JPS6215389A - 皮革様シート物の製造方法 - Google Patents

皮革様シート物の製造方法

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JPS6215389A
JPS6215389A JP61175744A JP17574486A JPS6215389A JP S6215389 A JPS6215389 A JP S6215389A JP 61175744 A JP61175744 A JP 61175744A JP 17574486 A JP17574486 A JP 17574486A JP S6215389 A JPS6215389 A JP S6215389A
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fibers
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ultrafine
sheet
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Hiroyasu Kato
博恭 加藤
Kenkichi Yagi
八木 健吉
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、緻密に交絡した極細繊維およびその束と樹脂
とからなる銀面を有する皮革様シート物の製造方法に関
する。
従来の人工皮革の銀面層は、ポリウレタンエラストマー
などの樹脂からなる多孔質あるいは非多孔質の層、また
は、多孔質の層と非多孔質の層を積層して一体化した層
などから形成されている。
しかし、これらの銀面層を有する人工皮革は全体的な一
体感にとぼしく、ゴム的な反溌感が強い、擦過傷がつき
やすい、表面のツヤが一様で光沢に深みがないなどの欠
点を有するものである。また、これらの欠点を改良する
ため、■樹脂に微粒子など各種充填材を添加して銀面層
を形成したもの、■微細繊維束の面配列体と多孔質物質
を組み合わせて銀面層を形成したもの、■表面の毛羽繊
維と樹脂とを一体化して銀面を形成したもの、0表面繊
維を溶融あるいは溶解して部分的に結合して造面し銀面
層を形成したものなどが提案されている。
しかしながら■のものは、充填材を添加することにより
耐屈曲強度や銀面のツヤが低下するといった問題を有し
、■のものは、銀面の繊維構造が微細繊維が束の状態で
平面的に配列したものであるため強くもまれたり、せん
断応力がくり返しかかった場合、表面が毛羽立ったり、
繊維束の配列面にそって剥離が生じ、いわゆる“′銀う
き″と称される欠点が生じ、これが進行すると表面に亀
裂が発生するという問題を有し、また、微細繊維の束に
そって表面に微細な凹凸が発生し、外観を悪くするとい
う問題を有するものである。また、■ヤ■のものは、く
り返し屈曲されたり、せん断応力がくり返しかかった場
合、比較的簡単に表面にヒビ割れや亀裂が発生し外観が
きわめて悪化するという問題を有するものである。
本発明者らは、かかる従来の人工皮革の問題点を十分考
慮し、前記のような問題がなく、特に耐屈曲性、耐もみ
性、耐せん断疲労性、耐傷性の高い皮革様シート物を提
供するべくその製造方法について鋭意検討し、ついに本
発明に到達したものである。すなわち本発明は、次の構
成を有する。
(1)少なくとも下記[1]〜[3]の工程を順次行な
うことを特徴とする皮革様シー1〜物の製造方法。
■ 複数の極細繊維が他成分により介在的に結合された
横断面を有する極細繊維形成型繊維を少なくとも表層部
に用いて繊維シートを形成する工程。
■ 該繊維シートに高速流体流を接触させて繊維に枝分
れと交絡を付与して極細繊維および/またはその束の繊
維交絡点間距離が200ミクロン以下の繊維構造体を形
成する工程。
■ 該繊維構造体の表層部に樹脂を付与し、凝固または
固化せしめて繊維と樹脂の複合体からなる銀面層を少な
くとも片面に形成する工程。
本発明によって得られる皮革様シート物は、その銀面層
が、極細繊維およびまたはその束と、その空隙部分に存
在する樹脂とからなる複合体であり、かつ該極細繊維お
よび/またはその束が相互に緻密に交絡していることを
基本としており、この組合せによってはじめてしなやか
な風合、なめらかな表面感触を有し、耐屈曲性、耐せん
断疲労性、耐もみ性、耐傷性の良好な皮革様シート物を
提供とすることが可能となったのでおる。
本発明に使用される極細繊維には、スーパードローなど
の方法で直接製造した極細繊維を用いてもよいが、繊維
が細くなると紡糸が不安定になること、加工がむつかし
く取扱いにくいことなどから、つぎに述べる極細繊維形
成型繊維を用い加工工程中の適当な時期に極細繊維に変
成して用いることが好ましい。すなわち、本発明に使用
される極細繊維形成型繊維は、たとえば、極細繊維を集
束し他成分で接着して1本にした繊維、1成分を他成分
間に放射状に介在せしめた菊花状断面の繊維、多層バイ
タル型繊維、ドーナツ状断面の多層バイメタル型繊維、
2成分以上の成分を溶融混合して紡糸した海島繊維、繊
維軸方向に連続した極細繊維が多数配列集合し他の成分
で結合および/または一部結合され1本の繊維を形成し
た高分子相互配列体繊維などであり、これらの2種以上
の繊維を混合おるいは組み合せて用いてもよい。複数の
極細繊維が他成分により介在的に結合および/または一
部結合された横断面を有する極細繊維形成型繊維は物理
的作用を加えるかあるいは結合成分の除去などにより比
較的容易に極細繊維が得られるため好ましく用いられる
。また、少なくとも1成分を溶解除去したとき0.2デ
ニール以下好ましくは0.05デニール以下の極細繊維
を主体とする繊維の束が得られる多成分からなる極細繊
維形成型繊維は、特にしなやかな風合なめらかな表面を
有する皮革様シート物が得られるため、さらに好ましく
用いられる。また、本発明における極細繊維は繊維形成
能を有する高分子物質からなり、例えば、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン12、共重合ナイロンなどのポ
リアミド、ポリエチレテレフタレート、共重合ポリエチ
レンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、共
重合ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、
ポリウレタン、ポリアクリロニトリルおよびビニル重合
体などがめげられる。また、該極細繊維形成型繊維の結
合成分あるいは溶解除去成分としては、例えば、ポリス
チレン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、
ポリウレタン、アルカリ溶液に易溶出型の共重合ポリエ
チレンテレフタレート、ポリビニルアルコール、共重合
ポリビニルアルコール、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレンとアクリル酸の高級アルコールエステ
ルとの共重合体などが用いられる。紡糸のしやすさ、溶
解除去の容易さの点でポリスチレン、スチレン−アクリ
ロニトリル共重合体、スチレンとアクリル酸の高級アル
コールエステルおよび/またはメタクリル酸の高級アル
コールエステルとの共重合体は好ましく用いられる。
ざらに延伸倍率が高くとれ強度の高い繊維が得られると
いう点でスチレンとアクリル酸の高級アルコールエステ
ルおよび/またはメタクリル酸の高級アルコールエステ
ルとの共重合体はざらに好ましく用いられる。また、該
極細繊維を枝分れしやすくするという点で、結合成分お
るいは溶解除去成分にポリエチレングコールなどの重合
体を0゜5〜30重量%重量して用いることが好ましい
かかる極細繊維形成型繊維の繊度は特に限定されるもの
ではないが、紡糸にお【プる安定性、シート形成のしや
すさなどから1〜10デニールのものが好ましい。
本発明の銀面層における極細繊維は、繊度が0゜2デニ
ール以下のものが好ましい。0.2デニールより太い場
合は、繊維の剛性が過大で銀面層の柔軟性や表面のしわ
形態が損われるばかりでなく、揉みなどにより亀裂が発
生しやすく表面に凹凸が発生したりして緻密でしなやか
な銀面層の形成がむつかしい。0.2デニール以下好ま
しくは0゜05デニール以下の極細繊維を用いることに
よって、はじめて繊維どうしの交絡が緻密にでき、平滑
性がよくしなやかで、亀裂が発生しにくく手になじみの
よい銀面層を有する皮革様シート物が得られる。
本発明の皮革様シート物の銀面層における繊維構造は極
細繊維および/またはその束が相互に緻密に交絡してい
ることが必要でおる。すなわち繊維の交絡密度が高いと
いうことである。繊維の交絡密度を図る一つの方法とし
て、後述する繊維交絡点間距離を測定する方法があるが
、銀面層の繊維は、この方法での測定値が200μ以下
の交絡密度を有していることが必要でおる。この値が2
00μより大きい構造のもの、たとえば繊維の交絡をニ
ードルパンチだけで行なった絡みの少ない繊維構造のも
の、あるいは極細繊維またはその束が単に面配列した構
造のもの、あるいはまた極細繊維またはその束が基材表
面に毛羽状に密生しこれをねかぜで造血した構造のもの
は、繊維の交絡がほとんどないかまたは少ないため、擦
過、揉み、くり返しせん断力などを受けたとき、表面が
毛羽立ったり亀裂が発生したりしやすいため好ましくな
い。こうした欠点をなくするためには、繊維交絡点間距
離は200μ以下であることが必要である。100μ以
下の場合はより好ましい結果が得られる。
ここで、繊維交絡点間距離とは、つぎの方法で求めた値
のことでおり、繊維の交絡の緻密さを示す一つの尺度と
して値が小さいほど交絡が緻密であることを示すもので
ある。第1図は銀面層における構成繊維を表面側から観
察したときの構成繊維の拡大模式図である。構成繊維を
fl、f2.f3゜・・・・・・としたそのうらの任意
の2本の繊維fl、f2が交絡する点a1で上になって
いる繊維f2が他の繊維の下になる形で交差する点まで
たどっていきその交差した点をa2 (f2とf3の交
絡点)とする。同様にa3  、a4  、a5 、・
・・・・・とする。
つぎにこうして求めた交絡点の間の直線水平距離81a
2・a2a3・a3a4・a4a5・a5a6・a7a
B・a8a9・aBa7・878g・aga6.・・・
・・・を測定し、これら多数の測定値の平均値を求めこ
れを繊維交絡点間距離とする。
また、銀面層の下層は極細繊維束が主体に交絡しており
、銀面層の極細繊維および/またはその束は該下層の極
細繊維束が枝分れしてざらに緻密に交絡したものであり
、銀面層と該下層では繊維は実質的に連続しており、か
つ該両層の境界は枝分れの程度が連続的に変化した繊維
構造のものは、一体感のある風合のシート物が得られ銀
面層と下層が剥離することがないことから好ましく用い
られる。
ここで、銀面層の極細繊維束の束の太さは全ての束が同
じである必要はなく、該下層の束の太さにくらべできる
だけ細い(束に含まれる繊維の本数が下層の束にくらべ
できるだけ少ない)方がシート物の表面に凹凸が発生し
にくく好ましい。また、基材に不織布を使用した従来の
皮革様シート物は基材が繊維だけからなるものでは外力
によって伸びやすく変形が塑性的であるためもとの形に
もどりにくく、これを防止することから基材に樹脂が付
与されていた。しかし、本発明によって得られる極細繊
維および/またはその束が緻密に交絡した繊維構造を有
する皮革様シート物は、該下層部に樹脂が付与されてな
くても異常に伸びることは少なくシート物の形態保持性
が良好である。
このことも本発明皮革様シート物の大きな特徴で必る。
もちろん該下層にはポリウレタンエラストマーなどの樹
脂が付与されていてもよく、樹脂付量はシート物の使用
目的によって異なる。衣料用として用いる場合は繊維の
重量に対し0〜80部の付量が好ましい。銀面層に用い
る樹脂は、たとえば、ポリアミド、ポリエステル、ポリ
塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリウ
レタン、ネオプレン、スチレンブタジェン共重合体、ア
クリロニトリルブタジェン共重合体、ポリアミノ酸、ポ
リアミノ酸ポリウレタン共重合体、シリコン樹脂などの
合成樹脂または天然高分子樹脂、またはこれら樹脂の混
合物などである。更に必要によっては可塑剤、充填材、
安定剤、顔料、染料架橋剤等を添加してもよい。ポリウ
レタン樹脂またはこれに他の樹脂や添加剤を加えたもの
は、特に柔軟な風合や感触をもち耐屈曲性のよい銀面層
が得られるため好ましく用いられる。銀面層の樹脂の付
着構造については格別な限定はなく目的によって変わり
うるが、衣料用など柔軟性ややわらかな感触が特に要求
される場合は、銀面層の表面に近くなるにつれて樹脂が
多く付着した構造のもの、銀面層の最表面のごく薄い層
の樹脂付量が特に多く、その他は全く樹脂が付着してい
ないか付着していてもわずかの量であるような構造のも
の、あるいは、表面部分の樹脂は非多孔質でそれ以下は
多孔質である構造のものなどが好ましい。また、耐傷性
の特に高いことが要求される場合は、銀面層の空隙部分
にほとんどすきまなく樹脂が充填された構造のものが好
ましい。
本発明の皮革様シー1〜物の製造方法としては、まず該
極細繊維形成型繊維をたとえば特公昭44−18369
号公報に示された紡糸装置で製造し、ステープルにした
後カード、クロスラッパーを通し、ステープルにした後
カード、クロスラッパーを通してウェアを形成し、ざら
にこれにニードルパンチを行ない該極細繊維形成型繊維
を交絡させ繊維シートを形成する。または、該極細繊維
形成型繊維の紡糸に引き続いて延伸を行ない金網上にラ
ンダムに載置し、得られたウェブに前記と同様にニード
ルパンチを行ない繊維シートを形成する。
あるいは、普通繊維または別の極細繊維形成型繊維から
なる不織布、織布、編布に該極細繊維形成型繊維を載置
し、からませ不離一体にして繊維シートを形成する。
つぎに、こうして得られた繊維シートに高速流体流を接
触させて極細繊維および/またはその束に枝分れさせる
と同時に緻密に交絡させる。ここでいう流体とは、液体
おるいは気体であり、特別な場合は、きわめて微細な固
体を含むものであってもよいが、取り扱いやすさ、コス
1〜、流体としての衝突エネルギー量の点から水が最も
好ましく用いられる。さらに目的に応じて、該極細繊維
形成型繊維の一部成分を溶解可能な種々の有機溶剤おる
いは水酸化ナトリウムなどのアルカリまたは酸の水溶液
なども使用できる。これらの流体を加圧し、孔径の小さ
いノズルおるいは間隔のせまいスリン1〜から噴射させ
高速の柱状流あるいはカーテン状流とし、繊維シートに
接触させ繊維の枝分かれおよび交絡を行なう。液体にか
ける圧力は、該極細繊維形成型繊維おるいは極細繊維束
の枝分かれのしやすさによって異なり、枝分かれしやす
い繊維では、5〜70kq/cnfの比較的低圧でよい
が、枝分かれしにくい繊維では、70〜300kg/−
の高圧が必要でおる。また、接触回数をふやすことによ
り枝分かれおよび交絡の程度を高めることも可能であり
、接触のたびごとに圧力を変化させてもよい。しかる俊
、使用した該極細繊維形成型繊維を極細化するのに必要
とされる場合は、該極細繊維形成型繊維の一部成分を溶
解する溶剤で得られた繊維シートを処理し該一部成分を
溶解除去する。また、必要に応じてポリウレタンエラス
トマーなどのバインダー樹脂の溶液又は分散溶液を含浸
し湿式又は乾式によって凝固させる。ここで、高速流体
流で処理する前に該−成分を溶解除去してもよく、この
場合は、該一部成分の溶解除去によって繊維シートの該
極m繊維形成型繊維が極細繊維の束に変成されているた
め、低い流体圧で容易にしかも高度に枝分かれおよび交
絡させることができることから好ましい方法である。ま
た、該一部成分の溶解除去の工程の前と後で高速流体流
の処理を行なってもよい。また、バインダー樹脂を付与
する工程は、前記のほかに、高速流体流の処理工程と該
繊維の一部成分の溶解除去工程の間にもってくることが
可能で、この場合は、該一部成分の溶解除去に使用する
溶剤で付与した樹脂が溶解しないことが必要でおるが、
得られた繊維シートの極細繊維束と樹脂との間に該一部
成分が存在していた空間ができ相互の動きに自由度が増
すため風合を柔軟にするのに好ましい方法でおる。
一方、バインダー樹脂を付与した後で高速流体流の処理
を行なうことは、樹脂の付量が多いときはw4維が樹脂
で束縛されているため枝分かれおよび交絡がほとんど行
なわれず、好ましい方法とはいえない。しかる後、得ら
れた繊維シートの極細繊維および/またはその束が交絡
した表層部へ前記した銀面層用樹脂の溶液又は分散液を
リバースロールコーティング、グラビアコーティング、
ナイフコーティング、スリットコーティング、スプレー
などの方法で付与し、湿式又は乾式によってi疑固する
かまたは固化させ、ロール面おるいはシート面に重ね合
わせ加圧、必要に応じて加熱し、繊維と樹脂とを一体化
せしめると同時に表面の平滑化を行なう。ここで、樹脂
を付与する前に繊維シートにプレスなどの処理を行ない
表面の平滑化することも好ましい方法でおる。このとき
表面にシボ模様のあるエンボスロールあるいはシボ賦型
シートを使用すると一体化、平滑化とシボ賦型が同時に
行なえるため好ましい。ざらに必要に応じて、仕上げ剤
塗布、染色、揉みなどの処理を行なってもよい。
こうして得られた本発明の皮革様シート物は、しなやか
な風合、なめらかな表面感触を有し、耐屈曲性、耐せん
断疲労性、耐もみ性、耐傷性が良好なため衣料用の銀付
人工皮革をはじめ、靴用甲皮、ハンドバッグ、カバン、
ベルト、袋物、手袋ボールの表革など各種の用途に好ま
しく用いられる。
以下に示す実施例は、本発明をより明確にするためのも
のであって、本発明はこれに限定されるものではない。
実施例において、部および%とあるのは特に記載のない
かぎり重量に関するものでおる。また平均交絡点間距離
の値は100個の測定値の平均値とした。
実施例1 2−エチルへキシルアクリレート20部、スチレン80
部の割合で共重合させたビニール系ポリマ(以下As樹
脂という)を結合成分として60部、極細繊維成分とし
てナイロン6が40部からなる割合で1フイラメン1〜
中に16本の島成分を有し、さらにその島成分中に極細
繊維成分が多数含まれる形態の特公昭47−37648
号公報に示されたごとき高分子相互配列体繊維の4.0
デニール、51mmのステープルを用いてカード・クロ
スラッパーを通してウェブを形成し、しかる後フックの
数が1個のニードルを用いてニードルパンチをして該高
分子相互配列体繊維を結合させ不織布(A)をつくった
。不織布(A)の目付は405g/−IT12、見掛密
度は0.20g/ctKであった。
孔径0.1mn+の孔が孔の中心間距離0.6mmのピ
ッチで一列に並んだノズルから100k1110+fの
圧力をかけた水を、不織布(A)を移動させながら、そ
の表面に高速で噴射接触させ同じ条件で合計5回および
10回処理し、つぎに圧力を50kcJ/ciに下げノ
ズルを振動させながら同様の処理を5回処理のものおよ
び10回処理のものそれぞれに1回行ない不織布(B)
および不織布(C)をつくった。
得られた不織布(B)および不織@(C)は表層の高分
子相互配列体繊維が極細繊維やその束に枝分かれしてお
り、かつ相互に緻密に交絡した繊維構造を有するもので
あった。
つぎに不織布(A) 、(B)および(C)がそれぞれ
に、ポリエチレンアジペートとポリブチレンアジペート
との混合ジオールとp、 p’ −ジフェニルメタンジ
イソシアネートのプレポリマーをエチレングリコールで
鎖伸長して得られたポリウレタンの7%ジメチルホルム
アミド(以下DMFという)溶液を含浸し表面に付着し
た液をスフレイバーで除去して水中へ導入して凝固した
。しかる後80°Cの熱水中で十分洗浄しDMFを除去
した。乾燥1多1〜リクロルエチレン中につレノ、浸漬
、絞液をくり返し、AS樹脂をほぼ完全に抽出除去し、
ついで乾燥を行なって残留1ヘリクロルエチレンを蒸発
除去した。不織布(B)および(C)から1qられたシ
ー1〜の水流処理した側の面は凹凸の少ないきわめてス
ムーズな面であったが、不織布(A)から得られたシー
トの表面は枝分かれしてない極細繊維束にそった凹凸が
みられ平滑性の悪いものであった。
つぎに、これらのシートの表層部に、含浸に用いたポリ
ウレタンと組成は同じであるが硬さをやや硬くしたポリ
ウレタンの10%溶液に顔料を添加した溶液をグラビア
コータで付与し、乾燥して凝固した後、加熱エンボスロ
ールに通してプレスし皮革様シボ模様を型押しした。さ
らに常圧で液流染色機を用いて染色し、通常の方法で仕
上げ加工を行なった。
不織布(8)および(C)から得られた皮革様シート物
は、シボ模様にそったなめらかな表面を有し、柔軟で一
体感のある風合のものであったが、不織布(A)から得
られた皮革様シート物は、シボ模様以外に血管が浮き出
たような状態に極細繊維束にそった凹凸がみられ、また
極細繊維束にそってところどころに染色のときに発生し
た亀裂がみられ極細繊維が露出していた。
これらの皮革様シート物に付与されているポリウレタン
および仕上げ剤を溶剤で抽出除去し、銀面層表面の構成
繊維の繊維交絡点間距離を測定した。不織布(A)を用
いたものの平均繊維交絡点間距離は361μ、不織布(
B)のものでは193μ、不織布(C)のものでは77
μであった。
また、これらの皮革様シー1〜物の耐屈曲性、耐せん断
疲労性、耐傷性を測定した結果は表1に示したとおりで
あった。これから、不織布(8)、(C)を使用した本
発明の皮革様シート物は不織布(八)を使用したものに
くらべ耐屈曲性、耐せん断疲労性、耐傷性のいずれもす
ぐれたものであることがわかった。
表1 注:測定法 (1)  耐屈曲性 JIS  K  6545−1970に準じて銀面の損
傷の程度を判定する。
(2)  耐せん断疲労性 幅3 cmの短冊形試験片をつかみ間隔2cmのクラン
プに取り付け、つかみ間隔を変えないように片方のクラ
ンプを、伸張率が25%になる位置まで移動させ、これ
を250回/分の速さでくり返す。1万回後の銀面の4
0傷の程度を上記(1〉の判定基準に基づいて判定する
(3)  耐傷性 タレメンス引掻試験機を用い、荷@5007を載せた直
径1 mmの針で銀面を引掻き銀面が掘り起された傷が
発生するまでの引掻回数で耐傷性の程度を判定する。
実施例2 実施例1でつくった不織布(八)を95℃に加温したポ
リビニルアルコール(以下PV△という)の5%水溶液
に浸漬しPVAの含浸と同時に不織イ「の収縮を行ない
乾燥して水分を除去した後、1〜リクロルエチレン中に
つけ、浸漬、絞液をくり返しAs樹脂を抽出除去し乾燥
した。得られた不織布は極細繊維が実質的に束のまま交
絡した不織布でおり、この両面に実施例1と同じノズル
を用いて50kq/cnfの圧力をかけた水を高速で噴
射させ、同じ条件でそれぞれの面に合計3回ずつの処理
を行ないPVAの溶解と同時に枝分かれ、交絡を行なっ
た。それぞれ最後の1回はノズルを振動させながら処理
し、PVAを除去後水を含んだ状態のままマングルを通
してニップした後乾燥した。得らた不織布の表層はもと
の極細繊維束が高度に枝別かれしてあり、かつ緻密に交
絡した繊維構造を有するものであった。しかる後、片面
をサンドペーパーで軽くパフィングし、もう一方の面の
表層部にポリウレタン溶液をグラビアコータで付与した
。それ以後は、実施例1と同じ方法で皮革様シート物を
作った。
1qられた皮革様シート物は、実質的に繊維の交絡だけ
で形態が固定されているにもかかわらず形態保持性が良
好で、繊維構造が極めて天然皮革に類似しており、柔軟
性にすぐれ充実感のある風合を有するものであった。ま
た、折り曲げ端を指でつまんだとき、天然皮革における
様な丸みのある感触、形状を示し、手で強く揉むと引張
るとかしてみても亀裂や毛羽の発生はみられなかった。
この皮革様シート物をコートに仕立ててみたところ、紙
様の折れシワの発生がなくきわめて上品な外観を有する
ものであった。
この皮革様シート物の銀面層のポリウレタンおよび仕上
げ剤を溶剤で除去し構成繊維の平均繊維交絡点間距離を
測定したところ13μであった。
実施例3 ポリスチレン95部とポリエチレングリコール5部の混
合物を結合成分として45部、極細繊維成分としてポリ
エチレンテレフタレート55部なる割合で1フイラメン
ト中に16本の極細繊維が含まれるごとき形態の高分子
相互配列体繊維の3゜8デニール、51mmのものを用
いて実施例1と同様の方法で不織布をつくった。この不
織布の目付は5409/m2、厚みは2.8mmであっ
た。この不織布の片面に、実施例1と同じノズルを用い
て70kv/−の圧力で噴射させた水の柱状流を接触さ
せ、同じ条件で5回、圧力を30kq/−に下げて2回
の処理を行なった。ざらに95°Cの熱水中に入れ収縮
処理とマングルによるニップを行なった。得られた交絡
不織布は、厚みが約1.8romに減少し、水流処理し
た面から厚みの約Xの層は該高分子相互配列体繊維から
枝分かれした平均繊度約0.15デニールの極細繊維お
よびその束が主体に緻密に密度高くしており、その表面
は凹凸のきわめて少ないものであった。しかる後、実施
例1と同じポリウレタンの濃度10%の含浸溶液を用い
、同様に含浸、凝固、湯洗、乾燥を行なった。
つぎにトリクロルエチレンを用いてポリスチレンとポリ
エチレングリコールの溶解除去を行ない、1.1mmに
スライスした後水流処理した側の表層部にポリウレタン
の溶液にカーボンブラックと染料を添加した塗料をグラ
ビアコータで付与し、乾燥して固化させ、プレスして一
体化して複合体を形成しシボ賦型を行なった。反体面は
パフィングを行ない極細繊維を毛羽立たせ、ついで分散
染料を用いて120’C高温染色を行ない通常の仕上げ
加工を行なった。得られた皮革様シート物は、反撥性の
少ない一体感のある風合のもので、片面は比較的毛足の
長い極細繊維の毛羽を有し、もう一方の面は上品な外観
の銀面を有するもので、天然の根付皮革に極めて類似し
た構造のものであった。
またこのものを靴の中車として用いたところ1、従来の
ものではつま先に“あらび″と称する凹凸の発生がさけ
られなかったが、本発明のものでは、こうした凹凸の発
生はなくスムーズな表面を有する靴が得られた。また、
この靴を着用したところ、従来のポリウレタン被膜を有
するものにくらべ極めて傷がつきにくいものでめった。
この皮革様シート物の銀面層のポリウレタンおよび仕上
げ剤を除去し構成繊維の平均繊維交絡点間距離を測定し
たところ98μであった。
実施例4 AS樹脂を結合成分として68部、極細繊維成分として
ナイロン6が32部からなる割合で1フイラメント中に
16本の島成分を有し、ざらにその島成分中に極細繊維
成分が多数含まれる形態の高分子相互配列体繊維の4.
0デニール、51 n+mのステープルを用いてカード
・クロスラッパーを通してウェアを形成し、しかる俊フ
ックの数が1個のニードルを用いてニードルパンチをし
て該高分子相互配列体繊維を結合させ不織布をつくった
不織布の目付は20CHJ/m2、見掛密度は0.14
9/−であった。
孔径0.25mmの孔が孔の中心間距離1.0mmのピ
ッチで一列に並んだノズルからノズルを揺動させなから
100kCJ/−の圧力をかCプだ水を噴射さV、コン
ベアに乗せて移動中の不織布に衝突させた。
次に、不織イ「をひつくり返し、反対面(イ面)側から
75に9104.50kv/cJ、 10ki/cff
lの圧力でそれぞれ1回ずつ同様の処理を行なった。
1qられた不織布は表層の高分子相互配列体繊維が極細
繊維やその束に枝分かれしており、かつ相互に緻密に交
絡した繊維構造を有するものであった。 平均繊維交絡
点間距離は85μであった。
その後85℃の熱水中に浸漬し、収縮とプレスを行ない
、乾燥後再びプレスした。
しかる後、架橋型2液ポリウレタンの7%溶液をグラビ
アコータで付与し、不織布イ面側の表層部に付与し、乾
燥して凝固した後、加熱ロールに通して繊維を一体化し
て複合体を形成せしめると同時に表面の平滑化を行なっ
た。次いで、トリクロルエチレン中につけ、浸漬、絞液
をくり返し、AS樹脂をほぼ完全に抽出除去し、ついで
乾燥を行なって残留トリクロルエチレンを蒸発除去した
1さらに常圧で液流染色機を用いて染色し、通常の方法
で仕上げ加工を行ない、揉み機にかけて揉み処理を行な
った。
1qられた皮革様シート物は、細かいもみじわににそっ
たなめらかな表面を有し、バインダー樹脂が無いにもか
かわらず形態保持性が良好で対傷性が高く、極めて柔軟
で一体感のある風合のものでめった。しかも、目付が9
8!7/Tr12、厚みは0゜37mと薄いためドレー
プ性にすぐれ、シャツやドレスにも展開できるものであ
った。
【図面の簡単な説明】
第1図は銀面層における構成繊維を表面側から観察した
ときの構成繊維の拡大模式図で必る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)少なくとも下記[1]〜[3]の工程を順次行な
    うことを特徴とする皮革様シート物の製造方法。 [1]複数の極細繊維が他成分により介在的に結合され
    た横断面を有する極細繊維形成型繊維を少なくとも表層
    部に用いて繊維シートを形成する工程。 [2]該繊維シートに高速流体流を接触させて繊維に枝
    分れと交絡を付与して極細繊維および/またはその束の
    繊維交絡点間距離が200ミクロン以下の繊維構造体を
    形成する工程。 [3]該繊維構造体の表層部に樹脂を付与し、凝固また
    は固化せしめて繊維と樹脂の複合体からなる銀面層を少
    なくとも片面に形成する工程。
  2. (2)極細繊維形成型繊維が少なくとも1成分を溶解除
    去したとき0.2デニール以下の極細繊維となる多成分
    繊維である特許請求の範囲第(1)項に記載の皮革様シ
    ート物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH026651A (ja) * 1987-12-16 1990-01-10 Asahi Chem Ind Co Ltd 高強度湿式不織布及びその製造方法

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5257302A (en) * 1975-11-06 1977-05-11 Kuraray Co Production of leather like sheet material having property similar to leather
JPS56134274A (en) * 1980-03-17 1981-10-20 Kuraray Co Leather like sheet article

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