JPH0434670Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、刈取装置の後方位置に引起し装置等
への動力伝達用の駆動ケースが横架されているコ
ンバインの刈取前処理部構造に関する。

〔従来技術〕

従来、前記刈取前処理部の構造としては、引起
し装置の後方側に、刈取装置と集束搬送装置等を
配設して構成され、引起し装置で引起された穀稈
の株元を刈取装置で刈り取つた後、刈取穀稈を刈
り幅の中央部に搬送装置で集束し、この集束穀稈
を縦搬送装置で縦姿勢に挟持した状態で後部脱穀
装置に向けて搬送するようになつている。そし
て、前記刈取装置及び引起し装置側へ動力を伝達
する構造としては、刈取装置の後部に駆動ケース
を横架し、この駆動ケース内に内装された駆動軸
から動力を伝達する構成としている。

〔考案が解決しようとする問題点〕

ところが、前記のように刈取られた穀稈の下部
には泥が付着していたり、背の小さい雑草が紛れ
込んでいることがあり、これらの搬送物が前記搬
送装置で機体後方へ向けて搬送されると、この搬
送物は丁度前記駆動ケースの上方位置を通過する
ために、搬送物の下端部が駆動ケースに触れて、
この駆動ケースの上面に泥が付着したり、或いは
背の低い雑草は搬送装置で挟持されないで搬送装
置から落下して、駆動ケースに絡み付くという問
題があり、そして次々と泥や雑草等が駆動ケース
上に堆積すると、穀稈の後方搬送の抵抗となつて
穀稈の株元がスムーズに通過出来ない場合を生じ
るという欠点があつた。

特に、刈取装置を圃場面に近づけて刈取作業を
行う場合には、穀稈の下部に泥が付着し易く、上
記問題を招来し易いものであつた。

本考案は上記の実情に着目してなされたもので
あつて、駆動ケース上面に泥や雑草等が付着堆積
するのを防止することができるコンバインの刈取
前処理部構造を提供することを目的とする。

〔問題点を解決するための手段〕

すなわち、本考案に係るコンバインの刈取前処
理部構造の特徴構成は、刈取装置の後方位置に横
架された駆動ケースの刈取穀稈搬送経路の下側に
相当する部位に、筒体を回転自在に遊嵌せしめて
ある点にあり、その作用及び効果は次の通りであ
る。

〔作用〕

駆動ケースに遊嵌した筒体の上面に泥や雑草等
が付着すると、これらの自重によつて筒体が反転
したり、或いは機体の振動によつて筒体が傾くた
め、筒体の上面から泥や雑草等を落下させること
ができる。

〔考案の効果〕

駆動ケースの上方位置を通過して次々と機体後
方へ搬送される穀稈等に泥が付着していたり、あ
るいは雑草等が混ぎれ込んでいたとしても、筒体
が回転して圃場へ落下除去することができるの
で、これら付着物が筒体の上面に堆積することが
なく、穀稈の搬送抵抗となることがなくなつた。
しかも、筒体の上面に穀稈の下端部が振れると、
筒体は穀稈の後方移動に伴つて回転することが可
能なため、従来の駆動ケースの上面に穀稈の下部
が触れて搬送抵抗となつている場合に比べても、
穀稈の搬送性を向上することができるようになつ
た。

〔実施例〕

以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第３図は、本考案に係る刈取前処理部１を備え
た自脱型コンバインの側面を示している。この刈
取前処理部１は、３条の植立穀稈に作用する引起
し装置２、バリカン型刈取装置３、各条の植立穀
稈を後方に引つ込む補助搬送装置４、刈取られた
３条の穀稈を刈幅方向の２個所に掻込む回転パツ
カー５、掻込まれた刈取穀稈を後方に挟持搬送し
て一個所に合流する株元合流用の搬送装置６、合
流された穀稈の株元を後方上方に挟持搬送する扱
深さ調節用の縦搬送装置７と位置固定の中継搬送
装置８、これら縦搬送装置７と中継搬送装置８と
共動して穀稈を後方上方へ係止搬送しながら立姿
勢から横倒れ姿勢に漸次穀稈姿勢を変更してゆく
穂先係止装置９等から構成されており、搬送され
た刈取穀稈が後部脱穀装置１０のフイードチエー
ン１１始端に横倒れ姿勢で供給されるようになつ
ている。

又、前記刈取前処理部１は、機体の前部から前
方へ上下揺動自在に延設された縦駆動ケース１２
に装備されたものであり、支点（Ｐ）周りで上下
昇降自在に連結されているとともに、この縦駆動
ケース１２の先端部に横架された駆動ケース１３
から前記引起し装置２、刈取装置３、補助搬送装
置４、回転パツカー５、合流用搬送装置６へ駆動
力が伝達されるようになつている。そして、この
駆動ケース１３の上方位置に前記合流用搬送装置
６による２つの搬送経路Ａが位置し、刈取り穀稈
の株元が駆動ケース１３上を通過するようになつ
ている。

第２図に示すように前記縦駆動ケース１２の両
側部における駆動ケース１３には、それぞれこの
駆動ケース１３の外径よりも内径が相当大きい筒
体１４が、駆動ケース２両側部の略全長に亘つて
回転自在に遊嵌されている。従つて、筒体１４の
上方位置には、前記したように搬送経路Ａがあつ
て、穀稈が機体後方へ向けて搬送されるが、その
搬送途中に穀稈の下部に付着した泥或いは穀稈の
ハカマや雑草等がこの筒体１４に絡みついたとし
ても、その付着物の自重で筒体４が回転し、或い
は刈取前処理部１の上下揺動や機体の揺動などに
よつて、前記筒体１４が回転して上記付着物が圃
場面に落下されるので付着物が筒体１４にいつま
でも付着することがないのである。尚、前記筒体
１４の材質としては、難付着性の樹脂材で形成さ
れている。

〔別実施例〕

第４図イに示すように、前記筒体１４の外周面
に軸芯方向に亘つて突起１５を多数設けても良
く、このようにすれば、各突起１５が機体走行時
に圃場の切り株に当たつて駆動回転されるため
に、筒体１４外面に付着した泥や筒体１４に絡み
付いた雑草等を積極的に落下させることができ
る。また、第４図ロに示すように、上記突起１５
は筒体１４の軸芯方向に長い突条で形成しても良
い。

尚、実用新案登録請求の範囲の項に図面との対
照を便利にする為に符号を記すが、該記入により
本考案は添付図面の構造に限定されるものではな
い。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るコンバインの刈取前処理部
構造の実施例を示し、第１図は刈取前処理部の側
面図、第２図は要部の斜視図、第３図は自脱型コ
ンバインの前部の側面図、第４図はイ，ロは夫々
筒体の別実施例の斜視図である。 ３……刈取装置、１３……駆動ケース、Ａ……
搬送経路、１４……筒体。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 刈取装置３の後方位置に横架された駆動ケース
   １３の刈取穀稈搬送経路Ａの下側に相当する部位
   に、筒体１４を回転自在に遊嵌せしめてあるコン
   バインの刈取前処理部構造。