JPH05304998A - α−アミラーゼ活性測定用試薬及びα−アミラーゼ活性の測定方法 - Google Patents

α−アミラーゼ活性測定用試薬及びα−アミラーゼ活性の測定方法

Info

Publication number
JPH05304998A
JPH05304998A JP13564392A JP13564392A JPH05304998A JP H05304998 A JPH05304998 A JP H05304998A JP 13564392 A JP13564392 A JP 13564392A JP 13564392 A JP13564392 A JP 13564392A JP H05304998 A JPH05304998 A JP H05304998A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
amylase activity
reaction
enzyme
amylase
activity
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP13564392A
Other languages
English (en)
Inventor
Tetsuya Oguma
哲哉 小熊
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NODA SANGYO KAGAKU KENKYUSHO
Kikkoman Corp
Original Assignee
NODA SANGYO KAGAKU KENKYUSHO
Kikkoman Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NODA SANGYO KAGAKU KENKYUSHO, Kikkoman Corp filed Critical NODA SANGYO KAGAKU KENKYUSHO
Priority to JP13564392A priority Critical patent/JPH05304998A/ja
Publication of JPH05304998A publication Critical patent/JPH05304998A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 64−O−D−グルコシルマルトペンタオー
スを有効成分とするα−アミラーゼ活性測定用試薬及び
α−アミラーゼ活性含有試料に64−O−D−グルコシ
ルマルトペンタオースを添加し、酵素反応によって生成
するグルコ−スを定量してα−アミラーゼ活性を測定す
る方法である。 【効果】 64−O−D−グルコシルマルトペンタオー
スをα−アミラーゼ活性測定用基質として用いることに
より、α−アミラーゼ活性測定時に通常使用いられてい
るα−グルコシダーゼ、β−グルコシダーゼ、グルコア
ミラーゼなどの共役酵素を用いることなく、α−アミラ
ーゼ活性を精度よく、容易に測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、64−O−D−グルコ
シルマルトペンタオースを有効成分とし、α−グルコシ
ダーゼ、β−グルコシダーゼ、グルコアミラーゼなどの
共役酵素を含有しないα−アミラーゼ活性測定用試薬及
び該64−O−D−グルコシルマルトペンタオースを用
い、上記共役酵素を使用することなくα−アミラーゼ活
性を効率よく、かつ正確に測定する方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来、血清、尿、膵液、唾液などの体液
を対象とするα−アミラーゼ活性の測定は、臨床診断上
極めて重要であり、特に急性や慢性の肝炎、膵臓がん、
流行性耳下腺炎などの鑑別診断においては必須の測定項
目となっている。このα−アミラーゼ活性の測定方法に
ついては、従来より種々の方法、例えば、(1)デンプ
ン又は色素結合デンプンを基質とし、還元力あるいは吸
光度を測定する方法、(2)マルトテトラオース、マル
トペンタオースなどの一連のマルトオリゴ糖を基質とし
て利用し、α−アミラーゼにより切断したのち、共役酵
素を作用させ、生成するマルトース又はグルコースを定
量する方法などが知られている。
【0003】しかしながら、(1)の方法においては、
基質に用いられるデンプンの品質により、測定値にバラ
ツキを生じるおそれがある上、酵素切断部位が多数存在
するため、α−アミラーゼ反応を正確に化学量論的反応
として測定できないなどの欠点がある。これに対し、
(2)の方法は、均一な基質を使用するために、前記
(1)の欠点を解消することができ、好ましい方法とし
て広く用いられているが、基質そのものが共役酵素によ
り分解されるため、正の誤差を生じやすいという欠点を
有している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
従来のα−アミラーゼ活性の測定試薬及びそれを用いる
測定方法が有する欠点を克服し、α−アミラーゼ活性を
効率よく、かつ正確に測定しうる試薬及びその測定方法
を提供することを目的としてなされたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記目的を
達成するために鋭意研究を重ねた結果、64−O−D−
グルコシルマルトペンタオースをα−アミラーゼ活性の
測定用基質として用いれば、前記共役酵素を使用するこ
となくα−アミラーゼ活性を測定することができて前記
の欠点を克服しうることを見出し、この知見に基づいて
本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、64−O−D−グル
コシルマルトペンタオースを有効成分とするα−アミラ
ーゼ活性測定用試薬及びα−アミラーゼ活性含有試料に
4−O−D−グルコシルマルトペンタオースを添加
し、酵素反応によって生成するグルコ−スを定量するこ
とを特徴とするα−アミラーゼ活性の測定方法である。
【0007】以下、本発明について詳細に説明する。本
発明においてα−アミラーゼ活性の測定用基質として用
いられる64−O−D−グルコシルマルトペンタオース
は既知の化合物であって[カーボハイドレイト・リサー
チ(Carbohydrate Research)、
第173巻、第324〜331ページ(1988
年)]、次の構造式で表わされるものである。
【化1】 そして、該64−O−D−グルコシルマルトペンタオー
スは上記構造式に表わされているごとく、α−アノマー
又はβ−アノマーのいずれであってもよい。また、α−
アノマーとβ−アノマーの混合物であっても基質として
有効に用いられる。
【0008】該64−O−D−グルコシルマルトペンタ
オースの製造方法については、特に制限はなく、任意の
方法を用いることができるが、例えば次の方法によって
製造することができる。すなわち、該64−O−D−グ
ルコシルマルトペンタオースは、分岐サイクロデキスト
リンを出発原料とし、これにサイクロデキストリナーゼ
を作用させると同時に、又は作用させたのちに、マルト
オリゴ糖生成酵素を作用させることによって製造するこ
とができる。
【0009】ここで用いられるサイクロデキストリナー
ゼとしては、(イ)サイクロデキストリンを開裂し、サ
イクロデキストリンのグルコース重合度に由来するマル
トオリゴ糖を生成させる作用及び(ロ)サイクロデキス
トリンに対する水解速度又は親和性が、多糖類あるいは
サイクロデキストリンと同じ重合度の直鎖オリゴ糖より
も大きい基質特異性を有するものであればどのようなも
のでもよく、特に制限されず、またその起源についても
特に制限はない。
【0010】このような酵素の中で好適なものとして
は、例えば次の理化学的性質を有する公知のサイクロデ
キストリナーゼを挙げることができる。 理化学的性質 (イ)作用:サイクロデキストリンを開裂し、サイクロ
デキストリンのグルコース重合度に由来するマルトオリ
ゴ糖を生成させる。 (ロ)基質特異性:サイクロデキストリンに対する水解
速度又は親和性が、多糖類あるいはサイクロデキストリ
ンと同じ重合度の直鎖オリゴ糖よりも大である。 (ハ)至適pH及び安定pH範囲:β−サイクロデキス
トリンを基質とした場合、pH8.0近傍に至適pHを
有し、かつ安定pH範囲が5.5〜9.5である。 (ニ)作用適温の範囲:40℃近傍に作用適温を有す
る。 (ホ)温度などによる失活の条件:50℃以上の温度で
15分間の処理により、ほぼ失活する。 (ヘ)阻害及び活性化性:Hg2+、Cu2+、Zn2+、N
2+及びFe2+により90%以上阻害され、Ca2+及び
Mg2+により10〜30%活性化される。 (ト)分子量:ゲルろ過法による分子量が144,00
0で、SDS PAGE法による分子量が72,000
である。すなわち、該酵素は分子量72,000のサブ
ユニットから成る二量体である。
【0011】なお、該酵素の力価は、2%(W/V)濃
度のβ−サイクロデキストリン溶液500μl及び適当
量の該酵素を含有する100mMリン酸緩衝液(pH
7.5)500μlを混和し、温度40℃で適当時間反
応させたのち、10分間煮沸することにより反応を停止
し、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によっ
て、生成したマルトヘプタオースを定量することにより
求めた。また、酵素量が少量の場合には、グルコースを
標準としたソモギ−ネルソン法により還元力を測定する
ことにより求めた。該酵素の酵素単位については、1分
間に1マイクロモルのマルトヘプタオ−スを生成する酵
素量を1単位とした。
【0012】このような諸性質を有する酵素は、例えば
バチルス属に属し、該酵素を産生する微生物、例えばバ
チルス・スフェリカス(Bacillus sphae
ricus)E−244菌株[工業技術院微生物工業技
術研究所に微工研条寄第2458(FERM BP−2
458)として寄託されている]などを培地に培養し、
得た培養物より該酵素を採取することにより得られる。
なお、前記酵素の理化学的性質、その産生菌バチルス・
スフェリカスE−244菌株(FERM BP−245
8)の菌学的性質及び該酵素の製造法の詳細について
は、特開平3−15384号公報に記載されている。
【0013】そして、 先ず、一般式
【化2】 で表わされる6−O−D−グルコシル−β−サイクロデ
キストリンに、前記した特定のサイクロデキストリナー
ゼを作用させることにより、64−O−D−グルコシル
マルトヘプタオースを主成分とする反応液を得る。
【0014】出発物質として好適な前記一般式(II)
で表わされる6−O−D−グルコシル−β−サイクロデ
キストリンは、例えば市販のものを用いてもよく、また
β−サイクロデキストリンとマルトースからプルナーゼ
の逆反応を利用して6−O−D−マルトシル−β−サイ
クロデキストリンを得たのち、これにグルコアミラーゼ
を作用させることにより製造することができる[澱粉科
学、第30巻、2号、231〜239ページ(1983
年)]。
【0015】この酵素反応における6−O−D−グルコ
シル−β−サイクロデキストリンの基質濃度は、該サイ
クロデキストリナ−ゼの基質に対するKm値以上の濃度
になるように調整することが好ましい。また、酵素反応
条件については、該サイクロデキストリナ−ゼの作用p
H及び作用温度の範囲であればよく、特に制限はない
が、通常pH7.0〜9.0、温度35〜45℃の条件
で反応が行われる。さらに、この反応において、必要に
応じ、エタノ−ル、アセトン、DMSOなどの有機溶媒
を添加してもよい。反応時間は通常30分ないし48時
間である。また、酵素量については特に制限はないが、
反応時間内に生成物量が最大となるように、適宜必要量
を添加すればよく、通常0.5〜50単位/gの範囲で
選ばれる。
【0016】このようにして得られた64−O−D−グ
ルコシルマルトヘプタオースを主成分とする反応液にマ
ルトオリゴ糖生成酵素を作用させることによって、64
−O−D−グルコシルマルトペンタオース含有液が得ら
れる。この際に用いられるマルトオリゴ糖生成酵素とし
ては、例えば公知のβ−アミラーゼ、α−マルトース生
成アミラーゼ、α−グルコシダ−ゼ、グルコアミラ−ゼ
などが挙げられるが、これらはそれぞれ単独で用いても
よいし、組み合わせて用いてもよい。
【0017】該マルトオリゴ糖生成酵素は、前記サイク
ロデキストリナ−ゼと共存させて、酵素反応を同時的に
行わせてもよいし、6−O−D−グルコシル−β−サイ
クロデキストリンに前記サイクロデキストリナ−ゼを作
用させたのち、さらに該マルトオリゴ糖生成酵素を作用
させて酵素反応を行わせてもよいが、後者の方が好まし
い。特に好適な態様においては、例えば6−O−D−グ
ルコシル−β−サイクロデキストリンに該サイクロデキ
ストリナ−ゼを作用させて、生成物が最大になった時点
で、酸処理や熱処理などにより、いったん反応を停止さ
せたのち、例えば反応液に未反応の6−O−D−グルコ
シル−β−サイクロデキストリンを吸着除去する処理や
適宜の精製処理を施し、次いでこれにマルトオリゴ糖生
成酵素を作用させる。なお、この未反応物の除去処理と
しては、例えば冷却処理、有機溶媒添加処理などによる
析出−濾別法、オクタデシル化シリカゲル(ODS)カ
ラムクロマトグラフィ−などの公知の方法が挙げられ
る。また、精製処理としては通常のオリゴ糖分離精製法
が有効に用いられ、例えば活性炭カラムクロマトグラフ
ィー、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、薄層クロ
マトグラフィー、分配・吸着カラムクロマトグラフィー
などが単独又は組合せて用いられる。
【0018】該サイクロデキストリナ−ゼとマルトオリ
ゴ糖生成酵素とを共存作用させる場合の反応条件として
は、勿論両酵素の共通の作用pH及び作用温度範囲で適
宜選択すればよいが、通常pH7.0〜9.0、温度3
5〜45℃において、0.5〜48時間程度反応が行わ
れる。また、サイクロデキストリナ−ゼを作用させたの
ち、マルトオリゴ糖生成酵素を作用させる場合の反応条
件としては、用いる酵素の作用pH及び作用温度範囲で
適宜選べばよいが、通常pH4.0〜7.5、温度35
〜45℃において、0.5〜48時間程度反応が行なわ
れる。さらに、マルトオリゴ糖生成酵素の使用量につい
ては特に制限はないが、通常6−O−D−グルコシルサ
イクロデキストリンに対し、10〜100単位/gの範
囲で選ばれる。また、この酵素反応は酸処理や熱処理な
どにより停止させることができる。
【0019】次に、得られた反応液から、所望の64
O−D−グルコシルマルトペンタオ−スを分離精製する
のであるが、この分離精製方法についても特に制限はな
く、従来オリゴ糖の分離精製に慣用されている方法を用
いることができる。例えば反応液から未反応の6−O−
D−グルコシル−β−サイクロデキストリンを除去して
いない場合にはこれを前記と同様にして除去したのち、
前記したと同様の精製処理を施して分画採取する方法な
どを採用することができる。
【0020】このようにして得られた64−O−D−グ
ルコシルマルトペンタオ−スは、これを基質とすれば、
前記のごとく通常使用されているα−グルコシダーゼ、
β−グルコシダーゼ、グルコアミラーゼなどの共役酵素
を用いることなく、α−アミラーゼ活性を化学量論的に
測定することができ、極めて有用なものである。α−ア
ミラーゼ活性を測定するための有利な系としては、例え
ば64−O−D−グルコシルマルトペンタオ−ス1〜4
0mM及び緩衝剤2〜100mMを含有するpH4〜1
0の系が挙げられる。この系に用いられる緩衝剤として
は、例えばリン酸塩、トリス−(ヒドロキシメチル)−
アミノメタン、ホウ酸塩、クエン酸塩、ジメチルグルタ
ル酸塩などが挙げられる。該測定系には、必要に応じ溶
解補助剤、安定化剤としてのグリセリン、牛血清アルブ
ミン、α−又はβ−サイクロデキストリン、トリトンX
−100などを添加することもできるし、また、α−ア
ミラーゼ活性剤としてCl-、Ca2+、Mg2+などのイ
オンをNaCl、MgCl2、MgSO4、CaCl2
CaCl2・2H2Oなどの形で添加することもできる。
【0021】さらに、酵素反応によって生成するグルコ
ースを吸光度測定法によって定量する場合には、通常用
いられるグルコース−6−リン酸デヒドロゲナーゼ(例
えばLeuconostoc mesenteroid
esなどに由来するもの)、へキソキナーゼ(例えば酵
母などに由来するもの)、NADPとATPなど、ある
いはグルコースオキシダーゼ(例えばAspergil
lus sp.などに由来するもの)、パーオキシダー
ゼ(例えばわさびなどに由来するもの)、フェノール、
4−アミノアンチピリンなどを加えればよい。本発明の
試薬は、乾燥物又は溶解した形で用いてもよいし、薄膜
状の担体、例えばシート、含浸性の紙のなどに含浸させ
て用いてもよい。このような本発明の試薬を用いること
により、各種の試料に含有されるα−アミラーゼ活性
を、簡単な操作で正確に、かつ高感度で測定することが
できる。
【0022】次に、本発明のα−アミラーゼ活性の測定
方法の好適な1例について説明すると、先ず、α−アミ
ラーゼ活性を含む試料に、64−O−D−グルコシルマ
ルトペンタオ−ス1〜30mM及び緩衝剤を添加したの
ち、温度25〜50℃、pH4〜10の条件にて30分
間以上、好ましくは1〜6時間酵素反応させる。次い
で、必要に応じて例えば加熱処理などにより反応を停止
させ、生成したグルコースを、常法によりそのまま、例
えばソモギ−ネルソン法、グルコスタット法などを用い
て定量するか、又は前記したような吸光度測定法(例え
ば前記のNADPHの増加量を測定する場合には340
nm、4−アミノアンチピリンに由来する赤色の発色を
測定する場合には505nmの吸光度を測定する方法な
ど)によって定量し、あらかじめ同方法で定量して作成
したα−アミラーゼ標品の検量線を用いて、試料中のα
−アミラーゼ活性を算出する。
【0023】本発明に用いられるα−アミラーゼ活性含
有試料については、α−アミラーゼ活性を含有するもの
であればよく、特に制限はないが、具体的には微生物の
培養液、植物の抽出液、あるいは動物の体液や組織及び
それらの抽出液などを用いることができる。また、α−
アミラーゼ活性含有試料が固体の場合には、いったん精
製水又は緩衝剤に溶解又は懸濁させてから、測定に供す
るのが有利である。そしてまた、必要により、不溶物を
濾過などの操作で除去してもよい。さらに、この緩衝剤
としては、例えば前記したものなどが挙げられる。
【0024】ここで、α−アミラーゼによる基質64
O−D−グルコシルマルトペンタオースの水解部位など
につき検討した結果を次に示す。20mM 64−O−
D−グルコシルマルトペンタオース溶液150μl、1
00mMリン酸緩衝液(pH7.5)30μl、3mM
塩化カルシウム溶液90μl及びヒト唾液腺(S)α−
アミラーゼ(シグマ社製)溶液(100U/l)30μ
lを混和したのち、40℃で反応を行なって経時的
(0.5時間、4時間及び40時間)に100μlずつ
サンプルを採取し、該サンプルは10分間煮沸して反応
を停止させた。各サンプルにつき、遠心分離(1200
0rpm、5min)して変性タンパク質を除去したの
ち、上清をTSKgel Amide80(東ソー社
製、分配・吸着クロマトグラフィー充填カラム)を用い
たHPLCに付し、糖組成を分析した。反応が40時間
のときの分析結果を図1に示す。この図1から、64
O−D−グルコシルマルトペンタオースから、等モルの
6−O−D−グルコシルマルトテトラオースとグルコー
スが生成され 、他のマルトオリゴ糖の生成は殆ど認め
られないことがわかる。また、ヒト膵臓(P)α−アミ
ラーゼ及び豚膵臓α−アミラーゼについても同様の結果
であった。すなわち、該基質はα−アミラーゼによる水
解部位が実質的に1箇所であり、かつ生成物の一方がグ
ルコースであるので、α−アミラーゼの活性を精度よく
測定することができる。
【0025】
【発明の効果】本発明は、上記のごとく新規なα−アミ
ラーゼ活性測定用試薬を用いることにより、α−アミラ
ーゼ活性を精度よく、容易に測定することができるとい
う利点がある。
【0026】
【実施例】以下に実施例を示す。 実施例1 α−アミラ−ゼ活性の測定 (1)基質液の調製 後記の方法で得た40mM 64−O−D−グルコシル
マルトペンタオース50μl、100mM Tris−
HCl緩衝液(pH7.5)10μl及び100mM塩
化カルシウム1μlを混合して基質液とした。 (2)標品α−アミラーゼ液の調製 市販のヒトα−アミラーゼ(P:S=1:1)に精製水
を加え、0、30、100、300、600U/lの濃
度に溶解して標品α−アミラーゼ液とした。なお、この
市販のヒトα−アミラーゼは国際試薬(株)製キャリブ
ザイム・AMYを使用した。また、α−アミラーゼの活
性は、p−ニトロフェニル−マルトヘプタオシド(G7
−PNP)を基質として用いるG7−PNP法により、
1分間に1マイクロモルのp−ニトロフェノールを遊離
する酵素量を1単位(U)として定義した。 (3)試料液の調製 α−アミラーゼ活性測定用試料が液体の場合はそのまま
試料液とする。固体の場合は通常、500mgを正確に
秤量し、精製水を加えて全量を5mlとして試料液とし
た。必要に応じて、不溶物を濾過などの操作で除去して
から用いた。
【0027】(4)検量線の作成 標品α−アミラーゼ液39μlに基質液61μlを加え
てかきまぜ、40℃で5.0時間反応させたのち、5分
間煮沸して反応を停止させ、反応液中の遊離グルコース
量をグルコースB−テストワコー(和光純薬工業社製)
を用いた酵素法により定量した。各標品α−アミラーゼ
液の活性と遊離グルコース量の関係より検量線を作成し
た。その結果、検量線の式は U=2.86x−17.9 [U;酵素活性/l、x;遊離グルコース量(μg/m
l)] となった。そのグラフを図2に示す。 (5)試料中のα−アミラーゼ活性の測定 試料液39μlに基質液61μlを加えてかきまぜ、4
0℃で5.0時間反応させたのち、5分間煮沸して反応
を停止させ、反応液中の遊離グルコース量を(4)と同
様にして定量し、この定量値と(4)で作成した検量線
から算出して試料液中のα−アミラーゼ活性の測定を行
なうことができる。なお、試料液中の酵素活性の値が検
量線の適用範囲(0〜600U/l)を越えた場合は精
製水を用いて相当する倍数の希釈を行なったのち、再測
定を行なう。
【0028】[64−O−D−グルコシルマルトペンタ
オースの製造] (1)サイクロデキストリナーゼの調製 1%(w/v)β−サイクロデキストリン、1%(w/
v)ペプトン、0.5%(w/v)NaCl及び0.1
%(w/v)イーストエキスから成る液体培地(水道水
使用、pH7.0)100mlを500ml容坂口フラ
スコに入れ、120℃で20分間、殺菌処理を行なっ
た。これに、バチルス・スフェリカスE−244(FE
RM BP−2458)の保存スラントより1白金耳接
種し、30℃で1日間振盪培養した。この培養液50m
lを、前記と同様の培地組成と殺菌条件により調製した
2000mlの培地を含有する3000ml容ミニジャ
ーに接種して30℃、1vvm、350rpmの条件で
2日間通気攪拌培養を行ない、培養終了後、この培養液
から8000rpm、20分間の遠心分離処理により菌
体を分離し、2%(w/v)トリトンX−100を含有
する10mMリン酸緩衝液(pH7.0)500mlに
菌体を懸濁して25℃で1日間かきまぜた。該懸濁液か
ら12000rpmで20分間の遠心分離処理により菌
体残渣を除去したのち、上清を10mMリン酸緩衝液
(pH7.0)に対して16時間透析した。得られた透
析物を12000rpmで20分間遠心分離処理して不
溶物を除去し、上清を粗酵素液(1)とした。
【0029】次いで、この粗酵素液(1)約500ml
(総活性200単位、タンパク量2083mg、比活性
0.1、pH7.0)を10mMリン酸緩衝液(pH
7.0)で平衡化したDEAEセファロース充填カラム
(φ34×170mm)に供し、酵素を吸着させたの
ち、0〜1.5MNaClのグラジエント勾配により溶
出を行なった。このようにして得られた活性フラクショ
ンを集めて粗酵素液(2)105ml(総活性145単
位、比活性0.58、収率72.5%)を得た。続い
て、この粗酵素液(2)を1M硫酸ナトリウム含有10
0mMリン酸緩衝液(pH7.0)で平衡化したエーテ
ル5PW充填カラム(φ21.5×150mm)に供
し、酵素を吸着させたのち、1M〜0硫酸ナトリウムの
グラジエント勾配により溶出を行なった。このようにし
て得られた活性フラクションを集めて粗酵素液(3)5
0ml(総活性72単位、比活性2.93、収率36
%)を得た。
【0030】(2)64−O−D−グルコシルマルトペ
ンタオースの製造 市販の6−O−D−グルコシル−β−サイクロデキスト
リン[6−O−α−D−グルコシル−β−シクロデキス
トリン,モノ(和光純薬工業社製)]200mgを脱イ
オン水8.95mlに溶解したのち、100mMリン酸
緩衝液(pH7.5)1ml、前記(1)のサイクロデ
キストリナーゼの粗酵素液(3)1.85単位を混和
し、40℃で2時間反応を行なった。次いで、この反応
液を10分間煮沸して反応を停止させたのち、遠心分離
(12000rpm、5min)により変性タンパク質
を除去し、得た上清をロータリエバポレーターで濃縮乾
固後、脱イオン水1mlに再溶解した。この溶液より糖
質分取用PA−43 HPLCカラム(YMC社製、分
配・吸着クロマトグラフィー用充填カラム)を用いたH
PLC操作(流速5ml/min、溶離液;アセトニト
リル:水=55:45、検出;RI)により64−O−
D−グルコシルマルトヘプタオース画分を分取し、ロー
タリエバポレーターで濃縮乾固して64−O−D−グル
コシルマルトヘプタオース粉末約100mgを得た。な
お、該64−O−D−グルコシルマルトヘプタオースに
β−アミラーゼ(甘藷由来のもの)及びマルトトリオー
ス生成アミラーゼ(Streptomyces gri
seus由来のもの)を作用させることによって各々6
4−O−D−グルコシルマルトヘプタオースと等モルの
マルトース、マルトトリオースが生成することより、得
られたものは64−O−D−グルコシルマルトヘプタオ
ースであると確認された。
【0031】次に、該64−O−D−グルコシルマルト
ヘプタオース粉末を9mlの脱イオン水に溶解し、10
mM酢酸緩衝液(pH5.8)1ml、β−アミラーゼ
(シグマ社製、アミラーゼ活性5600U/ml)50
μlを添加して40℃で2時間反応を行なった。この反
応液を10分間煮沸して反応を停止させたのち、遠心分
離(12000rpm、5min)により変性タンパク
質を除去し、得た上清をロータリエバポレーターで濃縮
乾固後、脱イオン水1mlに再溶解した。この溶液より
前記と同様の糖質分取用PA−43 HPLCカラムを
用いたHPLC操作により64−O−D−グルコシルマ
ルトペンタオース画分を分取し、ロータリエバポレータ
ーで濃縮乾固して64−O−D−グルコシルマルトペン
タオース粉末45mgを得た。該64−O−D−グルコ
シルマルトペンタオース粉末40mgを脱イオン水1m
lに溶解したのち、TSKgel Amide 80
(東ソー社製、分配・吸着クロマトグラフィー充填カラ
ム)を用いたHPLCにて糖組成を分析した。そのとき
のHPLCチャートパターンを図3に示す。また、得ら
れた64−O−D−グルコシルマルトペンタオースの純
度は約99%であった。
【0032】実施例2 測定試薬 (1) 試薬の調製 精製水に以下の成分を以下の濃度で溶解することによ
り、試薬を調製した。 成 分 濃 度 64−O−D−グルコシルマルトペンタオース 32.8mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5) 16.4mM 塩化カルシウム 1.64mM
【0033】(2)測定法 測定用試料が液体の場合はそのまま試料液とする。固体
の場合は試料500mgを正確に秤量し、精製水を加え
て全量を5mlとし、これを試料液とした。試料液39
μlに試薬61μlを加えてかきまぜ、40℃で5.0
時間反応させたのち、5分間煮沸して反応を停止させ、
反応液中の遊離グルコース量を実施例1の(4)と同様
にして定量した。この定量値と実施例1の(5)で作成
した検量線から算出して試料液中のα−アミラーゼ活性
の測定を行なうことができる。なお、試料液中の酵素活
性の値が検量線の適用範囲(0〜600U/l)を越え
た場合は精製水を用いて相当する倍数の希釈を行なった
のち、再測定を行なう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 64−O−D−グルコシルマルトペンタオー
スにヒト唾液腺α−アミラーゼを作用させたときの反応
液のHPLCチャートパターン
【図2】 実施例1におけるα−アミラーゼ活性の測定
に用いる検量線のグラフ
【図3】 実施例1における64−O−D−グルコシル
マルトペンタオース画分のHPLCチャートパターン

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 64−O−D−グルコシルマルトペンタ
    オースを有効成分とするα−アミラーゼ活性測定用試
    薬。
  2. 【請求項2】 α−アミラーゼ活性含有試料に64−O
    −D−グルコシルマルトペンタオースを添加し、酵素反
    応によって生成するグルコ−スを定量することを特徴と
    するα−アミラーゼ活性の測定方法。
JP13564392A 1992-04-30 1992-04-30 α−アミラーゼ活性測定用試薬及びα−アミラーゼ活性の測定方法 Pending JPH05304998A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13564392A JPH05304998A (ja) 1992-04-30 1992-04-30 α−アミラーゼ活性測定用試薬及びα−アミラーゼ活性の測定方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13564392A JPH05304998A (ja) 1992-04-30 1992-04-30 α−アミラーゼ活性測定用試薬及びα−アミラーゼ活性の測定方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH05304998A true JPH05304998A (ja) 1993-11-19

Family

ID=15156604

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP13564392A Pending JPH05304998A (ja) 1992-04-30 1992-04-30 α−アミラーゼ活性測定用試薬及びα−アミラーゼ活性の測定方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH05304998A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Robyt et al. Isolation, purification, and characterization of a maltotetraose-producing amylase from Pseudomonas stutzeri
JPS63183595A (ja) 芳香族置換グリコシド
KR100478514B1 (ko) 1,5-언히드로글루시톨의정량법및정량용시약
Ebertová Amylolytic enzymes of Endomycopsis capsularis: II. A study of the properties of isolated α-amylase, amyloglucosidase and maltase-transglucosidase
Pongsawasdi et al. Purification and some properties of cyclomaltodextrin glucanotransferase from Bacillus circulans
US4855232A (en) Method for production of glucose by use of transglucosidase
US4812398A (en) Reagent for measuring amylase activity and measuring method thereof
Kitahata et al. Purification and some properties of amylomaltase from Escherichia coli IFO 3806
JPH05304998A (ja) α−アミラーゼ活性測定用試薬及びα−アミラーゼ活性の測定方法
JP3075377B2 (ja) α−アミラーゼ活性の測定法およびα−アミラーゼ活性測定用試薬
JP3310008B2 (ja) オリゴ糖酸化酵素、オリゴ糖酸化酵素の製造方法、オリゴ糖の測定方法、オリゴ糖酸の製造方法、アミラーゼ活性測定法及び新規微生物
JP2872983B2 (ja) 1,5−アンヒドログルシトールの定量法及び定量用試薬
JPH0767697A (ja) 1,5−アンヒドログルシトールの定量方法
JP2880573B2 (ja) デンプンをシクロデキストリンに酵素的に変換する方法
JP4526654B2 (ja) マンノースの定量法及び定量用試薬
JP2542700B2 (ja) デオキシマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα―アミラ―ゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα―アミラ―ゼ活性の測定方法
JP2542699B2 (ja) デオキシマルトオリゴ糖、その製造方法、このものを有効成分とするα―アミラ―ゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα―アミラ―ゼ活性の測定方法
JP3124435B2 (ja) α‐アミラーゼアイソザイム活性の分別定量法
JP2888506B2 (ja) 非還元末端アジド化マルトオリゴ糖及びその製造方法
JP2886846B2 (ja) 1,5−アンヒドログルシトール脱水素酵素及びその製造法
JP2559400B2 (ja) マルトオリゴ糖生成アミラ−ゼ及びその製造法
JPH0544273B2 (ja)
JP3862034B2 (ja) グルコースの測定方法
JPH0714343B2 (ja) 新規マルトテトラオ−ス生成酵素およびその製造方法
JPH04126099A (ja) ミオイノシトールの高感度定量法および定量用組成物