JP2542700B2 - デオキシマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα―アミラ―ゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα―アミラ―ゼ活性の測定方法 - Google Patents
デオキシマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα―アミラ―ゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα―アミラ―ゼ活性の測定方法Info
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- JP2542700B2 JP2542700B2 JP1224845A JP22484589A JP2542700B2 JP 2542700 B2 JP2542700 B2 JP 2542700B2 JP 1224845 A JP1224845 A JP 1224845A JP 22484589 A JP22484589 A JP 22484589A JP 2542700 B2 JP2542700 B2 JP 2542700B2
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Description
【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、新規な6−デオキシマルトオリゴシド誘導
体、該誘導体を有効成分とするα−アミラーゼ活性測定
用試薬及び該誘導体を用いてα−アミラーゼ活性を効率
よく、かつ正確に測定する方法に関するものである。
体、該誘導体を有効成分とするα−アミラーゼ活性測定
用試薬及び該誘導体を用いてα−アミラーゼ活性を効率
よく、かつ正確に測定する方法に関するものである。
従来の技術 従来、血清、尿、膵液、唾液などの体液を対象とする
α−アミラーゼ活性の測定は、臨床診断上極めて重要で
あり、特に急性や慢性の肝炎、膵臓がん、流行性耳下腺
炎などの鑑別診断においては必須の測定項目となってい
る。
α−アミラーゼ活性の測定は、臨床診断上極めて重要で
あり、特に急性や慢性の肝炎、膵臓がん、流行性耳下腺
炎などの鑑別診断においては必須の測定項目となってい
る。
このα−アミラーゼ活性の測定方法については、従来
より種々の方法、例えば(1)デンプン又は色素結合デ
ンプンを基質とし、還元力あるいは吸光度を測定する方
法、(2)マルトテトラオース、マルトペンタオースな
どの一連のマルトオリゴ糖を基質として利用し、α−ア
ミラーゼにより切断したのち、共役酵素系を作用させ、
生成するマルトース、グルコース又はグルコース−6−
リン酸を定量する方法、(3)各種置換フェニルマルト
オリゴシド類を基質として利用し、α−アミラーゼによ
り切断したのち、共役酵素系を作用させ、生成する置換
フェノール類をそのままあるいは必要に応じてpHを変化
させたのち、あるいは縮合反応を行ったのち比色定量す
る方法、(4)非還元末端グルコースの6位及び/又は
4位をアリール基、アルキル基等で修飾した、各種置換
フェニルマルトオリゴシド類を基質として利用し、
(3)と同様に比色定量する方法などが知られている。
より種々の方法、例えば(1)デンプン又は色素結合デ
ンプンを基質とし、還元力あるいは吸光度を測定する方
法、(2)マルトテトラオース、マルトペンタオースな
どの一連のマルトオリゴ糖を基質として利用し、α−ア
ミラーゼにより切断したのち、共役酵素系を作用させ、
生成するマルトース、グルコース又はグルコース−6−
リン酸を定量する方法、(3)各種置換フェニルマルト
オリゴシド類を基質として利用し、α−アミラーゼによ
り切断したのち、共役酵素系を作用させ、生成する置換
フェノール類をそのままあるいは必要に応じてpHを変化
させたのち、あるいは縮合反応を行ったのち比色定量す
る方法、(4)非還元末端グルコースの6位及び/又は
4位をアリール基、アルキル基等で修飾した、各種置換
フェニルマルトオリゴシド類を基質として利用し、
(3)と同様に比色定量する方法などが知られている。
しかしながら、(1)の方法においては、基質に用い
られるデンプンの品質により測定値にバラツキが生じ
る。また、酵素切断部位が多数存在するため、α−アミ
ラーゼ反応を真に化学量論的反応として測定できないな
どの欠点を有している。これに対し、(2)の方法は、
均一な基質を使用するために、前記(1)の欠点を補う
ことができるが、あらかじめ試料中のマルトース、グル
コースなどの糖質を完全に消去することが必要である
上、酵素反応で生成するグルコースをグルコースオキシ
ダーゼ、ペルオキシダーゼ、クロモゲン系を用いて測定
する場合に、試料中のグルコースの影響を補正する必要
があるとともに、多量のグルコースオキシダーゼを必要
とし、さらに、試料中に存在するアスコルビン酸、ビリ
ルビンなどの還元物質の影響を免れないなどの欠点があ
る。
られるデンプンの品質により測定値にバラツキが生じ
る。また、酵素切断部位が多数存在するため、α−アミ
ラーゼ反応を真に化学量論的反応として測定できないな
どの欠点を有している。これに対し、(2)の方法は、
均一な基質を使用するために、前記(1)の欠点を補う
ことができるが、あらかじめ試料中のマルトース、グル
コースなどの糖質を完全に消去することが必要である
上、酵素反応で生成するグルコースをグルコースオキシ
ダーゼ、ペルオキシダーゼ、クロモゲン系を用いて測定
する場合に、試料中のグルコースの影響を補正する必要
があるとともに、多量のグルコースオキシダーゼを必要
とし、さらに、試料中に存在するアスコルビン酸、ビリ
ルビンなどの還元物質の影響を免れないなどの欠点があ
る。
一方、(3)の方法、特に2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−β−マルトペンタオシドを基質として使用する
方法は、現在最も優れた方法として広く普及している
が、基質が共役酵素に分解されるため、正の誤差を生じ
やすく、また、共役酵素量を減らすとラグタイムが長く
なるという欠点を有している。そこで、(3)の方法に
おける欠点を改良するために共役酵素で分解されない前
記(4)の方法が開発されている。
ェニル−β−マルトペンタオシドを基質として使用する
方法は、現在最も優れた方法として広く普及している
が、基質が共役酵素に分解されるため、正の誤差を生じ
やすく、また、共役酵素量を減らすとラグタイムが長く
なるという欠点を有している。そこで、(3)の方法に
おける欠点を改良するために共役酵素で分解されない前
記(4)の方法が開発されている。
しかしながら、これらの基質は、水に対する溶解度が
低い、α−アミラーゼに対する親和性が低い、α−アミ
ラーゼによる分解速度が低い、化学的に不安定で長期間
保存することができないなどの多くの欠点を有してい
る。
低い、α−アミラーゼに対する親和性が低い、α−アミ
ラーゼによる分解速度が低い、化学的に不安定で長期間
保存することができないなどの多くの欠点を有してい
る。
発明が解決しようとする課題 本発明は、このような従来のα−アミラーゼ活性の測
定試薬及びそれを用いる測定方法が有する欠点を克服
し、α−アミラーゼ活性を効率よく、かつ正確に測定し
うる試薬として好適な新規化合物を提供するとともに、
これを試薬とした新規なα−アミラーゼ活性の測定方法
を提供することを目的としてなされたものである。
定試薬及びそれを用いる測定方法が有する欠点を克服
し、α−アミラーゼ活性を効率よく、かつ正確に測定し
うる試薬として好適な新規化合物を提供するとともに、
これを試薬とした新規なα−アミラーゼ活性の測定方法
を提供することを目的としてなされたものである。
課題を解決するための手段 本発明者らは、前記目的を達成するために種々研究を
重ねた結果、α−アミラーゼ活性測定用試薬として特定
の新規6−デオキシマルトオリゴシド誘導体が極めて好
適であり、これを用いてα−アミラーゼ活性を測定する
ことにより、その目的を達成しうることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
重ねた結果、α−アミラーゼ活性測定用試薬として特定
の新規6−デオキシマルトオリゴシド誘導体が極めて好
適であり、これを用いてα−アミラーゼ活性を測定する
ことにより、その目的を達成しうることを見出し、この
知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、一般式 (式中のRは芳香族発色性基であり、nは2〜6の整数
である) で表わされる6−デオキシマルトオリゴシド誘導体、一
般式(I)の化合物を有効成分とするα−アミラーゼ活
性測定用試薬、α−アミラーゼ含有試料に、一般式
(I)の化合物のα−アノマーと、α−グルコシダーゼ
及び/又はグルコアミラーゼを添加して酵素反応を行わ
せ、遊離する芳香族発色性化合物を定量するα−アミラ
ーゼ活性を測定方法、及びα−アミラーゼ含有試料に、
一般式(I)の化合物のβ−アノマー又はα−アノマー
とβ−アノマーとの混合物と、α−グルコシダーゼ及び
/又はグルコアミラーゼ並びにβ−グルコシダーゼを添
加して酵素反応を行わせ、遊離する芳香族発色性化合物
を定量することを特徴とするα−アミラーゼ活性の測定
方法を提供するものである。
である) で表わされる6−デオキシマルトオリゴシド誘導体、一
般式(I)の化合物を有効成分とするα−アミラーゼ活
性測定用試薬、α−アミラーゼ含有試料に、一般式
(I)の化合物のα−アノマーと、α−グルコシダーゼ
及び/又はグルコアミラーゼを添加して酵素反応を行わ
せ、遊離する芳香族発色性化合物を定量するα−アミラ
ーゼ活性を測定方法、及びα−アミラーゼ含有試料に、
一般式(I)の化合物のβ−アノマー又はα−アノマー
とβ−アノマーとの混合物と、α−グルコシダーゼ及び
/又はグルコアミラーゼ並びにβ−グルコシダーゼを添
加して酵素反応を行わせ、遊離する芳香族発色性化合物
を定量することを特徴とするα−アミラーゼ活性の測定
方法を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の前記一般式(I)の6−デオキシマルトオリ
ゴシド誘導体における6−デオキシマルトオリゴ糖部と
しては、例えば、α−及び/又はβ−64−デオキシ−D
−マルトテトラオースからα−及び/又はβ−68−デオ
キシ−D−マルトオクタオースまでに対応するものが全
て使用できる。これらの中でも特に65−デオキシ−D−
マルトペンタオース、66−デオキシ−D−マルトヘキサ
オース、67−デオキシ−D−マルトヘプタオースが好適
である。なお、上記化合物におけるデオキシの前に付し
た記号64−、65−、66−などは、それぞれマルトオリゴ
糖を構成するグルコース単位の還元末端側から4番目、
5番目、6番目のグルコースの6位の水酸基が水素原子
に置換されていることを意味する。
ゴシド誘導体における6−デオキシマルトオリゴ糖部と
しては、例えば、α−及び/又はβ−64−デオキシ−D
−マルトテトラオースからα−及び/又はβ−68−デオ
キシ−D−マルトオクタオースまでに対応するものが全
て使用できる。これらの中でも特に65−デオキシ−D−
マルトペンタオース、66−デオキシ−D−マルトヘキサ
オース、67−デオキシ−D−マルトヘプタオースが好適
である。なお、上記化合物におけるデオキシの前に付し
た記号64−、65−、66−などは、それぞれマルトオリゴ
糖を構成するグルコース単位の還元末端側から4番目、
5番目、6番目のグルコースの6位の水酸基が水素原子
に置換されていることを意味する。
前記一般式(I)で表わされる6−デオキシマルトオ
リゴシド誘導体において、還元末端グルコースの1位の
水酸基に置換されるRは、芳香族発色性基であって、こ
のようなものとしては、例えば以下のものが挙げられ
る。
リゴシド誘導体において、還元末端グルコースの1位の
水酸基に置換されるRは、芳香族発色性基であって、こ
のようなものとしては、例えば以下のものが挙げられ
る。
(R1〜R5は水素原子、アルキル基、アリル基、アリール
基、アシル基、カルボキシル基、シアノ基、ホルミル
基、アルコキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミノ基、
アジド基、スルホン酸基、スルホキシル基、スルホニル
基、又はハロゲン原子であり、それぞれ同一であっても
よいし、また異っていてもよく、またR1とR2、又はR2と
R3が結合して、縮合芳香環を形成してもよい。ただし、
R1〜R5は同時に水素原子ではない) (R6は水素原子又はアルキル基である) (R7は水素原子又はハロゲン原子である) (R8〜R15は水素原子、アルキル基、アリル基、アリー
ル基、アシル基、カルボキシル基、シアノ基、ホルミル
基、アルコキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミノ基、
アジド基、スルホン酸基、スルホキシル基、スルホニル
基、又はハロゲン原子であり、それぞれ同一であっても
よいし、また異なっていてもよく、またR8とR9、及び/
又はR10とR11が結合して、縮合芳香環を形成してもよ
く、さらにR9とR10、及び/又はR13とR14が共通の酸素
原子となって縮合エーテル環を形成してもよく、またZ
は窒素原子又はN→0である) そして、前記一般式(I)で表わされる6−デオキシ
マルトオリゴシド誘導体はα−アノマー又はβ−アノマ
ーのいずれでもよい。
基、アシル基、カルボキシル基、シアノ基、ホルミル
基、アルコキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミノ基、
アジド基、スルホン酸基、スルホキシル基、スルホニル
基、又はハロゲン原子であり、それぞれ同一であっても
よいし、また異っていてもよく、またR1とR2、又はR2と
R3が結合して、縮合芳香環を形成してもよい。ただし、
R1〜R5は同時に水素原子ではない) (R6は水素原子又はアルキル基である) (R7は水素原子又はハロゲン原子である) (R8〜R15は水素原子、アルキル基、アリル基、アリー
ル基、アシル基、カルボキシル基、シアノ基、ホルミル
基、アルコキシ基、ニトロ基、ニトロソ基、アミノ基、
アジド基、スルホン酸基、スルホキシル基、スルホニル
基、又はハロゲン原子であり、それぞれ同一であっても
よいし、また異なっていてもよく、またR8とR9、及び/
又はR10とR11が結合して、縮合芳香環を形成してもよ
く、さらにR9とR10、及び/又はR13とR14が共通の酸素
原子となって縮合エーテル環を形成してもよく、またZ
は窒素原子又はN→0である) そして、前記一般式(I)で表わされる6−デオキシ
マルトオリゴシド誘導体はα−アノマー又はβ−アノマ
ーのいずれでもよい。
したがって、前記一般式(I)で表される化合物とし
ては、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デ
オキシ−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェ
ニル−65−デオキシ−α−D−マルトペンタオシド、フ
ェノールインド−3′−クロロフェニル−65−デオキシ
−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル−
67−デオキシ−β−D−マルトヘプタオシド、2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−67−デオキシ−β−D−マル
トヘプタオシド、メチルウンベリフェロニル−65−デオ
キシ−β−D−マルトペンタオシド、レザズリニル−67
−デオキシ−β−D−マルトヘプタオシドなどが挙げら
れる。
ては、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デ
オキシ−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェ
ニル−65−デオキシ−α−D−マルトペンタオシド、フ
ェノールインド−3′−クロロフェニル−65−デオキシ
−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル−
67−デオキシ−β−D−マルトヘプタオシド、2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−67−デオキシ−β−D−マル
トヘプタオシド、メチルウンベリフェロニル−65−デオ
キシ−β−D−マルトペンタオシド、レザズリニル−67
−デオキシ−β−D−マルトヘプタオシドなどが挙げら
れる。
本発明の前記一般式(I)で表わされる6−デオキシ
マルトオリゴシド誘導体は、いずれも文献未載の新規化
合物であって、例えば次に示す各種方法(A〜D法)に
より製造することができる。
マルトオリゴシド誘導体は、いずれも文献未載の新規化
合物であって、例えば次に示す各種方法(A〜D法)に
より製造することができる。
A法:一般式 (式中のnは4〜6の整数である) で表わされる6−デオキシシクロデキストリンに、ある
種のシクロデキストリナーゼを作用させることにより、
一般式 (式中のXは、1個が水素原子で、他のn+1個が水酸
基であり、nは4〜6の整数である) で表わされる種々の位置に6−デオキシグルコース残基
を有する6−デオキシマルトオリゴ糖の混合物を主成分
とする反応液を得る。
種のシクロデキストリナーゼを作用させることにより、
一般式 (式中のXは、1個が水素原子で、他のn+1個が水酸
基であり、nは4〜6の整数である) で表わされる種々の位置に6−デオキシグルコース残基
を有する6−デオキシマルトオリゴ糖の混合物を主成分
とする反応液を得る。
出発物質である、前記一般式(II)で表わされる6−
デオキシシクロデキストリンは、分岐体、修飾体などの
誘導体なども包含するシクロデキストリン骨格を有する
シクロデキストリン類、例えば市販のα−、β−、γ−
シクロデキストリン(グルコース重合度が各々6,7,8)
などから公知の方法で得ることができる。例えば、シク
ロデキストリンをピリジンなどの溶媒に溶解し、トシル
クロリドを7〜14倍モル添加して、15〜30℃で4〜6時
間反応させてトシル化し、必要に応じ常法により精製し
て6−トシルシクロデキストリンを得る。次いで、これ
をジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミ
ド(DMF)などの有機溶媒に溶解し、水素化ホウ素ナト
リウム(NaBH4)などの還元剤を10〜30倍モル加えて、4
0〜60℃で10〜20時間反応させて還元し、必要に応じ、
常法により精製して6−デオキシシクロデキストリンを
得る〔例えば「カルボハイドレーツ・リサーチ(Carboh
yd.Res.)」、第18巻、第29〜37ページ(1971)参
照〕。
デオキシシクロデキストリンは、分岐体、修飾体などの
誘導体なども包含するシクロデキストリン骨格を有する
シクロデキストリン類、例えば市販のα−、β−、γ−
シクロデキストリン(グルコース重合度が各々6,7,8)
などから公知の方法で得ることができる。例えば、シク
ロデキストリンをピリジンなどの溶媒に溶解し、トシル
クロリドを7〜14倍モル添加して、15〜30℃で4〜6時
間反応させてトシル化し、必要に応じ常法により精製し
て6−トシルシクロデキストリンを得る。次いで、これ
をジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミ
ド(DMF)などの有機溶媒に溶解し、水素化ホウ素ナト
リウム(NaBH4)などの還元剤を10〜30倍モル加えて、4
0〜60℃で10〜20時間反応させて還元し、必要に応じ、
常法により精製して6−デオキシシクロデキストリンを
得る〔例えば「カルボハイドレーツ・リサーチ(Carboh
yd.Res.)」、第18巻、第29〜37ページ(1971)参
照〕。
このようにして、出発物質として好適な、例えば6−
デオキシ−α−、6−デオキシ−β−、6−デオキシ−
γ−シクロデキストリンなどを得ることができる。中で
も酵素反応速度の点から、6−デオキシ−β−シクロデ
キストリンが特に好適である。
デオキシ−α−、6−デオキシ−β−、6−デオキシ−
γ−シクロデキストリンなどを得ることができる。中で
も酵素反応速度の点から、6−デオキシ−β−シクロデ
キストリンが特に好適である。
この方法において用いられるシクロデキストリナーゼ
は以下の理化学的性質(イ)〜(ト)により特定される
ものである(特願平1−146891号参照)。
は以下の理化学的性質(イ)〜(ト)により特定される
ものである(特願平1−146891号参照)。
(イ) 作 用: シクロデキストリンを開裂し、そのシクロデキストリ
ンのグルコース重合度に由来するマルトオリゴ糖を生成
させる作用を有する。
ンのグルコース重合度に由来するマルトオリゴ糖を生成
させる作用を有する。
(ロ) 基質特異性: シクロデキストリンに対する水解速度又は親和性が、
多糖類あるいはシクロデキストリンと同じ重合度の直鎖
オリゴ糖よりも大きい基質特異性を有する。
多糖類あるいはシクロデキストリンと同じ重合度の直鎖
オリゴ糖よりも大きい基質特異性を有する。
第1表及び第2表に、それぞれ気質特異性の具体例及
びシクロデキストリン類とマルトオリゴ糖についての反
応速度のパラメーターを示す。
びシクロデキストリン類とマルトオリゴ糖についての反
応速度のパラメーターを示す。
(ハ) 至適pH及び安定pH範囲: β−シクロデキストリンを基質とした場合、pH8.0近
傍に至適pHを有し、かつ安定pH範囲が5.5〜9.5である。
傍に至適pHを有し、かつ安定pH範囲が5.5〜9.5である。
第1図は、100mM濃度の酢酸緩衝液、リン酸緩衝液及
びホウ酸緩衝液それぞれ0.48ml、2%(w/v)濃度のβ
−シクロデキストリン溶液0.50ml及び酵素液0.02mlを混
合し〔基質のβ−シクロデキストリン濃度1%(w/
v)〕、40℃で1時間反応を行った場合におけるpHと相
対活性との関係を示すグラフである。この図において、
破線は酢酸緩衝液、実線はリン酸緩衝液、点線はホウ酸
緩衝液を用いた場合である。この第1図から、pH8.0近
傍に至適pHを有することが分る。
びホウ酸緩衝液それぞれ0.48ml、2%(w/v)濃度のβ
−シクロデキストリン溶液0.50ml及び酵素液0.02mlを混
合し〔基質のβ−シクロデキストリン濃度1%(w/
v)〕、40℃で1時間反応を行った場合におけるpHと相
対活性との関係を示すグラフである。この図において、
破線は酢酸緩衝液、実線はリン酸緩衝液、点線はホウ酸
緩衝液を用いた場合である。この第1図から、pH8.0近
傍に至適pHを有することが分る。
第2図は、100mM濃度の酢酸緩衝液、リン酸緩衝液及
びホウ酸緩衝液それぞれ0.20ml及び酵素液0.05mlを混合
し、各pHにおいて、25℃で24時間処理を行い、この処理
液0.10ml、100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)0.40ml及
び2%(w/v)濃度のβ−シクロデキストリン溶液0.50m
lを混合して、40℃で1時間反応を行った場合における
処理pHと相対活性との関係を示すグラフである。この図
において、破線は酢酸緩衝液、実線はリン酸緩衝液、点
線はホウ酸緩衝液を用いた場合である。この第2図か
ら、安定pH範囲は5.5〜9.5であることが分る。
びホウ酸緩衝液それぞれ0.20ml及び酵素液0.05mlを混合
し、各pHにおいて、25℃で24時間処理を行い、この処理
液0.10ml、100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)0.40ml及
び2%(w/v)濃度のβ−シクロデキストリン溶液0.50m
lを混合して、40℃で1時間反応を行った場合における
処理pHと相対活性との関係を示すグラフである。この図
において、破線は酢酸緩衝液、実線はリン酸緩衝液、点
線はホウ酸緩衝液を用いた場合である。この第2図か
ら、安定pH範囲は5.5〜9.5であることが分る。
(ニ) 作用適温: 40℃近傍に作用適温を有する。
第3図は、2%(w/v)濃度のβ−シクロデキストリ
ン溶液0.50ml、100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)0.48
ml及び酵素液0.02mlを混合し、各温度で10分間反応させ
た場合における温度と相対活性との関係を示すグラフで
ある。この第3図から、40℃近傍に作用適温を有するこ
とが分る。
ン溶液0.50ml、100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)0.48
ml及び酵素液0.02mlを混合し、各温度で10分間反応させ
た場合における温度と相対活性との関係を示すグラフで
ある。この第3図から、40℃近傍に作用適温を有するこ
とが分る。
(ホ) 失活性: 50℃以上の温度で15分間の処理により、ほぼ失活する
性質を有する。
性質を有する。
第4図は、酵素を含有する100mM濃度のリン酸緩衝液
(pH7.5)0.05mlを各温度で15分間処理したのち、この
処理液0.02ml、100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)0.48
ml及び2%(w/v)濃度のβ−シクロデキストリン溶液
0.50mlを混合し、40℃で1時間反応させた場合における
処理温度と相対活性との関係を示すグラフである。この
第4図から、100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)中、15
分間処理で、45℃まで活性は安定であるが、50℃以上で
はほぼ失活することが分る。
(pH7.5)0.05mlを各温度で15分間処理したのち、この
処理液0.02ml、100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)0.48
ml及び2%(w/v)濃度のβ−シクロデキストリン溶液
0.50mlを混合し、40℃で1時間反応させた場合における
処理温度と相対活性との関係を示すグラフである。この
第4図から、100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)中、15
分間処理で、45℃まで活性は安定であるが、50℃以上で
はほぼ失活することが分る。
(ヘ) 阻害及び活性化性: Hg2+、Cu2+、Zn2+、Ni2+及びFe2+などにより90%以上
阻害され、Ca2+及びMg2+により10〜30%活性化される性
質を有する。
阻害され、Ca2+及びMg2+により10〜30%活性化される性
質を有する。
第3表に、金属イオンによる酵素活性への影響を示
す。
す。
この第3表から、二価の金属イオンであるHg2+、C
u2+、Zn2+、Ni2+及びFe2+により90%以上阻害され、Ca
2+及びMg2+により10〜30%活性化されることが分る。
u2+、Zn2+、Ni2+及びFe2+により90%以上阻害され、Ca
2+及びMg2+により10〜30%活性化されることが分る。
(ト) 分子量: ゲルろ過法による分子量が144,000で、SDS PAGE法に
よる分子量が72,000である。すなわち、該酵素は分子量
72,000のサブユニットから成る二量体である。
よる分子量が72,000である。すなわち、該酵素は分子量
72,000のサブユニットから成る二量体である。
なお、該酵素の力価は、2%(w/v)濃度のβ−シク
ロデキストリン溶液500μ及び適当量の該酵素を含有
する100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)500μを混和
し、温度40℃で適当時間反応させたのち、10分間煮沸す
ることにより反応を停止し、高速液体クロマトグラフィ
ー(以下、HPLCと略称する)法によって、生成したマル
トヘプタオースを定量することにより求めた。また、酵
素量が少量の場合には、グルコースを標準としたソモギ
ーネルソン法により還元力を定量することにより求め
た。
ロデキストリン溶液500μ及び適当量の該酵素を含有
する100mM濃度のリン酸緩衝液(pH7.5)500μを混和
し、温度40℃で適当時間反応させたのち、10分間煮沸す
ることにより反応を停止し、高速液体クロマトグラフィ
ー(以下、HPLCと略称する)法によって、生成したマル
トヘプタオースを定量することにより求めた。また、酵
素量が少量の場合には、グルコースを標準としたソモギ
ーネルソン法により還元力を定量することにより求め
た。
該酵素の酵素単位については、1分間に1マイクロモ
ルのマルトヘプタオースを生成する酵素量を1単位とし
た。
ルのマルトヘプタオースを生成する酵素量を1単位とし
た。
次に、本発明で用いる前記シクロデキストリナーゼの
製造方法について説明する。この酵素を産生する微生物
については、バチルス属に属し、該酵素を産生するもの
であればよく、特に制限されず、例えばバチルス・スフ
ェリカス(Bacillus sphaericus)E−244菌株を挙げる
ことができる。このバチルス・スフェリカスE−244菌
株は土壌中から取得した野生株であって、以下に示す菌
学的性質を有している。
製造方法について説明する。この酵素を産生する微生物
については、バチルス属に属し、該酵素を産生するもの
であればよく、特に制限されず、例えばバチルス・スフ
ェリカス(Bacillus sphaericus)E−244菌株を挙げる
ことができる。このバチルス・スフェリカスE−244菌
株は土壌中から取得した野生株であって、以下に示す菌
学的性質を有している。
バチルス・スフェリカスE−244菌株の菌学的性質 (a) 形 態 (1) 細胞の形及び大きさ:0.6〜0.8×1.6〜4.0μm
の桿菌である。
の桿菌である。
(2) 細胞の多形成の有無:認められない。
(3) 運動性の有無:周鞭毛を有し、運動性あり。
(4) 胞子の有無:あり 胞子嚢:膨出 大きさ:0.8〜0.9×1.1〜1.2μm 形:楕円形 位置:亜端立 (5) グラム染色性:陽性 (6) 抗酸性:陰性 (b) 各培地における生育状態 (1) 肉汁寒天平板培養: 無色の拡散性集落を形成し、その集落は平滑で周縁は
なめらかであり、色素の産生は認められない。
なめらかであり、色素の産生は認められない。
(2) 肉汁寒天斜面培養: 菌苔は平滑で周縁はなめらかであり、色素の産生は認
められない。
められない。
(3) 肉汁液体培養: 培地全体に生育が認められるが、沈殿は認められな
い。
い。
(4) 肉汁ゼラチン穿刺培養: 培地上部にのみ生育し、液化は認められない。
(5) リトマス・ミルク: 凝固は認められず、酸、アルカリの産生も認められな
い。
い。
(c) 生理学的性質 (1) 硝酸塩の還元:還元しない (2) 脱窒反応:なし (3) MRテスト:陰性 (4) VPテスト:陰性 (5) インドールの生成:生成しない (6) 硫化水素の生成:生成しない (7) デンプンの加水分解:分解しない (8) クエン酸の利用:利用せず (9) 無機窒素源の利用:利用せず (10) 色素の生成:生成しない (11) ウレアーゼ:陰性 (12) オキシダーゼ:陽性 (13) カタラーゼ:陽性 (14) 生育の範囲 温度:13〜38℃ pH:6〜10.5 (15) 酸素に対する態様:好気性 (16) O−Fテスト:陰性(酸の産生を認めず) (17) 糖類に対する態度: L−アラビノース、D−キシロース、D−グルコー
ス、D−マンノース、D−フラクトース、D−ガラクト
ース、麦芽糖、ショ糖、乳糖、トレハロース、D−ソル
ビット、D−マンニット、イノシット、グリセリン及び
デンプンからの酸生成及びガス生成はいずれも認められ
ない。
ス、D−マンノース、D−フラクトース、D−ガラクト
ース、麦芽糖、ショ糖、乳糖、トレハロース、D−ソル
ビット、D−マンニット、イノシット、グリセリン及び
デンプンからの酸生成及びガス生成はいずれも認められ
ない。
(d) フェニルアラニンの脱アミノ反応:陽性 このバチルス・スフェリカスE−244菌株は、胞子を
形成するグラム陽性桿菌であることからバチルス属に属
する細菌であると同定した。さらに、糖からの酸及びガ
スの生成は認められないこと、VPブロスのpHが7.0以上
であること及びフェニルアラニンの脱アミノ反応が認め
られることからバージェイズ・マニュアル・オブ・シス
ティマティック・バクテリオロジー、第2巻(1984年)
に基づき、バチルス属のスフェリカス種に属する細菌で
あると同定した。
形成するグラム陽性桿菌であることからバチルス属に属
する細菌であると同定した。さらに、糖からの酸及びガ
スの生成は認められないこと、VPブロスのpHが7.0以上
であること及びフェニルアラニンの脱アミノ反応が認め
られることからバージェイズ・マニュアル・オブ・シス
ティマティック・バクテリオロジー、第2巻(1984年)
に基づき、バチルス属のスフェリカス種に属する細菌で
あると同定した。
なお、バチルス・スフェリカスE−244は、工業技術
院微生物工業技術研究所に微工研条寄第2458号(FERM B
P−2458)として寄託されている。
院微生物工業技術研究所に微工研条寄第2458号(FERM B
P−2458)として寄託されている。
この菌株の培養は、原則的には一般微生物の好気的培
養で採用される方法と同じであるが、通常は、液体培地
による振とう培養法、又は通気かくはん培養法などが用
いられる。培地としては、適当な窒素源、炭素源、ビタ
ミン、ミネラルなど及び該酵素の誘導基質であるシクロ
デキストリンなどを含んだものが用いられる。pHは、前
記菌株が生育するpH域ならばいずれでもよいが、通常は
6〜8の範囲が好ましい。
養で採用される方法と同じであるが、通常は、液体培地
による振とう培養法、又は通気かくはん培養法などが用
いられる。培地としては、適当な窒素源、炭素源、ビタ
ミン、ミネラルなど及び該酵素の誘導基質であるシクロ
デキストリンなどを含んだものが用いられる。pHは、前
記菌株が生育するpH域ならばいずれでもよいが、通常は
6〜8の範囲が好ましい。
培養は、通常20〜40℃の範囲の温度において、16時間
ないし4日間程度振とう培養又は通気かくはん培養する
ことによって行われる。
ないし4日間程度振とう培養又は通気かくはん培養する
ことによって行われる。
このようにして得られた培養物から所望の酵素を得る
には、例えばまず遠心分離や膜濃縮などにより集菌した
のち、菌体を超音波処理又は界面活性剤処理などにより
破砕し、菌残渣を遠心分離などで除いて粗酵素液を得、
次いでこの粗酵素液をイオン交換クロマトグラフィー、
疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過などのカラムクロマ
トグラフィーを適宜組み合わせて実施することにより、
該酵素の精製品を得る方法を用いることができる。
には、例えばまず遠心分離や膜濃縮などにより集菌した
のち、菌体を超音波処理又は界面活性剤処理などにより
破砕し、菌残渣を遠心分離などで除いて粗酵素液を得、
次いでこの粗酵素液をイオン交換クロマトグラフィー、
疎水クロマトグラフィー、ゲルろ過などのカラムクロマ
トグラフィーを適宜組み合わせて実施することにより、
該酵素の精製品を得る方法を用いることができる。
このようにして得られた本発明に係るシクロデキスト
リナーゼと従来公知のシクロデストリナーゼとの理化学
的性質の相違点を第4表に示す。
リナーゼと従来公知のシクロデストリナーゼとの理化学
的性質の相違点を第4表に示す。
次に、酵素反応の際の6−デオキシシクロデキストリ
ンの基質濃度としては、前記のシクロデキストリナーゼ
の基質に対するKm値以上の濃度を用いるのが好ましい。
ンの基質濃度としては、前記のシクロデキストリナーゼ
の基質に対するKm値以上の濃度を用いるのが好ましい。
前記のシクロデキストリナーゼを、6−デオキシシク
ロデキストリンに作用させる反応条件は、該シクロデキ
ストリナーゼの作用pH及び温度範囲の中で、適宜選択さ
れるが、通常pH7.0〜9.0で、温度35〜45℃の範囲が用い
られる。この際必要に応じて、エタノール、ジメチルス
ルホキシドなどの有機溶媒を用いることもできる。反応
時間は、反応生成物の安定性により異なるが、通常は30
分〜48時間程度である。酵素量としては特に制限がな
く、反応時間内に生成物が最大になるような必要量を添
加すればよいが、通常は6−デオキシシクロデキストリ
ンに対し、0.5〜5単位/gが用いられる。
ロデキストリンに作用させる反応条件は、該シクロデキ
ストリナーゼの作用pH及び温度範囲の中で、適宜選択さ
れるが、通常pH7.0〜9.0で、温度35〜45℃の範囲が用い
られる。この際必要に応じて、エタノール、ジメチルス
ルホキシドなどの有機溶媒を用いることもできる。反応
時間は、反応生成物の安定性により異なるが、通常は30
分〜48時間程度である。酵素量としては特に制限がな
く、反応時間内に生成物が最大になるような必要量を添
加すればよいが、通常は6−デオキシシクロデキストリ
ンに対し、0.5〜5単位/gが用いられる。
このようにして前記したとおり一般式(III)で表わ
される各種6−デオキシオリゴ糖の混合物を得るが、出
発物質が6−デオキシ−β−シクロデキストリンの場合
には、67−デオキシマルトヘプタオース、66−デオキシ
マルトヘプタオース、65−デオキシマルトヘプタオー
ス、64−デオキシマルトヘプタオース、63−デオキシマ
ルトヘプタオース、62−デオキシマルトヘプタオース、
61−デオキシマルトヘプタオースの混合物を主成分とす
るものが、また、6−デオキシ−α−シクロデキストリ
ンの場合には、同様にして66−デオキシマルトヘキサオ
ース、65−デオキシマルトヘキサオース、64−デオキシ
マルトヘキサオース、63−デオキシマルトヘキサオー
ス、62−デオキシマルトヘキサオース、61−デオキシマ
ルトヘキサオースの混合物を主成分とするものを得る。
される各種6−デオキシオリゴ糖の混合物を得るが、出
発物質が6−デオキシ−β−シクロデキストリンの場合
には、67−デオキシマルトヘプタオース、66−デオキシ
マルトヘプタオース、65−デオキシマルトヘプタオー
ス、64−デオキシマルトヘプタオース、63−デオキシマ
ルトヘプタオース、62−デオキシマルトヘプタオース、
61−デオキシマルトヘプタオースの混合物を主成分とす
るものが、また、6−デオキシ−α−シクロデキストリ
ンの場合には、同様にして66−デオキシマルトヘキサオ
ース、65−デオキシマルトヘキサオース、64−デオキシ
マルトヘキサオース、63−デオキシマルトヘキサオー
ス、62−デオキシマルトヘキサオース、61−デオキシマ
ルトヘキサオースの混合物を主成分とするものを得る。
次に、これにエキソ型糖化酵素類を作用させて6−デ
オキシグルコースの残基が非還元末端となるように、非
還元末端側のグルコース残基を加水分解させる。この際
のエキソ型糖化酵素類としては、例えば公知のα−グル
コシダーゼ、グルコアミラーゼなどを単独で用いてもよ
いし、それらを組み合わせて用いてもよい。なお、必要
に応じ、β−アミラーゼを作用させてもよい。
オキシグルコースの残基が非還元末端となるように、非
還元末端側のグルコース残基を加水分解させる。この際
のエキソ型糖化酵素類としては、例えば公知のα−グル
コシダーゼ、グルコアミラーゼなどを単独で用いてもよ
いし、それらを組み合わせて用いてもよい。なお、必要
に応じ、β−アミラーゼを作用させてもよい。
この酵素反応によって、一般式 (式中、nは2〜6の整数である) で表わされる各種6−デオキシ−マルトオリゴ糖(すな
わち、64−デオキシマルトテトラオース、65−デオキシ
マルトペンタオース、66−デオキシマルトヘキサオー
ス、67−デオキシマルトヘプタオース、68−デオキシマ
ルトオクタオース)、63−デオキシマルトトリオース、
62−デオキシマルトース、61−デオキシグルコース及び
グルコースの混合物が得られる。
わち、64−デオキシマルトテトラオース、65−デオキシ
マルトペンタオース、66−デオキシマルトヘキサオー
ス、67−デオキシマルトヘプタオース、68−デオキシマ
ルトオクタオース)、63−デオキシマルトトリオース、
62−デオキシマルトース、61−デオキシグルコース及び
グルコースの混合物が得られる。
エキソ型糖化酵素類としてβ−アミラーゼを併用した
場合には、上記の化合部の他に6−デオキシマルトース
も生成する。このエキソ型糖化酵素類は、前記のシクロ
デキストリナーゼと共存させて酵素反応を同時的に行わ
せてもよいが、出発原料にシクロデキストリナーゼを作
用させた後で、さらに作用させるのが好ましい。特に好
ましいのは、出発原料にシクロデキストリナーゼを作用
させて、例えば生成物が最大になった際に、酸又は熱処
理などによりいったん反応を停止させ、さらに例えばオ
クタデシル化シリカゲル(ODS)カラムに通液して未反
応の原料を吸着除去するなどの精製処理を施したのち、
エキソ型糖化酵素類を作用させる方法である。シクロデ
キストリナーゼとエキソ型糖化酵素類を共存作用させる
場合の反応条件としては、両酵素に共通する作用pH、温
度範囲を適宜選択する必要があるが、通常pH7.0〜9.0、
35〜45℃で、0.5〜48時間の条件が用いられる。
場合には、上記の化合部の他に6−デオキシマルトース
も生成する。このエキソ型糖化酵素類は、前記のシクロ
デキストリナーゼと共存させて酵素反応を同時的に行わ
せてもよいが、出発原料にシクロデキストリナーゼを作
用させた後で、さらに作用させるのが好ましい。特に好
ましいのは、出発原料にシクロデキストリナーゼを作用
させて、例えば生成物が最大になった際に、酸又は熱処
理などによりいったん反応を停止させ、さらに例えばオ
クタデシル化シリカゲル(ODS)カラムに通液して未反
応の原料を吸着除去するなどの精製処理を施したのち、
エキソ型糖化酵素類を作用させる方法である。シクロデ
キストリナーゼとエキソ型糖化酵素類を共存作用させる
場合の反応条件としては、両酵素に共通する作用pH、温
度範囲を適宜選択する必要があるが、通常pH7.0〜9.0、
35〜45℃で、0.5〜48時間の条件が用いられる。
また、前記のシクロデキストリナーゼの作用後、エキ
ソ型糖化酵素類を作用させる場合の反応条件としては、
用いる酵素の作用pH、温度範囲の中から適宜選択される
が、通常はpH4.0〜7.5、35〜45℃で、0.5〜48時間の条
件が用いられる。この際のエキソ型糖化酵素類の使用量
には特に制限はないが、通常6−デオキシシクロデキス
トリンに対し10〜100単位/gの範囲が用いられる。この
酵素反応は、例えば酸又は熱処理などによって停止され
る。
ソ型糖化酵素類を作用させる場合の反応条件としては、
用いる酵素の作用pH、温度範囲の中から適宜選択される
が、通常はpH4.0〜7.5、35〜45℃で、0.5〜48時間の条
件が用いられる。この際のエキソ型糖化酵素類の使用量
には特に制限はないが、通常6−デオキシシクロデキス
トリンに対し10〜100単位/gの範囲が用いられる。この
酵素反応は、例えば酸又は熱処理などによって停止され
る。
次に、このようにして得られた6−デオキシマルトオ
リゴ糖含有反応液から、目的化合物の前記一般式(I)
に表わされる6−デオキシマルトオリゴ糖を得るには、
通常のオリゴ糖分離方法、例えば、反応液から未反応の
6−デオキシシクロデキストリンを除き、さらに活性炭
カラムクロマトグラフィー、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー、薄層クロマトグラフィーなどを用いて分画
採取する方法によって分離、精製する。また、未反応の
6−デオキシシクロデキストリンの除去は、例えば冷却
処理、有機溶媒添加処理、吸着カラム処理などの公知の
方法によって行うことができる。
リゴ糖含有反応液から、目的化合物の前記一般式(I)
に表わされる6−デオキシマルトオリゴ糖を得るには、
通常のオリゴ糖分離方法、例えば、反応液から未反応の
6−デオキシシクロデキストリンを除き、さらに活性炭
カラムクロマトグラフィー、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー、薄層クロマトグラフィーなどを用いて分画
採取する方法によって分離、精製する。また、未反応の
6−デオキシシクロデキストリンの除去は、例えば冷却
処理、有機溶媒添加処理、吸着カラム処理などの公知の
方法によって行うことができる。
このようにして得られた前記一般式(IV)で表される
6−デオキシマルトオリゴ糖の水酸基を公知の方法でア
セチル化すれば、一般式 (式中のnは2〜6の整数である) で表わされるアセチル−6−デオキシマルトオリゴ糖、
例えば、ヘキサデカ−O−アセチル−65−デオキシマル
トペンタオース、ノナデカ−O−アセチル−66−デオキ
シマルトヘキサオース、ドコサ−O−アセチル−67−デ
オキシマルトヘプタオースなどが得られる。
6−デオキシマルトオリゴ糖の水酸基を公知の方法でア
セチル化すれば、一般式 (式中のnは2〜6の整数である) で表わされるアセチル−6−デオキシマルトオリゴ糖、
例えば、ヘキサデカ−O−アセチル−65−デオキシマル
トペンタオース、ノナデカ−O−アセチル−66−デオキ
シマルトヘキサオース、ドコサ−O−アセチル−67−デ
オキシマルトヘプタオースなどが得られる。
このアセチル化法としては、例えば6−デオキシマル
トオリゴ糖に、ピリジン、トリエチルアミンなどの有機
塩基の存在下で、無水酢酸又はハロゲン化アセチルなど
を100〜200倍モル加え、10〜40℃で10〜80時間反応させ
る方法を挙げることができる〔「ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)第72巻、第2
19ページ(1972)参照〕。
トオリゴ糖に、ピリジン、トリエチルアミンなどの有機
塩基の存在下で、無水酢酸又はハロゲン化アセチルなど
を100〜200倍モル加え、10〜40℃で10〜80時間反応させ
る方法を挙げることができる〔「ジャーナル・オブ・モ
レキュラー・バイオロジー(J.Mol.Biol.)第72巻、第2
19ページ(1972)参照〕。
次に、このものの還元末端グルコースの1位を、公知
の方法でブロム化してアセチル−6−デオキシマルトオ
リゴシルブロミド(例えばα−ペンタデカ−O−アセチ
ル−65−デオキシマルトペンタオシルブロミド、α−オ
クタデカ−O−アセチル−66−デオキシマルトヘキサオ
シルブロミド、α−ヘンエイコサ−O−アセチル−67−
デオキシマルトヘプタオシルブロミドなど)を得る。
の方法でブロム化してアセチル−6−デオキシマルトオ
リゴシルブロミド(例えばα−ペンタデカ−O−アセチ
ル−65−デオキシマルトペンタオシルブロミド、α−オ
クタデカ−O−アセチル−66−デオキシマルトヘキサオ
シルブロミド、α−ヘンエイコサ−O−アセチル−67−
デオキシマルトヘプタオシルブロミドなど)を得る。
このブロム化法としては、例えばアセチル−6−デオ
キシマルトオリゴ糖に、ジクロロメタンなどの非極性溶
媒中で、必要に応じて触媒量の水の存在下、三臭化リン
又は三臭化チタンなどを0.5〜3倍モル添加し、10〜40
℃で2〜50時間反応させる方法などが用いられる(例え
ば特開昭60−202893号公報参照)。
キシマルトオリゴ糖に、ジクロロメタンなどの非極性溶
媒中で、必要に応じて触媒量の水の存在下、三臭化リン
又は三臭化チタンなどを0.5〜3倍モル添加し、10〜40
℃で2〜50時間反応させる方法などが用いられる(例え
ば特開昭60−202893号公報参照)。
次いで、このものに公知の方法で前記芳香族発色性基
を有する芳香族化合物を作用させて還元末端グルコース
の1位をグルコシル化し、アセチル−6−デオキシマル
トオリゴシド誘導体を得る。この誘導体としては、例え
ば2−クロロ−4−ニトロフェニルペンタデカ−O−ア
セチル−65−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド、
フェノールインド−3′−クロロフェニルペンタデカ−
O−アセチル−65−デオキシβ−D−マルトペンタオシ
ド、4−ニトロフェニルヘンエイコサ−O−アセチル−
67−デオキシ−β−D−マルトヘプタオシド、2−クロ
ロ−4−ニトロフェニルヘンエイコサ−O−アセチル−
67−デオキシ−β−D−マルトヘプタオシドなどが挙げ
られる。
を有する芳香族化合物を作用させて還元末端グルコース
の1位をグルコシル化し、アセチル−6−デオキシマル
トオリゴシド誘導体を得る。この誘導体としては、例え
ば2−クロロ−4−ニトロフェニルペンタデカ−O−ア
セチル−65−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド、
フェノールインド−3′−クロロフェニルペンタデカ−
O−アセチル−65−デオキシβ−D−マルトペンタオシ
ド、4−ニトロフェニルヘンエイコサ−O−アセチル−
67−デオキシ−β−D−マルトヘプタオシド、2−クロ
ロ−4−ニトロフェニルヘンエイコサ−O−アセチル−
67−デオキシ−β−D−マルトヘプタオシドなどが挙げ
られる。
このグルコシル化法としては、例えばアセチル−6−
デオキシマルトオリゴシルブロミドに、アセトニトリ
ル、ニトロメタンなどの非プロトン性溶媒中で、必要に
応じて酸化銀、炭酸銀などの銀化合物の存在下で、前記
芳香族化合物又はそのアルカリ金属塩を2〜10倍モル添
加し、20〜50℃で5〜50時間反応させる方法などが用い
られる(例えば特公昭62−283989号公報参照)。
デオキシマルトオリゴシルブロミドに、アセトニトリ
ル、ニトロメタンなどの非プロトン性溶媒中で、必要に
応じて酸化銀、炭酸銀などの銀化合物の存在下で、前記
芳香族化合物又はそのアルカリ金属塩を2〜10倍モル添
加し、20〜50℃で5〜50時間反応させる方法などが用い
られる(例えば特公昭62−283989号公報参照)。
次に、前記誘導体を、公知の方法で脱アセチル化して
前記一般式(I)で表わされる6−デオキシマルトオリ
ゴシド誘導体を得る。この脱アセチル化反応としては、
例えばアセチル−6−デオキシマルトオリゴシド誘導体
に、メタノールなどのアルコール類中で、アンモニア水
を100〜200倍モル添加し、20〜50℃で5〜50時間反応さ
せる方法などが用いられる〔「カナディアン・ジャーナ
ル・オブ・ケミストリー(Can.J.Chem.)」、第49巻、
第493ページ(1971)参照〕。
前記一般式(I)で表わされる6−デオキシマルトオリ
ゴシド誘導体を得る。この脱アセチル化反応としては、
例えばアセチル−6−デオキシマルトオリゴシド誘導体
に、メタノールなどのアルコール類中で、アンモニア水
を100〜200倍モル添加し、20〜50℃で5〜50時間反応さ
せる方法などが用いられる〔「カナディアン・ジャーナ
ル・オブ・ケミストリー(Can.J.Chem.)」、第49巻、
第493ページ(1971)参照〕。
B法:一般式 (式中のRは前記と同じ意味を有し、nは2〜6の整数
である) で表わされるマルトオリゴシド誘導体、例えば2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−β−D−マルトペンタオシ
ド、4−ニトロフェニル−α−D−マルトヘプタオシ
ド、フェノールインドフェニル−β−D−マルトペンタ
オシドなどに、一般式 (式中のR16、R17は水素原子又は炭化水素基であり、そ
れらは互いに結合して環を形成してもよい) で表わされるカルボニル化合物又はそのアセタールを反
応させて、一般式 (式中のR16,R17,R及びnは前記と同じ意味を有する) で表わされるアルキリデン−又はアリーリデン−マルト
オリゴシド誘導体、例えば2クロロ−4−ニトロフェニ
ル ベンジリデン−β−D−マルトペンタオシド、4−
ニトロフェニル イソプロピリデン−α−D−マルトヘ
プタオシド、フェノールインド−3′−クロロフェニル
エチリデン−β−D−マルトテトラオシドなどを得
る。
である) で表わされるマルトオリゴシド誘導体、例えば2−クロ
ロ−4−ニトロフェニル−β−D−マルトペンタオシ
ド、4−ニトロフェニル−α−D−マルトヘプタオシ
ド、フェノールインドフェニル−β−D−マルトペンタ
オシドなどに、一般式 (式中のR16、R17は水素原子又は炭化水素基であり、そ
れらは互いに結合して環を形成してもよい) で表わされるカルボニル化合物又はそのアセタールを反
応させて、一般式 (式中のR16,R17,R及びnは前記と同じ意味を有する) で表わされるアルキリデン−又はアリーリデン−マルト
オリゴシド誘導体、例えば2クロロ−4−ニトロフェニ
ル ベンジリデン−β−D−マルトペンタオシド、4−
ニトロフェニル イソプロピリデン−α−D−マルトヘ
プタオシド、フェノールインド−3′−クロロフェニル
エチリデン−β−D−マルトテトラオシドなどを得
る。
前記一般式(VI)で表わされるマルトオリゴシド誘導
体と、前記一般式(VII)で表わされるカルボニル化合
物又はそのアセタールとの反応は、例えばジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール
ジメチルエーテルなどの非プロトン性極性溶媒中におい
て、硫酸、塩化水素、p−トルエンスルホン酸、無水塩
化亜鉛のような触媒の存在下で行う。このようにして得
られた前記一般式(VIII)で表わされるアルキリデン−
又はアリーリデン・マルトオリゴシド誘導体をアシル化
してアシルアルキリデン−又はアシルアリーリデン・マ
ルト オリゴシド誘導体、例えば2−クロロ−4−ニト
ロフェニル テトラデカ−O−アセチル−ベンジリデン
−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル
エイコサ−O−ベンゾイル−イソプロピリデン−α−D
−マルトヘプタオシド、フェノールインド−3′−クロ
ロフェニル ウンデカ−O−ブチリル−エチリデン−β
−D−マルトテトラオシドなどを得る。この際、アシル
化剤としては、例えば酢酸、モノクロロ酢酸、プロピオ
ン酸、α−クロロプロピオン酸、β−クロロプロピオン
酸、n−酪酸、安息香酸などや、これらの酸無水物、酸
クロリド、エステルなどの反応性誘導体が用いられる。
アシル化反応の条件については特に制限はなく、従来ア
シル化において慣用されている条件を用いることができ
る。
体と、前記一般式(VII)で表わされるカルボニル化合
物又はそのアセタールとの反応は、例えばジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、エチレングリコール
ジメチルエーテルなどの非プロトン性極性溶媒中におい
て、硫酸、塩化水素、p−トルエンスルホン酸、無水塩
化亜鉛のような触媒の存在下で行う。このようにして得
られた前記一般式(VIII)で表わされるアルキリデン−
又はアリーリデン・マルトオリゴシド誘導体をアシル化
してアシルアルキリデン−又はアシルアリーリデン・マ
ルト オリゴシド誘導体、例えば2−クロロ−4−ニト
ロフェニル テトラデカ−O−アセチル−ベンジリデン
−β−D−マルトペンタオシド、4−ニトロフェニル
エイコサ−O−ベンゾイル−イソプロピリデン−α−D
−マルトヘプタオシド、フェノールインド−3′−クロ
ロフェニル ウンデカ−O−ブチリル−エチリデン−β
−D−マルトテトラオシドなどを得る。この際、アシル
化剤としては、例えば酢酸、モノクロロ酢酸、プロピオ
ン酸、α−クロロプロピオン酸、β−クロロプロピオン
酸、n−酪酸、安息香酸などや、これらの酸無水物、酸
クロリド、エステルなどの反応性誘導体が用いられる。
アシル化反応の条件については特に制限はなく、従来ア
シル化において慣用されている条件を用いることができ
る。
次いで、このようにして得たアシルアルキルリデン−
又はアシルアリーリデン・マルトオリゴシド誘導体に、
脱アルキリデン化又は脱アリーリデン化反応を行い、一
般式 (式中のR18はアシル基であり、R及びnは前記と同じ
意味を有する) で表わされる部分アシル化マルトオリゴシド誘導体、例
えば2−クロロ−4−ニトロフェニル−O−(2,3−ジ
−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→
4)−トリス〔O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α
−D−グルコピラノシル)−(1→4)〕−2,3,6−ト
リ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド、4−ニ
トロフェニル−O−(2,3−ジ−O−ベンゾイル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)−ペンタキス〔O
−(2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)〕−2,3,6−トリ−O−ベンゾ
イル−α−D−グルコピラノシドなどを得る。
又はアシルアリーリデン・マルトオリゴシド誘導体に、
脱アルキリデン化又は脱アリーリデン化反応を行い、一
般式 (式中のR18はアシル基であり、R及びnは前記と同じ
意味を有する) で表わされる部分アシル化マルトオリゴシド誘導体、例
えば2−クロロ−4−ニトロフェニル−O−(2,3−ジ
−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→
4)−トリス〔O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α
−D−グルコピラノシル)−(1→4)〕−2,3,6−ト
リ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシド、4−ニ
トロフェニル−O−(2,3−ジ−O−ベンゾイル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)−ペンタキス〔O
−(2,3,6−トリ−O−ベンゾイル−α−D−グルコピ
ラノシル)−(1→4)〕−2,3,6−トリ−O−ベンゾ
イル−α−D−グルコピラノシドなどを得る。
上記の脱アルキリデン化反応又は脱アリーリデン化反
応の条件については特に制限はなく、公知の方法、例え
ば酢酸又はギ酸を作用させる方法〔例えば「ジャーナル
・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.A
m.Chem.Soc.)」、第84巻、第430ページ(1962)参照〕
を用いて行うことができる。
応の条件については特に制限はなく、公知の方法、例え
ば酢酸又はギ酸を作用させる方法〔例えば「ジャーナル
・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(J.A
m.Chem.Soc.)」、第84巻、第430ページ(1962)参照〕
を用いて行うことができる。
次に、このようにして得た前記一般式(IX)で表わさ
れる部分アシル化マルトオリゴシド誘導体に、一般式 (式中、R19〜R23は水素原子、アルキル基、ニトロ基又
はハロゲン原子を示し、それらはそれぞれ同一であって
も良いし、また互いに異なっていてもよく、またR19とR
20又はR20とR21が互いに結合して縮合芳香環を形成して
もよい。またYはハロゲン原子を示す) で表わされるアリールスルホニルハライドを反応させて
前記一般式(IX)における非還元末端グルコースの6位
の水酸基をアリールスルオン化してアシルアリールスル
ホニル−マルトオリゴ糖、例えば2−クロロ−4−ニト
ロフェニル テトラデカ−O−アセチル−65−デオキシ
−p−トルエンスルホニル−β−D−マルトペンタオシ
ド、4−ニトロフェニル エイコサ−O−ベンゾイル−
67−デオキシ−β−ナフタレンスルホニル−α−D−マ
ルトヘプタオシド、フェノールインド−3′−フルオロ
フェニル ウンデカ−O−ブチリル−64−デオキシ−2,
4,6−トリメチルベンゼンスルホニル−β−D−マルト
テトラオシドなどを得る。
れる部分アシル化マルトオリゴシド誘導体に、一般式 (式中、R19〜R23は水素原子、アルキル基、ニトロ基又
はハロゲン原子を示し、それらはそれぞれ同一であって
も良いし、また互いに異なっていてもよく、またR19とR
20又はR20とR21が互いに結合して縮合芳香環を形成して
もよい。またYはハロゲン原子を示す) で表わされるアリールスルホニルハライドを反応させて
前記一般式(IX)における非還元末端グルコースの6位
の水酸基をアリールスルオン化してアシルアリールスル
ホニル−マルトオリゴ糖、例えば2−クロロ−4−ニト
ロフェニル テトラデカ−O−アセチル−65−デオキシ
−p−トルエンスルホニル−β−D−マルトペンタオシ
ド、4−ニトロフェニル エイコサ−O−ベンゾイル−
67−デオキシ−β−ナフタレンスルホニル−α−D−マ
ルトヘプタオシド、フェノールインド−3′−フルオロ
フェニル ウンデカ−O−ブチリル−64−デオキシ−2,
4,6−トリメチルベンゼンスルホニル−β−D−マルト
テトラオシドなどを得る。
前記一般式(X)で表わされるアリールスルホニルハ
ライドとしては、例えばp−トルエンスルホニルクロリ
ド、β−ナフタレンスルホニルクロリド、2,4−ジニト
ロベンゼンスルホニルブロミド、2,4,6−トリメチルベ
ンゼンスルホニルクロリドなどが挙げられる。このアリ
ールスルホニル化反応の条件について特に制限はない
が、通常ピリジン中室温下でアリールスルホニルハライ
ドを2〜20倍モル作用させることによって行われる。次
いで、上記アシルアリールスルホニルマルトオリゴ糖を
還元的に脱アリールスルホン化して前記一般式(IX)に
おける非還元末端グルコースの6位の水酸基が水素原子
で置換された部分アシル化6−デオキシマルトオリゴシ
ド誘導体、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル テ
トラデカ−O−アセチル−65−デオキシ−β−D−マル
トペンタオシド、4−ニトロフェニル エイコサ−O−
ベンゾイル−67−デオキシ−α−D−マルトヘプタオシ
ド、フェノールインド−3′−クロロフェニル ウンデ
カ−O−ブチリル−64−デオキシ−β−D−マルトテト
ラオシドなどを得る。
ライドとしては、例えばp−トルエンスルホニルクロリ
ド、β−ナフタレンスルホニルクロリド、2,4−ジニト
ロベンゼンスルホニルブロミド、2,4,6−トリメチルベ
ンゼンスルホニルクロリドなどが挙げられる。このアリ
ールスルホニル化反応の条件について特に制限はない
が、通常ピリジン中室温下でアリールスルホニルハライ
ドを2〜20倍モル作用させることによって行われる。次
いで、上記アシルアリールスルホニルマルトオリゴ糖を
還元的に脱アリールスルホン化して前記一般式(IX)に
おける非還元末端グルコースの6位の水酸基が水素原子
で置換された部分アシル化6−デオキシマルトオリゴシ
ド誘導体、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル テ
トラデカ−O−アセチル−65−デオキシ−β−D−マル
トペンタオシド、4−ニトロフェニル エイコサ−O−
ベンゾイル−67−デオキシ−α−D−マルトヘプタオシ
ド、フェノールインド−3′−クロロフェニル ウンデ
カ−O−ブチリル−64−デオキシ−β−D−マルトテト
ラオシドなどを得る。
この還元的脱スルホニル化反応の条件については特に
制限はないが、通常ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒中で、40〜60℃
の温度でNaBH4又はNaBH3CN等を20〜100倍モルの割合で
作用させて行う。
制限はないが、通常ジメチルスルホキシド、ジメチルホ
ルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒中で、40〜60℃
の温度でNaBH4又はNaBH3CN等を20〜100倍モルの割合で
作用させて行う。
最後に、上記部分アシル化6−デオキシマルトオリゴ
シド誘導体を脱アシル化して、前記一般式(I)で表わ
される目的化合物6−デオキシマルトオリゴシド誘導体
を得る。
シド誘導体を脱アシル化して、前記一般式(I)で表わ
される目的化合物6−デオキシマルトオリゴシド誘導体
を得る。
この脱アシル化反応の条件についても特に制限はない
が、例えば前記A法における脱アセチル化反応がそのま
ま用いられる。
が、例えば前記A法における脱アセチル化反応がそのま
ま用いられる。
C法:一般式 (式中のRは前記と同じ意味を有する) で表わされる公知のアリールグルコシド誘導体に、前記
一般式(II)で表わされる6−デオキシシクロデキスト
リンを加え、公知の酵素シクロデキストリングルコシル
トランスフェラーゼを作用させて、一般式 (式中のXは1個が水素原子で、n個が水酸基であり、
R及びnは前記と同じ意味を有する) で表わされる6−デオキシマルトオリゴシド誘導体の混
合物を得、次いでこれに前記エキソ型糖化酵素類を作用
させることにより、前記一般式(I)で表わされる目的
とする6−デオキシマルトオリゴシド誘導体を得る。
一般式(II)で表わされる6−デオキシシクロデキスト
リンを加え、公知の酵素シクロデキストリングルコシル
トランスフェラーゼを作用させて、一般式 (式中のXは1個が水素原子で、n個が水酸基であり、
R及びnは前記と同じ意味を有する) で表わされる6−デオキシマルトオリゴシド誘導体の混
合物を得、次いでこれに前記エキソ型糖化酵素類を作用
させることにより、前記一般式(I)で表わされる目的
とする6−デオキシマルトオリゴシド誘導体を得る。
前記一般式(XI)で表わされるアリールグルコシド誘
導体としては、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル
−β−D−グルコシド、4−ニトロフェニル−α−D−
グルコシド、フェノールインド−3′,5′−ジクロロフ
ェニル−β−D−グルコシドなどが挙げられる。
導体としては、例えば2−クロロ−4−ニトロフェニル
−β−D−グルコシド、4−ニトロフェニル−α−D−
グルコシド、フェノールインド−3′,5′−ジクロロフ
ェニル−β−D−グルコシドなどが挙げられる。
この反応は、水溶液中で緩衝剤の存在下で行われる。
この際の前記一般式(VIII)で表わされる化合物の濃度
は、通常0.01〜1g/ml、好ましくは0.02〜0.2g/mlの範囲
で選ばれ、一方、6−デオキシシクロデキストリン類の
濃度は、通常1〜200mg/ml、好ましくは100〜200mg/ml
の範囲で選ばれる。また、シクロデキストリングルコシ
ルトランスフェラーゼの起源については特に制限はない
が、例えばバチルス・マセランス、バチルス・メガテリ
ウム、バチルス・サーキュランスなどから得られたもの
が好ましい。その濃度は、通常0.3〜3単位/ml、好まし
くは0.5〜1.5単位/mlの範囲で選ばれる。
この際の前記一般式(VIII)で表わされる化合物の濃度
は、通常0.01〜1g/ml、好ましくは0.02〜0.2g/mlの範囲
で選ばれ、一方、6−デオキシシクロデキストリン類の
濃度は、通常1〜200mg/ml、好ましくは100〜200mg/ml
の範囲で選ばれる。また、シクロデキストリングルコシ
ルトランスフェラーゼの起源については特に制限はない
が、例えばバチルス・マセランス、バチルス・メガテリ
ウム、バチルス・サーキュランスなどから得られたもの
が好ましい。その濃度は、通常0.3〜3単位/ml、好まし
くは0.5〜1.5単位/mlの範囲で選ばれる。
D法: 前記一般式(XI)で表わされる公知のアリールグルコ
シド誘導体と前記一般式(IV)(ただし、式中のnは1
〜3の整数を示す)で表わされる6−デオキシ−マルト
オリゴ等とを混合し、これに公知酵素マルトテトラオー
ス生成アミラーゼ、マルトペンタオース生成アミラーゼ
などを目的化合物との関連で適宜選択して作用させて転
移反応を行わせることにより、目的とする6−デオキシ
マルトオリゴシド誘導体を得ることができる。
シド誘導体と前記一般式(IV)(ただし、式中のnは1
〜3の整数を示す)で表わされる6−デオキシ−マルト
オリゴ等とを混合し、これに公知酵素マルトテトラオー
ス生成アミラーゼ、マルトペンタオース生成アミラーゼ
などを目的化合物との関連で適宜選択して作用させて転
移反応を行わせることにより、目的とする6−デオキシ
マルトオリゴシド誘導体を得ることができる。
これらの転移反応の条件については特に制限はない
が、それぞれのマルトオリゴ糖生成酵素に適した温度、
濃度、液性、反応時間を選択することにより適確な反応
条件を得ることができる。
が、それぞれのマルトオリゴ糖生成酵素に適した温度、
濃度、液性、反応時間を選択することにより適確な反応
条件を得ることができる。
以上のように各種製法により得られた前記一般式
(I)で表わされる6−デオキシマルトオリゴシド誘導
体は、α−アミラーゼ活性の測定に極めて有用であり、
この6−デオキシマルトオリゴシド誘導体を用いてα−
アミラーゼ活性を測定することができる。
(I)で表わされる6−デオキシマルトオリゴシド誘導
体は、α−アミラーゼ活性の測定に極めて有用であり、
この6−デオキシマルトオリゴシド誘導体を用いてα−
アミラーゼ活性を測定することができる。
前記したように、一般式(I)で表される6−デオキ
シマルトオリゴシド誘導体には、α−アノマーとβ−ア
ノマーが存在するが、α−アミラーゼ活性の測定に際し
て、α−アノマーのみを用いる場合には、共役酵素系と
してα−グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼを
用いることが必要であり、またβ−アノマーのみあるい
はα−アノマーとβ−アノマーの混合物を用いる場合に
はα−グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼに加
えてさらにβ−グルコシダーゼを併用することが必要で
ある。
シマルトオリゴシド誘導体には、α−アノマーとβ−ア
ノマーが存在するが、α−アミラーゼ活性の測定に際し
て、α−アノマーのみを用いる場合には、共役酵素系と
してα−グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼを
用いることが必要であり、またβ−アノマーのみあるい
はα−アノマーとβ−アノマーの混合物を用いる場合に
はα−グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼに加
えてさらにβ−グルコシダーゼを併用することが必要で
ある。
α−アミラーゼ活性を測定するための有利な系として
は、例えば一般式(I)で表わされるα−及び/又はβ
−6−デオキシマルトオリゴシド誘導体1〜20mM及び緩
衝剤2〜100mMを含有し、かつ共役酵素としてα−グル
コシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼをそれぞれ15〜
150単位/ml、該誘導体がβ−アノマーを含むときは、さ
らにβ−グルコシダーゼ5〜50単位/mlとを含有するpH4
〜10の系が挙げられる。この系に用いられる緩衝剤とし
ては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、トリス−(ヒ
ドロキシメチル)−アミノメタン、ホウ酸塩、クエン酸
塩、ジメチルグルタル酸塩などが挙げられる。α−グル
コシダーゼは動物、植物、微生物などいかなる起源のも
のを用いてもよいが、特に酵母起源のものが基質特異性
の点から好ましい。また、グルコアミラーゼもいかなる
起源のものを用いてもよいが、例えばリゾプス属sp.(R
hizopus sp.)などに由来するものが好適である。ま
た、β−グルコシダーゼもいかなる起源のものを用いて
もよく、例えばアーモンドの種子から得たものが用いら
れる。
は、例えば一般式(I)で表わされるα−及び/又はβ
−6−デオキシマルトオリゴシド誘導体1〜20mM及び緩
衝剤2〜100mMを含有し、かつ共役酵素としてα−グル
コシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼをそれぞれ15〜
150単位/ml、該誘導体がβ−アノマーを含むときは、さ
らにβ−グルコシダーゼ5〜50単位/mlとを含有するpH4
〜10の系が挙げられる。この系に用いられる緩衝剤とし
ては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、トリス−(ヒ
ドロキシメチル)−アミノメタン、ホウ酸塩、クエン酸
塩、ジメチルグルタル酸塩などが挙げられる。α−グル
コシダーゼは動物、植物、微生物などいかなる起源のも
のを用いてもよいが、特に酵母起源のものが基質特異性
の点から好ましい。また、グルコアミラーゼもいかなる
起源のものを用いてもよいが、例えばリゾプス属sp.(R
hizopus sp.)などに由来するものが好適である。ま
た、β−グルコシダーゼもいかなる起源のものを用いて
もよく、例えばアーモンドの種子から得たものが用いら
れる。
本発明においては、このような系に、前記成分以外
に、本発明の目的をそこなわない範囲で、さらに必要に
応じて慣用の種々の添加成分、例えば溶解補助剤、安定
化剤としてグリセリン、牛血清アルブミン、α−又はβ
−シクロデキストリン、トリトンX100などを加えてもよ
い。さらに、α−アミラーゼ活性剤として、NaCl、MgCl
2、MgSO4、CaCl2、CaCl2・2H2Oなどの形で用いられるCl
-イオン、Ca2+イオン、Mg2+イオンなどを加えてもよ
い。これらの添加成分は1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよく、また、前記系調製の適当
な段階で加えてもよい。
に、本発明の目的をそこなわない範囲で、さらに必要に
応じて慣用の種々の添加成分、例えば溶解補助剤、安定
化剤としてグリセリン、牛血清アルブミン、α−又はβ
−シクロデキストリン、トリトンX100などを加えてもよ
い。さらに、α−アミラーゼ活性剤として、NaCl、MgCl
2、MgSO4、CaCl2、CaCl2・2H2Oなどの形で用いられるCl
-イオン、Ca2+イオン、Mg2+イオンなどを加えてもよ
い。これらの添加成分は1種用いてもよいし、2種以上
を組み合わせて用いてもよく、また、前記系調製の適当
な段階で加えてもよい。
本発明の試薬は、乾燥物あるいは溶解した形で用いて
もよいし、薄膜状の担体、例えばシート、含浸性の紙な
どに含浸させて用いてもよい。このような本発明の試薬
を用いることにより、各種の試料に含有されるα−アミ
ラーゼ活性を簡単な操作で正確に、かつ高感度で測定す
ることができる。
もよいし、薄膜状の担体、例えばシート、含浸性の紙な
どに含浸させて用いてもよい。このような本発明の試薬
を用いることにより、各種の試料に含有されるα−アミ
ラーゼ活性を簡単な操作で正確に、かつ高感度で測定す
ることができる。
次に、本発明のα−アミラーゼ活性の測定方法の好適
な1例について説明すると、先ず、α−アミラーゼを含
む試料に、共役酵素としてのα−グルコシダーゼ及び/
又はグルコアミラーゼをそれぞれ15〜150単位/ml、好ま
しくは30〜70単位/ml加え、前記一般式(I)で表わさ
れる6−デオキシマルトオリゴシド誘導体がβ−アノマ
ーを含む場合は、さらにβ−グルコシダーゼを5〜50単
位/ml、好ましくは5〜15単位/ml加え、同時又は順次に
該誘導体1〜20mM、好ましくは2〜6mM及び緩衝剤を添
加したのち、温度25〜50℃、pH4〜10の条件にて1分間
以上、好ましくは2〜60分間酵素反応させ、次いで生成
する芳香族発色性化合物を常法によりそのままあるいは
必要によりpHを変化させたのち、又は縮合反応を行った
のちに、適当な吸光波長で連続的もしくは断続的に吸光
度値を測定し、あらかじめ測定したα−アミラーゼ標品
の吸光度値と対比させて試料中のα−アミラーゼ活性を
算出する。
な1例について説明すると、先ず、α−アミラーゼを含
む試料に、共役酵素としてのα−グルコシダーゼ及び/
又はグルコアミラーゼをそれぞれ15〜150単位/ml、好ま
しくは30〜70単位/ml加え、前記一般式(I)で表わさ
れる6−デオキシマルトオリゴシド誘導体がβ−アノマ
ーを含む場合は、さらにβ−グルコシダーゼを5〜50単
位/ml、好ましくは5〜15単位/ml加え、同時又は順次に
該誘導体1〜20mM、好ましくは2〜6mM及び緩衝剤を添
加したのち、温度25〜50℃、pH4〜10の条件にて1分間
以上、好ましくは2〜60分間酵素反応させ、次いで生成
する芳香族発色性化合物を常法によりそのままあるいは
必要によりpHを変化させたのち、又は縮合反応を行った
のちに、適当な吸光波長で連続的もしくは断続的に吸光
度値を測定し、あらかじめ測定したα−アミラーゼ標品
の吸光度値と対比させて試料中のα−アミラーゼ活性を
算出する。
本発明に用いられるα−アミラーゼ含有試料について
は、α−アミラーゼを含有するものであればよく、特に
制限はないが、具体的には微生物の培養液、植物の抽出
液、あるいは動物の体液や組織及びそれらの抽出液など
を用いることができる。α−アミラーゼ含有試料が固体
の場合には、いったん緩衝液に溶解又は懸濁させるのが
よい。この緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、
炭酸塩、トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタ
ン、ホウ酸塩、クエン酸塩、ジメチルグルタン酸塩など
が挙げられる。
は、α−アミラーゼを含有するものであればよく、特に
制限はないが、具体的には微生物の培養液、植物の抽出
液、あるいは動物の体液や組織及びそれらの抽出液など
を用いることができる。α−アミラーゼ含有試料が固体
の場合には、いったん緩衝液に溶解又は懸濁させるのが
よい。この緩衝剤としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、
炭酸塩、トリス−(ヒドロキシメチル)−アミノメタ
ン、ホウ酸塩、クエン酸塩、ジメチルグルタン酸塩など
が挙げられる。
発明の効果 本発明の前記一般式(I)で表わされる6−デオキシ
マルトオリゴシド誘導体は、新規な化合物であって、α
−アミラーゼ活性測定用試薬として極めて有用であり、
このものを用いることにより、試料中に含まれるグルコ
ース、マルトース、ビリルビン、ヘモグロビンなどの影
響を受けることなく、α−アミラーゼ活性を自動分析
法、用手法などにより、精度よく短時間で容易に測定す
ることができる上に、共役酵素を共存させても長期間に
わたって安定状態を維持しうるという利点がある。
マルトオリゴシド誘導体は、新規な化合物であって、α
−アミラーゼ活性測定用試薬として極めて有用であり、
このものを用いることにより、試料中に含まれるグルコ
ース、マルトース、ビリルビン、ヘモグロビンなどの影
響を受けることなく、α−アミラーゼ活性を自動分析
法、用手法などにより、精度よく短時間で容易に測定す
ることができる上に、共役酵素を共存させても長期間に
わたって安定状態を維持しうるという利点がある。
実施例 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1 2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオ
キシ−β−D−マルトペンタオシドの製造 (1) 6−トシル−β−シクロデキストリンの合成 市販のβ−シクロデキストリン〔和光純薬工業(株)
製〕5.00g(4.41mmol)をピリジン50mlに溶解したの
ち、これにトシルクロリド10.0g(52.4mmol)を加え、
室温で5時間かきまぜながら反応させた。ついでこの反
応液のピリジンを減圧下に留去させたのち、残渣に水10
0ml及びベンゼン150mlをかきまぜながら添加し、固形物
を析出させた。
キシ−β−D−マルトペンタオシドの製造 (1) 6−トシル−β−シクロデキストリンの合成 市販のβ−シクロデキストリン〔和光純薬工業(株)
製〕5.00g(4.41mmol)をピリジン50mlに溶解したの
ち、これにトシルクロリド10.0g(52.4mmol)を加え、
室温で5時間かきまぜながら反応させた。ついでこの反
応液のピリジンを減圧下に留去させたのち、残渣に水10
0ml及びベンゼン150mlをかきまぜながら添加し、固形物
を析出させた。
次に、この固形物をグラスフィルターでろ別し、アセ
トン50mlで2回洗浄したのち、ろ取物をODSカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、エタノール−水混合液
(容量比1:9)で溶出した目的画分を濃縮して、水から
再結晶することにより、6−トシル−β−シクロデキス
トリン1.63g(1.26mmol、収率28.6%)が得られた。
トン50mlで2回洗浄したのち、ろ取物をODSカラムクロ
マトグラフィーにより精製し、エタノール−水混合液
(容量比1:9)で溶出した目的画分を濃縮して、水から
再結晶することにより、6−トシル−β−シクロデキス
トリン1.63g(1.26mmol、収率28.6%)が得られた。
このものの融点、赤外吸収スペクトル及び核磁気共鳴
スペクトルを次に示す。
スペクトルを次に示す。
融点(℃):172.0〜174.0(分解) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3400,2930,1642,1632,160
0,1424,1360,1300,1178,1156,1078,1028 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm:(DMSO−d6)2.44
(3H,s),3.15〜4.45(m),4.76(2H,br,s),4.85(5
H,br,s),7.44(1H,d,J=8.8Hz),7.75(1H,d,J=8.8H
z) (2) 6−デオキシ−β−シクロデキストリンの合成 次に、このようにして得られた前記6−トシル−β−
シクロデキストリン1.27g(0.985mmol)をジメチルスル
ホキシド(DMSO)20mlに溶解したのち、これに水素化ホ
ウ素ナトリウム(NaBH4)384mg(10.2mmol)を加え、50
℃で12時間反応させた。次いで、この反応液に水1000ml
を加え、DOSカラムクロマトグラフィーに供してDMSOを
除去したのち精製し、エタノール−水混和液(容量比1:
9)で溶出した目的画分を濃縮して、メタノールから再
結晶することにより、6−デオキシ−β−シクロデキス
トリン839.6mg(0.750mmol、収率76.1%)が得られた。
0,1424,1360,1300,1178,1156,1078,1028 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm:(DMSO−d6)2.44
(3H,s),3.15〜4.45(m),4.76(2H,br,s),4.85(5
H,br,s),7.44(1H,d,J=8.8Hz),7.75(1H,d,J=8.8H
z) (2) 6−デオキシ−β−シクロデキストリンの合成 次に、このようにして得られた前記6−トシル−β−
シクロデキストリン1.27g(0.985mmol)をジメチルスル
ホキシド(DMSO)20mlに溶解したのち、これに水素化ホ
ウ素ナトリウム(NaBH4)384mg(10.2mmol)を加え、50
℃で12時間反応させた。次いで、この反応液に水1000ml
を加え、DOSカラムクロマトグラフィーに供してDMSOを
除去したのち精製し、エタノール−水混和液(容量比1:
9)で溶出した目的画分を濃縮して、メタノールから再
結晶することにより、6−デオキシ−β−シクロデキス
トリン839.6mg(0.750mmol、収率76.1%)が得られた。
このものの融点、赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴ス
ペクトル及び元素分析値を次に示す。
ペクトル及び元素分析値を次に示す。
融点(℃):280.0〜281.0(分解) 赤外吸収スペクトル(cm-1):3370,2920,1152,1080,102
0 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMSO−d6):1.20
(3H,d,J=6.1Hz),2.80〜4.05(m),4.84(7H,br,s) 元素分析値:C42H70O34として C H 理論値(%) 45.08 6.31 実測値(%) 44.99 6.45 (3) シクロデキストリナーゼの調製 1%(w/v)β−シクロデキストリン、1%(w/v)ペ
プトン、0.5%(w/v)NaCl及び0.1%(w/v)イーストエ
キスから成る液体培地(水道水使用、pH7.0)100mlを50
0ml容坂口フラスコにいれ、120℃で20分間殺菌処理を行
った。これに、バチルス・スフェリカスE−244菌株(F
ERM BP−2458)の保存スラントより1白金耳接種し、30
℃で1日間振とう培養した。この培養液50mlを前記と同
様の培地組成と殺菌条件により調製した。2000mlの培地
を含有する3000ml容ミニジャーに接種して30℃、1vvm、
350r.p.mの条件で2日間通気かくはん培養を行い、培養
後、この培養液から8000r.p.m、20分間の遠心分離法処
理により菌体を分離し、2%(w/v)トリトンX−100を
含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.0)500mlに菌体を懸濁
して25℃で1日間かきまぜた。該懸濁液から12000r.p.m
で20分間の遠心分離処理により菌体残渣を除去したの
ち、上清液を10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に対して16時
間透析した。得られた透析物を12000r.p.mで20分間遠心
分離処理して不溶物を除去し、上清を粗酵素液(1)と
した。
0 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(DMSO−d6):1.20
(3H,d,J=6.1Hz),2.80〜4.05(m),4.84(7H,br,s) 元素分析値:C42H70O34として C H 理論値(%) 45.08 6.31 実測値(%) 44.99 6.45 (3) シクロデキストリナーゼの調製 1%(w/v)β−シクロデキストリン、1%(w/v)ペ
プトン、0.5%(w/v)NaCl及び0.1%(w/v)イーストエ
キスから成る液体培地(水道水使用、pH7.0)100mlを50
0ml容坂口フラスコにいれ、120℃で20分間殺菌処理を行
った。これに、バチルス・スフェリカスE−244菌株(F
ERM BP−2458)の保存スラントより1白金耳接種し、30
℃で1日間振とう培養した。この培養液50mlを前記と同
様の培地組成と殺菌条件により調製した。2000mlの培地
を含有する3000ml容ミニジャーに接種して30℃、1vvm、
350r.p.mの条件で2日間通気かくはん培養を行い、培養
後、この培養液から8000r.p.m、20分間の遠心分離法処
理により菌体を分離し、2%(w/v)トリトンX−100を
含有する10mMリン酸緩衝液(pH7.0)500mlに菌体を懸濁
して25℃で1日間かきまぜた。該懸濁液から12000r.p.m
で20分間の遠心分離処理により菌体残渣を除去したの
ち、上清液を10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に対して16時
間透析した。得られた透析物を12000r.p.mで20分間遠心
分離処理して不溶物を除去し、上清を粗酵素液(1)と
した。
次いで、この粗酵素液(1)を約500ml(総活性200単
位、タンパク量2083mg、比活性0.1、pH7.0)を10mMリン
酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したDEAEセファロース充填
カラム(φ34×170mm)に供し、酵素を吸着させたの
ち、0〜0.5M NaClグラジエント勾配により溶出を行っ
た。このDEAEセファロースカラムクロマトグラフィーの
溶出パターンを第5図に示す。第5図において、◎印は
活性(U/ml)、○印はタンパク量(mg/ml)である。ま
た、この際の溶出条件は次のとおりである 溶出条件 溶離液:10mMリン酸緩衝液(pH7.0) 溶 出:0M−0.5M NaCl 分取量:12ml/フラクション 流 速:6ml/min 温 度:室温 このようにして得られた活性フラクションを集めて粗
酵素液(2)105ml(総活性145単位、比活性0.58、収率
72.5%)を得た。
位、タンパク量2083mg、比活性0.1、pH7.0)を10mMリン
酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したDEAEセファロース充填
カラム(φ34×170mm)に供し、酵素を吸着させたの
ち、0〜0.5M NaClグラジエント勾配により溶出を行っ
た。このDEAEセファロースカラムクロマトグラフィーの
溶出パターンを第5図に示す。第5図において、◎印は
活性(U/ml)、○印はタンパク量(mg/ml)である。ま
た、この際の溶出条件は次のとおりである 溶出条件 溶離液:10mMリン酸緩衝液(pH7.0) 溶 出:0M−0.5M NaCl 分取量:12ml/フラクション 流 速:6ml/min 温 度:室温 このようにして得られた活性フラクションを集めて粗
酵素液(2)105ml(総活性145単位、比活性0.58、収率
72.5%)を得た。
次いでこの粗酵素液(2)20ml(総活性31単位、タン
パク量29mg)を1M硫酸ナトリウム含有100mMリン酸緩衝
液(pH7.0)で平衡化したエーテル5PW充填カラム(φ2
1.5×150mm)に供し、酵素を吸着させたのち、1M−0M硫
酸ナトリウムのグラジエントの勾配により溶出を行っ
た。この溶出パターンを第6図に示す。第6図におい
て、◎印は活性(U/ml)、○印はタンパク量(mg/ml)
である。また、この際の溶出条件は次のとおりである。
パク量29mg)を1M硫酸ナトリウム含有100mMリン酸緩衝
液(pH7.0)で平衡化したエーテル5PW充填カラム(φ2
1.5×150mm)に供し、酵素を吸着させたのち、1M−0M硫
酸ナトリウムのグラジエントの勾配により溶出を行っ
た。この溶出パターンを第6図に示す。第6図におい
て、◎印は活性(U/ml)、○印はタンパク量(mg/ml)
である。また、この際の溶出条件は次のとおりである。
溶出条件 溶離液:100mMリン酸緩衝液(pH7.0) 溶 出:1M−0M Na2SO4(1hr) 分取量:5ml/フラクション 流 速:5ml/min 圧 力:35〜50kg/cm2 温 度:室温 このようにして得られた活性フラクションを集めて粗
酵素液(3)50ml(総活性72単位、比活性2.93、収率36
%)を得た。
酵素液(3)50ml(総活性72単位、比活性2.93、収率36
%)を得た。
次いでこの粗酵素液(3)をコロジオンバックにより
1.5mlにまで限外濃縮したのち、0.2ml(総活性8単位、
タンパク量1.2mg)をTSK gel G3000SW(カラムφ7.5×6
50mm×2)を用いたゲルろ過に供し、0.2M NaCl含有100
mMリン酸緩衝液(pH7.0)で溶出した。この溶出パター
ンを第7図に示す。第7図において、◎印は活性(U/m
l)、○印はタンパク量(mg/ml)である。また、この際
の溶出条件は次のとおりである。
1.5mlにまで限外濃縮したのち、0.2ml(総活性8単位、
タンパク量1.2mg)をTSK gel G3000SW(カラムφ7.5×6
50mm×2)を用いたゲルろ過に供し、0.2M NaCl含有100
mMリン酸緩衝液(pH7.0)で溶出した。この溶出パター
ンを第7図に示す。第7図において、◎印は活性(U/m
l)、○印はタンパク量(mg/ml)である。また、この際
の溶出条件は次のとおりである。
溶離液:100mMリン酸緩衝液(pH7.0)+0.2M NaCl 分取量:1ml/フラクション 流 速:0.7ml/min 圧 力:約70kg/cm2 温 度:室温 このようにして得られた活性フラクションを集めて精
製酵素液1.4ml(総活性2.2単位、タンパク量0.24mg、比
活性9.17、収率1%)を得た。第8図に、この酵素のSD
S PAGEの結果を示す。この図から分るように、該酵素は
SDS PAGE的に単一であった。
製酵素液1.4ml(総活性2.2単位、タンパク量0.24mg、比
活性9.17、収率1%)を得た。第8図に、この酵素のSD
S PAGEの結果を示す。この図から分るように、該酵素は
SDS PAGE的に単一であった。
(4) 65−デオキシ−D−マルトペンタオースの製造 前記(2)と同様にして得た6−デオキシ−β−シク
ロデキストリン15gを100mMリン酸緩衝液(pH7.0)1000m
lに溶解したのち、前記(3)で得た粗酵素液を約24単
位添加して、40℃で48時間酵素反応を行わせ、反応液を
得た。
ロデキストリン15gを100mMリン酸緩衝液(pH7.0)1000m
lに溶解したのち、前記(3)で得た粗酵素液を約24単
位添加して、40℃で48時間酵素反応を行わせ、反応液を
得た。
この反応液に塩酸を添加してpHを約2.0にすることに
より反応を停止させたのち、水酸化ナトリウム溶液を加
えて中和し、次いで、これをODSカラムに通液して、未
反応の6−デオキシ−β−シクロデキストリンを吸着さ
せ、通液画分を得た。この操作を4回繰り返して、合計
63gの6−デオキシ−β−シクロデキストリンを処理し
た。
より反応を停止させたのち、水酸化ナトリウム溶液を加
えて中和し、次いで、これをODSカラムに通液して、未
反応の6−デオキシ−β−シクロデキストリンを吸着さ
せ、通液画分を得た。この操作を4回繰り返して、合計
63gの6−デオキシ−β−シクロデキストリンを処理し
た。
この通液画分を1/10の液量の100mM酢酸緩衝液(pH4.
5)と混合したのち、さらに100mM酢酸によりpHを4.5に
調整した。次いで、これにグルコアミラーゼ2500単位を
添加して40℃で8時間酵素反応を行わせたのち、この反
応液に塩酸を添加してpHを約2.0にすることにより反応
を停止させ、次いで水酸化ナトリウム溶液を加えて中和
した。
5)と混合したのち、さらに100mM酢酸によりpHを4.5に
調整した。次いで、これにグルコアミラーゼ2500単位を
添加して40℃で8時間酵素反応を行わせたのち、この反
応液に塩酸を添加してpHを約2.0にすることにより反応
を停止させ、次いで水酸化ナトリウム溶液を加えて中和
した。
次に、この液を活性炭カラムに通液したのち、0〜35
%のエタノールグラジエントにより6−デオキシマルト
オリゴ糖を溶出させ、次いで約25%のエタノール溶出画
分を凍結乾燥して、純度約98%の65−デオキシ−D−マ
ルトペンタオース約2.5gを得た。
%のエタノールグラジエントにより6−デオキシマルト
オリゴ糖を溶出させ、次いで約25%のエタノール溶出画
分を凍結乾燥して、純度約98%の65−デオキシ−D−マ
ルトペンタオース約2.5gを得た。
このものの赤外吸収スペクトル、核磁気共鳴スペクト
ル、高速液体クロマトグラフィー及び元素分析値を次に
示す。
ル、高速液体クロマトグラフィー及び元素分析値を次に
示す。
赤外吸収スペクトル(cm-1):3420,2925,1628,1412,136
8,1150,1080,1040 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.27(3H,
d,J=6.3Hz),3.16(1H,t,J=9.0Hz),3.29(1H,t,J=
9.0Hz),3.50〜4.10(m),4.65(0.5H,d,J=8.1Hz,α
−H),5.23(0.5H,d,J=3.4Hz,β−H),5.27(1H,d,J
=3.2Hz),5.35(3H,d,J=3.9Hz) 高速液体クロマトグラフィー〔東ソー(株)製〕TSK ge
l Amide−80カラム(4.6mmID×250mm)、RI検出、溶離
液:アセトニトリル/水=3/2(V/V),流速:1.0ml/mi
n〕:tR=8.7min 元素分析値:C30H52O25として C H 理論値(%) 44.34 6.45 実測値(%) 44.45 6.45 (5) ヘキサデカ−O−アセチル−65−デオキシマル
トペンタオースの合成 (4)で得た65−デオキシマルトペンタオース821mg
(1.01mmol)をピリジン30mlに溶解し、無水酢酸15ml
(0.159mol)を加え、室温で2日間反応させる。次いで
反応液のピリジン、無水酢酸、酢酸を留去したのち、残
査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、メタノール−ジクロロメタン混液(容量比1.5:98.
5)で溶出した目的区分を濃縮してヘキサデカ−O−ア
セチル−65−デオキシマルトペンタオース(α体:β体
=約1:1)1.369g(0.923mM、収率92.3%)を得た。
8,1150,1080,1040 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.27(3H,
d,J=6.3Hz),3.16(1H,t,J=9.0Hz),3.29(1H,t,J=
9.0Hz),3.50〜4.10(m),4.65(0.5H,d,J=8.1Hz,α
−H),5.23(0.5H,d,J=3.4Hz,β−H),5.27(1H,d,J
=3.2Hz),5.35(3H,d,J=3.9Hz) 高速液体クロマトグラフィー〔東ソー(株)製〕TSK ge
l Amide−80カラム(4.6mmID×250mm)、RI検出、溶離
液:アセトニトリル/水=3/2(V/V),流速:1.0ml/mi
n〕:tR=8.7min 元素分析値:C30H52O25として C H 理論値(%) 44.34 6.45 実測値(%) 44.45 6.45 (5) ヘキサデカ−O−アセチル−65−デオキシマル
トペンタオースの合成 (4)で得た65−デオキシマルトペンタオース821mg
(1.01mmol)をピリジン30mlに溶解し、無水酢酸15ml
(0.159mol)を加え、室温で2日間反応させる。次いで
反応液のピリジン、無水酢酸、酢酸を留去したのち、残
査をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製
し、メタノール−ジクロロメタン混液(容量比1.5:98.
5)で溶出した目的区分を濃縮してヘキサデカ−O−ア
セチル−65−デオキシマルトペンタオース(α体:β体
=約1:1)1.369g(0.923mM、収率92.3%)を得た。
赤外線吸収スペクトル(cm-1):3480,2970,1754,1372,1
236,1038,946,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.1Hz),1.75〜2.25(48H,each s),3.70〜5.10
(m),5.76(ca.0.5H,d,J=8.1Hz,α−H),6.24(ca.
0.5H,d,J=3.5Hz,β−H) 高速液体クロマトグラフィー〔半井化学薬品(株)製CO
SMOSILC18カラム(4.6mmID×150mm)、RI検出、溶離
液:アセトニトリル/水=3/2(V/V),流速:1.0ml/mi
n〕:tR=9.4min (6)α−ペンタデカ−O−アセチル−65−デオキシマ
ルトペンタオシルブロミドの合成 (5)で得たヘキサデカ−O−アセチル−65−デオキ
シマルトペンタオース1.32g(0.889mmol)をジクロロメ
タン10mlに溶解し、三臭化リン84.5μ(0.892mmol)
と水35.2μ(1.96mmol)を加え、室温で22時間かきま
ぜながら反応させた。次いで反応液に無水炭酸カリウム
860mgを加え、室温で15分間かきまぜながら反応させ
た。不溶物をグラスフィルターでろ別し、これをジクロ
ロメタン20mlで3回洗い、ろ液と洗液を合わせたのち、
ジクロロメタンを留去した。次いで残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン
−酢酸エチル混液(容量比7:3)で溶出した目的区分を
濃縮し、ジエチルエーテルから再結晶してα−ペンタデ
カ−O−アセチル−65−デオキシマルトペンタオシルブ
ロミド604mg(0.401mmol、収率45.1%)を得た。
236,1038,946,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.1Hz),1.75〜2.25(48H,each s),3.70〜5.10
(m),5.76(ca.0.5H,d,J=8.1Hz,α−H),6.24(ca.
0.5H,d,J=3.5Hz,β−H) 高速液体クロマトグラフィー〔半井化学薬品(株)製CO
SMOSILC18カラム(4.6mmID×150mm)、RI検出、溶離
液:アセトニトリル/水=3/2(V/V),流速:1.0ml/mi
n〕:tR=9.4min (6)α−ペンタデカ−O−アセチル−65−デオキシマ
ルトペンタオシルブロミドの合成 (5)で得たヘキサデカ−O−アセチル−65−デオキ
シマルトペンタオース1.32g(0.889mmol)をジクロロメ
タン10mlに溶解し、三臭化リン84.5μ(0.892mmol)
と水35.2μ(1.96mmol)を加え、室温で22時間かきま
ぜながら反応させた。次いで反応液に無水炭酸カリウム
860mgを加え、室温で15分間かきまぜながら反応させ
た。不溶物をグラスフィルターでろ別し、これをジクロ
ロメタン20mlで3回洗い、ろ液と洗液を合わせたのち、
ジクロロメタンを留去した。次いで残査をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、ジクロロメタン
−酢酸エチル混液(容量比7:3)で溶出した目的区分を
濃縮し、ジエチルエーテルから再結晶してα−ペンタデ
カ−O−アセチル−65−デオキシマルトペンタオシルブ
ロミド604mg(0.401mmol、収率45.1%)を得た。
融点(℃):118.0〜120.0 赤外吸収スペクトル(cm-1):1756,1372,1240,1042,94
6,902 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.4Hz),1.85〜2.40(45H,each s),3.70〜5.70
(m),6.51(1H,d,J=3.9Hz) (7)2−クロロ−4−ニトロフェニル ペンタデカ−
O−アセチル−65−デオキシ−β−D−マルトペンタオ
シドの合成 (6)で得たα−ペンタデカ−O−アセチル−65−デ
オキシマルトペンタオシルブロミド574mg(0.381mmol)
をアセトニトリル10mlに溶解し、2−クロロ−4−ニト
ロフェノール199mg(1.14mmol)を加えたのち、さらに
酸化銀(Ag2O)266mg(1.14mmol)を加え、35℃で17時
間かきまぜながら反応させた。次いで反応液をグラスフ
イルターでろ過し、これをジクロロメタン20mlで3回洗
い、ろ液と洗液を合わせて減圧下濃縮し、アセトニトリ
ルとジクロロメタンを留去した。次いで残査にジクロロ
メタン100mlを加え、綿栓ろ過したのち、0.5N水酸化ナ
トリウム水溶液50mlで1回、飽和食塩水各々50mlで3回
洗い、次いで無水硫酸ナトリウム5gを加えて乾燥し、綿
栓ろ過したのち、減圧下濃縮し、ジクロロメタンを留去
した。次いで残査をシリカゲルカラムクロトグラフィー
により精製し、ジクロロメタン−メタノール混液(容量
比98.5:1.5)で溶出した目的区分を濃縮し、ジエチルエ
ーテルから再結晶して2−クロロ−4−ニトロフェニル
ペンタデカ−O−アセチル−65−デオキシ−β−D−
マルトペンタオシド494mg(0.309mmol、収率81.0%)を
得た。
6,902 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.4Hz),1.85〜2.40(45H,each s),3.70〜5.70
(m),6.51(1H,d,J=3.9Hz) (7)2−クロロ−4−ニトロフェニル ペンタデカ−
O−アセチル−65−デオキシ−β−D−マルトペンタオ
シドの合成 (6)で得たα−ペンタデカ−O−アセチル−65−デ
オキシマルトペンタオシルブロミド574mg(0.381mmol)
をアセトニトリル10mlに溶解し、2−クロロ−4−ニト
ロフェノール199mg(1.14mmol)を加えたのち、さらに
酸化銀(Ag2O)266mg(1.14mmol)を加え、35℃で17時
間かきまぜながら反応させた。次いで反応液をグラスフ
イルターでろ過し、これをジクロロメタン20mlで3回洗
い、ろ液と洗液を合わせて減圧下濃縮し、アセトニトリ
ルとジクロロメタンを留去した。次いで残査にジクロロ
メタン100mlを加え、綿栓ろ過したのち、0.5N水酸化ナ
トリウム水溶液50mlで1回、飽和食塩水各々50mlで3回
洗い、次いで無水硫酸ナトリウム5gを加えて乾燥し、綿
栓ろ過したのち、減圧下濃縮し、ジクロロメタンを留去
した。次いで残査をシリカゲルカラムクロトグラフィー
により精製し、ジクロロメタン−メタノール混液(容量
比98.5:1.5)で溶出した目的区分を濃縮し、ジエチルエ
ーテルから再結晶して2−クロロ−4−ニトロフェニル
ペンタデカ−O−アセチル−65−デオキシ−β−D−
マルトペンタオシド494mg(0.309mmol、収率81.0%)を
得た。
融点(℃):126.0〜128.0 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3470,2960,1754,1530,137
2,1350,1234,1038,946,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.1Hz),1.90〜2.30(45H,each s),3.70〜5.50
(m),7.29(1H,d,J=9.0Hz),8.16(1H,dd,J=9.0Hz,
2.7Hz),8.30(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー〔半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mmID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=9.1min比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.50,
1.4−ジオキサン):−1.5×1020 (8)2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシ
−β−D−マルトペンタオシドの合成 (7)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル ペン
タデカ−O−アセチル−65−デオキシ−β−D−マルト
ペンタオシド460mg(0.288mmol)をメタノール16mlに溶
解し、28%アンモニア水8mlと水4mlを加え、35℃で20時
間かきまぜながら反応させた。次いで反応液を減圧下濃
縮し、水とメタノールを留去した。次いで残査をODSゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エタノール
−水混液(容量比1:4)で溶出した目的区分を濃縮し、
水から再結晶して2−クロロ−4−ニトロフェニル−65
−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド196mg(0.203
mmol,収率68.3%)を得た。
2,1350,1234,1038,946,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.1Hz),1.90〜2.30(45H,each s),3.70〜5.50
(m),7.29(1H,d,J=9.0Hz),8.16(1H,dd,J=9.0Hz,
2.7Hz),8.30(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー〔半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mmID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=9.1min比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.50,
1.4−ジオキサン):−1.5×1020 (8)2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシ
−β−D−マルトペンタオシドの合成 (7)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル ペン
タデカ−O−アセチル−65−デオキシ−β−D−マルト
ペンタオシド460mg(0.288mmol)をメタノール16mlに溶
解し、28%アンモニア水8mlと水4mlを加え、35℃で20時
間かきまぜながら反応させた。次いで反応液を減圧下濃
縮し、水とメタノールを留去した。次いで残査をODSゲ
ルカラムクロマトグラフィーにより精製し、エタノール
−水混液(容量比1:4)で溶出した目的区分を濃縮し、
水から再結晶して2−クロロ−4−ニトロフェニル−65
−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド196mg(0.203
mmol,収率68.3%)を得た。
融点(℃):187.5〜190.5 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3430,2940,1644,1588,152
2,1488,1352,1276,1252,1154,1082,1046,1026 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.28(3H,
d,J=5.9Hz),3.14(1H,t,J=8.6Hz),3.50〜4.00
(m),5.28(1H,d,J=3.4Hz),5.35(3H,m),5.43(1
H,d,J=6.8Hz),7.40(1H,d,J=9.2Hz),8.22(1H,dd,J
=9.2Hz,2.7Hz),8.40(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),UV280nm検出,溶
離液:アセトニトリル/水=3/1(V/V),流速:1.0ml/m
in]:tR=9.2min 元素分析値:C36H54ClNO27として C H N 理論値(%) 44.66 5.62 1.45 実測値(%) 44.59 5.70 1.44 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.37,H2O):+0.95
゜×1020 実施例2 2−クロロ−4−ニトロフェニル−67−デオ
キシ−β−D−マルトヘプタオシドの製造 (1)67−デオキシマルトヘプタオースの合成 エタノールグラジエントによる約29%のエタノール溶
出画分を採取したこと以外は実施例1の(1)〜(4)
と同様の操作を行い、純度99.5%の67−デオキシマルト
ヘプタオース約2.7gを得た。
2,1488,1352,1276,1252,1154,1082,1046,1026 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.28(3H,
d,J=5.9Hz),3.14(1H,t,J=8.6Hz),3.50〜4.00
(m),5.28(1H,d,J=3.4Hz),5.35(3H,m),5.43(1
H,d,J=6.8Hz),7.40(1H,d,J=9.2Hz),8.22(1H,dd,J
=9.2Hz,2.7Hz),8.40(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),UV280nm検出,溶
離液:アセトニトリル/水=3/1(V/V),流速:1.0ml/m
in]:tR=9.2min 元素分析値:C36H54ClNO27として C H N 理論値(%) 44.66 5.62 1.45 実測値(%) 44.59 5.70 1.44 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.37,H2O):+0.95
゜×1020 実施例2 2−クロロ−4−ニトロフェニル−67−デオ
キシ−β−D−マルトヘプタオシドの製造 (1)67−デオキシマルトヘプタオースの合成 エタノールグラジエントによる約29%のエタノール溶
出画分を採取したこと以外は実施例1の(1)〜(4)
と同様の操作を行い、純度99.5%の67−デオキシマルト
ヘプタオース約2.7gを得た。
赤外線吸収スペクトル(cm-1):3420,2930,1628,1412,1
364,1150,1078,1022 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.25(3H,
d,J=6.4Hz),3.16(1H,t,J=8.7Hz),3.27(1H,t,J=
8.7Hz),3.45〜4.10(m),4.64(0.5H,d,J=8.0Hz,α
−H),5.20(0.5H,d,J=3.5Hz,β−H),5.26(1H,d,J
=3.1Hz),5.35(5H,d,J=3.9Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),RI検出,溶離
液:アセトニトリル/水=3/2(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=12.1min 元素分析値:C42H72O35として C H 理論値(%) 44.37 6.38 実測値(%) 44.40 6.35 (2)ドコサ−O−アセチル−67−デオキシマルトヘプ
タオースの合成 (1)で得た67−デオキシマルトヘプタオース1140mg
(1.0mmol)、実施例1の(5)と同様の操作を行って
ドコサ−O−アセチル−67−デオキシマルトヘプタオー
ス(α体:β体=約1:1)1208mg(0.586mmol,収率58.6
%)を得た。
364,1150,1078,1022 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.25(3H,
d,J=6.4Hz),3.16(1H,t,J=8.7Hz),3.27(1H,t,J=
8.7Hz),3.45〜4.10(m),4.64(0.5H,d,J=8.0Hz,α
−H),5.20(0.5H,d,J=3.5Hz,β−H),5.26(1H,d,J
=3.1Hz),5.35(5H,d,J=3.9Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),RI検出,溶離
液:アセトニトリル/水=3/2(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=12.1min 元素分析値:C42H72O35として C H 理論値(%) 44.37 6.38 実測値(%) 44.40 6.35 (2)ドコサ−O−アセチル−67−デオキシマルトヘプ
タオースの合成 (1)で得た67−デオキシマルトヘプタオース1140mg
(1.0mmol)、実施例1の(5)と同様の操作を行って
ドコサ−O−アセチル−67−デオキシマルトヘプタオー
ス(α体:β体=約1:1)1208mg(0.586mmol,収率58.6
%)を得た。
赤外吸収スペクトル(cm-1):3490,2970,1754,1430,137
4,1238,1136,1038,946,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.1Hz),1.80〜2.40(66h,each s),3.70〜5.55
(m),5.75(ca.0.5H,d,J=8.0Hz,α−H),6.24(ca.
0.5H,d,J=3.2Hz,β−H) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),RI検出,溶離液:ア
セトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/min]:tR
=5.4min (3)α−ヘンエイコサ−O−アセチル−67−デオキシ
マルトヘプタオシルブロミドの合成 (2)で得たドコサ−O−アセチル−67−デオキシマ
ルトヘプタオース1177mg(0.57mmol)に、実施例1の
(6)と同様の操作を行ってα−ヘンエイコサ−O−ア
セチル−67−デオキシマルトヘプタオシルブロマイド40
1mg(0.193mmol,収率33.8%)を得た。
4,1238,1136,1038,946,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.1Hz),1.80〜2.40(66h,each s),3.70〜5.55
(m),5.75(ca.0.5H,d,J=8.0Hz,α−H),6.24(ca.
0.5H,d,J=3.2Hz,β−H) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),RI検出,溶離液:ア
セトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/min]:tR
=5.4min (3)α−ヘンエイコサ−O−アセチル−67−デオキシ
マルトヘプタオシルブロミドの合成 (2)で得たドコサ−O−アセチル−67−デオキシマ
ルトヘプタオース1177mg(0.57mmol)に、実施例1の
(6)と同様の操作を行ってα−ヘンエイコサ−O−ア
セチル−67−デオキシマルトヘプタオシルブロマイド40
1mg(0.193mmol,収率33.8%)を得た。
融点(℃):120.0〜121.5 赤外吸収スペクトル(cm-1):3510,2990,1756,1432,137
2,1240,1042,948,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=5.9Hz),1.90〜2.30(63H,each s),3.70〜5.70
(m),6.50(1H,d,J=3.9Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),RI検出,溶離液:ア
セトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/min]:tR
=6.5min (4)2−クロロ−4−ニトロフェニル ヘンエイコサ
−O−アセチル−67−デオキシ−β−D−マルトヘプタ
オシドの合成 実施例2の(3)で得たα−ヘンエイコサ−O−アセ
チル−67−デオキシマルトヘプタオシルブロマイド401m
g(0.193mmol)に、実施例1の(7)と同様の操作を行
い、メタノールから再結晶して2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−ヘンエイコサ−O−アセチル−67−デオキシ
−β−D−マルトヘプタオシド365mg(0.168mmol,収率8
7.0%)を得た。
2,1240,1042,948,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=5.9Hz),1.90〜2.30(63H,each s),3.70〜5.70
(m),6.50(1H,d,J=3.9Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),RI検出,溶離液:ア
セトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/min]:tR
=6.5min (4)2−クロロ−4−ニトロフェニル ヘンエイコサ
−O−アセチル−67−デオキシ−β−D−マルトヘプタ
オシドの合成 実施例2の(3)で得たα−ヘンエイコサ−O−アセ
チル−67−デオキシマルトヘプタオシルブロマイド401m
g(0.193mmol)に、実施例1の(7)と同様の操作を行
い、メタノールから再結晶して2−クロロ−4−ニトロ
フェニル−ヘンエイコサ−O−アセチル−67−デオキシ
−β−D−マルトヘプタオシド365mg(0.168mmol,収率8
7.0%)を得た。
融点(℃):125.0〜127.0 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3470,2950,1746,1582,152
6,1482,1426,1368,1346,1230,1032 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.1Hz),1.98〜2.20(63H,each s),3.70〜5.50
(m),7.28((1H,d,J=9.0Hz),7.16(1H,dd,J=9.0H
z,2.7Hz),8.29(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=14.2min 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.51,1,4−ジオキサ
ン):+1.2×1020 (5)2−クロロ−4−ニトロフェニル−67−デオキシ
−β−D−マルトヘプタオシドの合成 実施例2の(4)で得た2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル ヘンエイコサ−O−アセチル−67−デオキシ−β
−D−マルトヘプタオシド336mg(0.155mmol)に、実施
例1の(8)と同様の操作を行って2−クロロ−4−ニ
トロフェニル−67−デオキシ−β−D−マルトヘプタオ
シド148mg(0.115mmol,収率74.1%)を得た。
6,1482,1426,1368,1346,1230,1032 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.15(3
H,d,J=6.1Hz),1.98〜2.20(63H,each s),3.70〜5.50
(m),7.28((1H,d,J=9.0Hz),7.16(1H,dd,J=9.0H
z,2.7Hz),8.29(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=14.2min 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.51,1,4−ジオキサ
ン):+1.2×1020 (5)2−クロロ−4−ニトロフェニル−67−デオキシ
−β−D−マルトヘプタオシドの合成 実施例2の(4)で得た2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル ヘンエイコサ−O−アセチル−67−デオキシ−β
−D−マルトヘプタオシド336mg(0.155mmol)に、実施
例1の(8)と同様の操作を行って2−クロロ−4−ニ
トロフェニル−67−デオキシ−β−D−マルトヘプタオ
シド148mg(0.115mmol,収率74.1%)を得た。
融点(℃):209.0〜210.0(分解) 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3400,2930,1634,1584,151
8,1484,1348,1276,1254,1154,1080,1042,1024 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.27(3H,
d,J=5.9Hz),3.15(1H,t,J=8.5Hz),3.55〜4.10
(m),5.30(1H,brs),5.38(5H,brs),5.43(1H,d,J
=6.8Hz),7.39(1H,d,J=9.0Hz),8.22(1H,dd,J=9.0
Hz,2.5Hz),8.39(1H,d,J=2.5Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),UV280nm検出,溶
離液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/m
in]:tR=11.0min 元素分析値:C48H74ClNO37として C H N 理論値(%) 44.60 5.77 1.08 実測値(%) 44.45 5.80 1.11 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.48,H2O):+1.2×
1020 実施例3 6−デオキシマルトトリオシド誘導体はα−アミラー
ゼの作用をほとんど受けないのに対し、本発明における
6−デオキシマルトオリゴシド誘導体は極めて順調にそ
の作用をうけるが、この点について以下のとおりの試験
方法で測定した。
8,1484,1348,1276,1254,1154,1080,1042,1024 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.27(3H,
d,J=5.9Hz),3.15(1H,t,J=8.5Hz),3.55〜4.10
(m),5.30(1H,brs),5.38(5H,brs),5.43(1H,d,J
=6.8Hz),7.39(1H,d,J=9.0Hz),8.22(1H,dd,J=9.0
Hz,2.5Hz),8.39(1H,d,J=2.5Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),UV280nm検出,溶
離液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/m
in]:tR=11.0min 元素分析値:C48H74ClNO37として C H N 理論値(%) 44.60 5.77 1.08 実測値(%) 44.45 5.80 1.11 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.48,H2O):+1.2×
1020 実施例3 6−デオキシマルトトリオシド誘導体はα−アミラー
ゼの作用をほとんど受けないのに対し、本発明における
6−デオキシマルトオリゴシド誘導体は極めて順調にそ
の作用をうけるが、この点について以下のとおりの試験
方法で測定した。
試験方法 (1)基質液の調製 実施例1で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル−65
−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド(以下本発明
基質という)50.0mgに、0.05%ウシ血清アルブミン含有
10mMリン酸緩衝液(pH=7.0)を加えて全量を25mlとし
て基質液を調製した。
−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド(以下本発明
基質という)50.0mgに、0.05%ウシ血清アルブミン含有
10mMリン酸緩衝液(pH=7.0)を加えて全量を25mlとし
て基質液を調製した。
(2)基質液の調製 後述の方法で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル−
63−デオキシ−β−D−マルトトリオシド(以下対照基
質という)50.0mgに、0.05%ウシ血清アルブミン含有10
mMリン酸緩衝液(pH=7.0)を加えて全量を25mlとして
基質液を調製した。
63−デオキシ−β−D−マルトトリオシド(以下対照基
質という)50.0mgに、0.05%ウシ血清アルブミン含有10
mMリン酸緩衝液(pH=7.0)を加えて全量を25mlとして
基質液を調製した。
(3)共役酵素液の調製 0.05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH
7.0)に市販の酵母由来のα−グルコシダーゼ、市販の
アーンモド由来のβ−グルコシダーゼをそれぞれ2340
U、及び260U加えて全量20mlとして共役酵素液を調製し
た。
7.0)に市販の酵母由来のα−グルコシダーゼ、市販の
アーンモド由来のβ−グルコシダーゼをそれぞれ2340
U、及び260U加えて全量20mlとして共役酵素液を調製し
た。
(4)試薬液の調製 基質液及び共役酵素液をそれぞれ容量比1.5:1で良く
混合し、試薬液を調製した。
混合し、試薬液を調製した。
(5)α−アミラーゼ液の調製 市販のヒト由来のα−アミラーゼ(国際試薬社製、キ
ャブリザイム・AMY(P:S=1:1)を0.05%ウシ血清アル
ブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に加え、0、15
0、450U/の濃度に溶解してα−アミラーゼ液を調製し
た。
ャブリザイム・AMY(P:S=1:1)を0.05%ウシ血清アル
ブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)に加え、0、15
0、450U/の濃度に溶解してα−アミラーゼ液を調製し
た。
(6)α−アミラーゼ加水分解反応 試薬液2.5mlを37℃で5分間加温したのち、α−アミ
ラーゼ液100μを加えてかきまぜ、37℃で2分間加温
後から2分間400nmにおける吸光度を増加量を測定し
た。
ラーゼ液100μを加えてかきまぜ、37℃で2分間加温
後から2分間400nmにおける吸光度を増加量を測定し
た。
その結果を第5表に示す。
なお、対照基質の2−クロロ−4−ニトロフェニル−
63−デオキシ−β−D−マルトトリオシドは次の方法に
より得た。
63−デオキシ−β−D−マルトトリオシドは次の方法に
より得た。
エタノールグラジエントによる約21%のエタノール溶
出画分を採取したこと以外は、実施例1の(1)〜
(4)と同様の操作を行い、純度98.6%のα−63−デオ
キシマルトトリオース約1.1gを得た。次いで、該化合物
401mg(0.842mmol)に、実施例1の(5)と同様の操作
を行い、デカ−O−アセチル−63−デオキシマルトトリ
オース(α体:β体=約1:1)604mg(0.665mmol,収率8
1.0%)を得た。
出画分を採取したこと以外は、実施例1の(1)〜
(4)と同様の操作を行い、純度98.6%のα−63−デオ
キシマルトトリオース約1.1gを得た。次いで、該化合物
401mg(0.842mmol)に、実施例1の(5)と同様の操作
を行い、デカ−O−アセチル−63−デオキシマルトトリ
オース(α体:β体=約1:1)604mg(0.665mmol,収率8
1.0%)を得た。
次いで、この化合物555mg(0.611mmol)に、実施例1
の(6)と同様の操作を行い、α−ノナ−O−アセチル
−63−デオキシマルトトリオシルブロミド173mg(0.186
mmol,収率30.4%)を得た。次いで、該化合物150mg(0.
161mmol)に、実施例1の(7)と同様の操作を行い、
メタノールから再結晶して2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−ノナ−O−アセチル−63−デオキシ−β−D−マ
ルトトリオシド140mg(0.137mmol,収率85.0%)を得
た。さらに、この化合物108mg(0.106mmol)に、実施例
1の(8)と同様の操作を行い、2−クロロ−4−ニト
ロフェニル−63−デオキシ−β−D−マルトトリオシド
42.8mg(0.665mmol,収率63.1%)を得た。
の(6)と同様の操作を行い、α−ノナ−O−アセチル
−63−デオキシマルトトリオシルブロミド173mg(0.186
mmol,収率30.4%)を得た。次いで、該化合物150mg(0.
161mmol)に、実施例1の(7)と同様の操作を行い、
メタノールから再結晶して2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−ノナ−O−アセチル−63−デオキシ−β−D−マ
ルトトリオシド140mg(0.137mmol,収率85.0%)を得
た。さらに、この化合物108mg(0.106mmol)に、実施例
1の(8)と同様の操作を行い、2−クロロ−4−ニト
ロフェニル−63−デオキシ−β−D−マルトトリオシド
42.8mg(0.665mmol,収率63.1%)を得た。
融点(℃):150.0〜152.0 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3420,2940,1590,1524,149
0,1414,1354,1282,1256,1156,1050,924,896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.28(3H,
d,J=6.4Hz),3.18(1H,t,J=9.4Hz),3.45〜4.00
(m),5.28(1H,d,J=3.1Hz),5.32(1H,d,J=3.8H
z),5.42(1H,d,J=5.9Hz),7.40(1H,d,J=9.0Hz),8.
21(1H,dd,J=9.0Hz,2.7Hz),8.40(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),UV280nm検出,溶
離液:アセトニトリル/水=3/1(V/V),流速:1.0ml/m
in]:tR=4.3min 元素分析値:C24H34ClNO17として C H N 理論値(%) 44.76 5.32 2.18 実測値(%) 44.68 5.35 2.18 実施例4 2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオ
キシ−マルトペンタオシドの製造(別法) (1)2−クロロ−4−ニトロフェニル−45,65−ベン
ジリデン−β−D−マルトペンタオシドの合成 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マ
ルトペンタオシド(第一化学薬品社製)15.0g(15.2mmo
l)を無水DMF225mlに溶解し、ベンズアルデヒドジメチ
ルアセタール11.4ml(76.0mmol)とトシル酸2.25g(11.
4mmol)を加え、40℃で4時間かきまぜながら反応させ
た。次いで、この反応液を氷水1.2へかきまぜながら
ゆっくりと滴下した。これに飽和重炭酸ナトリウム水溶
液を氷冷下かきまぜながらゆっくりと加えて中和し、次
いでこの混合液をジクロロメタン300mlで3回洗浄した
のち、水層部を濃縮し、DMFと水を留去した。次いで残
査をODSカラムクロマトグラフィーにより精製し、エタ
ノール−水混液(容量比2:3)で溶出した目的区分を濃
縮し、イソプロパノール−メタノールから再結晶して2
−クロロ−4−ニトロフェニル−45,65−ベンジリデン
−β−D−マルトペンタオシド11.2g(10.4mmol,収率6
8.3%)を得た。
0,1414,1354,1282,1256,1156,1050,924,896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(D2O):1.28(3H,
d,J=6.4Hz),3.18(1H,t,J=9.4Hz),3.45〜4.00
(m),5.28(1H,d,J=3.1Hz),5.32(1H,d,J=3.8H
z),5.42(1H,d,J=5.9Hz),7.40(1H,d,J=9.0Hz),8.
21(1H,dd,J=9.0Hz,2.7Hz),8.40(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),UV280nm検出,溶
離液:アセトニトリル/水=3/1(V/V),流速:1.0ml/m
in]:tR=4.3min 元素分析値:C24H34ClNO17として C H N 理論値(%) 44.76 5.32 2.18 実測値(%) 44.68 5.35 2.18 実施例4 2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオ
キシ−マルトペンタオシドの製造(別法) (1)2−クロロ−4−ニトロフェニル−45,65−ベン
ジリデン−β−D−マルトペンタオシドの合成 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マ
ルトペンタオシド(第一化学薬品社製)15.0g(15.2mmo
l)を無水DMF225mlに溶解し、ベンズアルデヒドジメチ
ルアセタール11.4ml(76.0mmol)とトシル酸2.25g(11.
4mmol)を加え、40℃で4時間かきまぜながら反応させ
た。次いで、この反応液を氷水1.2へかきまぜながら
ゆっくりと滴下した。これに飽和重炭酸ナトリウム水溶
液を氷冷下かきまぜながらゆっくりと加えて中和し、次
いでこの混合液をジクロロメタン300mlで3回洗浄した
のち、水層部を濃縮し、DMFと水を留去した。次いで残
査をODSカラムクロマトグラフィーにより精製し、エタ
ノール−水混液(容量比2:3)で溶出した目的区分を濃
縮し、イソプロパノール−メタノールから再結晶して2
−クロロ−4−ニトロフェニル−45,65−ベンジリデン
−β−D−マルトペンタオシド11.2g(10.4mmol,収率6
8.3%)を得た。
融点(℃):196.0〜200.0 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3410,2940,1630,1586,152
0,1486,1350,1274,1152,1074,1028,930,896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):3.20〜
5.70(m),5.05(2H,d,J=3.4Hz),5.12(1H,d,J=4.4
Hz),5.13(1H,d,J=4.4Hz),5.25(1H,d,J=7.6Hz),
5.56(1H,s),7.33〜7.55(5H,m),7.35(1H,d,J=9.0H
z),8.14(1H,dd,J=9.0Hz,2.7Hz),8.29(1H,d,J=2.7
Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),UV280nm検出,溶
離液:アセトニトリル/水=3/1(V/V),流速:1.0ml/m
in]:tR=4.8min (2)2−クロロ−4−ニトロフェニル−テトラデカ−
O−アセチル−45,65−ベンジリデン−β−D−マルト
ペンタオシドの合成 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル−45,6
5−ベンジリデン−β−D−マルトペンタオシド13.3g
(12.4mmol)をピリジン200mlに溶解し、無水酢酸100ml
(1.28mol)を加え、室温で2日間反応させた。次い
で、この反応液を減圧下濃縮し、ピリジン、無水酢酸、
酢酸を留去したのち、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製し、メタノール−ジクロロメタン
混液(容量比2:98)で溶出した目的区分を濃縮し、エタ
ノールから再結晶して2−クロロ−4−ニトロフェニル
テトラデカ−O−アセチル−45,65−ベンジリデン−β
−D−マルトペンタオシド18.1g(10.9mmol,収率87.9
%)を得た。
0,1486,1350,1274,1152,1074,1028,930,896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):3.20〜
5.70(m),5.05(2H,d,J=3.4Hz),5.12(1H,d,J=4.4
Hz),5.13(1H,d,J=4.4Hz),5.25(1H,d,J=7.6Hz),
5.56(1H,s),7.33〜7.55(5H,m),7.35(1H,d,J=9.0H
z),8.14(1H,dd,J=9.0Hz,2.7Hz),8.29(1H,d,J=2.7
Hz) 高速液体クロマトグラフィー[東ソー(株)製TSK gel
Amide−80カラム(4.6mm ID×250mm),UV280nm検出,溶
離液:アセトニトリル/水=3/1(V/V),流速:1.0ml/m
in]:tR=4.8min (2)2−クロロ−4−ニトロフェニル−テトラデカ−
O−アセチル−45,65−ベンジリデン−β−D−マルト
ペンタオシドの合成 (1)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル−45,6
5−ベンジリデン−β−D−マルトペンタオシド13.3g
(12.4mmol)をピリジン200mlに溶解し、無水酢酸100ml
(1.28mol)を加え、室温で2日間反応させた。次い
で、この反応液を減圧下濃縮し、ピリジン、無水酢酸、
酢酸を留去したのち、残渣をシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製し、メタノール−ジクロロメタン
混液(容量比2:98)で溶出した目的区分を濃縮し、エタ
ノールから再結晶して2−クロロ−4−ニトロフェニル
テトラデカ−O−アセチル−45,65−ベンジリデン−β
−D−マルトペンタオシド18.1g(10.9mmol,収率87.9
%)を得た。
融点(℃):130.0〜135.0 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3410,2940,1630,1586,152
0,1486,1350,1274,1152,1074,1028,930,896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):2.00〜
2.21(42H,each s),3.55〜4.90(m),5.15〜5.50
(m),7.30(1H,d,J=9.2Hz),7.26〜7.41(5H,m),8.
17(1H,dd,J=9.2Hz,2.7Hz),8.30(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=3/1(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=7.7min 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.25,1,4−ジオキサ
ン):+0.84×1020 (3)2−クロロ−4−ニトロフェニル−O−(2,3−
ジ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−
トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの合成 (2)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル テト
ラデカ−O−アセチル−45,65−ベンジリデン−β−D
−マルトペンタオシド1.66g(1.00mmol)を酢酸50mlに
溶解し、水12.5mlを加え、30℃で3日間かきまぜながら
反応させた。次いでこの反応液を氷水300ml中へかきま
ぜながらゆっくりと滴下したのち、この混合液をジクロ
ロメタン300mlで3回抽出した。次いでジクロロメタン
層を水300mlで3回洗浄し、ジクロロメタン層部を無水
硫酸ナトリウムで乾燥、ろ別したのち、ろ液を減圧下濃
縮し、ジクロロメタンを留去した。次いで残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチ
ル−メタノール−ジクロロメタン混液(容量比66:2.5:3
3)で溶出した目的区分を濃縮して、2−クロロ−4−
ニトロフェニル−O−(2,3−ジ−O−アセチル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス[O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノ
シル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−
β−D−グルコピラノシド1.04g(0.661mmol、収率66.1
%)を得た。
0,1486,1350,1274,1152,1074,1028,930,896 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):2.00〜
2.21(42H,each s),3.55〜4.90(m),5.15〜5.50
(m),7.30(1H,d,J=9.2Hz),7.26〜7.41(5H,m),8.
17(1H,dd,J=9.2Hz,2.7Hz),8.30(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=3/1(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=7.7min 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.25,1,4−ジオキサ
ン):+0.84×1020 (3)2−クロロ−4−ニトロフェニル−O−(2,3−
ジ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−
α−D−グルコピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−
トリ−O−アセチル−β−D−グルコピラノシドの合成 (2)で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル テト
ラデカ−O−アセチル−45,65−ベンジリデン−β−D
−マルトペンタオシド1.66g(1.00mmol)を酢酸50mlに
溶解し、水12.5mlを加え、30℃で3日間かきまぜながら
反応させた。次いでこの反応液を氷水300ml中へかきま
ぜながらゆっくりと滴下したのち、この混合液をジクロ
ロメタン300mlで3回抽出した。次いでジクロロメタン
層を水300mlで3回洗浄し、ジクロロメタン層部を無水
硫酸ナトリウムで乾燥、ろ別したのち、ろ液を減圧下濃
縮し、ジクロロメタンを留去した。次いで残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチ
ル−メタノール−ジクロロメタン混液(容量比66:2.5:3
3)で溶出した目的区分を濃縮して、2−クロロ−4−
ニトロフェニル−O−(2,3−ジ−O−アセチル−α−
D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス[O−
(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコピラノ
シル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−
β−D−グルコピラノシド1.04g(0.661mmol、収率66.1
%)を得た。
融点(℃):126.0〜130.0 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3480,2970,1752,1588,153
0,1486,1432,1372,1350,1236,1030,944,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.18〜
2.12(42H,each s),3.50〜4.74(m),5.05〜5.40
(m),7.22(1H,d,J=9.0Hz),8.09(1H,dd,J=9.0Hz,
2.7Hz),8.22(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=4.2min 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.26,1,4−ジオキ
サ):+0.88×1020 (4)2−クロロ−4−ニトロフェニル−O−(2,3−
ジ−O−アセチル−6−O−トシル−α−D−クルコピ
ラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ
−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→
4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコ
ピラノシドの合成 実施例4の(3)で得た2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−O−(2,3−ジ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−ト
リ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グル
コピラノシド1.16g(0.738mmol)をピリジン30mlに溶解
し、トシルクロリド2.11g(11.0mmol)を加え、室温下
で5時間かきまぜながら反応させた。次いでこの反応液
中のピリジンを減圧下留去し、この残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル−メ
タノール−ジクロロメタン混液(容量比40:1:20)で溶
出した目的区分を濃縮して、2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−トシ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス
[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)]2,3,6−トリ−O−アセチ
ル−β−D−グルコピラノシド643mg(0.372mmol,収率5
0.5%)を得た。
0,1486,1432,1372,1350,1236,1030,944,898 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.18〜
2.12(42H,each s),3.50〜4.74(m),5.05〜5.40
(m),7.22(1H,d,J=9.0Hz),8.09(1H,dd,J=9.0Hz,
2.7Hz),8.22(1H,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=4.2min 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.26,1,4−ジオキ
サ):+0.88×1020 (4)2−クロロ−4−ニトロフェニル−O−(2,3−
ジ−O−アセチル−6−O−トシル−α−D−クルコピ
ラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−トリ
−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1→
4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グルコ
ピラノシドの合成 実施例4の(3)で得た2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−O−(2,3−ジ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)−トリス[O−(2,3,6−ト
リ−O−アセチル−α−D−グルコピラノシル)−(1
→4)]−2,3,6−トリ−O−アセチル−β−D−グル
コピラノシド1.16g(0.738mmol)をピリジン30mlに溶解
し、トシルクロリド2.11g(11.0mmol)を加え、室温下
で5時間かきまぜながら反応させた。次いでこの反応液
中のピリジンを減圧下留去し、この残渣をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィーにより精製し、酢酸エチル−メ
タノール−ジクロロメタン混液(容量比40:1:20)で溶
出した目的区分を濃縮して、2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル−O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−トシ
ル−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス
[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)]2,3,6−トリ−O−アセチ
ル−β−D−グルコピラノシド643mg(0.372mmol,収率5
0.5%)を得た。
融点(℃):109.0〜113.5 紫外部・可視部吸収スペクトル: 赤外吸収スペクトル(cm-1):3490,2970,1752,1586,152
8,1486,1430,1372,1350,1240,1178,1034,942 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.99〜
2.17(42H,each s),3.50〜4.80(m),5.10〜5.50
(m),7.32(2H,d,J=9.0Hz),7.35(2H,d,J=8.5H
z),7.79(1H,d,J=8.5Hz),8.15(1H,dd,J=9.0Hz,2.7
Hz),8.29(1Hz,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=10.0min 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.65,1,4−ジオキサ
ン):+0.88×1020 (5)2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシ
−マルトペンタオシドの合成 実施例4の(4)で得た2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−トシル
−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス
[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−β−D−グルコピラノシド500mg(0.290mmol)を
DMSO10mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)1
10mg(2.91mmol)を加え、50℃で13時間反応する。次い
でこの反応液を氷水500ml中へかきまぜながらゆっくり
滴下する。次いでこの混合液をベンゼン200mlで3回抽
出し、ベンゼン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
綿栓ろ過する。このろ液を濃縮し、含まれるベンゼンを
留去する。精製することなく、この残渣をメタノール16
mlに溶解し、28%アンモニア水8ml及び水4mlを加え、35
℃で20時間かきまぜながら反応させる。次いで反応液を
減圧濃縮し、ここに含まれる水及びメタノールを留去す
る。次いでその残渣をODSカラムクロマトグラフィーに
より精製し、エタノール−水混液(容量比1:4)で溶出
した目的区分を濃縮し、水から再結晶して、2−クロロ
−4−ニトロフェニル−65−デオキシマルトペンタオシ
ドが177mg(0.183mmol,収率63.1%)を得た。ここで得
られた2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシ
マルトペンタオシドの物性は、実施例1で得られた2−
クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシマルトペン
タオシドの物性と全て一致した。
8,1486,1430,1372,1350,1240,1178,1034,942 核磁気共鳴スペクトル(200MHz)ppm(CDCl3):1.99〜
2.17(42H,each s),3.50〜4.80(m),5.10〜5.50
(m),7.32(2H,d,J=9.0Hz),7.35(2H,d,J=8.5H
z),7.79(1H,d,J=8.5Hz),8.15(1H,dd,J=9.0Hz,2.7
Hz),8.29(1Hz,d,J=2.7Hz) 高速液体クロマトグラフィー[半井化学薬品社製COSMOS
ILC18カラム(4.6mm ID×150mm),UV280nm検出,溶離
液:アセトニトリル/水=7/3(V/V),流速:1.0ml/mi
n]:tR=10.0min 比旋光度(▲[α]25 D▼):(c 0.65,1,4−ジオキサ
ン):+0.88×1020 (5)2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシ
−マルトペンタオシドの合成 実施例4の(4)で得た2−クロロ−4−ニトロフェ
ニル−O−(2,3−ジ−O−アセチル−6−O−トシル
−α−D−グルコピラノシル)−(1→4)−トリス
[O−(2,3,6−トリ−O−アセチル−α−D−グルコ
ピラノシル)−(1→4)]−2,3,6−トリ−O−アセ
チル−β−D−グルコピラノシド500mg(0.290mmol)を
DMSO10mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH4)1
10mg(2.91mmol)を加え、50℃で13時間反応する。次い
でこの反応液を氷水500ml中へかきまぜながらゆっくり
滴下する。次いでこの混合液をベンゼン200mlで3回抽
出し、ベンゼン層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した後、
綿栓ろ過する。このろ液を濃縮し、含まれるベンゼンを
留去する。精製することなく、この残渣をメタノール16
mlに溶解し、28%アンモニア水8ml及び水4mlを加え、35
℃で20時間かきまぜながら反応させる。次いで反応液を
減圧濃縮し、ここに含まれる水及びメタノールを留去す
る。次いでその残渣をODSカラムクロマトグラフィーに
より精製し、エタノール−水混液(容量比1:4)で溶出
した目的区分を濃縮し、水から再結晶して、2−クロロ
−4−ニトロフェニル−65−デオキシマルトペンタオシ
ドが177mg(0.183mmol,収率63.1%)を得た。ここで得
られた2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシ
マルトペンタオシドの物性は、実施例1で得られた2−
クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシマルトペン
タオシドの物性と全て一致した。
実施例5 α−アミラーゼ活性の測定法 (1)基質液の調製 実施例1で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル−65
−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド50.0mgに、0.
05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH7.
0)を加えて全量を25mlとして基質液を調製した。
−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド50.0mgに、0.
05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH7.
0)を加えて全量を25mlとして基質液を調製した。
(2)共役酵素液の調製 0.05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH
7.0)に市販の酵母由来のα−グルコシダーゼ、市販の
アーモンド由来のβ−グルコシダーゼをそれぞれ2340U
及び260U加えて全量を20mlとして共役酵素液を調製し
た。
7.0)に市販の酵母由来のα−グルコシダーゼ、市販の
アーモンド由来のβ−グルコシダーゼをそれぞれ2340U
及び260U加えて全量を20mlとして共役酵素液を調製し
た。
(3)試薬液の調製 基質及び共役酵素液をそれぞれ容量比1.5:1でよく混
合して試薬液を調製した。
合して試薬液を調製した。
(4)標品α−アミラーゼ液の調製 市販のヒト由来のα−アミラーゼ(P:S=1:1)を0.05
%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)
に加え、0、25、50、100、150、300、450、600U/の
濃度に溶解して標品α−アミラーゼ液を調製した。
%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH7.0)
に加え、0、25、50、100、150、300、450、600U/の
濃度に溶解して標品α−アミラーゼ液を調製した。
(5)試料液の調製 α−アミラーゼ活性測定用試料が液体の場合はそのま
ま試料液とした。また、固体の場合は試料500mgを正確
に秤量し、0.05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩
衝液(pH7.0)を加えて全量を5mlとして試料液を調製し
た。
ま試料液とした。また、固体の場合は試料500mgを正確
に秤量し、0.05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩
衝液(pH7.0)を加えて全量を5mlとして試料液を調製し
た。
(6)検量線の作成 試薬液2.5mlを37℃で5分間加温したのち、標品α−
アミラーゼ液100μ加えてかきまぜ、37℃で2分間加
温後からの2分間、400nmにおける吸光度の増加量を測
定した。この時、標品α−アミラーゼ液活性と吸光度の
増加量関係より検量線を作成した。国際試薬社製標品α
−アミラーゼ(キャブリザイム・AMY)を用いた場合、
検量線の式は U=5.875・△A×103−3.37 [U:酵素活性U/、△A:吸光度の増加量] となる。そのグラフを第9図に示す。
アミラーゼ液100μ加えてかきまぜ、37℃で2分間加
温後からの2分間、400nmにおける吸光度の増加量を測
定した。この時、標品α−アミラーゼ液活性と吸光度の
増加量関係より検量線を作成した。国際試薬社製標品α
−アミラーゼ(キャブリザイム・AMY)を用いた場合、
検量線の式は U=5.875・△A×103−3.37 [U:酵素活性U/、△A:吸光度の増加量] となる。そのグラフを第9図に示す。
(7)試薬液中のα−アミラーゼ活性の測定 試薬液2.5mlを37℃で5分間加温したのち、試料液100
μを加えてかきまぜ、37℃で2分間加温後からの2分
間、400nmにおける吸光度の増加量を測定した。この測
定値と(6)で作成した検量線から算出して試料液中の
α−アミラーゼ活性を測定することができる。なお、試
料液中の酵素活性の値が検量線の適用範囲(0〜600U/
)を超えた場合は0.05%ウシ血清アルブミン含有10mM
リン酸緩衝液(pH7.0)を用いて相当する倍数の希釈を
行った後、再測定を行う。
μを加えてかきまぜ、37℃で2分間加温後からの2分
間、400nmにおける吸光度の増加量を測定した。この測
定値と(6)で作成した検量線から算出して試料液中の
α−アミラーゼ活性を測定することができる。なお、試
料液中の酵素活性の値が検量線の適用範囲(0〜600U/
)を超えた場合は0.05%ウシ血清アルブミン含有10mM
リン酸緩衝液(pH7.0)を用いて相当する倍数の希釈を
行った後、再測定を行う。
実施例6 本発明の化合物が測定系内で安定に存在することを実
証するために、非還元末端非修飾体を対照として下記の
試験方法に従って共役酵素との反応を行った。
証するために、非還元末端非修飾体を対照として下記の
試験方法に従って共役酵素との反応を行った。
試験方法 (1)基質液の調製 実施例1で得た2−クロロ−4−ニトロフェニル−65
−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド(以下本発明
基質という)50.0mgに、0.05%ウシ血清アルブミン含有
10mMリン酸緩衝液(pH=7.0)を加えて全量を25mlとし
て基質液を調製した。
−デオキシ−β−D−マルトペンタオシド(以下本発明
基質という)50.0mgに、0.05%ウシ血清アルブミン含有
10mMリン酸緩衝液(pH=7.0)を加えて全量を25mlとし
て基質液を調製した。
(2)基質液の調製 市販の2−クロロ−4−ニトロフェニル−β−D−マ
ルトペンタオシド(以下対照基質という)50.0mgに、0.
05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH=7.
0)を加えて全量25mlとして基質液を調製した。
ルトペンタオシド(以下対照基質という)50.0mgに、0.
05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH=7.
0)を加えて全量25mlとして基質液を調製した。
(3)共役酵素液の調製 0.05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液(pH
7.0)に市販の酵母由来のα−グルコシダーゼ11700Uを
加えて全量を5mlとして共役酵素液Aを調製した。同様
に、0.05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液
(pH7.0)に市販のアーモンド由来のβ−グルコシダー
ゼ182Uを加えて全量5mlとして共役酵素液Bを調製し
た。
7.0)に市販の酵母由来のα−グルコシダーゼ11700Uを
加えて全量を5mlとして共役酵素液Aを調製した。同様
に、0.05%ウシ血清アルブミン含有10mMリン酸緩衝液
(pH7.0)に市販のアーモンド由来のβ−グルコシダー
ゼ182Uを加えて全量5mlとして共役酵素液Bを調製し
た。
(4)共役酵素反応 基質液、基質液、共役酵素液A及びBを37℃で5
分間加温したのち、基質液及び基質液をそれぞれ基
質液:共役酵素液A:共役酵液B=2:1:0.5(容量比)で
よく混合し、2分後から5分間、400nmにおける吸光度
の増加量を測定した。
分間加温したのち、基質液及び基質液をそれぞれ基
質液:共役酵素液A:共役酵液B=2:1:0.5(容量比)で
よく混合し、2分後から5分間、400nmにおける吸光度
の増加量を測定した。
その結果を第10図に示した。図中の□印は基質液、
△印は基質液によるものである。これより、本発明基
質は共役酵素と反応することなく、測定系内で安定に存
在することが分る。
△印は基質液によるものである。これより、本発明基
質は共役酵素と反応することなく、測定系内で安定に存
在することが分る。
実施例7 測定試薬 (1)試薬の調製 精製水に以下の成分を以下の濃度で溶解することによ
り試薬Aを調製した。成 分 濃 度 2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシ−β− D−マルトペンタオシド 2.0 mM α−グルコシダーゼ 60 U/ml β−グルコシダーゼ 10 U/ml β−グリセロリン酸緩衝液(pH7.0) 10 mM ウシ血清アルブミン 0.05% 精製水に以下の成分を以下の濃度で溶解することによ
り試薬Bを調製した。成 分 濃 度 β−グリセロリン酸緩衝液(pH7.0) 10 mM ウシ血清アルブミン 0.05% (2)測定法 測定用試料が液体の場合はそのまま試料液とした。固
体の場合は試料500mgを正確に秤量し、試薬Bを加えて
全量を5mlとして試料液とした。次いで試薬A3.0mlを37
℃で5分間加温したのち、試料液100μ加えてかきま
ぜ、37℃で2分間加温後から2分間400nmにおける吸光
度の増加量を測定した。この測定値とあらかじめ作成し
た検量線から算出して試料液中のα−アミラーゼ活性を
測定することができる。なお、試料液中の酵素活性の値
が検量線の適用範囲を超えた場合は試料Bを用いて相当
する倍数の希釈を行った後、再測定を行う。
り試薬Aを調製した。成 分 濃 度 2−クロロ−4−ニトロフェニル−65−デオキシ−β− D−マルトペンタオシド 2.0 mM α−グルコシダーゼ 60 U/ml β−グルコシダーゼ 10 U/ml β−グリセロリン酸緩衝液(pH7.0) 10 mM ウシ血清アルブミン 0.05% 精製水に以下の成分を以下の濃度で溶解することによ
り試薬Bを調製した。成 分 濃 度 β−グリセロリン酸緩衝液(pH7.0) 10 mM ウシ血清アルブミン 0.05% (2)測定法 測定用試料が液体の場合はそのまま試料液とした。固
体の場合は試料500mgを正確に秤量し、試薬Bを加えて
全量を5mlとして試料液とした。次いで試薬A3.0mlを37
℃で5分間加温したのち、試料液100μ加えてかきま
ぜ、37℃で2分間加温後から2分間400nmにおける吸光
度の増加量を測定した。この測定値とあらかじめ作成し
た検量線から算出して試料液中のα−アミラーゼ活性を
測定することができる。なお、試料液中の酵素活性の値
が検量線の適用範囲を超えた場合は試料Bを用いて相当
する倍数の希釈を行った後、再測定を行う。
第1図は本発明で用いたシクロデキストリナーゼの至適
pHを示すグラフ、第2図は安定性pHを示すグラフ、第3
図は作用温度を示すグラフ、第4図は温度による失活の
条件を示すグラフ、第5図はDEAEセファロースによるカ
ラムクロマトグラフィーの結果を示すグラフ、第6図は
TSK gelエーテル5PWによるHPLCの結果を示すグラフ、第
7図はTSK gel G3000SWによるHPLCの結果を示すグラ
フ、第8図はSDS PAGEの結果を示す図、第9図はα−ア
ミラーゼ活性の測定に用いる検量線を示すグラフ、第10
図は本発明基質と対照基質との測定系内における安定性
を示すグラフである。
pHを示すグラフ、第2図は安定性pHを示すグラフ、第3
図は作用温度を示すグラフ、第4図は温度による失活の
条件を示すグラフ、第5図はDEAEセファロースによるカ
ラムクロマトグラフィーの結果を示すグラフ、第6図は
TSK gelエーテル5PWによるHPLCの結果を示すグラフ、第
7図はTSK gel G3000SWによるHPLCの結果を示すグラ
フ、第8図はSDS PAGEの結果を示す図、第9図はα−ア
ミラーゼ活性の測定に用いる検量線を示すグラフ、第10
図は本発明基質と対照基質との測定系内における安定性
を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 水澤 清 千葉県野田市野田339番地 キッコーマ ン株式会社内 (72)発明者 山次 信幸 千葉県野田市野田339番地 キッコーマ ン株式会社内
Claims (4)
- 【請求項1】一般式 (式中のRは芳香族発色性基であり、nは2〜6の整数
である) で表わされる6−デオキシマルトオリゴシド誘導体。 - 【請求項2】請求項1記載の6−デオキシマルトオリゴ
シド誘導体を有効成分とするα−アミラーゼ活性測定用
試薬。 - 【請求項3】α−アミラーゼ含有試料に、請求項1記載
の6−デオキシマルトオリゴシド誘導体のα−アノマー
と、α−グルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼを
添加して酵素反応を行わせ、遊離する芳香族発色性化合
物を定量することを特徴とするα−アミラーゼ活性の測
定方法。 - 【請求項4】α−アミラーゼ含有試料に、請求項1記載
の6−デオキシマルトオリゴシド誘導体のβ−アノマー
又はα−アノマーとβ−アノマーとの混合物と、α−グ
ルコシダーゼ及び/又はグルコアミラーゼ並びにβ−グ
ルコシダーゼを添加して酵素反応を行わせ、遊離する芳
香族発色性化合物を定量することを特徴とするα−アミ
ラーゼ活性の測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1224845A JP2542700B2 (ja) | 1989-08-31 | 1989-08-31 | デオキシマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα―アミラ―ゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα―アミラ―ゼ活性の測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP1224845A JP2542700B2 (ja) | 1989-08-31 | 1989-08-31 | デオキシマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα―アミラ―ゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα―アミラ―ゼ活性の測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0390095A JPH0390095A (ja) | 1991-04-16 |
JP2542700B2 true JP2542700B2 (ja) | 1996-10-09 |
Family
ID=16820071
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP1224845A Expired - Lifetime JP2542700B2 (ja) | 1989-08-31 | 1989-08-31 | デオキシマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα―アミラ―ゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα―アミラ―ゼ活性の測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2542700B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6599066B1 (en) | 1999-10-26 | 2003-07-29 | Makino Milling Machine Co., Ltd. | Rotating shaft device and machine tool |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3124435B2 (ja) * | 1993-10-20 | 2001-01-15 | キッコーマン株式会社 | α‐アミラーゼアイソザイム活性の分別定量法 |
-
1989
- 1989-08-31 JP JP1224845A patent/JP2542700B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6599066B1 (en) | 1999-10-26 | 2003-07-29 | Makino Milling Machine Co., Ltd. | Rotating shaft device and machine tool |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0390095A (ja) | 1991-04-16 |
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