JPH0431707Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 この考案は、コンピユータの入力装置等の電子
機器に用いられるメンブレンスイツチに関するも
のである。

従来技術 従来のこの種のメンブレンスイツチは、例えば
第５図に示すように、一対の連続したシート１，
２の一方に、複数の固定接点部３および配線部
（図示省略）が印刷され、他方にその固定接点部
３と離接する可動接点部５および配線部（図示省
略）が印刷され、さらに、両シート１，２間に粘
着スペーサ７が介在されており、シート２上の所
定位置を押圧することによりその部分が弾性変形
されて粘着スペーサ７の開口部７ａを通して可動
接点部５が固定接点部３に接触してスイツチON
状態となり、又、押圧力を解除すると両接点部
３，５が離間してOFF状態となるように設定さ
れている。

考案が解決しようとする問題点 しかしながら、このような従来のメンブレンス
イツチにあつては、粘着スペーサ７の開口部７ａ
を大きく設定すれば、軽操作力で両接点部３，５
を接触させることができるのであるが、大きくし
た場合には、熱の影響等でシート１，２が変形す
ると、両接点部３，５が接触して誤動作を引き起
こす虞があると共に、配線部が開口部７ａから露
出しないようにするためには、印刷範囲が狭くな
つてしまい、設計上の自由度が小さくなりスイツ
チ製造が難しくなる、という問題点があつた。

問題点を解決するための手段 かかる問題点を解決するため、この考案のメン
ブレンスイツチは、対向する一対のシートの一方
の対向面側に、複数の固定接点部と該各固定接点
部を取り囲み該固定接点部よりわずかに高くなる
絶縁レジストとを印刷し、他方の対向面側に、前
記複数の固定接点部と各々離接する複数の可動接
点部と該可動接点部を取り囲み該可動接点部より
わずかに高くなる絶縁レジストとを印刷し、さら
に、前記両シート間の、前記絶縁レジストの周囲
全体にわたつて前記一方の対向面側に印刷された
絶縁レジストと他方の対向面側に印刷された絶縁
レジストとを離間させるスペーサを介在させたこ
とを特徴としている。

作 用 このような手段によると、スペーサが絶縁レジ
ストの周囲、換言すればスペーサの開口部内に絶
縁レジストが配設されているとともに、上記一方
の対向面側に印刷された絶縁レジストと他方の対
向面側に印刷された絶縁レジストとを離間させて
広い開口部を得ており、その結果、軽操作力で両
接点部を接触させてスイツチON状態とすること
ができる。また、絶縁レジストは各接点部よりわ
ずかに高く設定されているため、シートが熱等の
影響で変形した場合等においても、相対向する絶
縁レジスト同士が先に接触するので各接点部が接
触することなく、誤動作が防止される。と同時
に、この絶縁レジストでスペーサ開口部内、つま
り各接点部周囲近傍の配線部を覆つているため、
配線部の配線スペースが広範囲となり、設計の自
由度が増し、スイツチ製造上も有利となる。

実施例 以下、この考案を実施例に基づいて説明する。

第１図ないし第４図はこの考案の一実施例を示
す図である。

まず構成を説明すると、第１図は製品となつた
メンブレンスイツチの断面図、第２図は半製品を
示す展開図であり、図中１１，１２は連続した一
対のポリエステルフイルムのシートで、一方のシ
ート１１には複数の固定接点部１３および配線部
１４が印刷され、又、他方のシート１２には、そ
の固定接点部１３と離接する複数の可動接点部１
５および前記配線部１４と連続する配線部１６が
印刷されている。そして、この上から例えば５個
の固定接点部１３あるいは５個の可動接点部１５
にわたつて、個々の接点部１３，１５を取り囲む
ように大略長方形状の絶縁レジスト１７が印刷さ
れている。各接点部１３，１５を個々に取り囲む
ようにしても良い。この絶縁レジスト１７の高さ
は、各接点部１３，１５の高さ（約15μm）より
わずかに高くなるように、例えば約25μm程度に
設定されている。このように絶縁レジスト１７、
各接点部１３，１５並びに配線部１４，１６が印
刷された一対のシート１１，１２は、第２図に示
すように開かれた状態から折り畳まれて、両シー
ト１１，１２間には絶縁性のスペーサである粘着
スペーサ１８が介在され、このスペーサ１８によ
つて両シート１１，１２が接着されている。詳し
くは、この粘着スペーサ１８は、絶縁レジスト１
７の周囲で両シート１１，１２間全体にわたつて
設けられている。換言すると、粘着スペーサ１８
の開口部１８ａ内に絶縁レジスト１７が設けられ
ている（第３図参照）。この粘着スペーサ１８の
肉厚は、両接点部１３，１５が適当なストローク
で接し、相対向する絶縁レジスト同士１７が所定
間隔離間するように設定されている。

次に、かかる構成により成るメンブレンスイツ
チの作用について説明する。第４図のように、シ
ート１２の所定位置を矢印Ａ方向へ押圧すると、
その部分のシート１２が弾性変形して可動接点部
１５が固定接点部１３に接触してスイツチON状
態となる。この際には、粘着スペーサ１８が絶縁
レジスト１７の周囲に配設されるとともに、上記
一方のシート１１の対向面側に印刷された絶縁レ
ジスト１７と他方のシート１２の対向面側に印刷
された絶縁レジスト１７とが離間されて粘着スペ
ーサ１８の開口部１８ａが広く設定され、シート
１２の押し圧力は従来に比べて少なくて済み、か
つ、絶縁レジスト１７の高さが各接点部１３，１
５の高さよりわずかしか高くないため、シート１
２が容易に弾性変形されてスイツチON状態が得
られ、スイツチ操作性が良好となる。と同時に、
ある一対の、固定接点部１３と可動接点部１５と
を接触させた時に、同一開口部１８ａ内にある隣
接する他の対の接点部１３，１５同士は絶縁レジ
スト１７にて接触することがなく、誤動作が防止
されることとなる。また、シート１２の接点部１
５の位置を誤つて触れた場合でも、粘着スペーサ
１８により絶縁レジスト１７同士に所定の間隔を
設け、接点部１３，１５同士の間隙を所定値に設
定しているため、所定のストロークの後、絶縁レ
ジスト１７同士が先に接触するので、両接点部１
３，１５が誤つて接触することは少ない。勿論、
熱等の影響により、シート１１，１２が変形して
いる場合でも、絶縁レジスト１７によつて各接点
部１３，１５同士の接触が防止される。

また、粘着スペーサ１８の、広く設定された開
口部１８ａ内には絶縁レジスト１７が印刷されて
配線部１４，１６が覆われるため、配線部１４，
１６の配設スペースを広くすることができ、設計
の自由度が増し、スイツチ製造が容易に行われる
と共に、硫化水素（H₂Ｓ）や二酸化イオウ
（SO₂）等のガスに配線部１４，１６がさらされ
ないため、耐食性の向上が図られることとなる。

考案の効果 以上説明してきたように、この考案によれば、
一方のシートの対向面側に印刷された絶縁レジス
トと他方のシートの対向面側に印刷された絶縁レ
ジストとが、この絶縁レジストの周囲に配設され
たスペーサによつて離間し、スペーサの開口部を
広く設定することにより、軽操作力でスイツチ操
作を容易に行うことができるとともに、絶縁レジ
ストにより誤動作を防止でき、しかも、配線部の
配設スペースを広げることができてスイツチ製造
を容易に行うことができる、という実用上有益な
効果を発揮する。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図はこの考案のメンブレンス
イツチの一実施例を示す図で、第１図は要部を断
面した斜視図、第２図は同スイツチ半製品の展開
図、第３図は粘着スペーサ、絶縁レジスト並びに
接点部を示す平面図、第４図は作用を示す第１図
と同様な斜視図、第５図は従来のメンブレンスイ
ツチを示す第１図と同様な斜視図である。 １１，１２……シート、１３……固定接点部、
１４，１６……配線部、１５……可動接点部、１
７……絶縁レジスト、１８……粘着スペーサ（ス
ペーサ）。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 対向する一対のシートの一方の対向面側に、複
   数の固定接点部と該固定接点部を取り囲み該固定
   接点部よりわずかに高くなる絶縁レジストとを印
   刷し、他方の対向面側に、前記複数の固定接点部
   と各々離接する複数の可動接点部と該各可動接点
   部を取り囲み該可動接点部よりわずかに高くなる
   絶縁レジストとを印刷し、さらに、前記両シート
   間の、前記絶縁レジストの周囲全体にわたつて前
   記一方の対向面側に印刷された絶縁レジストと他
   方の対向面側に印刷された絶縁レジストとを離間
   させるスペーサを介在させたことを特徴とするメ
   ンブレンスイツチ。