JPH0720819Y2 - キーボードスイッチ - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、各種の電気・電子機器に於けるスイッチ入力
操作手段として使用される膜型キーボードスイッチに関
し、更に具体的に云えば、接点パターン及び配線パター
ン相互が複雑化し密集化するようなタイプのキーボード
スイッチであっても配線パターンのスイッチ動作領域に
於ける絶縁処理とスイッチ動作荷重の適正化を好適に達
成可能なキーボードスイッチに関する。

「従来の技術」 各種のプラスチックフィルムで代表される可撓性に富む
絶縁性シートを利用して構成されるこの種の模型キーボ
ードスイッチは、第３図のように二枚の絶縁性シート１
及び９を絶縁性スペーサ６を介して対向配置し、それら
の各対向面にスイッチを構成する為の接点パターン2,10
を各別に被着形成し、スペーサ６の透孔７で形成された
スイッチ動作領域８で対応接点パターン2,10間の自由な
接触・離間動作によってスイッチのオン・オフ動作を行
なわせるように構成されている。そして、一般には例え
ば絶縁性シート９上に各スイッチを特定する為の化粧板
と通称される図示しない操作表示シートを設け、この表
示シートに対する操作力の付与及び解除に応じてスイッ
チの入力操作を行なえるようにしている。

「考案が解決しようとする問題点」 このような構造のキーボードスイッチに於いては、スイ
ッチ動作領域８内には絶縁性の問題から第３図及び第４
図の如く接点パターン2,10の必要な配線パターン３以外
の他の配線パターン4,11等が引き廻されないように設計
するのが一般的であるが、例えば小スペース内に多数の
スイッチを要望されるような場合には、接点パターン2,
10及び配線パターン3,4,11等が複雑化し、特にそれらの
配線パターン3,4,11等の引き廻しの密集化は避け難いも
のがある。その為、図の如く、接点パターン2,10に属す
る配線パターン３を除く他の配線パターン4,11の一部を
スイッチ動作領域８内に配線せざるを得ない場合もある
が、その際には配線パターン4,11のスイッチ動作領域８
に露出する部分の絶縁処理が問題となる。

そこで、第５図のようにスペーサ６の透孔7Aを小さく形
成して配線パターン4,11の一部がスイッチ動作領域8Aに
露出しないようにしてその間の絶縁問題を一応解消する
ことができるが、反面、この手法ではスイッチ動作領域
8Aがその分だけ減少する為、スイッチ入力荷重を重くし
て操作性に大きな支障を与えることとなって好ましい対
応策とは云えないものがある。

「問題点を解決するための手段」 本考案そこで、接点パターンの為の必要なスイッチ動作
領域を確保してスイッチ入力操作荷重を適正範囲に保持
する一方、このスイッチ動作領域に配線される当該接点
パターンに属する配線パターン以外の他の配線パターン
部分を被覆する為にその当該接点パターンの接触領域を
露出させる為の薄い絶縁性フィルムを設けるようにした
キーボードスイッチを提供することにより、複雑・密集
化するようなタイプのキーボードスイッチであっても、
接点パターン及び配線パターンの設計自由度とスイッチ
操作性の確保とを両立させ得るようにしたものである。

このような薄い絶縁性フィルムは、絶縁性シートに被着
形成した所要の接点パターン及び配線パターンのうち、
必要な配線パターンに対する表面絶縁保護層の如き態様
で絶縁性シートに一様に接合して構成することができ
る。

「実施例」 第１図及び第２図は、本考案の一実施例に従って構成さ
れたキーボードスイッチの説明図であって、第３図及び
第４図と同一符号はそれらと同一要素を示す。図に於い
て、５及び12は本考案に従って構成された絶縁性の薄い
フィルムであって、これらの絶縁性フィルム5,12は接点
パターン2,10の接触領域を露出させる為に図の如くその
接点パターン2,10及び所要の配線パターン3,4,11等を形
成した絶縁性シート1,9の少なくとも一方に、図では双
方に各別に一様に設けてある。

このような構成を採用すると、第２図にその一例を示す
ように、接点パターン2,10の為のスイッチ動作領域８の
大きさ、従って主要なスペーサ６の透孔７の大きさを所
要範囲で十分に確保できると共に、接点パターン２に接
続される配線パターン３の一部分を含めてそれ以外の配
線パターン４をこのスイッチ動作領域８内で絶縁性フィ
ルム５により十分に絶縁被覆可能となる。

絶縁性フィルム5,12はそれぞれ接点パターン2,10を中心
として対称的に設けてスイッチ操作荷重に片寄りを与え
ないように配慮するのが望ましく、また、各接点パター
ン2,10を露出させる形状としては透孔７の形状と共に方
形又は円形状等最適なものを採用できる。このような絶
縁性フィルム5,12の材料は、薄い絶縁性フィルム材の
他、各種の絶縁インク等を使用できるものであって、例
えば各絶縁性シート1,9に所要の接点パターン2,10及び
配線パターン3,4,11等を適宜形成した後、配線パターン
4,11の上記の如き絶縁被覆すべき部分について選択的に
絶縁性フィルム5,12を設けるように構成することもでき
る。

そして、上記のような絶縁性フィルム5,12を採用するこ
とにより、スイッチ動作領域８は適正なスイッチ操作荷
重を得られるように最適な大きさに定めることができ、
しかもその場合に、該領域８に引き廻される当該接点パ
ターン2,10以外の配線パターン4,11の部分的な配線も可
能となるので、複雑に密集化するようなタイプに於ける
キーボードスイッチの設計自由度を好適に高め得るもの
となる。

「考案の効果」 以上説明したように、本考案によれば、この種の膜型キ
ーボードスイッチに於いて、スイッチ動作領域に配線さ
れる接点パターンに属する配線パターン以外の他の配線
パターン部分を被覆する為にその接点パターンの接触領
域を露出させる為の薄い絶縁性フィルムを設けるように
構成したので、接点パターン及び配線パターンが複雑か
つ密集化するような構造のキーボードスイッチであって
も、スイッチ入力操作性を良好に確保しながらスイッチ
動作領域に於いて絶縁上問題となる配線パターンを好適
に絶縁性フィルムで絶縁処理可能となり、設計自由度の
確保と共に動作信頼性の高いキーボードスイッチを提供
できる。

また、このような絶縁性スイッチの存在は、スイッチ動
作領域端部に対応する絶縁性シートを部分的に補強する
ような機能を与えることが期待できるので、繰返しのス
イッチ入力操作に対する操作部の耐久性を改善できると
いう利点も併有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の一実施例によるキーボードスイッチ
の要部を概念的に拡大して示す断面構成図、 第２図は、第１図のキーボードスイッチに於いて一方の
絶縁性シートに形成される接点パターン及び配線パター
ンの形成態様を絶縁性フィルム及びスイッチ動作領域と
共に示す要部平面構成図、 第３図は、従来のキーボードスイッチの問題点を説明す
るための図、 第４図は、第３図のキーボードスイッチで一方の絶縁性
シートを取外した状態の要部平面構成図、そして、 第５図は、第３図のキーボードスイッチでスペーサの透
孔を小さく形成した場合の問題点を説明するための図で
ある。 1,9:絶縁シート 2,10:接点パターン 3,4:配線パターン 5,12:絶縁性フィルム 6:絶縁性スペーサ 7:スペーサの透孔 8:スイッチ動作領域 11:配線パターン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】対向する部位にそれぞれ所要の接点パター
   ンを形成した二枚の絶縁性シートを絶縁性スペーサを介
   して対向配置し、上記対向する接点パターン間に上記絶
   縁性スペーサの透孔によりスイッチ動作領域を形成する
   ようにしたキーボードスイッチに於いて、上記スイッチ
   動作領域に於ける上記接点パターンの接触領域を露出さ
   せると共に当該接点パターンに所属する以外の他の近接
   する配線パターンを被覆できるように薄い絶縁性フィル
   ムを上記絶縁性シートの一方又は双方に一様に設けるこ
   とにより、上記絶縁性スペーサの透孔を所要の大きさに
   形成できるように構成したことを特徴とするキーボード
   スイッチ。