JPH0430653Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は回転ヘツド型記録又は再生機に関す
る。

〔考案の概要〕

回転ヘツドドラムへの記録テープの巻装時に拘
束されている巻取リールからテープを引出すよう
な方向に回転ヘツドドラムを回転され、これによ
つて露結時にテープが回転ヘツドドラムに貼り付
いていてもフリー状態の供給リールからテープが
無制限に繰り出されないようにしたものである。

〔従来の技術〕

VTRのような回転ヘツドを用いた記録又は再
生機では、磁気テープを回転ヘツドドラムの周面
に装着（ローデイング）する際に、テープカセツ
トの供給リール側からテープを繰り出すタイプ
と、巻取リール側からテープを繰り出すタイプと
がある。何れの方式も、テープを繰り出す側のリ
ールはフリーであり、繰り出さない側のリールは
拘束されている。またアンローデイング時には、
ローデイング時にテープを繰り出した側のリール
が、アンローデイングで弛むテープを巻取る。

なおローデイング時に供給リール側からのテー
プを繰り出す方式では、テープエンドでのローデ
イングが出来ないので、少しテープを戻してから
ローデイング動作に入るようになつている。また
これとは逆に、ローデイング時に巻取リール側か
らテープを繰り出す方式では、テープトツプでの
ローデイングが出来ないので、少しテープを送つ
てからローデイング動作に入るようになつてい
る。

〔考案が解決しようとする問題点〕

通常の録再モードでは、供給リール→回転ヘツ
ドドラム→巻取リールのテープパスを通るテープ
の走行方向とドラム回転方向とはドラム周面にお
いて一致している。またローデイング時には、ド
ラム周面に巻装されるテープの収まりを良し、ま
たテープとドラム周面との間に薄い空気膜を形成
するために回転ヘツドドラムは回転状態にして置
くのが通常である。

ところが、露結時に、テープがドラム周面に貼
り付いてしまうことがある。供給リールを拘束し
て巻取リールからローデイングテープを繰り出す
方式では全く問題が生じないが、巻取リールを拘
束して供給リールからローデイングテープを繰り
出す方式では、ドラムに貼り付いたテープがドラ
ムの回転に引きずられてフリー状態の供給リール
から無制限に引き出されてしまい、テープが損傷
を受ける。

本考案は、このような露結時の事故を未然に防
止することを極めて簡単な手段で達成するもので
ある。

〔問題点を解決するための手段〕

本考案の回転ヘツド型記録又は再生機は、第１
図に示すように、回転ヘツドドラム５への記録テ
ープ６の巻装時に巻取リール１６を拘束して供給
リール１５から巻装に要する記録テープ６を繰り
出すように構成されている。上記巻装時には、第
２図及び第３図に示すように、ヘツドドラムモー
タ２４を、供給リール１５から巻取リール１６へ
至るテープの走行方向に対して回転ヘツドドラム
の周面上で逆らう方向に回転させるようにしてい
る。

〔作用〕

露結時にテープが回転ヘツドドラムに貼付いて
も、ドラム回転がフリーの供給リール１５からテ
ープを引出す方向でなく、拘束されている巻取リ
ール１６にテープを介して回転トルクを及ぼすよ
うな方向であるので、テープが無制限に引出され
ない。

〔実施例〕

第１図は本考案を適用したVTRの要部平面図
である。この実施例のVTRはスライドローデイ
ング式で、リール軸１，２に装着したテープカセ
ツト３をスライドシヤーシ４ごと回転ヘツドドラ
ム５に向つて前進させることにより、磁気テープ
６がドラム周面に図示の如くＭ字状にローデイン
グされる。テープ走行系は、スライドシヤーシ４
の前進に伴つてガイド溝７ａ，７ｂ内を移動する
ガイドピン８ａ，８ｂ、アーム９の旋回に伴なつ
てテープ６をガイドローラ１０に掛けるためのガ
イドピン１１、固定のキヤプスタン１２にテープ
６を圧着させるピンチローラ１３及びテンシヨン
レギユレータ１１より成る。

録再動作では、磁気テープ６はキヤプスタン１
２によつて供給リール１５から巻取リール１６の
方向に走行される。また回転ヘツドドラム５は、
その回転方向がドラム周面上でテープ６と同方向
（矢印Ａ方向）になるように回転する。

巻取リール１６のリール軸２に連なる録再機側
のリール台２６の横には、第１図の点線で示すブ
レーキ装置が設けられていて、ローデイング時に
は、枢軸２０を支軸にしたブレーキレバー１７の
ブレーキシユー１８がバネ１９の偏倚力によつて
リール台２６の周面に押付けられ、これによつて
巻取リール１６が拘束される。従つてローデイン
グ時には、フリー状態の供給リール１５の方から
テープ６が繰り出され、上述のＭローデイングが
行われる。

スライドシヤーシ４が第１図に示す往動前端に
達してローデイングが終了すると、スライドシヤ
ーシ４の長穴２１に固定フレーム側から突出して
いる突出ピン２２が、ブレーキレバー１７の回動
先端を押して、巻取リール１６の拘束が解除され
る。

第２図は本考案を適用したVTRの制御系の要
部ブロツク図で、第３図はその動作タイムチヤー
トである。ローデイング時には、第３図ａに示す
ローデイング指令信号がシステムコントローラ２
３からローデイング機構部の制御モータに与えら
れる。この指令信号の間、ドラムモータ２４には
第３図ｂに示すように逆転信号がシステムコント
ローラ２３から与えられ、回転ヘツドドラム５が
逆転状態（第１図Ｂ方向）になる。

この結果、露結によつてテープ６がドラム５の
周面に貼付いていても、ドラム５はテープ６を拘
束状態の巻取リール１６から引出す方向に回転す
るから、テープ６が無制限に引出されることが無
くなる。一方、ローデイングに要するテープはロ
ーデイングに伴つてフリー状態の供給リール１５
から繰り出される。

なお本実施例のVTRでは、露結センサー２５
が設けられていて、これが露結を検出したときに
は、警告ランプを点灯すると共に、ローデイング
及び録再動作ができなくなるように構成されてい
る。しかし露結がセンサー２５によつて検出でき
る程度まで進行していない場合や検出不良があつ
たときには、テープ６がドラム５に貼り付いたま
まローデイングが行われる可能性があるので、上
述の如くローデイング時にドラム５を逆転させる
ことは極めて効果的である。

〔考案の効果〕

本考案は上述の如く、テープを回転ヘツドドラ
ムに巻装するとき、ヘツドドラムを逆転させたの
で、露結時にテープがドラム周面に貼り付いて
も、フリーの供給リールからテープが無制限に引
出されることが無く、テープの損傷を未然に防止
することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すVTRの要部
平面図、第２図は制御系の要部ブロツク図、第３
図は制御動作のタイムチヤートである。 なお図面に用いた符号において、１，２……リ
ール軸、３……テープカセツト、４……スライド
シヤーシ、５……回転ヘツドドラム、６……磁気
テープ、１５……供給リール、１６……巻取リー
ル、１７……ブレーキレバー、１８……ブレーキ
シユー、２４……ドラムモータ、である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 回転ヘツドドラムへの記録テープの巻装時に巻
   取リールを拘束して供給リールから巻装に要する
   記録テープを繰り出すようにした回転ヘツド型記
   録又は再生機において、上記巻装時にヘツドドラ
   ムモータを、供給リールから巻取リールへ至るテ
   ープの走行方向に対して回転ヘツドドラムの周面
   上で逆らう方向に回転させるようにした回転ヘツ
   ド型記録又は再生機。