JPH0429195B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、導電性のないまたは悪い表面層を備
えた２つの金属製構造部材の平坦部分を導電結合
する装置であつて、ネジとナツトとから成るネジ
結合部材を受容する同列のボアを平坦部分に設け
た形式のものに関する。

ネジ結合部材の範囲に電気的接触を達成するた
め、従来は、通常、ボアのまわりの表面層部分を
再び除去するか、表面保護層を被覆する際に、上
記範囲に表面保護層を被覆しないようにする。即
ち、製造時、余分な作業工程が必要であり、従つ
て、コスト増を招く。更に、ネジ結合部材は、正
確に固定しなければならず、後でずれてはならな
い。しかしながら、これは、しばしば、保証され
ない。例えば、スイツチボツクス（支持レールま
たはボツクスフレームも含む）の構造変化が現れ
る。

西独実用新案80−01886に記載の如く、構造部
材に向くナツトの面に、ナツトの締付時に構造部
材の表面層に食込み、構造部材と直接に導電結合
する突出する歯または同様のものを設けることに
よつて、ネジ部を備えた構造部材をプレート状構
造部材に導電状態で取付けることができる。しか
しながら、２つの構造部材が導電性のないまたは
悪い表面層を備えている場合は、上記の公知のナ
ツトによつて上記双方の構造部材を相互に導電結
合できない。この場合は、ネジ結合部材のネジの
頭の構造部材に向く面にも歯または同様のものを
設ければ、導電結合を達成できる。しかしなが
ら、この方策には、頭の範囲においても表面層が
損傷されると云う欠点がある。この場合、ネジ結
合個所を変更または移動すれば、双方の構造部材
の表面層の破損範囲が露出することになる。

本発明の目的は、少くとも１つの構造部材の見
えない個所の表面層を除去するだけで、双方の構
造部材を相互に導電結合でき、従つて、後からネ
ジ結合個所を移動しても表面層の損傷範囲が露出
することのない、冒頭に述べた種類の装置を創生
することにある。

この目的は、本発明にもとづき、ナツトに向く
構造部材のボアを受けとして拡大し、脚に押抜加
工したツメをナツトに向く構造部材のナツトに向
く面に支持したツメ付Ｕ字部材をナツトの解放面
に外れないよう且つ空転しないよう固定し、ツメ
付Ｕ字部材の脚に、Ｕ字状に折曲げてあつてナツ
トに向く構造部材の受けを通過し、ボア外にある
押抜加工した別のツメをナツトとは逆の側の構造
部材の面のうちナツトに向く構造部材に向く面に
支持した延長部を設けることによつて、達成され
る。この構成の場合、ネジの頭は、目に見える側
から導入されるので、ナツトとは逆の側の構造部
材の表面層にのみ載る。ネジの頭に向く構造部材
の表面層の損傷は、ナツトに向く構造部材に隣接
する見えない側に生ずる。ツメ付Ｕ字部材の脚の
延長部は、ナツトに向く構造部材の受けを通過
し、ナツトとは逆の側の構造部材の面のうちナツ
トに向く構造部材に向く面に支持されたツメを形
成する。ツメ付Ｕ字部材およびナツトは、ナツト
に向く構造部材の受けにはさみ込み得るユニツト
を形成する。この場合、ネジは、双方の構造部材
のボアおよび受けを通過させ、ナツトのネジ穴に
ネジ込めばよい。

ツメ付Ｕ字部材の中央ウエブに開口を設け、上
記開口に適合する横断面を有するナツト突出部を
上記開口を通過させ、突出部を変形すれば、簡単
に、ツメ付Ｕ字部材をナツトに外れないよう固定
できる。

この場合、更に、ナツトの周面に相互に対向す
る平坦部を設け、ツメ付Ｕ字部材の脚によつて２
つの対向する側でナツトを囲み、一方、ツメ付Ｕ
字部材の中央ウエブに設けたフラツプをナツトの
平坦部分に当接するよう折曲げてツメ付Ｕ字部材
をナツトに外れないよう固定すれば、ツメ付Ｕ字
部材の中央ウエブの開口およびナツトの突出部が
円形の横断面を有する場合も、ツメ付Ｕ字部材は
ナツトに空転しないよう保持される。ナツト自体
は、正方形横断面または双方の平坦部を含む円形
横断面を有することができる。

別の実施例にもとづき、延長部をそれぞれ脚の
２つのツメの間を通過させ、Ｕ字状に折曲げれ
ば、ナツトに向く構造部材にツメ付Ｕ字部材の脚
を二重に接触させることができる。

受けの壁の方向へＵ字状に折曲げた延長部自体
をナツトに向く構造部材の受けを構成すれば、ナ
ツトとツメ付Ｕ字部材とから成るユニツトをナツ
トに向く構造部材の受けにはさみ込む作業が容易
となる。

脚の延長部の端部範囲をスリツトによつて分割
し、それぞれ、２つのツメに移行させれば、簡単
に、ナツトにとは逆の側の構造部材に延長部を二
重に接触させることができる。延長部の最初の折
曲部分をナツトと構造部材との間にナツトに向く
構造部材の対向面にほぼ平行に延ばせば、締付け
たネジ結合部材の終点位置を延長部によつて定め
ることができる。

ツメ付Ｕ字部材のツメおよび別のツメを鋭いエ
ツジまたは尖端に移行させれば、表面層に対する
食い込みが容易となる。

ツメ付Ｕ字部材を弾性金属から押抜・曲げ加工
部材として構成、作成すれば、ツメ付Ｕ字部材の
作成コストが安くなる。ツメは、弾性によつて、
常に、関連の構造部材に負荷を加える。かくし
て、ツメの支持個所における接触抵抗が小さくな
る。

好ましい実施例にもとづき、表面層の損傷範囲
が残ることなくネジ結合個所を移動できるよう、
ネジの頭をナツトとは逆の側の構造部材の目に見
える面に置く。

図示の実施例を参照して以下に本発明を詳細に
説明する。

ネジ１４およびナツト１７によるネジ結合は、
結合範囲を平坦に構成した構造部材１０，１２の
ボア１１および受け１３を介して行う。構造部材
１０は、目に見える面に置き、ネジ１４は、上記
面からボア１１に導入する。ナツト１７に向く構
造部材１２の受け１３は拡大してある。ナツト１
７は、ツメ付Ｕ字部材２０に結合してある。ナツ
ト１７の構造部材１２とは逆の側には、ツメ付Ｕ
字部材２０の中央ウエブの開口２１を通過させて
変形させた突出部１９が設けてある。かくして、
ツメ付Ｕ字部材２０は、ナツト１７に外れないよ
う固定される。ツメ付Ｕ字部材２０の中央ウエブ
の開口２１およびナツト１７の突出部１９の横断
面を正方形に構成すれば、ツメ付Ｕ字部材２０
は、更に空転しないようにナツト１７に結合され
る。製造技術的理由から、ツメ付Ｕ字部材２０の
中央ウエブの開口２１および突出部１９の横断面
を円形に構成できる。この場合、ツメ付Ｕ字部材
２０は、折曲げたフラツプ２２，２３によつて、
横断面が正方形のナツト１７の２つの対向側に保
持される。

更に、ナツト１７の横断面を本質的に円形に構
成して、ナツトに２つの平坦部分を直径方向へ設
け、ラツプ２２，２３を折曲げて上記平坦部に当
接させることができる。受け１３の横断面は正方
形または円形に構成できる。延長部２６，３０
は、受け１３の横断面に適合されているので、ナ
ツト１７とツメ付Ｕ字部材２０とから成るユニツ
トをはさみ込むことができる。

ツメ付Ｕ字部材２０の脚２４，２８は、フラツ
プ２２，２３の設けてないナツト１７の双方の面
を囲み、それぞれ、２つのツメ２５，２９を介し
て、ナツト１７に向く構造部材１２の面に支持さ
れる。脚２４，２８の延長部２６，３０は、双方
のツメ２５，２９の間に案内され、Ｕ字状に折曲
げてある。延長部２６，３０は、受け１３の壁の
方向へ、構造部材１２の受けを形成するので、ナ
ツト１７とツメ付Ｕ字部材２０から成るユニツト
を容易に受け１３に係止するまたははさみ込むこ
とができる。この場合、延長部２６の受けは、構
造部材１２の厚さに適合する。

ツメ付Ｕ字部材２０は、弾性金属から押板・曲
げ加工部材として作製してある。延長部２６，３
０の端部は、スリツトによつて分割されているの
で、２つのツメ２７，３１は、構造部材１２に向
く構造部材１０の面に支持される。ネジ１４は、
ボア１１および受け１３に導入し、そのネジ部分
１５は、ナツト１７のネジ穴１８にネジ込む。ネ
ジ１４の締付時、脚２４，２８が変形され、締付
力がツメ２５，２９および別のツメ２７，３１に
作用する。ツメ２５，２７，２９，３１の鋭いエ
ツジまたは尖端が、構造部材１０，１２の表面層
に食い込むので、ツメ付Ｕ字部材３０によつて明
確な電気的結合が達成される。ツメ２５，２７，
２９，３１に作用する力によつて接触抵抗が減少
される。延長部２６，３０の最初の折曲部分、即
ち、脚２４，２８から出発する折曲部分は、構造
部材１２とナツト１７との間に構造部材１２の対
向面に平行に延びており、従つて、ツメ付Ｕ字部
材２０の締付運動を限定するのに役立つ。

ネジ１４の頭１６に向く構造部材１０の面を前
面と呼べば、表面層は、構造部材１０，１２の背
面でのみ除去される。ネジ１４を外した場合、構
造部材１０，１２の表面層の除去個所は前面から
見えない。従つて、ネジ結合個所を移動できる。

次に、本発明による好適な実施例を以下に例示
する。

１ ツメ付Ｕ字部材２０の中央ウエブには開口２
１が設けてあり、ナツト１７の突出部１９が、
上記開口に適合した横断面を有し、上記開口を
通過し、突出部１９を変形したことによつて、
ツメ付Ｕ字部材がナツト１７に外れないよう結
合されていることを特徴とする特許請求の範囲
に記載の装置。

２ ナツト１７の周面には、相互に対向する平坦
部分が設けてあり、ツメ付Ｕ字部材２０の脚２
４，２８が、相互に対向する２つの側でナツト
１７を囲み、一方、ツメ付Ｕ字部材２０の中央
ウエブに設けたフラツプ２２，２３が、ナツト
１７の平坦部分に当接するよう折曲げてあり、
ツメ付Ｕ字部材２０をナツト１７に空転しない
ように固定することを特徴とする特許請求の範
囲または前項記載の装置。

３ 延長部２６，３０が、それぞれ、脚２４，２
８の２つのツメ２５，２９の間に案内してあ
り、Ｕ字状に折曲げてあることを特徴とする特
許請求の範囲または前項の１つに記載の装置。

４ 受け１３の壁の方向へＵ字状に折曲げた延長
部２６，３０自体が、ナツト１７に向く構造部
材１２の受けを形成することを特徴とする前記
第３項記載の装置。

５ 脚２４，２８の延長部２６，３０の端部範囲
が、スリツトによつて分割され、それぞれ、２
つのツメ２７，３１に移行することを特徴とす
る特許請求の範囲第３項または第４項記載の装
置。

６ 延長部２６，３０の最初の折曲部分が、ナツ
ト１７と構造部材１２との間にナツトに向く構
造部材１２の対向面にほぼ平行に延びているこ
とを特徴とする特許請求の範囲または前項の１
つに記載の装置。

７ ツメ付Ｕ字部材２０のツメ２５，２９および
別のツメ２７，３１が、鋭いエツジまたは尖端
に移行することを特徴とする特許請求の範囲ま
たは前項の１つに記載の装置。

８ ツメ付Ｕ字部材２０が、押抜・曲げ加工部材
として構成、作製してあり、弾性金属から成る
ことを特徴とする特許請求の範囲または前項の
１つに記載の装置。

９ ネジ１４の頭１６が、ナツト１７とは逆の側
の構造部材１０の目に見える面に載つているこ
とを特徴とする特許請求の範囲または前項の１
つに記載の装置。

【図面の簡単な説明】

添付の図面は、本発明の実施例の断面図であ
る。 １０，１２……構造部材、１１……ボア、１３
……受け、１４……ネジ、１７……ナツト、２０
……ツメ付Ｕ字部材、２４，２８……脚、２５，
２９……ツメ、２６，３０……延長部、２７，３
１……別のツメ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 導電性のないまたは悪い表面層を備えた２つ
   の金属製構造部材の平坦部分を導電結合する装置
   であつて、ネジとナツトとから成るネジ結合部材
   を受容する同列のボアを平坦部分に設けた形式の
   ものにおいて、ナツト１７に向く構造部材１２の
   ボアが、受け１３として拡大してあり、ナツト１
   ７の解放面には、脚２４，２８に押抜加工したツ
   メ２５，２９をナツト１７に向く構造部材１２の
   ナツト１７に向く面に支持したツメ付Ｕ字部材２
   ０が外れないよう且つ空転しないよう固定してあ
   り、ツメ付Ｕ字部材２０の脚２４，２８が、Ｕ字
   状に折曲げてあつてナツト１７に向く構造部材１
   ２の受け１３を通過し、ボア１１外にある押抜加
   工した別のツメ２７，３１をナツト１７とは逆の
   側の構造部材１０の面のうちナツト１７に向く構
   造部材１２に向く面に支持した延長部２６，３０
   を有することを特徴とする装置。