JPH04250927A - 歯車の製造方法 - Google Patents
歯車の製造方法Info
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Abstract
め要約のデータは記録されません。
Description
る。
材を歯車形状に加工した後に、表面炭素濃度0.7〜0
.8%を目標にガス浸炭し、焼き入れ、焼き戻しした後
に、ショットピーニング処理するという方法が採用され
ていた。このショットピーニング処理まで採用して製造
した歯車は、単にガス浸炭しただけの物に比べると、歯
元の曲げ疲れ強さが向上し、その点では優れたものであ
った。ところが、この歯元の曲げ疲れ強さの向上に対し
て歯面の疲れ強さは相対的に劣化した形となり、歯面に
おけるピッチング破壊が歯車の寿命を決定する要因とな
っていた。
1%以上の、いわゆる高濃度浸炭を施してからショット
ピーニング処理を施すという方法が注目され、歯元の曲
げ疲れ強さも歯面の耐ピッチング性も向上することが分
かった。
炭後にショットピーニングを施す方法においては、歯元
の曲げ疲れ強さや歯面の耐ピッチング性が向上する反面
、歯底や歯元部の靱性が著しく劣化してしまうという問
題があった。特に高濃度浸炭では、ガス浸炭のみの場合
に比較すると、衝撃値が約1/3程度になってしまうこ
とがあった。
の疲れ強さも、歯面の耐ピッチング性も、歯底および歯
元部の耐衝撃性もいずれも良好な歯車を製造するための
歯車の製造方法を提供することを目的としてなされた。
するためになされた本発明の歯車の製造方法は、機械構
造用鋼を素材とした歯車に、表面から50μmの深さに
おいて面積率で5%以上の炭化物を析出させる高濃度浸
炭処理を施した後に、歯底および歯元部を切削または研
削することを特徴とする。
用・効果を十分に奏することができるが、この歯車の製
造方法において、前記歯底および歯元部の切削または研
削の量を100μm以上とすることで、さらに良好な作
用・効果を奏することができる。
歯底および歯元部に切削または研削加工を施した後に、
アークハイトで0.5mm以上のショットピーニングを
施すと、歯元部の疲労限度がさらに上昇する。
ットピーニングを施した後に、さらに歯底および歯元部
を切削または研削するとなお優れた作用・効果を奏する
。一方、機械構造用鋼を素材とした歯車に、表面から5
0μmの深さにおいて面積率で5%以上の炭化物を析出
させる高濃度浸炭処理を施した後に、アークハイトで0
.5mm以上のショットピーニングを施し、その後さら
に歯底および歯元部を切削または研削することを特徴と
する構成によっても、顕著な作用・効果を奏することが
できる。
削をする方法においては、前述の様に浸炭後に歯底およ
び歯元部の切削または研削をし、ショットピーニングを
した後にさらに切削または研削する場合を含み、この場
合も含めて、該切削または研削の量を総量で100μm
以上とすることもできる。
、高濃度浸炭を実施することで、炭化物を析出させて歯
面の耐ピッチング性を向上させる。ショットピーニング
を施すものでは、その処理によって圧縮残留応力を付与
してさらに歯面の耐ピッチング性を向上させる。そして
、歯底および歯元部を切削または研削することによって
、歯底および歯元部の硬化層を浅くすると共に、切削加
工または研削加工によって付与される圧縮残留応力の作
用も加わって、歯底および歯元部の疲れ強さと衝撃強さ
とを向上させる。
変化していることから、請求項2記載の本発明方法の様
に、切削または研削の量が100μm以上とすると、歯
底および歯元部については、硬化層による悪影響を除去
する作用が顕著に現れ、疲れ強さも衝撃強さも大幅に向
上する。
は、これにより歯車に圧縮残留応力が付与されるわけで
あるが、この圧縮残留応力の最大値は、表面よりも若干
内部に形成される。従って、請求項5記載の本発明方法
の様に、ショットピーニングの後に切削または研削をす
る場合には、浸炭による硬化層の除去に加えてこの圧縮
残留応力の作用を大きく引き出すことになる。
4記載の本発明方法によれば、切削または研削加工の量
を100μm以上とすることにより、硬化層を十分に除
去し、しかもショットピーニングによる残留圧縮応力の
作用を最大限に引き出すことができるから、疲れ強さ、
耐ピッチング性、衝撃強さともに最大に引き出すことが
できる。
または研削で浸炭による硬化層を歯底および歯元部につ
いては除去することをねらったものである。さらに、こ
の切削または研削がショットピーニングの後に行われる
のは、ショットピーニングによる圧縮残留応力の作用を
大きく引き出すためである。そして、硬化層の除去の観
点からは、切削または研削の量を100μm以上とする
のがよいのである。従って、ショットピーニング後にも
切削または研削を行なう方法では、ショットピーニング
前にも切削または研削を行なう方法をも含めて、切削ま
たは研削の総量を100μm以上とすれば、請求項4記
載の本発明方法と同様の作用を奏することが明らかであ
る。そして、このことは、請求項6記載の本発明方法の
様に、ショットピーニング後に切削または研削をする場
合には、その量を100μm以上とすればよいことを意
味する。
発明を適用した好適な実施例について説明する。
Gを用いて、モジュール2.5でピッチ円の直径が70
mm、厚さ8mm、歯数28の歯車を製造した。
様な各種パターンによる浸炭を実施した。どの鋼材にど
のパターンの浸炭処理を実施したかを表2に示す。なお
、記号P−1〜P−5が付されているのはプラズマ浸炭
による処理を、記号G−1,G−2が付されているのは
ガス浸炭による処理を表している。
ポテンシャルを0.7〜0.8%として実施した。また
、記号G−2のガス浸炭は浸炭時のカーボンポテンシャ
ルを1.4〜1.6%として実施した。
歯車の表面から深さ50μmの位置での炭化物の面積率
を計測した。表2にはその結果も示している。実施例に
相当する試験No.1〜15のものは、すべて表面炭化
物面積率が5%以上(本発明の高濃度浸炭条件)となっ
ている。一方、比較例の中には、表面炭素濃度がこれよ
りも小さいもの(試験No.16,17,20)と、本
発明にいう高濃度浸炭の条件を満足するもの(試験No
.18,19)とがある。なお、試験No.20は共析
浸炭である。
おいては、歯底および歯元部を切削加工または研削加工
により所定量除去した。この切削加工は、ノーズRが0
.8〜1.0mmのCBN工具(セラミクス工具でもよ
い)を用いて、送り条件0.05mm/rev.で実施
した。 また、研削加工は、砥粒径10μmの研削工具を用いて
送り条件50mm/min.で実施した。
および歯元部の除去厚さを50μmとし、試験No.4
〜6については、この切削加工の前にアークハイト0.
5mm以上でショットピーニングを実施した。
び歯元部の除去厚さを100μmとしており、試験No
.10〜15では切削加工または研削加工の前にアーク
ハイト0.5mm以上でショットピーニングを実施した
。加えて、試験No.13〜15では、このショットピ
ーニングの後に、さらに歯底および歯元部の切削加工ま
たは研削加工を実施した。
拡散→徐冷の後に切削加工または研削加工を実施してか
ら再度加熱して焼き入れを実施している。それ以外のも
のは、焼き入れ後に切削加工または研削加工を実施して
いる。
mmで硬さがHRC50のショット球を用いた。これら
実施例に対し、比較例は試験No.16〜19において
ショットピーニングを実施しただけで、切削または研削
加工は行っていない。
歯車を、歯数28×32の組合せで動力循環式疲労試験
機を用いて歯車疲れ試験を行い、107回疲れ限度を求
めた。また、振動計が非定常な振動(ピッチングが生じ
たとき、かみ合いが悪くなり生ずる)を生じたとき試験
を中断し、歯面を目視にて観察し、ピッチングの有無を
評価した。
1,2を衝撃試験機3にセットして衝撃試験を行った。 衝撃試験機3について簡単に説明する。
のであって、本体4側に一方の歯車(固定歯車)1を取
り付け、モーメントアーム5側にこの固定歯車1と噛み
合わせて他方の歯車(回転歯車)2を取り付け、計装化
ハンマー6を振り下ろしてモーメントアーム5を打撃し
、回転歯車2が破壊したときの荷重を、歪計による計測
値から求めるといったものである。このときの計装化ハ
ンマー6の振り上げ角度は60゜とした。
生の有無、衝撃値を表3に示す。また、表3には、前述
の切削加工または研削加工の条件、ショットピーニング
(SP)の条件も示した。
について説明する。従来品に相当する試験No.20を
見ると分かる様に、耐ピッチング性と耐衝撃性は問題が
ないが、耐疲労性が劣ることが分かる。そこで、いわれ
ているのが、ショットピーニングによる耐疲労性の向上
であるが、試験No.16,17からわかる様に、耐疲
労性の向上に伴い、かえって耐ピッチング性が悪化する
ことが分かる。試験No.16では、耐衝撃性も大幅に
悪化してしまった。そこで、さらに高濃度浸炭の有効性
がいわれているが、これについても、試験No.18,
19から明らかな様に、耐衝撃性の大幅な悪化が見られ
る。
方法としていわれていたものでは、耐疲労性、耐ピッチ
ング性、耐衝撃性の三者が共に十分なものは得られなか
った。
〜15)は、いずれも耐疲労性、耐ピッチング性、耐衝
撃性ともに十分であった。また、実施例同士を比較した
場合には、試験No.13〜15が、各性質ともに最も
良かった。これは、ショットピーニングによって歯車に
形成される圧縮残留応力は、表面から所定量内部におい
て最大となることが知られており、最後にもう一度切削
加工または研削加工を行うことで、このショットピーニ
ングによる圧縮残留応力のピーク近傍を表面にもって来
ることができ、その効果を最大に引き出すことができる
ためと考える。
〜9とを比較すると分かる様に、歯底および歯元部の除
去厚さを100μm以上とすると、耐衝撃性がさらに向
上する。
10〜12から、ショットピーニングを切削加工または
研削加工の前に実施するか後に実施するかはどちらでも
構わないことが分かる。
疲労性、耐ピッチング性、耐衝撃性ともに良好な歯車を
製造することができる。なお、実施例と比較例との対比
検討の結果、(1)「高濃度浸炭とすること」と、(2
)「浸炭後に歯底および歯元部を切削加工または研削加
工によって所定量除去すること」が相乗的に作用する結
果、かかる顕著な効果を奏するものと考える。また、そ
のときの「除去量が100μm以上」であるとさらに優
れたものとすることができ、「ショットピーニングをも
実施する」ことで特に耐疲労特性の向上に効果があり、
「ショットピーニング後に再度切削加工または研削加工
を実施する」ことによって耐疲労性、耐衝撃性の著しい
向上を実現することができる。
.13〜15から、ショットピーニング後の切削または
研削が有効であることが分かった。また、試験No.7
〜15から、浸炭により歯底および歯元部に形成される
硬化層を除去するのには、切削または研削の量を100
μm以上とすることがよいことも分かった。従って、シ
ョットピーニングをした後で100μm以上切削または
研削をするという方法をとってもよく、この様な方法に
よっても、試験No.13〜15と同等の結果が得られ
るものと考えられる。
はこれらに限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲の種々なる態様で実施することができることは
いうまでもない。
ガンクロム鋼、クロム鋼、クロムモリブデン鋼、さらに
はニッケルクロム鋼やニッケルクロムモリブデン鋼など
種々の機械構造用鋼について適用することができる。
はなく、表面からの深さが50μmの位置で5%以上の
面積率となる様に炭化物を析出させることができる様な
、本発明の条件を満足する高濃度浸炭が実施できれば構
わない。なお、Cr,Si,Mnの含有量の多い鋼材で
は、プラズマ浸炭が望ましい。
よる結晶粒粗大化が懸念されるが、再焼き入れによる微
細化処理を行えば問題はない。加えて、歯底および歯元
部だけでなく、歯面についても研磨等を施して、振動、
騒音防止を図っても構わない。ただし、この様な場合に
は、研磨後の歯面の表面炭化物の面積率が5%以上とな
る様に留意することが必要となる。
の耐疲労性、耐ピッチング性、耐衝撃性のいずれをも向
上させることができる。
処理の手順を示す説明図である。
の手順を示す説明図である。
図である。
体、5…モーメントアーム、6…計装化ハンマー。
Claims (6)
- 【請求項1】 機械構造用鋼を素材とした歯車に、表
面から50μmの深さにおいて面積率で5%以上の炭化
物を析出させる高濃度浸炭処理を施した後に、歯底およ
び歯元部を切削または研削することを特徴とする歯車の
製造方法。 - 【請求項2】 請求項1記載の歯車の製造方法におい
て、前記歯底および歯元部の切削または研削の量を10
0μm以上としたことを特徴とする歯車の製造方法。 - 【請求項3】 請求項2記載の歯車の製造方法におい
て、前記切削または研削加工を施した後に、アークハイ
トで0.5mm以上のショットピーニングを施すことを
特徴とする歯車の製造方法。 - 【請求項4】 請求項3記載の歯車の製造方法におい
て、前記ショットピーニングの後に、さらに歯底および
歯元部を切削または研削することを特徴とする歯車の製
造方法。 - 【請求項5】 機械構造用鋼を素材とした歯車に、表
面から50μmの深さにおいて面積率で5%以上の炭化
物を析出させる高濃度浸炭処理を施した後に、アークハ
イトで0.5mm以上のショットピーニングを施し、そ
の後さらに歯底および歯元部を切削または研削すること
を特徴とする歯車の製造方法。 - 【請求項6】 請求項5記載の歯車の製造方法におい
て、前記歯底および歯元部の切削または研削の量が、シ
ョットピーニング前にも切削または研削する場合には該
切削または研削の量も含めて、総量で100μm以上と
したことを特徴とする歯車の製造方法。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP03000700A JP3137345B2 (ja) | 1991-01-08 | 1991-01-08 | 歯車の製造方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH04250927A true JPH04250927A (ja) | 1992-09-07 |
JP3137345B2 JP3137345B2 (ja) | 2001-02-19 |
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ID=11481046
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03000700A Expired - Fee Related JP3137345B2 (ja) | 1991-01-08 | 1991-01-08 | 歯車の製造方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP3137345B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US7811390B2 (en) | 2007-03-23 | 2010-10-12 | Honda Motor Co., Ltd. | Method for producing carburized parts |
CN112440083A (zh) * | 2020-10-14 | 2021-03-05 | 莱芜职业技术学院 | 一种耐磨损的齿轮制造方法 |
-
1991
- 1991-01-08 JP JP03000700A patent/JP3137345B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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US7811390B2 (en) | 2007-03-23 | 2010-10-12 | Honda Motor Co., Ltd. | Method for producing carburized parts |
CN112440083A (zh) * | 2020-10-14 | 2021-03-05 | 莱芜职业技术学院 | 一种耐磨损的齿轮制造方法 |
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JP3137345B2 (ja) | 2001-02-19 |
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