JP2602022B2 - 鋼製歯車及びその製造方法 - Google Patents

鋼製歯車及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は動力伝達用の鋼製歯車に関し、歯底の曲げ強
度と噛み合い歯面の耐摩耗性がともに優れた鋼製歯車に
関するものである。
(従来の技術及びその問題点) 自動車等の動力伝達機構に使用される歯車は、表面が
たえず摩耗され、同時に歯底に衝撃を受けやすい。した
がって、このような歯車は、噛み合い歯面が耐摩耗性に
優れ、かつ歯底が耐衝撃性に優れていることが要求され
る。特に近年、高出力化及び部品のコンパクト化に伴な
い、歯車に対する負荷が増大し、その要求特性も一段と
厳しくなっている。例えば、特開昭61−55470号公報に
示されているように、歯底に塑性変形加工により加工硬
化層を形成し、噛み合い面には高周波焼入等により焼入
硬化層を形成したものがある。しかしこれでは、噛み合
い歯面の耐摩耗性が不充分であると共に、歯底の耐衝撃
性も充分でない。
一方、歯車の強度を向上させる方法としては、上記の
ように、歯車の表面を高周波焼入れ等により焼入れして
硬化層を形成する方法や、浸炭法により硬化層を形成す
る方法などが知られている。
その中で、浸炭焼入れ鋼の歯車は、一般に、通常の浸
炭処理により、歯底、噛み合い歯面とも炭化物が生成さ
れないものが用いられている。この方法では、歯底と噛
み合い面の冷却速度に差があるため、歯底は浸炭深さが
若干浅目の傾向になっている。
また通常の浸炭処理より高いカーボンポテンシャルで
浸炭し、歯底、噛み合い歯面とも炭化物を生成させたも
のが一部で用いられている。この場合は、浸炭深さが通
常の浸炭処理に比べ著しく深くなる。
一般に、浸炭焼入れ鋼で要求される強度特性として、
歯底の曲げ強度に関しては、 炭化物や非金属介在物があると、疲労起点となり、疲
労強度が低下する。
浸炭深さは浅目がよい。
また、噛み合い歯面の耐摩耗性に関しては、これとは
逆に、 炭化物があると硬さが高い上、接触時の発熱に対する
軟化抵抗が大きく、耐摩耗性が良くなる。
浸炭深さは深目がよい。
ということが言うことができる。
したがって、上記した通常の浸炭処理法による歯車
は、炭化物がほとんど生成されないため、歯底の曲げ強
度は優れているが、噛み合い歯面での耐摩耗性が不充分
である、という問題がある。
また、高カーボンポテンシャルで浸炭する方法は、炭
化物があるため、噛み合い歯面の耐摩耗性は優れている
が、歯底での曲げ疲労強度が不充分である、という問題
がある。
(発明の目的) 本発明は、上記の如き事情に鑑み、歯底の曲げ強度
と、噛み合い歯面の耐摩耗性がともに優れた歯車を提供
することを、その目的とするものである。
(問題を解決するための手段) このため、本発明に係る鋼製歯車は、歯車の噛み合い
歯面に、炭化物量が体積率で5〜50%、浸炭深さが0.8
〜3.0mmである浸炭層を形成すると共に、歯底に、炭化
物量が体積率で5%未満、浸炭深さが1mm以下である浸
炭層を形成したことを特徴とする。また、本発明に係る
鋼製歯車の製造方法は、低炭素鋼より成る歯車を浸炭す
る第1工程と、歯車の噛み合い歯面の炭化物量が体積率
で5〜50%、前記歯車の歯底の炭化物量が体積率で5%
未満となるよう炭化物量を調整する第2工程から成るこ
とを特徴とする。
(発明の構成) 本発明は、浸炭焼入れ鋼製の歯車であって、添付図面
に示すように、歯車本体3の、歯車の噛み合い歯面1に
は炭化物が多く生成された深い浸炭層を形成し、歯底2
には炭化物が生成されない、または生成量の少ない浅い
浸炭層を形成するようにしたものである。
本発明における鋼素材は、低炭素のクロム含有鋼が好
ましい。
噛み合い歯面の炭化物量としては、表面下0〜50μm
の範囲で、体積率で5〜50%が好ましい。5%未満では
炭化物生成による硬さの増加、及び軟化抵抗向上等の効
果が小さい。しかし、50%以上になると、逆にピッチン
グの発生起点となるため、好ましくない。耐焼付き性に
ついても50%以上になると、その向上効果は飽和傾向と
なる。また、歯面の浸炭深さは0.8〜3.0mmが好ましい。
0.8mmより浅いと耐摩耗性、耐焼付性の向上効果が少な
く、3.0mmより深い浸炭層では効果が飽和し、浸炭時間
等も長くなり、不経済である。
歯底の炭化物量としては、表面下0〜50μmの範囲
で、体積率で5%未満が好ましい。5%未満になると曲
げ疲労の起点となり好ましくない。また歯底の浸炭深さ
は1mm以下が好ましい。1mmより深くなると耐衝撃強度が
低下する。
このような構成のものを製造するためには、通常浸炭
に比べ、高いカーボンポテンシャルで浸炭した後、再加
熱浸炭することにより、炭化物を生成させる工程におい
て、歯底に炭化物を生成させないような手段を施すこと
である。具体的には次ようような方法がある。なお素材
鍛造工程、必要に応じて行なわれる焼準または焼鈍工
程、続くブランク加工工程については、各製造方法とも
共通であるため省略し、それ以後の工程について説明す
る。
製造方法(1) 歯底を防炭して浸炭した後、歯底防炭を除去し、つい
で再加熱浸炭するする方法であり、以下の工程から成っ
ている。
歯切り工程:噛み合い歯面にシェービング代を残して
歯切りする。
歯底防炭工程:この工程は防炭工程とシェービング工
程から成っている。即ち、直接歯底のみを防炭するのは
困難であるので、全面防炭した後、シェービング工程で
噛み合い歯面の防炭処理を切削除去する。なお、防炭法
としては、メッキが簡便である。メッキとしては、防炭
効果があり、浸炭温度で溶融せず、切削除去の容易なも
のであることが必要であり、Cu、Ni等がこれに該当す
る。またメッキ厚は充分な防炭効果を得るため5μm以
上が好ましいが、20μmを超えるとコスト的に不経済で
ある。
浸炭工程:浸炭温度は、900〜1050℃が好ましい。こ
こで900℃より低いと、浸炭時間が過大となり、1050℃
より高いと炉の損傷が早くなる。カーボンポテンシャル
(C.P)は、1〜3%が好ましい。1%より低いと炭化
物生成量が不充分であり、3%より高いと炉のスーティ
ング等操業上問題となる。
歯底防炭除去工程:ショットブラスト処理が簡便であ
る。なお、ワイヤーカットショットを使用すれば、エッ
ジ部の切削効果により迅速な除去が可能である。
再加熱浸炭工程:この工程では噛み合い歯面、歯底と
も浸炭されるが、噛み合い歯面はあらかじめ浸炭されて
いるので、炭化物が生成する。浸炭温度、カーボンポテ
ンシャルの好ましい範囲は浸炭工程と同じである。
焼入れ焼戻し工程:この工程は通常の熱サイクルによ
って行なわれる。
製造方法(2) 浸炭した後、歯底防炭して再加熱浸炭する方法であ
り、製造方法(1)とは歯底防炭工程の順番及び歯底防
炭除去工程がない点で異なる。
歯切り工程:製造方法(1)と同じ 浸炭工程:でシェービング工程があるので、浸炭
後、徐冷するのが好ましい。
歯底防炭工程:製造方法(1)と同じ 再加熱浸炭工程:製造方法(1)と同じ 焼入れ焼戻し工程:製造方法(1)と同じ 製造方法(3) 浸炭した後、歯底の余肉を切削除去して再加熱浸炭す
る方法である。
歯切り工程:歯底に余肉及び噛み合い歯面にシェービ
ング代を残して歯切りする。
浸炭工程:の切削工程があるので、浸炭後、徐冷す
るのが好ましい。
歯底切削工程:歯底の浸炭層に相当する余肉を切削除
去する。
シェービング工程:の切削工程で生じる歯面の段差
を解消する。
再加熱浸炭工程:製造方法(1)と同じ 焼入れ焼戻し工程:製造方法(1)と同じ 製造方法(4) 浸炭及び再加熱した後、歯底の余肉を切削除去する方
法である。製造方法(3)とは歯底切削工程及びシェー
ビング工程の順番が異なっている。
歯切り工程:製造方法(3)と同じ 浸炭工程:浸炭後の冷却方法は任意である。
再加熱浸炭工程:の切削工程等があるので、浸炭
後、徐冷するのが好ましい。
歯底切削工程:歯底の炭化物生成部に相当する余肉を
切削除去する。
シェービング工程:製造方法(3)と同じ 焼入れ焼戻し工程:製造方法(1)と同じ 上記した各製造方法において、噛み合い歯面の炭化物
量は、浸炭工程または再加熱浸炭工程の条件を代えるこ
とで制御する。
以上説明した各製造方法は、例示的なものであり、本
発明の鋼製歯車を特定するためのものではない。本発明
では、上記各製造方法の焼入れ焼戻し工程につづいてシ
ョットピーニングを施し、圧縮残留応力を発生させ、疲
労強度をより向上させるようにしてもよい。
なお、本発明における歯車とは、平歯車のほかに、か
さ歯車、ウォームギヤ、その他の動力伝達用の歯車が含
まれる。
上記の如き鋼製歯車では、歯車の噛み合い歯面には炭
化物が多く生成した深い浸炭層が形成され、マルテンサ
イト+炭化物という組織となっているため、硬さが高
く、接触時の発熱に対する軟化抵抗が大きくなり、耐摩
耗性が向上する。
また歯底は炭化物生成がなく、生成されてもその量は
僅かであり、しかも浸炭層は浅く形成されるため、疲労
起点がなくなり、曲げ疲労強度が強くなって、耐衝撃性
が向上する。
(発明の実施例) 下記条件に従い、上記製造方法(1)によって実施し
た。噛み合い歯面の炭化物量は再加熱浸炭工程の条件を
変えて実施した。
部品名:セカンダリシャフトギヤ(材質SCM420H,モジュ
ール2.25,歯数23) 防炭工程:Cuメッキ 浸炭工程:1000℃×1H(C.P=1.7%) 再加熱浸炭工程:900〜1000℃×1〜5H(C.P=1〜2
%) 焼入れ焼戻し工程:900℃より油焼入れ、170℃×2H焼戻
上記実施例からも明らかなように、本発明歯車の噛み
合い歯面は、鉄、クロムからなる複合炭化物(Fe,Cr)3
Cが多く生成し、浸炭層も深いので、耐摩耗性に優れて
いる。また歯底は炭化物が生成されないか、生成されて
もその量は僅かであり、浸炭深さも浅いため、炭化物生
成による曲げ疲労強度が大幅に向上している。これによ
り、歯底の曲げ強度と、噛み合い歯面の耐摩耗性を同時
に備えた歯車が得られる。
(発明の効果) 本発明に係る鋼製歯車では、歯底の曲げ強度と、噛み
合い歯面の耐摩耗性がともに優れたものとなり、自動車
等の動力機構の如く歯車に対する負荷が増大し、その要
求特性も厳しい個所に使用しても、信頼性と耐久性を充
分満足させ得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る鋼製歯車を説明するための概略
断面図である。 1……噛み合い歯面、2……歯底、3……歯車本体であ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】浸炭焼入れ鋼製の歯車であって、歯車の噛
    み合い歯面には、炭化物量が体積率で5〜50%、浸炭深
    さが0.8〜3.0mmである浸炭層を形成すると共に、歯底に
    は、炭化物量が体積率で5%未満で、浸炭深さが1mm以
    下である浸炭層を形成したことを特徴とする鋼製歯車。
  2. 【請求項2】低炭素鋼より成る歯車を浸炭する第1工程
    と、前記第1工程の後、前記歯車の噛み合い歯面の炭化
    物量が体積率で5〜50%、前記歯車の歯底の炭化物量が
    体積率で5%未満となるよう炭化物量を調整する第2工
    程から成る、鋼製歯車の製造方法。
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