JPH04300359A - 絹製品の改質加工用組成物及びその改質加工方法 - Google Patents

絹製品の改質加工用組成物及びその改質加工方法

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JPH04300359A
JPH04300359A JP13242991A JP13242991A JPH04300359A JP H04300359 A JPH04300359 A JP H04300359A JP 13242991 A JP13242991 A JP 13242991A JP 13242991 A JP13242991 A JP 13242991A JP H04300359 A JPH04300359 A JP H04300359A
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Toshiyuki Yagi
敏之 八木
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、絹製品及び生糸製品の
耐久性等を向上させるための改質加工用組成物及び該組
成物を使用した絹製品及び生糸製品の改質方法に関する
【0002】ここで、生糸とは、フィブロインがセリシ
ンで覆われたものを意味し、絹とは、セリシンが実質的
に除去されたものを意味する。
【0003】
【従来の技術】従来、絹製品及び生糸製品の風合及び色
調を害することなくセリシンを固定するために数多くの
改質加工剤の使用が検討され、該加工剤の1つとして2
,4,6−トリハロゲノ−1,3,5−トリアジンがあ
る(特公昭40−8050号参照)。
【0004】又、生糸は外側のセリシンが高温で溶落又
は移動するため、生糸製品の染色は低温で行われている
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述の2,4,6−ト
リハロゲノ−1,3,5−トリアジンは、反応性が高く
3か所でフィブロイン又はセリシンのような蛋白質の側
鎖と効率良く反応することができ、絹製品及び生糸製品
の風合及び色調を害することなくセリシンを固定する改
質加工剤として有用である。
【0006】しかし、2,4,6−トリハロゲノ−1,
3,5−トリアジンは、刺激性、飛散性を有する粉末で
あり、特に大量に使用する場合に取扱いが困難であった
。又、2,4,6−トリハロゲノ−1,3,5−トリア
ジンの飛散性を抑えるため、水に不溶性の該トリアジン
を溶媒に溶解させて使用することも考えられるが、該ト
リアジンの3つのハロゲン原子は反応性が高く、水酸基
、アミノ基等とも反応するため溶媒の選択も難しく、結
局2,4,6−トリハロゲノ−1,3,5−トリアジン
は加工剤として有用な性質を有するにも拘らず現在まで
のところほとんど使用されていない。
【0007】又、生糸製品に低温染色を施した場合、染
料の堅牢度が低いため色落ち等が発生することがあった
【0008】本発明は、2,4,6−トリハロゲノ−1
,3,5−トリアジンの取扱い上の困難性を解消し、絹
製品及び生糸製品の有用な加工剤を提供することを目的
とする。
【0009】又、本発明は、生糸製品の高温での染色方
法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、かかる目的
を達成するために鋭意研究を重ねた結果、2,4,6−
トリハロゲノ−1,3,5−トリアジンを特定の溶媒に
一定の割合で混合した場合に該トリアジンの取扱性を改
善できることを見出した。
【0011】即ち、本発明は、2,4,6−トリハロゲ
ノ−1,3,5−トリアジンを、式(I):
【0012
【化2】 (式中R及びR1は、同一又は異なって水素原子,低級
アルキル基又は低級アシル基を示し、nは、1〜1×1
03の整数を示す。)で表わされるエチレングリコール
誘導体又は低分子量ケトンの中から選ばれる1又は2以
上の溶媒に1〜80%の割合で混合してあることを特徴
とする絹の改質加工用組成物に係る。
【0013】又、本発明は、絹製品の重量に対し2%〜
12%の2,4,6−トリハロゲノ−1,3,5−トリ
アジンを含有する請求項1に記載の改質加工用組成物を
使用して、絹製品を処理することを特徴とする絹製品の
改質加工方法に係る。
【0014】さらに、本発明は、生糸製品の重量に対し
2%〜12%の2,4,6−トリハロゲノ−1,3,5
−トリアジンを含有する請求項1に記載の改質加工用組
成物を使用して、生糸製品を処理することを特徴とする
生糸製品の改質加工方法に係る。
【0015】さらに、本発明は、請求項3に記載の改質
加工方法により得られた改質生糸製品を、高温染色処理
することを特徴とする改質生糸製品の染色方法に係る。
【0016】本発明で絹製品又は生糸製品とは、家蚕、
天蚕、エリ蚕、柞蚕、及びそれらを含む副蚕糸類、或い
は絹と他の天然又は合成繊維との混繊、混紡等を使用し
た糸、織布又は編織布の未染色品又は染色品を意味する
【0017】本発明で、絹の改質加工用組成物の有効成
分として使用される2,4,6−トリハロゲノ−1,3
,5−トリアジンのハロゲン置換基は、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子又はよう素原子であり、該成分として
は2,4,6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンが
より好ましい。また、該トリアジンは、絹製品又は生糸
製品の重量に対し2〜12%の割合で使用され、好適に
は4〜8%の割合で使用される。
【0018】エチレングリコール誘導体中の低級アルキ
ル基としては、炭素数1〜6の低級アルキル基、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基及びヘキシル基が挙げられる。
【0019】エチレングリコール誘導体中の低級アシル
基としては、炭素数1〜6の低級アシル基、例えばアセ
チル基、プロピオニル基、ブチリル基、ペンタノイル基
及びヘキサノイル基が挙げられる。
【0020】式(I)において、エチレングリコール誘
導体の重合度を示すnは、1〜1×103であるが、好
適には1〜3×102のものが使用される。
【0021】本発明において、低分子量ケトンとは炭素
数1〜6のケトンであり、例えばアセトン、メチルエチ
ルケトン、ジエチルケトン、イソブチルメチルケトン及
びシクロヘキサノンが挙げられる。
【0022】本発明の組成物に使用される溶媒は、前記
エチレングリコール誘導体及び前記低分子量ケトンの中
から選ばれる任意の1種の溶媒又は2種以上の溶剤の混
合溶媒が使用される。
【0023】本発明の組成物を使用した絹製品及び生糸
製品の改質加工方法は、以下のようにして実施される。 即ち、絹製品又は生糸製品をアルカリ性の水溶液に浸漬
し、該溶液に本発明の組成物を加え、約10℃〜40℃
で約40分〜60分間処理する。該処理後水洗、湯洗を
施して改質絹製品及び改質生糸製品を得る該アルカリ性
水溶液は、絹製品又は生糸製品の10倍量〜200倍量
使用され、好ましくは30倍量〜40倍量使用される。 使用されるアルカリとしては、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物、水酸化カル
シウム等のアルカリ土類金属水酸化物等任意のアルカリ
性の物質が使用され、該アルカリ水溶液のpHは、約7
〜11、好適には7.2〜9の範囲とするのが良い。ま
た、該アルカリの量は2−ヒドロキシ−4,6−ジハロ
ゲノ−1,3,5−トリアジンに対し当量以上、好適に
は過剰量使用される。
【0024】本発明において、高温染色に要する時間は
、約1時間〜2時間であり、高温染色の温度は、約80
℃〜90℃である。
【0025】尚、本発明の組成物には、2−ヒドロキシ
−4,6−ジハロゲノ−1,3,5−トリアジンが含ま
れていても良い。該トリアジンは、2個のハロゲン原子
を有するので、架橋反応に関与できる。
【0026】
【発明の効果】本発明の組成物によれば、2,4,6−
トリハロゲノ−1,3,5−トリアジンの目、鼻、喉等
の粘膜に対する刺激性及び飛散性を解消し、その取扱性
が改善されたため、安価な該トリアジンを高度な換気装
置を使用することなく,簡易な施設においても工業的規
模で使用できるようになった。
【0027】また、現在の絹製品及び生糸製品の改質加
工は、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等をグラフト重合す
る方法が行われているが、該方法は絹製品及び生糸製品
の独特の光沢、風合いをやや損なう場合があり、また、
擦れによる毛羽立ち、ピリング等が発生することがあっ
た。しかし、これらの欠点は、2,4,6−トリハロゲ
ノ−1,3,5−トリアジンを含有する本発明の組成物
を使用することにより、効果的に抑えることができる。
【0028】更に、本発明の組成物により生糸製品の改
質を行った場合には、生糸の外側のセリシンの耐熱性を
向上させることで高温染色を行うことが可能になり、染
色物の堅牢度を飛躍的に高めることができる。
【0029】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてより具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。
【0030】
【実施例1】絹製品の改質処理 羽二重(45g)をpH8の水酸化ナトリウム水溶液(
1.8リットル)に浸漬し、該水溶液に対し、2,4,
6−トリクロロ−1,3,5−トリアジンとジエチレン
グリコールモノエチルアセテートとを重量比2:3の割
合で混合した組成物を4.5g加え、25℃で40分間
処理した。処理後、改質された羽二重を水洗・湯洗をし
、乾燥した。得られた改質羽二重を、以下の耐久性試験
に供した。
【0031】耐久性試験 JIS  L−1076(1985)のA法(ICI形
試験機を用いる方法)に記載されたピリング試験機及び
試験方法に準じて、上記改質羽二重の耐久性試験を行っ
た。
【0032】即ち、本実施例では回転箱を内辺23cm
のアクリル板製の立方体とし、密栓ができるものを用意
した。先に加工した加工布10cm×12cmを特殊ゴ
ム管に巻き、綿糸で縫い付け、その4本と合成洗剤ボー
ナス2000(商標名:P&G社製)5g,水(40℃
)1.5リットルをアクリル板製の回転箱に入れ、60
rpmの回転速度で20分間操作した。また、同様な試
験を上記改質処理をしていない、未加工の羽二重につい
ても行った。
【0033】該試験の結果は、試験前の羽二重の状態を
示す参考写真1、試験後の改質羽二重の状態を示す参考
写真2及び試験後の未加工羽二重の状態を示す参考写真
3に示される。なお、参考写真1〜3の倍率は40倍で
ある。これら参考写真に示されるように、試験後の未加
工の羽二重(参考写真3)は毛羽立ちが目立つが、上記
改質羽二重(参考写真2)は、耐久性試験を行う前の羽
二重(参考写真1)と同様の外観を示し、毛羽立ちはほ
とんど見られなかった。
【0034】以上の結果より、本発明の組成物を使用し
た処理により、絹製品の擦れに対する抵抗性は飛躍的に
向上することが示された。
【0035】
【実施例2】生糸製品の改質処理 改質加工処理の対象として羽二重の代わりに生糸(31
中)原糸を使用し、組成物を原糸に対し20%使用した
他は実施例1と同様の方法により生糸の改質処理を行い
、改質生糸を得た。
【0036】染色処理 上記改質生糸を、該生糸に対し重量比で0.8%のカヤ
ノールミーリングブルーBW(日本化薬株式会社製)を
使用し、1時間かけて温度を40℃〜85℃まで上昇さ
せる高温染色の条件下、及び40分かけて温度を20℃
〜50℃まで上昇させる低温染色の条件下で各々染色を
行った。
【0037】試験 得られた高温染色後の改質生糸及び低温染色後の生糸に
ついて、各々JISL−0823(1971)摩擦試験
機II型を使用し、JIS  L−0849(1971
)に従った乾式の染色堅牢度試験及び湿式の染色堅牢度
試験を行った。堅牢度の等級は、JIS  L−080
1(1978)に記載されている判定基準に従い判定し
た。結果を、以下の第1表に示す。
【0038】 第1表の結果より、改質生糸の高温染色により、染色堅
牢度が飛躍的に向上することが分かった。
【0039】
【実施例3】生糸膨化加工糸の調製 水100部に対し膨化処理剤を”ルアソフト“(商標名
:平安油脂化学工業株式会社製)1部加えた溶媒を調製
し、”ルアソフト“の含量が生糸原糸の重量の25%に
なる量の該溶媒に生糸原糸を浸漬して仕立て温度80℃
、15時間保温放置した(終了温度55℃)。水洗、湯
洗後乾燥し、生糸膨化加工糸を得た。
【0040】改質処理、染色及び試験 上記生糸膨化加工糸に対し、実施例2と同様の処理を行
い、生糸膨化加工糸を得た。該膨化生糸に対し、実施例
2と同様の染色処理及び染色堅牢度試験を行った。結果
を、以下の第2表に示す。
【0041】 以上の結果から、本発明の方法は、膨化生糸に対しても
適用できることが明らかとなった。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2,4,6−トリハロゲノ−1,3,5−
    トリアジンを、式(I): 【化1】 (式中R及びR1は、同一又は異なって水素原子,低級
    アルキル基又は低級アシル基を示し、nは、1〜1×1
    03の整数を示す。)で表わされるエチレングリコール
    誘導体又は低分子量ケトンの中から選ばれる1又は2以
    上の溶媒に1〜80%の割合で混合してあることを特徴
    とする絹製品の改質加工用組成物。
  2. 【請求項2】絹製品の重量に対し2%〜12%の2,4
    ,6−トリハロゲノ−1,3,5−トリアジンを含有す
    る請求項1に記載の改質加工剤により、絹製品を処理す
    ることを特徴とする絹製品の改質加工方法。
  3. 【請求項3】生糸製品の重量に対し2%〜12%の2,
    4,6−トリハロゲノ−1,3,5−トリアジンを含有
    する請求項1に記載の改質加工剤により、生糸製品を処
    理することを特徴とする生糸製品の改質加工方法。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の改質加工方法により得ら
    れた改質生糸製品を、高温染色処理することを特徴とす
    る改質生糸製品の染色方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100243973B1 (ko) * 1997-08-11 2000-03-02 하진숙 물세탁가능한 생견직물 및 그의 제조방법

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS4921389A (ja) * 1972-04-21 1974-02-25

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