JPH04341885A - インクジェット記録用ラベル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はインクジェット記録用ラ
ベルに関し、特にインク乾燥性と記録画像の耐水性に優
れた、非塗工タイプのインクジェット記録用ラベルに関
する。

【従来の技術】

【０００２】インクジェット記録方式は、種々の機構に
よりインクの小滴を吐出し、該小滴を記録用紙上に付着
させることによりドットを形成し記録を行うものである
。この方式は、ドットインパクトタイプの記録方式に比
べて騒音がなく、又フルカラー化が容易であると共に高
速印字が可能である等の利点がある反面、使用されるイ
ンクが直接染料や酸性染料などを用いた水性インクであ
るため、インクの乾燥性が悪いという欠点がある。

【０００３】このインクジェット記録方式に用いられる
インクジェット記録用紙に要求される特性としては、■
インク乾燥性が良い ■印字濃度が高い ■ドットの広がりやひげ状のにじみが少ないなどが挙げ
られる。

【０００４】■の特性を改善するために、従来、比表面
積の大きなシリカなどを内添して紙のインク吸収量を大
きくすることが行われていたが、この場合にはインクが
紙中に広く吸収されるため、ドットの広がりや印字濃度
の低下を生じるという欠点があった。

【０００５】特に、最近のニーズの多様化に伴い、イン
クジェット記録した紙を種々の物品に貼付したり、郵便
に宛名用に使用するラベル用途が増大している。しかし
ながら、インクジェット記録に使用されるインクは、従
来通り、直接染料や酸性染料等を用いた水性インクであ
るため記録画像の耐水性が悪く、上記の用途における取
扱い時に、水や手汗により記録画像がにじんだり流れた
りするという欠点があった。

【０００６】係る欠点は、例えば特開昭５６─５８８６
９号に記載されている如く、記録面に特殊な層をコ−テ
ィングすることによって解決されるが、記録紙のコスト
が高くなるために、上記の如き特殊な層を設けない非塗
工タイプのインクジェット用記録紙を改良することが望
まれていた。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】本発明者等は上記の欠
点を解決するためにインクジェット記録用ラベルについ
て種々検討した結果、カナダ標準形ろ水度が３５０ｍｌ
以上の木材パルプを用いた基紙の少なくとも記録面に一
定量のカチオン性高分子電解質を付与すると共に、該記
録面のステキヒトサイズ度を調整することにより、非塗
工タイプのインクジェット記録用ラベルの画像耐水性を
改善することができることを見い出し、本発明に到達し
た。従って本発明の目的は、インク乾燥性が良好である
と共に記録画像の耐水性に優れた、非塗工タイプのイン
クジェット記録用ラベルを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の上記の目的は、
カナダ標準形ろ水度３５０ｍｌ以上の木材パルプ及び填
料を用いて抄造されると共に、少なくともその記録面に
、０．１〜２．０ｇ／ｍ２　の高分子電解質を有する基
紙、並びに該基紙の裏面に順次設けられた粘着剤層及び
剥離紙からなるラベルであって、該記録面のサイズ度が
１０秒以上であることを特徴とするインクジェット記録
用ラベル及びその製造方法によって達成された。

【０００９】本発明で用いる紙は、カナダ標準形ろ水度
が３５０ｍｌ以上の木材パルプ及び填料からなるパルプ
スラリーから、公知の方法によって容易に抄造される。 好ましいカナダ標準形ろ水度の範囲は３５０〜４５０ｍ
ｌである。カナダ標準形ろ水度が３５０ｍｌ以下の木材
パルプでは、インク乾燥性が低下する。又、４５０ｍｌ
以上では紙力が低下するので実用上問題である。

【００１０】抄紙条件としては、酸性抄き、中性抄きの
何れをも採用することができる。本発明で使用する填料
は、通常紙に用いるものであれば特に限定されるもので
はなく、炭酸カルシウム、シリカ、クレー、タルク、チ
タン、カオリン、プラスチックピグメントなどを適宜使
用することができる。配合量は、紙中、５〜３０重量％
好ましくは６〜１５重量％である。又、坪量としては５
０〜１００ｇ／ｍ２　が好ましい。又、必要に応じて内
添サイズ剤、歩留り向上剤、導電剤及び各種染料等を添
加することができる。

【００１１】本発明において用いるカチオン性高分子電
解質は、インクジェット記録に使用するインクを紙表面
に強く固定し、画像の耐水性を改善する作用をするもの
である。このようなカチオン性高分子電解質としては、
例えばポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハラ
イド、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩
、ポリジアクリルジメチルアンモニウムハライド、ポリ
ビニルピリジウムハライドなどの第４級アンモニウム塩
類の重合物及び共重合物がある。

【００１２】これらカチオン性高分子電解質は、基紙全
体に含有されていても、表面に付与されていても良い。 使用される量は、基紙全体に含有される場合には０．２
〜２．０ｇ／ｍ２　、好ましくは０．４〜１．５ｇ／ｍ
２　であり、表面に付与される場合には０．１〜２．０
ｇ／ｍ２　、好ましくは０．２〜１．５ｇ／ｍ２　であ
るが、適用されるインクの種類及び量、更には基紙の坪
量に応じて適宜調整して使用することができる。

【００１３】又、印字時のドットの広がりやヒゲ状のに
じみを防止する観点から、本発明においては、記録表面
のステキヒトサイズ度は１０秒以上であることが必要で
ある。１０秒未満ではインクのにじみが著しくなる。

【００１４】上記ステキヒトサイズ度は、塗工液中に、
通常表面サイズに使用する高分子、例えば、でんぷん、
ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロースそ
の他の表面サイズ剤や顔料、分散剤、等を必要に応じて
併用することにより、或いはこれらを更に独立に付与す
ることにより適宜調整することができる。又、更に、消
泡剤、染料、流動変性剤等も添加することができる。

【００１５】塗工方法としては、サイズプレスコート、
エアーナイフコート、ロールコート、バーコート、グラ
ビアコートなどの公知の塗工方法を適宜採用することが
できる。本発明のインクジェット記録用ラベルは上記の
如くして調整した基紙の裏面に、順次粘着剤層及び剥離
紙を設けたものである。粘着剤層に使用する粘着剤とし
ては、溶剤系及び水系の何れのものも使用することがで
きる。

【００１６】粘着剤層及び剥離紙を設ける方法としては
、例えば、シリコン樹脂などで剥離処理した紙又はフィ
ルムの剥離シートの上に粘着剤を塗工し乾燥した後、そ
れを基紙などに貼合する、いわゆる転写塗工法を採用す
ることができる。本発明のインクジェット記録用ラベル
は、記録面にインクジェット記録をした後剥離紙を取除
き、被着体に貼付して使用する。

【００１７】

【発明の効果】以上詳述した如く、本発明のインクジェ
ット記録用ラベルは、カナダ標準形ろ水度が３５０ｍｌ
以上の木材パルプを用いているのでインク乾燥性に優れ
る上、ステキヒトサイズ度が１０秒以上であるのでドッ
トの広がりやひげ状のにじみが発生しない上、インク濃
度が高い。更に、カチオン性高分子電解質が記録面に０
．１〜２．０ｇ／ｍ２　付与されているので記録画像の
耐水性が十分である。

【００１８】

【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明はこれによって限定されるものではな
い。

【００１９】実施例１．ＬＢＫＰ（ｃ．ｓ．ｆ．３８０
ｍｌ）９４重量部、タルク６重量部、ロジン系内添サイ
ズ剤０．５重量部及びカチオン化でんぷん０．５重量部
を配合したパルプスラリーから坪量６４．０ｇ／ｍ２　
の上質紙を抄紙した。次に、酸化でんぷん５％及びポリ
ビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド０．４
％を含有する塗工液をサイズプレスコートした。この時
のカチオン性高分子電解質の含有量は、０．２ｇ／ｍ２
　であった。 またステキヒトサイズ度は１５秒であった。

【００２０】次に、アクリルエマルジョン型粘着剤タフ
タック６０１（山陽国策パルプ）２０ｇ／ｍ２　を有す
る剥離紙ＥＫ１２０Ｄ２（リンテック）を用い、上記上
質紙の非サイズ面に、転写塗工法により粘着剤層及び剥
離紙を順次設け、インクジェット記録用ラベルとした。 得られたラベルにインクジェットプリンター（商品名：
ＩＪＫ−１１２ＩＩＣｕｓｔｏｍ，チノン製）で記録し
た結果を（表１）に示した。

【００２１】実施例２．実施例１で抄紙した上質紙に、
酸化でんぷん５％及びアクリル系の表面サイズ剤０．１
％から成る塗工液をサイズプレスコートした後、その片
面に更にポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハ
ライドの５．０％水溶液を、塗工量が２．０ｇ／ｍ２　
となるようにバーコートした。この時のステキヒトサイ
ズ度は、２２秒であった。更に、実施例１と同様にして
、転写塗工法により裏面に粘着剤層及び剥離紙層を設け
、実施例１と同様に評価した結果は（表１）に示した通
りである。

【００２２】実施例３．実施例２で調製したサイズプレ
スコ−トした紙の片面にジメチルアミノエチルメタクリ
レ−ト塩酸塩とメチルメタクリレ−トとの共重合物の０
．４％水溶液を、塗工量が０．１ｇ／ｍ２　となるよう
にバ−コ−トした。このときのステキヒトサイズ度は２
０秒であった。更に、実施例１と同様にして、転写塗工
法により裏面に粘着剤層及び剥離紙層を設け、実施例１
と同様に評価した。

【００２３】実施例４．ＬＢＫＰ（ｃ．ｓ．ｆ．４２０
ｍｌ）９０重量部、軽質炭酸カルシウム１０重量部、ア
ルキルケテンダイマ−系内添サイズ剤０．０４重量部及
びカチオン化でんぷん０．５重量部を配合して坪量６４
．０ｇ／ｍ２　の上質紙を抄紙し、酸化でんぷん４％及
びポリビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライド
０．６％に調整した塗工液をサイズプレスコ−トした。

【００２４】この時のカチオン性高分子電解質の塗工量
は、０．４ｇ／ｍ２　であった。またステキヒトサイズ
度は１３秒であった。次に、実施例１と同様にして、転
写塗工法により裏面に粘着剤層及び剥離紙層を設け、実
施例１と同様に評価した。結果は（表１）に示した通り
である。

【００２５】比較例１．ＬＢＫＰ（ｃ．ｓ．ｆ．３２０
ｍｌ）９４重量部、タルク６重量部、内添サイズ剤（ロ
ジン系）０．５重量部及びカチオン化でんぷん０．５重
量部を配合して坪量６４．０ｇ／ｍ２　の上質紙を抄紙
した。次に、ポリビニルベンジルトリメチルアンモニウ
ムハライド０．４％に調整した塗工液をカチオン性高分
子電解質の塗工量が０．２ｇ／ｍ２　となるようにサイ
ズプレスコ−トした。ステキヒトサイズ度は１６秒であ
った。次に、実施例１と同様にして、転写塗工法により
裏面に粘着剤層及び剥離紙層を設け、実施例１と同様に
評価した。結果は（表１）に示した。

【００２６】比較例２．実施例１で抄紙した上質紙に、
酸化でんぷん５％及びアクリル系の表面サイズ剤０．１
％から成る塗工液をサイズプレスコ−トした。このとき
のステキヒトサイズ度は１４秒であった。更に、実施例
１と同様にして、転写塗工法により裏面に粘着剤層及び
剥離紙層を設け、実施例１と同様に評価した。結果は（
表１）に示した。

【００２７】比較例３．実施例４で抄紙した上質紙に、
酸化でんぷん３％及びアクリル系の表面サイズ剤０．０
５％から成る塗工液をサイズプレスコ−トした後、ポリ
ビニルベンジルトリメチルアンモニウムハライドの２．
０％水溶液を塗工量が１．０ｇ／ｍ２　となるようにバ
ーコートした。このときのステキヒトサイズ度は、６秒
であった。次に、実施例１と同様にして、転写塗工法に
より裏面に粘着剤層及び剥離紙層を設け、実施例１と同
様に評価した。結果は（表１）に示した。

【表１】 尚、表中の注１〜注４は、夫々下記の通りである。 注１；ＶＴＡＸ：ポリビニルベンジルトリメチルアンモ
ニウムハライド ＤＡＭＡ：ジメチルアミノエチルメタクリレート塩酸塩
メチルメタクリレート共重合物 注２；　　　　　　○：ドット形状良好×：ドット広が
り大 注３；　　　　　　○：乾燥性良好　　　　（乾燥時間
５秒未満）△：あまり良くない（乾燥時間５秒以上３０
秒未満）×：乾燥性不良　　　　（乾燥時間３０秒以上
）注４；　　　　　　○：水に浸漬した後でもインクは
殆ど流れない

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】　　カナダ標準形ろ水度が３５０ｍｌ以上
   のパルプ及び填料を用いて抄造されると共に、少なくと
   もその記録面に０．１〜２．０ｇ／ｍ２　のカチオン性
   高分子電解質を有する基紙並びに該基紙の裏面に順次設
   けられた粘着剤層及び剥離紙からなるラベルであって、
   該記録面のステキヒトサイズ度が１０秒以上であること
   を特徴とするインクジェット記録用ラベル。
2. 【請求項２】　　カナダ標準形ろ水度３５０ｍｌ以上の
   木材パルプおよび填料からなる基紙の少なくとも記録面
   に、カチオン性高分子電解質を０．１〜２．０ｇ／ｍ２
   　付与すると共に、該記録面のステキヒトサイズ度を１
   ０秒以上とした後、他方の面に、転写塗工法により粘着
   剤層及び剥離紙層を順次設けることを特徴とするインク
   ジェット記録用ラベルの製造方法。