JPH0648768Y2 - バッテリー用電気接続具 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、例えば自動車用バッテリーのポストに接続す
るためのバッテリー用電気接続具に関するものである。

［従来の技術］ 自動車等において、バッテリーと車載電装品とを接続す
るための電気接続具として、従来では第２図に示すもの
が提案されている。（例、実開昭56−106364号）。図に
おいて、１はバッテリー（図示せず）のポスト２に締着
される接続端子で、このポスト２の周面に圧着するよう
に略Ｃ字形状に折曲形成した圧着部３と、この圧着部３
に所定の結合摩擦力を与えるようボルト４及びナット５
にて締付けられる締結部６とからなる。そして、締結部
６には図外の電装品に配電するケーブル７を接続してい
る。また、８はバッテリーから直接他の電装品に配電す
るための補助端子で、ボルト４、ナット５により前記接
続端子１に共締めされ、この補助端子８にケーブル９を
接続したコネクタ10が嵌合できるようになっている。

［考案が解決しようとする課題］ ところが、一般的に使用されている車載用バッテリーの
ポスト２にあっては、その基部より先端が次第に細径と
なるテーパ形状を呈しているために、上記接続端子１の
圧着部３が円筒形状（テーパを有しない）に形成されて
いる従来の接続端子１にあっては、第２図において明ら
かなようにバッテリーポスト２の基部においては、接続
端子１に圧着部３下方内面と接触されるが、それ以外の
圧着部内周面は、ポスト２の外周面との間に隙間ａを生
じて、ポストとの有効な接触面が確保できない、すなわ
ち、圧着部３とバッテリーポスト２間での接触抵抗が増
大して通電上の不具合が生じるという問題点があった。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、このような従来の問題点に着目してなされた
もので、テーパ状バッテリーポストと、接続端子の圧着
部との接触面積を有効に保持せしめるために、その圧着
部の中程にその周方向に延びるスリットを設けて、圧着
部を上下方向に分割せしめて、複数の圧着片を構成し、
これらの圧着片をバッテリーポストの周面に締結せしめ
ることにより、バッテリーポストと接続端子との接続を
確保せしめることができるバッテリー用電気接続具を提
供することにある。

［実施例］ 以下に本考案を第１図に示す実施例に基いて詳細に説明
する。

11は金属板を素材として折曲げ形成したバッテリー用電
気接続具であって、この電気接続具11は、平面において
略Ｃ字形状に形成された圧着部12と、この圧着部12の両
端部より夫々平行に延びる対の締結部13a,13bが形成さ
れ、さらにその一方の締結部13aの先端には、電線14を
接続するための電線接続部15が形成されている。前記圧
着部12には、その軸方向を略二分割するための周方向の
スリット16を形成して、上下に区分される上側圧着片17
a及び下側圧着片17bが形成され、上側圧着片17aの締結
部13b側は自由端縁18に形成されている。また前記締結
部13bは、折返しによる２重構造となっており、その折
返し片19により、前記自由端縁18を内側へ押圧すること
ができるようになっている。なお図面において締結部13
bの内側辺の自由端縁18近接位置が切欠き20がなされて
いるのは、一枚の金属板から、上記構造の電気接続具11
板金加工する結果生じたものである。21は双方の締結部
13a及び13bに穿設されている締付ボルト（図示せず）挿
通孔である。

上記のように本実施例によるバッテリー用電気接続具に
あっては、バッテリーポストの周面をだきかかえるよう
に位置される圧着部12が、上側圧着片17aと下側圧着片1
7bとで形成されており、さらにその下側圧着片17bはボ
ルトナットの締力により双方の締結部13a,13bを締着す
ることにより、その内径が狭ばまれると同時に上側圧着
片17aの自由端縁18が、その一方の締結部13bにより内方
向（他方の締結部13a方向）に押圧されて、圧着片17aの
内径が狭ばめられる方向へ独立して動作されて、上下双
方の圧着片17a,17bの内周面がバッテリーポストの周面
に圧接されて電気的接続が達成される。

従ってこの実施例によれば、圧着部12に形成された上下
双方の圧着片17a,17bが夫々に独立してバッテリーポス
トの外周面に圧接されるために、それら双方の圧着片17
a,17bにより、電気的接続の信頼生が高められる。さら
にはこの構造の接続具にあっては、一枚の板金を素材と
してプレス加工することができるので、コストの安い接
続具の提供が可能である。

［考案の効果］ 以上のように本考案は、バッテリーターミナル２の周面
に接合し得るように湾曲形成した圧着部12と、この圧着
部12の曲げ方向両端部より、互に隔設状態で並行して延
長形成されかつ締結ボルトを挿通するボルト挿通孔21を
穿設せしめた夫々の締結部13a,13bと、前記圧着部12の
周面に沿って形成されかつその圧着部12を上側圧着片17
aと下側圧着片17bとに区分形成すると共にその上側圧着
片の一端を自由端縁18に形成する切れ目16を設け、さら
に上記自由端縁18を、前記夫々の締結部で挟まれるよう
に位置せしめたバッテリー用電気接続具であるから、こ
れによれば、圧着部12に形成された上下双方の圧着片17
a,17bが夫々に独立してバッテリーポストの外周面に圧
接されるために、それら双方の圧着片17a,17bにより、
電気的接続の信頼性が高いバッテリー用電気接続具が提
供できる。さらに本考案によれば構造が単純構造である
ことから、生産性、経済性に優れ、しかも軽量化に寄与
することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案よりなるバッテリー用電気接続具の実施
例を示した斜視図、第２図は従来例の説明図である。 11……電気接続具、12……圧着部 13a,13b……締結部、14……電線 15……電線接続部、16……スリット 17a……上側圧着片、17b……下側圧着片 18……端縁、19……折返し片 20……切欠き、21……ボルト挿通孔

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】バッテリーターミナル（２）の周面に接合
   し得るように湾曲形成した圧着部（12）と、この圧着部
   （12）の曲げ方向両端部より、互に隔設状態で並行して
   延長形成されかつ締結ボルトを挿通するボルト挿通孔
   （21）を穿設せしめた夫々の締結部（13a），（13b）
   と、前記圧着部（12）の周面に沿って形成されかつその
   圧着部（12）を上側圧着片（17a）と下側圧着片（17b）
   とに区分形成すると共にその上側圧着片の一端を自由端
   縁（18）に形成する切れ目（16）を設け、さらに上記自
   由端縁（18）を、前記夫々の締結部で挟まれるように位
   置せしめたことを特徴とするバッテリー用電気接続具。