JPH0424466B2 - - Google Patents

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JPH0424466B2
JPH0424466B2 JP57220540A JP22054082A JPH0424466B2 JP H0424466 B2 JPH0424466 B2 JP H0424466B2 JP 57220540 A JP57220540 A JP 57220540A JP 22054082 A JP22054082 A JP 22054082A JP H0424466 B2 JPH0424466 B2 JP H0424466B2
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ultrafine
fiber
silver
ultrafine fiber
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JP57220540A
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Kenkichi Yagi
Hiroyasu Kato
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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【発明の詳細な説明】 本発明は極細繊維およびその束により構成され
た両面が銀付皮革様のリバーシブル銀付人工皮革
およびその製造方法に関するものである。
近年特に衣料分野を主体に新しいフアツシヨン
素材が求められてきているが、皮革様の新しい素
材に対する要望もますます増加してきている。
従来、皮革様素材の分野ではポリウレタン重合
体などの弾性高分子層を繊維基本の上に積層し、
皮革様シボをエンボスロールあるいは転写紙によ
り付与して銀付皮革様シート状物質を得ている。
しかしこのような銀付皮革様シート状物質にあつ
てはゴム様の反発性が強く、曲げかたさが大きい
ことから風合い上好ましくなく、外観もビニル感
の強い商品価値の低いものであつた。
従つて従来の銀付人工皮革の技術を用いてコン
ビ使いとしたり、リバーシブル使いとして新しい
デザインやフアツシヨンを開発するための従来に
ない素材として使用しようとしても、風合いや品
質がゴムライクであること、光沢がテカテカする
ことなどが基本的な問題となつて高級素材をねら
つたかかる目的には対応出来なかつた。
またポリウレタン重合体を積層するために、基
体と銀面層との性質を大きく変えることになり、
このような技術の延長で両面を銀面層にしたよう
なリバーシブル銀付人工皮革は、たとえ試作出来
たとしても、著しいダンボール構造となり折れじ
わが見苦しくなり、風合いも反発感の強いものし
か得られなかつた。かかる理由から現実にはリバ
ーシブル銀付人工皮革は例えアイデアはあつたと
しても実用化出来ていない。
本発明者らはかかる銀面品位の抜本的改良を図
るとともに、銀付調のリバーシブル使いが出来る
ような高品位の銀面層を両面にもち、かつ両面に
銀面層があつてもダンボール構造にならず柔軟な
風合いを示すような銀付人工皮革を得るための検
討を鋭意進め、コンビネーシヨン素材としても使
用出来る表裏両面が銀付皮革として使用可能なリ
バーシブル銀付人工皮革を得るに至つた。
すなわち本発明の目的は、両面が高級感のある
銀面層となつており、表裏両面が銀付皮革として
使用可能なリバーシブル銀付人工皮革およびその
製造方法を得るにある。
本発明は極細繊維および/またはその束の繊維
交絡点間距離が200ミクロン以下である繊維構造
体によつて主として形成された銀面層を表裏両面
に有し、銀面表面のシボ模様が表裏両面で異なる
ことを特徴とするリバーシブル銀付人工皮革およ
びその製造方法に関するものである。
本発明の銀付人工皮革は、極細繊維および/ま
たはその束がフイブリル化して緻密に絡み合つて
できた繊維構造体から主として形成された銀面を
表裏両面に有し、かつ表と裏の銀面表面において
はシボ模様が互いに異なつているため、ゴムライ
ク感がなく、光沢がテカテカしない高品位の銀面
外観と、両面に銀面層が存在しているにもかかわ
らず柔軟な風合とをもち、リバーシブル素材とし
て好適な両面銀付調皮革となるのである。
もちろんこのような素材は天然に存在しないの
で、皮革調のフアツシヨンにおいてユニークなデ
ザインが可能になるのは言うまでもない。
本発明に使用される極細繊維には、スーパード
ローなどの方法で直接製造した極細繊維を用いて
もよいが、繊維が細くなると紡糸が不安定になる
こと、加工がむつかしく取扱いにくいことなどか
ら、つぎに述べる極細繊維形成型繊維を用い加工
工程中の適当な時期に極細繊維に変成して用いる
ことが好ましい。すなわち、本発明に使用される
極細繊維形成型繊維は、たとえば、紡糸直後で極
細繊維を集束し部分的に軽く接着して1本にした
繊維、1成分を他成分間に放射状に介在せしめた
菊花状断面の繊維、多層バイメタル型繊維、ドー
ナツ状断面の多層バイメタル型繊維、2成分以上
の成分を溶解混合して紡糸した海島繊維、繊維軸
方向に連続した極細繊維が多数配列集合し他の成
分で結合および/または一部結合され1本の繊維
を形成した高分子相互配列体繊維などであり、こ
れらの2種以上の繊維を混合あるいは組み合せて
用いてもよい。複数の芯が他成分により介在的に
結合および/または一部結合された横断面を有す
る極細繊維形成型繊維は物理的作用を加えるある
いは結合成分の除去などにより比較的容易に極細
繊維が得られるため好ましく用いられる。また、
少なくとも1成分を溶解除去したとき0.2デニー
ル以下好ましくは0.05デニール以下の極細繊維を
主体とする繊維の束が得られる多成分からなる極
細繊維形成型繊維は、特にしなやかな風合、なめ
らかな表面を有する皮革様シート物が得られるた
め、さらに好ましく用いられる。また、本発明に
おける極細繊維は繊維形成能を有する高分子物質
からなり、例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナ
イロン12、共重合ナイロンなどのポリアミド、ポ
リエチレンテレフタレート、共重合ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、
共重合ポリブチレンテレフタレートなどのポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポ
リオレフイン、ポリウレタン、ポリアクリロニト
リルおよびビニル重合体などがあげられる。ま
た、該極細繊維形成型繊維の結合成分あるいは溶
解除去成分としては、例えば、ポリスチレン、ポ
リエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリ
ウレタン、アルカリ溶液に易溶出型の共重合ポリ
エチレンテレフタレート、ポリビニルアルコー
ル、共重合ポリビニルアルコール、スチレンーア
クリロニトリル共重合体、スチレンとアクリル酸
の高級アルコールエステルおよび/またはメタク
リル酸の高級アルコールエステルとの共重合体な
どが用いられる。紡糸のしやすさ、溶解除去の容
易さの点でポリスチレン、スチレン−アクリロニ
トリル共重合体、スチレンとアクリル酸の高級ア
ルコールエステルおよび/またはメタクリル酸の
高級アルコールエステルとの共重合体は好ましく
用いられる。さらに延伸倍率が高くとれ強度の高
い繊維が得られるという点でスチレンとアクリル
酸の高級アルコールエステルおよび/またはメタ
クリル酸の高級アルコールエステルとの共重合体
はさらに好ましく用いられる。また、該極細繊維
を枝分かれしやすくするという点で、結合成分あ
るいは溶解除去成分にポリエチレングリコールな
どの重合体を0.5〜30重量%混合して用いること
が好ましい。かかる極細繊維形成型繊維の繊度は
特に限定されるものではないが、紡糸における安
定性、シート形成のしやすさなどから1〜10デニ
ールのものが好ましい。
本発明の銀面層における極細繊維は、繊度が
0.2デニール以下のものが好ましい。0.2デニール
より太い場合は、繊維の剛性が過大で銀面層の柔
軟性や表面のしわ形態が損われるばかりでなく、
揉みなどにより亀裂が発生しやすく表面に凹凸が
発生したりして緻密でしなやかな銀面層の形成が
むつかしい。0.2デニール以下好ましくは0.05デ
ニール以下の極細繊維を用いると、繊維どうしの
交絡が緻密にでき、その後のシボ付け工程で鮮明
なシボが得られ、かつ平滑性がよくしなやかで、
亀裂が発生しにくく手になじみのよい銀面層を有
する皮革様シート物を容易に得ることができる。
本発明の皮革様シート物の銀面層における繊維
構造は極細繊維および/またはその束が相互に緻
密に交絡していることが必要である。すなわち繊
維の交絡密度が高いということである。繊維の交
絡密度を測る一つの方法として、後述する繊維交
絡点間距離を測定する方法があるが、銀面層の繊
維は、この方法での測定値が200μ以下の交絡密
度を有していることが必要である。この値が
200μより大きい構造のもの、たとえば繊維の交
絡をニードルパンチだけで行なつた絡みの少ない
繊維構造のもの、あるいは極細繊維またはその束
が単に面配列した構造のもの、あるいはまた極細
繊維またはその束が基材表面に毛羽状に密生しこ
れをねかせて造面した構造のものは、繊維の交絡
がほとんどないかまたは少ないため、擦過、揉
み、くり返しせん断力などを受けたとき、表面が
毛羽立つたり亀裂が発生したりしやすいため好ま
しくない。こうした欠点をなくすためには、繊維
交絡点間距離は200μ以下であることが必要であ
る。100μ以下の場合はより好ましい結果が得ら
れる。
ここで、繊維交絡点間距離とは、つぎの方法で
求めた値のことであり、繊維の交絡の緻密さを示
す一つの尺度として値が小さいほど交絡が緻密で
あることを示すものである。第1図は銀面層にお
ける構成繊維を走査型電子顕微鏡で表面側から観
察したときの構成繊維の拡大模式図である。構成
繊維をf1,f2,f3,……とし、そのうちの任意の
2本の繊維f1,f2が交絡する点をa1とし、a1で上
になつている繊維f2が他の繊維の下になる形で交
差する点までたどつていき、その交差した点をa2
(f2とf3の交絡点)とする。同様にa2,a4,a5,…
…とする。つぎにこうして求めた交絡点の間の直
線水平距離a1a2,a2a3,a3a4,a4a5,a5a6,a6a7
a7a3,a3a8,a8a7,a7a9,a9a6……を測定し、こ
れら多数の測定値の平均値を求めこれを繊維交絡
点間距離とする。
また本発明のリバーシブル銀付人工皮革の好ま
しい態様として、極細繊維束が主体に交絡してい
る極細繊維束交絡層の表裏両面が銀面層となつて
おり、該両方の銀面層は該極細繊維交絡層の極細
繊維束が枝分かれした極細繊維および/またはそ
の束からなる繊維構造体によつて主として形成さ
れており、該極細繊維束交絡層と銀面層における
繊維は実質的に連続しており、かつ該両層の境界
は枝分かれの程度が連続的に変化していることを
特徴とするような構造で、しかも銀面表面のシボ
模様が表裏両面で異なつているようなものがあげ
られる。
ここで、銀面層の極細繊維束の束の太さは全て
の束が同じである必要はなく、該下層の束の太さ
にくらべできるだけ細い(束に含まれる繊維の本
数が下層の束にくらべできるだけ少ない)方がシ
ート物の表面に凹凸が発生しにくく好ましい。ま
た、基材に不織布を使用した従来の銀付人工皮革
は基材が繊維だけからなるものでは外力によつて
伸びやすく変形が塑性的であるためもとの形にも
どりにくく、これを防止することから基材に樹脂
が付与されていた。しかし、極細繊維および/ま
たはその束が緻密に交絡した繊維構造を銀面層と
して表裏両面に有する本発明の銀付人工皮革は、
内部に樹脂が付与されてなくても異常に伸びるこ
とは少なく形態保持性が良好である。このことも
本発明のリバーシブル銀付人工皮革の大きな特徴
である。もちろん内部にはポリウレタンエラスト
マーなどの樹脂が付与されていてもよい。樹脂付
量はシート物の使用目的によつて異なるが、繊維
の重量に対し0〜80部の付量が好ましい。また銀
面層にも樹脂を付与してフイブリル化交絡した繊
維と一体化させることは好ましい方法であり、た
とえば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ塩化ビ
ニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリウ
レタン、ネオブレン、スチレンブタジエン共重
体、アクリロニトリルブタジエン共重合体、ポリ
アミノ酸、ポリアミノ酸ポリウレタン共重合体、
シリコン樹脂などの合成樹脂または天然高分子樹
脂、またはこれらの混合物などが用いられる。更
に必要によつては可塑剤、充填剤、安定剤、顔
料、染料、架橋剤等を添加してもよい。ポリウレ
タン樹脂またはこれに他の樹脂の添加剤を加えた
ものは、特に柔軟な風合や感触をもち耐屈曲性の
よい銀面層が得られるため好ましく用いられる。
銀面層の樹脂の付着構造については格別な限定は
なく目的によつて変わりうるが、衣料用など柔軟
性ややわらかな感触が特に要求される場合は、銀
面層の表面に近くなるにつれて樹脂が多く付着し
た構造のもの、銀面層の最表面のごく薄い層の樹
脂付量が特に多く、その他は全く樹脂が付着して
いないか付着していてもわずかの量であるような
構造のもの、あるいは、表面部分の樹脂は非多孔
質でそれ以下は多孔質である構造のものなどが好
ましい。また、耐傷性の特に高いことが要求され
る靴用などの場合は、銀面層の空〓部分にほとん
どすきまなく樹脂が充填された構造のものが好ま
しい。
本発明の皮革様シート物を製造する代表的な方
法としては、まず該極細繊維形成型繊維をたとえ
ば特公昭44−18369号公報に示された紡糸装置で
製造し、ステーブルにした後カード、クロスラツ
パーを通してウエブを形成し、さらにこれにニー
ドルパンチを行ない該極細繊維形成型繊維を交絡
させ繊維シートを形成する。または、該極細繊維
形成型繊維の紡糸に引き続いて延伸を行ない金網
上にランダムに設置し、得られたウエブに前記と
同様にニードルパンチを行ない繊維シートを形成
する。あるいは、普通繊維または別の極細繊維形
成型繊維からなる不織布、織布、編布に該極細繊
維形成型繊維を設置し、からませ不離一体にして
繊維シートを形成する。つぎに、こうして得られ
た繊維シートの表裏両面に高速流体流を接触させ
て銀面層に相当する部分を極細繊維および/また
はその束に枝分かれさせると同時に緻密に交絡さ
せる。ここでいう流体とは、液体あるいは気体で
あり、特別な場合は、きわめて微細な固体を含む
ものであつてもよいが、取り扱いやすさ、コス
ト、流体としての衝突エネルギー量の点から水が
最も好ましく用いられる。さらに目的に応じて、
該極細繊維形成型繊維の一部成分を溶解可能な
種々の有機溶剤あるいは水酸化ナトリウムなどの
アルカリまたは酸の水溶液なども使用できる。こ
れらの流体を加圧し、孔径の小さいノズルあるい
は間隔のせまいスリツトから噴射させ高速の柱状
流あるいはカーテン状流とし、繊維シートに接触
させ繊維の枝分かれおよび交絡を行なう。液体に
かける圧力は、該極細繊維形成型繊維あるいは極
細繊維束の枝分かれのしやすさによつて異なり、
枝分かれしやすい繊維では、5〜70Kg/cm2の比較
的低圧でよいが、枝分かれしにくい繊維では、70
〜300Kg/cm2の高圧が必要である。また、接触回
数をふやすことにより枝分かれおよび交絡の程度
を高めることも可能であり、接触のたびごとに圧
力を変化させてもよい。しかる後、使用した該極
細繊維形成型繊維を極細化することが必要とされ
る場合は、該極細繊維形成型繊維の一部成分を溶
解する溶剤で得られた繊維シートと処理し該一部
成分を溶解除去する。
また、必要に応じてポリウレタンエラストマー
などの樹脂の溶液又は分散液を含浸し湿式又は乾
式によつて凝固させる。ここで、高速流体流で処
理する前に該一部成分を溶解除去してもよく、こ
の場合は、該一部成分の溶解除去によつて繊維シ
ートの該極細繊維形成型繊維が極細繊維の束に変
成されているため、低い流体圧で容易にしかも高
度に枝分かれおよび交絡させることができること
から好ましい方法である。また、該一部成分の溶
解除去の工程の前と後で高速流体流の処理を行な
つてもよい。また、樹脂を付与する工程は、前記
の外に、高速流体流の処理工程と該繊維の一部成
分の溶解除去工程の間にもつてくることが可能
で、この場合は、該一部成分の溶解除去に使用す
る溶剤で付与した樹脂が溶解しないことが必要で
あるが、得られた繊維シートの極細繊維束と樹脂
との間に該一部成分が存在していた空間ができ相
互の動きに自由度が増すため風合を柔軟にするの
に好ましい方法である。一方、樹脂を付与した後
で高速流体流の処理を行なうことは、樹脂の付量
が多いときは繊維が樹脂で束縛されているため枝
分かれおよび交絡がほどんど行なわれず、好まし
い方法とはいえない。しかる後、得られた繊維シ
ートの表裏両面に形成された極細繊維および/ま
たはその束が交絡した層へ前記した銀面層用樹脂
の溶液又は分散液をリバースロールコーテイン
グ、ナイフコーテイング、スリツトコーテイン
グ、スプレーなどの方法で両面に付与し、湿式又
は乾式によつて凝固させ、皮革様シボが彫刻され
たエンボスロールもしくは鏡面ロールまたはシボ
賦型シートにより、表面と裏面が異なつたシボパ
ターンとなるよう前面ともに、型押し、もしくは
プレス加工して銀面化し、本発明のリバーシブル
銀付人工皮革を得ることができる。ここで、樹脂
を付与する前に繊維シートにプレスなどの処理を
行ない表面をあらかじめ平滑化することも好まし
い方法である。また、前述の一部成分の溶解工程
はかかる表裏両面への型押し、もしくはプレス加
工後に行なうことも風合の柔軟化に有効であり好
ましい方法である。
型押し、もしくはプレスの条件は繊維素材と樹
脂素材の特性から決めれば良く、特に制限はない
が通常50〜250℃の温度で、圧力のかかる条件で
行なわれる。本発明では型押しシボのパターンを
表裏で変えることにより、表裏で異なつた感じを
もつリバーシブル銀付人工皮革が得られる。また
片方が毛穴調シボで、片方が平滑面のものももち
ろん本発明の対象であり、本発明でいうシボ模様
とはプレスした平滑面も包含するものである。
上記により得られる本発明のリバーシブル銀付
人工皮革は、仕上樹脂の付与処理、染色処理、撥
水処理、揉み処理などの高次加工処理を行なつて
高品位化して商品価値を高め、衣料用途、靴用
途、資材用途などの各種用途に適用できる。この
場合表裏で異なる感覚の銀面調表面を自在に使用
して従来にないデザインが創造できるのは言うま
でもない。
以下に示す実施例は、本発明により明確にする
ためのものであつて、本発明はこれに限定される
ものではない。実施例において、部および%とあ
るのは特に記載のないかぎり重量に関するもので
ある。また平均交絡点間距離の値は100個の測定
値の平均値とした。
実施例 1 6−ナイロン(重合度450)40部とポリスチレ
ン(重合度1500)60部とよりなる混合チツプを、
スクリユー式押出機にて、孔径0.2mmφ、孔数300
のノズル(ノズル温度300℃)よりノズル付近の
曳糸部の温度をフードを使用して空気を吹きつ
け、120℃に冷却した曳糸部中に押出し、600m/
minの速度で捲取つた。その後空気中160℃で3
倍に熱延伸した。
得られた混合紡糸繊維は3.5デニールの太さで
あり、その横断面においてはポリスチレンの海の
中に、平均デニールが0.012デニールのナイロン
6極細島成分が約120本分散しているものが得ら
れた。最も細い極細島成分は0.006デニールであ
り、最も太いものは0.07デニールであつた。この
混合紡糸繊維をクリンプ、カツトの工程を通し、
カツト長51mmのステープルフアイバーとした。
このステープルフアイバーを開綿、カード、ク
ロスラツパー、ニードルパンチの各工程を通し、
厚みが2.5mmの不織布とした。該不織布の両面に
直径0.1mmの孔が0.6mm間隔で1列に並んだ噴射ノ
ズルから、圧力100Kg/cm2で柱状水流を噴き当て
る処理を交互にそれぞれ3回ずつ繰り返し、その
後乾燥した。次いでポリエステル系ポリウレタン
の8%ジメチルホルムアミド溶液を含浸し、水で
湿式凝固後乾燥したシートの両面に、ポリウレタ
ンをグラビアコーターで4g/m2ずつ塗布し、
160℃で一方の面には皮革様毛穴シボの彫刻され
たエンボスロールで型押しし、他方の面にはエル
ク調の揉みシボの彫刻されたエンボスロールで型
押しして表裏両面とも銀面とした後、トリクロル
エチレンで処理して混合紡糸繊維の海成分を除去
した。シートの厚みは1.1mmとなつていた。
さらに表裏の両銀面にポリウレタン系仕上剤を
グラビアコーターで2g/m2塗布した後、90℃で
1時間染色機で揉みを加えて黒色に染色した。得
られた本発明にかかるシート状物の銀面は、エン
ボスによる型押しシボと、染色時にうける揉みに
よるランダムな揉みシボが適度にミツクスされ、
天然皮革銀面様の高品位の表面外観をしており、
一面はプレーン調の銀面、他方の一面はラフなエ
ルク調の銀面と表裏で全く変つた外観を示してお
り、リバーシブル素材として好適であつた。
この銀付人工皮革に付与されているポリウレタ
ンを溶剤で抽出除去し、銀面層表面の構成繊維の
繊維交絡点間距離を測定したところ、毛穴調シボ
の表面の繊維交絡点間距離は105μ、エルク調シ
ボの表面の繊維交絡点間距離は110μであつた。
実施例 2 ポリエチレンテレフタレート55部、ポリスチレ
ン45部からなる混練チツプを溶融して静止型混合
器(東レハイミキサー)に供給し、300℃で孔径
0.25mm、孔数100の口金から押出し、500m/min
の速度で捲取つた。このとき口金の下にフードを
設け、これより空気を送出して溶融ポリマー流を
冷却した。しかるのちスチーム中にて3倍に延伸
した。
得られた混合紡糸繊維は3.5デニールの太さで
あり、その横断面においてはポリスチレンの海の
中に、平均デニールが0.009デニールのポリエチ
レンテレフタレート極細島成分が約200本分散し
ているものが得られた。この混合紡糸繊維をクリ
ンプ、カツトの工程を通し、カツト長38mmのステ
ープルフアイバーとした。
このステープルフアイバーを用いてカード、ク
ロスラツパー、ニードルパンチの各工程を通し不
織布とした後、その両面に直径0.1mmの孔が0.6mm
間隔で1列に並んだ噴射ノズルから、圧力100
Kg/cm2で高速柱状水流を噴き当てて乾燥し、トリ
クロルエチレンにより海成分を溶解除去した。
さらに同様の噴き当て処理を圧力70Kg/cm2とし
て、先に噴き当てを行なつた両面にもう一度施
し、乾燥した後、ポリウレタン溶液をグラビアコ
ーターで両面に塗布し、170℃の毛穴調エンボス
ロールにより片面に型押し加工を行ない、別の面
には200℃の鏡面ロールによりプレス加工を行な
い片面をカーフ調、片面をエナメル調の銀面表面
とした後、120℃、1時間の液流染色を行なつた。
得られた本発明の銀付人工皮革は片面が毛穴と
揉みシボのミツクスされたカーフ調の銀面を示
し、片面は光沢あるエナメル調をベースに揉みシ
ボがミツクスされた平滑性の良い銀面となつてい
るリバーシブル素材として適当なものであつた。
実施例1と同様にして測定した繊維交絡点間距
離は、片面が92μ、もう一方の面が95μであつた。
実施例 3 ポリスチレン95部とポリエチレングリコール5
部の混合物を海成分として45部、極細繊維成分と
してポリエチレンテレフタレート55部なる割合で
1フイラメント中に16本の極細繊維が含まれるご
とき形態の高分子相互配列体繊維の3.8デニール、
51mmのものを用いて実施例1と同様の方法で不織
布をつくつた。この不織布の目付は540g/m2
厚みは2.8mmであつた。
該不織布に5%のポリビニルアルコール水溶液
を付与し乾燥して収縮させた後、パークロルエチ
レンで処理して高分子配列体繊維の海成分を溶解
除去した。次いで熱水をシヤワリングしてポリビ
ニルアルコールを除去したした後、直径0.1mmの
孔が0.6mm間隔で1列に並んだ噴射ノズルから、
圧力60Kg/cm2で柱状水流を両面に3回ずつ噴き当
てて乾燥した。続いて10%のポリウレタンエマル
ジヨン液を含浸して乾燥後、実施例1で用いたと
同じように、両面にポリウレタンを同様に塗布
し、実施例2と同じ条件で片面に皮革毛穴シボの
エンボス加工を行ない、もう一方の面に鏡面ロー
ルのプレス加工を行ない、実施例2と同様に染色
して、本発明のリバーシブル銀付人工皮革を得
た。
得られた本発明の銀付人工皮革は片面が毛穴シ
ボのカーフ調銀面、反対面は平滑性の良い光沢銀
面となつておりリバーシブル素材として好適であ
つた。繊維交絡点間距離は毛穴シボ面が125μ、
平滑面が130μであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は銀面層における構成繊維を表面側から
観察したときの構成繊維の拡大模式図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 極細繊維および/またはその束の繊維交絡点
    間距離が200ミクロン以下である繊維構造体によ
    つて主として形成された銀面層を表裏両面に有
    し、かつ銀面表面のシボ模様が表裏両面で異なる
    ことを特徴とするリバーシブル銀付人工皮革。 2 極細繊維束が主体に交絡している極細繊維束
    交絡層の表裏両面が銀面層となつており、該両方
    の銀面層は該極細繊維交絡層の極細繊維束が枝分
    かれした極細繊維および/またはその束からなる
    繊維構造体によつて主として形成されており、該
    極細繊維束交絡層と銀面層における繊維は実質的
    に連続しており、かつ該両層の境界は枝分かれの
    程度が連続的に変化していることを特徴とする特
    許請求の範囲第1項に記載のリバーシブル銀付人
    工皮革。 3 極細繊維束が、少なくとも2種の高分子物質
    を海島状態に混合紡糸して得た混合紡糸繊維の海
    成分を溶解除去して得られたものであることを特
    徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に記
    載のリバーシブル銀付人工皮革。 4 極細繊維束が、少なくとも2種の高分子物質
    が海島状態に配列されてなる高分子配列体繊維の
    海成分を溶解除去して得られたものであることを
    特徴とする特許請求の範囲第1項または第2項に
    記載のリバーシブル銀付人工皮革。 5 銀面層および/または内部の空〓に樹脂が存
    在することを特徴とする特許請求の範囲第1〜4
    項のいずれかに記載のリバーシブル銀付人工皮
    革。 6 少なくとも下記〜の各工程を組み合せる
    ことを特徴とするリバーシブル銀付人工皮革の製
    造方法。 極細繊維または少なくとも2種の高分子物質
    からなる多成分系繊維であつて機械的操作ある
    いは化学的処理により極細繊維束を発生するよ
    うな極細繊維束発生型繊維が三次元絡合した構
    造を有する繊維質シートを得る工程。 繊維質シートの両面に高速の流体流を噴き当
    てる工程。 極細繊維束発生型繊維を極細繊維束化する工
    程。 高速流体流を噴き当てた両面を、異なつたパ
    ターンにより型押し、もしくはプレスする工
    程。
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