JP3070709B2 - マルトオリゴ糖誘導体の製造法 - Google Patents

マルトオリゴ糖誘導体の製造法

Info

Publication number
JP3070709B2
JP3070709B2 JP4209277A JP20927792A JP3070709B2 JP 3070709 B2 JP3070709 B2 JP 3070709B2 JP 4209277 A JP4209277 A JP 4209277A JP 20927792 A JP20927792 A JP 20927792A JP 3070709 B2 JP3070709 B2 JP 3070709B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
maltooligosaccharide
embedded image
general formula
chloro
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP4209277A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0656870A (ja
Inventor
芳男 濱田
真一 手嶋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyobo Co Ltd
Original Assignee
Toyobo Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyobo Co Ltd filed Critical Toyobo Co Ltd
Priority to JP4209277A priority Critical patent/JP3070709B2/ja
Publication of JPH0656870A publication Critical patent/JPH0656870A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3070709B2 publication Critical patent/JP3070709B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Landscapes

  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Saccharide Compounds (AREA)
  • Polysaccharides And Polysaccharide Derivatives (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はα−アミラーゼの活性測
定試薬の基質として用いることができるマルトオリゴ糖
の製造法に関する。
【0002】
【従来技術】従来から膵液や尿などの含有されるα−ア
ミラーゼの活性を測定することにより、各種疾患の診断
が行われている。α−アミラーゼの活性測定には、例え
ばマルトオリゴ糖(マルトテトラオース、マルトオペン
タオース、マルトヘキサオーズなど)を基質とする方法
がある。この方法でα−アミラーゼ含有試料に該マルト
オリゴ糖とα−グルコシダーゼとを作用させて基質から
グルコースを遊離させ、グルコースの量を測定すること
により、α−アミラーゼの活性値を知る。生成したグル
コースは例えばグルコースオキシダーゼ/パーオキシダ
ーゼ/色素系を利用する定量法;ヘキソキナーゼ/ホス
ホグルコムターゼ/グルコース−6−ホスフェートデヒ
ドロゲナーゼ/NADH系を利用する定量法などによ
り、測定される。
【0003】α−グルコシダーゼはマルトペンタオース
などの四糖以上のオリゴ糖に作用しにくく、マルトース
やマルトトリオースなどの三糖以下のオリゴ糖に良好に
作用するため、上記基質を使用してグルコースを測定す
ることにより、α−アミラーゼの活性を測定することが
できる。しかしα−グルコシダーゼは僅かではあるが、
基質であるマルトぺンタオースに作用するため、測定の
ブランク値が上昇し、その結果、測定値の誤差が大きく
なるという欠点がある。またα−グルコシダーゼの基質
分解作用のため、α−グルコシダーゼと基質を一液化す
ることは、試薬としての安定性が損なわれるため、好ま
しくない。
【0004】マルトオリゴ糖の還元性末端にフェニル
基、ナフチル基またはそれらの誘導体をアグリコンとし
て結合させた基質を用いる方法がある。例えば基質とし
てp−ニトロフェニルマルトペンタオシド(特公昭57-5
3079号公報)、p−ニトロフェニルマルトヘキサオシド
(特公昭57-53079号公報)、p−ニトロフェニルマルト
ヘプタオシド(特公昭62-50119号公報)、2,4−ジク
ロロフェニルマルトペンタオシド(特公告昭59-13199号
公報)などが利用されている。これらの基質を用いると
アグリコンが遊離し、遊離したアグリコン、例えばp-
ニトロフェノールを光学的に測定することにより、α-
アミラーゼの活性を容易に測定することができる。上記
方法においてもα- グルコシダーゼが僅かではあるが、
基質に作用するため、ブランク値が上昇する欠点があ
る。前記グルコースを測定する方法と同様にα- グルコ
ースと基質を一液化することは難しい。
【0005】このような欠点を解消するために、マルト
オリゴ糖の非還元末端グルコースの6位のヒドロキシ基
が修飾されたタイプの基質を用いる方法が提案されてい
る。例えば特開昭60-237998 号公報には、非還元性末端
のグルコースの6位のOH基を例えば、−OR,−OC
OR,−OSO2 R,−NHR(式中、Rはアルキル
基、フェニル基またはピリジル基を示す。)で置換し、
還元性末端のグルコースに置換または未置換のフェニル
基がアグリコンとして結合したマルトオリゴ糖誘導体が
基質として記載されている。このタイプの基質ではα−
グルコシダーゼによる基質の分解が生じない。しかしこ
のように6位のみに置換基が導入された基質は、化学合
成が困難であり、収率が悪い欠点があった。
【0006】また特開昭60-54395号公報には非還元性末
端のグルコースの4位および6位のOH基の水素原子を
アルキル基、アルコイル基またはフェニル基で置換し、
還元性末端のグルコースにアグリコンを結合させたマル
トオリゴ糖を基質として用いることが記載されている。
このタイプの基質もα−グルコシダーゼにより分解され
ない。しかし該基質を使用しても、澱粉やアミロースな
どのグルコース鎖を認識して、その結合を切断するα−
アミラーゼの作用機構を正確に反映していない。これら
の欠点を解消する基質として、p−ニトロフェニル α
−マルトペンタオシドの非還元性末端グルコースの4位
または6位に、ガラクトースをβ−結合させたものを用
いる方法が報告されている(日本農芸化学会誌、講演要
旨集第65巻第 3号第 117頁、1991年及び特開平3-264596
号公報) 。しかしこれらの基質では発色基として用いる
p−ニトロフェノールがα−アミラーゼの活性測定領域
pH7.0付近で最大モル吸光係数(以下εと表現す
る)の約半分のεでかつ、僅かなpH変動でε変化が大
きい。また温度上昇、塩化ナトリウム濃度上昇、アルブ
ミン濃度上昇でもεが上昇するという問題がある。
【0007】また製造法としては、原料として不安定な
p−ニトロフェニルマルトペンタオシドを用いて、β−
ガラクトシダーゼにより原料の非還元性末端にガラクト
ースを導入する方法のため、収率が悪く、また未反応の
p−ニトロフェニルマルトペンタオシドと生成物である
p−ニトロフェニル4−O−β−ガラクトピラノシルα
−マルトペンタオシドの極性が似ているため、分離が困
難である。また原料としてp−ニトロフェニルマルトペ
ンタオシドを使用したβ−ガラクトシダーゼによる酵素
反応において、ガラクトシル基が4位および6位に2個
導入される副反応が生じる傾向がある。本発明者らは非
還元末端グルコースの4位または6位にβ−ガラクトー
スが結合し、還元末端に2−クロロ−4−ニトロフェニ
ル基がα結合あるいはβ結合した、2−クロロ−4−ニ
トロフェニル 4(または6)−O−β─D−ガラクト
ピラノシル−α(またはβ)マルトオリゴ糖を見い出
し、既に出願している(特願平3-240576号) 。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、α−
アミラーゼ測定用基質である2−クロロ−4−ニトロフ
ェニル α(またはβ)−マルトペンタオシドの非還元
性末端グルコースの4位あるいは6位に、ガラクトース
をβ−結合させた基質を製造する新規な方法を提供する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(I)
または(II)
【0010】
【化13】
【0011】
【化14】 (式中、nは0〜7の整数を示す。)で表されるマルト
オリゴ糖誘導体の製造法において、一般式(III) または
(IV)
【0012】
【化15】
【0013】
【化16】 (式中、nは0〜7の整数を示す。)で表されるガラク
トシルマルトオリゴ糖を有機媒体の存在下、もしくは無
溶媒の下に、アルカリおよび無水酢酸とともに加熱して
アセチル化する工程、得られた一般式(V)または(V
I)
【0014】
【化17】
【0015】
【化18】 (式中、nは0〜7の整数を示す。Acはアセチル基を
示す。)で表されるアセチル化ガラクトシルマルトオリ
ゴ糖と2−クロロ−4−ニトロフェノールを有機溶媒
中、酸触媒とともに加熱する工程、次いで得られた反応
生成物のアセチル基を脱離する工程を含むことを特徴と
するマルトオリゴ糖誘導体の製造法である。
【0016】また本発明は、一般式(I)または(II)
【化19】
【0017】
【化20】 (式中、nは0〜7の整数を示す。)で表されるマルト
オリゴ糖誘導体の製造法において、マルトオリゴ糖およ
び乳糖をβ−ガラクトシダーゼの存在下に反応させて得
られた一般式(III) または(IV)
【0018】
【化21】
【0019】
【化22】 (式中、nは0〜7の整数を示す。)で表されるガラク
トシルマルトオリゴ糖を有機媒体の存在下、もしくは無
溶媒の下に、アルカリおよび無水酢酸とともに加熱して
アセチル化する工程、得られた一般式(V)または(V
I)
【0020】
【化23】
【0021】
【化24】 (式中、nは0〜7の整数を示す。Acはアセチル基を
示す。)で表されるアセチル化ガラクトシルマルトオリ
ゴ糖と2−クロロ−4−ニトロフェノールを有機溶媒
中、酸触媒とともに加熱する工程、次いで得られた反応
生成物のアセチル基を脱離する工程を含むことを特徴と
するマルトオリゴ糖誘導体の製造法である。
【0022】本発明で使用する一般式(III )または
(IV)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖誘導体
は、例えばマルトテトラオース、マルトペンタオースな
どのグルコース数2〜9個のマルトオリゴ糖を原料とし
て、β−ガラクトシダーゼの存在下、基質として乳糖を
用い、ガラクトシル基をマルトオリゴ糖の非還元性末端
グルコースの4位あるいは6位に導入して得られる。β
−ガラクトシダーゼを使用する条件は、pH5〜9の緩
衝液、好ましくはpH6〜8の緩衝液中、温度15〜6
0℃、反応時間約10分〜100時間である。反応条件
により4位あるいは6位に選択的にβ−ガラクトシル基
を導入することができる。
【0023】本発明では、次いで一般式(III) または
(IV)で表されるガラクトシルマルトオリゴ糖を有機媒
体の存在下、もしくは無溶媒の下に、アルカリおよび無
水酢酸とともに加熱してアセチル化する。該反応によ
り、一般式(V)または(VI)で表されるアセチル化ガ
ラクトシルマルトオリゴ糖を得る。有機媒体としては、
塩化メチレン、クロロホルム、ベンゼン、トルエン、エ
ーテル、酢酸エチルエステル、DMF、DMSOなどを
使用する。アルカリとしては、酢酸ナトリウム、トリエ
チルアミン、ピリジンなどを使用する。アセチル化反応
の条件は、室温〜150℃で、好ましくは酢酸ナトリウ
ムを用いた場合、90〜120℃、ピリジンを用いた場
合、室温〜60℃である。
【0024】本発明では、次いで得られた一般式(V)
または(VI)で表されるアセチル化ガラクトシルマルト
オリゴ糖と2−クロロ−4−ニトロフェノールを有機溶
媒中、酸触媒とともに加熱する。該反応により、2−ク
ロロ−4−ニトロフェニル基が還元末端グルコースにα
結合あるいはβ結合した反応生成物 (2-クロロ-4- ニト
ロフェニル(CNP化) ガラクトシルマルトオリゴ糖保護体
ともいう) を得る。有機溶媒としては、塩化メチレン、
クロロホルム、ベンゼン、トルエン、エーテル、酢酸エ
チルエステルなどを使用する。酸触媒としては、ZnC
2 、SnCl4 、TiCl4 などのルイス酸もしく
は、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの
有機スルホン酸などを使用する。上記反応条件は、室温
〜200℃、好ましくは30℃〜120℃である。2−
クロロ−4−ニトロフェニル基は、反応条件によりα結
合あるいはβ結合させることができる。
【0025】本発明では、さらに上記工程で得られた反
応生成物のアセチル基をメタノール中で触媒量のナトリ
ウムメチラートによる公知の脱保護反応により脱離し
て、一般式(I)または(II)で表されるマルトオリゴ
糖誘導体を得る。他の脱離反応としては、無水メタノー
ル中、陰イオン交換樹脂あるいは無水メタノール中、ト
リエチルアミンを使用して行う。
【0026】
【発明の効果】本発明のβ−ガラクトシダーゼによる酵
素反応は、マルトオリゴ糖と乳糖を反応させるものであ
って、p−ニトロフェニルマルトペンダオシドを原料と
して用いた従来の反応と比べて、ガラクトシル基が2個
導入される副反応が、はるかに少ない。また、収率も大
幅に上昇し、p−ニトロフェニルマルトペンタオシドを
原料に用いた場合と異なり、副生物との分離精製も容易
である。また本発明で得られた2−クロロ−4−ニトロ
フェニル(CNP化)ガラクトシルマルトオリゴ糖保護
体は、副反応が少なく、未反応の原料と極性が離れてい
るため、精製が容易で1回のシリカゲルカラムクロマト
グラフィーによる精製で十分である。さらに本発明では
ガラクトシル基を非還元末端グルコースの4位あるいは
6位にβ結合したマルトオリゴ糖(III)または(IV)
を原料にすることにより、収率が上昇し、副生物もしく
は未反応の原料の混入による精製の困難さが解消され
た。すなわち本発明により得られるマルトオリゴ糖誘導
体は、マルトオリゴ糖の非還元性末端グルコースの4位
または6位にガラクトシル基をβ−ガラクトシダーゼに
より導入した原料(III)または(IV)を使用し、第一
工程でアセチル基によりヒドロキシル基を保護し、第二
工程で2−クロロ−4−ニトロフェノールを作用させた
後、アセチル基を脱離して目的物が得られる方法であっ
て、従来法で、問題となっていた精製除去が困難な副生
物が少なく、収率が良い製造法である。なお、本発明の
基質から遊離する発色基は、2−クロロ−4−ニトロ−
フェノール(以下CNPと表現)であり、従来の基質か
ら生じるp−ニトロフェノールで問題となったα−アミ
ラーゼ測定域、pH7.0付近での感度、pH、塩化ナ
トリウム濃度、アルブミン濃度などの変動でのその変動
などの問題が解消される。
【0027】
【実施例】以下に本発明を実施例を用いて説明する。実
施例1において、β−ガラクトースが、1,4−結合さ
れた化合物を示したが、反応条件により1,6−結合し
た化合物も得られる。 実施例1β−(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオースの製
マルトテトラオース1gおよび乳糖1gを50mM酢酸
緩衝液(pH6.0)5mlに溶解した。バチルス・サ
ーキュランス(Basillus circulans)由来のβ−ガラク
トシダーゼ溶液(65単位/ml)250μlを加え
て、40℃、90分インキュベートした。100℃で1
0分間処理し酵素反応を止めた。この酵素反応液を、ト
ヨパールHW−40Sカラムで精製した後(溶離液:
水、流速1.4ml/分)凍結乾燥し、250mgの白
色粉末を得た。得られた反応生成物は、β(1,4)−
ガラクトシルマルトテトラオース(一般式IV,n=2, 100
%) であった。得られたβ(1,4)−ガラクトシルマ
ルトテトラオースのHPLC分析の結果を図1に示す。
図1には還元末端グルコースがα−D−グルコピラノー
スである化合物とβ−D−グルコピラノースである化合
物が示され、2個のガラクトシル基が入っていないこと
が明らかである。なお、分析条件はカラム:純水、流
速:1.0ml/分、温度:室温、検出器:RIであ
る。
【0028】β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラ
オース保護体の製造上記工程で得られたβ−(1,4)
−ガラクトシルマルトテトラオシド1gおよび酢酸ナト
リウム200mgを酢酸無水物に懸濁し、100℃〜1
10℃で5時間加熱してアセチル化した。冷却後、冷水
に注ぎ、一夜放置した。析出する結晶を吸引濾取し、真
空下でよく乾燥させた。収率約100% 200MHz 1H−NMR:δCDCl3 (分裂型、相
対プロトン数) 1.95〜2.35(多重線、51H) 注:アセチル
基 3.68〜5.5(多重線、34H) 5.76(二重線、1H) 注:J=8.
1Hz 非還元性末端のアノマー水素 該反応により得られた反応生成物は、β(1,4)−ガ
ラクトシルマルトテトラオース保護体 (一般式VI,n=2,
100%) であった。
【0029】2−クロロ−4−ニトロフェニルβ(1,
4)−ガラクトシルマルトテトラオース保護体の製造 上記工程で得られたβ−(1,4)−ガラクトシルマル
トテトラオース保護体1gを塩化メチレン5mlに溶解
し、SnCl4 600mgを加えた。2−クロロ−4−
ニトロフェノール(CNP)500mgを加え、60℃
の油浴で10時間還流させた。冷却後、トリクロロメタ
ンで抽出し濃縮乾固後、ヘキサン/酢酸エチル(6:
4)を溶離液としてシリカゲルカラムクロマトにより精
製し、白色粉末350mgを得た。 200MHz H−NMR:δ(分裂型、相対プロトン数) 1.95〜2.20(多重線、48H)注:アセチル基 3.68〜5.50(多重線、35H) 7.29(二重線、1H)注:J=8.1Hz CNPの環プロトン 8.17(ダブル二重線、1H) 同 上 8.31(二重線、1H) 同 上 該反応により得られた生成物は、2−クロロ−4−ニト
ロフェニルβ(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオ
ース保護体(CNP化ガラクトシルマルトオリゴ糖保護
体、CNP基がβ結合したもの,100%)である。該CNP
化ガラクトシルマルトオリゴ糖保護体は、副反応が少な
く、未反応の原料と極性が離れているため、精製が容易
で1回のシリカゲルカラムクロマトによる精製で十分で
あった。
【0030】2−クロロ−4−ニトロフェニル β
(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオースの製造 上記工程で得られた2−クロロ−4−ニトロフェニル
β(1,4)ガラクトシルマルトテトラオース保護体1
gを無水メタノール10mlに溶解した。ナトリウムメ
チラート5mgを添加し、一夜放置した。酢酸1mlを
加え中和し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。シ
リカゲルカラムクロマト(溶離液:酢エチ/メタノール
/みず8:2:1)で精製し、凍結乾燥することにより
白色粉末620mgを得た。 500MHz 1H−NMR:δCDCl3 PPM (分裂型、相対プロトン数) 3.5〜4.0(多重線、28H) 4.45(二重線、1H)注:β−ガラクトシル基のアノマー水素 5.34(二重線、1H)注:β−グルコシル基のアノマー水素 5.38(二重線、1H)注:α−グルコシル基のアノマー水素 5.39(二重線、1H)注:α−グルコシル基のアノマー水素 5.45(二重線、1H)注:α−グルコシル基のアノマー水素 7.42(二重線、1H) CNPの環プロトン 8.24(ダブル二重線、1H) 同 上 8.43(二重線、1H) 同 上 得られた2−クロロ−4−ニトロフェニル β(1,
4)ガラクトシルマルトテトラオース (一般式(II) n
=2, CNP基がβ結合したもの,100%)のHPLC分析を
図2に示す。なお、分析条件はカラム:TSK−GE
L、NH2 −60、溶媒:アセトニトリル−水(7:
3)、流速:1ml/分、検出器:UV280nmであ
る。他のマルトオリゴ糖誘導体との比較を図3に示す。
図3中、(a)は2−クロロ−4−ニトロフェニルマル
トテトラオース、(b)は2−クロロ−4−ニトロフェ
ニルマルトペンタオースを示す。
【0031】上記の結果より、本発明の製法によると、
各工程の副反応が少なく、精製が容易であり、収率よ
く、ガラクトシルマルトオリゴ糖が製造できた。
【0032】参考例1および22−クロロ−4−ニトロフェニルβ(1,4)−ガラク
トシルマルトテトラオースを用いたα−アミラーゼの測
定例 試薬組成A(参考例1) 50mM グッド緩衝液(pH7.0) α−グルコシダーゼ 90μ/ml β−グルコシダーゼ 12μ/ml CaCl2 1mM 2−クロロ−4−ニトロフェニル β(1,4)ガラク
トシル−マルトテトラオース(以下β(1,4)−Ga
l−G4−CNPと略記) 2mM 試薬組成B(参考例2) 50mM グッド緩衝液(pH7.0) α−グルコシダーゼ 90μ/ml β−グルコシダーゼ 12μ/ml CaCl2 1mM 3−ケトブチリデン 2−クロロ−4−ニトロフェニル
β−マルトペンタオシド(以下3−KB−G5−CNP
と略記) 2mM 上記各試薬3mMにサンプル0.25mlを添加し、3
7℃において3分間放置した後、415nmにおける吸
光度の変化を測定し、1分間当りの吸光度の変化量から
α−アミラーゼ活性を算出した。また唾液由来のアミラ
ーゼ(以下P型アミラーゼと表現)および膵液由来のア
ミラーゼ(以下S型アミラーゼと表現)の標準品を用い
てその両者の測定値の比であるP/S(P型アミラーゼ
/S型アミラーゼの比)を求めた。
【0033】
【表1】 初期吸光度から見て3KB−G5−CNPよりも純度の
高いものが製造でき、かつブランクの上昇も低いことか
ら、安定性もよいことが明らかである。また血清測定値
の感度もよく、P/S比が3KB−G5−CNPを用い
て測定した値が0.86なのに対し、β81,4)Ga
l−G4−CNPを用いた場合は、0.92と1に近
く、よりα−アミラーゼの作用様式を純粋に反映してい
ると考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】β(1,4)−ガラクトシルマルトテトラオー
スのHPLC分析の結果を示す。
【図2】2−クロロ−4−ニトロフェニル β(1,
4)ガラクトシルマルトテトラオースのHPLC分析を
示す。
【図3】HLP分析における他のマルトオリゴ糖誘導体
の結果を示す。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07H 15/203 C08B 37/00 C12P 19/04,19/12 C12Q 1/40 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(I)または(II) 【化1】 【化2】 (式中、nは0〜7の整数を示す。)で表されるマルト
    オリゴ糖誘導体の製造法において、一般式(III) または
    (IV) 【化3】 【化4】 (式中、nは0〜7の整数を示す。)で表されるガラク
    トシルマルトオリゴ糖を有機媒体の存在下、もしくは無
    溶媒の下に、アルカリおよび無水酢酸とともに加熱して
    アセチル化する工程、得られた一般式(V)または(V
    I) 【化5】 【化6】 (式中、nは0〜7の整数を示す。Acはアセチル基を
    示す。)で表されるアセチル化ガラクトシルマルトオリ
    ゴ糖と2−クロロ−4−ニトロフェノールを有機溶媒
    中、酸触媒とともに加熱する工程、次いで得られた反応
    生成物のアセチル基を脱離する工程を含むことを特徴と
    するマルトオリゴ糖誘導体の製造法。
  2. 【請求項2】 一般式(I)または(II) 【化7】 【化8】 (式中、nは0〜7の整数を示す。)で表されるマルト
    オリゴ糖誘導体の製造法において、マルトオリゴ糖およ
    び乳糖をβ−ガラクトシダーゼの存在下に反応させて得
    られた一般式(III) または(IV) 【化9】 【化10】 (式中、nは0〜7の整数を示す。)で表されるガラク
    トシルマルトオリゴ糖を有機媒体の存在下、もしくは無
    溶媒の下に、アルカリおよび無水酢酸とともに加熱して
    アセチル化する工程、得られた一般式(V)または(V
    I) 【化11】 【化12】 (式中、nは0〜7の整数を示す。Acはアセチル基を
    示す。)で表されるアセチル化ガラクトシルマルトオリ
    ゴ糖と2−クロロ−4−ニトロフェノールを有機溶媒
    中、酸触媒とともに加熱する工程、次いで得られた反応
    生成物のアセチル基を脱離する工程を含むことを特徴と
    するマルトオリゴ糖誘導体の製造法。
JP4209277A 1992-08-05 1992-08-05 マルトオリゴ糖誘導体の製造法 Expired - Fee Related JP3070709B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4209277A JP3070709B2 (ja) 1992-08-05 1992-08-05 マルトオリゴ糖誘導体の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4209277A JP3070709B2 (ja) 1992-08-05 1992-08-05 マルトオリゴ糖誘導体の製造法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0656870A JPH0656870A (ja) 1994-03-01
JP3070709B2 true JP3070709B2 (ja) 2000-07-31

Family

ID=16570284

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4209277A Expired - Fee Related JP3070709B2 (ja) 1992-08-05 1992-08-05 マルトオリゴ糖誘導体の製造法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3070709B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0656870A (ja) 1994-03-01

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0486470B1 (en) An aromatic substituted glycoside
US4762917A (en) Oligosaccharide derivatives and their use as substrate for measuring .alpha.
JP2807949B2 (ja) α−アミラーゼ活性測定用試薬および測定方法
JP2886249B2 (ja) ガラクトシル―マルトオリゴ糖誘導体、その製造法およびα―アミラーゼ活性測定方法
JPH01157996A (ja) マルトオリゴ糖誘導体およびアミラーゼ活性測定用試薬
JP3070709B2 (ja) マルトオリゴ糖誘導体の製造法
JP3029925B2 (ja) マルトオリゴ糖誘導体およびその製造法
JPH0655753B2 (ja) 新規オリゴグルコシド誘導体、α‐アミラーゼの測定方法および測定試薬
JP2888506B2 (ja) 非還元末端アジド化マルトオリゴ糖及びその製造方法
JP2542700B2 (ja) デオキシマルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα―アミラ―ゼ活性測定用試薬及びこれを用いたα―アミラ―ゼ活性の測定方法
US5208151A (en) Process for the preparation of derivatives of maltooligosaccharides
JPS63196297A (ja) マリトオリゴ糖―配糖体化合物の製造方法
JP2678620B2 (ja) 新規マルトオリゴ糖誘導体、その製造法およびα−アミラーゼ活性測定方法
JPH04229196A (ja) α‐アミラーゼアイソザイム活性の分別定量法
JP3637088B2 (ja) ヘテロオリゴ糖3糖類の製造方法
JPH06220080A (ja) オリゴ糖化合物およびその製法
JP3148505B2 (ja) 非還元末端6‐アジド化マルトペンタオースの製造方法
JPH05244975A (ja) アルキルグリコシドの製造方法
JPH0650996B2 (ja) α−アミラ−ゼ活性測定用基質及び測定方法
JP3826426B2 (ja) 2−クロロ−4−ニトロフェニル 4−O−β−D−ガラクトピラノシル−α−マルトシドの製造方法
JPH06271596A (ja) オリゴ糖およびその製造方法
JPH1017590A (ja) 修飾α−マルトオリゴシド誘導体、これを有効成分とするα−アミラーゼ活性測定試薬、これを用いたα−アミラーゼ活性の測定方法及び修飾α−マルトオリゴシド誘導体の製造方法
JPH0642836B2 (ja) オリゴ糖の製造方法
JPH11215997A (ja) β−1,4−ガラクトシル−マルトースの製造方法
JPH0630602B2 (ja) 非還元末端修飾オリゴサッカライド誘導体の新規な製造法

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080526

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090526

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100526

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110526

Year of fee payment: 11

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees