JPH0733487B2 - 水溶性染料混合物 - Google Patents

水溶性染料混合物

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JPH0733487B2
JPH0733487B2 JP62329242A JP32924287A JPH0733487B2 JP H0733487 B2 JPH0733487 B2 JP H0733487B2 JP 62329242 A JP62329242 A JP 62329242A JP 32924287 A JP32924287 A JP 32924287A JP H0733487 B2 JPH0733487 B2 JP H0733487B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は水溶性染料混合物に関するものであり、詳しく
は、セルロース繊維または含窒素繊維の染色に用いた場
合に、各種堅牢度が優れている上、均染性、ビルドアッ
プ性、ウォッシュ・オフ性、更に、塩濃度依存性および
温度依存性などの染色適性がバランス良く優れた黄色系
の反応染料混合物及びこれを用いる染色法に関するもの
である。
〔従来技術〕
セルロース繊維または含窒素繊維の染色には、通常、水
溶性の反応染料が用いられるが、この染料としては、各
種堅牢度が優れ、且つ、種々の染色適性が優れたものが
要望される。染色適性としては、一般的に、均染性、ビ
ルドアップ性、ウォッシュ・オフ性、塩濃度依存性、温
度依存性などが挙げられるが、従来、これらの各適性が
全て良好なものは見当らない。例えば、塩素堅牢度、汗
日光堅牢度および耐光堅牢度の優れている反応染料の範
囲において、塩濃度依存性と温度依存性の優れた反応染
料を選択した場合には、一方において、均染性およびウ
ォッシュ・オフ性が劣ると言う欠点を有する。
例えば、下記構造式 (特公昭59−28,229号参照) で示される反応染料は塩素堅牢度および汗日光堅牢度が
優れ、しかも、塩濃度依存性も優れたものであるが、均
染性およびウォッシュ・オフ性が不良である。
この均染性およびウォッシュ・オフ性を改善するための
方法として、前示構造式で示される反応染料に、元々、
均染性およびウォッシュ・オフ性の優れた別の反応染料
を配合することが考えられる。ところが、均染性、ウォ
ッシュ・オフ性の優れた反応染料は逆に、塩納度依存性
が悪く、また、各種堅牢度も良好なものばかりではな
い。したがって、このような2種の反応染料を配合して
用いた場合には、各々の物性値が平均化さるので、例え
ば、均染性はある程度、改善されるものの、塩素堅牢度
が不満足なものとなる等の結果を招く。そこで、これら
の各物性値がバランス良く優れた反応染料のの開発が望
まれていた。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者等は上記実情に鑑み、前記構造式(i)で示さ
れる黄色系反応染料およびこの類似染料の塩素堅牢度や
塩濃度依存性を大きく損なうことなく、均染性やウォッ
シュ・オフ性を改善するための方法について種々検討し
た結果、同系色のある特定の反応染料と配合して用いる
時には、いずれも、各物性値が平均以上の望ましい結果
を示すことを見い出し本発明を完成した。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の要旨は、遊離酸の形で下記一般式〔A〕 〔式中、Xはハロゲン原子を表わし、R1は水素原子また
は低級アルキル基を表わし、YはSO2CH=CH2基、−SO2C
H2CH2W(但し、Wはアルカリの作用によって脱離する基
を表わす)または低級アルキル基を表わす〕で示される
黄色の反応染料と、該染料に対して0.2〜2重量倍の遊
離酸の形で下記一般式〔B〕 〔式中、Zは−CH=CH2基または−C2H4W基(但し、Wは
前記定義と同じ)を表わし、R2は水素原子、−OCH3基ま
たは−CH3基を表わし、R3は−CH3基、−CONH2基または
−COOH基を表わす〕で示される黄色の反応染料を配合す
ることを特徴とする水溶性染料混合物及びこれを用いる
染色法に存する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明における前示一般式〔A〕及び〔B〕において、
Wで表わされるアルカリの作用により脱離する基として
は、通常、−OSO3H基、−SSO3H基、−OPO3H基、−OCOCH
3基などの酸エステル基又はハロゲン原子等が挙げら
れ、特に、OSO3H基が代表的である。
R1およびYで表わされる低級アルキル基としては、通
常、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル
基などのC1〜4のアルキル基が挙げられる。また、X
で表わされるハロゲン原子は通常、塩素原子または弗素
原子である。
前示一般式〔A〕において、Yがビニルスルホン型反応
基の場合には、その位置はベンゼン環のアミノ基に対し
て、パラ位またはメタ位が望ましい。
本発明においては、水溶性反応染料はいずれも、遊離酸
又はその塩の形で存在するが、通常、その塩としては、
リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩
などのアルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩が好まし
い。
又、前示一般式〔A〕及び〔B〕で表わされる水溶性反
応染料は、公知の方法に従って製造することができ、そ
の製造方法は特に制約されるものではない。
本発明では前示一般式〔A〕の反応染料と、前示一般式
〔B〕の反応染料を配合することを要件とするものであ
るが、一般式〔B〕の反応染料の配合量は一般式〔A〕
の反応染料に対して、0.2〜2重量倍、好ましくは0.6〜
1.4重量倍である。この一般式〔B〕の反応染料の配合
量があまり少なくても、また、多くても本発明で目標と
する、各種堅牢度および染色特性がバランスが良く優れ
た染料を得ることはできない。本発明においては、両反
応染料は予め混合しておいてもよいし、また、染色時に
混合しても差し支えない。なお、本発明では色合わせの
ために、本発明の効果を損なわない範囲で第三成分とし
ての染料を例えば、10重量%以下で配合してもよい。
本発明の染料混合物により染色可能な繊維としては、通
常、木綿、ビスコースレーヨン、キュプラアンモニウム
レーヨン、麻などのセルロース系繊維、更にポリアミ
ド、羊毛、絹等の含窒素繊維が挙げられるが、セルロー
ス繊維が特に望ましい。また、これらの繊維は、例えば
ポリエステル、トラアセテート、ポリアクリロニトリル
などの混合繊維として用いても差し支えない。
本発明の染料混合物は公知の種々の染色法に適用するこ
とができ、通常、吸尽染色法に適用するのが望ましい
が、コールドパットバッチ法又はパッドスチーム法など
に適用しても効果的である。
本発明の水溶性染料混合物を用いてセルロース含有繊維
を吸尽染色するには、例えば、重炭酸ソーダ、炭酸ソー
ダ、炭酸リチウム、苛性ソーダ等のアルカリ、および、
例えば、芒硝、食塩等の無機塩の存在下、染色すること
ができる。この際のアルカリの使用量は通常、染色浴1
当り、10〜30gである。また、無機塩の使用量は染色
浴1当り、例えば、30〜60g/である。そして、染色
温度は通常、40〜80℃、好ましくは50〜60℃である。
〔実施例〕
次に、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本
発明はその要旨を越えない限り実施例の記述に限定され
るものではない。
実施例1 遊離酸の形で下記構造式〔a〕 で示される反応染料50重量部と、遊離酸の形で下記構造
式〔b〕 で示される反応染料50重量部とを配合した染料混合物0.
2gを水200mlに溶解し、これに芒硝10gを加え溶解し調製
した染浴(芒硝濃度50g/)に、未シルエット綿メリヤ
ス10gを浸漬し、30分を要して60℃まで昇温し、次い
で、炭酸ソーダ3gを添加し同温度で1時間、吸尽染色を
行なった。染色後、染布を常法により、水洗、ソーピン
グ、乾燥を行ない、均染性のよい黄色の染布を得た。
また、本実施例で用いた染料混合物の染色時における塩
濃度依存性を調べるために、染浴の芒硝濃度を10g/
に、変更して同様な染色を行ない、この結果を基に、芒
硝濃度が50g/における染着濃度結果をベース(100)
として、これに対する芒硝濃度が10g/における同結果
を相対値で求めた。
更に、上記染色法におけるウォッシュ・オフ性、均染性
および得られた染布の塩素堅牢度、汗日光堅牢度を下記
方法により測定し、これらの結果を表−1にまとめて示
した。
ウォッシュ・オフ性試験 染色後の染布を絞り率100%に絞った後、下記のように
処理し、第2ソーピング液の着色度を下記基準で測定し
た。なお、ソーピング剤としては、商品名ダイヤサーバ
ーSCCT40(三菱化成工業(株)製)を用いた。
〔判定基準〕 ◎……着色が殆んどなし。
○……着色多少あり。
×……着色がかなり大。
均染性試験 反応染料混合物0.2gを水200mlに溶解し、これに芒硝10g
を加え溶解し調製した染浴(芒硝濃度50g/)に、未シ
ルケット綿メリヤス10gを浸漬し、60℃で30分間、振と
う式染色機を用いて吸尽処理をした後、絞り率100%に
絞り吸尽布を回収する。そして、この吸尽布(以下、A
布と言う)5gと同種の白布(以下、B布と言う)5gとを
水200ml、芒硝10gからなる水溶液に浸漬し、60℃にて30
分間浸漬処理した後、ソーダ灰3gを添加し、この温度に
て60分間反応固着させる。その後、A、B両布を常法に
より、水洗ソーピング、乾燥を行ない黄色の染布を得
る。
ここで得たA布とB布の表面反射率を色差計〔日本電色
工業(株)製〕で測定し表面濃度を求め、両布の染着濃
度を下記基準で判定した。
〔判定基準〕
◎……A布、B布の濃度がほぼ同じ。
○……A布の方がB布よりも、若干濃い。
×…… 〃 〃 かなり濃い。
塩素堅牢度 JIS L−0884(塩素濃度20ppm)に準じて測定した。
汗日光堅牢度 JIS L−0888(アルカリ)に準じて測定した。
実施例2及び比較例1〜2 実施例1の方法において、染料混合物の配合割合を表−
1に記載の如く変更して、実施例1と全く同様なテスト
を行なった。
結果を表−1に示す。
実施例3 実施例1の方法において、構造式〔a〕で示される反応
染料を表−2の構造式で示される反応染料に変更し、そ
れ以外の実施例1と全く同様なテストを行なったとこ
ろ、いずれも、塩濃度依存性60〜70%、ウォッシュ・オ
フ性評価「○」、均染性評価「○」、塩素堅牢度3級お
よび汗日光堅牢度4−5級とバランスのとれた総合的に
優れたものであった。
実施例4 実施例1の方法において、構造式〔b〕で示される反応
染料を表−3の構造式で示される反応染料に変更し、そ
れ以外は実施例1と全く同様なテストを行なったとこ
ろ、いずれも、塩濃度依存性60〜70%、ウォッシュ・オ
フ性評価「○」、均染性評価「○」および汗日光堅牢度
4級とバランスのとれた総合的に優れたものであった。
〔発明の効果〕 本発明によれば、塩素堅牢度および塩濃度依存性に優れ
た特定の反応染料と、ウォッシュ・オフ性および均染性
に優れた特定の反応染料とを二種配合することにより、
各々の物性値が平均以上の総合的に優れたバランスのと
れた染料となるのである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離酸の形で下記一般式〔A〕 〔式中、Xはハロゲン原子を表わし、R1は水素原子また
    は低級アルキル基を表わし、YはSO2CH=CH2基、−SO2C
    H2CH2W(但し、Wはアルカリの作用によって脱離する基
    を表わす)または低級アルキル基を表す〕で示される黄
    色の反応染料と、該染料に対して0.2〜2重量倍の遊離
    酸の形で下記一般式〔B〕 〔式中、Zは−CH=CH2基または−C2H4W基(但し、Wは
    前記定義と同じ)を表わし、R2は水素原子、−OCH3基ま
    たは−CH3基を表わし、R3は−CH3基、−CONH2基または
    −COOH基を表わす〕で示される黄色の反応染料を配合す
    ることを特徴とする水溶性染料混合物。
  2. 【請求項2】遊離酸の形で下記一般式〔A〕 〔式中、Xはハロゲン原子を表わし、R1は水素原子また
    は低級アルキル基を表わし、Yは−SO2CH=CH2基、−SO
    2CH2CH2W(但し、Wはアルカリの作用によって脱離する
    基を表わす)または低級アルキル基を表す〕で示される
    黄色の反応染料と、該染料に対して0.2〜2重量倍の遊
    離酸の形で下記一般式〔B〕 〔式中、Zは−CH=CH2基または−C2H4W基(但し、Wは
    前記定義と同じ)を表わし、R2は水素原子、−OCH3基ま
    たは−CH3基を表わし、R3は−CH3基、−CONH2基または
    −COOH基を表わす〕で示される黄色の反応染料を配合し
    て得られる水溶性染料混合物を用いることを特徴とする
    繊維類の染色法。
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