JPH08291A - α−アミラーゼ活性の測定方法及びα−アミラーゼ活性測定用試薬 - Google Patents

α−アミラーゼ活性の測定方法及びα−アミラーゼ活性測定用試薬

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JPH08291A
JPH08291A JP16079894A JP16079894A JPH08291A JP H08291 A JPH08291 A JP H08291A JP 16079894 A JP16079894 A JP 16079894A JP 16079894 A JP16079894 A JP 16079894A JP H08291 A JPH08291 A JP H08291A
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chloro
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nitrophenyl
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JP16079894A
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Shoichi Tokutake
昌一 徳武
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Kikkoman Corp
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Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 α−アミラーゼ含有試料に、一般式 【化1】 (Xはアジド基、ハロゲン原子、N−モノアルキルカル
バモイルオキシ基、アルキル若しくはアリールスルホニ
ルオキシ基又はアルキルオキシ基、YはN−モノアルキ
ルカルバモイルオキシ基、アルキル若しくはアリールス
ルホニルオキシ基、水酸基又はアルキルオキシ基、Rは
芳香族発色性基)で表わされる非還元末端修飾α−マル
トトリオシド誘導体を添加して酵素反応を行わせ、遊離
する芳香族発色性化合物を定量するα−アミラーゼ活性
の測定法であり、また、該非還元末端修飾α−マルトト
リオシド誘導体を有効成分とするα−アミラーゼ活性測
定用試薬である。 【効果】 グルコシダーゼ類、グルコアミラーゼなどの
共役酵素を使用することなく、α−アミラーゼ活性を高
感度で、かつ正確に測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、非還元末端修飾α−マ
ルトトリオシド誘導体を基質として用い、グルコシダー
ゼ類、グルコアミラーゼなどの共役酵素を使用すること
なく、α−アミラーゼ活性を高感度でかつ正確に測定す
る方法及び該誘導体を有効成分するα−アミラーゼ活性
測定用試薬に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、血清、尿、膵液、唾液などの体液
を対象とするα−アミラーゼ活性の測定は、臨床診断上
極めて重要であり、特に急性や慢性の膵臓炎、膵臓ガ
ン、流行性耳下腺炎、肺炎、腎不全などの鑑別診断にお
いては必須の測定項目となっている。このα−アミラー
ゼ活性の測定方法については従来より種々の方法が知ら
れているが、近年、各種の芳香族発色性基を還元末端に
配糖体として有し、その非還元末端グルコースが各種の
置換基で修飾されたマルトオリゴシド類(いわゆるブロ
ック体であり、共役酵素系に耐性すなわち安定性を有す
る特徴をもつ)を基質として利用し、α−アミラーゼに
より切断後、共役酵素系すなわちα−グルコシダーゼか
グルコアミラーゼ又はその両方を、あるいはさらにこれ
らの酵素とβ−グルコシダーゼを作用させ、生成する発
色性化合物をそのまま、あるいは必要に応じてpHを変
化させたり、縮合させたのちに比色定量する方法が、広
く用いられるようになってきた。
【0003】ところで、前記の非還元末端グルコースが
修飾されたマルトオリゴシド類(ブロック体)は、共役
酵素系において安定性を示すが、ブロック体の製造時の
精製過程で、非還元末端グルコースが修飾されていない
マルトオリゴシド類、いわゆる非ブロック体を完全に分
離することができなかったり、あるいはブロック体が長
期間の保存中に一部分解するなどして非ブロック体を生
成するため、このブロック体製品中には非ブロック体が
微量含有されるのを免れない。この非ブロック体は、α
−グルコシダ−ゼやグルコアミラーゼなどの共役酵素が
存在すると、加水分解を受けやすく、そして該非ブロッ
ク体がα−アノマーのときはそのままで、またβ−アノ
マーのときはさらにβ−グルコシダーゼの作用を受け
て、発色性化合物が生成するため、前記のようなブロッ
ク体を基質として用いた場合には、α−アミラーゼ活性
の測定時に、あるいは前記共役酵素と共存させて保存し
たときには、その保存中にこの共役酵素類によって非ブ
ロック体が加水分解されて発色し、その結果、ブランク
値が上昇して相対的な感度が低下するという欠点を有し
ている。
【0004】また、本発明者は、先に基質として非還元
末端修飾β−マルトテトラオシド誘導体を、また共役酵
素としてβ−グルコシダーゼのみを用いるα−アミラー
ゼ活性の測定方法を提案した(特開平6−46895
号)。しかしながら、基質の他に不純物としてβ−グル
コシド誘導体が共存した場合にはやはりブランク値の上
昇をもたらし、測定法としてはまだ満足しうるものとは
いえない。こうした問題を解決するために、基質として
非ブロック体のα−マルトトリオシド誘導体やα−マル
トシド誘導体を用い、共役酵素系を使用しないα−アミ
ラーゼ活性の測定方法が知られている[「クリニカル・
ケミストリー(Clin.Chem.)」第23巻、2
279ページ(1977年)、「クリニカル・ケミスト
リー(Clin.Chem.)」第34巻、754ペー
ジ(1988年)]。しかしながら、これらの方法は、
α−アミラーゼによる切断速度が極めて遅いことや糖鎖
の切断位置が選択的でないことなどから測定感度が低
く、また非ブロック体であるため、α−グルコシダー
ゼ、β−グルコシダーゼ、グルコアミラーゼなどのエキ
ソ型糖化酵素類にも加水分解されて発色するので、該エ
キソ型糖化酵素類が共存するα−アミラーゼ含有試料に
ついては事実上α−アミラーゼ活性を測定することがで
きないなどという欠点を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来のこの
ようなブロック体の基質とグルコシダーゼ類やグルコア
ミラーゼの共役酵素との組合せによるα−アミラーゼ活
性の測定方法、さらには、非ブロック体のα−マルトト
リオシド誘導体やα−マルトシド誘導体を基質に用い
る、共役酵素系を使用しないα−アミラーゼ活性の測定
方法が有する欠点を克服し、α−アミラーゼ活性を高感
度でかつ正確に測定しうる方法を提供することを目的と
してなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記目的を達
成するために種々研究を重ねた結果、非還元末端修飾α
−マルトトリオシド誘導体を基質として用いると、その
修飾基の疎水的効果によりα−アミラーゼの結合部位と
位置選択的に結合したESコンプレックスが形成され、
α−アミラーゼ(特にヒトα−アミラーゼで顕著であ
る)が選択的に、かつ速やかに、還元末端の芳香族発色
性基のα−グルコシド結合のみを切断して発色性化合物
だけを生成すること、すなわち、従来グルコシド結合を
切断するために共役酵素として用いていたα−又はβ−
グルコシダーゼやグルコアミラーゼなどを全く使用する
必要がないこと、そして生成した該発色性化合物を比色
法などによって定量することにより、α−アミラーゼ活
性を高感度で測定できることを見い出し、この知見に基
づいて本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち、本発明は、α−アミラーゼ含有
試料に、一般式
【化2】 (式中のXはアジド基、ハロゲン原子、N−モノアルキ
ルカルバモイルオキシ基、アルキル若しくはアリールス
ルホニルオキシ基又はアルキルオキシ基、YはN−モノ
アルキルカルバモイルオキシ基、アルキル若しくはスル
ホニルオキシ基、水酸基又はアルキルオキシ基、Rは芳
香族発色性基である)で表わされる非還元末端修飾α−
マルトトリオシド誘導体を添加して酵素反応を行わせ、
遊離する芳香族発色性化合物を定量することを特徴とす
るα−アミラーゼ活性の測定方法及び前記一般式(I)
で表される非還元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体
を有効成分とするα−アミラーゼ活性測定用試薬を提供
するものである。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。前
記一般式(I)で表わされる非還元末端修飾α−マルト
トリオシド誘導体において、Xはアジド基、ハロゲン原
子、N−モノアルキルカルバモイルオキシ基、アルキル
若しくはアリールスルホニルオキシ基又はアルキルオキ
シ基、YはN−モノアルキルカルバモイルオキシ基、ア
ルキル若しくはアリールスルホニルオキシ基、水酸基又
はアルキルオキシ基である。Xのハロゲン原子としては
弗素、沃素、塩素、臭素のいずれでもよいが、水溶性を
低下させないこと、また製造が容易であることなどの理
由から、塩素、臭素が好ましい。X及びYのN−モノア
ルキルカルバモイルオキシ基又はアルキルオキシ基のア
ルキル部は、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル
基、ブチル基、シクロヘキシル基などの直鎖状、分枝状
又は環状のアルキル基であり、特にイソプロピル基、エ
チル基が製造が容易であることから好ましい。またX及
びYのアルキル又はアリールアルキルスルホニルオキシ
基の例としては、メタンスルホニルオキシ基、トリフル
オロメタンスルホニルオキシ基、トルエンスルホニルオ
キシ基、ベンゼンスルホニルオキシ基、ナフタレンスル
ホニルオキシ基、4−フルオロベンゼンスルホニルオキ
シ基などが挙げられる。なお前記一般式(I)で表わさ
れる非還元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体におい
て、Xが前記した修飾基でYが水酸基である化合物(す
なわち6−O−モノ置換体)よりも、X、Y共に前記し
た修飾基を有する化合物(すなわち4,6−ジ置換体)
がヒトα−アミラーゼにより速く加水分解されるので好
ましく、この観点から、X及びYのいずれもがN−モノ
アルキルカルバモイルオキシ基、Xがハロゲン原子でY
がアルキルスルホニルオキシ基であるものがより好まし
い。中でもX及びYのいずれもがN−モノアルキルカル
バモイルオキシ基であるものが、製造法が簡単であるこ
とから特に好ましい。
【0009】次に、前記一般式(I)で表わされる非還
元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体において、還元
末端グルコ−スの1位の水酸基に置換されるRの芳香族
発色性基としては、分光学的に検出できればどのような
ものを用いてもよいが、例えば、一般式
【化3】 (式中のR1ないしR5は同一でも異なっていてもよく、
それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アルキル
基、アリール基、アリル基、アミノ基、スルホン酸基又
はカルボキシル基であり、またR1とR2又はR2とR3
で縮合芳香環を形成してもよい)、
【化4】 (式中のR6は水素原子又はアルキル基である)、
【化5】 (式中のR7は水素原子又はハロゲン原子である)、
【化6】 (式中のR8ないしR15は同一でも異なっていてもよ
く、それぞれ水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、アル
キル基、アリール基、アリル基、アミノ基、スルホン酸
基又はカルボキシル基であり、またR8とR9又はR10
11とで縮合芳香環を形成してもよく、さらにR9とR
10及び/又はR13とR14とで酸素原子を介して縮合エ−
テル環を形成してもよく、Zは窒素原子又はN→Oであ
る)で表わされる基などが挙げられる。
【0010】これらの中でも、前記一般式(II)で表
わされる基において、ベンゼン環の4位(R3)がニト
ロ基で置換された4−ニトロフェニル基(R1、R2、R
4及びR5は水素原子)は酵素反応により遊離される4−
ニトロフェノールの分子吸光係数(ε)が大きいこと、
合成原料が入手しやすいことなどから好ましく、さらに
該4−ニトロフェニル基の2位(R1)がハロゲン原子
やニトロ基などの電子吸引性基で置換された2−置換−
4−ニトロフェニル基(R2、R4及びR5は水素原子)
は前記した4−ニトロフェニル基の利点に加えて、酵素
反応により遊離される2−置換−4−ニトロフェノール
の、pKa値が小さい(酸性が強い)ことから、液性が
中性付近(pH=7はヒトα−アミラーゼの至適pHで
ある)でもほぼ100%解離するため、高感度が得られ
るという優位性を有していて、より好ましい。
【0011】前記一般式(I)で表わされる化合物にお
いて、YがN−モノアルキルカルバモイルオキシ基でX
がアジド基、ハロゲン原子、N−モノアルキルカルバモ
イルオキシ基、アルキル若しくはアリールスルホニルオ
キシ基又はアルキルオキシ基、Yがアルキル若しくはア
リールスルホニルオキシ基又はアルキルオキシ基でXが
アジド基又はN−モノアルキルカルバモイルオキシ基及
びYが水酸基でXがN−モノアルキルカルバモイルオキ
シ基の化合物は新規なものである。
【0012】前記一般式(I)で表わされる化合物とし
ては、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル=43
3−ジO−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−
マルトトリオシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル=
3,63−ジO−(N−エチル)カルバモイル−α−マ
ルトトリオシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル=6
3−ブロモ−63−デオキシ−α−マルトトリオシド、2
−クロロ−4−ニトロフェニル=63−クロロ−63−デ
オキシ−α−マルトトリオシド、2−クロロ−4−ニト
ロフェニル=63−アジド−63−デオキシ−α−マルト
トリオシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル=63
O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−マルトト
リオシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル=43,63
−ジO−メタンスルホニル−α−マルトトリオシド、2
−クロロ−4−ニトロフェニル=63−クロロ−63−デ
オキシ−43−O−メタンスルホニル−α−マルトトリ
オシド、2−クロロ−4−ニトロフェニル=63−クロ
ロ−63−デオキシ−43−O−(N−イソプロピル)カ
ルバモイル−α−マルトトリオシド、4−ニトロフェニ
ル=63−デオキシ−63−ヨード−α−マルトトリオシ
ド、2,4−ジニトロフェニル=63−フルオロ−63
デオキシ−α−マルトトリオシド、2−フルオロ−4−
ニトロフェニル=63−アジド−63−デオキシ−α−マ
ルトトリオシド、フェノールインド−3'−クロロフェ
ニル=43,63−ジO−メタンスルホニル−α−マルト
トリオシド、4−メチルウンベリフェロニル=43,63
−ジO−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−マル
トトリオシド、ルシフェリニル=63−O−(N−イソ
プロピル)カルバモイル−α−マルトトリオシド、フェ
ノールインドフェニル=63−ブロモ−63−デオキシ−
3−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−マ
ルトトリオシドなどが挙げられる。なお、上記におい
て、記号63−、43−などは、マルトトリオシドを構成
するグルコース鎖の還元末端側から3番目のグルコース
(すなわち、非還元末端側のグルコース)の6位、4位
などの水酸基が置換されていることを示す。
【0013】本発明の前記一般式(I)で表わされる非
還元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体は、例えば次
の(1)〜(4)の方法によって製造することができる
が、勿論それ以外の方法で製造されたものでもよい。 (1) 前記一般式(I)において、X=アジド基又は
ハロゲン原子、Y=水酸基の場合:例えば市販又は公知
の方法で得たα−マルトトリオシド誘導体にテトラメト
キシメタンを作用させて非還元末端4,6−OHをジメ
トキシメチリデン化したのち、アセチル化し、得られた
生成物のジメトキシメチリデン基を酢酸/水を作用させ
て除去し、4,6−OH誘導体とし、続いてトシルクロ
ライドを作用させる選択的6−O−トシル化反応、さら
に4−O−アセチル化反応、そしてアジ化ナトリウムを
作用させるアジド化反応(X=アジド基の場合)、又は
ハロゲン化ナトリウム若しくはハロゲン化リチウムを作
用させるハロゲン化反応(X=ハロゲン原子の場合)を
行って非還元末端アジド又はハロゲノマルトオリゴ糖誘
導体としたのち、最後に塩酸/メタノールなどを作用さ
せて脱アセチル化反応を行う(特開平5−32687
号、「カルボハイドレ−ト・リサ−チ」(Carboh
ydr.Res.)、第51巻、第73〜84ペ−ジ
(1976年)、特開平5−1091号参照)。
【0014】(2) 前記一般式(I)において、X=
アジド基又はハロゲン原子、Y=N−モノアルキルカル
バモイルオキシ基又はアルキル若しくはアリールスルホ
ニルオキシ基の場合:例えば前記(1)における4,6
−OH誘導体にトシルクロライドを作用させる選択的6
−O−トシル化反応を行ったのち、N−モノアルキルイ
ソシアネ−トなどを作用させての4−O−(N−モノア
ルキル)カルバモイル化反応又はアルキル若しくはアリ
ールスルホニルクロライドなどを作用させる4−O−ス
ルホニル化反応を行い、次いで、前記(1)と同様にア
ジ化又はハロゲン化を行い、最後に脱アセチル化反応を
行う(前記特開平5−32687号、前記「カルボハイ
ドレート・リサーチ」(Carbohydr.Re
s.)、第51巻、第73〜84ペ−ジ(1976
年)、「プロテクティブグループス・イン・オーガニッ
クシンセシス」(Protective Groups
in OrganicSynthesis)、第50
〜69ページ、1981年(T.W.Greene著、
JOHN WILEY & SONS,New Yor
k)、前記特開平5−1091号、特開平4−3469
94号参照)。
【0015】(3) 前記一般式(I)において、X=
N−モノアルキルカルバモイルオキシ基又はアルキル若
しくはアリールスルホニルオキシ基、Y=N−モノアル
キルカルバモイルオキシ基、アルキル若しくはアリール
スルホニルオキシ基又は水酸基の場合:例えば前記
(I)における4,6−OH誘導体にN−モノアルキル
イソシアネ−トなど及び/又はアルキル若しくはアリー
ルスルホニルクロライドなどを同時又は順次に作用させ
て6−O−及び/又は4−O−置換反応を行う。その際
の反応試薬、反応温度、反応時間などの反応条件及び精
製法を適宜選択することにより、6−O−モノ置換体又
は4,6−O−ジ置換体を得ることができ、最後にこれ
らに脱アセチル化反応を行う(前記特開平5−3268
7号、前記「プロテクティブグループス・イン・オーガ
ニックシンセシス」(ProtectiveGroup
s in Organic Synthesis)、第
50〜69ページ、1981年(T.W.Greene
著、JOHN WILEY & SONS、New Yo
rk)、前記特開平4−346994号参照)。
【0016】(4) 非還元末端の修飾を先に行ったの
ちに芳香族発色性基の導入を行う場合:例えば市販又は
公知の方法で得たマルトトリオースを原料として前記
(1)〜(3)の方法を用いて非還元末端に目的の修飾
を行ったのち、脱アセチル化する前に公知の方法で還元
末端に芳香族発色性基を導入し、最後にこれらに脱アセ
チル化反応を行う。
【0017】以上のようにして得られた一般式(I)で
表わされる非還元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体
を基質として用いることにより、グルコシダーゼ類やグ
ルコアミラーゼなどの共役酵素を使用することなく、α
−アミラーゼ活性を高感度で測定することができる。
【0018】なお、例えば市販又は公知の方法で得た部
分的にアセチル化したα−マルトトリオシド誘導体の6
位水酸基をt−ブチルジメチルシリル基又はトリチル基
などで保護しておき、4位水酸基の置換反応を行ったの
ちに6位水酸基の脱保護反応を行い、最後にこれらに脱
アセチル化反応を行うことにより得られる、一般式
【化7】 (式中のKはN−モノアルキルカルバモイルオキシ基、
アルキル若しくはアリールスルホニルオキシ基又はアル
キルオキシ基、Rは前記と同じ意味をもつ)で表わされ
る非還元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体(すなわ
ち4−O−モノ置換体)を基質として用いた場合には、
後述するように、ヒトα−アミラーゼによる切断位置が
1カ所でないため、正確に測定を行なうための基質とし
て不適である。また、例えば市販又は公知の方法で得た
α−マルトトリオシド誘導体に酸性条件下で、例えばア
ルキル又はアリールアルデヒド(又はケトン)ジメチル
アセタールなどを作用させることにより得られる、一般
【化8】 (式中のT1、T2は相互に独立して水素原子、アルキル
基又はアリール基、Rは前記と同じ意味をもつ)で表わ
される非還元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体(す
なわち4,6−O−メチリデン誘導体)を基質として用
いた場合には、該基質に対するヒトα−アミラーゼの加
水分解速度が極めて遅いため、同様に基質として不適で
ある。
【0019】次に、本発明のα−アミラーゼ活性の測定
方法における好適な実施態様を説明する。まず、α−ア
ミラーゼを含む試料に、前記一般式(I)で表わされる
非還元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体を0.2〜
20mM、好ましくは1.0〜10mMを緩衝剤ととも
に添加したのち、温度25〜45℃、好ましくは35〜
40℃、pH4〜10、好ましくは6〜8の条件下で少
なくとも1分間、好ましくは2〜10分間酵素反応を行
わせ、生成した芳香族発色性化合物を、常法に従いその
ままであるいは必要に応じpHを調整したのち、又は縮
合反応を行わせたのちに、適当な吸光波長で連続的に又
は断続的に吸光度変化量を測定し、あらかじめ測定した
α−アミラーゼ標品の吸光度変化量と対比させて試料中
のα−アミラーゼ活性を算出する。また芳香族発色性化
合物の分子吸光係数から算出することもできる。
【0020】本発明に用いられるα−アミラーゼ含有試
料については、α−アミラーゼ活性を含有するものであ
ればよく、特に制限はないが、具体的には微生物の培養
液、植物の抽出液、あるいは動物の体液や組織及びそれ
らの抽出液などを用いることができる。α−アミラーゼ
含有試料が固体の場合には、いったん精製水又は後記の
ような緩衝液に溶解又は懸濁させるのが好ましい。また
必要により、この際、不溶物をろ過などの操作により除
去してもよい。
【0021】α−アミラーゼ活性を測定するための有利
な系としては、例えば一般式(I)で表わされる非還元
末端修飾α−マルトトリオシド誘導体0.2〜20mM
及び緩衝液2〜300mMを含有するpH4〜10の系
が挙げられる。この系に用いられる緩衝剤としては、例
えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、グッド緩衝液、ホウ酸
塩、クエン酸塩、β−グリセロリン酸塩、ジメチルグル
タル酸塩などが挙げられる。このような系に、前記成分
以外に、本発明の目的をそこなわない範囲で、さらに必
要に応じて慣用の種々の添加成分、例えば溶解補助剤、
安定化剤として、グリセリン、牛血清アルブミン、α−
又はβ−シクロデキストリン、トリトンX−100など
を加えることができるし、またα−アミラーゼ活性化剤
として、NaCl,MgCl2、MgSO4、CaC
2、CaCl2・H2Oなどの形で用いられるCl-イオ
ン、Ca2+イオン、Mg2+イオンなどを加えることもで
きる。これらの添加成分は単独で用いてもよいし、2種
以上組み合せて用いてもよい。これらの成分は前記系調
製の適当な段階で加えることができる。
【0022】本発明の試薬は、乾燥物あるいは溶解した
形で用いてもよいし、薄膜状の担体、例えばシ−ト、含
浸性の紙などに含浸させて用いてもよい。このような試
薬を用いることにより、各種の試料に含有されるα−ア
ミラーゼ活性を簡単な操作で高感度でかつ正確に測定す
ることができる。
【0023】
【発明の効果】本発明の方法によれば、α−アミラーゼ
により、基質としての前記一般式(I)で表わされる非
還元末端修飾α−マルトトリオシド誘導体における芳香
族発色性基が結合した還元末端のα−グルコシド結合の
みが切断されるため、α−又はβ−グルコシダーゼやグ
ルコアミラーゼなどの共役酵素を全く必要とせず、そし
て試料中に含まれるグルコース、マルトース、ビリルビ
ン、ヘモグロビン、グルコシダーゼ類、グルコアミラー
ゼなどの影響を受けることなく、α−アミラーゼ活性を
自動分析法、用手法などにより、低ブランク値で正確に
短時間で容易に測定することができる。また、前記一般
式(I)で表わされる化合物を有効成分とする本発明の
α−アミラーゼ活性測定用試薬は、前記のごとく、共役
酵素を用いないので、該試薬の製造コストが低減するこ
とは勿論のこと、その製造操作も容易となり、さらに基
質溶液を調製するときに共役酵素が共存しないため、長
期にわたって初期状態を維持しうるという利点がある。
【0024】
【実施例】以下に実施例を示す。なお、各例中の高速液
体高速液体クロマトグラフィは、YMC(株)製ODS
AQ−312カラム(6.0mmID×150mm)を
用い、その際の溶離液としてアセトニトリル/水(v/
v)の混合液を使用し、流速1.0ml/minの条件
で行った。各例中では検出法、溶離液の混合比及びリテ
ンションタイム(tR)のみを示す。また、各例中の吸
収極大波長は特に示されていない限り、メタノール中で
測定した値であり、比旋光度は25℃においてナトリウ
ムのD線で測定した値である。そしてまた、各例中の市
販のヒトα−アミラーゼは、国際試薬(株)製キャリブ
ザイム・AMY〔ヒト膵液由来(P型)α−アミラーゼ
(以下HPAという):ヒト唾液由来(S型)α−アミ
ラーゼ(以下HSAという)=1:1〕を使用した。さ
らにまた、α−アミラーゼ活性は、37℃、1分間に1
μmolの2−クロロ−4−ニトロフェニル=α−マル
トペンタオシド(市販品)を分解する酵素量を1単位
(U)として定義した。
【0025】実施例1 [1] α−アミラーゼ活性の測定法(1) (1) 基質液の調製 下記[2]で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=4
3,63−ジO−(N−イソプロピル)カルバモイル−α
−マルトトリオシドを9.56mM(最終濃度がKm値
の5倍)の濃度になるように、40mM−NaCl及び
2mM−MgCl2を含有する50mMリン酸緩衝液
(pH=7.0)に溶解した。 (2) 標品α−アミラーゼ液の調製 市販のヒトα−アミラーゼに精製水を加え、0、14
0、269、397U/lの濃度に溶解して標品α−ア
ミラーゼ液とした。
【0026】(3) 試料液の調製 α−アミラーゼ活性測定用試料が液体の場合はそのまま
試料液とした。固体の場合は通常、試料500mgを正
確に秤量し、精製水を加えて全量を5mlとして試料液
とした。必要に応じて、不溶物をろ過などの操作で除去
してから用いた。 (4) 検量線の作成 基質液2.0mlを37℃で1分間加温したのち、標品
α−アミラーゼ液250μlを加えてかきまぜ、37℃
で2分間加温したのちからの2分間の400nmにおけ
る吸光度の変化量を測定した。各標品α−アミラーゼ液
の活性と、吸光度の変化量の関係より検量線を作成し
た。その結果、検量線の式は TA=2.43・△A ×103 + 16.7 (r2
=0.999) [TA;酵素活性(U/l)、 △A;1分間当りの吸
光度の変化量] となった。そのグラフを図1に示す。 (5) 試料液中のα−アミラーゼ活性の測定 試料液250μlを37℃で1分間加温したのち、基質
液2.0mlを加えてかきまぜ、37℃で2分間加温し
たのちからの2分間の400nmにおける吸光度の変化
量を測定した。この測定値と(4)で作成した検量線か
ら算出して試料液中のα−アミラーゼ活性の測定を行う
ことができる。なお、試料液中の酵素活性の値が検量線
の適用範囲(0〜397U/l)を越えた場合は、精製
水を用いて相当する倍数の希釈を行ったのち、再測定を
行う。
【0027】[2] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=43,63−ジO−(N−イソプロピル)カルバモイル
−α−マルトトリオシドの製造 (1) 2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−
(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6
−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシドの製
造 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル=α−マルトト
リオシド10.0g(15.2mmol)を無水DMF
20mlに溶解し、テトラメトキシメタン10.0ml
(75.4mmol)及びアンバーリスト(15E)
5.0gを加え、35℃で4時間かきまぜながら反応さ
せた。次いでアンバーリスト(15E)をグラスフィル
ターを用いて除去し、ろ液にピリジン150ml、無水
酢酸75ml(789mmol)を加え、室温で2日間
かきまぜながら反応させた。続いて反応液を減圧下濃縮
し、ここに含まれるピリジン、無水酢酸、酢酸を留去し
た。得られたオイル状のアセチル体をクロマトグラフィ
などによる精製を行わずに、酢酸1.0lに溶解し、水
200mlを加え、30℃で2日間かきまぜながら反応
させた。この反応液を氷水1.0l中へ、かきまぜなが
らゆっくりと滴下したのち、この混合液をジクロロメタ
ン500mlで3回抽出した。次いでジクロロメタン層
を水1.0lで3回洗浄し、ジクロロメタン層部を無水
硫酸ナトリウムで乾燥、ろ別したのち、ろ液を減圧下濃
縮し、ジクロロメタンを留去した。この残渣をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィにより精製し、酢酸エチル−
メタノール−ジクロロメタン混液(容量比50:2:4
8)で溶出した目的区分を濃縮して、2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−α
−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(2,
3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシ
ル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシド8.78g(8.82mmo
l,3工程通算収率58%)が得られた。
【0028】融点(℃):99〜101 赤外吸収スペクトル(cm-1):3450,2961,
1752,1586,1527,1482,1438,
1370,1349,1239,1036 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):1.98〜2.07(24H,ea
ch s),3.41(1H,br.s),3.40〜
3.75(m),4.00〜4.44(m),4.48
(1H,dd,J=5.4Hz,2.4Hz),4.6
8(1H,dd,J=10.5Hz,3.9Hz),
4.79(1H,dd,J=10.3Hz,3.9H
z),5.07(1H,dd,J=10.0Hz,3.
7Hz),5.24(1H,dd,J=10.5Hz,
8.6Hz),5.32(1H,d,J=3.9H
z),5.33(1H,d,J=3.9Hz),5.4
3(1H,dd,J=10.3Hz,7.9Hz),
5.77(1H,dd,J=10.0Hz,8.6H
z),5.97(1H,d,J=3.7Hz),7.5
9(1H,d,J=9.3Hz),8.24(1H,d
d,J=9.3Hz,2.7Hz),8.32(1H,
d,J=2.7Hz) 薄層クロマトグラフィ[メルク(株)製シリカゲルTL
CプレートNo.5715,UV(280nm)検出,
展開液:酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタン混液
(容量比50:2:48)]:Rf=0.53 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+157° 元素分析:C4050ClNO26として C H N 理論値(%) 48.22 5.06 1.41 実測値(%) 48.11 5.14 1.19
【0029】(2) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=O−[2,3−ジ−O−アセチル−4,6−ジO−
(N−イソプロピル)カルバモイル−α−D−グルコピ
ラノシル]−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O
−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)
−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシドの製造 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
(2,3−ジ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシ
ル)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,
3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシ
ド4.00g(4.02mmol)をピリジン100m
lに溶解し、イソプロピルイソシアネート19.7ml
(200mmol)、ジメチルアミノピリジン122m
g(1.00mmol)及びモレキュラシーブス4A
8.0gを加え、80℃で4時間かきまぜながら反応さ
せた。次いでこの反応液を室温まで冷却し、メタノール
20mlを加え、室温で1.5時間かきまぜながら反応
させて過剰のイソプロピルイソシアネートを分解した。
得られた反応液をセライトベットでろ過し、ろ液中のピ
リジンを減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィにより精製し、酢酸エチル−メタノ
ール−ジクロロメタン混液(容量比33:3:97)で
溶出した目的区分を濃縮して、2−クロロ−4−ニトロ
フェニル=O−[2,3−ジ−O−アセチル−4,6−
ジO−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−D−グ
ルコピラノシル]−(1→4)−O−(2,3,6−ト
リ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グ
ルコピラノシド3.90g(3.34mmol,収率8
3%)を得た。
【0030】融点(℃):106〜108 赤外吸収スペクトル(cm-1):3378,2975,
1752,1587,1527,1371,1349,
1237,1038 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):1.11(6H,d,J=6.5H
z),1.12(6H,d,J=6.6Hz),2.0
0〜2.19(24H,each s),3.65〜
4.55(m),4.70〜4.90(m),5.08
(1H,dd,J=10.0 Hz,3.7Hz),
5.20〜5.50(m),5.78(1H,dd,J
=10.0Hz,8.6Hz),5.88(1H,b
r.s),5.99(1H,d,J=3.7Hz),
6.04(1H,br.s),7.60(1H,d,J
=9.3Hz),8.25(1H,dd,J=9.3H
z,2.9Hz),8.33(1H,d,J=2.9H
z) 高速液体クロマトグラフィ(RI,3:1):tR
7.0min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+150°
【0031】(3) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=43,63−ジO−(N−イソプロピル)カルバモイル
−α−マルトトリオシドの製造 (2)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
[2,3−ジ−O−アセチル−4,6−ジO−(N−イ
ソプロピル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシ
ル]−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,
3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシ
ド3.25g(2.79mmol)にメタノール−クロ
ロホルム−濃塩酸混液(容量比10:4:1)175m
lを加え、25℃で2.5日間、さらに30℃で1日間
かきまぜながら反応させた。次いで反応液を1NのNa
OH水で中和(pH→5.5)したのち減圧濃縮し、こ
こに含まれるメタノール、クロロホルムを留去した。そ
の濃縮液をODSカラムクロマトグラフィにより精製
し、アセトニトリル−水混液(容量比33:67)で溶
出した目的区分を濃縮し、凍結乾燥して、2−クロロ−
4−ニトロフェニル=43,63−ジO−(N−イソプロ
ピル)カルバモイル−α−マルトトリオシド1.39g
(1.67mmol,収率64%)を得た。
【0032】融点(℃):158〜160 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax ](nm)=291(logε=
3.93),227(logε=3.93),209
(logε=4.12) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3392,2974,
2931,1701,1587,1523,1347,
1271,1152,1084,1036 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm〔DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)〕:1.07(3
H,d,J=6.3Hz),1.08(3H,d,J=
6.6Hz),3.25〜4.25(m),4.40
(2H,t様),5.10(1H,d,J=3.7H
z),5.11(1H,d,J=3.4Hz),5.8
3(1H,d,J=3.7Hz),7.54(1H,
d,J=9.3Hz),8.21(1H,dd,J=
9.3Hz,2.9Hz),8.31(1H,d,J=
2.9Hz) 高速液体クロマトグラフィ(280nm,3:7):t
R=15.8min 比旋光度[α]:(c 0.500,メタノール);+
148° 元素分析:C3248ClN320として C H N 理論値(%) 46.30 5.83 5.06 実測値(%) 46.08 5.94 4.94 Km値: 対HPA;1.1mM 対HSA;1.7mM
【0033】実施例2 [1] α−アミラーゼ活性の測定法(2) (1) 基質液の調製 下記[2]で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=6
3−ブロモ−63−デオキシ−43−O−メタンスルホニ
ル−α−マルトトリオシドを3.38mM(最終濃度が
Km値の5倍)の濃度になるように、40mM−NaC
l及び2mM−MgCl2を含有する50mMリン酸緩
衝液(pH=7.0)に溶解した。 (2) 標品α−アミラーゼ液の調製 市販のヒトα−アミラーゼに精製水を加え、0、19
9、372、539U/lの濃度に溶解して標品α−ア
ミラーゼ液とした。 (3) 試料液の調製 実施例1の(3)と同一の操作で試料液の調製を行っ
た。 (4) 検量線の作成 実施例1の(4)と同様の操作で検量線の作成を行っ
た。その結果、検量線の式は TA=5.66・△A ×103 + 31.4 (r2
=0.999) [TA;酵素活性(U/l)、 △A;1分間当りの吸
光度の変化量] となった。そのグラフを図2に示す。 (5) 試料液中のα−アミラーゼ活性の測定 実施例1の(5)と同一の操作で試料液中のα−アミラ
ーゼ活性の測定を行った。
【0034】[2] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−ブロモ−63−デオキシ−43−O−メタンスル
ホニル−α−マルトトリオシドの製造 (1) 2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−6−ブロモ−6−デオキシ−4
−O−メタンスルホニル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル
−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,
6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシドの
製造 後記実施例3の[3]の(1)で得た2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−
4,6−ジO−メタンスルホニル−α−D−グルコピラ
ノシル)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−
アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラ
ノシド4.20g(3.65mmol)をDMSO10
0mlに溶解し、NaBr15.0g(146mmo
l)を加えて70℃で3.5時間反応させた。この反応
液にトルエン1.0lを加え、3%NaCl水各500
mlで3回洗浄した。次にトルエン層を無水硫酸ナトリ
ウムで乾燥し、綿栓でろ過したのち、ろ液中のトルエン
を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムク
ロマトグラフィにより精製し、酢酸エチル−メタノール
−ジクロロメタン混液(容量比12.5:1:99)で
溶出した目的区分を濃縮して、2−クロロ−4−ニトロ
フェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−ブロ
モ−6−デオキシ−4−O−メタンスルホニル−α−D
−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(2,3,6
−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−
(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D
−グルコピラノシド2.40g(2.11mmol,収
率58%)を得た。
【0035】融点(℃):114〜116 赤外吸収スペクトル(cm-1):2960,1752,
1587,1523,1482,1370,1349,
1236,1180,1037 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDC
3):2.03〜2.15(24H,each
s),3.07(3H,s),3.53(1H,dd,
J=11.5Hz,4.6Hz),3.65(1H,b
r.d,J=9.3Hz),3.90〜4.35
(m),4.50(2H,br.d,J=12.5H
z),4.69(1H,t,J=9.5Hz),4.7
7(1H,dd,J=10.3Hz,5.1Hz),
4.80(1H,dd,J=10.3Hz,4.2H
z),4.93(1H,dd,J=10.3Hz,3.
7Hz),5.33(1H,d,J=3.9Hz),
5.35〜5.50(m),5.75(1H,d,J=
3.7Hz),5.78(1H,t,J=8.3H
z),7.33(1H,d,J=10.0Hz),8.
15(1H,dd,J=10.0Hz,2.7Hz),
8.34(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,3:1):tR
7.5min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+163°
【0036】(2) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−ブロモ−63−デオキシ−43−O−メタンスル
ホニル−α−マルトトリオシドの製造 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
(2,3−ジ−O−アセチル−6−ブロモ−6−デオキ
シ−4−O−メタンスルホニル−α−D−グルコピラノ
シル)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−ア
セチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラ
ノシド2.30g(2.02mmol)を出発原料に用
いること以外は実施例1の[2]の(3)と同様の操作
を行い、2−クロロ−4−ニトロフェニル=63−ブロ
モ−63−デオキシ−43−O−メタンスルホニル−α−
マルトトリオシド942mg(1.18mmol,収率
58%)を得た。
【0037】融点(℃):150〜152 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=290(logε=
3.93),227(logε=3.92),209
(logε=4.12) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3387,2931,
1587,1522,1483,1348,1273,
1174,1153,1081,1032 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm[DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)]:3.26(3
H,s),3.20〜3.80(m),3.90〜4.
10(m),4.28(2H,br.t,J=9H
z),5.09(1H,d,J=3.7Hz),5.2
7(1H,d,J=3.4Hz),5.83(1H,
d,J=3.7Hz),7.54(1H,d,J=9.
3Hz),8.21(1H,dd,J=9.3Hz,
2.7Hz),8.32(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(280nm,3:7):t
R=12.3min 比旋光度[α]:(c 0.500,メタノール);+
153° 元素分析:C2535BrClNO19Sとして C H N 理論値(%) 37.49 4.40 1.75 実測値(%) 37.24 4.65 1.56 Km値: 対HPA;0.50mM 対HSA;0.86mM
【0038】実施例3 [1] α−アミラーゼ活性の測定法(3) (1) 基質液の調製 下記[2]で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=6
3−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−マル
トトリオシド(6CM−CNP)、下記[3]で得た2
−クロロ−4−ニトロフェニル=43,63−ジO−メタ
ンスルホニル−α−マルトトリオシド(46DM−CN
P)、下記[4]で得た2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=63−アジド−63−デオキシ−α−マルトトリオシ
ド(6A4M−CNP)、[5]で得た2−クロロ−4
−ニトロフェニル=63−クロロ−63−デオキシ−43
−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−マルト
トリオシド(6C4CM−CNP)及び下記[6]で得
た2−クロロ−4−ニトロフェニル=63−ブロモ−63
−デオキシ−α−マルトトリオシド(6B−CNP)を
それぞれ表1に示す濃度(最終濃度がKm値の5倍)に
なるように、40mM−NaCl及び2mM−MgCl
2を含有する50mMリン酸緩衝液(pH=7.0)に
溶解した。 (2) 標品α−アミラーゼ液の調製 実施例1の(2)と同一の操作で標品α−アミラーゼ液
の調製を行った。 (3) 試料液の調製 実施例1の(3)と同一の操作で試料液の調製を行っ
た。 (4) 検量線の作成 実施例1の(4)と同様の操作で検量線の作成を行っ
た。その結果、検量線の式を TA=M・△A ×103 + N [TA;酵素活性(U/l)、 △A;1分間当りの吸
光度の変化量] とすると、M及びNは表1に示す値となった。
【0039】
【表1】 (5) 試料液中のα−アミラーゼ活性の測定 実施例1の(5)と同一の操作で試料液中のα−アミラ
ーゼ活性の測定を精度よく行うことができた。
【0040】[2] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−
マルトトリオシドの製造 (1) 2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−[2,
3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソプロピル)
カルバモイル−α−D−グルコピラノシル]−(1→
4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D
−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ
−O−アセチル−α−D−グルコピラノシドの製造 実施例1の[2]の(1)と同様の方法で得た2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシド4.00g(4.02
mmol)をピリジン100mlに溶解し、イソプロピ
ルイソシアネート5.92ml(60.2mmol)及
びモレキュラシーブス4A8.0gを加え、60℃で2
2時間かきまぜながら反応させた。次いでこの反応液を
室温まで冷却し、メタノール10mlを加え、室温で
1.5時間かきまぜながら反応させて過剰のイソプロピ
ルイソシアネートを分解した。得られた反応液をセライ
トベットでろ過し、ろ液中のピリジンを減圧下留去し、
得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィによ
り精製し、酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタン混
液(容量比50:2:98)で溶出した目的区分を濃縮
して、2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−[2,3
−ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソプロピル)カ
ルバモイル−α−D−グルコピラノシル]−(1→4)
−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グ
ルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O
−アセチル−α−D−グルコピラノシド3.37g
(3.12mmol,収率78%)を得た。
【0041】融点(℃):110〜115 赤外吸収スペクトル(cm-1):3400,2973,
1752,1527,1371,1349,1239,
1135,1049,1039 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):1.14(6H,d,J=6.4H
z),1.94〜2.11(24H,eachs),
2.82(1H,d,J=6.6Hz),3.50〜
4.35(m),4.48(2H,br.t,J=13
Hz),4.70(1H,dd,J=10.5Hz,
3.9Hz),4.83(1H,dd,J=10.1H
z,3.9Hz),5.11(1H,dd,J=10.
1Hz,3.5Hz),5.22(1H,dd,J=1
0.5Hz,9.5Hz),5.31(1H,d,J=
3.7Hz),5.36(1H,d,J=3.9H
z),5.43(1H,dd,J=10.0Hz,8.
5Hz),5.79(1H,dd,J=10.2Hz,
8.6Hz),5.79(1H,br.d,J=11H
z),6.03(1H,d,J=3.7Hz),6.4
0(1H,br.d,J=7Hz),7.61(1H,
d,J=9.3Hz),8.27(1H,dd,J=
9.3Hz,2.4Hz),8.35(1H,d,J=
2.4Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,3:1):tR
5.4min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+158°
【0042】(2) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−
マルトトリオシドの製造 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
[2,3−ジ−O−アセチル−6−O−(N−イソプロ
ピル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシル]−
(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6
−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシド3.
25g(3.01mmol)を出発原料に用いること以
外は実施例1の[2]の(3)と同様の操作を行い、2
−クロロ−4−ニトロフェニル=63−O−(N−イソ
プロピル)カルバモイル−α−マルトトリオシド1.4
3g(1.92mmol,収率64%)を得た。
【0043】融点(℃):155〜157 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=290(logε=
3.93),227(logε=3.92),209
(logε=4.11) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3391,2928,
1701,1587,1523,1488,1348,
1272,1151,1084,1050 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm[DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)]:1.05(3
H,d,J=6.6Hz),3.05〜4.25
(m),5.09(1H,d,J=3.6Hz),5.
10(1H,d,J=3.4Hz),5.83(1H,
d,J=3.7Hz),7.54(1H,d,J=9.
3Hz),8.22(1H,dd,J=9.3Hz,
2.9Hz),8.32(1H,d,J=2.9Hz) 高速液体クロマトグラフィ(280nm,3:7):t
R=5.1min 比旋光度[α]:(c 0.500,メタノール);+
153° 元素分析:C2841ClN219として C H N 理論値(%) 45.14 5.55 3.76 実測値(%) 45.01 5.73 3.56 Km値: 対HPA;0.72mM 対HSA;1.1mM
【0044】[3] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=43,63−ジO−メタンスルホニル−α−マルトトリ
オシドの製造 (1) 2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−4,6−ジO−メタンスルホニ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシドの製造 実施例1の[2]の(1)と同様にして得た2−クロロ
−4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシド16.8g(16.9
mmol)をピリジン400mlに溶解し、メタンスル
ホニルクロライド13.1ml(169mmol)、ジ
メチルアミノピリジン20mg(0.16mmol)及
びモレキュラシーブス4A8.0gを加え、室温で3時
間かきまぜながら反応させた。得られた反応液をセライ
トベットでろ過し、ろ液中のピリジンを減圧下留去し、
得られた残残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィに
より精製し、酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタン
混液(容量比33:2:98)で溶出した目的区分を濃
縮して、2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−4,6−ジO−メタンスルホニ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシド18.3g(15.9
mmol,収率94%)を得た。
【0045】融点(℃):113〜116 赤外吸収スペクトル(cm-1):2945,1752,
1586,1523,1482,1350,1236,
1178,1033 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):1.96〜2.09(24H,ea
ch s),3.15(3H,s),3.17(3H,
s),3.95〜4.60(m),4.70〜4.84
(m),4.91(1H,dd,J=10.5Hz,
3.9Hz),5.08(1H,dd,J=10.0H
z,3.7Hz),5.37(1H,dd,J=8.8
Hz,4.2Hz),5.38〜5.50(m),5.
77(2H,br.t,J=9Hz),5.98(1
H,d,J=3.7Hz),7.58(1H,d,J=
9.0Hz),8.24(1H,dd,J=9.0H
z,2.7Hz),8.33(1H,d,J=2.7H
z) 高速液体クロマトグラフィ(RI,3:1):tR
6.5min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+150°
【0046】(2) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=43,63−ジO−メタンスルホニル−α−マルトトリ
オシドの製造 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
(2,3−ジ−O−アセチル−4,6−ジO−メタンス
ルホニル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グル
コピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−
アセチル−α−D−グルコピラノシド4.00g(3.
47mmol)を出発原料に用いること以外は実施例1
の[2]の(3)と同様の操作を行い、2−クロロ−4
−ニトロフェニル=43,63−ジO−メタンスルホニル
−α−マルトトリオシド1.31g(1.61mmo
l,収率46%)を得た。
【0047】融点(℃):140〜142 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=291(logε=
3.92),227(logε=3.92),209
(logε=4.11) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3407,2938,
1587,1523,1483,1459,1351,
1273,1177,1081,1030 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm[DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)]:3.14(3
H,s),3.26(3H,s),3.30〜3.80
(m),3.90〜4.10(m),4.20〜4.4
0(m),5.09(1H,d,J=3.4Hz),
5.26(1H,d,J=3.4Hz),5.83(1
H,d,J=3.7Hz),7.54(1H,d,J=
9.3Hz),8.21(1H,dd,J=9.3H
z,2.9Hz),8.32(1H,d,J=2.9H
z) 高速液体クロマトグラフィ(280nm,3:7):t
R=9.3min 比旋光度[α]:(c 0.500,エタノール);+
146° 元素分析:C2638ClNO222として C H N 理論値(%) 38.26 4.69 1.72 実測値(%) 38.04 4.77 1.46 Km値: 対HPA;1.1mM 対HSA;2.0mM
【0048】[4] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−アジド−63−デオキシ−43−O−メタンスル
ホニル−α−マルトトリオシドの製造 (1) 2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−6−アジド−6−デオキシ−4
−O−メタンスルホニル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル
−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,
6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシドの
製造 NaBrの代わりにNaN3を用いること以外は実施例
2の[2]の(1)と同様の操作を行って2−クロロ−
4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル
−4,6−ジO−メタンスルホニル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O
−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)
−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシド5.20g(4.51mmol)から2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセ
チル−6−アジド−6−デオキシ−4−O−メタンスル
ホニル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O
−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−ア
セチル−α−D−グルコピラノシド2.00g(1.8
2mmol,収率40%)を得た。
【0049】融点(℃):104〜106 赤外吸収スペクトル(cm-1):2960,2108,
1753,1587,1524,1483,1370,
1349,1236,1180,1035 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):2.01〜2.09(24H,ea
ch s),3.14(3H,s),3.56(1H,
dd,J=13.4Hz,5.1Hz),3.70(1
H,dd,J=13.7Hz,2.7Hz),4.00
〜4.38(m),4.52(1H,dd,J=12.
2Hz,2.9Hz),4.56(1H,dd,J=1
2.3Hz,2.3Hz),4.73(1H,t,J=
9.5Hz),4.82(1H,dd,J=10.0H
z,3.9Hz),4.89(1H,dd,J=10.
5Hz,3.7Hz),5.08(1H,dd,J=1
0.0Hz,3.7Hz),5.35(1H,d,J=
3.9Hz),5.42(1H,d,J=3.9H
z),5.44(1H,dd,J=10.0Hz,8.
2Hz),5.74〜5.83(2H,m),5.98
(1H,d,J=3.7Hz),7.59(1H,d,
J=9.0Hz),8.24(1H,dd,J=9.0
Hz,2.7Hz),8.33(1H,d,J=2.7
Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,3:1):tR
6.3min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+165°
【0050】(2) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−アジド−63−デオキシ−43−O−メタンスル
ホニル−α−マルトトリオシドの製造 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
(2,3−ジ−O−アセチル−6−アジド−6−デオキ
シ−4−O−メタンスルホニル−α−D−グルコピラノ
シル)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−ア
セチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラ
ノシド1.90g(1.73mmol)を出発原料に用
いること以外は実施例1の[2]の(3)と同様の操作
を行い、2−クロロ−4−ニトロフェニル=63−アジ
ド−63−デオキシ−43−O−メタンスルホニル−α−
マルトトリオシド451mg(0.591mmol,収
率34%)を得た。
【0051】融点(℃):139〜141 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax ](nm)=289(logε=
3.94),227(logε=3.94),209
(logε=4.14) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3386,2931,
2107,1587,1522,1483,1348,
1273,1248,1174,1153,1083,
1032 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm[DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)]:3.24(3
H,s),3.10〜3.80(m),3.85〜4.
00(m),4.27(2H,br.t,J=9H
z),5.10(1H,d,J=3.4Hz),5.2
5(1H,d,J=3.4Hz),5.82(1H,
d,J=3.4Hz),7.54(1H,d,J=9.
3Hz),8.25(1H,dd,J=9.3Hz,
2.7Hz),8.31(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(280nm,3:7):t
R=9.7min 比旋光度[α]:(c 0.500,メタノール);+
151° 元素分析:C2535ClN419Sとして C H N 理論値(%) 39.35 4.62 7.34 実測値(%) 39.01 4.75 7.02 Km値: 対HPA;0.62mM 対HSA;1.0mM
【0052】[5] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−クロロ−63−デオキシ−43−O−(N−イソ
プロピル)カルバモイル−α−マルトトリオシドの製造 (1) 2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−6−O−トルエンスルホニル−
α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(2,
3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシ
ル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシドの製造 実施例1の[2]の(1)と同様にして得た2−クロロ
−4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシド24.0g(24.1
mmol)をピリジン240mlに溶解し、トルエンス
ルホニルクロライド16.1g(84.3mmol)及
びモレキュラシーブス4A20gを加え、室温で9時間
かきまぜながら反応させた。得られた反応液をセライト
ベットでろ過し、ろ液中のピリジンを減圧下留去し、得
られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィにより
精製し、酢酸エチル−メタノール−ジクロロメタン混液
(容量比50:1:99)で溶出した目的区分を濃縮し
て、2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,3−
ジ−O−アセチル−6−O−トルエンスルホニル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(2,3,
6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−
D−グルコピラノシド18.4g(16.0mmol,
収率66%)を得た。
【0053】融点(℃):112〜114 赤外吸収スペクトル(cm-1):3464,2961,
1753,1588,1524,1483,1438,
1370,1349,1235,1178,1035 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):1.96〜2.06(24H,ea
ch s),3.50〜3.70(m),3.85〜
4.40(m),4.48(2H,br.d,J=1
2.2Hz),4.61(1H,dd,J=10.6H
z,3.8Hz),4.70〜4.85(m),5.0
7(1H,dd,J=10.0Hz,3.7Hz),
5.15〜5.50(m),5.65〜5.85
(m),5.98(1H,d,J=3.7Hz),7.
47(2H,d,J=8.3Hz),7.59(1H,
d,J=9.0Hz),7.82(H,d,J=8.3
Hz),8.24(1H,dd,J=9.0Hz,2.
7Hz),8.32(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,7:3):tR
9.5min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+156°
【0054】(2) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=O−[2,3−ジ−O−アセチル−4−O−(N−イ
ソプロピル)カルバモイル−6−O−トルエンスルホニ
ル−α−D−グルコピラノシル]−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシドの製造 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−トルエンスルホ
ニル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシド2.70g(2.35
mmol)を出発原料に用いること以外は実施例1の
[2]の(2)と同様の操作を行い、2−クロロ−4−
ニトロフェニル=O−[2,3−ジ−O−アセチル−4
−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−6−O−ト
ルエンスルホニル−α−D−グルコピラノシル]−(1
→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6−ト
リ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシド1.31
g(1.06mmol,収率45%)を得た。
【0055】融点(℃):107〜109 赤外吸収スペクトル(cm-1):3410,2975,
1752,1588,1524,1370,1235,
1179,1047 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):1.09(6H,d,J=6.6H
z),1.93〜2.08(24H,eachs),
2.84(3H,s),3.55〜3.75(m),
3.85〜4.35(m),4.50(1H,br.
d,J=13Hz),4.53(1H,br.d,J=
11Hz),4.72(1H,dd,J=10.6H
z,3.7Hz),4.80(1H,dd,J=10.
3Hz,3.9Hz),4.82(1H,dd,J=1
0.0Hz,6.2Hz),5.08(1H,dd,J
=10.1Hz,3.7Hz),5.20(1H,d,
J=10.0Hz),5.28(1H,d,J=3.7
Hz),5.35(1H,d,J=3.9Hz),5.
41(1H,dd,J=10.5Hz,8.5Hz),
5.79(1H,dd,J=10.0Hz,8.5H
z),5.79(1H,br.d,J=10Hz),
6.00(1H,d,J=3.7Hz),6.25(1
H,br.d,J=9Hz),7.50(1H,d,J
=8.2Hz),7.61(1H,d,J=9.0H
z),7.82(1H,d,J=8.2Hz),8.2
7(1H,dd,J=9.0Hz,2.4Hz),8.
34(1H,d,J=2.4Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,3:1):tR
9.5min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+153°
【0056】(3) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=O−[2,3−ジ−O−アセチル−6−クロロ−6−
デオキシ−4−O−(N−イソプロピル)カルバモイル
−α−D−グルコピラノシル]−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシドの製造 (2)と同様にして得た2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=O−[2,3−ジ−O−アセチル−4−O−(N−
イソプロピル)カルバモイル−6−O−トルエンスルホ
ニル−α−D−グルコピラノシル]−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシド2.26g(1.83
mmol)をDMSO40mlに溶解し、LiCl3.
57g(85mmol)を加えて70℃で3時間反応さ
せた。この反応液にトルエン1.0lを加え、3%Na
Cl水各500mlで3回洗浄した。次にトルエン層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、綿栓でろ過したのち、ろ
液中のトルエンを減圧下留去した。得られた残渣をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィにより精製し、酢酸エチ
ル−メタノール−ジクロロメタン混液(容量比16.
7:1:99)で溶出した目的区分を濃縮して、2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル=O−[2,3−ジ−O−ア
セチル−6−クロロ−6−デオキシ−4−O−(N−イ
ソプロピル)カルバモイル−α−D−グルコピラノシ
ル]−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−2,
3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシ
ド2.0g(1.82mmol,収率99%)を得た。
【0057】融点(℃):112〜114 赤外吸収スペクトル(cm-1):2973,1752,
1587,1524,1483,1371,1349,
1235,1134,1050 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):1.11(6H,d,J=6.6H
z),1.95〜2.09(24H,eachs),
3.55〜3.80(m),3.85〜4.35
(m),4.50(1H,br.d,J=11Hz),
4.56(1H,br.d,J=10Hz),4.79
(1H,dd,J=7.3Hz,3.4Hz),4.8
4(1H,dd,J=7.0Hz,3.3Hz),4.
86(1H,br.t,J=10Hz),5.08(1
H,dd,J=10.1Hz,3.5Hz),5.25
(1H,d,J=9.8Hz),5.35(1H,d,
J=3.9Hz),5.40(1H,d,J=3.9H
z),5.42(1H,br.t,J=10Hz),
5.80(1H,br.t,J=10Hz),5.80
(1H,br.d,J=10Hz),6.01(1H,
d,J=3.7Hz),6.32(1H,br.d,J
=9Hz),7.61(1H,d,J=9.0Hz),
8.28(1H,dd,J=9.0Hz,2.7H
z),8.35(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,3:1)tR=7.
6min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+157°
【0058】(4) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−クロロ−63−デオキシ−43−O−(N−イソ
プロピル)カルバモイル−α−マルトトリオシドの製造 (3)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
[2,3−ジ−O−アセチル−6−クロロ−6−デオキ
シ−4−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−
D−グルコピラノシル]−(1→4)−O−(2,3,
6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)
−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−
D−グルコピラノシド2.00g(1.82mmol)
を出発原料に用いること以外、実施例1の[2]の
(3)と同様の操作を行い、2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル=63−クロロ−63−デオキシ−43−O−(N
−イソプロピル)カルバモイル−α−マルトトリオシド
419mg(0.548mmol,収率30%)を得
た。
【0059】融点(℃):151〜153(分解) 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=289(logε=
3.94),227(logε=3.94),209
(logε=4.13) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3393,2930,
1701,1587,1523,1483,1348,
1272,1248,1151,1080,1032 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm[DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)]:1.08(6
H,d,J=6.6Hz),3.30〜4.10
(m),4.45(2H,br.t,J=9Hz),
5.11(1H,d,J=3.7Hz),5.20(1
H,d,J=3.4Hz),5.83(1H,d,J=
3.7Hz),7.53(1H,d,J=9.3H
z),8.26(1H,dd,J=9.3Hz,2.7
Hz),8.33(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(280nm,3:7):t
R=14.0min 比旋光度[α]:(c 0.500,メタノール);+
159° 元素分析:C2840Cl2218として C H N 理論値(%) 44.05 5.28 3.67 実測値(%) 43.91 5.42 3.33 Km値: 対HPA;0.59mM 対HSA;0.64mM
【0060】[6] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−ブロモ−63−デオキシ−α−マルトトリオシド
の製造 (1) 2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−(2,
3−ジ−O−アセチル−6−ブロモ−6−デオキシ−α
−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(2,
3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシ
ル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシドの製造 [5]の(1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル
=O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−トルエン
スルホニル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)
−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グ
ルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O
−アセチル−α−D−グルコピラノシド2.85g
(2.48mmol)を出発原料に用いること以外、実
施例2の[2](1)と同様の操作を行い、2−クロロ
−4−ニトロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチ
ル−6−ブロモ−6−デオキシ−α−D−グルコピラノ
シル)−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−ア
セチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラ
ノシド1.995g(1.88mmol,収率76%)
が得られた。
【0061】融点(℃):113〜115 赤外吸収スペクトル(cm-1):3497,2963,
1752,1587,1524,1458,1371,
1349,1236,1036 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):1.97〜2.10(24H,ea
ch s),3.57〜3.80(m),3.82〜
4.40(m),4.49(1H,br.d,J=11
Hz),4.56(1H,br.d,J=10Hz),
4.69(1H,dd,J=10.7Hz,3.9H
z),4.81(1H,dd,J=10.3Hz,3.
9Hz),4.99(1H,d,J=6.1Hz),
5.08(1H,dd,J=10.0Hz,3.7H
z),5.26(1H,dd,J=10.7Hz,9.
2Hz),5.35(1H,d,J=3.9Hz),
5.36(1H,d,J=3.7Hz),5.42(1
H,dd,J=10.1Hz,8.2Hz),5.79
(1H,br.t,J=10Hz),5.79(1H,
br.d,J=10Hz),6.00(1H,d,J=
3.7Hz),7.61(1H,d,J=9.0H
z),8.27(1H,dd,J=9.0Hz,2.7
Hz),8.35(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,7:3):tR
7.4min
【0062】(2) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−ブロモ−63−デオキシ−α−マルトトリオシド
の製造 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
(2,3−ジ−O−アセチル−6−ブロモ−6−デオキ
シ−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−α−D−グルコピラノシド1.80g(1.70
mmol)を出発原料に用いること以外は実施例1の
[2]の(3)と同様の操作を行い、2−クロロ−4−
ニトロフェニル=63−ブロモ−63−デオキシ−α−マ
ルトトリオシド927mg(1.28mmol,収率7
5%)を得た。
【0063】融点(℃):151〜153(分解) 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax](nm)=289(logε=
3.95),227(logε=3.95),209
(logε=4.14) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3384,2929,
1701,1587,1522,1483,1348,
1272,1150,1030 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm[DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)]:3.15〜
4.05(m),5.09(1H,d,J=4.2H
z),5.11(1H,d,J=4.4Hz),5.8
3(1H,d,J=3.7Hz),7.54(1H,
d,J=9.3Hz),8.20(1H,dd,J=
9.3Hz,2.7Hz),8.32(1H,d,J=
2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(280nm,1:3):t
R=7.4min 元素分析:C2433BrClNO17として C H N 理論値(%) 39.88 4.60 1.94 実測値(%) 39.47 4.71 1.88 Km値: 対HPA;0.71mM 対HSA;1.3mM
【0064】実施例4 測定試薬及びそれを用いてのα−アミラーゼ活性の測定 (1)試薬の調製 精製水に以下の成分を以下の濃度で溶解することにより
試薬を調製した。 成 分 濃 度 2−クロロ−4−ニトロフェニル=43,63−ジO− (N−イソプロピル)カルバモイル−α−マルトトリオシド 9.56mM β−グリセロリン酸緩衝液(pH=7.0) 50mM 塩化ナトリウム(NaCl) 40mM 塩化カルシウム(CaCl2) 1mM (2)測定法 α−アミラーゼ活性測定用試料が液体の場合はそのまま
試料液とし、固体の場合は試料500mgを正確に秤量
し、精製水を加えて全量を5mlとして試料液とした。
試薬2.0mlを37℃で1分間加温したのち、試料液
250μlを加えてかきまぜ、37℃で2分間加温した
後からの2分間の400nmにおける吸光度の変化量を
測定した。この測定値とあらかじめ作成した検量線から
算出して試料液中のα−アミラーゼ活性の測定を行っ
た。なお、試料液中の酵素活性の値が検量線の適用範囲
を越えた場合には、精製水を用いて相当する倍数の希釈
を行ったのち、再測定した。
【0065】実施例5 測定試薬及びそれを用いてのα−アミラーゼ活性の測定 (1)試薬の調製 精製水に以下の成分を以下の濃度で溶解することにより
試薬を調製した。 成 分 濃 度 2−クロロ−4−ニトロフェニル=63−ブロモ−63−デオキシ− 43−O−メタンスルホニル−α−マルトトリオシド 3.38mM β−グリセロリン酸緩衝液(pH=7.0) 50mM 塩化ナトリウム(NaCl) 40mM 塩化カルシウム(CaCl2) 1mM (2)測定法 実施例4と同様に行った。
【0066】参考例1 [1] 加水分解部位の測定 前記実施例及び後記製造例([2]及び[3])で得た
表2に記載の本発明で用いられる基質及び公知の物質な
どを基質とした場合について、加水分解部位の測定を行
った。 (1) 基質液の調製 各基質の濃度を2mMになるように、40mM−NaC
l及び2mM−MgCl2を含有する50mMリン酸緩
衝液(pH=7.0)に溶解した。 (2) α−アミラーゼ液の調製 市販のヒトα−アミラーゼ液に精製水を加え、約300
U/lの濃度に溶解してα−アミラーゼ液とした。 (3) 加水分解反応 基質液1.0mlに、(2)のα−アミラーゼ液200
μlを加えてよくかき混ぜたのち、37℃で30分間反
応させた。この反応液を高速液体クロマトグラフィで分
析することにより加水分解生成物を定量した。その結果
を表2に示す。なお、表における略称は表の下に記載し
た。
【0067】
【表2】
【0068】略称: 46DCM−CNP;2−クロロ−4−ニトロフェニル
=43,63−ジO−(N−イソプロピル)カルバモイル
−α−マルトトリオシド 6CM−CNP ;2−クロロ−4−ニトロフェニル=
3−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−マ
ルトトリオシド 46DM−CNP;2−クロロ−4−ニトロフェニル=
3,63−ジO−メタンスルフォニル−α−マルトトリ
オシド 6B4M−CNP;2−クロロ−4−ニトロフェニル=
3−ブロモ−63−デオキシ−43−O−メタンスルホ
ニル−α−マルトトリオシド 6A4M−CNP;2−クロロ−4−ニトロフェニル=
3−アジド−63−デオキシ−43−O−メタンスルホ
ニル−α−マルトトリオシド 6C4CM−CNP;2−クロロ−4−ニトロフェニル
=63−クロロ−63−デオキシ−43−O−(N−イソ
プロピル)カルバモイル−α−マルトトリオシド6B−
CNP ;2−クロロ−4−ニトロフェニル=63
ブロモ−63−デオキシ−α−マルトトリオシド 46BE −CNP;2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル=43,63−O−ベンジリデン−α−マルトトリ
オシド 4CM−CNP ;2−クロロ−4−ニトロフェニル=
3−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−マ
ルトトリオシド G3−CNP ;2−クロロ−4−ニトロフェニル=
α−マルトトリオシド G3−FNP ;2−フルオロ−4−ニトロフェニル
=α−マルトトリオシド G2−CNP ;2−クロロ−4−ニトロフェニル=
α−マルトシド G−CNP ;2−クロロ−4−ニトロフェニル=
α−D−グルコシド CNP ;2−クロロ−4−ニトロフェノール Amy ;ヒトα−アミラーゼ HPA ;ヒト膵液由来(P型)α−アミラー
ゼ HSA ;ヒト唾液由来(S型)α−アミラー
【0069】表2から、本発明の基質を用いた場合に
は、いずれもヒトα−アミラーゼの加水分解によって、
実質的にはCNPのみを生成するため、α−アミラーゼ
活性を測定する際に共役酵素を全く必要としないことが
わかる。これに対して、基質として非還元末端4,6メ
チリデン誘導体を用いた場合には、は極めて反応速度が
遅いため活性測定が不可能であり、また、非還元末端4
位のみ修飾した誘導体及び非還元末端未修飾の物質を用
いた場合には、G2−CNPとG−CNPを生成するた
め、共役酵素としてグルコシダーゼ類がさらに必要とす
ることが判る。
【0070】[2] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=43,63−O−ベンジリデン−α−マルトトリオシド
の製造 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル=α−マルトト
リオシド2.50g(3.79mmol)を無水DMF
35mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和物2
16mg(1.14mmol)及びベンズアルデヒドジ
メチルアセタール1.14ml(7.58mmol)を
加え、減圧下(18mmHg)50℃で6時間、かきま
ぜながら反応させた。次いで氷冷した反応液に重炭酸ナ
トリウム0.35g(4.17mmol)及び氷水20
0mlを加え、ジクロロメタン50mLで3回洗浄し
た。水層をODSカラムクロマトグラフィにより精製
し、アセトニトリル−水混液(容量比35:65)で溶
出した目的区分を濃縮して、43,63−O−ベンジリデ
ン−α−マルトトリオシド1.75g(2.34mmo
l,収率62%)を得た。
【0071】融点(℃):234〜236(分解) 吸収極大波長[λmax ](nm)=289(logε=
3.94),227(logε=3.99),209
(logε=4.30) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3377,2932,
1587,1523,1483,1348,1272,
1151,1029 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm[DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)]:3.20〜
3.85(m),3.90〜4.05(m),4.12
(1H,br.d,J=5Hz),5.10(1H,
d,J=3.7Hz),5.14(1H,d,J=3.
7Hz),5.56(1H,s),5.83(1H,
d,J=3.7Hz),7.30〜7.50(5H,
m),7.54(1H,d,J=9.3Hz),8.2
0(1H,dd,J=9.3Hz,2.7Hz),8.
31(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,1:3):tR
6.0min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+141° 元素分析:C3138ClNO18として C H N 理論値(%) 49.77 5.12 1.87 実測値(%) 49.48 5.31 1.59 Km値: 対HPA;0.80mM 対HSA;0.64mM
【0072】[3] 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=43−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−
マルトトリオシドの製造 (1) 2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−[2,
3−ジ−O−アセチル−4−O−(N−イソプロピル)
カルバモイル−α−D−グルコピラノシル]−(1→
4)−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D
−グルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ
−O−アセチル−α−D−グルコピラノシドの製造 実施例1の[2]の(1)で得た2−クロロ−4−ニト
ロフェニル=O−(2,3−ジ−O−アセチル−α−D
−グルコピラノシル)−(1→4)−O−(2,3,6
−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−
(1→4)−2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D
−グルコピラノシド5.00g(5.02mmol)を
ピリジン100mLに溶解し、(t−ブチルジメチル)
シリルクロライド3.03g(20.1mmol)、イ
ミダゾール4.37g(40.5mmol)及びモレキ
ュラシーブス4A5.0gを加え、室温下で1.5時間
かきまぜながら反応させた。次いで反応液にメタノール
3mlを加え、さらに室温下で2時間かきまぜて過剰の
(t−ブチルジメチル)シリルクロライドを分解した。
得られた反応液をセライトベットでろ過し、ろ液中のピ
リジンを減圧下留去し、得られた残渣をシリカゲルカラ
ムクロマトグラフィにより精製し、酢酸エチル−メタノ
ール−ジクロロメタン混液(容量比20:1:99)で
溶出した目的区分を濃縮して、2−クロロ−4−ニトロ
フェニル=O−[2,3−ジ−O−アセチル−6−O−
(t−ブチルジメチル)シリル−α−D−グルコピラノ
シル]−(1→4)−O−(2,3,6−トリ−O−ア
セチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−
2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラ
ノシド5.00g(4.50mmol,収率90%)を
得た。この内の4.90g(4.41mmol)を出発
原料に用いること以外は実施例1の[2]の(2)と同
様の操作を行い、2−クロロ−4−ニトロフェニル=O
−[2,3−ジ−O−アセチル−4−O−(N−イソプ
ロピル)カルバモイル−6−O−(t−ブチルジメチ
ル)シリル−α−D−グルコピラノシル]−(1→4)
−O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グ
ルコピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O
−アセチル−α−D−グルコピラノシド4.10g
(3.43mmol,収率78%)を得た。
【0073】融点(℃):107〜109 赤外吸収スペクトル(cm-1):2957,2859,
1752,1523,1370,1349,,123
6,1138,1037 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(Ace
tone−d6):0.06(3H,s),0.07
(3H,s),0.905(9H,s),1.10(3
H,d,J=6.6Hz),1.13(3H,d,J=
6.4Hz),1.93〜2.09(24H,each
s),3.55〜3.80(m),3.95〜4.3
5(m),4.50(2H,d,J=12.0Hz),
4.76(1H,dd,J=10.6Hz,3.8H
z),4.80(1H,dd,J=10.3Hz,3.
9Hz),4.94(1H,br.t,J=10H
z),5.08(1H,dd,J=10.3Hz,3.
7Hz),5.25(1H,t,J=9.8Hz),
5.35(2H,d,J=3.9Hz),5.41(1
H,dd,J=10.5Hz,2.2Hz),5.79
(1H,br.t,J=10Hz),5.79(1H,
br.d,J=10Hz),6.01(1H,d,J=
3.4Hz),6.21(1H,br.d,J=9H
z),7.61(1H,d,J=9.0Hz),8.2
8(1H,dd,J=9.0Hz,2.7Hz),8.
35(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィ(RI,85:15):tR
=8.8min 比旋光度[α]:(c 0.500,1,4−ジオキサ
ン);+154°
【0074】(2) 2−クロロ−4−ニトロフェニル
=43−O−(N−イソプロピル)カルバモイル−α−
マルトトリオシドの製造 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル=O−
[2,3−ジ−O−アセチル−4−O−(N−イソプロ
ピル)カルバモイル−6−O−(t−ブチルジメチル)
シリル−α−D−グルコピラノシル]−(1→4)−O
−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)−2,3,6−トリ−O−ア
セチル−α−D−グルコピラノシド3.30g(2.7
6mmol)を出発原料に用いること以外、実施例1の
[2]の(3)と同様の操作を行い、2−クロロ−4−
ニトロフェニル=43−O−(N−イソプロピル)カル
バモイル−α−マルトトリオシド1.53g(2.05
mmol,収率74%)を得た。
【0075】融点(℃):172〜174(分解) 紫外部・可視部吸収スペクトル: 吸収極大波長[λmax ](nm)=291(logε=
3.94),227(logε=3.93),209
(logε=4.12) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3394,292,1
701,1587,1523,1483,1347,1
272,1151,1081,1030 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm[DMS
O−d6/D2O=10:1(v/v)]:1.06(3
H,d,J=6.6Hz),3.25〜4.20
(m),4.33(2H,br.t,J=9Hz),
4.42(1H,br.d,J=9Hz),5.09
(1H,d,J=3.9Hz),5.10(1H,d,
J=3.4Hz),5.84(1H,d,J=3.4H
z),7.54(1H,d,J=9.3Hz),8.2
3(1H,dd,J=9.3Hz,2.9Hz),8.
34(1H,d,J=2.9Hz) 高速液体クロマトグラフィ(280nm,3:7):t
R=6.6min 比旋光度[α]:(c 0.500,メタノール);+
167° 元素分析:C2841ClN219として C H N 理論値(%) 45.14 5.55 3.76 実測値(%) 44.97 5.51 3.55 Km値: 対HPA;1.4mM 対HSA;2.4mM
【0076】参考例2 α−アミラーゼ活性測定に際し、本発明で用いる物質及
び公知の物質などを基質とし、グルコシダーゼ類などの
共役酵素を用いない場合における感度、すなわち単位時
間における吸光度増加量(見かけの反応速度)の比較を
行った。 (1) 基質液(ア)の調製 実施例1の[2]で得た2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル=43,63−ジO−(N−イソプロピル)カルバモイ
ル−α−マルトトリオシド(46DCM−CNP)を
9.56mM(最終濃度がKm値の5倍)の濃度になる
ように、40mM−NaCl及び2mM−MgCl2
含有する50mMリン酸緩衝液(pH=7.0)に溶解
した。 (2) 基質液(ロ)の調製 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル=43,63−O
−ベンジリデン−α−マルトトリオシド(46BE−C
NP)を4.50mM(最終濃度がKm値の5倍)の濃
度になるように、40mM−NaCl及び2mM−Mg
Cl2を含有する50mMリン酸緩衝液(pH=7.
0)に溶解した。 (3) 基質液(ハ)の調製 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル=α−マルトト
リオシド(G3−CNP)を15.8mM(最終濃度が
Km値の5倍)の濃度になるように、40mM−NaC
l及び2mM−MgCl2を含有する50mMリン酸緩
衝液(pH=7.0)に溶解した。なお、G3−CNP
のKm値は、対HPAが1.1mM、対HSAが2.8
mMであった。
【0077】(4) 標品α−アミラーゼ液の調製 市販のヒトα−アミラーゼに精製水を加え、250U/
lの濃度に溶解して標品α−アミラーゼ液とした。 (5) 加水分解反応と直線式の算出 各々の基質液[(イ)、(ロ)、(ハ)]2.0mlを
37℃で1分間加温したのち、標品α−アミラーゼ液を
250μl加えてかきまぜ、37℃で2分間加温したの
ちからの2分間の400nmにおける吸光度の変化量を
測定した。吸光度の変化量と時間との関係により得られ
る直線の式は A = a・t + b [A;吸光度(OD)、t;反応時間(min)、a;
速度定数(OD/min),b;初期(t=0)吸光度
(OD)] であるから、各々の共役酵素液存在下における各々の基
質を用いた場合の感度、すなわち単位時間当りの吸光度
の増加量(見かけの反応速度)はaの値で比較される。
これらの結果を表3に示す。
【0078】
【表3】 表3から、本発明の方法で用いられる基質では、十分な
感度が得られるのに対し、公知の物質などを基質とした
場合には、測定感度が低く、実質的にはα−アミラーゼ
の活性の定量が行えないことが判る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1におけるα−アミラーゼ活性の測定
に用いる検量線のグラフ。
【図2】 実施例2におけるα−アミラーゼ活性の測定
に用いる検量線のグラフ。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α−アミラーゼ含有試料に、一般式 【化1】 (式中のXはアジド基、ハロゲン原子、N−モノアルキ
    ルカルバモイルオキシ基、アルキル若しくはアリールス
    ルホニルオキシ基又はアルキルオキシ基、YはN−モノ
    アルキルカルバモイルオキシ基、アルキル若しくはアリ
    ールスルホニルオキシ基、水酸基又はアルキルオキシ
    基、Rは芳香族発色性基である)で表わされる非還元末
    端修飾α−マルトトリオシド誘導体を添加して酵素反応
    を行わせ、遊離する芳香族発色性化合物を定量すること
    を特徴とするα−アミラーゼ活性の測定方法。
  2. 【請求項2】 非還元末端修飾α−マルトトリオシド誘
    導体のX及びYがN−モノアルキルカルバモイルオキシ
    基、又はXがハロゲン原子でYがアルキルスルホニルオ
    キシ基である請求項1記載のα−アミラーゼ活性の測定
    方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2記載の非還元末端
    修飾α−マルトトリオシド誘導体を有効成分とするα−
    アミラーゼ活性測定用試薬。
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