JPH0382872A - 物性、風合ともに良好な人工皮革用繊維質シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、新規な人工皮革用シー）・に関するものであ
り、物性、風合ともに良好な合成皮革、人工皮革等の基
材として用いられる人工皮革用シートに関するものであ
る。

［従来の技術］ 合成皮革、人工皮革等の基材として、不織布に高分子弾
性体等の樹脂を充填させてなる繊維質シートが多く用い
られている。

高分子弾性体等の樹脂を充填する方法としては、該高分
子弾性体の溶液、エマルジョン、分散液を含浸あるいは
コーティング等の方法でイ；１与した後に、乾式あるい
は湿式で凝固または固化する方法が一般に用いられてい
る。

充填方法が乾式の場合、多くの高分子弾性体の皮膜が１
００％モジュラスが３０　ｋｇ　／　ｃｎｆ以上と高い
ために、基祠の風合が硬くなるという欠点がある。

したがって、高分子弾性体の充填方法としては、柔らか
い風合を得るためにも、一般には湿式で凝固させる方法
が多く用いられるが、この方法では一定の物性を得るに
は充填量を多くする必要があり、コストが高くなるとい
う欠点がある。

一般に、基材として風合が柔らかいものは染色での熱、
揉みの作用で寸法変化が大きく、さらに柔軟化するため
に揉むなどの物理的作用を加えると、表面の状態が大き
く変化して目的を成さないことが多くある。

また、このようなものはいろいろな取扱いの際に寸法変
化が大きく、例えば、洗濯あるいはドライクリーニング
で表面の品位が変わるという欠点がある。

この欠点を改善するために、高分子弾性体等の樹脂を多
く充填するなどの手段が一般に用いられるが、逆に風合
が硬くなり、通気性も低下するなど基材としては実用面
で難点がある。

また、基拐として不織布に織物、編物などを押入して物
理的作用に対し強くすることで欠点を改善する方法もあ
るか、全体の寸法変化を抑えることには効果があっても
表面の状態変化を防ぐには十分ではなく、さらに経済面
、コスト面でも問題が生じる。

［発明が解決しようとする課題］ 本発明の目的は、上述したような点に鑑み、人工皮革用
繊維質シートに対し、その風合や通気性を実質的に損な
うことなく、染色あるいは染色後に風合を柔軟化するた
めの揉み等の物理的作用に十分に耐え得る物性を低コス
トで付与することによって、洗濯あるいはドライクリー
ニングなどでの表面晶化の変化を効果的に抑えることの
できる人工皮革様繊維質シートを提供せんとするにある
。

［課題を解決するための手段］ 」二連した目的を達成する本発明の人工皮革用繊維質シ
ートは、次の構成を有するものである。

すなわち、本発明の人工皮革用繊維質シートは、繊維を
立体的に絡合させた不織布に、１００％モジュラスが３
０ｋｇ／ｃｎｒ以下の高分子弾性体を乾式で充填させて
なることを特徴とするものである。

かかる本発明の人工皮革用繊維質シートにおいて、好ま
しくは、高分子弾性体が、不織布を形成する繊維重量に
対して１５重量％以下で不織布に充填されてなるもので
あり、あるいは、また、繊維が、０．　５デニール以下
の極細繊維であるものであり、あるいは、また、高分子
弾性体が充填される前の不織布の密度が、０．５５〜０
．７０ｇ／　ｃｕｔであるものであり、あるいは、また
、高分子弾性体の１００％モジュラスが１０ｋｇ／Ｃｉ
以下であるものである。

［作用］ 以下、さらに詳しく本発明の人工皮革用繊維質シートに
ついて説明をする。

本発明の特徴は、繊維を立体的に絡合させた不織布に皮
膜の柔らかい高分子弾性体を充填させることにある。こ
こで皮膜とは、高分子弾性体を単独で実際の不織布への
充填と同じ条件で作製して得られる皮膜のことである（
以下、これを単に皮膜と称す）。

すなわち、不織布を形成する繊維どうしを接着あるいは
拘束する高分子弾性体か柔らかい皮膜であると、繊維の
自由度を持たせて風合を損なわずに、物理的作用に対す
る寸法変化などの変形を抑えることが可能になる。

したがって、皮膜が硬い場合には、不織布を形成する繊
維どうしの接着あるいは拘束が強固で繊維の自由度が抑
制され、風合が損なわれることは明らかである。

本発明において、皮膜の柔らかい高分子弾性体とは、該
高分子弾性体のエマルジョン、分散液、溶液を乾式によ
って凝固あるいは固化することで得られる皮膜が柔らか
いことであり、その物性で１、００％モジュラスは低く
、３０ｋｇ／ｃｒｌ以下であること、好ましくは１−　
Ｏｋｇ　／　ｃｎｆ以下である。

皮膜の他の物性で、引張り強度については柔らかい皮膜
を得んがためにあまり低いものでは、例えば物理的作用
を受けた際に、不織布を形成する繊維どうしの接着、拘
束よりも先に皮膜か破壊され好ましくない。

逆に、このような高分子弾性体で充填量を多くして破壊
を防ごうとすると、風合が硬くなり皮膜の柔らかさが生
かされず好ましくない。

したがって、皮膜の物性のうち引張り強度については実
用に耐えうる値であればよく、目的に合せ適宜選定ずれ
はよい。

引張り伸度については、あまりに小さいと不織布を形成
する繊維どうしの接着、拘束が強く、風合か硬くなるの
で実用面から５０％以上であることが好ましく、より好
ましく１００％以上であることである。

高分子弾性体としては、ポリウレタン、アクリロニトリ
ル−ブタジェン共重合体、ポリブタジェン等の合成樹脂
が一般に使用されるが、目的に合せ適宜選定すればよい
。

本発明において、不織布への高分子弾性体の充填方法は
、高分子弾性体のエマルジョン、分散液あるいは溶液を
含浸あるいはコーティングする等の方法でイ」与した後
、乾式によって固化することで充填をすればよいもので
ある。

高分子弾性体の充填量は、風合、物性のバランスから不
織布を形成する繊維の重量に対して１５％以下とするこ
とが好ましく、最適には１０％以下である。充填量が多
いと風合が硬くなり、高分子弾性体の軟らかい皮膜の利
点を生かせないからである。

不織布を形成する繊維は、しなやかな風合、ソフトなタ
ッチの面で極細繊維である方がより好ましく用いられ、
その繊度は好ましくは０．　５デニール以下であり、よ
り好ましくは０．２デニール以下である。繊度が小さい
と、不織布の密度か同じ場合では繊維どうしの絡合箇所
が多くなり物理的作用を受けた際の応力分散が図れ、好
ましいことがわかる。

極細繊維には、メルトブロー、スーパードローなどの方
法で直接製造した極細繊維を用いてもよいが、一般には
、物理的作用を加えることあるいは結合成分を除去する
ことなどにより、比較的容易に極細繊維形成型繊維が得
られるという理由から、海島型複合繊維、混合紡糸複合
繊維あるいは剥離型複合繊維などの極細繊維形成型繊維
を出発原料としてなるものを用いるのが好ましい。

繊維は、繊細形成能を有する高分子物質からなるもので
あればよく、ナイロン６、ナイロン６６などのポリアミ
ド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのポリエステル、ポリエチレン、ポリプロ
ピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリロニトリルな
どの高分子物質を適宜用いることができる。

また、極細繊維形成型繊維における結合成分あるいは溶
解除去成分としては、ポリエチレン、ポリスチレン、ポ
リプロピレンなどがあげられる。

高分子弾性体を充填する不織布の状態としては、−窓以
上の密度を有していることが肝要であり、好ましくは０
．５５〜０．７ｇ／ｃ＋＋！、より好ましくは０．　６
０＝０．　６５　ｇ／ｃ消の密度を有していることであ
る。低密度では繊維間空隙が大きく、物性の点では、一
般に繊維どうしの接着あるいは拘束に高分子弾性体の充
填量を多く必要とすることから、硬くなりがちであり好
ましくない。逆に、あまり高密度であると一般に不織布
も硬く、繊維間空隙が不均一であるがために、高分子弾
性体を均一に充填することは難しくなってくる。

したがって、−窓以上の密度を得るためには、加熱など
の手段で収縮させ、さらにカレンダーロルなどを用いて
プレスする方法が一般的に用いられるが、極細繊維形成
型繊維を特に用いた場合でかつ該極細繊維形成型繊維が
、海島型複合繊維、混合紡糸複合繊維の場合は、溶解除
去成分の除去前の状態で該プレスを行う方が高い密度か
得られ、かつ、該高分子弾性体は繊維どうしの接着より
も全体的な拘束の効果の方がより支配的となって、風合
が硬くなりにくいものであり、好ましい。

ただし、高分子弾性体の充填工程については、剥離型複
合繊維を用いる場合も含め、極細繊維形成型繊維の極細
繊維化の前あるいは後のいずれにするかは、風合、物性
のバランスの両面から適宜選択すればよい。

また、風合などの目的とする品質への影響が許容できる
範囲であれば、該高分子弾性体とは別の高分子弾性体な
どを予め充填する手段や不織布に織物、編物などを挿入
する手段で密度アップを図ってもよい。

さらに、スムース調の合成皮革の製造にあっては、塗料
をコーティング、スプレーあるいは含浸などの手段で銀
面を形成した後に、あるいは、スェード調の合成皮革の
製造にあっては、パフ処理を施して毛羽立たせた後に高
分子弾性体の充填を図っても差支えない。

［実施例コ 以下、実施例によって本発明の具体的構成、効果につい
て説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるも
のではない。

なお、物性の測定は、以下のような方法、条件で行った
。

皮膜物性、ダンベル打ち抜き幅２ｍｍ、、試長２０ｍｍ
を引張り速度１．００ｍｍ／ｍｉｎ選択後外観変化ニド
ライクリーニング処理前後１ の表面変化を判定 風合　触感で判定 通気性・フラジール法により比較例と比べ判定。

実施例１〜３ ３デニールの２成分系海島型複合繊維（島成分：ポリア
ミド、３０重量％、島本数３６木：海成分ポリスチレン
７０重量％）をカット長駒５．１ｍｎ＋。

捲縮数約１４山／　ｉ　ｎの繊維とした。

この繊維を用いて、カード、クロスラッパーを通してウ
ェブを形成し、ニードルパンチ処理にて不織布を作った
。得られた不織布は、目有ｊが２９９ｇ／ポ、密度０．
　１−５　’Ｊ−ｇ／ｃｒＡであった。

これをさらに熱水中で収縮させ、さらにカレンダーロー
ルを用いてプレスし、乾燥後、プレスして得られた不織
布は、目（−＝Ｊが４８１−ｇ／ｒｄ、厚み０．７７ｍ
ｍ、密度０．　６２５　ｇ／ｃｆｆｌであった。

こうして得られた得られた不織布シートに、皮膜物性が
１．００％モジュラス９ｋｇ／ｃｎｆ、引張り強度２１
−１−　ｋｇ　／　ｃｒｌ　、引張り伸度王０６２％の
高分子弾性体のエマルジョンを含浸付与し乾燥し、不織
２ 布の島成分ポリアミドに対して、６重量％（実施例１．
）、１．０重量％（実施例２）、２０重量％（実施例３
）充填させた。さらに、これらのシートをトリクロルエ
チレン中で浸漬、絞液を繰返し海成分のポリスチレンを
除去した後、常圧で４：２型金属錯塩染料で染色した。

こうして得られた繊維質シート基材のうち、実施例１品
および実施例２品は、高分子弾性体を充填してない繊維
質シー１−　（比較例１品）と比べて、洗濯後の表面変
化の改善がなされたにもかかわらず、風合や通気性の悪
化かみられず非常に良好なものであった。

なお、高分子弾性体を２０重量％充填したもの（実施例
３品）は、洗濯後の表面変化はよく改善されたが、実施
例１−や２のものと比較すると、風合がやや硬く、通気
性もやや劣った。

実施例４．５ 上述実施例１〜３においてニードルパンチして得られた
目イ」が２９９ｇ／ｎ（、密度０．１５］、ｇ／ｃｌ］
！の不織布を用い、熱水中で収縮、乾燥後、さらにカレ
ンダーロールを用いてプレスし密度０゜３９５ｇ／ｃｎ
ｌのシートと、さらにカレンターロルを用いて熱プレス
し密度０．　７３５　ｇ／ｃＩＴＩの２種のシートを得
た。

得られた２種の不織布シートに、実施例１−〜３で用い
たと同様の高分子弾性体のエマルジョンを含浸付与し、
乾燥して不織布の島成分ポリアミドに対し６重量％充填
させた。

次に、これらのシートをトリクロルエチレン中で浸漬、
絞液を繰返して海成分のポリスチレンを除去した後、常
圧で４：２型金属錯塩染料で染色した。

こうして得られた繊維質シート基材のうち、低密度（０
，３９５ｇ／ｃ［Ｉｔ）で高分子弾性体を充填したもの
（実施例４）は、風合や通気性は良いが、洗濯後の表面
変化の改善効果としては大きくなく、また一方、高密度
（０，７３５ｇ／ｃｎりで高分子弾性体を充填したもの
（実施例５）は、洗濯後の表面変化改善の点では不十分
な点もあり、かつ、表面の状態（毛羽立ち）も部分的な
ムラが気になるものであった。

比較例１〜２ −に連実施例１．〜３おいてニードルパンチして得られ
た目トｊが２９９ｇ／ｒｒｆ、密度０．ｉ５１．ｇ／ｃ
Ｉｌｌの不織布を用い、熱水中で収縮□、乾燥させ、さ
らにカレンダーロールを用いてプレスして、目トｊが４
８１ｇ１ｒｄ、厚み０．７７、密度０．６２５ｇ／ｃＩ
１１のシートを得た。

得られたシートに、皮膜物性が１００％モジュラス３５
ｋｇ／ｃｔ、引張り強度］−５０ｋｇ　／　ｃ＋＋Ｌ引
張り伸度５００％の高分子弾性体のエマルジョンを含浸
付与し、乾燥し不織布の島成分ポリアミドに対して６重
量％充填させた。

このシートをトリクロルエチレン中で浸漬、絞液を繰返
し海成分のポリスチレンを除去した後、常圧で４：２型
金属錯塩染料で染色した。

こうして、得られた繊維質シート基材（比較例２）は、
実施例１品と比べ、通気性は変わらないものの風合が硬
く、実用面で使用できないものであった。

５ 以上の各実施例と比較例の評価結果をまとめて第１表中
に記載した。

第１表中、比較例］は、」二連比較例２において高分子
弾性体を何も充填させていないもののブタである。

］　６ ［発明の効果］ 以上述べた通り、本発明によれば、風合、通気性を損な
うことが実質的にな（、かつ低コス）・で、染色あるい
は染色後に風合を柔軟化するための揉み等の物理的作用
に耐えうる物性を有し、洗濯あるいはドライクリーニン
グ処理などでの表面高位変化を抑え得る風合の非常に良
好な人工皮革用繊維質シートが提供されるものである。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. （１）繊維を立体的に絡合させた不織布に、１００％モ
   ジュラスが３０ｋｇ／ｃｍ＾２以下の高分子弾性体を乾
   式で充填させてなることを特徴とする人工皮革用繊維質
   シート。
2. （２）高分子弾性体が、不織布を形成する繊維重量に対
   して１５重量％以下で不織布に充填されてなることを特
   徴とする特許請求の範囲第（１）項記載の人工皮革用繊
   維質シート。
3. （３）繊維が、０．５デニール以下の極細繊維であるこ
   とを特徴とする特許請求の範囲第（１）項または第（２
   ）項記載の人工皮革用繊維質シート。
4. （４）高分子弾性体が充填される前の不織布の密度が、
   ０．５５〜０．７０ｇ／ｃｍ＾３であることを特徴とす
   る特許請求の範囲第（１）項、第（２）項または第（３
   ）項記載の人工皮革用繊維質シート。
5. （５）高分子弾性体の１００％モジュラスが、１０ｋｇ
   ／ｃｍ＾２以下であることを特徴とする特許請求の範囲
   第（１）項、第（２）項、第（３）項または第（４）項
   記載の人工皮革用繊維質シート。