JPH0367147B2 - - Google Patents

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JPH0367147B2
JPH0367147B2 JP22053882A JP22053882A JPH0367147B2 JP H0367147 B2 JPH0367147 B2 JP H0367147B2 JP 22053882 A JP22053882 A JP 22053882A JP 22053882 A JP22053882 A JP 22053882A JP H0367147 B2 JPH0367147 B2 JP H0367147B2
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JP
Japan
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fiber bundle
sheet
sea
fibers
silver
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Application number
JP22053882A
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JPS59112078A (ja
Inventor
Kenkichi Yagi
Hiroyasu Kato
Kazuyoshi Okamoto
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP22053882A priority Critical patent/JPS59112078A/ja
Publication of JPS59112078A publication Critical patent/JPS59112078A/ja
Publication of JPH0367147B2 publication Critical patent/JPH0367147B2/ja
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  • Synthetic Leather, Interior Materials Or Flexible Sheet Materials (AREA)
  • Laminated Bodies (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は微細繊維およびその束により構成され
た両面が銀付皮革様のシート状物質およびその製
造方法に関するものである。 近年特に衣料分野を主体に新しいフアツシヨン
素材がとりあげられてきているが、皮革様の新し
い素材に対する要望も増々増加してきている。 従来、皮革様素材の分野ではポリウレタン重合
体などの弾性高分子層を繊維基体の上に積層し、
皮革様シボをエンボスロールあるいは転写紙によ
り付与して銀付皮革様シート状物質を得ている。
しかしこのような銀付皮革様シート状物質にあつ
ては、ゴム様の反発感が強く、曲げ剛さが大きい
ことから風合上好ましくなく、外観もビニル感の
強い商品価値の低いものであつた。 従つて、従来の銀付人工皮革を組み合せてコン
ビ使いとしたり、リバーシブルとして新しいデザ
インやフアツシヨンを開発する従来にない素材と
して使用しようとすると風合や品質がゴムライク
であること、光沢がテカテカすること、などが基
本的な問題となつて、高級素材としてのかかる目
的には対応できなかつた。 本発明者らはかかる銀面品位の欠点を基本的に
改良するとともに、銀付調のリバーシブル使いが
できるような高品位、風合、良好な発色特性を有
するシート状物を得るための検討を鋭意すすめ、
コンビネーシヨン用素材としても使用できる表裏
両面が銀付皮革として使用可能なシート状物を得
るに至つた。 すなわち本発明の目的は、両面が高級感のある
銀面様の緻密な表面であるような、表裏両面が銀
付皮革として使用可能であるシート状物およびそ
の製造法を得るにある。 本発明は表裏両面が銀面調表面となつているシ
ート状物質において、0.2デニール以下の超極細
繊維が多数本集まつてなる超極細繊維束(1次繊
維束と称する)がさらに複数本集まつてなる繊維
束(2次繊維束と称する)の部分、該2次繊維束
が分割されて該1次繊維束化した部分、および該
1次繊維束が分割されて該超極細繊維にフイブリ
ル化した部分が、相互に絡み合つて構成された不
織布シートであつて、シートの厚み方向に対し、
1次繊維束から枝分かれした超極細繊維がフイブ
リル化絡合した構造を主体とする一方の銀面調表
面から1次繊維束が主として絡合した構造を経
て、2次繊維束が主として絡合した構造に至り、
さらに該2次繊維束から枝分かれした1次繊維束
が主として絡合した構造を経て、遂に該1次繊維
束から枝分かれした超極細繊維がフイブリル化絡
合した構造を主体とする他方の銀面調表面に至る
ような表面および断面構造を有することを特徴と
する表裏両面が銀付皮革様のシート状物質、およ
びその製造方法に関するものである。 本発明のシート状物質は、超極細繊維がフイブ
リル化して絡み合つて形成された銀面を両面に有
し、かつ該超極細繊維は厚み方向に対して両方の
表面から遠ざかるにつれ、多数本が集束して1次
繊維束を形成し、さらに1次繊維束が複数本集束
して2次繊維束を形成するような特別な繊維構造
のため、良好な外観、品位、優れた表面強度に加
え、後処理加工で容易に、良好な揉みシボを付与
できるなど高級天然皮革に備わつている優れた特
長で、これまでの銀付人工皮革では達し得なかつ
た特長をもち、しかも両面ともこのような優れた
銀面調表面であるシート状物となる。 このため本発明のシート状物はコンビネーシヨ
ン使いやリバーシブル使いが可能となるのであ
る。しかも超極細フイブリルが絡合してできた銀
面は従来のポリウレタン膜の銀面と異なり、繊維
質主体であるので、従来の銀付人工皮革に比べ着
色性が格段に良く、光沢や色調が極めて自然とな
り、ビニールライクな欠点は解消される。加えて
このような両面銀付皮革は天然にも存在しないの
で、本発明により新しいデザインやフアツシヨン
が創造可能となる。 本発明のシート状物を構成する繊維としては、
少なくとも2種の高分子物質から成る海島型繊維
であつて、多数の島成分と海成分とから成る海島
構成の複数がさらに1コの海に囲まれており、全
海成分を除去後は0.2デニール以下の超極細繊維
が多数本集まつて成る超極細繊維束(1次繊維
束)がさらに複数本集まつて2次繊維束を形成す
るような構造の多成分系繊維が好ましく用いられ
る。 このような多成分系繊維の好ましい概念は第1
図、第2図、および第3図に示した。すなわち、
多数の島成分1と海成分2とから成る海島構造が
さらに大きな1コの海成分3に囲まれているよう
なものである。かかる多成分系繊維は全海成分を
除去すると、多数の超極細繊維から成る1次繊維
束とさらに1次繊維束が複数本集まつて成る2次
繊維束が得られる。 かかる多成分系繊維の製造手段については、例
えば特開昭54−125718に開示された海島型多成分
系繊維用紡糸口金を用いる方法が好ましい。この
方法においては島成分1と海成分2および海成分
3の配置が完全に規制でき、島成分の本数と太さ
を口金設計により任意に変更できる。またこの方
法の変形として島成分流を複数以上に分割して他
の島成分流と合流する機構としてスタテイツクミ
キサーを使用する方法も好ましい。すなわち本発
明の島成分1と海成分2の流れをスタテイツクミ
キサーに導入して海島構造とし、次いで海成分3
で被覆する方法である。 スタテイツクミキサーとしては、例えば特公昭
−53−36182記載のような流体混合器を使用すれ
ば、島本数および太さは混合素子の数で変更で
き、得られる島成分は前述の特殊口金法と同様繊
維軸方向に実質的に連続となる。フイブリル状態
から1次繊維束を経て2次繊維束に至るまで各超
極細繊維が連続する点で、上記の各手段による多
成分系繊維は本発明の目的に最も適つた繊維であ
る。 しかし本発明の目的からは必ずしも島成分は連
続している必要はなく、フイブリル状態、1次繊
維束、2次繊維束の構造を生ぜしめる繊維であれ
ば使用可能である。この意味から例えば特公昭47
−37648記載のような高分子相互配列体の島成分
がポリマブレンドされたものであつて、該島成分
が海島構造をなしているような多成分系繊維は使
用できる。しかし単なるチツプ混合あるいはエク
ストルーダ混合もしくは流れを分析するタイプの
スタテイツクミキサー混合によるポリマブレンド
では紡糸性が悪く、また繊維は本質的に不連続で
あるので、本発明の効果を得るための適正な製糸
条件の工夫が必要となり、また海島構成になる限
界島比率が前述の好適な製造手段に比べ、低くな
るのは止むを得ない。 上記の多成分系繊維を構成する島成分として
は、例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン
12、その他の共重合ナイロンなどのポリアミド
類、ポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエ
チレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレ
ート、共重合ポリブチレンテレフタレートなどの
ポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレン
などのポリオレフイン類、ポリアクリロニトリ
ル、ポリウレタン、およびビニル重合体などが用
いられる。また海成分としては、例えばポリスチ
レン、ポリプロピレン、アルカリ可溶の共重合ポ
リエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリウ
レタン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、
スチレンとアクリル酸の高級アルコールエステル
および/またはメタクリル酸の高級アルコールエ
ステルとの共重合体、ポリビニルアルコール、共
重合ポリビニルアルコールなどが用いられる。海
成分としては紡糸の容易さ、溶解除去の容易さの
点でポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル
共重合体、スチレンとアクリル酸の高級アルコー
ルエステルおよび/またはメタクリル酸の高級ア
ルコールエステルとの共重合体が好ましい。また
高速流体流により海成分を割裂しやすくする点
で、海成分にポリエチレングリコールなどの異種
ポリマを若干量混合することは好ましい。島成分
と海成分の選択は溶剤に対する溶解性が異なる組
み合せが必要であり、海成分2と海成分3の選択
は同種のポリマであつても異種のポリマであつて
も良いが、溶剤に対する溶解性は同じである組み
合せが好ましい。島成分1−海成分2−海成分3
の好ましい組み合せとしては、ナイロン6−ポリ
スチレン(共重合体を含む)−ポリスチレン(共
重合体を含む)、ポリエチレンテレフタレート
(共重合体を含む)−ポリスチレン(共重合体を含
む)−ポリスチレン(共重合体を含む)、ポリブチ
レンテレフタレート−ポリスチレン(共重合体を
含む)−ポリスチレン(共重合体を含む)などが
挙げられるが、もちろんこれらに限定されるもの
ではない。 1次繊維束を形成する島成分の本数は、どの多
成分系繊維の製造手段を選択するかということ
と、口金の設計、流体混合器の素子数、ブレンド
における島比率などの可変条件の設定により、コ
ントロールが可能である。少なくとも5本以上の
多数本が必要であるが、多数本になればなる程太
さは細化し、フイブリル化して形成される銀面構
造が緻密化するので好適である。この点からは前
述の特殊流体混合器を使用する方法は、島本数を
極めて多くとることが簡単であり特に好ましい。 2次繊維束を形成する1次繊維束の本数は、島
成分と海成分2の合流の流路をいくつ設けるかに
よつてコントロールが可能であり、好ましくは5
本以上の複数本が用いられる。上限については特
に制限はないが、口金の製作精度で限界がある。 島成分の太さは、本発明の目的を達成するため
には0.2デニール以下、好ましくは0.15デニール
以下の超極細を必要とする。これより太い繊維を
用いると、例えフイブリル化絡合させて銀面が形
成できても、平滑性や緻密性が劣り、本発明の目
的とする高級感のある銀面を有するシートは得ら
れない。 上述したような超極細繊維のフイブリル、1次
繊維束、2次繊維束が相互に絡合して成る本発明
のシート状物の好ましい概念を第4図に示した。
すなわち超極細繊維が多数本集束して成る1次繊
維束5は表面近傍で超極細繊維にフイブリル化し
て、かつ密に結合して緻密な銀面層4を形成し、
裏面に向つては1次繊維束5がさらに複数本集束
して2次繊維束6を形成し、さらに2次繊維束6
は1次繊維束7に分割され、該1次繊維束7はも
う一方の表面近傍でも超極細繊維にフイブリル化
して、かつ密に絡合して緻密な銀面層8を形成す
る。 そして、このような基本構造に樹脂が付着した
構造、特に少なくとも表面および表面近傍に近い
部分やシート内部の空隙に樹脂が存在する構造も
好ましい。特に超極細繊維や繊維束をとりまく形
で存在するのが良い。もちろん第4図はあくまで
1つの概念図であつて、フイブリル化絡合構造4
および8、1次繊維束5および7、2次繊維束6
の相対関係はこの通りであつても、厚み方向にお
ける比率関係は変つても全く差し支えない。かか
る構造の関係は高速流体流の噴き当て処理により
生ずるので、局部的には4,5,6の各構造ある
いは6,7,8の各構造が互いに入り乱れて絡合
する場合もあるが、本発明の効果が得られる範囲
内であれば差し支えないことである。 このような構造の本発明の銀付皮革様シート状
物を得る手段としては大別して2方法ある。その
1は、前述の多成分系繊維を適当な長さにカツト
してステーブルフアイバーとして開綿、カード、
ウエブ形成の工程を経てシート状ウエブとし、次
いでニードルパンチにより絡合を行なつて不織布
シートを得、該不織布の両面から高速流体流を噴
き当てて海成分の割裂と、露出した超極細繊維束
のフイブリル化絡合を行ない、然る後に多成分系
繊維の海成分に対しては溶剤で、島成分に対して
は非溶剤である液体により海成分を溶解除去し、
次いで高速流体流で処理した両面を型押しあるい
はプレスして本発明のシート状物とする方法であ
る。また海成分溶解工程と型押しあるいはプレス
工程を逆にしても良い。これら主工程の間に通常
の人工皮革製造の技術を組み合せることは、目的
の皮革シートの品質設計に応じ自由に行なえば良
い。 すなわち、不織布の収縮を高速流体流処理の前
もしくは後に行なうこと、ポリウレタンエラスト
マーなどの樹脂液を高速流体流処理の後に付与
し、湿式凝固あるいは乾式凝固により樹脂を繊維
あるいは繊維束のまわりに付与すること、型押し
もしくはプレス前に適当な樹脂を塗布することな
どの技術が組合せ可能である。 その2はその1と同様ニードルパンチした絡合
不織布とした後、多成分系繊維の海成分に対する
溶剤で、島成分に対しては非溶剤である液体によ
り海成分を溶解除去したシートに、両面から高速
流体流を噴き当てて主として表面の超極細繊維束
をフイブリル化絡合させて緻密な表面をもつシー
トとし、次いで高速流体流で処理した両面を型押
しもしくはプレスして本発明のシート状物とする
方法である。この方法においてもその1と同様人
工皮革の既存の技術との組合せを自由に行なうこ
とができる。すなわち不織布を収縮させること、
海成分の除去前にポリビニルアルコールなどの仮
固定性高分子を付与し、その後の適当な工程で抽
出除去すること、高速流体流処理後に仮固定性高
分子および/またはポリウレタンエラストマーな
どの樹脂を付与し、湿式凝固もしくは乾式凝固さ
せ、次いで仮固定性高分子を抽出除去すること、
型押しまたはプレス前に適当な樹脂を付与してお
くことなどの技術が使用可能である。またこの方
法において海成分除去時の寸法安定性を良くする
ために海成分除去の前後とも高速流体流処理を行
なうことも可能である。 すなわち本発明の表裏両面使用可能なシート状
物を得るには、超極細繊維フイブリル化絡合構
造、1次繊維束、2次繊維束の構造を形成するた
めに高速流体流の噴き当て処理と海成分の溶解除
去処理が重要であり、特に高速流体流の噴き当て
方が重要である。 高速流体流に用いられる流体としては、水が最
も好ましいが、目的に応じて有機溶剤やアルカ
リ、酸の水溶液なども用い得る。かかる流体は高
圧ポンプにより圧力をかけ、孔径の小さいノズル
もしくは間隔の狭いスリツトから噴射させて、高
速の柱状流あるいはカーテン流として、不織布シ
ートの面に噴き当てる。圧力条件は海成分が存在
するその1の方法では、海成分の割裂および超極
細繊維のフイブリル化の両作用を必要とするの
で、比較的高い圧力条件を要し、70〜300Kg/cm2
程度の範囲が好ましい。一方、海成分が存在しな
いその2の方法では、海成分の割裂は必要でない
ため、比較的低い圧力条件で良く5〜100Kg/cm2
程度が良好な範囲である。噴き当てによる打撃軌
跡を避けるため、噴出ノズルとシートを相対的に
動かす方法や通し回数を重ねる方法またはパルス
流による方法は有効である。 かかる高速流体流を両面に噴き当てることによ
り最初2次繊維束構造のみであつた繊維構造が、
噴き当ての影響をうけやすい両方の表面に近い部
分は1次繊維束に分割され、かつ液圧を直接うけ
る表面および表面近傍は1次繊維束がさらに分割
されて超極細繊維がフイブリル化し、該フイブリ
ルは絡合して極めて緻密な表面を形成し、その後
の型押しもしくはプレスにより両面が銀面化でき
る。 型押しもしくはプレスの条件は繊維素材と樹脂
素材の特性から決めれば良く、特に制限はない。
通常100〜250℃の温度で、圧力のかかる条件で行
なわれる。型押しもしくはプレス前に適当な樹脂
を付与する場合は、ポリウレタン樹脂、塩ビ系樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリアクリル酸
樹脂、ポリアミノ酸樹脂、シリコン樹脂やこれら
の混合物もしくは共重合体などが用いられる。こ
れらの樹脂に顔料や耐光剤などの添加剤が加わつ
てももちろん良い。型押しシボの模様を表裏で変
えることにより、表裏で異なつた感じを付与する
こともできるし、片方がシボで片方が平滑面のも
のもできる。もちろん表裏が同じ銀面調も可能で
ある。 上記により得られる本発明の表裏両面使用可能
なシート状物は、仕上樹脂の塗布処理、染色処
理、撥水処理、揉み処理などの高次加工処理を行
なつて高品位化して商品位化して商品価値を高
め、衣料用途、靴用途、資材用途などの各種用途
に適用できる。この場合、一方の銀面調表面と他
方の銀面調表面を自在に使用して従来にないデザ
インが創造できるのは言うまでもない。 以下本発明を実施例にて詳しく説明する。部お
よび%は全て重量に関するものである。 実施例 1 特開昭54−125718の海島型多成分系繊維用紡糸
口金を用いて、島成分をポリエチレンテレフタレ
ート、海成分をポリスチレン(島/海比率60/
40)とし、海成分中に16本の島が存在するような
海島構造が、さらに16本集まつて1個のポリスチ
レンの海に囲まれた断面をもつ多成分系繊維
(島/全海比率=48/52)を紡糸し、2.5倍に延
伸、クリンプ、カツトの各工程により3.8デニー
ル×51mmのステーブルフアイバーを得た。島成分
1本は0.007デニールの超極細繊維となつていた。
このステーブルフアイバーを開綿、カード、クロ
スラツパー、ニードルパンチの各工程を通し、厚
みが2.5mmの不織布とした。該不織布の両面に、
直径0.1mmの孔が0.6mm間隔で1列に並んだ噴射ノ
ズルから、圧力100Kg/cm2で柱状水流を噴き当て
る処理を交互にそれぞれ3回ずつ繰り返し、その
後乾燥した。次いでポリエステル系ポリウレタン
の8%ジメチルホルムアミド溶液を含浸し、水で
湿式凝固後乾燥したシートの両面に2液ポリウレ
タンをグラビアコーターで4g/m2ずつ塗布し、
160℃で一方の面には皮革様毛穴シボの彫刻され
たエンボスロールで型押しし、他方の面にはエル
ク調の揉みシボの彫刻されたエンボスロールで型
押しして、表裏両面とも銀面とした後、トリクロ
ルエチレンで処理して多成分系繊維の海成分を除
去した。このときシートの厚みは1.1mmとなつて
いた。 さらに銀面に黒色顔料を含有したポリウレタン
系仕上剤をグラビアコーターで2g/m2塗布した
後、120℃で1時間高温染色機で揉みを加えて黒
色に染色し、一面がスムーズな感じのする銀面調
で、他の一面は揉みシボの入つたラフな感じのす
る銀面調の表裏両面が銀付皮革様のシート物を得
た。走査型電子顕微鏡で柱状水流処理後の不織布
を観察したところ、明らかに両方の表面は超極細
繊維がフイブリル化して絡合し、次いで超極細繊
維が16本集束した1次繊維束に連なり、さらにそ
の下の1次繊維束がさらに16本集束した2次繊維
束主体の絡合層に連なる繊維構造となつていた。
さらに仕上つたシート状物の双方の表面はエンボ
スによりフイブリル化した繊維とそれをとりまく
樹脂が一体化した銀面となつており、その下に1
次繊維束とポリウレタン多孔質の部分、次いで中
央部が2次繊維束とポリウレタン多孔質の層とな
つていることが観察された。 得られた本発明にかかるシート状物の銀面は、
エンボスによる型押しシボと、染色時にうける揉
みによるランダムな揉みシボが適度にミツクスさ
れ、天然皮革銀面様の高品位の表面外観をしてお
り、一面はプレーン調の銀面、他方の一面はラフ
なエルク調の銀面と表裏で全く変つた外観を示し
ており、リバーシブル素材として好適であつた。 実施例 2 特開昭54−125718の装置において、1つの島成
分流が複数以上に分割されて他の島成分流と合流
する機構の部分として、特公昭53−36182記載の
流体混合器の混合素子(内径10mm)を10段重ねた
ものを用いた紡糸装置を作製し、該紡糸装置を用
いてナイロン6の流れとポリスチレンの流れと
を、ナイロン6/ポリスチレン比率が50/50にな
るよう上記流体混合器に導入し、合流分割された
ポリマ流は16本に分けられ、この16本をさらに1
個のポリスチレンの海でナイロン6/全ポリスチ
レン比率が40/60となるよう被覆する方法によ
り、本発明の多成分系繊維を得た。該多成分系繊
維の断面はナイロン6の微細な約400の島がポリ
スチレンの海に囲まれた海島構造が、さらに16本
集まつて1個のポリスチレンの海に囲まれた構造
となつていた。6デニール×51mmのステーブルと
したものの島成分の1本は、平均0.0004デニール
の超極細繊維となつていた。このステーブルフア
イパーを、カード、クロスラツパー、ニードルパ
ンチの各工程を通し不織布とした。該不織布に5
%のポリビニルアルコール水溶液を付与し乾燥し
て収縮させた後、パークロールエチレンで処理し
て多成分系繊維の海成分を溶解除去した。次いで
熱水をシヤワリングしてポリビニルアルコールを
除去した後、直径0.1mmの孔が0.6mm間隔で1列に
並んだ噴射ノズルから、圧力60Kg/cm2で柱状水流
を両面に3回ずつ噴き当てて乾燥した。続いて10
%のポリウレタンエマルジヨン液を含浸して乾燥
後、一方の水流処理面に赤色顔料を添加したポリ
ウレタンを5g/m2グラビアコーターで塗布し、
もう一方の水流処理面に青色顔料を添加したポリ
ウレタンを同様に塗布し、それぞれの面を150℃
で皮革様シボの彫刻されたエンボスロールで型押
しをした。 次いで茶系の含金染料を用いて100℃で1時間
の染色を行なつたあと、タンブラーで揉み加工を
行なつて本発明のシート状物を得た。走査型電子
顕微鏡で柱状水流処理後の不織布を観察したとこ
ろ、実施例1の本発明例と同様双方の表面は超極
細繊維がフイブリル化絡合しており、次いで超極
細繊維が集束した1次繊維束、さらに中央部が1
次繊維束が16本集束した2次繊維束の構造になつ
ていた。表面の超極細繊維の絡合状態は、実施例
1で見られたよりさらに緻密であつた。仕上つた
シート状物についてはこのような繊維構造にポリ
ウレタンが付着しており、双方の表面はエンボス
により超極細繊維とそれをとりまくポリウレタン
樹脂が一体化して銀面を形成しているような構造
になつていた。 得られた本発明のシートの銀面はエンボスによ
る型押しシボと、タンブラー揉み加工によるラン
ダムな揉みシボが適度にミツクスされ、羊皮調の
高品質の表面外観をしており、一方の銀面は深み
のある赤茶系統の色となつており、また他方の銀
面は深みのある青味系統の色となつておりリバー
シブル素材に好適であつた。 実施例 3 実施例1および実施例2の本発明例で用いた紡
糸方法および特公昭47−37648記載の紡糸方法を
用いて、第1表に示す原料および成分比率を用い
て本発明の多成分系繊維を得た。これらの繊維を
用いてカード、クロスラツパー、ニードルパンチ
の各工程を通し不織布とした後、その両面に直径
0.1mmの孔が0.6mm間隔で1列に並んだ噴射ノズル
から、圧力100Kg/cm2で高速柱状水流を噴き当て
て乾燥し、トリクロルエチレンにより海成分を溶
解除去した。さらに同様の噴き当て処理を圧力70
Kg/cm2として、先に噴き当てを行なつた両面にも
う一度施し、乾燥した後、ポリウレタン溶液をグ
ラビアコーターで両面に塗布し、170℃のエンボ
スロールにより両面に型押し加工を行ない立毛銀
面調表面とした後、実施例4、5については120
℃、1時間の液流染色、実施例6については100
℃、1時間の液流染色を行なつた。 得られた本発明のシート状物は、実施例1、2
の本発明例と同様の超極細繊維のフイブリル化絡
合とそれをとりまくポリウレタン樹脂が一体化し
て成る銀面層が両側にあり、次いで超極細繊維が
集束した1次繊維束、さらに中央部に1次繊維束
が集束した2次繊維束が存在する構造となつてい
た。 これら本発明のシート状物はそれぞれエンボス
ロールによる型押しシボと、液流染色での揉み作
用によるシボが適度にミツクスされ、天然皮革様
【表】 の自然な感じのする表面外観をしている銀面を表
裏に有しており、本発明の目的を達していた。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図および第3図は本発明で用い得
る多成分系繊維1本の断面図である。第4図は本
発明のシート状物の断面概念図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 表裏両面が銀面調表面となつているシート状
    物質において、0.2デニール以下の超極細繊維が
    多数本集まつてなる超極細繊維束(1次繊維束と
    称する)がさらに複数本集まつてなる繊維束(2
    次繊維束と称する)の部分、該2次繊維束が分割
    されて該1次繊維束化した部分、および該1次繊
    維束が分割されて該超極細繊維にフイブリル化し
    た部分から主として構成された不織布シートであ
    つて、シートの厚み方向に対し、1次繊維束から
    枝分かれした超極細繊維がフイブリル化絡合した
    構造を主体とする一方の銀面調表面から1次繊維
    束が主として絡合した構造を経て、2次繊維束が
    主として絡合した構造に至り、さらに該2次繊維
    束から枝分かれした1次繊維束が主として絡合し
    た構造を経て、遂に該1次繊維束から枝分かれし
    た超極細繊維がフイブリル化絡合した構造を主体
    とする他方の銀面調表面に至るような表面および
    断面構造を有することを特徴とする表裏両面が銀
    付皮革様のシート状物質。 2 特許請求の範囲第1項において、表面また
    は/および内部の空隙に樹脂が存在することを特
    徴とする表裏両面が銀付皮革様のシート状物質。 3 少なくとも下記〜の各工程を組み合せる
    ことを特徴とする表裏両面が銀付皮革様のシート
    状物質の製造方法。 少なくとも2種の高分子物質からなる海島型
    繊維であつて、海成分と多数の島成分とからな
    る海島構造の複数個がさらに1個の海に囲まれ
    ており、全海成分を除去後は0.2デニール以下
    の超極細繊維が多数本集まつてなる超極細繊維
    束(1次繊維束)がさらに複数本集まつて2次
    繊維束を形成するような構造の多成分系繊維が
    三次元絡合した構造を有する繊維質シートを得
    る工程。 繊維質シートの両面に高速の流体流を噴き当
    てる工程。 多成分系繊維の海成分を、溶解または解除す
    る工程。 高速流体流を噴き当てた両面を、型押し、も
    しくはプレスする工程。
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