JP3283900B2 - 鋼の高強度化熱処理法 - Google Patents

鋼の高強度化熱処理法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は鋼の高強度化熱処理法、
特に、浸炭処理とマルテンパ処理とを組合せた熱処理法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、量産レベルの鋼(例えば鋼製ギ
ヤ)の熱処理法としては、浸炭処理、オイル焼入れ処理
および焼戻し処理を順次行う方法が一般に採用されてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来法に
より得られた鋼は疲労強度において難があり、この点改
良が望まれていた。
【0004】本発明は、鋼の熱処理においてマルテンサ
イト組織に連なって形成される下部ベイナイト組織の高
い靱性に着目し、この下部ベイナイト組織を含む領域を
拡張させることによって鋼の高強度化、特に、高疲労強
度化を達成し得るようにした前記熱処理法を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る鋼の高強度
化熱処理法は、肌焼鋼に800℃以上、950℃以下の
条件下で浸炭処理を施すことにより、表面側に浸炭層を
備えた鋼を得る工程と、焼入温度を保有する浸炭処理後
の前記鋼を210℃以上、230℃以下の塩浴に焼入れ
して10分間以上、20分間以下恒温保持した後徐冷す
るマルテンパ処理を行うことにより前記浸炭層を熱処理
組織層に変化させ、その熱処理組織層の表面側領域がマ
ルテンサイト組織であり、また前記表面側領域に連なる
内側領域がマルテンサイト組織および下部ベイナイト組
織を含む混合組織であり、且つ前記内側領域の深さが前
記熱処理組織層の深さの50%以上、70%以下である
鋼を得る工程とを順次行うことを特徴とする。
【0006】
【作用】前記浸炭処理によれば、炭素量を表面側より内
部に向けて漸減させた適当深さの浸炭層を有する鋼が得
られる。
【0007】そして、前記鋼に前記のように特定された
マルテンパ処理を施すと、浸炭層が熱処理組織層に変化
して、その表面側領域は、浸炭層の高炭素量域に対応す
ることからマルテンサイト組織となる。一方、内側領域
は、浸炭層のうち、低炭素量域に対応することからマル
テンサイト組織および下部ベイナイト組織を含む混合組
織となる
【0008】従来法のように、オイル焼入れ処理を適用
した場合、下部ベイナイト組織を含む領域の深さは、熱
処理組織層の深さの約30%と浅く、また下部ベイナイ
ト生成量も少ないが、本発明においては下部ベイナイト
組織を含む内側領域が前記のように拡張され、また下部
ベイナイト生成量も比較的多くなるので、その下部ベイ
ナイト組織の高い靱性を有効に利用して鋼の疲労強度を
大幅に向上させることができる。
【0009】ただし、内側領域の深さが熱処理組織層の
深さの50%未満であるか、または70%を超えると鋼
の疲労強度が低下する。浸炭処理において、その処理温
度が800℃未満では浸炭層が浅く、またその炭素量も
少ないため浸炭処理の目的を達成することができず、一
方、処理温度が950℃を超えると、浸炭層が深くなり
過ぎ、またその炭素量も過多となるため、浸炭層の割
れ、剥離等の欠陥を生じ易くなる。
【0010】マルテンパ処理において、その塩浴温度が
210℃未満では前記恒温保持時間において鋼の疲労強
度向上効果が小さく、一方、塩浴温度が230℃を超え
ると、前記恒温保持時間において鋼の疲労強度が低下す
る。
【0011】またマルテンパ処理の恒温保持時間につい
ては、それが10分間未満では前記塩浴温度において鋼
の疲労強度向上効果が小さく、一方、恒温保持時間が2
0分間を超えると、前記塩浴温度において鋼の疲労強度
が低下する。
【0012】
【実施例】表1は、本発明で用いられる肌焼鋼の第1組
成例を示し、この鋼はJIS SCr420に相当す
る。
【0013】
【表1】 表2は、本発明で用いられる肌焼鋼の第2組成例を示
し、この鋼はJIS SCM420に相当する。
【0014】
【表2】 図1は、前記肌焼鋼を用いて熱処理を行う場合の時間と
温度との関係を示す。
【0015】図1において、浸炭処理工程CAではガス
浸炭法が適用され、処理温度は800℃以上、950℃
以下に、また処理時間は1時間以上、5時間以下にそれ
ぞれ設定される。
【0016】焼入温度保持工程HAでは、焼入温度は8
20℃以上、860℃以下に、またその保持時間は5分
間以上、20分間以下にそれぞれ設定される。
【0017】マルテンパ処理工程MAでは硝石系塩浴が
用いられ、塩浴温度は210℃以上、230℃以下に、
また恒温保持時間は10分間以上、20分間以下にそれ
ぞれ設定される。
【0018】前記浸炭処理により浸炭層を有する鋼が得
られ、その炭素量は表面側より内部に向けて漸減してい
る。この場合、浸炭層の深さは0.9mm程度である。
【0019】このような鋼が焼入温度を保有している状
態で、それに前記マルテンパ処理を施すと、図2に示す
ように浸炭層の変化によって、それに対応した深さd1
を有する熱処理組織層1を備えた鋼2が得られる。
【0020】この場合、熱処理組織層1の表面側領域3
は、浸炭層の高炭素量域が図3(a)に示すようにS曲
線のMs点上で恒温変態することによって生成されるの
で、マルテンサイト組織Maとなる。また表面側領域3
に連なる内側領域4は、後述するようにマルテンサイト
組織Maおよび下部ベイナイト組織Lbを含む混合組織
Mとなる。この内側領域4の深さd2 は熱処理組織層1
の深さd1 の50%以上である。
【0021】内側領域4は表面側領域3に連なる第1内
側領域形成部41 と、それに連なる第2内側領域形成部
2 とよりなる。第1内側領域形成部41 は、浸炭層の
中炭素量域が図3(b)に示すようにS曲線のMs点お
よびMf点間のマルテンサイト区域Rmで恒温変態し、
それが下部ベイナイト区域Rbまで続行されることによ
って生成されるので、マルテンサイト組織Maおよび下
部ベイナイト組織Lbよりなる第1混合組織M1 とな
る。第2内側領域形成部42 は、浸炭層の低炭素量域が
図3(c)に示すようにS曲線のMf点上で恒温変態
し、それが下部ベイナイト区域Rbまで続行されること
によって生成されるので、マルテンサイト組織Ma、下
部ベイナイト組織Lbおよび中間混合組織mよりなる第
2混合組織M 2 となる。この中間混合組織mはフェライ
ト、パーライトおよび下部ベイナイトを含む。
【0022】このようにして、下部ベイナイト組織Lb
を含む内側領域4を拡張させた高強度な鋼が得られる。
【0023】次に具体例について説明する。
【0024】表3は、熱処理に用いられる肌焼鋼の組成
を示す。
【0025】
【表3】 前記肌焼鋼を用い、ガス浸炭法の適用下、処理温度93
0℃、処理時間3時間の条件で浸炭処理を行って、表面
側に浸炭層を備えた鋼を得た。その鋼を860℃(焼入
温度)に15分間保持し、その後、前記鋼を210℃の
塩浴に焼入れして15分間恒温保持し、次いで徐冷とし
て湯洗を適用するマルテンパ処理を行った。
【0026】図4は、浸炭処理後の鋼において、その表
面からの深さと炭素量との関係を示す。この場合、浸炭
層5の深さd3 は0.9mmである。浸炭層5において、
高炭素量域51 の深さd4 は0.36mmで、その炭素量
Cは0.68重量%<C≦約0.85重量%である。ま
た中炭素量域52 の深さd5 は0.27mmで、その炭素
量Cは0.38重量%<C≦0.68重量%である。さ
らに低炭素量域53 の深さd6 は0.27mmで、その炭
素量Cは0.2重量%<C≦0.38重量%である。
【0027】図5は、マルテンパ処理後の鋼において、
その表面からの深さと組織形態比率との関係を示す。
【0028】この場合、浸炭層5の変化によって得られ
た熱処理組織層1の深さd1 は0.9mmである。熱処理
組織層1において、高炭素量域51 に対応する表面側領
域3はマルテンサイト組織Maであり、そのマルテンサ
イト組織Maは略等量のα−マルテンサイト組織α−M
aおよびβ−マルテンサイト組織β−Maよりなる。ま
た表面側領域3に連なる内側領域4は、中炭素量域52
に対応する第1内側領域形成部41 と低炭素量域53
対応する第2内側領域形成部42 とよりなる。第1内側
領域形成部41 は、マルテンサイト組織Maおよび下部
ベイナイト組織Lbよりなる第1混合組織M1 であり、
そのマルテンサイト組織Maは微量のα−マルテンサイ
ト組織α−Maを含むβ−マルテンサイト組織β−Ma
よりなる。下部ベイナイト組織Lbの存在率は、第1内
側領域形成部41 の深さの増加に伴い急増し、最大深さ
において約28%に達する。一方、第2内側領域形成部
2 は、マルテンサイト組織Ma、下部ベイナイト組織
Lbおよび中間混合組織mよりなる第2混合組織M2
あり、そのマルテンサイト組織Maはβ−マルテンサイ
ト組織β−Maである。下部ベイナイト組織Lbの存在
率は、第2内側領域形成部42 の深さの増加に伴い、最
大値約28%から漸減する。
【0029】この実施例において、下部ベイナイト組織
Lbを含む内側領域4の深さd2 は0.54mmであっ
て、熱処理組織層1の深さd1 の60%である。
【0030】比較のため、表3と同一組成の肌焼鋼を用
いて前記と同一条件下で浸炭処理を行い、表面側に図4
と同様の浸炭層を有する鋼を得た。その鋼を860℃
(焼入温度)に15分間保持し、その後、前記鋼を12
0℃のオイルに焼入れして15分間保持した。
【0031】図6は、オイル焼入れ処理後の比較例鋼に
おいて、その表面からの深さと組織形態比率との関係を
示す。
【0032】この場合、浸炭層の変化によって得られた
熱処理組織層1の深さd1 は0.9mmである。熱処理組
織層1において、表面側領域3はα−マルテンサイト組
織α−Maである。表面側領域3に連なる内側領域4
は、表面側領域3より順次内側に配設された第1〜第3
内側領域形成部41 〜43 よりなる。第1内側領域形成
部41 はα−マルテンサイト組織α−Maおよび下部ベ
イナイト組織Lbよりなる第1混合組織M1 である。下
部ベイナイト組織Lbの存在率は、第1内側領域形成部
4の深さの増加に伴い漸増するが、最大深さにおいて約
3%といったように極めて低い。第2内側領域形成部4
2 はα−マルテンサイト組織α−Ma、下部ベイナイト
組織Lbおよび中間混合組織mよりなる第2混合組織M
2 である。下部ベイナイト組織Lbの存在率は、第2内
側領域形成部42 の深さの増加に伴い、最大値約3%か
ら漸減する。第3内側領域形成部43 はα−マルテンサ
イト組織α−Maおよび中間混合組織mよりなる第3混
合組織M3 であり、したがって第3内側領域形成部43
は下部ベイナイト組織Lbを含んでいない。
【0033】この比較例鋼において、下部ベイナイト組
織Lbを含む第1,第2内側領域形成部41 ,42 の深
さの和d7 は0.3mmであって、熱処理組織層1の深さ
の33%である。
【0034】以上の説明および図5,図6の比較から明
らかなように、前記マルテンパ処理によれば、下部ベイ
ナイト組織Lbを含む領域41 ,42 をオイル焼入れ処
理による場合に比べて約2倍に拡張することができ、ま
た下部ベイナイト組織Lbの存在率もオイル焼入れ処理
による場合に比べて7〜8倍程度に高めることができ
る。
【0035】図7は、マルテンパ処理後の鋼およびオイ
ル焼入れ処理後の鋼において、それらの鋼の表面からの
深さと硬さとの関係を示す。図7から明らかなように、
線a 1 で示すマルテンパ処理後の鋼の硬さは、線a2
示すオイル焼入れ処理後の鋼の硬さよりも若干低い。こ
れは、マルテンパ処理において、マルテンサイト組織が
自己焼戻しされることに起因するが、この程度の硬さの
低下は鋼の強度上問題はない。
【0036】次に、マルテンパ処理において、塩浴温度
を210℃一定(図5の場合と同じ)にすると共に恒温
保持時間を変えて二種の鋼を得、それら鋼について、そ
の表面からの深さと組織形態比率との関係を求めたとこ
ろ、図8,図9の結果が得られた。この場合、肌焼鋼と
しては表3と同一組成のものが用いられ、また浸炭処理
も前記と同一条件下で行われた。鋼の焼入温度もまた同
じである。
【0037】図8は恒温保持時間を10分間に設定した
場合に、また図9は恒温保持時間を20分間に設定した
場合にそれぞれ該当する。図8,図5,図9から明らか
なように、塩浴温度を一定にした場合、恒温保持時間を
10分間(図8)、15分間(図5)、20分間(図
9)と増加させると、それに伴い内側領域4の深さd2
が増すことが判る。図8の内側領域4の深さd2 は熱処
理組織層1の深さd1 の50%、図5の内側領域4の深
さd2 は熱処理組織層1の深さd1 の60%、図9の内
側領域4の深さd2 は熱処理組織層1の深さd1 の70
%である。
【0038】次に、マルテンパ処理において、塩浴温度
を190℃から240℃の範囲で変化させ、また恒温保
持時間を5分間から20分間の範囲で変化させて各種鋼
を得、それら鋼について塩浴温度と疲労限界との関係を
求め、また塩浴温度と衝撃吸収エネルギとの関係を求め
たところ、図10および図11の結果が得られた。
【0039】この場合、肌焼鋼の組成、浸炭処理条件お
よび鋼の焼入温度は前記例と同じである。疲労限界は回
転曲げ疲労試験により、また衝撃吸収エネルギはシャル
ピー衝撃試験によりそれぞれ測定された。
【0040】図10,図11において、各線b1 〜b4
で示す各鋼は恒温保持時間を異にするもので、線b1
5分間、線b2 は10分間、線b3 は15分間、線b4
は20分間の各場合に該当する。
【0041】両図、線b1 〜b4 から明らかなように、
マルテンパ処理において、塩浴温度を210℃以上、2
30℃以下に設定し、また恒温保持時間を10分間以
上、20分間以下に設定すると、疲労限界および衝撃吸
収エネルギを向上させた鋼を得ることができる。
【0042】また塩浴温度を210℃に設定し、恒温保
持時間を5分間から30分間の範囲で変化させた鋼につ
いて、熱処理組織層1の深さd1 に対する内側領域4の
深さd2 の比率[(d2 /d1 )×100]と疲労限界
との関係を求めたところ、図12の結果が得られた。こ
の場合、前記比率は、鋼の研摩面をナイタルにより腐食
し、その腐食面を検鏡することによって求められた。
【0043】図12から明らかなように、熱処理組織層
1に対する内側領域4の深さd2 の比率を50%以上、
70%以下に設定することによって、鋼の疲労限界を約
51kgf/mm2 以上に向上させることができる。
【0044】図12において、点eは図6に示した比較
例鋼に該当し、第1,第2内側領域形成部41 ,42
深さの和d7 が、熱処理組織層1の深さd1 の33%で
ある場合、疲労限界は約44.8kgf/mm2 と、低いこ
とが判る。
【0045】オイル焼入れ処理後焼戻し処理を行うと、
疲労強度は低下傾向となるが衝撃吸収エネルギ、したが
って靱性は向上する。
【0046】図11において、線f1 は図6に示したオ
イル焼入れ処理後の比較例鋼の衝撃吸収エネルギ790
kgf・mmを示し、また線f2 は比較例鋼に180℃、1
20分間の焼戻し処理を施した場合の衝撃吸収エネルギ
1025kgf・mmを示す。線b2 において、点gで示す
塩浴温度210℃、恒温保持時間10分間のマルテンパ
処理後の鋼は、実施例において最も衝撃吸収エネルギが
低いが、その値は1125kgf・mmである。
【0047】線f2 と点gとを比較すると明らかなよう
に、本発明によれば、焼戻し処理を行わなくても、それ
を行ったものよりも高い靱性を確保することができ、し
たがって焼戻し処理を省くことが可能である。
【0048】なお、疲労強度よりも靱性を優先する場合
には、マルテンパ処理後の鋼に焼戻し処理を施すもの
で、これにより、衝撃吸収エネルギを30%近く向上さ
せることができる。
【0049】
【発明の効果】本発明によれば、前記のように特定され
た浸炭処理およびマルテンパ処理を行うことによって鋼
の高強度化、特に高疲労強度化を図ることができる。ま
た肌焼鋼としては、従来のものを用いればよいので、特
別な組成を有する鋼を用いる場合に比べて経済的であ
る。その上、焼戻し処理を廃止しても、オイル焼入れ処
理後焼戻し処理を行った場合よりも高強度化を達成され
た鋼を得ることが可能であり、これにより鋼製品の生産
コストおよび生産工数を省いてその量産性を向上させる
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱処理における時間と温度との関係を示すグラ
フである。
【図2】鋼の熱処理組織層を示す説明図である。
【図3】三種のS曲線図である。
【図4】表面からの深さと炭素量との関係を示すグラフ
である。
【図5】表面からの深さと組織形態比率との関係を示す
第1例のグラフである。
【図6】表面からの深さと組織形態比率との関係を示す
第2例のグラフである。
【図7】表面からの深さと硬さとの関係を示すグラフで
ある。
【図8】表面からの深さと組織形態比率との関係を示す
第3例のグラフである。
【図9】表面からの深さと組織形態比率との関係を示す
第4例のグラフである。
【図10】塩浴温度と疲労限界との関係を示すグラフで
ある。
【図11】塩浴温度と衝撃吸収エネルギとの関係を示す
グラフである。
【図12】熱処理組織層の深さに対する内側領域の深さ
の比率と疲労限界との関係を示すグラフである。
【符号の説明】
1 熱処理組織層 2 鋼 3 表面側領域 4 内側領域 5 浸炭層 CA 浸炭処理工程 MA マルテンパ処理工程 Ma マルテンサイト組織 Lb 下部ベイナイト組織 M 混合組織

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 肌焼鋼に800℃以上、950℃以下の
    条件下で浸炭処理(CA)を施すことにより、表面側に
    浸炭層(5)を備えた鋼を得る工程と、焼入温度を保有
    する浸炭処理後の前記鋼を210℃以上、230℃以下
    の塩浴に焼入れして10分間以上、20分間以下恒温保
    持した後徐冷するマルテンパ処理(MA)を行うことに
    より前記浸炭層(5)を熱処理組織層(1)に変化さ
    せ、その熱処理組織層(1)の表面側領域(3)がマル
    テンサイト組織(Ma)であり、また前記表面側領域
    (3)に連なる内側領域(4)がマルテンサイト組織
    (Ma)および下部ベイナイト組織(Lb)を含む混合
    組織(M1 ,M2 )であり、且つ前記内側領域(4)の
    深さ(d2 )が前記熱処理組織層(1)の深さ(d1
    の50%以上、70%以下である鋼(2)を得る工程と
    を順次行うことを特徴とする鋼の高強度化熱処理法
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