JPS6238475B2 - - Google Patents

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JPS6238475B2
JPS6238475B2 JP18297582A JP18297582A JPS6238475B2 JP S6238475 B2 JPS6238475 B2 JP S6238475B2 JP 18297582 A JP18297582 A JP 18297582A JP 18297582 A JP18297582 A JP 18297582A JP S6238475 B2 JPS6238475 B2 JP S6238475B2
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fiber
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JP18297582A
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Kenkichi Yagi
Hiroyasu Kato
Kimio Nakamura
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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【発明の詳細な説明】 本発明は光沢とアニリン調異色模様を銀面に付
与する方法に関する。
従来、銀付人工皮革の多様化技術として、銀面
を形成するポリマ表面膜の上に、さらに異なる着
色を行なつて、天然皮革でいうアニリン調仕上、
アドバン加工などに対応する人工皮革を得る試み
がなされてきた。異色付与の方法として異なる顔
料を配合した弾性高分子を表面ポリマ膜の上に重
ね塗りするとか、グラビアロール法あるいはスプ
レー法などのコーテイングによりムラ付きさせる
とかの方法が用いられてきた。しかし、かかる方
法では付与した異色層が変色したり、はげ落ちる
欠点があり、得られるアニリン調効果としても、
人工感の強い外観と、ビニル感の強い光沢を示す
ものしか得られなかつた。
本発明者らは従来の銀付人工皮革のこのような
人工感の強い外観やビニルライクな光沢を防ぎ、
高級天然皮革のアニリン仕上げのような、自然感
の強い異色効果と、気品ある光沢を付与すること
を目的に鋭意検討を重ね、本発明に到達した。
すなわち本発明の目的は、高級天然皮革のアニ
リン仕上げに匹敵するような、自然感のある異色
模様とビニル感のない気品ある光沢を、人工皮革
銀面に付与することにある。
本発明の目的は、極細繊維および/またはその
束の繊維交絡点間距離が200ミクロン以下の交絡
から成る繊維構造体によつて主として構成される
銀面層に、下記工程の組合せ処理を施すことによ
り達成される。
○イ 押圧賦型による凹凸を形成した後、プレス加
工も施す工程。
○ロ 染色する工程。
本発明においては、極細繊維および/またはそ
の束の交絡からなる繊維構造体によつて主として
構成される銀面層に、予め第1段プレスで押圧賦
型による凹凸(シボ付け)を形成しているので、
その後のプレス加工(第2段プレス)で凸部はよ
り強く押圧され、緻密化される。この緻密化部分
は、プレス加工の前または後で行われる染色工程
で非緻密化部分より濃色化される。この結果、従
来のゴム状ポリマーが表面に積層されている人工
皮革では到底得られなかつた気品ある光沢が得ら
れ、かつ表面に生じている自然な凹凸、もしくは
シボ付けにより人工的に生じた凹凸が鏡面体によ
るプレス加工によりアニリン調の異色模様として
浮び上つてくるという従来考えられなかつた効果
が発現するのである。このような効果は従来のポ
リウレタンなどのポリマ膜が表面に積層された人
工皮革の銀面では得ることが不可能である。
本発明に使用される極細繊維には、スーパード
ローなどの方法で直接製造した極細繊維を用いて
もよいが、繊維が細くなると紡糸が不安定になる
こと、加工がむつかしく取扱いにくいことなどか
ら、つぎに述べる極細繊維形成型繊維を用い加工
工程中の適当な時期に極細繊維に変成して用いる
ことが好ましい。すなわち、本発明に使用される
極細繊維形成型繊維は、たとえば、紡糸直後で極
細繊維を集束し部分的に軽く接着して1本にした
繊維、1成分を他成分間に放射状に介在せしめた
菊花状断面の繊維、多層バイメタル型繊維、ドー
ナツ状断面の多層バイメタル型繊維、2成分以上
の成分を溶融混合して紡糸した海島繊維、繊維軸
方向に連続した極細繊維が多数配列集合し他の成
分で結合および/または一部結合され1本の繊維
を形成した高分子相互配列体繊維などであり、こ
れらの2種以上の繊維を混合あるいは組み合せて
1つの海の中に複数の海島構造が存在するような
高次の海島繊維も好適である。複数の芯が他成分
により介在的に結合および/または一部結合され
た横断面を有する極細繊維形成型繊維は物理的作
用を加えるあるいは結合成分の除去などにより比
較的容易に極細繊維が得られるため好ましく用い
られる。また、少なくとも1成分を溶解除去した
とき0.2デニール以下好ましくは0.1デニール以下
の極細繊維を主体とする繊維の束が得られる多成
分からなる極細繊維形成型繊維は、本発明の目的
とする気品ある光沢とアニリン調の異色模様を発
現しやすいため、さらに好ましく用いられる。ま
た、本発明における極細繊維は繊維形成能を有す
る高分子物質からなり、例えば、ナイロン6、ナ
イロン66、ナイロン12、共重合ナイロンなどのポ
リアミド、ポリエチレンテレフタレート、共重合
ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレ
フタレート、共重合ポリブチレンテレフタレート
などのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピ
レンなどのポリオレフイン、ポリウレタン、ポリ
アクリロニトリルおよびビニル重合体などがあげ
られる。また、該極細繊維形成型繊維の結合成分
あるいは溶解除去成分としては、例えば、ポリス
チレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリア
ミド、ポリウレタン、アルカリ溶液に易溶出型の
共重合ポリエチレンテレフタレート、ポリビニル
アルコール、共重合ポリビニルアルコール、スチ
レン―アクリロニトリル共重合体、スチレンとア
クリル酸の高級アルコールエステルおよび/また
はメタクリル酸の高級アルコールエステルとの共
重合体などが用いられる。紡糸のしやすさ、溶解
除去の容易さの点でポリスチレン、スチレン―ア
クリロニトリル共重合体、スチレンとアクリル酸
の高級アルコールエステルおよび/またはメタク
リル酸の高級アルコールエステルとの共重合体は
好ましく用いられる。さらに延伸倍率が高くとれ
強度の高い繊維が得られるという点でスチレンと
アクリル酸の高級アルコールエステルおよび/ま
たはメタクリル酸の高級アルコールエステルとの
共重合体はさらに好ましく用いられる。また、該
極細繊維を枝分かれしやすくするという点で、結
合成分あるいは溶解除去成分にポリエチレングリ
コールなどの重合体を0.5〜30重量%混合して用
いることが好ましい。かかる極細繊維形成型繊維
の繊度は特に限定されるものではないが、紡糸に
おける安定性、シート形成のしやすさなどから1
〜10デニールのものが好ましい。
本発明の銀面層における極細繊維は、繊度が
0.2デニール以下のものが好ましい。更に好まし
くは0.05デニール以下である。0.2デニールより
太い場合は、繊維の剛性が過大で銀面層の柔軟性
や表面のしわ形態が損われるばかりでなく、本発
明の目的とする気品ある光沢が得にくく、また細
かな天然皮革様のアニリン模様も得ることが難し
い。
本発明で用いる銀面層における繊維構造は極細
繊維および/またはその束が相互に緻密に交絡し
ていることが必要である。すなわち繊維の交絡密
度が高いということである。繊維の交絡密度を測
る一つの方法として、後述する繊維交絡点間距離
を測定する方法があるが、銀面層の繊維は、この
方法での測定値が200μ以下の交絡密度を有して
いることが好ましい。この値が200μより大きい
構造のもの、たとえば繊維の交絡をニードルパン
チだけで行なつた絡みの少ない繊維構造のもの、
あるいは極細繊維またはその束が単に面配列した
構造のもの、あるいはまた極細繊維またはその束
が基材表面に毛羽状に密生しこれをねかせて造面
した構造のものは、繊維の交絡がほとんどないか
または少ないため、擦過、揉み、くり返しせん断
力などを受けたとき、表面が毛羽立つたり亀裂が
発生したりしやすいため好ましくない。こうした
欠点をなくすためには、繊維交絡点間距離は200
μ以下であることが必要である。100μ以下の場
合はより好ましい結果が得られる。
ここで、繊維交絡点間距離とは、つぎの方法で
求めた値のことであり、繊維の交絡の緻密さを示
す一つの尺度として値が小さいほど交絡が緻密で
あることを示すものである。第1図は銀面層にお
ける構成繊維を表面側から観察したときの構成繊
維の拡大模式図である。構成繊維をf1,f2,f3
……としそのうちの任意の2本の繊維f1,f2が交
絡する点をa1とし、a1で上になつている繊維f2
他の繊維の下になる形で交差する点までたどつて
いき、その交差した点をa2(f2とf3の交絡点)と
する。同様にa3,a4,a5……とする。つぎにこう
して求めた交絡点の間の直線水平距離a1a2
a2a3,a3a4,a4a5,a5a6,a6a7,a7a3,a3a8,a8a7
a7a9,a9a6……を測定し、これら多数の測定値の
平均値を求めこれを繊維交絡点間距離とする。
また、銀面層の下層は極細繊維束が主体に交絡
しており、銀面層の極細繊維および/またはその
束は該下層の極細繊維束が枝分かれしてさらに緻
密に交絡したものであり、銀面層と該下層では繊
維は実質的に連続しており、かつ該両層の境界は
枝分かれの程度が連続的に変化した繊維構造のも
のは、本発明の目的の光沢およびアニリン調異色
模様効果が得られやすい上、一体感のある風合の
シート物が得られ銀面層と下層が剥離することが
ないことから好ましく用いられる。ここで、銀面
層の極細繊維束の束の太さは全ての束が同じであ
る必要はないが、該下層の束の太さにくらべでき
るだけ細い(束に含まれる繊維の本数が下層の束
にくらべできるだけ少ない)方が光沢やアニリン
調異色模様を付与しやすいので好ましい。もちろ
ん銀面層および/またはその下層にはポリウレタ
ンエラストマーなどの樹脂が付与されていてもよ
く、たとえば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、
ポリウレタン、ネオプレン、スチレンブタジエン
共重合体、アクリロニトリルブタジエン共重合
体、ポリアミノ酸、ポリアミノ酸ポリウレタン共
重合体、シリコン樹脂などの合成樹脂または天然
高分子樹脂、またはこれら樹脂の混合物などが用
い得る。更に必要によつては可塑剤、充填剤、安
定剤、顔料、染料、架橋剤等を添加してもよい。
ポリウレタン樹脂またはこれに他の樹脂や添加剤
を加えたものは、特に柔軟な風合や感触をもち本
発明の目的の光沢やアニリン効果が良く得られる
ため好ましく用いられる。銀面層の樹脂の付着構
造については格別な限定はなく目的によつて変わ
りうるが、衣料用など柔軟性ややわらかな感触が
特に要求される場合は、銀面層の表面に近くなる
につれて樹脂が多く付着した構造のもの、銀面層
の最表面のごく薄い層の樹脂付量が特に多く、そ
の他は全く樹脂が付着していないか付着していて
もわずかの量であるような構造のもの、あるい
は、表面部分の樹脂は非多孔質でそれ以下は多孔
質である構造のものなどが好ましい。また、耐傷
性の特に高いことが要求される場合は、銀面層の
空隙部分にほとんどすきまなく樹脂が充填された
構造のものが好ましい。
本発明の光沢およびアニリン調異色模様を付与
する方法としては、例えば、まず極細繊維形成型
繊維を特公昭44―18369号公報に示された紡糸装
置で製造し、ステープルにした後カード、クロス
ラツパーを通してウエブを形成し、さらにこれに
ニードルパンチを行ない該極細繊維形成型繊維を
三次元絡合させ繊維シートを形成する。または、
該極細繊維形成型繊維の紡糸に引き続いて延伸を
行ない金網上にランダムに載置し、得られたウエ
ブに前記と同様にニードルパンチを行ない繊維シ
ートを形成する。あるいは、普通繊維または別の
極細繊維形成型繊維からなる不織布、織布、編布
に該極細繊維形成型繊維を載置し、からませ不離
一体にして繊維シートを形成する。つぎに、こう
して得られた繊維シートに高速流体流を接触させ
て銀面層に相当する部分を極細繊維および/また
はその束に枝分かれさせると同時に緻密に交絡さ
せる。ここでいう流体とは、液体あるいは気体で
あり、特別な場合は、きわめて微細な固体を含む
ものであつてもよいが、取り扱いやすさ、コス
ト、流体としての衝突エネルギー量の点から水が
最も好ましく用いられる。さらに目的に応じて、
該極細繊維形成型繊維の一部成分を溶解可能な
種々の有機溶剤あるいは水酸化ナトリウムなどの
アルカリまたは酸の水溶液なども使用できる。こ
れらの流体を加圧し、孔径の小さいノズルあるい
は間隔のせまいスリツトから噴射させ高速の柱状
流あるいはカーテン状流とし、繊維シートに接触
させ繊維の枝分かれおよび交絡を行なう。液体に
かける圧力は、該極細繊維形成型繊維あるいは極
細繊維束の枝分かれのしやすさによつて異なり、
枝分かれしやすい繊維では、5〜70Kg/cm2の比較
的低圧でよいが、枝分かれしにくい繊維では、70
〜300Kg/cm2の高圧が必要である。また、接触回
数をふやすことにより枝分かれおよび交絡の程度
を高めることも可能であり、接触のたびごとに圧
力を変化させてもよい。しかる後、使用した該極
細繊維形成型繊維を極細化するのに必要とされる
場合は、該極細繊維形成型繊維の一部成分を溶解
する溶剤で得られる繊維シートを処理し該一部成
分を溶解除去する。また、必要に応じてポリウレ
タンエラストマーなどの樹脂の溶液又は分散液を
含浸し湿式又は乾式によつて凝固させる。ここ
で、高速流体流で処理する前に該一部成分を溶解
除去してもよく、この場合は、該一部成分の溶解
除去によつて繊維シートの該極細繊維形成型繊維
が極細繊維の束に変成されているため、低い流体
圧で容易にしかも高度に枝分かれおよび交絡させ
ることができることから好ましい方法である。ま
た、該一部成分の溶解除去の工程の前と後で高速
流体流の処理を行なつてもよい。また、樹脂を付
与する工程は、前記のほかに、高速流体流の処理
工程と該繊維の一部成分の溶解除去工程の間にも
つてくることが可能で、この場合は、該一部成分
の溶解除去に使用する溶剤で付与した樹脂が溶解
しないことが必要であるが、得られた繊維シート
の極細繊維束と樹脂との間に該一部成分が存在し
ていた空間ができ相互の動きに自由度が増すため
風合を柔軟にするのに好ましい方法である。一
方、樹脂を付与した後で高速流体流の処理を行な
うことは、樹脂の付量が多いときは繊維が樹脂で
束縛されているため枝分かれおよび交絡がほとん
ど行なわれず、好ましい方法とはいえない。しか
る後、得られた繊維シートの極細繊維および/ま
たはその束が交絡した層へ前記した銀面層用樹脂
の溶液又は分散液をリバースロールコーテイン
グ、グラビアコーテイング、ナイフコーテイン
グ、スリツトコーテイング、スプレーなどの方法
で付与し、湿式又は乾式によつて凝固させて繊維
構造体と樹脂とからなる複合体層から形成された
銀面層を得る。
次いで表面にシボ模様のあるエンボスロールも
しくはシボ賦型シートなどにより、上記の銀面層
にシボ付けを行なつても良い。前操作として平滑
ロールもしくは平滑シートによりあらかじめ平滑
化処理しておくことも良い。また、前述の極細繊
維形成型繊維の一部成分の溶解をかかるシボ付け
処理の後に行なうことも、風合の柔軟化に有効で
あり好ましい方法である。
本発明ではかかる方法で得られた銀面層の自然
な凹凸もしくはシボ模様の凹凸のある表面に、鏡
面体によるプレス加工を施すことにより、光沢と
アニリン調の異色模様を発生させる。鏡面体の形
態は平板でもロールでも良い。また、プレス時の
バツクロールに凹凸のついたロールを用いること
によつて上記銀面層の凹凸無くしてアニリン調の
異色模様を得ることもできる。
鏡面体によるプレス加工の適当な条件は、繊維
を構成するポリマー種および樹脂の種類により選
択されるので一概にはいえないが大体常温〜300
℃、クリアランスとして銀面層を有するシート状
物質の厚みの10%〜90%の厚みが適当な範囲であ
る。温度、クリアランスおよび通過速度、回数を
組み合せることにより、光沢の程度、アニリン調
異色模様の濃さ、風合をコントロールすることが
可能である。
染色処理を鏡面体によるプレス加工の前に行な
うことが光沢とアニリン調異色模様を顕著にする
ので特に好ましいが、プレス加工後に染色するこ
とも可能である。プレス加工後の染色の場合はや
や光沢が乏しくなる傾向にある。さらに必要に応
じて、工程の適当なところでスライス、裏面バ
フ、仕上げ剤塗布、揉みなどの処理を行なつても
よい。
こうして得られた本発明の銀面は、気品ある光
沢と天然皮革様のアニリン調異色模様を有する効
果を示し、人工皮革としてもしなやかな風合、な
めらかな表面感触を有し、耐屈曲性、耐せん断疲
労性、耐傷性が良好なため衣料用の銀付人工皮革
をはじめ、靴用甲革、ハンドバツグ、カバン、ベ
ルト、袋物、手袋、ボールの表革など各種の用途
に好ましく用いられる。
また、以上の如き原理を応用すると、鏡面体に
よるプレス加工を行なわずに、銀面に異色模様を
付与することもできる。すなわち、前述の銀面層
にシボ付けをした後に、更にエンボス加工を施す
のである。この場合は当然のことながら光沢性は
得られないが、凹凸状態の銀面に、更にエンボス
により凹凸を付与する結果、部分的に前述の如き
鏡面体によるプレス効果が発現し、一風変わつた
独特の異色模様が得られる。
以下に示す実施例は、本発明をより明確にする
ためのものであつて、本発明はこれに限定される
ものではない。実施例において、部および%とあ
るのは特に記載のないかぎり重量に関するもので
ある。また平均交絡点間距離の値は100個の測定
値の平均値とした。
実施例 1 2―エチルヘキシルアクリレート20部、スチレ
ン80部の割合で共重合させたビニール系ポリマ
(以下AS樹脂という)を結合成分として60部、極
細繊維成分としてナイロン6が40部からなる割合
で1フイラメント中に16本の島成分を有し、さら
にその島成分中に極細繊維成分が多数含まれる形
態の特公昭47―37648に示されたごとき高分子相
互配列体繊維の4.0デニール、51mmのステープル
を用いてカード・クロスラツパーを通してウエブ
を形成し、しかる後フツクの数が1個のニードル
を用いてニードルパンチをして該高分子相互配列
体繊維を絡合させ不織布をつくつた。該不織布の
目付は405g/m2、見掛密度は0.20g/cm3であつ
た。
孔径0.1mmの孔が孔の中心間距離0.6mmのピツチ
で一列に並んだノズルから100Kg/cm2の圧力をか
けた水を、該不織布を移動させながら、その表面
に高速で噴射接触させ同じ条件で5回処理し、つ
ぎに圧力を50Kg/cm2に下げノズルを振動させなが
ら同様の処理を2回行なつた。得られた不織布は
表層の高分子相互配列体繊維が極細繊維やその束
に枝分かれしており、かつ相互に緻密に交絡した
繊維構造を有するものであつた。
つぎに、ポリエチレンアジペートとポリブチレ
ンアジペートとの混合ジオールP,P′―ジフエニ
ルメタンジイソシアネートのプレポリマーをエチ
レングリコールで鎖伸長して得られたポリウレタ
ンの7%ジメチルホルムアミド(以下DMFとい
う)溶液を含浸し表面に付着した液をスクレイパ
ーで除去して水中へ導入して凝固した。しかる後
80℃の熱水中で十分洗浄しDMFを除去した。乾
燥後トリクロルエチレン中につけ、浸漬、絞液を
くり返し、AS樹脂をほぼ完全に抽出除去し、つ
いで乾燥を行なつて残留トリクロルエチレンを蒸
発除去した。
つぎに、これらのシートの表面から、含浸に用
いたポリウレタンと組成は同じであるが硬さをや
や硬くしたポリウレタンの10%溶液に顔料を添加
した溶液をグラビアコータで付与し乾燥後加熱エ
ンボスロールに通してプレスし皮革様シボ模様を
型押しした。さらに常圧で液流染色機を用いてベ
ージユ色に染色した。
得られた皮革状シートは皮革様シボの凹凸が付
与された光沢のない表面をしていた。このシート
を温度150℃でシート厚みの50%のクリアランス
で速度1.0m/分でカレンダー加工したところ、
銀面部は非常にきれいな光沢を発生し、かつ皮革
様シボ模様に沿つて濃茶とベージユの入り交つた
アニリン調異色模様を示す表面となつた。
この皮革様シート物に付与されているポリウレ
タンを溶剤で抽出除去し、銀面層表面の構成繊維
の繊維交絡点間距離を測定した。平均繊維交絡点
間距離は77μであつた。
実施例 2 ポリスチレン95部とポリエチレングリコール5
部の混合物を結合成分として45部、極細繊維成分
としてポリエチレンテレフタレート55部なる割合
で1フイラメント中に16本の極細繊維が含まれる
ごとき形態の高分子相互配列体繊維の3.8デニー
ル、51mmのものを用いて実施例1と同様の方法で
不織布をつくつた。この不織布の目付は540g/
m2、厚みは2.8mmであつた。
得られた不織布を95℃に加温したポリビニルア
ルコール(以下PVAという)の5%水溶液に浸
漬しPVAの含浸と同時に不織布の収縮を行ない
乾燥して水分を除去した後、トリクロルエチレン
中につけ、浸漬、絞液をくり返し結合成分を抽出
除去し乾燥した。得られた不織布は極細繊維が実
質的に束のまま交絡した不織布であり、この両面
に実施例1と同じノズルを用いて50Kg/cm2の圧力
をかけた水を高速で噴射させ、同じ条件でそれぞ
れの面に合計3回ずつの処理を行ないPVAの溶
解と同時に枝分かれ、交絡を行なつた。それぞれ
最後の1回はノズルを振動させながら処理し、
PVAを除去後水を含んだ状態のままマングルを
通してニツプした後乾燥した。得られた不織布の
表層はもとの極細繊維束が高度に枝分かれしてお
り、かつ緻密に交絡した繊維構造を有するもので
あつた。しかる後、1.1mmにスライスし、水流処
理した側の表層にポリウレタンの溶液にカーボン
ブラツクと染料を添加した塗料をグラビアコータ
で付与し、乾燥、プレスして一体化して複合体を
形成し皮革様シボのエンボスロールでシボ賦型を
行なつた。反対面はポリウレタンエマルジヨンを
グラビアコーターで付与、乾燥後バフイングを行
ない極細繊維を毛羽立たせ、ついで分散染料を用
いて120℃高温染色を行ない橙色に染色を行なつ
た。
得られた皮革状シートは皮革様シボの凹凸が付
与された光沢のない表面をしていた。このシート
を温度185℃でシートの厚みの70%のクリアラン
スで、速度1.0m/分で2回カレンダー加工した
ところ、銀面層は非常にきれいな光沢を発し、か
つ皮革様シボ模様に沿つて橙色と濃茶の入り交つ
たアニリン調異色を示す表面となつた。このもの
をさらにタンブラーで湿熱揉みを加え柔軟化した
ところ、光沢とアニリン調異色効果を保つたま
ま、柔軟かつ揉みしぼが入つた羊毛調の銀付人工
皮革となつた。
この皮革様シート物の銀面層のポリウレタンお
よび仕上げ剤を除去し構成繊維の平均繊維交絡点
間距離を測定したところ98μであつた。
【図面の簡単な説明】
第1図は銀面層における構成繊維を表面側から
観察したときの構成繊維の拡大模式図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 極細繊維および/またはその束の繊維交絡点
    間距離が200μ以下の交絡からなる繊維構造体に
    よつて主として構成される銀面層に、下記工程の
    組合せ処理を施すことを特徴とする光沢と異色模
    様を銀面に付与する方法。 ○イ 押圧賦型による凹凸を形成した後、プレス加
    工を施す工程。 ○ロ 染色する工程。 2 プレス加工が鏡面体によるプレス加工である
    ことを特徴とする特許請求の範囲第1項に記載の
    光沢と異色模様を銀面に付与する方法。 3 プレス加工がエンボス加工であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項に記載の光沢と異色
    模様を銀面に付与する方法。
JP18297582A 1982-10-20 1982-10-20 光沢と異色模様を銀面に付与する方法 Granted JPS5976977A (ja)

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ID=16127574

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JP18297582A Granted JPS5976977A (ja) 1982-10-20 1982-10-20 光沢と異色模様を銀面に付与する方法

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JPS54157801A (en) * 1978-06-01 1979-12-13 Asahi Chemical Ind Raising finish of leather like sheet article
JPS6017871B2 (ja) * 1979-09-13 1985-05-07 株式会社クラレ 皮革様シ−ト物の製造方法
JPS56128367A (en) * 1980-03-10 1981-10-07 Teijin Ltd Production of nuback like artificial leather

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