JPH0428422Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は自動車用シートの改良に関する。

（従来技術とその問題点） 従来、自動車用シートとしては、シートクツシ
ヨンの左右両側に設けられたブラケツトに、シー
トバツクの左右両側のブラケツトが傾動用部材を
介して連結されていて、シートクツシヨンに対し
てシートバツクが傾動されるようにしたものが提
案されている。

ところで、シートクツシヨンのブラケツトとシ
ートバツクのブラケツトとを連結する傾動用部材
として、歯車が用いられている場合、歯車の回転
遊び（バツクラツシユ）によりシートバツクがガ
タつくという問題がある。

このため、シートクツシヨン側の左右のブラケ
ツトの間にトルクロツドを組付けて、シートバツ
クのガタつきを防止するようにしたものが提案さ
れているが（実開昭58−185947号公報参照）、部
品点数が増加するうえ、トルクロツドの組付けに
手間がかかるので組付性が悪いという問題があつ
た。

（考案の目的） 本考案は上記従来の問題を解消するためになさ
れたもので、部品点数の増加や組付性を悪化させ
ることなく、シートバツクのガタつきを確実に防
止することを目的とするものである。

（考案の構成） このため本考案は、シートクツシヨンの左右両
側に設けられた第１ブラケツトに、第２ブラケツ
トがボルト・ナツトでそれぞれ締結固定され、該
各第２ブラケツトに、シートバツクの左右両側の
第３ブラケツトが歯車を用いた傾動用部材を介し
て連結されていて、シートクツシヨンに対してシ
ートバツクが傾動されるようにした自動車用シー
トにおいて、上記左右両側の第２ブラケツトのう
ち、いずれか一方の第２ブラケツトを第１ブラケ
ツトに締結固定するボルトに大径の偏心カムが一
体的に設けられ、該第２ブラケツトと第１ブラケ
ツトを締付ける上記ボルトにより、左右両側ナツ
クルの位置を調整できるようにしたことを特徴と
するものである。

（考案の効果） 本考案によれば、一方の第２ブラケツトを第１
ブラケツトに締結固定するボルトの偏心カムを回
転させることにより、該一方の第２ブラケツトが
移動されて、左右両側の第２ブラケツトが互いに
競り合うようになるから、歯車を用いた傾動用部
材間の歯車の回転遊びが少なくなり、シートバツ
クのガタつきが防止されるようになる。

また、一方の第２ブラケツトに大径孔を設け、
ボルトに偏心カムを設けるだけであるから、部品
点数が増加しないので、コストダウンが図れると
ともに、ボルトの組付けも容易であるから組付性
も向上するようになる。

（実施例） 以下、本考案の実施例を添付図面について詳細
に説明する。

第１図及び第２図に示すように、自動車用シー
ト１は、シートクツシヨン２と、シートバツク３
と、上記シートクツシヨン２に対してシートバツ
ク３を傾動自在に連結するリクライニング装置４
と、上記シートクツシヨン２の下面に取付けら
れ、シートクツシヨン２を車体のフロアパネル
（不図示）に対して前後スライド自在に支持する
左右一対のシートアジヤスタ５，５とで構成され
ている。

該シートアジヤスタ５は、シートクツシヨン２
の下面に固定されたアツパーレール６，６と、該
アツパーレール６，６に嵌合するロアレール７，
７と、一方のロアレール７に取付けられ、アツパ
ーレール６のスライドをロツクするロツクレバー
８とで構成されている。

該ロツクレバー８を操作することにより、アツ
パーレール６がアンロツクされて、シートクツシ
ヨン２、つまり、シート１、全体が前後スライド
できるようになる。

上記シートクツシヨン２に固定されたアツパー
レール６，６の各外側面には、上方へ立上る第１
ブラケツト１０，１０がそれぞれ設けられ、該第
１ブラケツト１０，１０の各外側面には、第２ブ
ラケツト１１，１１が前、後位置のボルト１２及
びナツト１３（第３図ａ，ｂ参照）でそれぞれ締
結固定され、該各第２ブラケツト１１，１１に、
シートバツク３の左右両側に固定された第３ブラ
ケツト１４，１４が傾動用部材１５，１５を介し
てそれぞれ連結されている。

上記第１〜第３ブラケツト１０，１１，１４及
び歯車を用いた傾動用部材１５でリクライニング
装置４が構成される。

第３図ａ及び第３図ｂに示すように、上記左右
両側の第２ブラケツト１１，１１の内、例えば左
側の第２ブラケツト１１Ｌを第１ブラケツト１０
Ｌに固定する後側のボルト１２Ｒに大径の偏心カ
ム１６を一体的に嵌合して設ける。

そして、第１ブラケツト１０Ｌと第２ブラケツ
ト１１Ｌのボルト挿通孔１０ａ，１１ａを偏心さ
せ、第２ブラケツト１１Ｌのボルト挿通孔１１ａ
を、上記ボルト１２の偏心カム１６が嵌合する大
径孔に形成する。

上記のような構成であれば、シートクツシヨン
２のアツパーレール６に設けられた第１ブラケツ
ト１０に、ボルト１２及びナツト１３で第２ブラ
ケツト１１を締結固定し、該第２ブラケツト１１
に傾動用部材１５で連結された第３ブラケツト１
４に、シートバツク３を固定して、シート１を組
立てる。

その後、左側の第２ブラケツト１１Ｌを第１ブ
ラケツト１０Ｌに固定する前、後位置のボルト１
２及びナツト１３を僅かに緩め戻し、後側のボル
ト１２Ｒを回転させて偏心カム１６を偏心回転さ
せる。

そうすると、第５図ａに示すように、第２ブラ
ケツト１１Ｌは、前側のボルト１２Ｆを中心に偏
心カム１６で上下方向に揺動されるようになる。

これに対して、右側の第２ブラケツト１１Ｒ
は、第５図ｂに示すように、第１ブラケツト１０
に固定されているから、左右両側の第２ブラケツ
ト１１Ｌ，Ｒが互いに競り合うようになるので、
歯車を用いた傾動用部材１５，１５間の歯車の回
転遊びが少なくなり、シートバツク３のガタつき
が防止されるのである。

なお、第４図ａ及び第４図ｂに示すように、ボ
ルト１２Ｒに偏心カム１６を一体的に形成しても
よい。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る自動車用シートの斜視
図、第２図は第１図の側面図、第３図ａは第１実
施例の偏心カムを有するボルトの斜視図、第３図
ｂは第３図ａのボルトを採用したときの第２図の
−線に相当する拡大断面図、第４図ａは第２
実施例の偏心カムを有するボルトの斜視図、第４
図ｂは第４図ａのボルトを採用したときの第２図
の−線に相当する拡大断面図、第５図ａは左
側の第２ブラケツトの揺動状態を示す側面図、第
５図ｂは右側の第２ブラケツトの状態を示す側面
図である。 １……自動車用シート、２……シートクツシヨ
ン、３……シートバツク、４……リクライニング
装置、６……アツパーレール、１０……第１ブラ
ケツト、１０ａ……ボルト挿通孔、１１……第２
ブラケツト、１１ａ……ボルト挿通孔、１２……
ボルト、１３……ナツト、１４……第３ブラケツ
ト、１５……傾動用部材、１６……偏心カム。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートクツシヨンの左右両側に設けられた第１
   ブラケツトに、第２ブラケツトがボルト・ナツト
   でそれぞれ締結固定され、該各第２ブラケツト
   に、シートバツクの左右両側の第３ブラケツトが
   歯車を用いた傾動部材を介して連結されていて、
   シートクツシヨンに対してシートバツクが傾動さ
   れるようにした自動車用シートにおいて、 上記左右両側の第２ブラケツトのうち、いずれ
   か一方の第２ブラケツトを第１ブラケツトに締結
   固定するボルトに大径の偏心カムが一体的に設け
   られ、該第２ブラケツトと第１ブラケツトを締付
   ける上記ボルトにより、左右両側ナツクルの位置
   を調整できるようにしたことを特徴とする自動車
   用シート。