JPH04263641A - 嵩高ループヤーンの製造法 - Google Patents
嵩高ループヤーンの製造法Info
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- JPH04263641A JPH04263641A JP4605291A JP4605291A JPH04263641A JP H04263641 A JPH04263641 A JP H04263641A JP 4605291 A JP4605291 A JP 4605291A JP 4605291 A JP4605291 A JP 4605291A JP H04263641 A JPH04263641 A JP H04263641A
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Landscapes
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Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,布帛表面にループ毛羽
が存在してスパンライクな外観及びソフトな風合を呈す
るとともに,高染着性の織編物を得るに適した嵩高ルー
プヤーンの製造法に関するものである。
が存在してスパンライクな外観及びソフトな風合を呈す
るとともに,高染着性の織編物を得るに適した嵩高ルー
プヤーンの製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来,ソフトな風合を有する織編物を得
るために,極細ポリエステル糸条を用いて複合加工糸を
製造する方法が,例えば,特公昭57−59339号公
報,特開昭55−67024号公報等で提案されている
。しかしながら,これらの方法によって得られる加工糸
を用いて織編物製品にすると,布帛の表面が極細糸特有
の白茶けた外観を呈し,製品品位を著しく低下させると
いう問題があった。
るために,極細ポリエステル糸条を用いて複合加工糸を
製造する方法が,例えば,特公昭57−59339号公
報,特開昭55−67024号公報等で提案されている
。しかしながら,これらの方法によって得られる加工糸
を用いて織編物製品にすると,布帛の表面が極細糸特有
の白茶けた外観を呈し,製品品位を著しく低下させると
いう問題があった。
【0003】本発明者らも,極細ポリエステル糸条を用
いて複合加工糸を製造する方法についての研究を行う中
で,極細ポリエステル糸条に低捲縮加工を施すことによ
り,後の流体攪乱処理における交絡性やループの形成性
を高めうることを知見し,それらを織り込んだ加工糸の
製造方法を特開昭63−315632号公報等で提案し
たが,この方法で得られる加工糸も前記の欠点を有する
ものであった。
いて複合加工糸を製造する方法についての研究を行う中
で,極細ポリエステル糸条に低捲縮加工を施すことによ
り,後の流体攪乱処理における交絡性やループの形成性
を高めうることを知見し,それらを織り込んだ加工糸の
製造方法を特開昭63−315632号公報等で提案し
たが,この方法で得られる加工糸も前記の欠点を有する
ものであった。
【0004】その後も本発明者らは,濃染効果を有する
複合加工糸をを得るために鋭意研究を重ね,特願平1−
230166号において,ポリエステル中配向未延伸糸
(POY)を用いた加工方法を提案した。この方法は,
POYを特殊な条件で捲縮加工してなる低捲縮加工糸と
,通常の延伸糸によって複合加工糸を製造するものであ
る。延伸糸の染着性は悪いので,この方法において濃染
効果を得るためには,延伸糸を芯糸とする必要があるが
,この場合,流体攪乱処理によるループ形成,交絡等に
よって延伸糸を構成する単フイラメントの一部が糸条表
面に部分的に出現し,部分的な濃淡差による欠点となる
ことが避けられず,品質の面から今一歩の向上が望まれ
ていた。また,この方法では,仮撚手段としてスピンド
ル方式を採用しているが,スピンドル方式では,機構上
高速化が困難であり,しかも高速化に伴って毛羽が発生
しやすくなるという問題があった。
複合加工糸をを得るために鋭意研究を重ね,特願平1−
230166号において,ポリエステル中配向未延伸糸
(POY)を用いた加工方法を提案した。この方法は,
POYを特殊な条件で捲縮加工してなる低捲縮加工糸と
,通常の延伸糸によって複合加工糸を製造するものであ
る。延伸糸の染着性は悪いので,この方法において濃染
効果を得るためには,延伸糸を芯糸とする必要があるが
,この場合,流体攪乱処理によるループ形成,交絡等に
よって延伸糸を構成する単フイラメントの一部が糸条表
面に部分的に出現し,部分的な濃淡差による欠点となる
ことが避けられず,品質の面から今一歩の向上が望まれ
ていた。また,この方法では,仮撚手段としてスピンド
ル方式を採用しているが,スピンドル方式では,機構上
高速化が困難であり,しかも高速化に伴って毛羽が発生
しやすくなるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は,上記した従
来の欠点を解消し,捲縮糸条と非捲縮糸条からなる芯鞘
2層構造を呈するとともに,ソフトな風合を有し, か
つ高染着性の織編物を得るのに適した嵩高ループヤーン
の製造法を提供することを技術的な課題とするものであ
る。
来の欠点を解消し,捲縮糸条と非捲縮糸条からなる芯鞘
2層構造を呈するとともに,ソフトな風合を有し, か
つ高染着性の織編物を得るのに適した嵩高ループヤーン
の製造法を提供することを技術的な課題とするものであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,上記した
欠点を解消し,かつ高速化を実現するために鋭意研究を
重ねた結果,紡糸速度6000m/分以上で紡糸され,
複屈折率(Δn)が90×10−3以上のポリエステル
高配向未延伸糸(以下,HOYという。)と,複屈折率
(Δn)が30×10−3〜80×10−3のポリエス
テル中配向未延伸糸(以下,POYという。)に特定の
延伸同時摩擦仮撚加工を施した捲縮糸条とを同時に流体
攪乱処理することによって,高速加工が可能で,しかも
高染着性を呈するとともに,良好な品位を有する加工糸
が得られることを見出し,本発明を完成するに至った。
欠点を解消し,かつ高速化を実現するために鋭意研究を
重ねた結果,紡糸速度6000m/分以上で紡糸され,
複屈折率(Δn)が90×10−3以上のポリエステル
高配向未延伸糸(以下,HOYという。)と,複屈折率
(Δn)が30×10−3〜80×10−3のポリエス
テル中配向未延伸糸(以下,POYという。)に特定の
延伸同時摩擦仮撚加工を施した捲縮糸条とを同時に流体
攪乱処理することによって,高速加工が可能で,しかも
高染着性を呈するとともに,良好な品位を有する加工糸
が得られることを見出し,本発明を完成するに至った。
【0007】すなわち,本発明は,一方の糸条を構成す
るフイラメントの単糸繊度が1d以下である2本の糸条
A,Bを同時に流体攪乱処理するに際し,糸条Aとして
複屈折率 (Δn) が30×10−3〜80×10−
3のPOYにK値(解撚張力/加撚張力)1.5以上,
かつ加撚張力0.3g/d以下で延伸同時摩擦仮撚加工
を施してなる捲縮糸条を用いるとともに,糸条Bとして
,紡糸速度6000m/分以上で紡糸され,複屈折率
(Δn) が90×10−3以上の非捲縮性HOYを用
い,単糸繊度が1d以下のフイラメントからなる一方の
糸条の供給率が他方の糸条の供給率より5%以上大きく
なるようにして同一の流体噴射ノズルに供給し,流体攪
乱処理を施して糸条表面にループ毛羽を形成させること
を特徴とする嵩高ループヤーンの製造法を要旨とするも
のである。
るフイラメントの単糸繊度が1d以下である2本の糸条
A,Bを同時に流体攪乱処理するに際し,糸条Aとして
複屈折率 (Δn) が30×10−3〜80×10−
3のPOYにK値(解撚張力/加撚張力)1.5以上,
かつ加撚張力0.3g/d以下で延伸同時摩擦仮撚加工
を施してなる捲縮糸条を用いるとともに,糸条Bとして
,紡糸速度6000m/分以上で紡糸され,複屈折率
(Δn) が90×10−3以上の非捲縮性HOYを用
い,単糸繊度が1d以下のフイラメントからなる一方の
糸条の供給率が他方の糸条の供給率より5%以上大きく
なるようにして同一の流体噴射ノズルに供給し,流体攪
乱処理を施して糸条表面にループ毛羽を形成させること
を特徴とする嵩高ループヤーンの製造法を要旨とするも
のである。
【0008】以下,本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明は,POYを特定の条件で捲縮加工
することにより良好な染着性の加工糸が得られること,
及び紡糸速度6000m/分以上で紡糸されたHOYも
高染着特性を有することに着目し,その特性を利用する
ものである。
することにより良好な染着性の加工糸が得られること,
及び紡糸速度6000m/分以上で紡糸されたHOYも
高染着特性を有することに着目し,その特性を利用する
ものである。
【0010】したがって,本発明では,流体攪乱処理を
施す際の供給糸となる一方の糸条として,複屈折率(Δ
n)が30×10−3〜80×10−3のPOYにK値
(解撚張力/加撚張力)1.5以上, 好ましくは1.
7 〜4.0,かつ加撚張力0.3g/d以下で延伸同
時摩擦仮撚加工を施してなる捲縮糸条(糸条A)を用い
る必要がある。POYの複屈折率 (Δn) が30×
10−3未満になると,加工の安定性が低下し,また,
80×10−3を超えると,捲縮糸の染着性が低下す
るので好ましくない。複屈折率(Δn)が30×10−
3〜80×10−3のPOYは,紡糸速度2500〜4
500m/分で紡糸することによって得ることができる
。
施す際の供給糸となる一方の糸条として,複屈折率(Δ
n)が30×10−3〜80×10−3のPOYにK値
(解撚張力/加撚張力)1.5以上, 好ましくは1.
7 〜4.0,かつ加撚張力0.3g/d以下で延伸同
時摩擦仮撚加工を施してなる捲縮糸条(糸条A)を用い
る必要がある。POYの複屈折率 (Δn) が30×
10−3未満になると,加工の安定性が低下し,また,
80×10−3を超えると,捲縮糸の染着性が低下す
るので好ましくない。複屈折率(Δn)が30×10−
3〜80×10−3のPOYは,紡糸速度2500〜4
500m/分で紡糸することによって得ることができる
。
【0011】また,延伸同時摩擦仮撚加工を施す際の加
撚張力が0.3g/dを上回る場合及び/又はK値が1
.5未満であると, 良好な染着性が得られないばかり
でなく,糸条の捲縮性が高くなりすぎるため,後工程の
流体攪乱処理において十分なループ毛羽や交絡の形成効
果が得られない。なお,K値及び加撚張力は,上記の範
囲で仮撚加工時の延伸倍率及びD/Y比(フリクシヨン
デイスクの周速/糸の送り出し速度),摩擦仮撚装置の
デイスク材質等を勘案して適宜選定すればよい。この場
合, 供給糸となるPOYの物性によっても異なるが,
複屈折率 (Δn) が50×10−3〜60×10−
3のPOYを用いる際には,延伸倍率を1.1〜1.2
,D/Y比を1.3〜2.5とするのが好ましい。さら
に,仮撚方式として摩擦法を採用しているので,高速化
が可能であり,しかも摩擦法は糸送り効果を有するので
,高速化しても毛羽の発生を抑制することができる。
撚張力が0.3g/dを上回る場合及び/又はK値が1
.5未満であると, 良好な染着性が得られないばかり
でなく,糸条の捲縮性が高くなりすぎるため,後工程の
流体攪乱処理において十分なループ毛羽や交絡の形成効
果が得られない。なお,K値及び加撚張力は,上記の範
囲で仮撚加工時の延伸倍率及びD/Y比(フリクシヨン
デイスクの周速/糸の送り出し速度),摩擦仮撚装置の
デイスク材質等を勘案して適宜選定すればよい。この場
合, 供給糸となるPOYの物性によっても異なるが,
複屈折率 (Δn) が50×10−3〜60×10−
3のPOYを用いる際には,延伸倍率を1.1〜1.2
,D/Y比を1.3〜2.5とするのが好ましい。さら
に,仮撚方式として摩擦法を採用しているので,高速化
が可能であり,しかも摩擦法は糸送り効果を有するので
,高速化しても毛羽の発生を抑制することができる。
【0012】次に,本発明では,糸条Aとともに流体攪
乱処理を施す他方の糸条Bとして,紡糸速度6000m
/分以上で紡糸され,複屈折率(Δn)が90×10−
3以上の非捲縮性HOYを用いることが必要である。
乱処理を施す他方の糸条Bとして,紡糸速度6000m
/分以上で紡糸され,複屈折率(Δn)が90×10−
3以上の非捲縮性HOYを用いることが必要である。
【0013】HOYは,高染着性でしかも低伸度なので
,このHOYを用いることにより,流体攪乱処理して得
られる嵩高ループヤーンの染着性が格段に向上するとと
もに,撚糸や製編織工程等の後工程における張力によっ
て糸条が伸長されることがなく,このため,安定した品
位の製品を高能率で製造することができる。高染着性を
得るためにはPOYの使用も考えられるが,従来のPO
Yは伸度が高いために上記した後工程で受ける張力によ
って糸条が伸びてしまい,実用に供しえないものとなる
。このため,従来は延伸糸が使用されてきたが,この場
合は,延伸糸の染着性が低いために十分な濃染効果が得
られない。
,このHOYを用いることにより,流体攪乱処理して得
られる嵩高ループヤーンの染着性が格段に向上するとと
もに,撚糸や製編織工程等の後工程における張力によっ
て糸条が伸長されることがなく,このため,安定した品
位の製品を高能率で製造することができる。高染着性を
得るためにはPOYの使用も考えられるが,従来のPO
Yは伸度が高いために上記した後工程で受ける張力によ
って糸条が伸びてしまい,実用に供しえないものとなる
。このため,従来は延伸糸が使用されてきたが,この場
合は,延伸糸の染着性が低いために十分な濃染効果が得
られない。
【0014】また,本発明では,捲縮糸条 (糸条A)
と非捲縮糸条 (糸条B) とを供給糸とする必要が
あり,これによって,流体攪乱処理して得られる嵩高ル
ープヤーンに,捲縮フイラメントと非捲縮フイラメント
が相俟って雅趣に富んだ外観とソフトな風合を付与する
ことができる。
と非捲縮糸条 (糸条B) とを供給糸とする必要が
あり,これによって,流体攪乱処理して得られる嵩高ル
ープヤーンに,捲縮フイラメントと非捲縮フイラメント
が相俟って雅趣に富んだ外観とソフトな風合を付与する
ことができる。
【0015】さらに,本発明では,捲縮糸条 (糸条A
) と非捲縮糸条 (糸条B) とを供給率差5%以上
で同一の流体噴射ノズルに供給し,流体攪乱処理を施す
ことが重要である。これにより良好な品位を有する芯鞘
2層構造糸を高速度で安定して得ることができる。ここ
で両糸条の供給率差が5%を下回る場合は,良好な芯鞘
2層構造が形成されず,嵩高性の劣るものとなる。
) と非捲縮糸条 (糸条B) とを供給率差5%以上
で同一の流体噴射ノズルに供給し,流体攪乱処理を施す
ことが重要である。これにより良好な品位を有する芯鞘
2層構造糸を高速度で安定して得ることができる。ここ
で両糸条の供給率差が5%を下回る場合は,良好な芯鞘
2層構造が形成されず,嵩高性の劣るものとなる。
【0016】流体攪乱処理時の供給率は,芯糸となる糸
条が3〜7%,鞘糸となる糸条が10〜30%で供給率
差が5%以上であることが好ましく,また,流体噴射ノ
ズルの圧縮空気圧力は5〜8kg/cm2 が好ましい
。
条が3〜7%,鞘糸となる糸条が10〜30%で供給率
差が5%以上であることが好ましく,また,流体噴射ノ
ズルの圧縮空気圧力は5〜8kg/cm2 が好ましい
。
【0017】本発明においては,捲縮糸条 (糸条A)
,非捲縮糸条 (糸条B) のどちらを過剰に供給し
ても,目的とする加工糸が得られる。しかしながら,捲
縮糸条より非捲縮糸条を過剰に供給して鞘糸に配する場
合は,供給糸条の単糸繊度によっても異なるが,極細糸
になるに従ってフイラメントの開繊が悪くなり,このた
めノツプ欠点(フイラメントが集束された状態で回転す
るために生ずる結び目状の欠点)を生じることがある。 したがって,この点を勘案し,鞘糸として極細の非捲縮
糸条を用いる場合には,この糸条の供給率を低目に設定
するのが好ましい。一方,非捲縮糸条より捲縮糸条を過
剰に供給して鞘糸に配する場合は,極細糸条に仮撚捲縮
が施されることによって単フイラメント個々の開繊性が
高まり,流体攪乱処理時に糸条表面への均一なループ毛
羽の形成性を格段に向上させることが可能となる。
,非捲縮糸条 (糸条B) のどちらを過剰に供給し
ても,目的とする加工糸が得られる。しかしながら,捲
縮糸条より非捲縮糸条を過剰に供給して鞘糸に配する場
合は,供給糸条の単糸繊度によっても異なるが,極細糸
になるに従ってフイラメントの開繊が悪くなり,このた
めノツプ欠点(フイラメントが集束された状態で回転す
るために生ずる結び目状の欠点)を生じることがある。 したがって,この点を勘案し,鞘糸として極細の非捲縮
糸条を用いる場合には,この糸条の供給率を低目に設定
するのが好ましい。一方,非捲縮糸条より捲縮糸条を過
剰に供給して鞘糸に配する場合は,極細糸条に仮撚捲縮
が施されることによって単フイラメント個々の開繊性が
高まり,流体攪乱処理時に糸条表面への均一なループ毛
羽の形成性を格段に向上させることが可能となる。
【0018】また,本発明では,鞘糸となる糸条の単糸
繊度は1d以下のフイラメントからなることが重要であ
る。ここで捲縮糸条 (糸条A) を鞘糸とする場合は
,仮撚加工後の単糸繊度が1d以下となるように,加工
条件との関連において供給糸条の単糸繊度を選定すれば
よい。これにより,本発明によって得られる嵩高ループ
ヤーンを用いた布帛に優れたソフト性を付与することが
できる。鞘糸の単糸繊度が1dを超えると,十分なソフ
ト性が得られない。一方,芯糸を形成する糸条の単糸繊
度は,特に限定はされるものではないが,布帛に張り,
腰を付与するという点から,1〜5dが好ましい。
繊度は1d以下のフイラメントからなることが重要であ
る。ここで捲縮糸条 (糸条A) を鞘糸とする場合は
,仮撚加工後の単糸繊度が1d以下となるように,加工
条件との関連において供給糸条の単糸繊度を選定すれば
よい。これにより,本発明によって得られる嵩高ループ
ヤーンを用いた布帛に優れたソフト性を付与することが
できる。鞘糸の単糸繊度が1dを超えると,十分なソフ
ト性が得られない。一方,芯糸を形成する糸条の単糸繊
度は,特に限定はされるものではないが,布帛に張り,
腰を付与するという点から,1〜5dが好ましい。
【0019】なお,本発明におけるポリエステルとは,
ポリエチレンテレフタレートで代表される分子鎖中にエ
ステル結合を有するポリエステルを総称し,イソフタル
酸,パラオキシ安息香酸等の第3成分を含有する変性ポ
リエステルでもよい。
ポリエチレンテレフタレートで代表される分子鎖中にエ
ステル結合を有するポリエステルを総称し,イソフタル
酸,パラオキシ安息香酸等の第3成分を含有する変性ポ
リエステルでもよい。
【0020】また,流体攪乱処理に使用する流体噴射ノ
ズルは,例えば,特公昭60−22093号公報,特公
昭63−46178号公報,特開昭57−143537
号公報等に記載されたループ形成能を有するものであれ
ばいずれでもよい。
ズルは,例えば,特公昭60−22093号公報,特公
昭63−46178号公報,特開昭57−143537
号公報等に記載されたループ形成能を有するものであれ
ばいずれでもよい。
【0021】次に,本発明を図面に基づいて説明する。
図1は,本発明の一実施態様を示す概略工程図である。
図1において,POY1はケークより引き出され,フイ
ードローラ2,ヒータ3を経て摩擦仮撚域に送り込まれ
,フイードローラ2と延伸ローラ5との間で延伸される
と同時に,摩擦式仮撚装置4により加撚されつつヒータ
3により熱固定されて捲縮糸条(糸条A)となり,延伸
ローラ5から所定の供給率で流体噴射ノズル6に供給さ
れる。
ードローラ2,ヒータ3を経て摩擦仮撚域に送り込まれ
,フイードローラ2と延伸ローラ5との間で延伸される
と同時に,摩擦式仮撚装置4により加撚されつつヒータ
3により熱固定されて捲縮糸条(糸条A)となり,延伸
ローラ5から所定の供給率で流体噴射ノズル6に供給さ
れる。
【0022】一方,非捲縮性HOY(糸条B)はケーク
より引き出され,フイードローラ7を経て流体噴射ノズ
ル6に供給される。
より引き出され,フイードローラ7を経て流体噴射ノズ
ル6に供給される。
【0023】次いで,糸条A,Bは,流体噴射ノズル6
によって流体攪乱処理されて芯鞘構造が形成され,芯糸
と鞘糸を構成するフイラメントが交絡するとともに,主
として鞘糸を構成するフイラメントにループ毛羽が形成
される。かくして得られた芯鞘2層構造を呈する嵩高ル
ープヤーンは,デリベリローラ8を経て,捲取ローラ9
によりパツケージ10に捲き取られる。
によって流体攪乱処理されて芯鞘構造が形成され,芯糸
と鞘糸を構成するフイラメントが交絡するとともに,主
として鞘糸を構成するフイラメントにループ毛羽が形成
される。かくして得られた芯鞘2層構造を呈する嵩高ル
ープヤーンは,デリベリローラ8を経て,捲取ローラ9
によりパツケージ10に捲き取られる。
【0024】また,図2は,本発明で得られる嵩高ルー
プヤーンの一実施態様を示す模式図であり,POYを延
伸同時摩擦仮撚加工した,ループ毛羽を有する単フイラ
メントa1,a2 からなる捲縮糸条(糸条A)が鞘糸
を,単フイラメントb1,b2 からなる非捲縮性HO
Y(糸条B)が芯糸を構成した場合である。
プヤーンの一実施態様を示す模式図であり,POYを延
伸同時摩擦仮撚加工した,ループ毛羽を有する単フイラ
メントa1,a2 からなる捲縮糸条(糸条A)が鞘糸
を,単フイラメントb1,b2 からなる非捲縮性HO
Y(糸条B)が芯糸を構成した場合である。
【0025】
【実施例】次に,本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 表1に示したような各種の組合せのポリエチレンテレフ
タレート中,高配向未延伸糸及び延伸糸を供給糸条とし
,図1に示す工程に従って加工を行った。
る。 実施例1 表1に示したような各種の組合せのポリエチレンテレフ
タレート中,高配向未延伸糸及び延伸糸を供給糸条とし
,図1に示す工程に従って加工を行った。
【0026】まず,ポリエチレンテレフタレート中配向
未延伸糸を表1に示す条件でポリウレタンデイスクの摩
擦仮撚装置を使用して延伸同時摩擦仮撚加工を行って糸
条Aとした後,他方の糸条(糸条B)と合わせ,表1に
示した供給率でそれぞれの糸条を特公昭63−4617
8号公報記載の流体噴射ノズルに供給し,圧縮空気圧力
7.0kg/cm2,デリベリローラ8の表面速度 7
00m/分で流体攪乱処理を行い,嵩高ループヤーンを
製造した。
未延伸糸を表1に示す条件でポリウレタンデイスクの摩
擦仮撚装置を使用して延伸同時摩擦仮撚加工を行って糸
条Aとした後,他方の糸条(糸条B)と合わせ,表1に
示した供給率でそれぞれの糸条を特公昭63−4617
8号公報記載の流体噴射ノズルに供給し,圧縮空気圧力
7.0kg/cm2,デリベリローラ8の表面速度 7
00m/分で流体攪乱処理を行い,嵩高ループヤーンを
製造した。
【0027】次に,得られた嵩高ループヤーンを経糸及
び緯糸に用いて,経密度105本/2.54cm,緯密
度75本/2.54cmの平組織で製織し,通常の染色
加工を行って織物製品を得た。表1に得られた嵩高ルー
プヤーンと織物の評価結果を示す。
び緯糸に用いて,経密度105本/2.54cm,緯密
度75本/2.54cmの平組織で製織し,通常の染色
加工を行って織物製品を得た。表1に得られた嵩高ルー
プヤーンと織物の評価結果を示す。
【0028】
【表1】
【0029】試験No.1,2,3は本発明の実施例で
ある。このうち試験No.1,2は,極細糸条からなる
捲縮糸条が鞘糸に配された例であり,得られた嵩高ルー
プヤーンは,両者とも交絡性,ループ形成性,形態安定
性が優れ,その織物製品は,極細糸条に形成されたルー
プ毛羽が織物表面に多量に浮き出ているにもかかわらず
,極細フイラメント毛羽特有の白茶けた外観を呈するこ
となく,極めてソフト性に富んだものとなった。試験N
o.3は,非捲縮糸条が鞘糸に配された場合であり,上
記試験No.1,2に比べるとフイラメントの開繊性が
やや悪く,ループ形成性が若干低下した。このため,嵩
高性はやや劣るものの,濃染性に優れたソフトな織物が
得られた。
ある。このうち試験No.1,2は,極細糸条からなる
捲縮糸条が鞘糸に配された例であり,得られた嵩高ルー
プヤーンは,両者とも交絡性,ループ形成性,形態安定
性が優れ,その織物製品は,極細糸条に形成されたルー
プ毛羽が織物表面に多量に浮き出ているにもかかわらず
,極細フイラメント毛羽特有の白茶けた外観を呈するこ
となく,極めてソフト性に富んだものとなった。試験N
o.3は,非捲縮糸条が鞘糸に配された場合であり,上
記試験No.1,2に比べるとフイラメントの開繊性が
やや悪く,ループ形成性が若干低下した。このため,嵩
高性はやや劣るものの,濃染性に優れたソフトな織物が
得られた。
【0030】試験No.4〜7は比較例である。試験N
o.4は,加撚張力が0.3g/dを超え,かつK値が
1.5を下回る場合であり,試験No.5は,加撚張力
が0.3g/dを超える場合である。これらの例で得ら
れた加工糸は,鞘糸となる糸条が高捲縮糸条となるため
,濃染性が得られないばかりでなく,交絡性やループの
形成性が悪いものであった。試験No.6は,通常の延
伸糸を非捲縮糸条として使用した場合であるが,延伸糸
の染色性が悪いため,得られた加工糸には部分的な濃淡
差が生じて品位が低いものであった。試験No.7は,
鞘糸となる糸条の単糸繊度が1dを上回る場合であり,
この加工糸を用いた布帛は, ソフト性が不足したも
のであった。
o.4は,加撚張力が0.3g/dを超え,かつK値が
1.5を下回る場合であり,試験No.5は,加撚張力
が0.3g/dを超える場合である。これらの例で得ら
れた加工糸は,鞘糸となる糸条が高捲縮糸条となるため
,濃染性が得られないばかりでなく,交絡性やループの
形成性が悪いものであった。試験No.6は,通常の延
伸糸を非捲縮糸条として使用した場合であるが,延伸糸
の染色性が悪いため,得られた加工糸には部分的な濃淡
差が生じて品位が低いものであった。試験No.7は,
鞘糸となる糸条の単糸繊度が1dを上回る場合であり,
この加工糸を用いた布帛は, ソフト性が不足したも
のであった。
【0031】
【発明の効果】本発明において,流体攪乱処理工程への
供給糸となるPOYを特定の条件で加工した捲縮糸条(
糸条A)と, 紡糸速度6000m/分以上で紡糸され
たHOY(糸条B)は何れも優れた染着性を示すので,
本発明で得られる嵩高ループヤーンは濃染性を示し,従
来の極細糸を使用した織編物表面の白茶けてみえるとい
った欠点を解消することができる。また,得られる嵩高
ループヤーンは芯鞘2層構造を有し,しかも鞘糸として
極細糸条が配されているので,この加工糸によって得ら
れる織編物は,優れたソフト性を有したものとなる。さ
らに,本発明によれば,高速加工時においても安定して
目的とする嵩高ループヤーンを得ることができるので,
生産性の向上を図ることが可能となる。
供給糸となるPOYを特定の条件で加工した捲縮糸条(
糸条A)と, 紡糸速度6000m/分以上で紡糸され
たHOY(糸条B)は何れも優れた染着性を示すので,
本発明で得られる嵩高ループヤーンは濃染性を示し,従
来の極細糸を使用した織編物表面の白茶けてみえるとい
った欠点を解消することができる。また,得られる嵩高
ループヤーンは芯鞘2層構造を有し,しかも鞘糸として
極細糸条が配されているので,この加工糸によって得ら
れる織編物は,優れたソフト性を有したものとなる。さ
らに,本発明によれば,高速加工時においても安定して
目的とする嵩高ループヤーンを得ることができるので,
生産性の向上を図ることが可能となる。
【図1】本発明の一実施態様を示す概略工程図である。
【図2】本発明により得られる嵩高ループヤーン加工糸
の一実施態様を示す模式図である。
の一実施態様を示す模式図である。
2,7 フイードローラ
3 ヒータ
4 摩擦式仮撚装置
5 延伸ローラ
6 流体噴射ノズル
8 デリベリローラ
9 捲取ローラ
10 パツケージ
A 捲縮糸条
Claims (2)
- 【請求項1】 一方の糸条を構成するフイラメントの
単糸繊度が1d以下である2本の糸条A,Bを同時に流
体攪乱処理するに際し,糸条Aとして複屈折率(Δn)
が30×10−3〜80×10−3のポリエステル中
配向未延伸糸にK値(解撚張力/加撚張力)1.5以上
,かつ加撚張力0.3g/d以下で延伸同時摩擦仮撚加
工を施してなる捲縮糸条を用いるとともに,糸条Bとし
て,紡糸速度6000m/分以上で紡糸され,複屈折率
(Δn) が90×10−3以上の非捲縮性ポリエス
テル高配向未延伸糸を用い,単糸繊度が1d以下のフイ
ラメントからなる一方の糸条の供給率が他方の糸条の供
給率より5%以上大きくなるようにして同一の流体噴射
ノズルに供給し,流体攪乱処理を施して糸条表面にルー
プ毛羽を形成させることを特徴とする嵩高ループヤーン
の製造法。 - 【請求項2】 糸条Aの供給率を,糸条Bの供給率よ
り大きくして流体噴射ノズルに供給することを特徴とす
る請求項1記載の嵩高ループヤーンの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4605291A JPH04263641A (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 嵩高ループヤーンの製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4605291A JPH04263641A (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 嵩高ループヤーンの製造法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04263641A true JPH04263641A (ja) | 1992-09-18 |
Family
ID=12736256
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4605291A Pending JPH04263641A (ja) | 1991-02-18 | 1991-02-18 | 嵩高ループヤーンの製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH04263641A (ja) |
-
1991
- 1991-02-18 JP JP4605291A patent/JPH04263641A/ja active Pending
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