】次に実施例により、本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。なお、各例中の吸収極大波長は特に示
されていないかぎり、メタノール中で測定した値であ
り、比旋光度は25℃においてD線で測定した値であ
る。
【0040】実施例1 2‐クロロ‐4‐ニトロフェニ
ル=4,6‐O‐ジメトキシメチリデン‐β‐D‐
マルトペンタオシドの製造 市販の2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=β‐D‐マル
トペンタオシド1.50g(1.52mmol)を無水
DMF7.5mlに溶解し、テトラメトキシメタン1.
5ml(11.3mmol)及びアンバーリスト(15
E)0.75gを加え、35℃で4時間かきまぜながら
反応させた。次いで、この反応液を氷冷下100mMリ
ン酸緩衝液(pH=7.0)2.0l中へ、かきまぜな
がらゆっくりと滴下した。この混合液をODS(オクタ
デシルシリカゲル)カラムクロマトグラフィーにより精
製し、アセトニトリル‐水混液(容量比3:7)で溶出
した目的区分を濃縮し、イソプロパノール‐メタノール
から再結晶すると、2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=
,6‐O‐ジメトキシメチリデン‐β‐D‐マル
トペンタオシドが1.07g(1.01mmol,収率
66.5%)得られた。
【0041】融点(℃):93.0〜95.0(分解) 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=295(logε
=3.95),227(sh),209(logε=
4.17) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3420,294
0,1648,1588,1524,1490,135
2,1276,1246,1154,1082,105
0,1026,930,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O‐d):3.25〜3.85(m),3.23(3
H,s),3.30(3H,s),3.89(1H,
d,J=3.9Hz),4.30〜4.70(m).
5.04(2H,d,J=3.2Hz),5.10(1
H,d,J=3.7Hz),5.12(1H,d,J=
3.4Hz),5.27(1H,d,J=7.6H
z),5.25〜5.70(m),7.47(1H,
d,J=9.3Hz),8.19(1H,dd,J=
9.3Hz,2.7Hz),8.31(1H,d,J=
2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ[ナカライテスク(株)製C
OSMOSILC18カラム(4.6mmID×250
mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニトリル
/水=1:4v/v,流速:1.0ml/min]:R
=10.2min 比旋光度[α]:(c 0.50,50mMリン酸bu
ffer);+86.7° 元素分析:C3958ClNO30として C H N 理論値(%) 44.35 5.53 1.33 実測値(%) 44.55 5.43 1.34
【0042】実施例2 2‐クロロ‐4‐ニトロフェニ
ル=4,6‐O‐(1‐エトキシ)エチリデン‐β
‐D‐マルトペンタオシドの製造 オルト酢酸トリエチルを試薬に使用したこと以外は、実
施例1と同様の操作を行うことにより、目的の2‐クロ
ロ‐4‐ニトロフェニル=4,6‐O‐(1‐エト
キシ)エチリデン‐β‐D‐マルトペンタオシド509
mg(0.483mmol,収率31.6%)が得られ
た。 融点(℃):220〜222(分解) 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=289(logε
=3.97),227(logε=3.96),209
(logε=4.15) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3400,293
0,1648,1584,1520,1486,135
0,1274,1152,1124,1080,105
0,1022,932,892 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O‐d):1.16(3H,t,d=6.9Hz),
1.38(3H,s),3.15〜3.80(m),
4.35〜4.65(m),5.03(2H,d,J=
3.7Hz),5.08(1H,d,J=2.9H
z),5.10(1H,d,J=3.2Hz),5.2
7(1H,d,J=7.6Hz),5.25〜5.70
(m),7.47(1H,d,J=9.1Hz),8.
18(1H,dd,J=9.1Hz,2.8Hz),
8.31(1H,d,J=2.8Hz) 高速液体クロマトグラフィ[東ソー(株)製TSKge
l Amide‐80カラム(4.6mmID×250
mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニトリル
/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min]:R
=4.8min 比旋光度[α]:(c 0.416,メタノール);+
85.2° 元素分析:C4060ClNO29として C H N 理論値(%) 45.57 5.74 1.33 実測値(%) 45.13 5.89 1.28
【0043】実施例3 2‐クロロ‐4‐ニトロフェニ
ル=4,6‐O‐(1‐メトキシ)エチリデン‐β
‐D‐マルトペンタオシドの製造 オルト酢酸トリメチルを試薬に使用したこと以外は、実
施例1と同様の操作を行うことにより、目的の2‐クロ
ロ‐4‐ニトロフェニル=4,6‐O‐(1‐メト
キシ)エチリデン‐β‐D‐マルトペンタオシド315
mg(0.303mmol,収率19.9%)が得られ
た。 融点(℃):85.0〜87.0(分解) 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=295(logε
=3.95),227(logε=3.91),209
(logε=4.15) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3410,293
0,1630,1586,1524,1488,135
0,1276,1152,1080,1044,102
2,934,886 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O‐d):1.16(3H,t,d=6.9Hz),
1.38(3H,s),3.15〜3.80(m),
4.35〜4.65(m),5.03(2H,d,J=
3.7Hz),5.08(1H,d,J=2.9H
z),5.10(1H,d,J=3.2Hz),5.2
7(1H,d,J=7.6Hz),5.25〜5.70
(m),7.47(1H,d,J=9.1Hz),8.
18(1H,dd,J=9.1Hz,2.8Hz),
8.31(1H,d,J=2.8Hz) 高速液体クロマトグラフィ[東ソー(株)製TSKge
l Amide‐80カラム(4.6mmID×250
mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニトリル
/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min]:R
=6.0min 比旋光度[α]:(c 0.508,50mMリン酸b
uffer);+91.3° 元素分析:C3958ClNO29として C H N 理論値(%) 45.03 5.62 1.35 実測値(%) 44.89 5.51 1.15
【0044】実施例4 4‐ニトロフェニル=4,6
‐O‐(1‐エトキシ)エチリデン‐α‐D‐マルト
ヘプタオシドの製造 原料に市販の4‐ニトロフェニル=α‐D‐マルトヘプ
タオシドを使用し、かつオルト酢酸トリエチルを試薬に
使用したこと以外は、実施例1と同様の操作を行うこと
により、目的の4‐ニトロフェニル=4,6‐O‐
(1‐エトキシ)エチリデン‐α‐D‐マルトヘプタオ
シド511mg(0.380mmol,収率32.3
%)が得られた。 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=298(logε
=4.01),227(sh),209(logε=
4.25) 赤外吸収スペクトル(cm−1):3410,294
0,1612,1592,1518,1500,134
6,1252,1154,1082,1022,93
4,876,852 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMS
O‐d):1.15(3H,t,d=7.1Hz),
1.39(3H,s),3.20〜3.80(m),
4.35〜4.65(m),5.03(4H,d,J=
3.2Hz),5.09(1H,d,J=2.7H
z),5.11(1H,d,J=3.2Hz),5.2
0(1H,d,J=4.2Hz),5.25〜5.70
(m),7.23(2H,d,J=9.2Hz),8.
23(2H,d,J=9.2Hz) 高速液体クロマトグラフィ[東ソー(株)製TSKge
l Amide‐80カラム(4.6mmID×250
mm),UV280nm検出、溶離液:アセトニトリル
/水=3:1v/v,流速:1.0ml/min]:R
=6.9min 元素分析:C5281NO39として C H N 理論値(%) 46.46 6.07 1.04 実測値(%) 46.22 5.90 1.18
【0045】実施例5 α‐アミラーゼ活性の測定
(1) (1)基質液の調製 実施例3で得た2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=
,6‐O‐(1‐メトキシ)エチリデン‐β‐D
‐マルトペンタオシド(Mw1040)を3.0mMの
濃度になるように、40mM‐NaCl及び2mM‐M
gClを含有する50mMリン酸緩衝液(pH=7.
0)に溶解した。
【0046】(2)共役酵素液の調製 酵母由来の市販α‐グルコシダーゼ及びアーモンド由来
のβ‐グルコシダーゼをそれぞれ117u/ml、13
u/mlの濃度になるように40mM‐NaCl及び2
mM‐MgClを含有する50mMリン酸緩衝液(p
H=7.0)に混合して溶解した。なお、これら市販の
α‐及びβ‐グルコシダーゼは東洋紡績(株)製を使用
した。
【0047】(3)標品α‐アミラーゼ液の調製 市販のヒトα‐アミラーゼ(P:S=1:1)に精製水
を加え、0,154,310,459,591IU/l
の濃度に溶解して標品α‐アミラーゼ液とした。なお、
この市販のヒトα‐アミラーゼは国際試薬(株)製キャ
リブザイム・AMYを使用した。また、α‐アミラーゼ
の活性は、37℃、1分間に1μmolの2‐クロロ‐
4‐ニトロフェニル=β‐D‐マルトペンタオシド(市
販品)を分解する酵素量を1国際単位(IU)として定
義した。
【0048】(4)試料液の調製 α‐アミラーゼ活性測定用試料が液体の場合はそのまま
試料液とした。固体の場合は通常、試料500mgを正
確に秤量し、精製水を加えて全量を5mlとして試料液
とした。
【0049】(5)検量線の作成 標品α‐アミラーゼ液250μlに共役酵素液1.0m
lを加えてかきまぜ、37℃で1分間加温したのち、基
質液2.0mlを加えてかきまぜ、さらに37℃で2分
間加温後からの2分間の400nmにおける吸光度の変
化量を測定した。各標品α‐アミラーゼ液の活性と、吸
光度の変化量の関係より検量線を作成した。その結果、
検量線の式はU=10.1・ΔA×10−28.5
[U;酵素活性(IU/l)、ΔA;吸光度の変化量]
となった。そのグラフを図1に示す。
【0050】 (6)試料液中のα‐アミラーゼ活性の測定 試料液250μlに共役酵素液1.0mlを加えてかき
まぜ、37℃で1分間加温したのち、基質液2.0ml
を加えてかきまぜ、さらに37℃で2分間加温後からの
2分間の400nmにおける吸光度の変化量を測定し
た。この測定値と(5)で作成した検量線から算出して
試料液中のα‐アミラーゼ活性の測定を行うことができ
る。なお、試料液中の酵素活性の値が検量線の適用範囲
(0〜547IU/l)を越えた場合は精製水を用いて
相当する倍数の希釈を行ったのち、再測定を行う。
【0051】 実施例6 α‐アミラーゼ活性の測定(2) (1)基質液の調製 実施例4で得た4‐ニトロフェニル=4,6‐O‐
(1‐エトキシ)エチリデン‐α‐D‐マルトヘプタオ
シド(Mw1344)を3.0mMの濃度になるよう
に、40mM‐NaCl及び2mM‐MgClを含有
する50mMリン酸緩衝液(pH=7.0)に溶解し
た。
【0052】(2)共役酵素液の調製 β‐グルコシダーゼを加えなかったこと以外は、実施例
5の(2)と同様の操作で、共役酵素液の調製を行っ
た。 (3)標品α‐アミラーゼ液の調製 (4)試料液の調製
【0053】(5)検量線の作成 実施例5の(3)〜(5)と同様の操作で標品α‐アミ
ラーゼ液の調製、試料液の調製及び検量線の作成を行っ
た。その結果、検量線の式はU=4.04・ΔA×10
4−6.8[U;酵素活性(IU/l)、ΔA;吸光度
の変化量]となった。そのグラフを図2に示す。
【0054】 (6)試料液中のα‐アミラーゼ活性の測定 実施例5の(6)と同様の操作で試料液中のα‐アミラ
ーゼ活性の測定を行った。
【0055】実施例7 耐共役酵素試験(1) (1)基質液(ア)の調製 実施例1で得た2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=
,6‐O‐ジメトキシメチリデン‐β‐D‐マル
トペンタオシド(Mw1056)(以下本発明基質とい
う)を3.0mMの濃度になるように、40mM‐Na
Cl及び2mM‐MgClを含有する50mMリン酸
緩衝液(pH=7.0)に溶解した。
【0056】(2)基質液(イ)の調製 市販の2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=β‐D‐マル
トペンタオシド(Mw984)(以下対照基質という)
を3.0mMの濃度になるように、40mM‐NaCl
及び2mM‐MgClを含有する50mMリン酸緩衝
液(pH=7.0)に溶解した。 (3)共役酵素液の調製 酵母由来の市販α‐グルコシダーゼ及びアーモンド由来
のβ‐グルコシダーゼをそれぞれ1100u/ml、1
5.5u/mlの濃度になるように40mM‐NaCl
及び2mM‐MgClを含有する50mMリン酸緩衝
液(pH=7.0)に混合して溶解した。なお、これら
市販のα‐及びβ‐グルコシダーゼは東洋紡績(株)製
を使用した。
【0057】(4)共役酵素反応 共役酵素液1.0mlを37℃で5分間加温したのち、
本発明基質液又は対照基質液をそれぞれ2.0ml加え
てよく混合し、37℃で3分間加温後から5分間、40
0nmにおける吸光度の変化量を測定した。その結果を
図3に示す。図3において◇印は基質液(ア)、□印は
基質液(イ)によるものである。図3から、本発明基質
は共役酵素と反応することなく、測定系内で安定に存在
することが分かる。
【0058】実施例8 耐共役酵素試験(2) 実施例3で得た2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=
,6‐O‐(1‐メトキシ)エチリデン‐β‐D
‐マルトペンタオシド(Mw1040)を基質液(ア)
として用いたこと以外は、実施例7と同様の操作を用い
て行った。その結果を図4に示す。図4において◇印は
基質液(ア)、□印は基質液(イ)によるものである。
図4から、本発明基質は共役酵素と反応することなく、
測定系内で安定に存在することが分かる。
【0059】実施例9 測定試薬 (1)試薬の調製 精製水に以下に示す成分を、以下に示す濃度で溶解する
ことにより、試薬を調製した。
【0060】 成 分 濃度 2‐クロロ‐4‐ニトロフェニル=4,6‐O‐ (1‐メトキシ)エチリデン‐β‐D‐マルトペンタ オシド 1.50mM α‐グルコシダーゼ 40μ/ml β‐グルコシダーゼ 5.0μ/ml β‐グリセロリン酸緩衝液(pH=7.0) 20mM ウシ血清アルブミン 0.05%
【0061】(2)測定法 測定用試料が液体の場合はそのまま試料液とする。固体
の場合は試料500mgを正確に秤量し、精製水を加え
て全量を5.0mlとし、これを試料液とした。試料液
250μlにあらかじめ37℃で2分間加温した試薬
3.0mlを加えてかきまぜ、37℃で2分間加温した
のちの2分間の400nmにおける吸光度の変化量を測
定した。この測定値とあらかじめ作成した検量線から算
出して試料液中のα‐アミラーゼ活性の測定を行うこと
ができる。なお、試料液中の酵素活性の値が検量線の適
用範囲(0〜547IU/l)を越えた場合は精製水を
用いて相当する倍数の希釈を行ったのち、再測定を行
う。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例5におけるα‐アミラーゼ活性の測定
に用いる検量線を示すグラフ。
【図2】 実施例6におけるα‐アミラーゼ活性の測定
に用いる検量線を示すグラフ。
【図3】 実施例7における本発明基質と対照基質との
測定系内での安定性を示すグラフ。
【図4】 実施例8における本発明基質と対照基質との
測定系内での安定性を示すグラフ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小谷 一夫 東京都墨田区業平5丁目5番12号 第一 化学薬品株式会社東京技術センター内 (72)発明者 齋藤 和典 東京都墨田区業平5丁目5番12号 第一 化学薬品株式会社東京技術センター内 (72)発明者 戸辺 光一朗 千葉県野田市野田339番地 盛進製薬株 式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07H 9/04 C07H 15/203 C12Q 1/40 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式 【化1】 (式中のXはメトキシ基又はエトキシ基、Xは水素
    原子、メトキシ基、エトキシ基又は置換若しくは非置換
    の炭化水素基、Rは水素原子、芳香族発色性基又はグル
    コース以外の単糖類の残基、nは2〜6の整数である)
    で表わされるアルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導
    体。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のアルコキシメチリデンマ
    ルトオリゴ糖誘導体を有効成分とするα‐アミラーゼ活
    性測定用試薬。
  3. 【請求項3】 α‐アミラーゼ含有試料に、請求項1記
    載のアルコキシメチリデンマルトオリゴ糖誘導体とα‐
    アミラーゼ活性測定用共役酵素を添加して酵素反応を行
    わせ、遊離する芳香族発色性化合物又は単糖類を定量す
    ることを特徴とするα‐アミラーゼ活性の測定方法。
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