JP4526616B2 - 球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、エンジン用歯車、特に自動車エンジン用歯車に適用される球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
歯車のうちのエンジン用歯車としては、エンジン補器類を駆動するための噴射ポンプ歯車、カム用歯車やクランク用歯車等数多くの歯車があり、歯面の接触疲労強度、歯元の曲げ疲労強度が重要視される。一般にエンジン用歯車は、高負荷、高回転での厳しい条件下で使用されるため、炭素鋼または合金鋼などを鍛造成形後、表面に窒化、軟窒化あるいは、浸炭焼入れ等の表面硬化処理を施して製作されている。
【0003】
しかしながら、最近エンジンの低騒音化が要求されるようになり、これに対応する歯車として、振動、騒音の減衰特性の大きい、つまりヤング率(縦弾性係数)Eの小さい球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車(鋼材のヤング率E=約210×103 MPaに対し、鋳鉄はE=約170×103 MPa)が提案されている。
【0004】
そして、球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車について、鋼製歯車に匹敵する強度を得る手段の1つとして、歯切り加工後、その歯車の歯形に高周波焼入れを施すことが行われてきている。通常の焼入れ法で高周波焼入れを施すと、歯形全体が硬化して靭性が著しく低下するので、鋼材における高周波焼入れ技術を適用して、歯形に沿って焼入れする方法が提案されている。
【0005】
ところが、球状黒鉛鋳鉄材から歯切加工した歯車に、歯形の表面に沿って高周波焼入れする方法では、高周波加熱の時間が1秒以下と非常に短いため、黒鉛周りのフェライトが高周波焼入れ後にも相当量残存し、所望の硬さが得られ難いという問題点が生じることが多い。
【0006】
この問題点を解決しようと、特開平9−68261号公報には、球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車を製造するに際し、歯車素材に予め焼入れ、焼き戻しを施して、フェライトを含まない組織とした後、歯切り加工を行い、次いで歯面に高周波焼入れを施し、高周波焼入れ後の基地組織にフェライトを残存しないようにして、曲げ疲労強度を向上する記載がある。また、この特開平9−68261号公報には、基地組織をソルバイト組織とすること、および歯形に沿った高周波焼入れ層の厚みを0.3mm乃至0.6mmにするとの記載がある。
【0007】
そして、特開平9−68261号公報によれば、高周波焼入れの前の歯車素材に通常の焼入れを施し、フェライトを消失させ、次いで焼戻し処理により靭性を回復させた後に高周波焼入れを施すため、焼入れ層の基地組織はフェライトを含まず、歯形には表面に沿った充分な硬さを有する高周波焼入れ層が形成され、高負荷、高回転歯車として充分な振動、騒音の減衰機能と強度とを備えた歯車が得られるとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
球状黒鉛鋳鉄材に含まれるフェライトを完全に消失させる熱処理は容易でなく、前記特開平9−68261号公報に記載のように焼入れ、焼戻しの2工程の熱処理を行うなど複数の工程を必要とする。また、特開平9−68261号公報に記載のように、歯切り加工前の球状黒鉛鋳鉄材の基地組織をソルバイトとすると、通常の基地組織であるパーライトおよびフェライトの混合組織よりも硬度が大きくなって、歯切り加工が困難となる。
【0009】
本発明の課題は、歯の表面に歯面に沿った高周波焼入れ層が形成されたモジュール1〜5の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車およびその製造方法であって、騒音が小さく、かつ充分な曲げ疲労強度を有して、高負荷、高回転歯車として好適な歯車を安価に得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、歯面に沿い高周波焼入れ層が形成されたモジュール1〜5の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車について、騒音が小さく、曲げ疲労強度を持ち、かつ安価に得ることを鋭意研究した。そして、高周波焼入れ後の焼入れ層以外の基地組織を、ある一定量のフェライトの残存を許容させたパーライトとフェライトとすることにより、騒音が小さく、かつ曲げ疲労強度を有し、かつ安価に得られるとの知見を得て本発明に想到した。
【0011】
すなわち第1発明は、歯面に沿い高周波焼入れ層が形成されたモジュール1〜5の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車であって、前記高周波焼入れ層以外の部位の基地組織がパーライトとフェライトを含み、前記フェライトの面積率が0.1〜15%であり、前記高周波焼入れ層の厚みが、歯元部で表面からモジュール比0.03〜0.35、基準ピッチ円直径部で表面からモジュール比0.03〜0.7、歯先部で表面からモジュール比0.03〜1.5であることを特徴とする。
【0012】
第2発明は、第1発明において、前記フェライトの面積率が0.1〜10%であることを特徴とする。
【0013】
第3発明は、第1発明または第2発明において、前記高周波焼入れ層の硬さがHv550以上であることを特徴とする。
【0014】
第4発明は、第1発明乃至第3発明の何れかにおいて、前記歯車の歯元部の圧縮残留応力が300〜1500MPaであることを特徴とする。
【0015】
第5発明は、第1乃至第4発明の何れかにおいて、前記球状黒鉛鋳鉄材が、JISFCD800に規定される組成を有することを特徴とする。
【0016】
第6発明は、球状黒鉛鋳鉄からなる歯車素材に、850〜900℃の温度に0.5〜2時間保持してオーステナイト化した後、放冷または強制空冷を行う焼きならしを行い、歯切り加工をした後、歯形に沿った高周波焼き入れを行って、第1乃至第5発明のいずれかに記載の歯車を製造することを特徴とする。
【0017】
以下、本発明での構成の理由を説明する。
(1)モジュール1〜5
歯車の歯形の大きさは、モジュール、つまり歯車の基準ピッチ円直径部の直径を歯数で除した値で表記される。そして、エンジン用歯車の多くは、モジュール1〜5の範囲で選択できる。
【0018】
(2)高周波焼入れ層以外の部位の基地組織がパーライトとフェライトを含み、フェライトの面積率が0.1〜15%、好ましくはフェライトの面積率が0.1〜10%
高周波焼入れ前、球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材に焼ならし処理の1工程のみの熱処理を施すことで、高周波焼入れ層以外の部位がパーライトとフェライトを含む基地組織となる。そして、焼ならし処理の1工程により、高周波焼入れ前のフェライトの面積率を0.1〜15%として、歯面に沿った高周波焼入れ後において歯面近傍のフェライトの残存が実質的に抑制され、歯の表面に所望の硬さを得ることができる。好ましくは高周波焼入れ前のフェライトの面積率は0.1〜10%として、歯面に沿った高周波焼入れ後において歯面近傍のフェライトの残存がほぼ完全に抑制され、歯の表面に所望の硬さを安定して得ることができる。
【0019】
(3)高周波焼入れ層の厚みが、歯元部で表面からモジュール比0.03〜0.35
モジュール比とは、高周波焼入れ層の歯面の法線方向に測定した値(単位mm)をこの歯車のモジュールで除した値である。高周波焼入れ層の厚みが、歯元部で表面からモジュール比0.03未満では、焼入れ層が薄くなりすぎて歯元の疲労強度が劣る。一方、高周波焼入れ層の厚みが、歯元部で表面からモジュール比0.35を超えると焼入れ層が厚くなりすぎて歯元の靭性が劣る。
【0020】
(4)歯車の高周波焼入層の厚みが、基準ピッチ円直径部で表面からモジュール比0.03〜0.7、歯先部で表面からモジュール比0.03〜1.5
高周波焼入れ層の厚みが、基準ピッチ円直径部で表面からモジュール比0.03未満では、相互に歯が当たる基準ピッチ円直径部での面圧強度が劣ってへたりが生じるおそれがあり、一方、基準ピッチ円直径部で表面からモジュール比0.7を超えると焼入れ層が厚くなりすぎ靭性が低下して焼入れ層の剥離が生じるおそれがある。また、高周波焼入れ層の厚みが、歯先部で表面からモジュール比0.03未満では焼入れ層が薄くなりすぎて耐摩耗性が劣り、一方、モジュール比1.5を超えると焼入れ層が厚くなりすぎて靭性が劣る。
【0021】
(5)高周波焼入れ層の硬さがHv550以上
高周波焼入れ層の硬さをHv550以上とすることにより歯面の耐摩耗性が確保できる。
【0022】
(6)歯元部の圧縮残留応力が300〜1500MPa
歯元部の圧縮残留応力を300〜1500MPaとすることにより、疲労強度が確保できる。
【0023】
以上の構成により、高負荷、高回転歯車として充分な振動、騒音の減衰機能と、曲げ疲労強度とを備えた歯車が得られる。また、本発明の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車は、高周波焼入れの前に通常の焼ならし処理を1工程加えるだけでよいので、また、焼ならし後のパーライトおよびフェライト混合組織のため歯切り加工が容易で、低コストに製造できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
発明の実施の形態を図1乃至図5をもとに説明する。
図1は、本発明の球状黒鉛鋳鉄からなる歯車の製造工程を示す図である。
(a)球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材の作製
(JIS)FCD700や(JIS)FCD800に規定される球状黒鉛鋳鉄から歯車素材を作製する。
【0025】
(b)焼きならし
次に、球状黒鉛鋳鉄からなる歯車素材に、焼きならしを行う。焼きならしは850〜900℃の温度に0.5〜2時間保持してオーステナイト化した後、放冷または強制空冷を行う。これにより、基地組織をパーライトとフェライトを含み、フェライトの面積率が0.1〜15%、好ましくは0.1〜10%とすることができる。なお、パーライトとフェライトを含む基地組織を得る手段としては、鋳型に鋳造した球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材を赤熱状態で鋳型から取り出して、そのまま放冷または強制空冷することによっても可能である。
【0026】
図2は、FCD800相当の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材を875℃で2時間保持後強制空冷する焼きならし後の金属組織写真(倍率:400倍)を示す図である。画像解析装置を用いて求めたフェライト(白色部)の面積率は0.1%で、基地組織はパーライトである。なお、円い黒色部のものは黒鉛である。
【0027】
図3は、FCD700相当の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材を810℃で2時間保持後、空気中で放冷する焼きならし後の金属組織写真(倍率:400倍)を示す図である。画像解析装置を用いて求めたフェライト(白色部)の面積率は10%で、基地組織はパーライトである。基地組織のなかで黒色雲状部分は、鋳造後のフェライトが焼きならし処理によりパーライトになった部分である。なお、円い黒色部のものは黒鉛である。
【0028】
図4は、FCD700相当の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材を810℃で2時間保持後、空気中で放冷する焼きならし後の金属組織写真(倍率:400倍)を示す図である。画像解析装置を用いて求めたフェライト(白色部)の面積率は15%で、基地組織はパーライトであるが、この基地組織のなかで黒色雲状部分は、鋳造後のフェライトが焼きならし処理によりパーライトになった部分である。なお、円い黒色部のものは黒鉛である。
【0029】
(c)歯切り加工
焼ならし処理を行った球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材に歯切り加工を施してモジュール1〜5の歯形を形成する。
【0030】
(d)高周波焼入れ
次に、高周波焼入れにより歯形に沿った焼入れ層を形成する。図5は、高周波焼入れ層2の状態を示す拡大図である。高周波焼入れ層2の硬さはHv550以上となり、この高周波焼入れ層2の表面からの厚みは、歯元部6でモジュール比0.03〜0.35、基準ピッチ円直径部5でモジュール比0.03〜0.7、歯先部2でモジュール比0.03〜1.5となり、歯先部2で深く、歯元部6が浅くなっている。
【0031】
(e)仕上加工
高周波焼入れした歯車について、必要に応じ研削、ショットピーニングなどの仕上加工を行い完成品とする。
【0032】
【実施例】
(1)騒音測定
(JIS)FCD800相当の球状黒鉛鋳鉄材から歯車素材を作製し、焼きならし、歯切り加工、高周波焼入れ、仕上加工の工程により、表1に示す諸元のはすば歯車を作製した。また、同じ表1に示す諸元で(JIS)SCM435材を調質して歯車を作製した。
【0033】
(表1) はすば歯車諸元
歯形:並歯
モジュール:3.0
圧力角:20°
歯数:36(駆動側)/36(被駆動側)
ねじれ角:20°
基準ピッチ円直径:114.931mm
歯幅:20mm
精度:(JIS)1級
【0034】
そして、(JIS)FCD800相当の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車同士を一対とし、動力吸収式歯車運転試験機を用いて音圧測定により騒音測定を行い、実施例1とした。一方、駆動側歯車と被駆動側歯車とも同じ(JIS)SCM435材同士での騒音測定を行い、従来例1とした。なお、図6は一対の歯車と音圧測定位置を示す概略図である。騒音測定結果を表2に示す。
【0035】
【0036】
表2に示すように、実施例1の(JIS)FCD800相当の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材を、焼きならし、高周波焼入れした歯車は、音圧が、回転数600rpmで67.5dB、回転数1200rpmで74.5dBである。一方、SCM435を調質した従来材1の歯車は、音圧が、回転数600rpmで82dB、回転数1200rpmで89.5dBである。実施例1の歯車は、従来例1の歯車に比較して、約15dBの騒音低減効果があることがわかる。
【0037】
(2)曲げ疲労強度
(JIS)FCD800相当の球状黒鉛鋳鉄材から歯車素材を作製し、焼きならし、歯切り加工、高周波焼入れ、仕上加工の工程により、表3に示す諸元の平歯車を作製し、実施例2とした。また、同じ表3に示す諸元で(JIS)S45C材を高周波焼入れして歯車を作製し、従来例2とした。また、同じ表3に示す諸元で(JIS)SCM420材を浸炭焼入れして歯車を作製し、従来例3とした。
【0038】
(表3) 平歯車諸元
歯形:並歯
モジュール:3.0
圧力角:20°
歯数:40
基準ピッチ円直径:120mm
歯幅:20mm
精度:(JIS)3級
【0039】
そして、実施例2、従来例2および従来例3の各歯車について、歯元部6の圧縮残留応力を測定した。また、同じく実施例2、従来例2および従来例3の各歯車について、歯先部4に正弦波の片振り繰り返し曲げ荷重を与え、歯元部6の曲げ疲労強度を測定した。圧縮残留応力と歯元部6の曲げ疲労強度の結果を図7に示す。
【0040】
図7から、実施例2の(JIS)FCD800相当の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車素材を、焼きならし、高周波焼入れした歯車は、歯元部6の圧縮残留応力が520MPaで、歯元部6の曲げ疲労強度が1200MPaであることがわかる。これは、(JIS)S45C材を高周波焼入れした従来例2の歯元部6の圧縮残留応力が680MPaで、歯元部6の曲げ疲労強度が1200MPaとそん色ない歯車であることがわかる。一方、(JIS)SCM420材を浸炭焼入れした従来例3は、歯元部6の圧縮残留応力が290MPaで、歯元部6の曲げ疲労強度が850MPaであり、実施例2に対して劣っている。
【0041】
【発明の効果】
本発明の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車は、(1)振動、騒音の減衰効果が大きく、(2)曲げ疲労強度に優れ、(3)焼ならし後のパーライトおよびフェライト混合組織のため歯切り加工が容易で、(4)焼ならしを施した後に高周波焼入れするだけであるため、低コストに製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車の製造工程を示す図である。
【図2】FCD800相当の球状黒鉛鋳鉄材を875℃で2時間保持した後、強制空冷した焼きならし後の金属組織顕微鏡写真(倍率:400倍)を示す図である。
【図3】FCD700相当の球状黒鉛鋳鉄材を810℃で2時間保持した後、空気中で放冷した焼きならし後の金属組織顕微鏡写真(倍率:400倍)を示す図である。
【図4】FCD700相当の球状黒鉛鋳鉄材を810℃で2時間保持した後、空気中で放冷した焼きならし後の金属組織顕微鏡写真(倍率:400倍)を示す図である。
【図5】実施の形態における歯面に沿った高周波焼入れ層の状態を示す拡大図である。
【図6】一対の歯車と音圧測定位置を示す概略図である。
【図7】歯元の曲げ疲労強度線図である。
【符号の説明】
1・・・歯形、2・・・高周波焼入れ層、3・・・高周波焼入れ層以外の部位、4・・・歯先部、5・・・基準ピッチ円直径部、6・・・歯元部。
Claims (6)
- 歯面に沿い高周波焼入れ層が形成されたモジュール1〜5の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車であって、前記高周波焼入れ層以外の部位の基地組織がパーライトとフェライトを含み、前記フェライトの面積率が0.1〜15%であり、前記高周波焼入れ層の厚みが、歯元部で表面からモジュール比0.03〜0.35、基準ピッチ円直径部で表面からモジュール比0.03〜0.7、歯先部で表面からモジュール比0.03〜1.5であることを特徴とする球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車。
- 前記フェライトの面積率が0.1〜10%であることを特徴とする請求項1に記載の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車。
- 前記高周波焼入れ層の硬さがHv550以上であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車。
- 前記歯車の歯元部の圧縮残留応力が300〜1500MPaであることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車。
- 前記球状黒鉛鋳鉄材が、JISFCD800に規定される組成を有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車。
- 球状黒鉛鋳鉄からなる歯車素材に、850〜900℃の温度に0.5〜2時間保持してオーステナイト化した後、放冷または強制空冷を行う焼きならしを行い、歯切り加工をした後、歯形に沿った高周波焼き入れを行って、請求項1〜5のいずれかに記載の歯車を製造することを特徴とする球状黒鉛鋳鉄材からなる歯車の製造方法。
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