JPH02138554A - 高強度歯車 - Google Patents

高強度歯車

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JPH02138554A
JPH02138554A JP29086188A JP29086188A JPH02138554A JP H02138554 A JPH02138554 A JP H02138554A JP 29086188 A JP29086188 A JP 29086188A JP 29086188 A JP29086188 A JP 29086188A JP H02138554 A JPH02138554 A JP H02138554A
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gear
tooth
depth
carburizing
effective hardened
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JP29086188A
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English (en)
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Shinji Fushimi
伏見 慎二
Eizaburo Nakanishi
栄三郎 中西
Kuniuke Kawabe
河辺 訓受
Masayoshi Ogura
小倉 真義
Noriko Uchiyama
典子 内山
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21DMODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
    • C21D9/00Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor
    • C21D9/32Heat treatment, e.g. annealing, hardening, quenching or tempering, adapted for particular articles; Furnaces therefor for gear wheels, worm wheels, or the like
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C8/00Solid state diffusion of only non-metal elements into metallic material surfaces; Chemical surface treatment of metallic material by reaction of the surface with a reactive gas, leaving reaction products of surface material in the coating, e.g. conversion coatings, passivation of metals
    • C23C8/04Treatment of selected surface areas, e.g. using masks
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16HGEARING
    • F16H55/00Elements with teeth or friction surfaces for conveying motion; Worms, pulleys or sheaves for gearing mechanisms
    • F16H55/02Toothed members; Worms
    • F16H55/06Use of materials; Use of treatments of toothed members or worms to affect their intrinsic material properties

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の目的】
(産業上の利用分野) この発明は、自動車、フォークリフト、繊維機械、工作
機械、農業機械などの各種機械装置類の歯車機構部分を
構成するのに利用される高強度歯車に関するものである
。 (従来の技術) 従来、この種の歯車としては、その疲労強度を高めるた
めに表面硬化処理を施したものが多く用いられており1
例えば、肌焼鋼(JIS  520CK等、5NC81
5等、SNCM815等。 5Cr420等、SCM420等)に浸炭または浸炭窒
化処理を施した後、浸炭または浸炭窒化によって発生す
る表面異常層を通常のショットピーニングによって回復
させる方法(「鉄と鋼」1987−31306)や、あ
らかじめ肌焼鋼の化学成分を調整した表面異常層低減鋼
を用いてハードショットピーニングを施す方法(「自動
車技術J Voll 、42.1988)や、浸炭窒化
焼入時に最表面層に数十%の残留オーステナイトを生成
させ、常温でショットピーニングをかけるか、使用時の
応力で表面残留オーステナイトを加工誘起変態によりマ
ルテンサイト化する方法(rsAEベーパJ 8211
02,1982)等が提案され、実用化されている。 一方、浸炭または浸炭窒化深さと衝撃強度および歯元曲
げ疲労強度との関係は第15図(「トヨタ技報J Vo
ll6 、No、1.1964)および第16図(a)
(b)(r機械の研究」第23巻 6号 1971)に
よってその傾向が知られており、衝撃強度(シャルピー
値)は硬化層が浅いほど強く、歯元曲げ疲労強度は硬化
層深さが約0.2〜0.4mmのところにピークが存在
する(ただし、モジュールM=3〜2.25の場合)と
報告されている。 一般的に、浸炭歯車の硬化層深さを決める基準は、第1
7図に示す米国のグリーソン社から出されている推奨値
が公知であり、歯車の設計時にモジュールに合わせて硬
化層深さが決められている。この場合の値は、主に相手
歯車からの伝達圧力に耐える歯面の圧壊強さ、スポーリ
ングおよびピッチング強さを中心に決められている(「
機械設計J 26.13 (1982)74)。 このようにして図面化された浸炭有効硬化層深さは、モ
ジュール1〜2の小歯形歯車で0.6〜0.8mm、モ
ジュール4程度の中歯形歯車で0.9〜1.2mmが一
般的である。 また、従来のガス浸炭またはガス浸炭窒化処理技術で処
理する場合に、図面に指示されたピッチ円部の有効硬化
層深さ(D)を満足する条件で処理すると、歯底および
歯底すみR部の有効硬化層深さはこの部分でのガスの流
れが悪いために0.8〜0.9D程度となることが知ら
れている。 ところで、昨今の自動車においては、動力性能の著しい
向上に伴なって、動力伝達系の歯車に対しては止まるこ
とのない高強度化の要望が出されている。それゆえ、歯
車の寸法を増大することなしに歯車の高強度化が実現で
きれば、車高および重量の増大を防止することができ、
高性能化。 小型軽量化の要望に応えることが可能となる。 そこで、現在、浸炭歯車技術にあっては高強度歯車の開
発が重要なテーマのひとつとなっている。 (発明が解決しようとする課題) しかしながら、このような従来の浸炭または浸炭窒化処
理した歯車にあっては、同じ歯車の歯面と歯底および歯
底すみR部とおける硬化層深さを任意に変える技術が確
立されていないため、歯底部および歯底すみR部の耐衝
撃特性および曲げ疲労強度を重視して浸炭層または浸炭
窒化層の深さを浅めにしたときには、歯面部分の摩耗、
陥没。 面疲労によるピッチング、スポーリングが発生し、歯車
が破壊してしまうことがありうるという課題があった。 (発明の目的) この発明は、このような従来の課題に着目してなされた
もので、歯底部および歯底すみR部における耐衝撃性お
よび曲げ疲労強度に優れていると同時に歯面部分におけ
る耐摩耗性にも優れており、歯面において陥没や面疲労
によるピッチング、スポーリングが発生しない品質の優
れた高強度の歯車を提供することを目的としている。
【発明の構成】
(課題を解決するための手段) この発明に係る高強度歯車は、浸炭または浸炭窒化処理
した歯車であって、歯底部および歯底すみR部の有効硬
化層深さが、ピッチ円上である歯面の有効硬化層深さの
80%未満(0%を含む、)の任意の深さにコントロー
ルされている構成としたことを特徴としており、このよ
うな高強度歯車の構成を上述した従来の課題を解決する
ための手段としている。 この発明に係る高強度歯車の素材としては、JIS  
5−CK、SNC,SNCM、SCr。 SCMに規制する肌焼鋼はもちろんのこと、適宜の合金
成分をさらに添加したものなどが使用され、とくに限定
されないことはいうまでもない。 また、浸炭および浸炭窒化の手法においてもとくに限定
されず、通常のRXガス浸炭法のほか、ガス浸炭窒化、
真空浸炭、固型浸炭材を用いた簡易ガス浸炭、流動床ガ
ス浸炭等の各種の浸炭、浸炭窒化法が用いられる。また
、高濃度浸炭法によって歯面にセメンタイトを析出分散
させて歯底への析出量を歯面より少なくしたり、あるい
は歯底へのセメンタイトの析出を防止したりし、歯底の
浸炭層を任意に制御することも必要に応じて可能である
。 さらに、この発明に係る高強度歯車のより望ましい実施
態様においては、歯底部および歯底すみR部の有効硬化
層深さが、歯底部および歯底すみR部の曲げ疲れ強さが
大きな値となるように、浅めの0.2〜0.6mmとな
っており、ピッチ円上である歯面の有効硬化層深さが、
所要の面圧強度を満足することができるように、0.6
〜3.0mmとなっている(ただし、歯底部および歯底
すみR部の有効硬化層深さは歯面の有効硬化層深さの8
0%未満(0%を含む、)のものとするのが望ましく、
歯車の歯底部および歯底すみR部の有効硬化層深さが、
ピッチ円上である歯面の有効硬化層深さの80%以上で
ある場合において、歯底部および歯底すみR部の耐衝撃
性および曲げ疲労強度を重視して浸炭層または浸炭窒化
層の深さを浅めにしたときには、歯面での#摩耗性や面
疲労強度が劣化するので好ましくなく、歯面での耐摩耗
性や面疲労強度を重視して浸炭層または浸炭窒化層の深
さを大きめにしたときには、歯底部および歯底すみR部
での耐衝撃性および曲げ疲労強度が低下するので好まし
くない。 そこで、この発明に係る高強度歯車において、歯底部お
よび歯底すみR部の有効硬化層深さが、ピッチ円上であ
る歯面の有効硬化層深さの80%未満(0%を含む、)
の任意の深さにコントロールされたものであるようにす
るための手段としては、次に例示するようなものを採用
することができる。 ■ 素材の浸炭または浸炭窒化深さおよび素材を歯車に
鍛造成形するときの加工率を変化させる手法 歯車の素材である丸棒の状態において1通常のガス浸炭
(例えば、930℃×5H)または浸炭窒化(例えば、
870℃×3H)処理を施したのち、その熱を利用して
熱間あるいは温間において歯形鍛造を行って歯車粗材と
し、次いで焼入温度(例えば、840℃)に保持した中
性塩浴に浸漬(例えば、15秒間)したのち油中(例え
ば、80℃)に焼入れする。 第1図は上述した加工および焼入れを行ったのちの歯形
部分の断面マクロ金属組織を示しており、また第2図は
表面からの距離と硬度との関係すなわち断面硬度分布を
示しているものであって、第1図および第2図より明ら
かなように。 ピッチ円上である歯面の有効硬化層深さ(Hv550の
場合)は0.79mm、歯底部の有効硬化層深さ(同)
は0.53mm(歯面の約67%)、歯底すみR部の有
効硬化層深さ(同)は0.29mm(歯面の約37%)
であり、丸棒状素材の浸炭または浸炭窒化深さおよび歯
形鍛造時の加工率を変化させることによって、ピッチ円
部と歯底部および歯底すみR部とにおける浸炭または浸
炭窒化による有効硬化層深さを変えることが可能である
。 ■ めっきの付着形状や防炭剤の塗布形状をコントロー
ルする手法 歯車粗材に対してめっき(例えば、銅めっき)や防炭剤
(例えば、商品名「コンドルサル」「ノーカーブ」)を
付着ないし塗布するに際し、第3図に示すように、歯形
部分1において、歯底部および歯底すみR部にめっきや
防炭剤2をメツシュ状(第3図(a)の中央歯底部分A
および第3図(b)に示す形状であって例えば1 、0
mm幅および1.0mm間隔)、水玉模様状(第3図(
a)の右側歯底部分に示す。)等に付着ないし塗布した
状態とし、その後浸炭または浸炭窒化処理を施す。そし
て、この場合に、歯底部および歯底すみR部における有
効硬化層深さは、めっきの41着面積比や防炭剤の塗布
面積比をコントロールすることによって任意に制御する
ことができる。 ■ 当金の寸法、形状をコントロールする手法 歯車素材に対する防炭手法のひとつとして当金を用いる
ものがある。そこで、第4図(a)に示すように、多数
の溝3a(または穴状のもの′:J)を表面に形成した
当会(例えば、銅製であって、溝幅0.5mm、溝深さ
0.5mmのもの)3を用い、これを第4図(b)に示
すように歯形部分1の歯底部および歯底すみR部に当て
がい、リンク4.4で連結することによって当金3を固
定した状態とし、その後浸炭または浸炭窒化処理を施す
、そして、この場合に、歯底部および歯底すみR部にお
ける有効硬化層深さは、当金3に形成した溝3a(また
は穴状のもの等)の寸法をコントロールすることによっ
て任意に制御することができる。 ■ 防炭剤の希釈倍率(濃度)をコントロールルする手
法 従来、浸炭および浸炭窒化処理して使用される部品にお
いて、浸炭および浸炭窒化を部分的に行わないようにす
るために、該当する部分に防炭剤(例えば、商品名「コ
ンドルサル」  「ノーカーブ」)を塗布する手法があ
った。しかしながら。 このような防炭剤を塗布した場合には、浸炭および浸炭
窒化深さが0であり、浸炭および浸炭窒化層深さを任意
にコントロールすることはできなかった。そこで、この
発明に係る高強度歯車を開発するにあたり鋭意研究を重
ねた結果、防炭剤を塗布するに際し、同一歯車に対する
同一浸炭条件において部分的に任意の浸炭あるいは浸炭
窒化層深さが得られるように、防炭剤を希釈して(濃度
をコントロールして)歯形部分に塗布するようにし、ピ
ッチ円上である歯面部分には所要程度まで希釈した防炭
剤を塗布するか防炭しないようにし、歯底部および歯底
すみR部には歯面部分はど希釈しない防炭剤を塗布する
ようになすことが良いことを確認した。この場合、防炭
剤を希釈する(濃度をコントロールする)ことによって
低下する粘度を増粘剤の添加によって補ない、希釈した
防炭剤を歯車の所要部分に塗布した場合の粘着性が得ら
れるようにし、防炭剤の垂れを防止するようになすこと
も必要に応じて望ましい。そして、このための増粘剤と
しては、例えば、グリセリン[CH2(OH)CH(O
H)CH2(OH)]を用いることができる。 このようにして、歯車に塗布する防炭剤の希釈倍率を高
めることによって、実施例の第6図に示すように、浸炭
または浸炭窒化処理後の有効硬化層深さが大きくなるの
で、歯底部および歯底すみR部における有効硬化層深さ
は防炭剤の希釈倍率をコントロールすることによって任
意に制御することができる。 ■ 浸炭または浸炭窒化処理条件を部分的に変える手法 例えば、プラズマ浸炭(イオン浸炭)の際の条件、例え
ば、電圧、電流、気圧、ガス混合比、ガス流入方向等を
第1表に示すように変化させることによって、第5図(
a)、第5図(b)、第5図(C)に示すように歯形部
分1の各部における有効硬化層深さを任意に制御するこ
とが可能である。 ■ 研磨または研削による手法 歯車粗材に対し通常の方法によって浸炭または浸炭窒化
処理を施したのち、例えば、ショットピーニングなどに
よる物理的研磨、電解研磨などの化学的研磨、CBN(
立方晶窒化はう素)などの工具による機械的研削等によ
って歯底部および歯底すみR部を選択的に研磨または研
削し、歯底部および歯底すみR部の有効硬化層深さを任
意に制御することも可能である。この場合には、研磨ま
たは研削によって除去する分だけ歯車粗材に余肉を設け
ておくことが望ましい。 (発明の作用) この発明に係る浸炭または浸炭窒化処理した歯車では、
歯底部および歯底すみR部の有効硬化層深さが、ピッチ
円上である歯面の有効硬化層深さの80%未満(0%を
含む、)であるようにしているので、歯底部および歯底
すみR部の疲労強度が高いものになっていると同時に歯
面の耐摩耗性および耐疲労性が優れたものになっている
という作用がもたらされる。 (実施例) この実施例では、 第2表に示す歯車を供試体と して用いた。 また、防炭剤としては市販のもの(商品名「コンドルサ
ル」および「メーカープ」)を用い、「コンドルサル」
はキシレン、「メーカープ」は木で希釈して用いた。 そして、歯車への浸炭に先立ち、Jxs  5cr42
OH材よりなる丸棒の表面に前記希釈した防炭剤を塗布
し、乾燥したのち3時間で920″Cまで加熱し、RX
ガス中けおいて920 ”0で5時間保持して浸炭処理
を行い、浸炭処理後860℃から80℃の油に焼入れし
て、防炭剤の希釈倍率と有効硬化層深さとの関係を調べ
たところ、第6図に示す結果であった。 第6図に示すように、防炭剤に対する希釈液量を増大す
ることによって有効硬化層深さが大きくなっていた。 このように防炭剤を希釈することによって任意の浸炭層
深さを得ることが可能であるが、希釈した防炭剤を塗布
すると流れやすくなるため、増粘剤を加えて粘度調整す
ることが望ましく、この実施例では増粘材として浸炭条
件に影響を及ぼさないグリセリンを用いた。 そこで、第2表に示した諸元の歯車に対し、歯底部およ
び歯底すみR部に塗布する防炭剤の希釈倍率を調整し、
塗布後乾燥したのちRXガスを用いて浸炭処理を行った
。 第7図ないし第1O図は、浸炭処理後の断面マクロ金属
組織を示しており、第7図は歯底部および歯底すみR部
の防炭を行わなかった歯車(以下、「歯車A」とする、
)の場合を示し、第8図は防炭剤の希釈倍率3倍として
歯底部および歯底すみR部の防炭を行った歯車(以下、
「歯車B」とする、)の場合を示し、第9図は防炭剤の
希釈倍率を2倍として歯底部および歯底すみR部の防炭
を行った歯車(以下、「歯車C」とする、)場合を示し
、第10図は防炭剤の希釈倍率を1.5倍として歯底部
および歯底すみR部の防炭を行った歯車(以下、「歯車
DJとする。)場合を示している。 この第7図ないし第10図に示すように、防炭剤の希釈
倍率が大きいほど浸炭層深さが大きくなっており、防炭
処理を施さない歯車Aに近づいた断面組織となっている
。 次に、前記各歯車A、B、C,Dの歯底部分における断
面硬さ分布を等べたところ、第11図に示す結果であり
、比較例の歯車Aの歯底部分における有効硬化層深さは
約0.83mm、実施例の歯車Bの歯底部分における有
効硬化層深さは約0.55mm(歯面部分に対し約66
.3%)、実施例の歯車Cの歯底部分における有効硬化
層深さは約0.34mm(歯面部分に対し約41.0%
)、実施例の歯車りの歯底部分においては約0.2mm
の深さまで微浸炭しているものの有効硬化層深さは0(
歯面部分に対し0%)であった。 次に、このように歯底部分の有効硬化層深さが異なる各
歯車A、B、C,Dおよび前記歯車Cに対してショット
ピーニング(アークハイト0.4mm、カバレージ30
0%、ショット球径0.8mm)を施した歯車Eに対し
、歯形部分の側面から周波数50Hzで繰り返し歯止を
加える歯元曲げ疲労強度試験を行って歯元曲げ疲労強8
度(S−N曲線)を測定したところ、第12図に示す結
果であった。 第12図に示すように、歯車Cにショットピーニングを
施した歯車Eの疲労強度が最も高く、図示はしないがシ
ョットピーニング条件を変えてアークハイトを0.7〜
1.0mmとするハードシ曹ットピーニングを施すこと
によって疲労強度をさらに向上させることが可能であり
、次いで歯車C1歯車B、歯車りの順で疲労強度が高く
、いずれも従来の歯車Aよりも疲労強度が高いものとな
っており、歯元曲げ疲労限で最大100%。 105強度で25%以上向上していることが認められた
。 さらに、第13図に示す歯車衝撃試験装置(ただし、衝
撃部分を拡大して示す)を用いて各歯車A、B、Dの耐
衝撃性を調べた。この衝撃試験装置では、基台6に固定
した固定歯車7と回転アーム8に固定した回転歯車9と
をかみ合わせ、図示しないハンマーによって回転アーム
8を図示矢印P方向からたたくことによって固定歯車7
と回転歯車9とのかみ合い部分に衝撃を与え、この際の
折損歯数によって各歯車の耐衝撃性を調べるものである
、この結果を第14図に示す。 第14図に示すように本発明実施例による各歯車B、D
は比較例による歯車Aに比べて折損歯数が少ないものと
なっており、歯車Aでは約20%、歯車りでは約40%
も耐衝撃性が向上していることが認められた。
【発明の効果】
以上説明してきたように、この発明に係る高強度歯車は
、浸炭または浸炭窒化処理した歯車であって、歯底部お
よび歯底すみR部の有効硬化層深さが、ピッチ円上であ
る歯面の有効硬化層深さの80%未満の任意の深さにコ
ントロールされているものであるから、歯底部および歯
底すみR部における耐衝撃性および曲げ疲労強度に優れ
ていると同時に歯面部分における耐摩耗性にも優れてお
り、歯面において陥没や面疲労によるピッチング、スポ
ーリングなどの不具合が発生しない品質の優れた高強度
の歯車であるという非常に優れた効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
第1図は歯車の素材である丸棒に浸炭を施したのち歯形
鍛造を行って得た歯車粗材の歯形部分の断面マクロ金属
組織写真、第2図は第1図に示した歯形部分の表面から
の硬度分布を調べた結果を例示するグラフ、第3図(L
)は歯底部分に付着ないしは塗布するめっきおよび防炭
剤の形状を例示する斜面説明図、第3図(b)は第3図
(a)の歯底部分Aの拡大説明図、第4図(a)は歯底
部分にあてがう当金の形状を例示する斜面説明図、第4
図(b)および第4図(C)は第4図(a)に示した当
金を歯底部分に固定する要領を示す各々正面説明図およ
び断面説明図、第5図(a)(b)(c)はプラズマ浸
炭によって歯形部分の有効硬化層深さを変える要領を示
す各々断面説明図、第6図は防炭剤の希釈液量(希釈倍
a)と有効硬化層深さとの関係を例示するグラフ、第7
図、第8図、第9図および第1O図は各々比較例の歯車
A、実施例の歯車B、実施例の歯車Cおよび実施例の歯
車りの歯形部分の断面マクロ金属組織写真、第11図は
第7図ないし第10図の歯車Aないし歯車りの歯底部分
における断面硬さ分布を調べた結果を例示するグラフ、
第12図は各歯車の歯元曲げ疲労強度を調べた結果を例
示するグラフ、第13図は歯車衝撃試験装置の衝撃部分
を拡大して示す説明図、第14図は歯車衝撃試験結果を
例示するグラフ、第15図および第16図(a)(b)
は浸炭または浸炭窒化深さと衝撃強度および歯元曲げ疲
労強度との関係を例示するグラフ、第17図は歯車のモ
ジュールと投炭硬化層深さとの好ましい推奨値を示すグ
ラフである。 第2図 特許出願人  日産自動車株式会社

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. (1) 浸炭または浸炭窒化処理した歯車であって、歯
    底部および歯底すみR部の有効硬化層深さが、ピッチ円
    上である歯面の有効硬化層深さの80%未満の任意の深
    さにコントロールされていることを特徴とする高強度歯
    車。
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